JP2000035418A - 円柱体の超音波探傷方法及びその装置並びに、これを利用したロールの研削方法 - Google Patents

円柱体の超音波探傷方法及びその装置並びに、これを利用したロールの研削方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面波を用いて超音波探傷する際、一次クラ
ックの過検出を防止すると共に、結晶粒界からのノイズ
のレベルを低減し、欠陥検出能力を向上させる。 【解決手段】 表面波を用いた熱間圧延ロールの超音波
探傷に際して、前記表面波を送受信する表面波プローブ
10に、超音波振動子10Aの超音波送受信面に配設さ
れた樹脂製くさび10Cと、その背面に配設されたダン
ビング材10Bを備えて、パルス幅が表面波の波長の
2.5倍以下の短いパルスを生成させる。更に、ロール
周速度に応じて媒体液を供給する。反射波の高さに応じ
て研削量を決めてロールを研削し、又、ロールを部分研
削しながら探傷して、ロール研削量の最適値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延ロールやロー
ラ等の金属の円柱体、特に、圧延により表面に熱的・機
械的損傷を受けた高速度工具鋼からなる圧延用のハイス
ロールの表面や表面直下に存在する割れ等の欠陥を表面
波により検出する際に適用して好適な、円柱体表面の超
音波探傷方法及びその装置並びに、これを利用したロー
ルの研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板の熱間圧延に使用される圧延ロー
ルは、圧延により、表面に熱的・機械的損傷を受ける。
以下、図24を用いて、熱間仕上圧延に用いられる高速
度工具鋼よりなる前段ワークロール(以下、仕上前段ス
タンド用ハイスロールと称する)表面の熱的・機械的損
傷を詳しく説明する。熱的損傷は、仕上スタンド前段で
は被圧延材が高温であることに起因し、ロール100の
表面に垂直に、ヒートクラックと称される深い一次的な
クラックKが生成される。機械的な損傷は、バックアッ
プロールとの転動による剪断応力によるものであり、前
記ヒートクラックKを起点とし、2次的なクラックLが
ロール表面に平行に近い向きに生成される。又、これら
のクラックが複数個連結して、ロール表面に微小な欠け
Mが発生する。この微小な欠けMは、被圧延材に転写さ
れると、被圧延材の表面欠陥となるので、表面から一定
の深さまで(以下、一定量と称する)、例えば砥石によ
り研削で除去した後、ロールを再び圧延に使用するが、
研削後に、特開平4−276547にみられるように、
表面波を用いた超音波探傷(表面波探傷と称する)が行
われる。
【0003】具体的には、回転するロールの表面に、水
等の接触媒質の膜を介して表面波プローブ(探触子)を
接触させ、該表面波プローブからロール回転方向と逆方
向に向かって表面波を伝搬させると共に、ロール表面の
うち表面波が伝搬する部分の接触媒質の膜を除去するよ
うにして、ロール表面や表面直下に存在する欠陥を検出
するようにしている。この表面波探傷で欠陥が検出され
れば、追加の研削が行われる。
【0004】又、特開平4−276547による探傷法
を応用した装置として、特開平7−294493に開示
された超音波探傷装置がある。この超音波探傷装置は、
表面欠陥等の検査を予定する円筒状あるいは円柱状の被
検材を、その円周方向に回転させる回転手段と、超音波
で欠陥等を検出する超音波探触子と、この探触子を被検
材の上方で被検材表面に対して一定間隔を維持するよう
に保持する保持部と、超音波の伝達媒体となる水等の媒
体液を探触子と被検材の間に供給する給水手段を備えて
いる。前記保持部は、探触子より下方に突出し、且つ、
被検材表面と円滑に当接する倣い部を有し、この倣い部
は、回転中の被検材との当接によって、保持部の被検材
に対する間隔を一定に保つ。更に、前記保持部の接触子
近傍に前記給水手段が設けられている。この給水手段
は、他より探触子近傍へ導いてきた媒体液を一旦溜める
ことが可能な収容部を有する。この収容部は、探触子の
近傍に位置し、底部に複数の放水口を有すると共に、上
部に外部へ貫通する空気抜き孔を有している。前記複数
の放水口の各々は、被検材の回転によって探触子が被検
材表面を走査する際、その進行方向前方にあって、前記
周方向と交差するよう配列されており、走査中の探触子
の前方より、収容部内の媒体水を探触子と被検材表面の
間へ放水するようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
特開平4−276547による探傷法を、特に仕上前後
スタンド用のハイスロールの表面や表面直下に存在する
欠陥の検出に用いると、次に述べるような大きな問題点
があることが最近明らかになった。
【0006】即ち、図24に示した微小な欠けMは、2
次クラックLが無ければ発生しないため、該微小な欠け
Mの発生を防止するには、研削によって2次クラックL
のみ除去すればよい。ところが、従来の超音波探傷方法
では、2次クラックLを全て除去した後も、大きな振幅
の反射波が現われる現象が観察され、この反射波が現わ
れなくなるまで研削を行うと、除去が不要な1次クラッ
クKの残存部分まで全て削り取ってしまい、ロール原単
位が悪化する。
【0007】これは、表面波を用いた超音波探傷法が、
ロール表面に垂直な欠陥に対する感受性が高く、2次ク
ラックLを全て除去したとしても、1次クラックKの残
存部分を検出してしまうためである。この1次クラック
Kの残存部分は、深さがかなり小さくなっているため、
個々の1次クラックKの残存部分からの反射波の振幅は
微小になるが、1次クラックKの残存部分は、ロール表
面上に無数に存在し、表面波を用いた超音波探傷で表面
波が伝搬する路程にも無数に存在する。このような無数
の微小な反射体を有する被検材(ここではロール)を表
面波を用いて探傷するときには、表面波の波長λとする
と、図25に示す如く、表面波プローブ10からの距離
の差がλ/2となる微小な反射体の組合せが必ず存在す
る。図25は、この微小な反射体の組合せを例示したも
ので、微小反射体K1〜K4が、この組合せに該当す
る。
【0008】このような微小反射体K1〜K4が存在す
る領域を、従来のように、パルス幅が表面波の波長の5
倍以上ある狭帯域パルスを用いて探傷すると、パルスが
長いことが原因となって、図26に示すように、微小な
反射波が等位相で重なり合って干渉して振幅が増大し、
あたかも大きな欠陥があるような反射波が生ずる。即
ち、熱間仕上圧延前段スタンド用ハイスロールの表面波
を用いた超音波探傷に際しては、パルス幅が表面波の波
長の5倍以上ある狭帯域パルスを用いて探傷しているの
で、1次クラックKからの反射波の振幅が過大に検出さ
れる。その結果、1次クラックKからの反射波の振幅が
所定値より小さくなるまで研削が行われ、1次クラック
Kがほとんど除去されるので、研削量が過大となり、ロ
ール原単位が悪化する。
【0009】なお、欠陥検出のために設定する閾値を、
1次クラックKが過検出とならない程度に高めることも
考えられる。しかしながら、この閾値を高くすると、欠
