JP2000035608A - 小型電荷結合素子カメラ接写用照明装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて狭くて深い細部でも集光照射すること
ができるとともに、集光照射する位置を変え又は保守点
検するためにライトガイドを回動かつ脱着できる小型Ｃ
ＣＤカメラ接写用照明装置を提供する。 【解決手段】 ＣＣＤ５と、イメージャ６と、レンズ７
と、これらの光学系に光軸を合わせて所定位置に設けら
れた中央に受光孔を有する光源用プリント基板８と、レ
ンズ７を介して結像されたＣＣＤイメージの出力信号を
処理するＣＣＵ４とを内蔵するハンディタイプのハンド
ピース１とを備え、このハンドピース１の先端に設けら
れたライトガイド保持用の円筒部２にアーチ形先端１４
を持つライトガイド３が嵌合し取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、電子部品の端子
などの細部を照明して検査する装置に利用し、特に極め
て狭くて深い細部でも集光照射し得ると共に、集光照射
するライトガイドを回動かつ脱着可能にした小型電荷結
合素子カメラ接写用照明装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子部品をプリント基板に半田付
けした後の仕上がり具合を点検するために、対象物に対
して光線を照射して接写観察する小型の電荷結合素子
（以下、「ＣＣＤ」という）カメラ接写照明用装置が利
用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プリント基板検査用の小型ＣＣＤカメラ接写照明用装置
はライトガイド先端が通常丸窓に形成されているため、
照明が環状に射出された落射照明となり、被写体、例え
ば電子部品の半田面からの反射光、特にグレアによって
被写体の光沢や輝き及び仕上がりを正確に観察すること
ができない。またこれに加え、反射光、特にグレアを観
察中に目や脳にストレスを感じ、何らかの障害が生じる
おそれがある。さらに、このような従来の環状の射出面
を持つライトガイドでは被写体の微小部位以外にも照射
されて集光効果が低下するとともに、例えば先端が球状
で実装されたプリント基板の極めて狭くて細い深部を照
明することが困難である。

【０００４】そこで、本発明は極めて狭くて深い細部で
も集光照射することができるとともに、集光照射する位
置を変え又は保守点検するためにライトガイドを回動か
つ脱着し得る小型ＣＣＤカメラ接写用照明装置を提供す
ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、電荷結合素子と、被写体を結像するレ
ンズと、照明用の光源とを内蔵するハンドピースと、ハ
ンドピースに取り付けたライトガイドとを有する小型電
荷結合素子カメラ接写装置において、ライトガイドを外
形が中空円錐台形であって内部に逆円錐台形状の空間を
画成するとともに、逆円錐台形状の中空内壁を被写体の
画角より外側に位置するように形成しており、光源の照
射光をライトガイドに入射して光をガイドし集光して被
写体を照明することを特徴とするものである。請求項２
に記載の発明は、上記構成に加え、ライトガイドが中空
円錐台形の短径側を楔状に形成して先端をアーチ形と
し、この先端の射出面を二極の分割した射出面に変換し
て集光力を増すとともに、被写体の狭く細く深い部位を
照明可能としたことを特徴とする。

【０００６】請求項３に記載の発明は、ライトガイドの
中空円錐台形先端の短径部外周を鋭角に面取りしたこと
を特徴とするものである。請求項４に記載の発明は、ラ
イトガイドの短径側の射出面及びその中空内面近傍を粗
面に形成し、照明光強度を楕円分布状にして照射し無影
照明にしたことを特徴とする。また請求項５に記載の発
明は、照明用の光源がｎ個のＬＥＤを円周上に配列した
環状の光源であって、照射光を中空円錐台形の長径側か
ら入射し、短径側から射出して集光し照明することを特
徴とする。さらに請求項６に記載の発明は、ハンドピー
スにライトガイドを回動可能かつ脱着可能に嵌合したこ
とを特徴とするものである。

【０００７】上記構成で成る本発明の小型ＣＣＤカメラ
接写用照明装置では、ライトガイドに案内された照射光
を集光して被写体に照射する。特に、ライトガイドの先
端が楔状に形成されてアーチ形となっている場合、環状
の射出光は二極に分割されて先鋭化する。したがって、
ライトガイドの集光能力が凝縮されて照度を上昇させ被
写体のより鮮明な映像を小型ＣＣＤカメラ接写装置を介
して出力することができる。さらにライトガイドの短径
側の端面を面取りし、先端及び先端近傍の中空内面を粗
面、つまり曇り面にすることによりサイド照明となっ
て、反射光、特にグレアの少ない無影照明にすることが
できる。

