JP2000035422A - 未知試料検索方法、未知試料検索装置及び未知試料検索用記録媒体 - Google Patents

未知試料検索方法、未知試料検索装置及び未知試料検索用記録媒体

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JP2000035422A
JP2000035422A JP10201596A JP20159698A JP2000035422A JP 2000035422 A JP2000035422 A JP 2000035422A JP 10201596 A JP10201596 A JP 10201596A JP 20159698 A JP20159698 A JP 20159698A JP 2000035422 A JP2000035422 A JP 2000035422A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】未知高分子試料を容易に同定できる検索方法、
検索装置及び検索用記録媒体を提供する。 【解決手段】未知高分子試料を熱分解手段2で熱分解
し、分離カラム4で分離する。分離された各熱分解生成
物を質量分析計5で所定時間毎にイオン化し生成した分
子イオン及びフラグメントイオンの強度を検出して検出
データとする。パソコン6で検出データを1組毎に加算
してトータルイオン強度とし、該トータルイオン強度か
らクロマトグラムを作成する。該クロマトグラムの各ピ
ークに対応するトータルイオン強度に含まれる検出デー
タを同一質量のイオン毎に合算して未知高分子試料の合
算マススペクトルを作成する。複数の既知の高分子試料
について、未知高分子試料と同様にして得られた合算マ
ススペクトルによりデータベースを構成する。該データ
ベースから、未知高分子試料の合算マススペクトルに一
致する割合の高い既知高分子試料の合算マススペクトル
を検索する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、樹
脂等の未知の高分子試料を同定するために用いられる未
知試料の検索方法、検索装置及び検索用記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック、樹脂等の未知の高
分子試料を同定する方法として、熱分解ガスクロマトグ
ラフィー(Py−GC法)と、質量分析法とを組み合わ
せた方法(Py−GC/MS法)により得られたデータ
をデータベースと比較し、該データベースに収納されて
いる既知の高分子試料から該データに一致するものを検
索する方法が知られている。
【0003】前記Py−GC/MS法は、プラスチッ
ク、樹脂等の未知の高分子試料を熱分解炉に導入して瞬
間的あるいは昇温加熱により熱分解することにより得ら
れる熱分解生成物の混合物をキャピラリーカラムで各熱
分解生成物に分離し、分離された熱分解生成物を質量分
析計で検出するものである。
【0004】前記熱分解生成物は前記熱分解の結果、ガ
ス状の分子を構成しており、該熱分解生成物を質量分析
計にかけると前記ガス状の分子に電子が照射され、分子
そのもののイオン化が起き分子イオンが生じる。同時
に、過剰のエネルギーのため、前記分子内の数カ所で分
子内結合が破壊されて開裂し、破片となったイオン(フ
ラグメントイオン)を生ずる。
【0005】ここで、前記質量分析計が磁場型質量分析
計である場合には、正に帯電したイオン(分子イオン及
びフラグメントイオン)を電場で加速し、その運動方向
と垂直に磁場を印加することにより、前記イオンがイオ
ン質量数の平方根に比例した半径で曲線運動を行う。そ
こで、磁場の強さを連続的に変えることにより、所定範
囲の質量/電荷(m/z)比に対応する各イオンが連続
的に走査され検出器に集められる。
【0006】また、四重極型質量分析計の場合には、4
本の電極に高周波電圧を印加して電場を構成し、イオン
が4本の電極に囲まれた電場に入るとイオンと電場との
相互作用により、特定の質量/電荷比を持つイオンだけ
が検出器に到達する。四重極型質量分析計は、電場の強
さを連続的に変えることにより、多くのイオンを走査す
ることができ、所定範囲の質量/電荷(m/z)比に対
応する各イオンが連続的に走査され検出器に集められ
る。
【0007】そして、前記いずれの型の質量分析計の場
合にも、前記検出器に到達したイオンは、該検出器で放
電することによりそれぞれの質量のイオンの相対的な強
度に比例した電流を発生する。
【0008】前記質量分析計では、前記キャピラリーカ
ラムで分離された熱分解生成物に対し、所定時間毎に、
例えば0.008分毎に前記イオン化を行い、イオン化
された分子イオン及びフラグメントイオンを前記のよう
にして走査することにより、前記所定範囲の質量/電荷
(m/z)比に対応する各イオンの強度が1組の検出デ
ータとして得られる。そこで、次に、前記検出データを
前記所定時間毎の走査で得られる1組の検出データ毎に
加算してトータルイオン強度とし、前記トータルイオン
強度を検出順に配列して各トータルイオン強度の頂点を
結ぶと、保持時間に対応して検出されたイオンの強度を
示す図5のような熱分解ガスクロマトグラム(パイログ
ラム)が得られる。前記パイログラムは、それ自体を既
知の高分子試料のパイログラムと比較することにより未
知の高分子試料を同定することもできるが、Py−GC
/MS法では通常、前記パイログラムの各ピークのマス
スペクトルを作成し、該マススペクトルに基づいて既知
の高分子試料のマススペクトルに関するデータベースを
検索する。
【0009】すなわち、前記パイログラムの各ピーク
は、前記トータルイオン強度の集合体であり、各トータ
ルイオン強度は前記のように質量分析計の所定時間毎の
走査で得られた1組の検出データにより構成されてお
り、個々の検出データは前記質量分析計における電子照
射により生じた各化合物に特有の分子イオンまたは各化
合物に特有の位置で開裂したフラグメントイオンの強度
を示している。そこで、例えば、前記トータルイオン強
度の代表値として、最も強度の大きいトータルイオン強
度である各ピークの最高点に相当する部分を構成するト
ータルイオン強度を選択し、該トータルイオン強度を構
成する検出データを前記分子イオン及びフラグメントイ
オンの質量順に配列すると、前記ピークに対応する化合
物に特有のパターンを備えるマススペクトルが得られ
る。従って、前記マススペクトルを、標準高分子試料に
ついて同様にして作成されたマススペクトルを集めて構
築されているデータベースと比較し、未知の高分子試料
の前記マススペクトルと一致する既知の高分子試料のマ
ススペクトルを検索することにより、該未知の高分子試
料の同定を行うことができる。
【0010】次に、前記従来の検索方法について、例え
ば未知の高分子試料のパイログラムとして図5示のパイ
ログラムが得られた場合について説明する。尚、図5示
のパイログラムは後述のように実際には既知の高分子試
料のパイログラムであるが、ここでは説明のために未知
の高分子試料のパイログラムとして扱う。
【0011】前記従来の検索方法では、まず、図5示の
パイログラムのピーク、例えばピークDの最高点に相当
する部分を構成するトータルイオン強度を個々の検出デ
ータに分解して該トータルイオン強度を構成する1組の
検出データを出す。次に、該検出データを各分子イオン
及びフラグメントイオンの質量順に配列すると、図6
(d)示のマススペクトルが得られる。そこで、該マス
スペクトルと、標準高分子試料について測定されたマス
スペクトルを集めて構築されているデータベースとを比
較し、図6(d)示のマススペクトルと一致する割合の
高い既知の高分子試料のスペクトルを検索する。
【0012】図6(d)示のマススペクトルに対して市
販のデータベース(WILEY)を検索すると、図11
に示す検索結果が得られる。図11(a)及び(b)は
4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールで
あり、図11(c)はパラフェニルカルバルニック酸で
あり、図11(d)は1,1’−ビフェニール−3−イ
ル−カルバミック酸であって、図6(d)示のマススペ