陥の検出能力の低下を招くことになるため、単独で存在
するクラック(圧延中の事故により発生する)等の検出
すべき欠陥の見逃しが発生する危険性がある。
【0010】以上説明した超音波探傷の問題点は、圧延
ロール等の1次クラックにのみ存在するものではなく、
ローラ等の一般の金属円柱体において、結晶組織が粗
く、結晶粒界から散乱波が発生する場合には、従来の狭
帯域パルスを用いて探傷を行うと、既に説明した現象と
同じメカニズムで、高いノイズが発生するため、同様な
問題点が存在する。
【0011】又、圧延によって生成された熱的・機械的
損傷の深さは、圧延した金属板の長さや圧延の速度、ロ
ールの冷却条件、材質(同一の材質に分類されるロール
であっても、製造方法の相違に起因した材質の細かな相
違がある)等により大きく相違する。従って、これを一
定量の研削で除去しようとすると、次のような問題点が
生ずる。
【0012】熱的・機械的負荷が小さく、熱的・機械
的損傷の深さが小さい場合には、損傷の無い部分までロ
ール表面を削り取り(過研削)、研削量が多くなって、
ロールの原単位が悪化する。
【0013】熱的・機械的負荷が大きく、熱的・機械
的損傷の深さが大きい場合には、一定量の研削後も、こ
れが残り、探傷において欠陥が検出されるため、追加の
研削が必要となる。しかし、熱的・機械的損傷が、どの
程度残っているか、はっきりしないため、追加研削量を
初めの研削量と同程度にせざるを得ず、大抵は削り過ぎ
になり(過研削)、研削量が多くなって、ロールの原単
位が悪化する。
【0014】上記の過研削に要した時間だけ、ロール
の研削時間が長くなり、ロール研削の効率が落ちる。
【0015】又、特開平7−294493に開示された
超音波探傷装置では、被検材の回転速度と必要な媒体液
量の関係について全く考慮されていないが、被検材の回
転速度に応じて、被検材に引き摺られて探触子と被検材
表面との間から逃げていく媒体液量が変化し、例えば、
被検材の回転速度が大きくなると、探触子と被検材表面
の間から逃げていく媒体液量が増加して、探触子と被検
材表面間の媒体液量が不足し、被検材への超音波の伝達
が不良になり、表面欠陥が検出できなくなることがあ
る。又、逆に、ロールの回転速度が小さくなると、過剰
となった媒体液が探触子前方に流れ出し、これによって
表面波が減衰して、表面欠陥が検出できなくなることも
ある。
【0016】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、表面波を用いて超音波探傷する際
に、1次クラックの過検出を防止すると共に、結晶粒界
からのノイズのレベルを低減させ、欠陥検出能力を向上
させることが可能な円柱体の超音波探傷方法及び装置を
提供することを第1の課題とする。
【0017】本発明は、又、被検材の回転速度が変化し
ても、常に適量の媒体液を探触子と被検材表面との間に
供給し、被検材への超音波の伝達を良好に維持し、且
つ、過剰な媒体液の探触子前方への流れ出しを防止でき
る超音波探傷装置を提供することを第2の課題とする。
【0018】本発明は、又、圧延等により表面に熱的・
機械的損傷を受けたロールの研削に際して、ロールの研
削量を最適化してロール原単位を向上させると共に、ロ
ール研削の能率を向上させることができるロールの研削
方法を提供することを第3の課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転する円柱
体の表面に、接触媒質を介して表面波プローブを接触さ
せ、該表面波プローブから円柱体に対して表面波を伝搬
させると共に、円柱体表面や表面直下に存在する欠陥か
らの反射波を受信することにより、該欠陥を検出する円
柱体の超音波探傷方法において、前記表面波プローブが
送受信する表面波の中心周波数をfc としたとき、該表
面波の周波数スペクトルにおいて、強度がピーク値に対
して−6dB以内の範囲の幅に当る周波数帯域幅を、
0.50f c 以上とすることにより、前記第1の課題を
解決したものである。
【0020】本発明は、又、前記超音波探傷方法におい
て、表面波プローブが送受信する表面波パルスのパルス
幅を、前記円柱体を伝搬する表面波の波長の2.5倍以
下とすることにより、前記第1の課題を解決したもので
ある。
【0021】本発明は、回転する円柱体の表面に、接触
媒質を介して表面波プローブを接触させ、該表面波プロ
ーブから円柱体に対して表面波を伝搬させると共に、円
柱体表面や表面直下に存在する欠陥からの反射波を受信
することにより、該欠陥を検出する円柱体の超音波探傷
装置において、前記表面波を送受信する表面波プローブ
が、超音波振動子の超音波送受信面に配設されたくさび
と、その背面に配設されたダンピング材とを備えること
により、同様に前記第1の課題を解決したものである。
【0022】又、本発明は、前記超音波振動子を、ニオ
ブ酸鉛系磁器、チタン酸鉛系磁器、1−3型コンポジッ
ト振動子(図6に示す如く、エポキシ樹脂等からなる高
分子材の板11Aに小さな柱状のジルコン酸チタン酸鉛
(以下PZTと称する)11Bが多数並んで入っている
振動子)、0−3型コンポジット振動子(図7に示す如
く、高分子材11Cの中にセラミック振動子の粒子11
Dが均一に分散している振動子)、又は、3−1型コン
ポジット振動子(図8に示す如く、ジルコン酸チタン酸
鉛(PZT)の板11Eに貫通孔を多数開けて、ここに
エポキシ樹脂等の高分子材11Fを流し込んで固めた振
動子)としたものである。
【0023】又、本発明は、前記くさびを、ポリイミド
樹脂、ポリスチロール樹脂、アクリル樹脂、又は、フッ
素樹脂(テフロン)で製作したものである。
【0024】図1に示すように、本発明に係る表面波プ
ローブ10は、主に超音波振動子10A、ダンピング材
10B、樹脂製くさび10Cから構成することにより、
送受信する表面波の中心周波数をfc としたとき、前記
表面波の周波数帯域幅を0.50fc 以上としている。
【0025】即ち、いま、表面波プローブ10が送受信
する表面波の周波数スペクトルが、図2に概念的に示す
ような周波数分布を持つとすると、スペクトル強度(信
号強度)のピーク値に対して−6dB以内の範囲の周波
数幅(fR −fL )を周波数帯域幅と規定し、次の
(1)式が成り立つようにしている。
【0026】fR −fL ≧0.50fc …(1)
【0027】このように、本発明では、表面波プローブ
10の周波数帯域を、0.50fc以上の広帯域として
いる。この表面波プローブ10の具体的構成を説明する
と、上記超音波振動子10Aには、ニオブ酸鉛系磁器
や、図6〜図8に示したコンポジット振動子等の機械的
Q値の低い振動子を用いるか、あるいは、チタン酸鉛系
磁器等の機械的Q値が高くても、機械的なダンピングが
かけ易い振動子を用いることができる。ここで、機械的
Q値とは、共鳴振動の鋭さを表わす量であり、Q値が大
きいものほど振動の持続時間が長い。なお、送受信する
表面波の中心周波数fc は、探傷される材料の結晶粒界
や表面粗さにより散乱ノイズが異なるので、適切な範囲
に設定する必要がある。例えば、圧延用ロールの場合に
は、1〜4MHzが好ましい。
