JP2000037414A - 介護用等のｔ字帯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来の介護用等のＴ字帯を改良
して生産性を向上し装着感を高め着脱を簡便にする。 【解決手段】 本発明は２列針床式経編機を使用して平
面状編地を数センチメートルメートル乃至数十センチメ
ートルメートルと、これに続く網目状編地を数十センチ
メートルの長さで交互に編成した巾数センチメートル乃
至数十センチメートルの編物を各網目状編地の適宜部位
で裁断し、前記平面状編地の両側を網目状編地ではさむ
ように形成した編物の両裁断部をミシン等で整形しかつ
その一方又は両側に紐、テープ、バンド、フック等の脱
着用具を取付けてなる介護用等のＴ字帯を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は介護用のパンツ等下
着に関するが、詳しくは着脱を簡便にした介護用等のＴ
字帯に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から長い間使用されていたＴ字帯
は、衣服の近代化とともにほとんどパンツ等に取って変
られた。医療分野での使用は残されているが、これも次
第に使用されなくなりつつある。従来の介護用のＴ字帯
は大体布帛を裁断して作られていて生産性が低く、また
脱着や洗濯の面では良好であるが着用時に大切なフィッ
ト性が悪いばかりか近代の衣服の様式に適合しにくい問
題がある。また従来の下着としては例えば特公昭４４−
５５７４号に開示されているものがありその内容は連続
する一体の編物をもってその両側部（編成時の両耳部）
を縫合して、パンツの形状に仕上げるものであり、横編
機等を使用して目減らしや目増やしによって編物の巾方
向の変化を形成しなければ完全な形状に仕上げる事は困
難であり、経編機による編地の使用は横編機に比べてさ
らに困難である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる従来の問題点を
改良するところに本発明が解決しようとする課題が存在
する。すなわち本発明は従来のＴ字帯における脱着時の
利便性を活かすとともに２列針床式経編機により編成さ
れる編物の特性を併合することにより、多様の使用目的
に適合し安価でかつ便利であり洋式の衣服に慣れ親しん
だ現代人にもその着用に抵抗のない介護用等のＴ字帯を
提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の如き課題
を解消するために従来のものに改良を加えたものであっ
て、２列針床式経編機を使用して平面状編地を数センチ
メートルメートル乃至数十センチメートルメートルと、
これに続く網目状編地を数十センチメートルの長さで交
互に編成した巾数センチメートル乃至数十センチメート
ルの編物を各網目状編地の適宜部位で裁断し、前記平面
状編地の両側を網目状編地ではさむように形成した編物
の両裁断部をミシン等で整形しかつその一方又は両側に
紐、テープ、バンド、フック等の脱着用具を取付けてな
る介護用等のＴ字帯の提供にある。すなわち、従来のＴ
字帯においては脱着の便利さ以外では不都合が多く、ま
たパンツの形状ではその脱着において衣服を脱いで行わ
なければならないなどの問題があるとともに病臥中の患
者に対する脱着にも困難がある点を改良し、２列針床
式経編機の生産性の良さと、その編物の特性を活用す
ると同時に、Ｔ字帯方式の脱着機能を併合して生産性
も良く資材の裁断による無駄もなく、また着用時の形
態もパンツの装着感に近く近代の生活様式に適合するよ
うにした。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明においては、２列針床式経
編機を使用して平面状編地と網目状編地とを連続して交
互に編成して自然に出来る巾方向の変化を利用して所望
形状を得た編物をＴ字帯の本体とする。２列針床式経編
機により平面状編地とこれに連続して網目状編地を編成
すると、通常において平面状編地の部分に対して、網目
状編地の部分が巾広となる。この変化は、組織、使用原
糸、編成条件等により相当程度、適宜に制御することが
出来る。このようにして編成された連続する編地の網目
状編地の任意部分より裁断し、平面状編地を中に前後に
続く網目状編地をもってはさむような形状の編物を作
る。これをＴ字帯の本体として前後の裁断部分をミシン
縫製、接着剤による接合や超音波ミシンによる加工など
により整形する。さらに、テープ・ゴム紐・面ファスナ
ー・フック・ベルト等を取付けて着用時の止め具とする
とともに、着用に際しての伸縮具合や保持強度などを調
整する。

【０００６】以上に述べた如くして得られるＴ字帯は、
介護用や医療用として使用したり、また生理用としての
使用にも好適であるばかりか日常着用の下着としての機
能も持たせることが出来る。日常使用や生理用の下着な
どに適合させるには、２列針床式経編機のゲージ（イン
チ間の針の設置数）がこまかい（針数の多い）編機を使
用し、原糸は細い３０デニール〜５０デニール位のもの
を使用する。また伸縮性強化の加工をなされた原糸やス
パンデックス等を併用することも好適である。さらに、
その仕上加工についても薄く適度の伸縮性のテープ等を
縫合するとともに着用時の止め具としても繊細な紐やフ
ックなどを設けることが最適である。なお、介護用とし
ての目的に対しては、その洗濯等に対する耐久性、強
度、その他の面を考えれば、１８ゲージ（１８針／イン
チ）前後の編機を使用して７０〜２５０デニールの原糸
を編組織など考慮の上で選択することが望ましい。