クトルに対応する熱分解生成物が図11のいずれかの化
合物である確率はそれぞれ97%、83%、46%、4
3%である。従って、図5示のパイログラムのピークD
に対応する熱分解生成物は、4,4’−(1−メチルエ
チリデン)ビスフェノールである可能性が極めて高いこ
とがわかる。
【0013】前記従来の検索方法によれば、図5示のパ
イログラムの各ピークについて、前記ピークDと同一の
処理を行うことにより、各ピークに対応する化合物の同
定を行うことができる。
【0014】しかしながら、前記従来の検索方法では、
前記各ピークに対応する熱分解生成物の1つ1つについ
てデータベースから検索しなければならないので時間が
かかり、しかも前記各ピークに対応する化合物の1つ1
つが同定されたとしても、このようにして同定された化
合物は多数に昇るので、これら多数の化合物から元の高
分子試料が何であったかを判断するには、高度の専門的
知識、経験と熟練とを要するとの不都合がある。
【0015】また、未知の高分子試料を検索する方法と
して、Py−GC/MS法により得られる前記パイログ
ラムの各ピークに対応するマススペクトルに代えて、該
高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の混合物
を直ちに質量分析計にかけて検出された検出データを各
分子イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列して
得られるマススペクトルを用いる方法も考えられる。前
記従来の検索方法が前記パイログラムの各ピークに対応
する複数のマススペクトルについて前記データベースか
ら検索するものであるのに対し、この方法によれば、1
つだけのマススペクトルが前記熱分解生成物の混合物に
対応するので、前記各ピークに対応する個々のマススペ
クトルを前記データベースから検索する手間が省ける
上、検索結果から直ちに元の高分子試料が何であったか
を判断することができる。
【0016】しかしながら、質量分析計に導入される試
料の量は数μg以下の極微量であることが要求されるの
に対して、このような微量の試料を秤量することは現実
には困難であり、また秤量可能な数mg程度の試料を熱
分解すると、短時間の内に質量分析計のイオン化室が汚
染され使用できなくなるという不都合がある。また、溶
液中に溶質として含まれる試料については、溶液の濃度
を調節することにより数μg程度の微量を秤量すること
が可能であるが、この方法は試料が溶媒に溶解すること
ができる場合に限られる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、プラスチック、樹脂等の未知の高分子試
料を容易に同定することができる未知試料の検索方法、
検索装置及び検索用記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の未知試料の検索方法は、未知の高分子試
料を熱分解して得られる熱分解生成物の混合物を各熱分
解生成物に分離し、分離された各熱分解生成物を所定時
間毎にイオン化して生成した分子イオン及びフラグメン
トイオンの強度を検出して検出データとすると共に、該
所定時間毎の検出で得られた未知の高分子試料の検出デ
ータを1組として該検出データを1組毎に加算してトー
タルイオン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に
配列して構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことに
よりクロマトグラムを作成し、該クロマトグラムの各ピ
ークに対応する該トータルイオン強度に含まれる該検出
データを同一質量のイオン毎に合算して該分子イオン及
びフラグメントイオンの強度の合算データとし、該合算
データが該分子イオン及びフラグメントイオンの質量順
に配列された該未知の高分子試料の合算マススペクトル
を作成し、既知の高分子試料を熱分解して得られる熱分
解生成物の混合物から分離された各熱分解生成物を所定
時間毎にイオン化して生成した分子イオン及びフラグメ
ントイオンの強度を検出して検出データとすると共に、
該所定時間毎の検出で得られた既知の高分子試料の検出
データを1組として該検出データを1組毎に加算してト
ータルイオン強度とし、該トータルイオン強度を検出順
に配列して構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶこと
により得られたクロマトグラムの所定の範囲の各ピーク
に対応する該トータルイオン強度に含まれる該検出デー
タを同一質量のイオン毎に合算して該分子イオン及びフ
ラグメントイオンの強度の合算データとし、該合算デー
タが該分子イオン及びフラグメントイオンの質量順に配
列された該既知の高分子試料の合算マススペクトルを作
成し、複数の既知の高分子試料について集成された該合
算マススペクトルにより構成されたデータベースと、該
未知の高分子試料の合算マススペクトルとを比較し、該
未知の高分子試料の合算マススペクトルに一致する割合
の高い既知の高分子試料の合算マススペクトルを検索す
ることを特徴とする。
【0019】本発明の検索方法によれば、まず、未知の
高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の混合物
を各熱分解生成物に分離する。次に、分離された各熱分
解生成物を所定時間毎にイオン化して、該熱分解生成物
を構成する各化合物に特有の分子イオン及び該化合物に
特有の位置で開裂したフラグメントイオンを生成せしめ
る。そして、該分子イオン及びフラグメントイオンの強
度を検出して検出データとする。
【0020】次に、前記所定時間毎の検出で得られた検
出データを1組として、該検出データを1組毎に加算し
てトータルイオン強度とし、該トータルイオン強度を検
出順に配列して構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶ
ことによりクロマトグラムを作成する。この結果、前記
クロマトグラムでは、前記分離に要した時間(保持時
間)に対して各熱分解生成物の強度が示され、各熱分解
生成物に対応するピークが形成される。
【0021】前記ピークは前記トータルイオン強度の集
合体であり、各トータルイオン強度は前記所定時間毎の
検出で得られた1組の検出データにより構成されてい
る。ここで、個々の検出データは前記分子イオンまたは
フラグメントイオンの質量毎の強度を示すものであり、
各ピークには共通の質量の分子イオン及びフラグメント
イオンが含まれている。
【0022】そこで、次に前記各ピークに対応するトー
タルイオン強度に含まれる前記検出データを同一質量の
イオン毎に合算して合算データとする。この合算データ
を前記分子イオン及びフラグメントイオンの質量順に配
列することにより、前記未知の高分子試料の合算マスス
ペクトルが得られる。該合算マススペクトルは、前記未
知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の混
合物を分離すること無く直ちに質量分析計にかけて検出
された検出データを各分子イオン及びフラグメントイオ
ンの質量順に配列して得られるマススペクトルに相当す
る。従って、前記合算マススペクトルは、1つのマスス
ペクトルで該未知の高分子試料に対応するものである。
【0023】本発明の検索方法に用いるデータベース
は、前記未知の高分子試料と同一の方法で既知の高分子
試料の合算マススペクトルを作成し、該合算マススペク
トルを複数の既知の高分子試料について集成することに
より構成されるものである。前記データベースは、前記
既知の高分子試料のクロマトグラムの所定の範囲の各ピ
ークに対して作成された合算マススペクトルをデータラ
イブラリとして含むことにより、検索の便を図ることが
できる。前記クロマトグラムの所定の範囲の各ピークと
は、該クロマトグラム含まれる全ピークまたは一部のピ
ークを意味する。
【0024】次に、本発明の検索方法は、前記データベ
ースと、前記未知の高分子試料の合算マススペクトルと
を比較する。この結果、本発明の検索方法によれば、該