【０００８】またライドガイドは小型ＣＣＤカメラ接写
照明装置の天地を一定にしたまま、向きを変え又は回動
し得るようになっている。したがって、被写体の各部位
に合わせて照明することができる。さらにライトガイド
は脱着可能であるため、このライトガイドの先端が被写
体に接触して、損傷、汚れ、磨滅又は消耗された場合な
どに取り替えを容易にすることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図１は本実施形態に係
る小型ＣＣＤカメラ接写用照明装置の一例を示す概略断
面図である。図１を参照すると、本発明の小型ＣＣＤカ
メラ接写用照明装置は、ＣＣＤ５と、イメージャ６と、
レンズ７と、これらの光学系に光軸を合わせて所定位置
に設けられた中央に受光孔８ａを有する光源用プリント
基板８と、レンズ７を介して結像されたＣＣＤイメージ
の出力信号を処理するＣＣＵ４（カメラ・コントロール
・ユニット：Ｃａｍｅｒａ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉ
ｔ）とを内蔵するハンディタイプのハンドピース１とを
備え、このハンドピース１の先端に設けられたライトガ
イド保持用の円筒部２にアーチ形先端１４を持つライト
ガイド３が嵌合して取り付けられている。

【００１０】光源用プリント基板８は光源としての複数
のＬＥＤ９がｎ個円周上にライトガイド３の入射面４２
に対応して環状に配列されている。なお、光源用プリン
ト基板８の中央の受光孔８ａにはガラス板や特定の波長
の外乱光を遮断するフィルタが嵌め込まれていてもよ
い。

【００１１】図２は図１のＡ部詳細図であり、本実施形
態に係るライトガイドを嵌合する部位の詳細断面図であ
る。図２を参照すると、円筒部２にはライトガイド３と
面（つら）位置になるように段差が設けられており、こ
の段差側の円筒状嵌合部４４の周囲に少なくとも一つの
環状の溝１２が形成され、この溝１２にＯリング１０が
嵌め込まれている。なお、この円筒状嵌合部４４に形成
した二つの環状の溝に、それぞれ嵌め込んだ二本のＯリ
ングを取り付けた場合、ライトガイド３の摺動かつ保持
する面が２個所となり、ライトガイド３がぐらつくこと
なく効果的に摺動かつ保持される。

【００１２】さらにライドガイド３には嵌合する内面に
凹部１１が設けられていて、圧縮されたＯリング１０の
反発力を受けるようになっている。これが定制動の作用
をしてライトガイド３を自在に回すことができ感触のよ
さを維持するとともに、脱着を容易にして、脱け防止の
働きを兼ね備えている。

【００１３】図３は図１の一部上面図であり、図３中の
斜線部は円錐台形のカットした部位を示している。図４
は本実施形態に係るライトガイドの外観図である。図３
及び図４に示すように、ライドガイド３は中空円錐台形
を楔状にカットした形状をしており、プリント基板８の
円周上に配列されたｎ個の照明用ＬＥＤ９が発光する環
状の光源を中空円錐台形の長径側１５より入射させ短径
側１６より射出集光させて照明するものである。このラ
イトガイド３は例えば透明アクリル材を中空円錐台形と
し、外表面を研磨して鏡面仕上げとしている。なお、ラ
イトガイド３は石英ガラスなどの光学ガラスでもよい。

【００１４】ライトガイド３の短径側１６を楔状１３
（図３に示す）にすることによって、先端はアーチ形１
４（図４に示す）になり射出部１９，１９の二極に分割
され、集光力を増すとともに、狭い部位にもライトガイ
ド３が挿入できるので、深部を十分に照明することがで
きる。

【００１５】図５はライトガイドの断面図と光学系を示
す概略図である。図５に示すようにライトガイド３は円
錐台形の外観を有し、入射光を射出側へ集光させるため
に先端を先細りに形成している。その内部の空洞は外形
と逆の形態の円錐台形状の空間が画成されており、この
逆円錐台形状の中空の内壁は被写体３３の画角θの外側
に位置するように形成されている。

【００１６】図６は先端を面取りしたライトガイドの概
略一部断面図である。図６（ａ）は面取りが３０度、
（ｂ）は面取りが４５度の場合の一部断面図である。図
６（ａ）に示すように面取り１８が３０度近傍の場合は
被写体への照明が効果的にできるが、面取り１８が４５
度近傍の場合は図６（ｂ）に示すようにライトガイド３
の中心側に集光し、被写体への照明が不足気味になる。
したがって、ライトガイド３の先端の面取り１８は３０
度から４５度の鋭角の範囲にするのが望ましいが、被写
体に接触させる照明では面取りを４５度程度に、被写体
に非接触で照明する場合は３０度程度に形成してもよ
い。

