JP2000036433A - 電気二重層キャパシタ―及びその製法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ―及びその製法

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JP2000036433A JP11118105A JP11810599A JP2000036433A JP 2000036433 A JP2000036433 A JP 2000036433A JP 11118105 A JP11118105 A JP 11118105A JP 11810599 A JP11810599 A JP 11810599A JP 2000036433 A JP2000036433 A JP 2000036433A
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layer capacitor
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Katsuhiko Shinada
勝彦 品田
Yoshihiko Hosako
芳彦 宝迫
Mitsuo Hamada
光夫 浜田
Tomoyoshi Chiba
知義 千葉
Teruyuki Yamada
輝之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セルモーター起動用電源やハイブリッド自動車
用電源、パソコン等のバックアップ電源として安全性に
優れた電気二重層キャパシター及びその製法の提供。 【解決手段】分極電極の間に、ポリマーゲル型非水電解
質層を備えた電気二重層キャパシターにおいて、非水電
解質層が非水電解液、及びその非水電解液によりポリマ
ーゲルが該ゲルを構成する重合体の繊維又はパルプ状物
を主体とする繊維質シート状物を用いて作られたもので
ある電気二重層キャパシター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルモーター起動
用電源やハイブリッド自動車用電源、パソコン等のバッ
クアップ電源として安全性に優れた電気二重層キャパシ
ターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性炭や炭素粉末をポリビニリデンフル
オライド系ポリマーをバインダーとし集電体面に電極面
を形成した分極電極や活性炭素繊維クロスにアルミをプ
ラズマ蒸着し導電層を形成した分極電極などよりなる2
枚の分極電極間に、ポリエチレンやポリプロピレン等の
不織布或いはマイクロポーラスフィルムをセパレータと
して介在せしめ、このセパレータに非水電解液を含浸し
た電気二重層キャパシターは出力が高く、サイクル特性
にも優れており、その技術開発が進められている。
【0003】従来用いられる分極性電極の基材として
は、次の2種類のものがあった。すなわち第1は、おが
くず、ヤシガラ、ピッチなどを賦活処理-して得られる
粉末状活性炭を、適当なバインダーと一緒にプレス成形
又は圧延ロールして分極性電極としたものである。第2
は、フェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系
などの繊維を耐炎化および炭化賦活処理して活性炭又は
活性炭索繊維とし、これをフェルト状、繊維状、紙状、
又は焼結体状などの分極性電極としたものである。
【0004】一方、非水電解液を用いた電気二重層キャ
パシターは高温雰囲気下に暴されると、非水電解液が気
化し、その内圧が上昇し、キャパシターの形状が変形
し、その特性が大きく変化するばかリでなく、爆発、火
災発生などを起こす危険があリ安全菅理上難点がある。
【0005】また、電気二重層キャパシターの問題点と
して、活性炭や炭素粉末を使用するカーボン電極の場
合、剥がれなどから生じる炭素微粒子が反対の電極へ移
動すると言う現象がある。このカーボン電極の剥がれに
より生じた微粒子は、電気泳動的にアノード側に移動
し、リーク電流を大きくしたリ、短絡を起こしやすくす
る。従って、微粒子の極間移動は自己放電を意味し、微
粒子の移動防止能力はキャパシターの基本性能に大きく
係わっている。
【0006】一方、電解液中のイオン移動の易動度は液
抵抗の形で現れ、この値の増加はキャパシターの滑らか
な充放電ができにくくなる傾向を示す。このため、液抵