未知の高分子試料の合算マススペクトルと一致する割合
の高い、既知の高分子試料の合算マススペクトルを検索
することができる。
【0025】本発明の検索方法では、前記クロマトグラ
ムの各ピークに対応するトータルイオン強度は、各ピー
クを構成するトータルイオン強度の全てを含む場合と、
各ピークの最高点に相当する部分を構成するトータルイ
オン強度である場合とがある。
【0026】まず、前記未知の高分子試料の熱分解及び
分離を、前記データベースを構成する既知の高分子試料
と異なる条件で行うときには、前記未知の高分子試料の
合算マススペクトルと、前記既知の高分子試料の合算マ
ススペクトルとの両方に前記各ピークを構成するトータ
ルイオン強度の全てを用いる。
【0027】前記のように2つの高分子試料の熱分解及
び分離を異なる条件で行うと、両者のクロマトグラムは
一致せず、各ピークの最高点に相当する部分の強度も一
致しない。しかし、この場合に、前記各クロマトグラム
について、各ピークを構成する前記トータルイオン強度
の全てを用いて合算マススペクトルを作成すると、前記
未知の高分子試料と前記既知の高分子試料とで良く一致
したマススペクトルが得られる。
【0028】これは、前記トータルイオン強度が前述の
ように前記検出データの集合体であることによる。即
ち、前記両クロマトグラムを比較したときに各ピークの
最高点に相当する部分の強度が異なるとしても、ピーク
の立ち上がりから終了部分までを含む各ピークを構成す
るトータルイオン強度の全てを比較すれば、その中に含
まれる前記検出データの合計は両者とも略同一であると
考えられるからである。
【0029】従って、前記データベースを構成する合算
マススペクトルと、未知の高分子試料の合算マススペク
トルとが、共に前記各ピークを構成するトータルイオン
強度の全てを用いて作成されていれば、実験条件が異な
っていても両者が一致する割合を高くすることができ
る。
【0030】次に、前記未知の高分子試料の熱分解及び
分離を前記データベースを構成する既知の高分子試料と
略同一の条件で行うときには、前記未知の高分子試料の
合算マススペクトルと、前記既知の高分子試料の合算マ
ススペクトルとの両方に前記各ピークの最高点に相当す
る部分を構成するトータルイオン強度を用いることがで
きる。
【0031】前記のように2つの高分子試料の熱分解及
び分離を略同一の条件で行うときには、良く一致した未
知の高分子試料のクロマトグラムが得られ、この場合に
は、各ピークの最高点に相当する部分の強度も良く一致
している。従って、前記各ピークに対応するトータルイ
オン強度として、各ピークの最高点に相当する部分を構
成するトータルイオン強度だけを用いても、その中に含
まれる前記検出データの合計は両者とも略同一になる。
【0032】この結果、前記データベースを構成する合
算マススペクトルと、未知の高分子試料の合算マススペ
クトルとが、共に前記各ピークの最高点に相当する部分
を構成するトータルイオン強度を用いて作成されていて
も、両者が一致する割合を高くすることができる。前記
のようにするときには、前記各ピークの最高点に相当す
る部分を構成するトータルイオン強度により、各ピーク
を構成するトータルイオン強度の全てを代表させること
ができ、前記合算マススペクトルの作成を簡便に行うこ
とができる。
【0033】このとき、前記データベースはさらに前記
各ピークを構成するトータルイオン強度の全てから作成
された合算マススペクトルを含むことにより、両者が一
致する割合を高くすることができる。
【0034】前記本発明の検索方法は、試料を熱分解し
て熱分解生成物の混合物を生成せしめる熱分解手段と、
該混合物を各熱分解生成物に分離する分離カラムと、分
離された各熱分解生成物の前記分子イオン及びフラグメ
ントイオンの強度を検出する質量分析計と、前記分子イ
オン及びフラグメントイオンの強度から前記クロマトグ
ラムを作成するクロマトグラム作成手段と、前記未知の
高分子試料の合算マススペクトルを作成する合算処理手
段と、前記データベースを記憶するデータベース記憶手
段と、該未知の高分子試料の合算マススペクトルの検索
を行う検索手段と、前記検索手段による検索結果を出力
する出力手段とからなることを特徴とする未知試料検索
装置により有利に実施することができる。
【0035】本発明の未知試料検索装置によれば、熱分
解手段により生成された熱分解生成物の混合物を分離カ
ラムにより分離することにより、検出に適した量の試料
を質量分析計に導入することができる。そして、質量分
析計の検出データを前記クロマトグラム作成手段及び合
算処理手段で処理することにより、合算マススペクトル
を得ることができる。前記合算マススペクトルは、高分
子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の混合物を直
ちに質量分析計にかけて検出された検出データを各分子
イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列して得ら
れるマススペクトルに相当する。
【0036】また、本発明の未知試料検索装置は、前記
データベースを記憶するデータベース記憶手段と、前記
未知の高分子試料の分子イオン及びフラグメントイオン
の強度を検出データとして入力可能であって、入力され
た検出データを記憶する検出データ記憶手段と、該検出
データから得られる前記トータルイオン強度に基づいて
前記クロマトグラムを作成するクロマトグラム作成手段
と、前記未知の高分子試料の合算マススペクトルを作成
する合算処理手段と、前記データベース記憶手段に記憶
される前記データベースと、前記未知の高分子試料の合
算マススペクトルの検索を行う検索手段とを備えるもの
であってもよい。
【0037】かかる装置によれば、前記未知の高分子試
料に対する検出データが入力されたときに、該検出デー
タを検出データ記憶手段に格納して記憶すると共に、該
検出データ記憶手段に記憶された該検出データを前記ク
ロマトグラム作成手段及び合算処理手段で演算処理する
ことにより、前記トータルイオン強度から該未知の高分
子試料に関する合算マススペクトルを作成する。そし
て、前記検索手段により、前記データベース記憶手段に
記憶されている前記データベースと、該未知の高分子試
料に関する合算マススペクトルとを比較することによ
り、該未知の高分子試料の合算マススペクトルと一致す
る割合の高い、既知の高分子試料の合算マススペクトル
を検索することができる。本発明では、かかる装置とし
て、例えばパーソナルコンピュータを用いることができ
る。
【0038】また、本発明の未知試料検索装置に前記パ
ーソナルコンピュータを用いるときには、前記未知の高
分子試料の分子イオン及びフラグメントイオンの強度を
検出データとして記憶する手順と、該検出データから得
られる前記トータルイオン強度に基づいて前記クロマト
グラムを作成する手順と、前記未知の高分子試料の合算
マススペクトルを作成する手順と、前記データベース
と、前記未知の高分子試料の合算マススペクトルとを比
較し、該未知の高分子試料の合算マススペクトルに一致
する割合の高い既知の高分子試料の合算マススペクトル
を検索する検索手順とを、前記パーソナルコンピュータ
が処理するアプリケーションプログラムとして予め記録
した未知試料検索用記録媒体を用いることができる。ま
た、前記データベースを予め記録した未知試料検索用記
録媒体を用いることもできる。前記各記録媒体は、フロ
ッピーディスク、CD−ROM等の磁気記録媒体であっ
てもよく、光ディスクであってもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照しながら
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本発明の未知試料検索装置のシステム構成図であ
り、図2は図1示のパーソナルコンピュータの構成を示
すブロック図であり、図3及び図4は図1示の装置で高
分子試料の分析を行ったときに得られる熱分解ガスクロ
マトグラム(パイログラム)の作成方法を示す説明図で
ある。また、図5は図1示の装置で既知の高分子試料を