【００１７】次にライトガイドの作用について説明す
る。図７はライトガイドの先端の形状と照明光の光強度
分布の関係を示す図であり、（ａ）はライトガイドの射
出口が円筒状の場合、（ｂ）は射出口が楔形の二極口状
の場合、（ｃ）は楔形二極口状のものに面取りした場合
の、射出口近傍の光強度分布を示す図である。図７
（ａ）に示すように、ライトガイドの射出口が円筒状の
場合、射出光は中央部分に光強度の低いリング状の起伏
のある光強度分布となって面照明とならず、被写体の中
心への照度が落ちてしまい、さらに反射光にグレアが生
じる。

【００１８】また、ライトガイドの射出口が楔形の二極
口の場合、図７（ｂ）に示すように、二極の射出光とな
るため光強度は落ちるが光強度の起伏のない面照明とな
り、反射光にグレアが生じない。さらに極めて細い二極
口からの射出光であるため細部の深部にも照明が届くよ
うになる。さらに面取りしている場合は、図７（ｃ）に
示すように、被写体方向への光強度の起伏のない完全な
面照明となって照明効果が向上し、反射光のグレアも全
く生じない。このようにライトガイド３の先端を面取り
してサイドからの無影照明とするのが好ましい。

【００１９】ライトガイド３へ入射する光源は、外部電
源からＬＥＤ９が配列されているプリント基板８を通じ
てＬＥＤ９に供給され、ＬＥＤ９が発光して照明用光源
となる。一方、照明された被写体はレンズ７を介してイ
メージャ６へ結像され、ＣＣＤ５からその出力信号がＣ
ＣＵ４を経て外部モニタへ映像を出力する。

【００２０】次に、他の実施形態を説明する。図８は射
出口が楔形の二極口に面取りと曇り面を設けたライトガ
イドの断面形状とその光強度分布を示す概略図であり、
（ａ）はライトガイドの断面図、（ｂ）はライトガイド
の二極口近傍の光強度分布を示す図である。図８に示す
ように、ライトガイドの他の実施形態は中空円錐台形の
楔形二極口に適宜の角度、例えば図６で示した４５度か
ら３０度の角度で面取りをし、この面取りをした端面と
中空内面の近傍範囲２２に曇り面（粗面）を形成したも
のである。なお、図８（ａ）又は（ｂ）中、２０，２１
は光強度分布の等強度線を示し、１９ｄ，１９ｅは二極
口の端面を示す。図８（ｂ）に示すように光強度分布は
楕円分布状になっている。

【００２１】このような構成のライトガイドでは、長径
側１５の入射面４２に照明光が入射すると光路１７のよ
うに全反射を繰り返してライトガイド中を導かれ、面取
りされた面で内側へ反射されて曇り面から光が乱反射さ
れて射出していく。この射出光は被写体３３の方へ光強
度の起伏のない面照明となって照射する。したがって、
ライトガイド３の短径側１６は面取り１８することによ
って照明用ＬＥＤが発光して光路１７を光強度分布の等
強度線２０，２１まで拡散分布させ、被写体からのグレ
アの元となる反射光を和らげることができる。さらに、
ライトガイド３の短径側１６の中空内面と端面の範囲２
２を曇り面（粗面）にすることで射出光は拡散方向を増
し、確実に無影の照明とすることができる。

【００２２】

【実施例】次に本発明の小型ＣＣＤカメラ接写用照明装
置の実施例について説明する。図９は本発明の小型ＣＣ
Ｄカメラ接写用照明装置の使用例を示す図で、（ａ）は
集積回路の点検のために本発明の小型ＣＣＤカメラ接写
用照明装置を使用している上面図を示し、（ｂ）は側面
図を示す。図９に示すように、プリント基板２５上に集
積回路素子２３の端子２４が半田付けされた後の点検の
ために使用する場合、狭い部位に本発明に係るライトガ
イド３を挿入して使用し、また端子２４の配列が正面か
ら側面にあるとき、この端子２４に接写照明するために
ライトガイド３の向きを矢印方向２６に回すだけでハン
ドピース１を持ち変える必要はなく向きを変えて、出力
映像の天地を一定にできる。

【００２３】図１０（ａ）及び（ｂ）は本発明の小型Ｃ
ＣＤカメラ接写用照明装置の応用例を示す図である。近
年、プリント基板は実装密度を増すためスペースファク
タ面より多段に基板を積み重ねる工法を採用している。
この新工法は母基板２７と子基板２８とを接続するコネ
クタに替わって対向するプリントのランウド面間に銅球
２９を挟み並べ、溶着半田付けを瞬時に行うもので、半
田付けの仕上がりを点検する必要があり、図１０（ａ）
に示すように、その目視検査装置として本発明は従来に
ない被写体の映像出力を得ることができる。さらに図１
０（ｂ）では、多段の基板間の対向面をミラー３０を介
して映像出力を得る応用例を示したものである。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明の小型ＣＣＤカメラ接写用照明装置は、照明を集光す
るためにライトガイド先端を楔状にすることでアーチ形
となり、二極に分割した射出面となる。さらに端面を面
取りし、先端及び先端近傍の中空内面を曇り面（粗面）
にすることによりサイド照明となって反射光（グレア）
の少ない無影照明となり、被写体の鮮明な映像出力を得
ることによって正確な観察ができ、目や脳へのストレス
を感じさせない基板検査の目視作業疲労を極力抑えるこ
とができるという効果を有する。また本発明の小型ＣＣ
Ｄカメラ接写用照明装置は、極めて狭くて深い細部でも
集光照射することができるとともに、集光照射する位置
を変え又は保守点検するためにライトガイドを回動かつ
脱着できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態に係る小型ＣＣＤカメラ接写用照明
装置の概略断面図である。