抗を減少させるためには、セパレータの単位面積中の孔
の数を多くすることが必要になる。さらに、電極間を狭
くすることによっても液抵抗を低下させることができ、
セパレータを薄くすることによリ、これは達成できる。
また、一般に、電気二重層キャパシターの電解液は塩を
多く溶かせるよう、非常に強い極性有機溶媒を用いてお
リ、これと反応したり、セパレータを溶解したりしない
ことも必要であり、さらにセパレータを含む電解質が機
械的ストレスにも強いことも要求される。
【0007】このようなセパレータとして、従来よリ様
々なものが提案されている。例えば、コンデンサーペー
パーと呼ばれ高密度セパレータ、電解紙と呼ばれる低密
度コンデンサー、ポリエチレン、ポリプロピレンのフィ
ルムで微孔性をもたせたもの、ポリエチレン繊維やポリ
プロピレン繊維を使用した不織布などである。しかしな
がら、コンデンサーペーパーでは、電解液に対して導電
性阻害が大きく、目的とする静電容量、内部抵抗が得ら
れず、電解紙ではシートの平均細孔径がカーボン微粒子
よリ大きいため、カーボン微粒子が貫通してしまい、目
的とする漏れ電流とすることができなかった。
【0008】そこでセパレータの非水電解液の保液性を
高め、かつ非水電解質層の取り扱い性の良好な電気二重
層キャパシターの技術が特開平6−36972号公報に
示されている。このキャパシターにはセパレータとし
て、粒径10〜100μmのアクリル樹脂粒子を0.1
〜20wt%担持させたものを用いる点に大きな特徴を
有する。しかしこのセパレータを用いた電気二重層キャ
パシターは非水電解液のセパレータ構造内への浸透性の
向上、及び、保液性の向上、キャパシター組立工程の向
上等は認められるが、このキャパシターは、やはり非水
電解液の揮散を防止し得ないという難点がある,
【0009】またカーボン微粒子の貫通を阻止するよう
な微孔性セパレーターとして酢酸菌の静置培養によって
得られるバクテリアセルロースを用いる電気二重層キャ
パシ夕ーの技術が特開平9−129509号公報に示さ
れている。このキャパシターは微細繊維網目構造のセル
ロースをセパレーターとして用いる点に大きな特徴を有
する。しかしこのセパレータ−を用いたキャパシターは
カーボン微粒子の貫通を阻止することは可能であるが、
やはリ非水電解液の揮散を防止し得ないという難点があ
る‘
【0010】このような難点のない電気二重層キャパシ
ターの開発も進められておリ、特に非水電解液を固体化
する技術、特に非水電解液をゲル化するため、ゲル化剤
として、ポリアクリロニトリルやアクリロニトリルと
(メタ)アクリレート共重合体が用いられている。これ
らアクリロニトリル系重合体を非水電解液に加熱溶解
後、冷却ゲル化させたポリマーゲル電解質は良好なイオ
ン伝導度や捕液性及びカーボン微粒子の貫通阻止性を示
すが、粘着性が高く、その取リ扱い性に難点があリ、こ
のゲル電解質を用いた電気二重層キャパシターの組立に
は多大な困難を伴い高性能な電気二重層キャパシターを
工業的に作ることは極めて難しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題、及び課題を解決するた
めの手段】そこで本発明者等は、非水電解液の揮散がな
くカーボン微粒子の貫通阻止性が良好な安全性の高い電
気二重層キャパシターであり、非水電解液の含浸性、保
液性が良好で高い性能を備えた電気二重層キャパシター
を、その組立工程での各部品の取り扱い性を向上せしめ
て効率よく作ることを目的として検討した結果、分極電
極として活性炭素繊維を基材として用い、非水電解液に
可溶性でゲル形成能を有する有機重合体の繊維状物、パ
ルプ状物を主体とする繊維質シートを非水電解液の担持
体として用いることにより、その目的を達成しうること
を見いだし本発明を完成した。その要旨とするところ
は、活性炭素繊維を基材として用いた分極性電極の間に
高分子ゲル電解質層を介在させた電気二重層キャパシタ
ーであり、高分子ゲル電解質として、非水電解液に溶解
し又は膨潤させて、ゲルを形成しうる有機重合体の繊
維、パルプ状物を主体とする繊維質シートに、非水電解
液を含浸後、溶解し、ゲル化せしめたものを用いたこと
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を実施するに際して用いる
分極電極材としては、比表面積の大きい活性炭であれば
いずれも用いることが出来るが、形態としては微粉末の