分析した結果を示すパイログラムであり、図6は図5示
のパイログラムの主なピークの最高点に相当する部分を
構成するトータルイオン強度を構成する検出データを示
すマススペクトル、図7及び図8は図5示のパイログラ
ムから作成される合算マススペクトルである。また、図
9は図1示の装置で未知の高分子試料を分析した結果を
示すパイログラムであり、図10は図9示のパイログラ
ムから作成される合算マススペクトルである。
【0040】本実施形態の未知試料検索装置は、図1示
のように、熱分解炉1を備える熱分解装置2と、注入口
3を介して熱分解装置2に接続されたキャピラリーカラ
ム4と、キャピラリーカラム4に接続された質量分析計
5と、質量分析計5で得られた検出データが入力可能な
パーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略記する)
6と、パソコン6に接続された出力手段としてのプリン
タ7とからなる。
【0041】熱分解装置2は、試料導入部8から試料カ
ップ9により導入される試料を熱分解炉1内で瞬間的に
熱分解して複数のガス状の有機化合物からなる熱分解生
成物の混合物を生成させる。該熱分解生成物は、図示し
ない導入口から導入されるキャリヤガスにより、注入口
3を介してキャピラリーカラム4に案内される。
【0042】キャピラリーカラム4は、温度制御器10
により制御される恒温槽11内に収容されており、恒温
槽11内の温度を低温から高温まで昇温させることによ
り前記混合物を概ね低沸点の化合物から高沸点の化合物
の順に、各熱分解生成物に分離して、質量分析計5に案
内する。キャピラリーカラム4としては、溶融シリカか
らなる溶融シリカキャピラリーカラムまたはステンレス
等の金属からなる金属キャピラリーカラムを用いること
ができる。
【0043】質量分析計5は、キャピラリーカラム4か
ら導入されたガス状の有機化合物である熱分解生成物に
所定時間毎に電子を照射して分子イオンを生成させると
共に、該有機化合物に特有の位置で分子内結合を開裂さ
せてフラグメントイオンを生成させ、所定範囲の質量/
電荷(m/z)比に対応する分子イオン及びフラグメン
トイオンを走査することにより、前記各イオンの強度が
検出され、前記所定時間毎の走査につき1組の検出デー
タが得られる。
【0044】図1示の質量分析計5は四重極型質量分析
計であり、4本の電極12に高周波電圧を印加すること
により電場を形成し、イオンが4本の電極12に囲まれ
た電場に入るとイオンと電場との相互作用により、特定
の質量/電荷比を持つイオンだけが図示しない検出器に
到達する。前記イオンは、前記検出器に到達すると、放
電して電流を生じるので、該電流を測定することによ
り、前記イオンの質量毎にその相対的強度を示す検出デ
ータが得られる。そして、前記検出データは、電気信号
の形でパソコン6に入力される。尚、図1示の装置では
質量分析計5として四重極型質量分析計を用いている
が、磁場型質量分析計を用いることもできる。
【0045】パソコン6は、図1及び図2示のように、
パソコン本体13とディスプレイ14とからなる。パソ
コン本体13は、CPU,RAM,ROM等からなる主
制御部15、パイログラム作成部16、合算処理部1
7、データ記憶部18、検索処理部19、出力処理部2
0を備える。
【0046】パソコン6は、予め主制御部15に記憶保
持されている処理手順に従って、前記パイログラム作成
部16、合算処理部17、データ記憶部18、検索処理
部19、出力処理部20を制御する。前記処理手順は、
予め主制御部15に読み込まれて記憶保持されていても
よく、パソコン6が処理するアプリケーションソフトと
して予めフロッピーディスク、CD−ROM等の記録媒
体に記録されているものを、前記記録媒体から主制御部
15に読み込ませて記憶保持させるものであってもよ
い。
【0047】パソコン6のデータ記憶部18は、複数の
既知の高分子試料について集成された前記合算マススペ
クトルをデータベースとして記憶するものであって、前
記データベースは、予めデータ記憶部18に読み込まれ
て記憶保持されていてもよく、予めフロッピーディス
ク、CD−ROM等の記録媒体に記録されているもの
を、前記記録媒体からデータ記憶部18に読み込ませて
記憶保持させるものであってもよい。
【0048】次に、図1及び図2示の装置を用いる本実
施形態の未知試料検索方法について説明する。
【0049】まず、本実施形態において、データ記憶部
18に記憶保持されるデータベースについて説明する。
前記データベースは、複数の既知の高分子試料につい
て、例えば図1及び図2示の装置を用いてサンプリング
することにより作成されたデータから構成することがで
きる。
【0050】そこで、次に、図1及び図2示の装置を用
い、既知の高分子試料の例としてと下式(1)で示され
るビスマレイミドトリアジン樹脂(以下BTレジンと略
記する)に関するデータをサンプリングする方法を説明
する。
【0051】
【化1】
【0052】まず、前記既知の高分子試料に関するデー
タをサンプリングするときには、該高分子試料(BTレ
ジン)0.3mgを試料カップ9に入れ、図1に示す熱
分解装置2(フロンティア・ラボ株式会社製、商品名:
ダブルショット・パイロライザー、モデルPY2020
D)の試料導入口8から熱分解炉1内に導入し、熱分解
炉1内で550℃の熱分解温度に加熱して瞬間的に熱分
解する。そして、生成したガス状の有機化合物からなる
熱分解生成物の混合物の1/50を注入口3で分割し
て、キャリアガス(入口圧:0.8kg/cm2 )によ
り注入口3を介してキャピラリーカラム4(フロンティ
ア・ラボ株式会社製、金属キャピラリーカラム)に注入
する。キャピラリーカラム4は、ステンレス製で内径
0.25mm、長さ30mであり、管内壁には0.25
μmの厚さの5%−フェニルメチルシリコン膜が形成さ
れており、温度制御器10、恒温槽11、質量分析計5
からなるガスクロマトグラフ装置(ヒューレット・パッ
カード社製、商品名:GC/MS、モデル5972)の
恒温槽11内に収容されている。次に、温度制御器10
により、恒温槽11内の温度を40℃から10℃/分の
昇温速度で320℃まで昇温し、前記熱分解生成物の混
合物を分離する。この結果、前記混合物は概ね低沸点の
化合物から高沸点の化合物の順に分離される。前記のよ
うに分離された化合物は、低沸点の化合物ほど保持時間
が短いので、低沸点の化合物から順に質量分析計5に導
入される。
【0053】質量分析計5では、0.008分毎に導入
されたガス状の化合物に電子を照射することにより該化
合物に特有の分子イオンを生成させ、あるいは該化合物
を特有の位置で開裂させてフラグメントイオンを生成さ
せて、質量/電荷(m/z)比10〜450の範囲に対
応する前記分子イオン及びフラグメントイオンを連続的
に走査して各イオンの強度を検出する。この結果、前記
0.008分毎の走査につき1組の検出データが得られ
る。前記検出データは、前記分子イオン及びフラグメン
トイオンの強度に比例する電気信号であるので、そのま
まパソコン6に入力することができる。
【0054】前記BTレジンに関する前記1組の検出デ
ータの例を図3(a)〜(c)に示す。図3(a)〜
(c)は、それぞれ保持時間11.562分、11.5
86分、11.611分に、質量/電荷(m/z)比1
0〜450の範囲で連続的に走査された各イオンの強度
を示すもので、ヒストグラム状に示される1本1本の縦
線が各イオンの強度を示す前記検出データである。尚、
1本1本の縦線に付された数字は、各縦線に対応するm
/z比を示す(以下、図6乃至図8、図10について同
じ)。
【0055】次に、パソコン6は、主制御部15に記憶
保持されている処理手順に従って、前記キャピラリーカ
ラム4における保持時間1〜30分の間に検出された前
記検出データを一旦パイログラム作成部16に格納し、
パイログラム作成部16でパイログラムを作成する。パ
イログラム作成部16は、前記各走査で得られた検出デ
ータを前記0.008分毎の走査に対応する1組毎に加
算してトータルイオン強度とし、該トータルイオン強度
を図4示のように検出順に配列する。