【図２】図１のＡ部詳細図であり、本実施形態に係るラ
イトガイドを嵌合する部位の詳細断面図である。

【図３】図１の一部上面図である。

【図４】本実施形態に係るライトガイドの外観図であ
る。

【図５】本実施形態のライトガイドの断面図と光学系を
示す概略図である。

【図６】本実施形態に係る先端を面取りしたライトガイ
ドの概略一部断面図であり、（ａ）は面取りが３０度、
（ｂ）は面取りが４５度の場合の一部断面図である。

【図７】本発明に係るライトガイドの先端の形状と照明
光の光強度分布の関係を示す図であり、（ａ）はライト
ガイドの射出口が円筒状の場合、（ｂ）は射出口が楔形
の二極口状の場合、（ｃ）は楔形二極口状のものに面取
りした場合、の射出口近傍の光強度分布を示す図であ
る。

【図８】本発明に係る射出口が楔形の二極口に面取りと
曇り面を設けたライトガイドの断面形状とその光強度分
布を示す概略図であり、（ａ）はライトガイドの断面
図、（ｂ）はライトガイドの二極口近傍の光強度分布を
示す図である。

【図９】本発明の小型ＣＣＤカメラ接写用照明装置の使
用例を示す図であり、（ａ）は集積回路の点検のために
本発明の小型ＣＣＤカメラ接写用照明装置を使用してい
る上面図を示し、（ｂ）は側面図を示す。

【図１０】（ａ）及び（ｂ）は本発明の小型ＣＣＤカメ
ラ接写用照明装置の応用例を示す図である。

【符号の説明】

１ ハンドピース ３ ライトガイド ４ ＣＣＵ ５ ＣＣＤ ６ イメージャ ７ レンズ ８ プリント基板 ９ ＬＥＤ １０ Ｏリング １２ 溝 １４ アーチ形先端 １７ 光路 １８ 面取り ２０，２１ 光強度分布の等強度線 ３３ 被写体 ４２ 入射面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電荷結合素子と、被写体を結像するレン
   ズと、照明用の光源とを内蔵するハンドピースと、この
   ハンドピースに取り付けたライトガイドとを有する小型
   電荷結合素子カメラ接写装置において、 上記ライトガイドを、外形が中空円錐台形であって内部
   に逆円錐台形状の空間を画成するとともに、この逆円錐
   台形状の中空内壁を被写体の画角より外側に位置するよ
   うに形成しており、 上記光源の照射光を上記ライトガイドに入射して光をガ
   イドし集光して被写体を照明することを特徴とする、小
   型電荷結合素子カメラ接写用照明装置。
2. 【請求項２】 前記ライトガイドは前記中空円錐台形の
   短径側を楔状に形成して先端をアーチ形とし、この先端
   の射出面を二極の分割した射出面に変換して集光力を増
   すとともに、被写体の狭く細く深い部位を照明可能とし
   たことを特徴とする、請求項１に記載の小型電荷結合素
   子カメラ接写用照明装置。
3. 【請求項３】 前記ライトガイドの中空円錐台形先端の
   短径部外周を鋭角に面取りしたことを特徴とする、請求
   項１又は２に記載の小型電荷結合素子カメラ接写用照明
   装置。
4. 【請求項４】 前記ライトガイドの短径側の射出面及び
   その中空内面の近傍を粗面に形成し、照明光強度を楕円
   分布状にして照射し無影照明にしたことを特徴とする、
   請求項１乃至３の何れかに記載の小型電荷結合素子カメ
   ラ接写用照明装置。
5. 【請求項５】 前記照明用の光源はｎ個のＬＥＤを円周
   上に配列した環状の光源であって、照射光を前記中空円
   錐台形の長径側から入射し、短径側から射出して集光し
   照明することを特徴とする、請求項１に記載の小型電荷
   結合素子カメラ接写用照明装置。
6. 【請求項６】 前記ハンドピースに前記ライトガイドを
   回動可能かつ脱着可能に嵌合したことを特徴とする、請
   求項１に記載の小型電荷結合素子カメラ接写用照明装
   置。