【０００７】さらに患者の肌のことを考慮するならば、
２列針床式経編機の特色を生かして内面となる面に綿糸
等を使用し外面となる方に合繊糸等を使用して耐久性と
肌保護等の効果を得ることも可能である。また、介護用
としての使用に対しては着用時の固定と吸収パット等の
保持力強化の為にやや強めで巾広のゴムテープなどを後
身となる編地の裁断部に接合するとともに、このゴムテ
ープなどでいったんＴ字帯を患者の腰部に固着した後、
股間を覆う様に前に回した前身を腰部のゴムテープなど
に固着するような構成とするのも方法である。このよう
にしてなる介護用等のＴ字帯は、その脱着においても、
また吸収パット等の保持にも良好である。

【０００８】以上における様式とはやや異なるが、前述
の如くして得た網目状編地をして平面状編地をはさむ形
状の編物の前後裁断部分を適度の伸縮性のテープなどで
縫合して環状とするか、その一方のみを開放して結び合
わせるか、フック及びボタンなどをもって結合するとか
にすれば近時流行のＴバックと称せられるパンツ類似の
形とすることもできる。

【０００９】

【実施例】本発明の介護用等のＴ字帯はまず図１に示し
たようなＴ字帯本体１の編地を編成する。実施例として
２針床式１８ゲージの経編機を使用し地筬２枚としてテ
トロン１５０デニール４８フィラメントを１１６本フル
セットにして、インチ間１２．５コース（編機上）で平
面状編地３を２５２コースと亀甲状の網目状編地２を４
３２コースとして交互に連続して編成する。ついで、染
色加工の後に網目状編地２が２５２コースと１８０コー
スとなる様に裁断する。本実施例では裁断後平面状編地
３は巾約１１センチメートル（中心部で）、長さ約２４
センチメートルとなり、また網目状編地２の長さは約１
９センチメートルと２３センチメートルで裁断部の巾は
約２０センチメートルと２２センチメートルとなった。
さらに図５のＴ字帯の使用状態を示した概要図で示すよ
うに、出来上がった編物の長く裁断した網目状編地２の
裁断部に巾約２０ミリでゴム糸１７本入りのゴムテープ
長さ約１メートルを縫い合せ腰ベルト９として後身とな
るようにし、このゴムテープの両端が調整可能となるよ
うにして、人体１０の右側やや前よりで結合するように
フックを取付けた。一方、前身となる他の網目状編地２
の裁断部を薄い弱伸縮性のテープをもって断端を包むよ
うに縫合するとともに裁断部の整形と伸縮の適合性を整
え、これに面ファスナーを取付けて前述のゴムテープか
らなる腰ベルト９と結合するようにした。また本例にお
いては尿吸収パット７の両端部にボタン８の突起物を取
付けてその保持状態を確実にしている。また、他の実施
例として図２及び図４に示すように裁断後網目状編地２
の両端に紐４を縫合し両脇で結ぶもの及び図３で示すよ
うに、薬品・ナプキン・吸収材料等の使用を容易にする
ために平面状編地部分を平面状編地表地５及び平面状編
地裏地６の二面の編地にし開口部を設けたものなどがあ
る。

【０００９】

【発明の効果】本発明により、脱着に便利で装着感が良
好なＴ字帯を安価に提供することが出来ると同時に、製
造の際の裁断ロスもほとんど発生せず原材料の無駄が少
なく効率的な生産を実現できる。これを生理用及び失禁
用などとしての使用した場合は、外出先などにおいての
着脱に便利であり、取付けた吸収パットなどのずれも生
じにくくその使用感は良好である。また病臥中の患者に
使用した場合においてもパンツと類似の形状であること
により、違和感も少なく装着したパットなどのずれもな
く、さらに介護人にとってもその脱着や交換の労苦を軽
減する効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の裁断前のＴ字帯の編地を示した平面
図。

【図２】図１の編地を裁断後紐を縫合したＴ字帯を示し
た平面図。

【図３】図２の平面状編地部分を二面の編地にし開口部
を設けたＴ字帯を示した斜視図。

【図４】本発明の完成したＴ字帯を示した斜視図。

【図５】本発明からなるＴ字帯の使用状態を示した概要
図。

【符号の説明】

１ Ｔ字帯本体 ２ 網目状編地 ３ 平面状編地 ４ 紐 ５ 平面状編地表地 ６ 平面状編地裏地 ７ 尿吸収パット ８ ボタン ９ 腰ベルト １０ 人体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２列針床式経編機を使用して平面状編地
   を数センチメートルメートル乃至数十センチメートルメ
   ートルと、これに続く網目状編地を数十センチメートル
   の長さで交互に編成した巾数センチメートル乃至数十セ
   ンチメートルの編物を各網目状編地の適宜部位で裁断
   し、前記平面状編地の両側を網目状編地ではさむように
   形成した編物の両裁断部をミシン等で整形しかつその一
   方又は両側に紐、テープ、バンド、フック等の脱着用具
   を取付けてなる介護用等のＴ字帯。
2. 【請求項２】 編物の一部又は全部に伸縮性の繊維・ゴ
   ム糸等を使用してフィット性を良好ならしめた請求項１
   記載の介護用等のＴ字帯。
3. 【請求項３】 編物の一部又は相当部を相対する二面の
   編地とし、かつその二面の編地を接合する編組織の部分
   を設けて一体の編物とした請求項１及び２記載の介護用
   等のＴ字帯。
4. 【請求項４】 編物の任意部位に予め開口部を編成し
   た、薬品・ナプキン・吸収材料等の使用を容易とした請
   求項１、２及び３記載の介護用等のＴ字帯。
5. 【請求項５】 編物の裁断部位の編組織を変更して、裁
   断部位の強度及び伸縮性を図りかつ縫製上の作業性及び
   仕上りの向上を図った請求項１、２、３及び４の介護用
   等のＴ字帯。