【0056】例えば、前記図3(a)示の各検出データ
は、保持時間11.562分に検出されたもので、13
07回目の走査に当たる。そこで、図3(a)に縦線で
示される検出データを全て合計したものが、図4の保持
時間11.562分の位置にトータルイオン強度d1307
として示される。同様に、図3(b)示の各検出データ
は保持時間11.586分に検出された1310回目の
走査、図3(c)示の各検出データは保持時間11.6
11分に検出された1313回目の走査に当り、それぞ
れに検出データを全て加算したものが、図4の該当する
保持時間の位置に、トータルイオン強度d1310,d1313
として示される。
【0057】この結果、例えば保持時間11.538〜
11.626分の範囲について図4に示すように、13
05回〜1315回の各回の走査により検出された検出
データを加算したトータルイオン強度d1305〜d1315
検出順に配列されたヒストグラムが得られる。そして、
図4示の各トータルイオン強度の頂点を結ぶと破線で示
すようなピークが形成される。
【0058】パイログラム作成部16は、前記保持時間
11.538〜11.626分の範囲について行う操作
と同一の操作を保持時間1〜30分の範囲について行う
ことにより、図5示のパイログラムを作成する。尚、図
4に破線で示した部分は図5のピークBを拡大したもの
である。
【0059】次に、パソコン6は、主制御部15に記憶
保持されている処理手順に従って、合算処理部17で図
5示のパイログラムの各ピークに対応する前記トータル
イオン強度に含まれている前記検出データを同一質量毎
に合算し、前記分子イオン及びフラグメントイオンの強
度の合算データを算出する。次いで、合算処理部17
は、前記合算データが前記分子イオン及びフラグメント
イオンの質量順に配列されたマススペクトルを作成す
る。本明細書では、前記合算データが前記分子イオン及
びフラグメントイオンの質量順に配列されたマススペク
トルを「合算マススペクトル」と記載する。
【0060】ここで、合算処理部17は、図5示のパイ
ログラムの各ピークに対応する前記トータルイオン強度
として、まず、各ピークの最高点に相当する部分のトー
タルイオン強度を採用して前記合算マススペクトルを作
成する。本明細書では、この合算マススペクトルを「部
分合算マススペクトル」と記載する。
【0061】前記「ピークの最高点に相当する部分のト
ータルイオン強度」とは、図4のトータルイオン強度d
1310に相当するトータルイオン強度である。図6(a)
〜(d)に、図5示のパイログラムにおける主なピーク
A,B,C,Dの最高点に相当する部分のトータルイオ
ン強度を構成する検出データを示す。図6(a)〜
(d)は、図3(a)〜(c)と同様に、質量/電荷
(m/z)比0〜150の範囲で連続的に走査された各
イオンの強度を示すスペクトルであり、ヒストグラム状
に示される1本1本の縦線が各イオンの強度を示す前記
検出データである。
【0062】演算処理部17は、図6(a)〜(d)に
示すようなマススペクトルを図5示のパイログラムに示
される全ピークについて作成し、各マススペクトルの検
出データを同一質量の分子イオンまたはフラグメントイ
オン毎に合算する。尚、図6(a)〜(d)に示される
各検出データについて、同一質量の分子イオンまたはフ
ラグメントイオンとは、質量/電荷(m/z)比が同一
である分子イオンまたはフラグメントイオンを意味す
る。
【0063】そして、前記合算データを前記分子イオン
またはフラグメントイオンの質量順に配列することによ
り、図7(a)示のような部分合算マススペクトルが得
られる。図7(a)示の部分合算マススペクトルは、前
記BTレジンの熱分解生成物の混合物をキャピラリーカ
ラム4にかけることなく直ちに質量分析計5にかけて検
出された検出データを各分子イオン及びフラグメントイ
オンの質量順に配列して得られるマススペクトルに相当
する。そこで、合算処理部17は、図7(a)示の部分
合算マススペクトルを前記BTレジンのデータとして、
データ記憶部18に記憶されるデータベースに格納し、
データライブラリ#1とする。図7(a)示の部分合算
マススペクトルは、図5示のパイログラムの全ピークに
関するものであり、保持時間(検出時間)について見る
と、1〜30分に相当する。
【0064】次に、合算処理部17は、さらに、図5示
のパイログラムにおいて、保持時間1〜15分及び1〜
10分の範囲に含まれる各ピークについても前記と同様
の手順により部分合算マススペクトルを算出し、これを
データライブラリ#2、#3としてデータ記憶部18に
記憶されるデータベースに格納する。データライブラリ
#2の部分合算マススペクトルを図7(b)に、データ
ライブラリ#3の部分合算マススペクトルを図7(c)
に示す。
【0065】次に、合算処理部17は、図5示のパイロ
グラムの各ピークに対応する前記トータルイオン強度と
して、各ピークを構成するトータルイオン強度の全てを
採用して前記合算マススペクトルを作成する。本明細書
では、この合算マススペクトルを「全合算マススペクト
ル」と記載する。
【0066】前記部分合算マススペクトルは、各ピーク
について例えば図4示のトータルイオン強度d1310に相
当するトータルイオン強度を用いるものであるが、前記
各ピークは実際には図4に示すように複数のトータルイ
オン強度により構成されている。そこで、全合算マスス
ペクトルは、図4の例で示せばピークを構成するトータ
ルイオン強度d1305〜d1315の全てを用いるものであ
る。
【0067】演算処理部17は、図5示のパイログラム
に示される全ピークについて、各ピークを構成するトー
タルイオン強度の全てに含まれる検出データを同一質量
の分子イオンまたはフラグメントイオン毎に合算して合
算データを算出し、該合算データを前記分子イオンまた
はフラグメントイオンの質量順に配列することにより、
図8(a)示のような全合算マススペクトルを作成す
る。そして、合算処理部17は、図8(a)示の全合算
マススペクトルを前記BTレジンのデータとして、デー
タ記憶部18に記憶されるデータベースに格納し、デー
タライブラリ#4とする。図8(a)示の全合算マスス
ペクトルは、図5示のパイログラムの全ピークに関する
ものであり、保持時間(検出時間)について見ると、1
〜30分に相当するので、合算処理部17は図7示の部
分合算マススペクトルの場合と同様に、さらに、図5示
のパイログラムにおいて、保持時間1〜15分及び1〜
10分の範囲に含まれる各ピークについても前記全合算
マススペクトルを算出し、これをデータライブラリ#
5、#6としてデータ記憶部18に記憶されるデータベ
ースに格納する。データライブラリ#5の全合算マスス
ペクトルを図8(b)に、データライブラリ#6の全合
算マススペクトルを図8(c)に示す。
【0068】本実施形態でデータ記憶部18に記憶され
ているデータベースは、既知の高分子試料136種につ
いて、前記BTレジンと同一の手順に従ってサンプリン
グされたデータにより構成されている。
【0069】次に、図1及び図2示の装置を用い、未知
の高分子試料の合算マススペクトルを作成する方法につ
いて説明する。
【0070】未知の高分子試料の合算マススペクトルの
作成は、前記データをサンプリングする場合と同一の手
順により、まず、該未知の高分子試料を図1に示す熱分
解装置2の熱分解炉1内に導入、加熱して瞬間的に熱分
解し、生成したガス状の熱分解生成物の混合物の1/5
0をキャピラリーカラム4に注入して分離する。
【0071】本実施形態では、検索結果の正誤判断の便
宜上、未知の高分子試料として前記既知の高分子試料に
関するデータのサンプリングに使用したものと同一のB
Tレジンを用い、前記既知の高分子試料に関するデータ
のサンプリングに使用したものと同一の熱分解装置2及
びキャピラリーカラム4により熱分解及び熱分解生成物
の混合物を分離を行った。ただし、前記未知の高分子試
料としてのBTレジンの熱分解生成物の混合物の分離
は、温度制御器10により、恒温槽11内の温度を60
℃から20℃/分の昇温速度で170℃まで昇温し、そ
の後170℃に温度を保持することにより行うように温