【0028】又、上記ダンピング材10Bには、タング
ステン(金属)等の比重の大きな粉体をエポキシ樹脂等
に混ぜて固めた物体を用い、これを超音波振動子10A
の背面に貼り付けることにより、超音波振動子10Aに
発生した超音波振動を制動するようにしている。タング
ステン(金属)等の粉体の体積分率が多いほど、ダンピ
ング材の重量が増えるので、超音波振動子の振動の制動
効果が大きくなり、超音波パルスのパルス幅が小さくな
る。
【0029】超音波振動子10Aとダンピング材10B
を上記のような材料構成とすることにより、周波数帯域
幅が0.5fc 以上、且つ、パルス幅が表面波の波長の
2.5倍以下の超音波パルスを生成(発信)することが
できる。
【0030】又、前記樹脂製くさび10Cは、図1に示
すように、超音波振動が下記(2)式を満足して、被検
体に入射するように、該被検体の表面に前記媒体を介し
て接触する底面の法線S1に対して、超音波送受信面の
法線S2が入射角θi で交差する傾斜面を有し、該傾斜
面に上記超音波振動子10Aの前面(超音波送受信面)
を貼付するようになっている。そして、このくさび10
C自体は、前記のような短いパルス波形を損なうことが
ないように、なるべく減衰率の小さい、例えばポリスチ
ロール樹脂やポリイミド樹脂等を用いて形成されてい
る。
【0031】 θi =sin -1(CW /CR ) …(2) ここで、CW :樹脂製くさび内での超音波の速度 CR :円柱体での表面波の速度
【0032】図3は、ダンピング材の材質を種々変更す
ることにより周波数帯域幅の異なる中心周波数fc =2
MHzの表面波プローブ10を製作し、パルス幅と周波
数帯域幅との関係を調べた結果を示したものである。但
し、ここでは、周波数帯域幅が中心周波数fc に等しい
ときを100%として示している。
【0033】この図3より、周波数帯域幅が50%以上
になると、パルス幅が表面波の波長の2.5倍以下の短
いパルスを生成させることができることが分かる。そし
て、このように生成させたパルス幅の短い表面波パルス
を、一次クラックKの残存部分が無数に存在するロール
の欠陥検出に適用する。この場合も、前記図25を用い
て説明したように、表面波の波長をλとすると、表面波
プローブ10からの距離がλ/2となる微小な反射体K
1 〜K4 の組合せが必ず存在する。
【0034】図4は、前記周波数帯域幅が0.70fc
以上で、パルス幅も表面波の波長の1.5倍と短い超音
波パルスを用いて、上記微小な反射体が存在する領域を
探傷したときの観測波形を示したもので、前記従来例の
図26に相当する。
【0035】この図4に示したように、パルス幅が短い
ために、一次クラックKの残存部分からの微小振幅の反
射波が、等位相で重なり合っても、振幅の増大は小さい
ことが分かる。即ち、パルス幅の短い表面波パルスを送
受信できるようにした本発明の表面波プローブ10を、
一次クラックKの残存部分が無数に存在するロールの欠
陥検出に適用すると、該一次クラックKの残存部分から
の反射波の振幅が増大することを有効に防止することが
できる。
【0036】図5は、前述した周波数帯域幅が異なる
(パルス幅が異なる)中心周波数2MHzの表面波プロ
ーブを用いて、熱間仕上圧延用前段ワークロールの一次
クラックKからの反射波高さと(パルス幅/表面波の波
長)との関係を調査した結果を示したものである。但
し、反射波高さの基準としては、直径1mm・深さ1m
mの縦方向のドリル孔からの反射波の高さをとってお
り、一次クラックKの深さは約0.15mmであった。
【0037】図中、実測点であるA1 、A2 、A3 は、
本発明に相当し、表面波プローブ10を構成する超音波
振動子10Aとしてニオブ酸鉛系磁器を用い、更にダン
ピング材10Bとしてエポキシ樹脂に混ぜるタングステ
ン粉の体積分率を、それぞれ80%、60%、40%と
したダンピング材を用いている。B1 、B2 は比較例に
相当し、超音波振動子10AとしてPZTを用い、更に
ダンピング材10Bとしてエポキシ樹脂に混ぜるタング
ステン粉の体積分率を、それぞれ80%、60%とした
ダンピング材を用いている。C1 、C2 は従来例に相当
し、超音波振動子10Aとして、機械的Q値が互いに若
干異なるPZTを用て、ダンピング材10Bは用いなか
ったものである。上記以外は、実質上同一の装置により
測定したものである。
【0038】図5より、パルス幅が短くなる程、一次ク
ラックKからの反射波高さが低下していることが分か
る。
【0039】次に、超音波振動子10A、樹脂製くさび
10Cに適当な材質を詳しく検討した。ダンピング材1
0Bとしては、前記のとおり、エポキシ樹脂にタングス
テン粉を混ぜて固めたものを用い、エポキシ樹脂に混ぜ
るタングステン粉の体積分率を、それぞれ80%、60
%、40%、20%とした。超音波振動子10Aとし
て、ニオブ酸鉛系磁器、チタン酸鉛系磁器、PZT、チ
タン酸バリウム、ニオブ酸リチウム、1−3型コンポジ
ット振動子(図6)、0−3型コンポジット振動子(図
7)、3−1型コンポジット振動子(図8)を選び、
又、樹脂製くさび10Cとして、ポリイミド樹脂、ポリ
スチロール樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂を選び、表
面波プローブを製作して、送受信される表面波の周波数
帯域幅及びパルス幅を測定すると共に、図5に結果を示
した実験と同じ熱間仕上圧延用前段ワークロールの1次
クラックKからの反射波高さを調査した。反射波高さの
基準としては、直径1mm、深さ1mmの縦方向のドリ
ル孔からの反射波の高さをとっており、図5に結果を示
した実験と全く同じである。ダンピング材10B中のタ
ングステン粉の体積分率が80%のときの実験結果を図
9に、ダンピング材10B中のタングステン粉の体積分
率が60%のときの実験結果を図10に、ダンピング材
10B中のタングステン粉の体積分率が40%のときの
実験結果を図11にそれぞれ示す。但し、1次クラック
Kからの反射波高さが−11dBより高いもの(1次ク
ラックKからの反射波高さが従来プローブよりも3dB
以上低くならなかったもの)は削除したが、超音波振動
子がPZTのときの結果は、比較例として対比のために
全て示している。又、図12は、ダンピング材10B中
のタングステン粉の体積分率が20%のときの実験結果
を示しているが、一次クラックKからの反射波高さが−
11dBより高かった。図9乃至図11を見ると、全て
の場合で、超音波振動子10Aには、ニオブ酸鉛系磁
器、チタン酸鉛系磁器、1−3型コンポジット振動子、
0−3型コンポジット振動子、3−1型コンポジット振
動子が全て使用可能であることが分かる。又、樹脂製く
さび10Bには、ポリイミド樹脂(2MHzでの超音波
の減衰定数:1.2×102 dB/m)、ポリスチロー
ル樹脂(2MHzでの超音波の減衰定数:1.3×10
2 dB/m)、アクリル樹脂(2MHzでの超音波の減
衰定数:1.8×102 dB/m)、フッ素樹脂(テフ
ロン:2MHzでの超音波の減衰定数:1.8×102
dB/m)の全てが使用可能であることが分かる。従っ
て、くざび材は、2MHzでの超音波の減衰定数が1.