発生が少ない繊維状のもの、即ち活性炭素繊維をもちい
ることが好ましい。さらに好ましくは、強度的に優れる
アクリル系活性炭素繊維を用いることが好ましい。用い
られるアクリル系活性炭素繊維のN吸着BET法で測
定した比表面積は500m/g以上であることが好ま
しい。
【0013】一方、本発明を実施するに際して用いる繊
維状物、パルプ状物とは、繊維径1〜100μm程度の
繊維状物であり、繊維長は約5mm以下であるものを用
いるのがよい。繊維径が余り小さい繊維状物やパルプよ
り作った繊維質シートは、その強度が不足し、その取り
扱い性が不足するので好ましくない。一方繊維径の大き
すぎるものより作った繊維質シートは、非水電解液の含
浸、溶解性が劣り、良好な性能を備えたポリマーゲル電
解質層の形成性に劣る。また繊維長の長い繊維、パルプ
状物を用いて作った、繊維質シート状物は均一な厚さの
ものとすることが難しくなるという難点がある。
【0014】また本発明で用いる繊維又はパルプ状物は
フィブリルを多数有するものも用いることができ、これ
らの繊維又はパルプ状物は非水電解液可溶性のポリマー
を溶融紡糸法、湿式紡糸法、フラッシュ紡糸法、或いは
ポリマーの有機溶剤溶液の噴射凝固紡糸法等により作る
ことができる。
【0015】また繊維形態としては、パルプ状物、単繊
維状物、サイドバイサイド型複合繊維、トルーコンジュ
ゲート複合繊維、海島型複合繊維、或いは複合繊維の分
割繊維などを用いることができる。複合繊維としては、
非水電解液可溶性ポリマー同士の複合繊維、或いは非水
電解液可溶性ポリマーと非水電解液非可溶性のポリマー
との複合繊維を用いる事ができる。
【0016】本発明を実施するに際して用いる非水電解
液可溶又は膨潤性ポリマーとしては、ポリアクリロニト
リル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/酢
酸ビニルコポリマー、アクリロニトリル/塩化ビニルコ
ポリマー、アクリロニトリル/メタクリロニトリルコポ
リマー、ポリメチルメタクリレート、沸化ビニリデン/
ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサ
イド/プロピレンオキサイドブロックコポリマー、ポリ
ビニルアセテート、アセチル化セルロース等を挙げるこ
とができる。これらポリマーのうちアクリロニトリルユ
ニット重合量50質量%以上、より好ましくは60質量
%以上のポリマーがその取り扱い性、非水電解液の担持
性、ゲル形成性の点から好ましいものである。
【0017】本発明を実施するに際して用いる繊維、パ
ルプにて作った繊維質シートは短繊維の不織布、パルプ
より作った紙状シート、或いは非水電解液に非可溶性の
ポリマーの繊維より作った編織物の織構造物中に上記短
繊維、パルプ状物を交絡係合させたものなどを用いる事
ができる。
【0018】本発明で用いる繊維質シートを形成するに
際し支持体を構成する繊維又はパルプを構成するものと
しては、天然パルプ、ポリエチレンパルプ、芳香族ポリ
アミドパルプ、ポリプロピレンパルプやポリオレフィン
繊維、ポリ沸化ビニリデン系繊維、芳香族ポリアミド繊
維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリスルホン繊
維、セラミック繊維、ガラス繊維などを用いることがで
きる。
【0019】本発明を実施するに際して用いる繊維質シ
ートは、非水電解液可溶性、又は膨潤性ポリマー製の繊
維又はパルプ状物の含有率は50質量%以上であること
が好ましい。この繊維質シートに含まれる非水電解質非
可溶性のポリマー又は天然物で作られた繊維又はパルプ
状物は、この繊維質シ−ト状物より作ったゲル電解質シ
ート状物の強度向上に大きく寄与する成分である。
【0020】また本発明を実施するに際して用いる繊維
質シートの空孔率は20〜80体積%の範囲とするの
が、繊維質シートへの非水電解液の含浸性を向上し、均
一な特性を備えた非水電解質ポリマーゲル層を構成する
ので好ましい。
【0021】本発明を実施するに際して用いる非水電解
液の具体例としては、非プロトン性極性溶媒で誘電率が
高いもの、あるいは粘度が低いもの、電気化学的に安定
で且つ下記に示される電解質塩を良く溶解する有機溶媒
やその混合物が適宜選ばれる。これらの具体例として
は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボ
ネート(EC)、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、等の
カーボネート類、γ−ブチロラクトン(BL)等のラク
トン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルア
セトアミド(DMAC)等のアミド系溶剤、スルホラ
ン、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド(DMS
O)、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等が挙げ
られる。
【0022】また電解質塩の具体例としては、4級化ア
ルキルアンモニウム塩が非水溶媒中での電解質として好
ましく、具体例としては(RN)(M) の構造
のものが用いられる。Rで示されるアルキル基としては
メチル、エチル、ブチル基等が例示され、アニオン成分
であるMとして、テトラフルオロホウ素(BF)、パ
ークロレート(Cl0)基等が例示される。
【0023】本発明の電気二重層キャパシターは分極電
極の間に繊維質シートを挟んだ状態で容器中に収納し、
この容器内に非水電解液を好ましくは減圧状態で注入
し、この電解液を繊維質シートに十分含浸せしめた後、
溶解した後ゲル化させることによって作ることができ
る。
【0024】分極電極と非水電解質形成用の繊維質シー
トの積層はこれら素材を非粘着状態で取り扱うことがで
きるため、キャパシター組立工程が不良品発生率の少な
いものとすることができる。また繊維質シートの非水電
解液の含浸は繊維構造に基づく毛細管現象を利用できる
ため、繊維質シートの非水電解液の含浸性は早く、非含
浸部の発生はなく、ミクロボイドのないポリマーゲル電
解質層を備えた電気二重層キャパシターとすることがで
きる。
【0025】
【実施例】以上、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0026】〔参考例1〕以下の方法で繊維質シートを
作成した。
【0027】ジャケット付きの2、000mlのガラス
製反応容器に、水/モノマー比が14/1になるような
条件でアクリロニトリルユニットを93.6mol%、
酢酸ビニルユニットを6.4mol%仕込み、重合触媒
として反応液に対し1.0wt%のNaSO、1.
5wt%のNaHSO、0.12wt%のHSO
を用いて水系懸濁重合を行った。反応温度は55℃に保
った。反応容器中に生成した重合物を回収し充分洗浄し
た後乾燥を行い、白色の粉末状物を得た。得られた粉体
の重量から反応収率を計算したところ73%であった。
得られた重合体の組成分析を元素分析により行ったとこ
ろ、アクリロニトリルユニットが96.0mol%、酢
酸ビニルユニットが4.0mol%導入されていた。ま
たこの重合体の分子量をGPCにより測定したところ、
ポリスチレン換算で5.1×10という値を示した。
なおGPCの測定は、溶媒として0.01MLiCl/
DMFを用い、重合体濃度は0.1g/dlで行った。
【0028】プロピレンカーボネートに電解質としてL
iPFを1.0mol/kgになるように溶解した電
解液を調製し、この電解液に上記アクリロニトリル系共
重合体を室温で加え、スラリー状にした。このスラリー
を100℃で攪拌したところ、重合体は溶解し均一溶液
を形成した。この溶液中での重合体濃度は16wt%で
あった。この溶液を室温下で一昼夜放置すると溶液は流
動性を無くし弾力のある白濁したゲル状を呈した。
【0029】このアクリロニトリル共重合体をジメチル
アセトアミドに溶解し、18wt%の濃度の重合体溶液
を調製した。この重合体溶液をスライドグラス上に展開
し、溶媒を自然乾燥することによりキャストフィルムを
調製した。このキャストフィルムの平滑面に対するプロ
ピレンカーボネート及びジエチルカーボネートの接触角
を接触角計により測定を試みたが、フィルムと液滴の馴
染みが良く、フィルム上に液が広がり測定不能であっ
た。
【0030】次にこの重合体溶液を、特開平9−241
917号公報に開示されている手法に準じて、直径が
0.2mmφの溶液吐出口、直径が2mmφ、長さが
1.5mmの円筒状の混合セル部、水蒸気流路がスリッ
ト状で開度を250μmに調整し、溶液流路の中心線と
スリット中心線のなす角度が60度になるように作成し
たノズルを用いて、該高分子溶液の供給量を18ml/