度制御器10による温度制御を変更して、得られるパイ
ログラムのパターンが図5示の前記既知の高分子試料と
してのBTレジンのパイログラムと異なるようにした。
【0072】本実施形態では、次に、前記条件で分離さ
れたBTレジンの熱分解生成物の混合物を質量分析計5
に導入し、検出された検出データをパソコン6に導入す
る。そして、該検出データを前記既知の高分子試料に関
するデータのサンプリングと同一の手順により、パイロ
グラム作成部16で処理すると、図9示のパイログラム
が得られる。
【0073】図9示のパイログラムは、前記分離条件の
相違により、図5示のパイログラムのピークA,B,C
に対応するピークA’,B’,C’が保持時間2〜6分
の間に現れているのに対し、ピークDに対応するピーク
D’は保持時間36〜40分の間に現れ、しかもピーク
D’は幅が広がるとともに高さが低くなっている。この
ため、同一物質のパイログラムであるにも関わらず、図
9示のパイログラムは図5示のパイログラムと全く相違
するパターンを示し、図9示のパイログラムを図5示の
パイログラムと比較しても、両者が同一物質であると判
断することは極めて困難である。
【0074】次に、図9示のパイログラムを合算処理部
17で処理することにより、前記既知の高分子試料に関
するデータのサンプリングと同一の手順に従って、合算
マススペクトルを作成する。図9示のパイログラムから
得られる合算マススペクトルを図10(a)〜(d)に
示す。
【0075】図10(a)は図9示のパイログラムの保
持時間1〜40分の範囲の全ピークに対して、各ピーク
を構成するトータルイオン強度の全てを用いて作成した
全合算マススペクトルであり、図10(b)は図9示の
パイログラムの保持時間1〜10分の範囲のピークに対
して、各ピークを構成するトータルイオン強度の全てを
用いて作成した全合算マススペクトルである。また、図
10(c)は図9示のパイログラムの保持時間1〜40
分の範囲の全ピークに対して、各ピークの最高点に相当
する部分を構成するトータルイオン強度のみを用いて作
成した部分合算マススペクトルであり、図10(d)は
図9示のパイログラムの保持時間1〜10分の範囲のピ
ークに対して、各ピークの最高点に相当する部分を構成
するトータルイオン強度のみを用いて作成した部分合算
マススペクトルである。
【0076】次に、パソコン6は、予め主制御部15に
記憶保持されている処理手順に従って、検索処理部19
で図10(a)〜(d)の合算マススペクトルを、デー
タ記憶部18に予め記憶保持されているデータベースと
比較し、一致する割合の高い既知の高分子試料の合算マ
ススペクトルを検索する。検索結果は、予め主制御部1
5に記憶保持されている処理手順に従って、出力処理部
20で画像化処理されて、ディスプレイ14に表示され
る。また、前記出力処理部20で画像化処理された検索
結果は、所望によりプリンタ7に出力することもでき
る。
【0077】本実施形態では、検索処理部19で図10
(a)の合算マススペクトルを、データ記憶部18に予
め記憶保持されているデータベースと比較したところ、
前記データライブラリ#4に対して82%の割合で一
致、データライブラリ#5に対して64%の割合で一
致、データライブラリ#6に対して20%の割合で一致
するとの検索結果が得られた。また、検索処理部19で
図10(b)の合算マススペクトルを前記データベース
と比較したところ、前記データライブラリ#5に対して
78%の割合で一致、データライブラリ#6に対して6
4%の割合で一致するとの検索結果が得られた。
【0078】また、検索処理部19で図10(c)の合
算マススペクトルを前記データベースと比較したとこ
ろ、前記データライブラリ#6に対して70%の割合で
一致、データライブラリ#5に対して57%の割合で一
致するとの検索結果が得られた。また、検索処理部19
で図10(d)の合算マススペクトルを前記データベー
スと比較したところ、前記データライブラリ#2に対し
て72%の割合で一致、データライブラリ#3に対して
63%の割合で一致するとの検索結果が得られた。
【0079】次に、検索処理部19による図10(a)
〜(d)の合算マススペクトルの検索結果をまとめて表
1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】表1から明らかなように、図9示のパイロ
グラムが図5示のパイログラムと、特にピークD,D’
について全く相違するパターンを示すにも関わらず、図
10(a)示の全合算マススペクトルは、図5示のパイ
ログラムから得られた全合算マススペクトルであるデー
タライブラリ#4〜#6と高い割合で一致する。これ
は、前述のように、パイログラムのピークが前記トータ
ルイオン強度の集合体であり、前記トータルイオン強度
は前記検出データから構成されているために、ピークを
構成するトータルイオン強度の全てを用いて前記合算マ
ススペクトルを作成すると、各ピークの形状は異なって
も基本となる構成単位である前記検出データを合計した
強度では一致するためである。
【0082】この点について、次にさらに詳しく説明す
る。図5示のパイログラムのピークDは、図6(d)示
のように、質量/電荷(m/z)比213の検出データ
と、m/z比228の検出データとの強度が大きく、前
記両検出データは図7(a)示の部分合算マススペクト
ル(データライブラリ#1)及び図8(a)示の全合算
マススペクトル(データライブラリ#4)に反映されて
いる。これに対して、図9示のパイログラムでは、ピー
クDに対応するピークの高さが低く、図10(c)示の
部分合算マススペクトルではm/z比213の検出デー
タがわずかに認められるに過ぎない。しかし、図10
(a)示の全合算マススペクトルでは、各ピークを構成
するトータルイオン強度の全てを用いて作成した結果、
m/z比213及び228の検出データが、図8(a)
示の全合算マススペクトルと同等の強度で認められる。
従って、図10(a)示の全合算マススペクトルは、図
8(a)〜(c)示の全合算マススペクトルと、特に図
8(a)示の全合算マススペクトルと高い割合で一致す
るものである。
【0083】次に、図10(b)示の全合算マススペク
トルは、図9示のパイログラムの保持時間1〜10分の
範囲のピークについて作成されたものであるので、前記
m/z比213及び228の検出データは含まれておら
ず、図8(a)示の全合算マススペクトル(データライ
ブラリ#4)とは一致しない。しかし、前記保持時間の
範囲に図5示のパイログラムのピークA,B,Cに対応
するピークを含んでいるので、図5示のパイログラムの
ピークA,B,Cを含む部分の各ピークに対して作成さ
れた図8(b)示の全合算マススペクトル(データライ
ブラリ#5)及び図8(c)示の全合算マススペクトル
(データライブラリ#6)とはかなり高い割合で一致す
る。
【0084】また、図10(c)示の部分合算マススペ
クトルは、前記のようにm/z比213の検出データに
ついてはわずかに認められるに過ぎないが、m/z比1
40以下の検出データにより、図8(b)示の全合算マ
ススペクトル(データライブラリ#5)及び図8(c)
示の全合算マススペクトル(データライブラリ#6)と
高い割合で一致している。
【0085】さらに、図10(d)示の部分合算マスス
ペクトルは、図9示のパイログラムの保持時間1〜10
分の範囲のピークについて作成されたものであり、図5
示のパイログラムのピークA,B,Cに対応するピーク
を含んでいるので、図5示のパイログラムのピークA,
B,Cを含む部分の各ピークに対して作成された図7
(b)示の部分合算マススペクトル(データライブラリ
#2)及び図7(c)示の部分合算マススペクトル(デ
ータライブラリ#3)と高い割合で一致する。
【0086】従って、本実施形態のように、既知の高分
子試料について前記全合算マススペクトル及び部分合算
マススペクトルの両方を作成してデータベースとしてお
き、未知の高分子試料について前記全合算マススペクト
ルまたは部分合算マススペクトルのいずれかを作成して
前記データベースと比較することにより、未知の高分子
試料を高い確率で検索することができる。