8×102 dB/m以下であれば良い。更に、図9乃至
図11と図12とを比較すると、ダンピング材10B中
のタングステン粉の体積分率は40%以上必要であるこ
とがわかる。
【0040】本発明者等は、従来用いられている、パル
ス幅が表面波の波長の5倍の表面波プローブにより、実
質上同一の条件で熱間仕上圧延用前段ワークロールの超
音波探傷を行ったところ、最終的なロール研削の1回前
の研削段階の後に行った探傷と、最終的な研削段階の後
に行った探傷との間で、一次クラックからの反射波が3
dB低下することを確認したので、該一次クラックKか
らの反射波高さを3dB以上低減できれば、ロールの研
削段階数を少なくとも1回は低減することができる。な
お、最終的なロール研削段階とするか否かの判定は、研
削後に測定した実測値が所定の閾値以下になったか否か
で行っている。
【0041】従って、前記図5に示されるように、従来
用いられているパルス幅が表面波の波長の5倍の表面波
プローブによる測定値C1 に比べて、一次クラックから
の反射波高さを3dB以上低減することができる測定値
が得られる表面波プローブのパルス幅が、表面波の波長
の2.5倍以下であるとすれば、測定値A3 とC1 の差
が3dBであることから、ロールの研削段階数を1回以
上少なくできることになる。
【0042】更に、図3から、パルス幅が表面波の波長
の2.5倍以下の表面波を送受信できる表面波プローブ
の帯域幅は50%以上が適当と言うことができる。従っ
て、表面波プローブの周波数帯域幅を0.50fc 以上
とすることにより、一次クラックの過検出によるロール
の過研削を低減できるという効果があることが分かる。
これが本発明において表面波プローブの周波数帯域幅を
0.50fc 以上とする根拠である。
【0043】以上詳述したように、周波数帯域幅を0.
50fc 以上とし、パルス幅を表面波の波長の2.5倍
以下とした表面波プローブを用いることにより、従来用
いられているパルス幅が表面波の波長の5倍程度の表面
波プローブを用いる場合(図5中、C1 点)と、本発明
による場合(A1 〜A3 点)とを比べ、一次クラックK
からの反射波高さを3〜6dB以上、低減することがで
きた。
【0044】又、同様に、深さ約0.10mmの一次ク
ラックKが残存している圧延ロールや、深さ約0.25
mmの1次クラックKが残存しているハイスロールに生
成されていた、深さ0.5mmのクラックを探傷したと
ころ、パルス幅が表面波の波長の1.5倍の表面波プロ
ーブでは、クラックからの反射波のS/N比が10d
B、パルス幅が表面波の波長の2.5倍の表面波プロー
ブでは、クラックからの反射波のS/N比が7dBであ
ったのに対し、従来用いられているパルス幅が表面波の
波長の5倍程度の表面波プローブでは、S/N比が約4
dBであった。従って、本発明方法によれば、従来方法
に比べてS/N比を約3〜6dB高くでき、欠陥検出能
力を大幅に向上させることができる。
【0045】次に、前記図1に示した超音波振動子10
A、ダンピング材10B、樹脂製くさび10Cが、それ
ぞれニオブ酸鉛系磁器、エポキシ樹脂に60%の体積分
率でタングステン粉を混ぜたダンピング材、ポリイミド
樹脂で形成された表面波プローブ10を備えた超音波探
傷装置を用いて、500本の熱間仕上圧延用前段ワーク
ロールの探傷を行い、一次クラック(ヒートクラック)
からの反射波が所定のレベル以下に低下するまでの研削
量の実績を調査したところ、直径換算の研削量実績で、
パルス幅が表面波の波長の5倍程度の表面波プローブを
有する超音波探傷装置を用いて、同様に調査した従来例
では0.33mmであったのが、本発明により0.2m
mに削減できた。
【0046】このように、本発明によれば、従来技術に
比べ、研削量を0.1mm以上削減することが可能とな
る。なお、このように削減した場合でも、圧延ロールの
表面に生成する微小な欠けに起因して発生する被圧延材
の表面欠陥の程度は、従来とほとんど変わらなかった。
【0047】本発明は、又、回転する円柱体の表面に、
媒体液を介して表面波プローブを接触させ、該表面波プ
ローブから円柱体に対して表面波を伝搬させると共に、
円柱体表面や表面直下に存在する欠陥からの反射波を受
信することにより、該欠陥を検出する円柱体の超音波探
傷装置において、前記円柱体を、その周方向に回転させ
る円柱体回転手段と、該円柱体回転手段による円柱体の
回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記表面波プ
ローブを円柱体の上方で円柱体表面に対して一定の間隔
を維持するよう保持する保持手段と、該円柱体の軸方向
に走査する走査手段と、超音波の伝達媒体となる媒体液
を、前記表面波プローブと円柱体表面との間に供給する
ことが可能であり、且つ、前記円柱体回転手段による円
柱体の回転速度に応じて、媒体液の供給量を制御するこ
とが可能な流量制御弁を備えた給水手段と、前記表面波
プローブが送受信する表面波の中心周波数をfcとした
とき、該表面波の周波数スペクトルにおいて、強度がピ
ーク値に対して−6dB以内の範囲の幅に当たる周波数
帯域幅が0.50fc以上となるように、超音波振動子
の超音波送受信面に配設されたくさび、及び、超音波振
動子の背面に配設されたダンピング材を備え、表面波で
欠陥を検出することが可能な表面波プローブと、該表面
波プローブに表面波を送信するための電気パルスを供給
し、該表面波プローブがとらえた信号を欠陥判定に必要
なレベルまで増幅し、出力する超音波送受信器と、該超
音波送受信器が出力した信号から欠陥判定を行うべき信