min、水蒸気の供給圧を1.5kg/cmとして、
温度30℃の水中へ噴出しパルプ状の高分子集合体を得
た。
【0031】このパルプ状高分子集合体を、水に分散し
家庭用ミキサーで10分間叩解処理を行った。この叩解
処理後の水分散液を一部取り出し、乾燥して得たパルプ
状繊維を走査型電子顕微鏡を用いて形態観察を行ったと
ころ、直径5〜20μmの直径を有する繊維状の幹か
ら、多数の直径0.2μm〜1μm程度のフィブリル状
の繊維が分岐している構造が認められた。このパルプ状
高分子の濾水度をカナディアンフリーネステスタ−を用
いてJIS P−8207に準拠して行った。標準温度
20℃、標準濃度0.3%への補正を行った濾水度の値
は387mlであった。
【0032】上記の如くして得たパルプ状繊維の水分散
液を用いて、標準角形シートマシンを用いてJIS P
−8209法に準じて湿式抄紙を行った。得られたポリ
アクリロニトリル系共重合体よりなる繊維質シート状物
の坪量は25g/m、シート平均厚みをJIS P−
8118に準じて測定したところ155μmであった。
このシートを裁断し短冊状の試験片を調製し、JIS
P−8113に準じて試験片の引っ張り強さ試験を行っ
た。15mm幅の試験片は18N/15mmの破断強度
を有していた。このシートの空孔率を水銀圧入式ポロシ
メーター(CARLO ERBA INSTRUMEN
T社製 POROSIMETER 4000)を用いて
測定したところ、空孔率は68%であった。
【0033】〔参考例2〕以下の方法で繊維質シートを
作成した。
【0034】参考例1で調製した濾水度387mlのパ
ルプ状アクリロニトリル共重合体10重量部とパルプ状
ポリプロピレン(三井化学製 SWP Y600)10
重量部を混合し、この混合物の水分散液から湿式抄紙法
によりシートを調製した。シートの坪量は25g/
、シート厚140μm、引っ張り強度21N/15
mm、空孔率72%のゲル状固体電解質形成用多孔質シ
ートであった。電解質塩としてテトラエチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレート(TEAFB)を非水溶媒で
あるPC/EC=20/80(体積比)の混合溶媒に
0.8mol/lの濃度で溶解した非水電解液を用意し
た。
【0035】参考例1で用意した繊維質シートにこの電
解液をしみ込ませた後、シートを100℃まで加熱して
室温まで冷却させた。冷却後のシートは繊維形態がほぼ
溶解して粘着性のあるゲル状のシート形態を示した。こ
のフィルムの厚みは50μmで伝導度は25℃で測定し
て3.0×10−3S/cmの値を示した。
【0036】また、参考例2で調製したシートを用いた
以外は上記と同様にしてゲルシートを作った。この場
合、冷却後の粘着性のゲル状シートには溶剤に溶解しな
いポリプロピレンの繊維質がゲルの中に網目状に存在し
た。このシートの厚みは30μmであったが十分強度あ
るものであった。伝導度は2.0×10−3S/cmで
あった。
【0037】〔参考例3〕以下の方法で活性炭素繊維を
作成した。
【0038】特開平9−31759号公報に開示されて
いる手法に準じて、アクリロニトリル系共重合体からな
る繊維を空気中240℃にて1時間緊張下加熱して耐炎
化処理した後、緊張下1000℃で3分間、水蒸気を5
g/分の割合で供拾して賦活処理して、アクリロニトリ
ル系活性炭素繊維を重量収率35%にて得た。 N
着BET法で測定した比表面積800(m/g)べン
ゼン吸着量40%、引張強度20MPa/mm、引張
弾性率2GPa/mm、平均繊維直径7μmであっ
た。
【0039】〔実施例1〕参考例2で用いた非水電解液
を用意した。参考例3で用いた活性炭素繊維からなる不
織布にニッケル網を集電体として溶着させた2枚の電極
間に参考例1で調製した繊維質シートを挟み、電極間が
短絡しないようにボタン形状の密閉容器に挿入した。密
閉容器には電解液の注入口が予め用意されており、この
注入口より、気体を真空操作で脱気した後前記電解液を
注入し、封止剤で口を塞いだ。次いでこの容器を100
℃に加熱してから室温まで冷却させた。このキャパシタ
の容量を充電終止電位2V、放電終止電位1Vとし、1
mAの充放電電流で充放電を行ったところ0.35F/
cmであった。
【0040】〔実施例2〕参考例2で得た繊維質シート
を用いる以外、実施例1と同様の方法によって電気二重
層コンデンサーを作ったところ、その性能は0.20F