【0087】尚、本実施形態では、説明のために、未知
の高分子試料の合算マススペクトルとして図10(a)
乃至図10(d)の4種の合算マススペクトルを作成し
ているが、実際に未知の高分子試料の検索を行うときに
は、分離条件等に応じてパイログラムの全ピークに対す
る全合算マススペクトル(図10(a))または部分合
算マススペクトル(図10(c))を選択すればよく、
またパイログラムの一部のピークに対する全合算マスス
ペクトル(図10(b))または部分合算マススペクト
ル(図10(d))を選択してもよい。また、本実施形
態ではパイログラムの一部のピークに対する合算マスス
ペクトルとして、保持時間1〜10分の範囲に含まれる
ピークに対する合算マススペクトルを作成しているが、
さらにパイログラムの任意の範囲に含まれるピークに対
する合算マススペクトルを作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の未知試料検索装置のシステム構成図。
【図2】図1示のパーソナルコンピュータの構成を示す
ブロック図。
【図3】図1示の装置で高分子試料の分析を行ったとき
に得られるパイログラムの作成方法を示す説明図。
【図4】図1示の装置で高分子試料の分析を行ったとき
に得られるパイログラムの作成方法を示す説明図。
【図5】図1示の装置で既知の高分子試料を分析した結
果を示すパイログラム。
【図6】図5示のパイログラムの主なピークの最高点に
相当する部分を構成するトータルイオン強度を構成する
検出データを示すマススペクトル。
【図7】図5示のパイログラムから作成される合算マス
スペクトル。
【図8】図5示のパイログラムから作成される合算マス
スペクトル。
【図9】図1示の装置で未知の高分子試料を分析した結
果を示すパイログラム。
【図10】図9示のパイログラムから作成される合算マ
ススペクトル。
【図11】図5(d)示のマススペクトルに関する検索
結果を示す図。
【符号の説明】
2…熱分解手段、 4…分離カラム、 5…質量分析
計、 6…パーソナルコンピュータ、 7…出力手段。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未知の高分子試料を熱分解して得られる熱
    分解生成物の混合物を各熱分解生成物に分離し、 分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイオン化して
    生成した分子イオン及びフラグメントイオンの強度を検
    出して検出データとすると共に、該所定時間毎の検出で
    得られた未知の高分子試料の検出データを1組として該
    検出データを1組毎に加算してトータルイオン強度と
    し、該トータルイオン強度を検出順に配列して構成され
    るヒストグラムの各頂点を結ぶことによりクロマトグラ
    ムを作成し、 該クロマトグラムの各ピークに対応する該トータルイオ
    ン強度に含まれる該検出データを同一質量のイオン毎に
    合算して該分子イオン及びフラグメントイオンの強度の
    合算データとし、該合算データが該分子イオン及びフラ
    グメントイオンの質量順に配列された該未知の高分子試
    料の合算マススペクトルを作成し、 既知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    の強度を検出して検出データとすると共に、該所定時間
    毎の検出で得られた既知の高分子試料の検出データを1
    組として該検出データを1組毎に加算してトータルイオ
    ン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に配列して
    構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことにより得ら
    れたクロマトグラムの所定の範囲の各ピークに対応する
    該トータルイオン強度に含まれる該検出データを同一質
    量のイオン毎に合算して該分子イオン及びフラグメント
    イオンの強度の合算データとし、該合算データが該分子
    イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列された該
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを作成し、 複数の既知の高分子試料について集成された該合算マス
    スペクトルにより構成されたデータベースと、該未知の
    高分子試料の合算マススペクトルとを比較し、 該未知の高分子試料の合算マススペクトルに一致する割
    合の高い既知の高分子試料の合算マススペクトルを検索
    することを特徴とする未知試料検索方法。
  2. 【請求項2】前記未知及び既知の高分子試料の合算マス
    スペクトルに用いる前記クロマトグラムの各ピークに対
    応するトータルイオン強度は、各ピークを構成するトー
    タルイオン強度の全てを含んでなり、 複数の既知の高分子試料について集成された該合算マス
    スペクトルにより構成されたデータベースと、該未知の
    高分子試料の合算マススペクトルとを比較し、該未知の
    高分子試料の合算マススペクトルに一致する割合の高い
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを検索すること
    を特徴とする請求項1記載の未知試料検索方法。
  3. 【請求項3】前記未知の高分子試料の合算マススペクト
    ルに用いる前記クロマトグラムの各ピークに対応するト
    ータルイオン強度は、各ピークの最高点に相当する部分
    を構成するトータルイオン強度であり、前記既知の高分
    子試料の合算マススペクトルに用いる前記クロマトグラ
    ムの各ピークに対応するトータルイオン強度は、各ピー
    クの最高点に相当する部分を構成するトータルイオン強
    度である場合と、各ピークを構成するトータルイオン強
    度の全てを含んでなる場合との両方であって、 複数の既知の高分子試料について集成された該合算マス
    スペクトルにより構成されたデータベースと、該未知の
    高分子試料の合算マススペクトルとを比較し、該未知の
    高分子試料の合算マススペクトルに一致する割合の高い
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを検索すること
    を特徴とする請求項1記載の未知試料検索方法。
  4. 【請求項4】試料を熱分解して熱分解生成物の混合物を
    生成せしめる熱分解手段と、 該混合物を各熱分解生成物に分離する分離カラムと、 分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイオン化して
    生成した分子イオン及びフラグメントイオンの強度を検
    出する質量分析計と、 検出された分子イオン及びフラグメントイオンの強度を
    検出データとし、該所定時間毎の検出で得られた検出デ
    ータを1組として該検出データを1組毎に加算してトー
    タルイオン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に
    配列して構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことに
    よりクロマトグラムを作成するクロマトグラム作成手段
    と、 未知の高分子試料について、該クロマトグラムの各ピー
    クに対応する該トータルイオン強度に含まれる該検出デ
    ータを同一質量のイオン毎に合算して該分子イオン及び
    フラグメントイオンの強度の合算データとし、該合算デ
    ータが該分子イオン及びフラグメントイオンの質量順に
    配列された該未知の高分子試料の合算マススペクトルを
    作成する合算処理手段と、 既知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    の強度を検出して検出データとすると共に、該所定時間