号を抽出し、出力するゲート手段と、該ゲート手段が出
力する信号の振幅を検出して出力するか、又は、該信号
のレベルを所定の閾値と比較し、該信号のレベルが大き
いときには、欠陥有りの信号を出力する欠陥判定手段と
を備えることにより、前記第2の課題を解決したもので
ある。
【0048】特に、前記くさびが、円柱体表面に接触媒
質を介して接触させる底面と、該底面部の法線に対し
て、法線が前出(2)式で規定される入射角θi で交差
する傾斜面とを有し、該傾斜面に前記超音波振動子の超
音波送受信面が貼付されている場合には、円柱体表面に
表面波を効率良く伝搬させることができる。
【0049】発明者らが、人工欠陥を有するハイスロー
ルを用い、該ハイスロールの回転速度を変化させて、探
触子からロール表面への超音波の伝達が安定であって、
且つ、過剰な媒体液の探触子前方への流れ出しがなく、
人工欠陥からの反射波の高さが一定の値に維持されるの
に適当な媒体液(この実験の場合は水)量を調べた結果
を図13に示す。斜線の範囲内の水量であれば、探触子
からロール表面への超音波の伝達が安定になる。ハイス
ロールの回転速度が大きくなるのに従い、媒体液量も多
くする必要があることが分かった。そこで、ハイスロー
ルの回転速度を回転速度検出手段で計測し、ハイスロー
ルの回転速度に応じて、給水手段に設けた流量制御弁を
用いて媒体液の供給量を制御することによって、適切な
量の媒体液を探触子とハイスロール表面との間に供給す
ることができ、これにより、探触子からロール表面への
超音波の伝達を安定に維持し、且つ、過剰な媒体液の探
触子前方への流れ出しを防止することができる。
【0050】本発明は、又、表面に熱的・機械的損傷を
受けたロールの研削に際し、研削を開始する前、あるい
は、研削の途中で、ロールを回転させながら、ロールの
表面に接触媒質の膜を介して表面波プローブを接触さ
せ、表面波プローブから表面波を伝搬させると共に、ロ
ール表面のうち表面波が伝搬する部分の液体を除去する
ようにして、ロールの表面に存在又は残存する熱的・機
械的損傷部からの反射波高さを測定し、該反射波高さに
応じて、その後の研削量を設定して研削を行うようにし
て、前記第3の課題を解決したものである。
【0051】発明者らは、前記表面波プローブを用い
て、熱的・機械的損傷部からの反射波高さと、熱的・機
械的損傷部の残量(反射波高さが欠陥検出用閾値を下回
ったときを残量無しとする)との関係を、圧延により熱
的・機械的損傷を受けた圧延ロールを微小量ずつ研削し
ながら、熱的・機械的損傷部からの反射波高さを測定す
ることにより調査した。この結果を図14に示す。熱的
・機械的損傷部の残量が減少すると共に、熱的・機械的
損傷部からの反射波高さも減少することがよく分かる。
図14から、熱的・機械的損傷部を除去するのに必要な
研削量と、熱的・機械的損傷部からの反射波高さとの関
係を求めると、図15に示す如くとなった。従って、研
削の開始前あるいは研削の途上で、表面波による超音波
探傷によって、熱的・機械的損傷部からの反射波高さを
測定し、図15の関係を用いて研削量を決定すれば、熱
的・機械的損傷部を超えての過剰な研削や、熱的・機械
的損傷部の削り残しを防止して、最適な研削が可能とな
る。
【0052】特に、前記熱的・機械的損傷部からの反射
波高さが最も高いところに表面波プローブ及び研削用砥
石を移動させ、探傷を行いながらプランジ(plunge)研
削を行い、熱的・機械的損傷部からの反射波高さが所定
レベル以下になる研削量を求め、この研削量に応じて、
残りのロール面を研削することにより、最適な研削を行
うことができる。
【0053】即ち、研削の開始前、あるいは研削の途上
で、表面波による超音波探傷を実施すれば、図14の関
係から明らかなように、熱的・機械的損傷部からの反射
波高さが最も高いところが、熱的・機械的損傷部の残量
が最も多いところと特定することができる。そこで、図
16に示すように、ロール研削装置の砥石62と表面波
プローブ10を圧延ロール110に当接させる位置(ロ
ールの軸方向の位置)を一致させた上で、熱的・機械的
損傷部からの反射波高さが最も高いところにロール研削
装置の砥石62と、表面波プローブ10を当接させる。
そして、表面波による超音波探傷を行い、熱的・機械的
損傷部からの反射波高さが所定の閾値を下回るまで圧延
ロールをプランジ研削すれば、このときの研削量が、圧
延ロール全面から熱的・機械的損傷部を除去するのに必
要な研削量となる。従って、残りのロール面の研削量を
該研削量に設定して研削を行えばよい。
【0054】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0055】図17は、本発明に係る超音波探傷装置の
第1実施形態を示した概略側面図である。
【0056】本実施形態の超音波探傷装置は、図中符号
110で示した圧延ロールを被検体とするもので、基本
構成として該ロール110を回転させるロール回転装置
と、該ロール110の表面波を送受信するための表面波
プローブ10と、該プローブ10を保持するためのプロ
ーブホルダ12と、該ホルダ12に付設されている接触
媒質(水)をロール110の表面と表面波プローブ10
の間に供給する給水手段(後述する)とを備えている。
【0057】前記ロール回転装置としては、図面の煩雑
化を避けるために図示を省略するが、検査対象の圧延ロ
ール110を、その円周方向Cに回転させることができ
るものであれば、周知の適当な装置を用いることができ
る。
【0058】前記表面波プローブ10は、周波数帯域幅
が0.50fc 以上で、パルス幅が表面波の波長の2.