/cmであった。またコンデンサ−の組立工程は極め
て容易であり、ゲル電解質の粘着性に基づくコンデンサ
ー組立工程のトラブル発生はなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、分極電極材としてアク
リル系活性炭素繊維を用い、かつ非水電解液に可溶性で
ゲル形成能を有する有機重合体の繊維状物、パルプ状物
を主体とする繊維質シートを非水電解液の担持体として
用いることにより非水電解液の揮散がなくカーボン微粒
子の貫通阻止性が良好な安全性の高く、非水電解液の含
浸性、保液性が良好で高い性能を備えた電気二重層キャ
パシターを、その組立工程での各部品の取り扱い性を向
上せしめて効率よく作ることが可能となり、その工業的
意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 知義 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 山田 輝之 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分極電極の間に、ポリマーゲル型非水電解
    質層を備えた電気二重層キャパシターにおいて、非水電
    解質層が非水電解液、及びその非水電解液によりポリマ
    ーゲルが該ゲルを構成する重合体の繊維又はパルプ状物
    を主体とする繊維質シート状物を用いて作られたもので
    あることを特徴とする電気二重層キャパシター。
  2. 【請求項2】繊維質シート状物として非水電解液により
    ポリマーゲルを形成しうる重合体製の繊維又はパルプ状
    物の含有率が50質量%以上の繊維質シートを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ
    ー。
  3. 【請求項3】繊維質シート状物を構成する非水電解液に
    可溶性又は膨潤性である重合体製の繊維又はパルプ状物
    が、アクリロニトリルの重合ユニット含有率が50質量
    %以上の重合体にて構成されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の電気二重層キャパシター。
  4. 【請求項4】分極電極として活性炭素繊維を基材として
    用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の電気二重層キャパシター。
  5. 【請求項5】活性炭素繊維としてアクリル系活性炭素繊
    維を用いることを特徴とする請求項4記載の電気二重層
    キャパシター。
  6. 【請求項6】N吸着BET法で測定した比表面積が5
    00m/g以上の活性炭素繊維を用いることを特徴と
    する請求項4又は請求項5記載の電気二重層キャパシタ
    ー。
  7. 【請求項7】分極電極間に、非水電解液に可溶性又は膨
    潤性の重合体である繊維又はパルプ状物を主体とする繊
    維質シート状物を介在させた積層物を容器に収納し、非
    水電解液を含浸し繊維質シート状物をポリマーゲル化し
    て非水系ゲル電解質層を形成することを特徴とする電気
    二重層キャパシターの製法。
  8. 【請求項8】繊維質シート状物の空孔率が20〜80体
    積%であることを特徴とする請求項7記載の電気二重層
    キャパシターの製法。
  9. 【請求項9】分極電極として活性炭素繊維を基材として
    用いることを特徴とする請求項7記載の電気二重層キャ
    パシターの製法。
  10. 【請求項10】分極電極として活性炭素繊維を基材とし
    て用いることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいず
    れかに記載の電気二重層キャパシターの製法。
  11. 【請求項11】活性炭素繊維としてアクリル系活性炭素
    繊維を用いることを特徴とする請求項10記載の電気二
    重層キャパシターの製法。
  12. 【請求項12】N吸着BET法で測定した比表面積が
    500m/g以上の活性炭素繊維を用いることを特徴
    とする請求項10又は請求項11記載の電気二重層キャ
    パシターの製法。
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