    毎の検出で得られた既知の高分子試料の検出データを1
    組として該検出データを1組毎に加算してトータルイオ
    ン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に配列して
    構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことにより得ら
    れたクロマトグラムの所定の範囲の各ピークに対応する
    該トータルイオン強度に含まれる該検出データを同一質
    量のイオン毎に合算して該分子イオン及びフラグメント
    イオンの強度の合算データとし、該合算データが該分子
    イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列された該
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを作成し、複数
    の既知の高分子試料について集成された該合算マススペ
    クトルをデータベースとして記憶するデータベース記憶
    手段と、 該未知の高分子試料の合算マススペクトルに一致する割
    合の高い既知の高分子試料の合算マススペクトルを該デ
    ータベースから検索する検索手段と、 前記検索手段による検索結果を出力する出力手段とから
    なることを特徴とする未知試料検索装置。
  5. 【請求項5】既知の高分子試料を熱分解して得られる熱
    分解生成物の混合物から分離された各熱分解生成物を所
    定時間毎にイオン化して生成した分子イオン及びフラグ
    メントイオンの強度を検出して検出データとすると共
    に、該所定時間毎の検出で得られた既知の高分子試料の
    検出データを1組として該検出データを1組毎に加算し
    てトータルイオン強度とし、該トータルイオン強度を検
    出順に配列して構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶ
    ことにより得られたクロマトグラムの所定の範囲の各ピ
    ークに対応する該トータルイオン強度に含まれる該検出
    データを同一質量のイオン毎に合算して該分子イオン及
    びフラグメントイオンの強度の合算データとし、該合算
    データが該分子イオン及びフラグメントイオンの質量順
    に配列された該既知の高分子試料の合算マススペクトル
    を作成し、複数の既知の高分子試料について集成された
    該合算マススペクトルをデータベースとして記憶するデ
    ータベース記憶手段と、 未知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    の強度を検出するときに検出された分子イオン及びフラ
    グメントイオンの強度を検出データとして入力可能であ
    って入力された検出データを記憶する検出データ記憶手
    段と、 前記所定時間毎の検出で得られた未知の高分子試料の検
    出データを1組として該検出データを1組毎に加算して
    得られたトータルイオン強度を検出順に配列してヒスト
    グラムを構成し、該ヒストグラムの各頂点を結ぶことに
    よりクロマトグラムを作成するクロマトグラム作成手段
    と、 前記クロマトグラムの各ピークに対応する該トータルイ
    オン強度に含まれる該検出データを同一質量のイオン毎
    に合算して該分子イオン及びフラグメントイオンの強度
    の合算データとし、該合算データが該分子イオン及びフ
    ラグメントイオンの質量順に配列された該未知の高分子
    試料の合算マススペクトルを作成する合算処理手段と、 前記データベースと、前記未知の高分子試料の合算マス
    スペクトルとを比較し、該未知の高分子試料の合算マス
    スペクトルに一致する割合の高い既知の高分子試料の合
    算マススペクトルを検索する検索手段とを備えることを
    特徴とする未知試料検索装置。
  6. 【請求項6】パーソナルコンピュータに適用する記録媒
    体であって、 未知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    を検出するときに検出された分子イオン及びフラグメン
    トイオンの強度を検出データとして記憶する手順と、 該所定時間毎の検出で得られた未知の高分子試料の検出
    データを1組として該検出データを1組毎に加算して得
    られたトータルイオン強度を検出順に配列してヒストグ
    ラムを構成し、該ヒストグラムの各頂点を結ぶことによ
    りクロマトグラムを作成する手順と、 前記クロマトグラムの各ピークに対応する該トータルイ
    オン強度に含まれる該検出データを同一質量のイオン毎
    に合算して該分子イオン及びフラグメントイオンの強度
    の合算データとし、該合算データが該分子イオン及びフ
    ラグメントイオンの質量順に配列された該未知の高分子
    試料の合算マススペクトルを作成する手順と、 既知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    の強度を検出して検出データとすると共に、該所定時間
    毎の検出で得られた既知の高分子試料の検出データを1
    組として該検出データを1組毎に加算してトータルイオ
    ン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に配列して
    構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことにより得ら
    れたクロマトグラムの所定の範囲の各ピークに対応する
    該トータルイオン強度に含まれる該検出データを同一質
    量のイオン毎に合算して該分子イオン及びフラグメント
    イオンの強度の合算データとし、該合算データが該分子
    イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列された該
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを作成し、複数
    の既知の高分子試料について集成された該合算マススペ
    クトルにより構成されたデータベースと、前記未知の高
    分子試料の合算マススペクトルとを比較し、該未知の高
    分子試料の合算マススペクトルに一致する割合の高い既
    知の高分子試料の合算マススペクトルを検索する検索手
    順とを、 前記パーソナルコンピュータが処理するアプリケーショ
    ンプログラムとして予め記録したことを特徴とする未知
    試料検索用記録媒体。
  7. 【請求項7】パーソナルコンピュータに適用する記録媒
    体であって、 既知の高分子試料を熱分解して得られる熱分解生成物の
    混合物から分離された各熱分解生成物を所定時間毎にイ
    オン化して生成した分子イオン及びフラグメントイオン
    の強度を検出して検出データとすると共に、該所定時間
    毎の検出で得られた既知の高分子試料の検出データを1
    組として該検出データを1組毎に加算してトータルイオ
    ン強度とし、該トータルイオン強度を検出順に配列して
    構成されるヒストグラムの各頂点を結ぶことにより得ら
    れたクロマトグラムの所定の範囲の各ピークに対応する
    該トータルイオン強度に含まれる該検出データを同一質
    量のイオン毎に合算して該分子イオン及びフラグメント
    イオンの強度の合算データとし、該合算データが該分子
    イオン及びフラグメントイオンの質量順に配列された該
    既知の高分子試料の合算マススペクトルを作成し、複数
    の既知の高分子試料について集成された該合算マススペ
    クトルをデータベースとして予め記録したことを特徴と
    する未知試料検索用記録媒体。
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