5倍以下の表面波を送受信可能なように、振動子の種類
やダンピング材の組成を調整したものである。
【0059】この表面波プローブ10では、該プローブ
10と被検体である圧延ロール110の表面との間のギ
ャップに水(接触媒質)が満たされた状態を形成し、該
水を介して超音波をロール110の表面に伝達すること
により、該ロール110に表面波を伝搬させ、その反射
波を受信することにより、圧延ロール110の表面欠陥
を検出することができるようになっている。
【0060】この表面波プローブ10を保持している前
記プローブホルダ12は、圧延ロール110の上方に位
置する固定構造部14に対して、上下方向に摺動可能な
ガイド16の下部に取り付けられている保持機構部18
に保持されている。この保持機構部18には、前後各一
対、計4個のローラ20が備えられ、これらローラ20
の間に上記プローブホルダ12が配置されている。そし
て、探傷を行うときには、これら4個のローラ20が、
圧延ロール110の表面に当接して回転することによ
り、探傷走査を安定させる。
【0061】前記固定構造部14には、保持機構部18
をガイド16に沿って昇降させる動力を、周知の伝達手
段(図示せず)を介して供給するためのモータ14A
と、その取り付けベース14Bが備えられている。
【0062】該固定構造部14は、図示を省略した走査
手段によって、圧延ロール110の軸方向に走査可能と
され、これにより、表面波プローブ10を圧延ロール1
10の軸方向に走査可能である。
【0063】前記プローブホルダ12は、保持機構部1
8に対して上下に移動可能に遊嵌されている棒状体12
Aの下端に取り付けられ、該棒状体12Aの周囲の所定
位置に介装されたばね(図示せず)により、常に図中下
方、即ち圧延ロール110の表面に対して適当な力で押
付けられた状態で支持されている。
【0064】前記プローブホルダ12には、前記表面波
プローブ10と圧延ロール110との間に所定のギャッ
プを形成するために、該表面波プローブ10よりも下方
の圧延ロール110側に突出する一対の倣いローラ22
が設けられている。
【0065】図18は、この状態を拡大して示した正面
図であり、水平方向(ロール軸方向)に沿ってプローブ
ホルダ12の対向する両側部にそれぞれ軸24が設けら
れ、その両側に上記倣いローラ22が回転可能にそれぞ
れ取付けられている。このように、プローブホルダ12
に軸支された倣いローラ22が、前記ばねによる適当な
押付力を受けることにより、測定時には常に圧延ロール
110の表面に当接するようになっており、この構成に
よってプローブホルダ12では、表面波プローブ10と
圧延ロール110との間に常に一定のギャップが維持さ
れるように、前記表面波プローブ10が保持されるよう
になっている。
【0066】又、この表面波プローブ10では、プロー
ブホルダ12と倣いローラ22の輪郭を、それぞれ二点
鎖線で省略して示した図19に示すように、その内部に
給水部(給水手段)26が備えられ、導管28から導か
れた水を収容部26Aに一旦収容し、これを収容部26
Aの底部に設けられた放出孔26Bより放出し、表面波
プローブ10と圧延ロール110との間に気泡のない水
の層を形成することができるようになっている。給水手
段は、従来既知の適当な手段を用いて構成すればよいの
で、詳しい説明は省略する。
【0067】図17において、符号30は、上記のよう
に給水部26により供給された水がロール表面に残留
し、表面波の伝搬路上に流れ込むことがないように、該
水を取り除くスクレーパである。
【0068】本実施形態の超音波探傷装置は、以上詳述
した装置構成としたので、超音波の伝搬媒体となる水を
表面波プローブ10と被検体である圧延ロール110の
表面との間に供給すると共に、該プローブ10をその表
面上で走査移動させながら、探傷する作業を容易且つ確
実に実行することができる。
【0069】本実施形態を用いて、500本の熱間仕上
圧延用前段ワークロール(ハイスロール)の探傷を行
い、ヒートクラックと称される1次クラックからの反射
波が所定のレベル以下に低下するまでの研削量の実績を
調査したところ、従来用いられている、パルス幅が表面
波の波長の5倍程度の表面波プローブを用いた探傷装置
での研削量実績(直径換算)が0.33mmであったの
が、本実施形態では0.20mmとなり、従来に比べ、
研削量を0.1mm以上削減できることが確認できた。
なお、この場合でも、ハイスロール表面の微小な欠けに
よる被圧延材の表面欠陥発生は、従来と変わりは無かっ
た。
【0070】次に、図20を参照して、ハイスロールの
表面上を表面波プローブ10を走査移動させて探傷する
のに適した、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
【0071】本実施形態においては、圧延ロール110
がハイスロールとされ、該ハイスロールの回転速度が、
回転速度検出器32によって検出され、給水装置に備え
られた流量制御弁34に送られて、流量が図13に示し
た範囲に適合するよう制御される。又、表面波プローブ
10の出力は、超音波送受信器40及びゲート回路42
を経て、欠陥判定回路44に入力される。
【0072】前記超音波送受信器40は、前記表面波プ
ローブ10に表面波を送信するための電気パルスを供給
し、該表面波プローブ10がとらえた信号を欠陥判定に
必要なレベルまで増幅し、ゲート回路42に出力する。
ゲート回路42は、前記超音波送受信器40が出力した
信号から、欠陥判定を行うべき信号を抽出し、欠陥判定
回路44に出力する。欠陥判定回路44は、ゲート回路
42が出力した信号の振幅を検出して出力するか、又
は、該信号のレベルを所定の閾値と比較し、該信号のレ
ベルが大きいときに、欠陥有りの信号を出力するように
動作し、これによって表面欠陥が検出される。
【0073】前記プローブホルダ12は、第1実施形態
と同様、図19に示すように、内部に給水部26を備え
ている。該給水部26は、流量制御弁34によって圧延
ロール110の回転速度(周速度)に応じた流量とさ
れ、導管28から導かれた水を収容部26Aに一旦収容
し、これを収容部26Aの底部に設けられた放出口26
Bより放出し、表面波プローブ10と圧延ロール110
の間に気泡の無い水の層を形成する。
【0074】他の点に関しては、第1実施形態と同じで
あるので、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
【0075】表面欠陥を有するハイスロールを、本実施
形態の装置で、回転速度25rpmから50rpmまで
変化させて探傷を行い、欠陥からの反射波の高さと回転
速度の関係を調査した結果を、図21に示す。本実施形
態の装置を用いれば、ハイスロールの回転速度に関係な
く、良好に表面欠陥を検出できる。
【0076】次に、図22を参照して、本発明の第3実
施形態を詳細に説明する。
【0077】本実施形態は、研削の開始前あるいは研削
の途上で表面波による超音波探傷を行い、熱的・機械的
損傷部からの反射波の高さを測定して、圧延ロール11
0の研削装置60へ研削量の設定値を伝送する装置を示
す。圧延ロールの研削装置は、従来周知の適当な装置を
用いればよく、図面の煩雑化を避けるために、図示を省
略する。
【0078】前記表面波プローブ10には超音波探傷器
50が接続され、表面波プローブ10から表面波を送信
するための電気パルスを表面波プローブ10に供給し、
又、表面波プローブ10が受信した信号を欠陥判定に適
したレベルに増幅する。更に、超音波探傷器50は、第
2実施形態と同様のゲート回路(図示省略)を用いて、
増幅後の信号から熱的・機械的損傷からの反射波を抽出
し、その高さを検出する。超音波探傷器50によって検
出された熱的・機械的損傷部からの反射波の高さは、コ
ンピュータ52に送られ、図15の関係を参照すること
により、熱的・機械的損傷部を除去するのに必要な研削
量が求められる。こうして求められた研削量の設定値
は、圧延ロールの研削装置60に送られ、例えば砥石を
用いて研削が実行される。
【0079】他の点に関しては、第1、第2実施形態と
同じであるので、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略
する。
【0080】本実施形態を用いて、200本の熱間仕上
圧延用前段ワークロールの探傷を行い、研削量の実績を
調査したところ、従来行われてきた、熱的・機械的損傷
部からの反射波の高さが所定の閾値を下回るまで一定量
の研削を繰り返す方法での研削量の推定値(ロール1本
毎に本装置を用いた研削量の実績値から従来法での研削
量を推定)が、直径換算で0.23mmであったのが、
同じく0.18mmとなり、従来に比べ、研削量を0.
05mm以上削減できることが確認できた。
【0081】次に、図23を参照して、本発明の第4実
施形態を詳細に説明する。
【0082】本実施形態においては、表面波プローブ1
0のロール軸方向位置を検出する位置検出器36が設け
られており、コンピュータ52には、該位置検出器36
から、表面波プローブ10のロール軸方向での位置が検
出され、送られてきており、研削の開始前又は研削の途
上で行われる表面波による超音波探傷において、熱的・
機械的損傷部からの反射波の高さが最も高い部分の圧延
ロール上での位置が求められる。又、プランジ研削と称
する研削を行う際には、図16に示したように、表面波
プローブ10と砥石62が圧延ロール110に当接する
位置(ロールの軸方向の位置)が一致するように、表面
波プローブ10は機械的に位置合わせをして設置され
る。
【0083】他の構成に関しては、第3実施形態と同じ
であるので、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略す
る。
【0084】以下、本実施形態の動作について、詳しく
説明する。まず、研削の開始前又は研削の途上で、圧延
ロール110を、その円周方向Cに回転させながら、表
面波プローブ10を圧延ロール110の軸方向に走査す
ることにより、圧延ロール全面の表面波による超音波探
傷を行い、熱的・機械的損傷部からの反射波の高さ、及
び、表面波プローブ10の位置検出信号が入力されたコ
ンピュータ52によって、熱的・機械的損傷部からの反
射波の高さが最も高い部分の圧延ロール110上での位
置が求められる。
【0085】次に、図16に示した如く、この位置に表
面波プローブ10と砥石62が移動され、熱的・機械的
損傷部からの反射波高さが所定の閾値を下回るまで、表
面波による超音波探傷を行いながら、圧延ロール110
のプランジ研削が行われ、このときの研削量が求められ
る。
【0086】こうして求められた研削量の設定値は、圧
延ロールの研削装置60に入力され、残りのロール面の
研削が実行される。
【0087】本実施形態の装置を用いて、200本の熱
間仕上圧延用前段ワークロールの探傷を行い、研削量の
実績を調査したところ、従来行われてきた、熱的・機械
的損傷部からの反射波の高さが所定の閾値を下回るまで
一定量の研削を繰り返す方法での研削量の推定値が、直
径換算で0.24mmであったのが、本実施形態では、
同じく0.19mmとなり、従来に比べ、研削量を0.
05mm以上削減できることが確認できた。
【0088】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0089】例えば、表面波プローブを構成する部材で
ある超音波振動子10A、ダンピング材10B、樹脂製
くさび10Cの具体的な材料は、前記実施形態に示した
ものに限定されず、同様の機能を有するものであれば任
意の材料を利用できる。
【0090】又、前記実施形態では、接触媒体として水
を用いる場合を示したが、油等の他の液体を用いてもよ
い。
【0091】又、本発明の適用対象は、圧延ロール、特
にハイスロールに限られず、金属等からなるローラ等の
円柱体であれば特に制限されない。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、表面波を用いて超音波
探傷する際に、一次クラックの過検出を防止して、過研
削によるロール原単位の悪化を防止できる。更に、1次
クラックや結晶粒界からのノイズのレベルを低減させ、
欠陥検出能力を大幅に向上させることができる。
【0093】特に、圧延により表面に熱的・機械的損傷
を受けた圧延ロールの研削に際し、熱的・機械的損傷か
らの反射波の高さに応じて、その後の研削量を設定する
ようにした場合は、ロールの研削量を最適化してロール
原単位を向上させると共に、ロール研削の能率を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる表面波プローブの概略構成を拡
大して示す断面図
【図2】前記表面波プローブの周波数帯域幅を説明する
ための線図
【図3】前記表面波プローブの周波数帯域幅と(パルス
幅/表面波の波長)の関係を示す線図
【図4】本発明による観測波形と微小反射体からの反射
波の関係を示す説明図
【図5】一次クラックからの反射波の高さと(パルス幅
/表面波の波長)との関係を示す線図
【図6】本発明のプローブ振動子の一例である1−3型
コンポジット振動子を示す斜視図
【図7】本発明のプローブ振動子の他の例である0−3
型コンポジット振動子を示す斜視図
【図8】本発明のプローブ振動子の更に他の例である3
−1型コンポジット振動子を示す斜視図
【図9】ダンピング材中のタングステン粉の体積分率が
80%である時の、前記表面波プローブの振動子材質及
び樹脂材質と、表面波の周波数帯域幅、パルス幅、及
び、1次クラックからの反射波の高さの測定結果の関係
を示す図表
【図10】同じく60%である時の、前記表面波プロー
ブの振動子材質及び樹脂材質と、表面波の周波数帯域
幅、パルス幅、及び、1次クラックからの反射波の高さ
の測定結果の関係を示す図表
【図11】同じく40%である時の、前記表面波プロー
ブの振動子材質及び樹脂材質と、表面波の周波数帯域
幅、パルス幅、及び、1次クラックからの反射波の高さ
の測定結果の関係を示す図表
【図12】同じく20%である時の、前記表面波プロー
ブの振動子材質及び樹脂材質と、表面波の周波数帯域
幅、パルス幅、及び、1次クラックからの反射波の高さ
の測定結果の関係を示す図表
【図13】本発明の原理を説明するための、ロールの回
転速度と適当な媒体液量の調査結果を示す線図
【図14】同じく、熱的・機械的損傷部からの反射波の
高さと熱的・機械的損傷部の残量との関係を示す線図
【図15】同じく、必要な研削量と熱的・機械的損傷部
からの反射波の高さとの関係を示す線図
【図16】同じく、プランジ研削における砥石と表面波
プローブとの位置関係を示す斜視図
【図17】本発明に係る超音波探傷装置の第1実施形態
の概略構成を示す側面図
【図18】第1実施形態のプローブホルダ部分を拡大し
て示す正面図
【図19】同じく、表面波プローブに備えられた給水部
を破断して示す要部側面図
【図20】本発明に係る超音波探傷装置の第2実施形態
の概略構成を示す側面図
【図21】第2実施形態でロール回転速度を変化させて
探傷した時の、欠陥からの反射波の高さと回転速度の関
係の調査結果を示す線図
【図22】本発明に係る超音波探傷装置の第3実施形態
の概略構成を示す側面図
【図23】同じく第4実施形態の概略構成を示す側面図
【図24】熱間仕上圧延用ワークロールの円周方向の表
面に生じるクラックを説明するための概念図
【図25】表面波プローブと微小反射体との位置関係を
示す説明図
【図26】従来法による観測波形と微小反射体からの反
射波との関係を示す説明図
【符号の説明】
10…表面波プローブ 10A…超音波振動子 10B…ダンピング材 10C…樹脂製くさび 12…プローブホルダ 14…固定構造部 16…ガイド 18…保持機構部 20…ローラ 22…倣いローラ 24…軸 26…給水部 28…導管 30…スクレーパ 32…回転速度検出器 34…流量制御弁 36…位置検出器 40…超音波送受信器 44…欠陥判定回路 50…超音波探傷器 52…コンピュータ 60…研削装置 62…砥石 110…圧延ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守井 隆史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 鑓田 征雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転する円柱体の表面に、接触媒質を介し
    て表面波プローブを接触させ、該表面波プローブから円
    柱体に対して表面波を伝搬させると共に、円柱体表面や
    表面直下に存在する欠陥からの反射波を受信することに
    より、該欠陥を検出する円柱体の超音波探傷方法であっ
    て、 前記表面波プローブが送受信する表面波の中心周波数を
    c としたとき、該表面波の周波数スペクトルにおい
    て、強度がピーク値に対して−6dB以内の範囲の幅に
    当る周波数帯域幅を、0.50fc 以上とすることを特
    徴とする円柱体の超音波探傷方法。
  2. 【請求項2】回転する円柱体の表面に、接触媒質を介し
    て表面波プローブを接触させ、該表面波プローブから円
    柱体に対して表面波を伝搬させると共に、円柱体表面や
    表面直下に存在する欠陥からの反射波を受信することに
    より、該欠陥を検出する円柱体の超音波探傷方法であっ
    て、 前記表面波プローブが送受信する表面波パルスのパルス
    幅を、前記円柱体を伝搬する表面波の波長の2.5倍以
    下にすることを特徴とする円柱体の超音波探傷方法。
  3. 【請求項3】回転する円柱体の表面に、接触媒質を介し
    て表面波プローブを接触させ、該表面波プローブから円
    柱体に対して表面波を伝搬させると共に、円柱体表面や
    表面直下に存在する欠陥からの反射波を受信することに
    より、該欠陥を検出する円柱体の超音波探傷装置であっ
    て、 前記表面波を送受信する表面波プローブが、超音波振動
    子の超音波送受信面に配設されたくさびと、その背面に
    配設されたダンピング材とを備えていることを特徴とす
    る円柱体の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の円柱体の超音波探傷装置
    において、前記超音波振動子が、ニオブ酸鉛系磁器、チ
    タン酸鉛系磁器、1−3型コンポジット振動子、0−3
    型コンポジット振動子、又は、3−1型コンポジット振
    動子であることを特徴とする円柱体の超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の円柱体の超音波探傷装置
    において、前記くさびの周波数2MHzにおける超音波
    (縦波)の減衰定数が、1.8×102 dB/m以下で
    あることを特徴とする円柱体の超音波探傷装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の円柱体の超音波探傷装置
    において、前記くさびが、ポリイミド樹脂、ポリスチロ
    ール樹脂、アクリル樹脂、又は、フッ素樹脂で製作され
    ていることを特徴とする円柱体の超音波探傷装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の円柱体の超音波探傷装置
    において、前記ダンピング材におけるタングステン粉の
    体積分率が40%以上であることを特徴とする円柱体の
    超音波探傷装置。
  8. 【請求項8】回転する円柱体の表面に、媒体液を介して
    表面波プローブを接触させ、該表面波プローブから円柱
    体に対して表面波を伝搬させると共に、円柱体表面や表
    面直下に存在する欠陥からの反射波を受信することによ
    り、該欠陥を検出する円柱体の超音波探傷装置であっ
    て、 前記円柱体を、その周方向に回転させる円柱体回転手段
    と、 該円柱体回転手段による円柱体の回転速度を検出する回
    転速度検出手段と、 前記表面波プローブを円柱体の上方で円柱体表面に対し
    て一定の間隔を維持するよう保持する保持手段と、 該保持手段を円柱体の軸方向に走査する走査手段と、 超音波の伝達媒体となる媒体液を、前記表面波プローブ
    と円柱体表面との間に供給することが可能であり、且
    つ、前記円柱体回転手段による円柱体の回転速度に応じ
    て、媒体液の供給量を制御することが可能な流量制御弁
    を備えた給水手段と、 前記表面波プローブが送受信する表面波の中心周波数を
    cとしたとき、該表面波の周波数スペクトルにおい
    て、強度がピーク値に対して−6dB以内の範囲の幅に
    当たる周波数帯域幅が0.50fc以上となるように、
    超音波振動子の超音波送受信面に配設されたくさび、及
    び、該超音波振動子の背面に配設されたダンピング材を
    備え、表面波で欠陥を検出することが可能な表面波プロ
    ーブと、 該表面波プローブに表面波を送信するための電気パルス
    を供給し、該表面波プローブがとらえた信号を欠陥判定
    に必要なレベルまで増幅し、出力する超音波送受信器
    と、 該超音波送受信器が出力した信号から欠陥判定を行うべ
    き信号を抽出し、出力するゲート手段と、 該ゲート手段が出力する信号の振幅を検出して出力する
    か、又は、該信号のレベルを所定の閾値と比較し、該信
    号のレベルが大きいときには、欠陥有りの信号を出力す
    る欠陥判定手段と、 を備えてなることを特徴とする円柱体の超音波探傷装
    置。
  9. 【請求項9】請求項3乃至8のいずれかに記載の円柱体
    の超音波探傷装置において、 前記くさびが、円柱体表面に接触媒質を介して接触させ
    る底面と、 該底面の法線に対して、法線が次式 θi =sin-1(Cw/Cr) (Cw:くさび内での超音波の速度、Cr:円柱体での
    表面波の速度)で規定される入射角θi で交差する傾斜
    面とを有し、 該傾斜面に前記超音波振動子の超音波送受信面が貼付さ
    れていることを特徴とする円柱体の超音波探傷装置。
  10. 【請求項10】請求項3乃至9のいずれかに記載の円柱
    体の超音波探傷装置において、前記円柱体が、高速度工
    具鋼のロールであることを特徴とする円柱体の超音波探
    傷装置。
  11. 【請求項11】表面に熱的・機械的損傷を受けたロール
    の研削に際し、 研削を開始する前、あるいは、研削の途中で、ロールを
    回転させながら、ロールの表面に接触媒質の膜を介して
    表面波プローブを接触させ、表面波プローブから表面波
    を伝搬させると共に、ロール表面のうち表面波が伝搬す
    る部分の液体を除去するようにして、ロールの表面に存
    在又は残存する熱的・機械的損傷部からの反射波高さを
    測定し、 該反射波高さに応じて、その後の研削量を設定して研削
    を行うことを特徴とするロールの研削方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のロールの研削方法に
    おいて、前記熱的・機械的損傷部からの反射波高さが最
    も高いところに表面波プローブ及び研削用砥石を移動さ
    せ、探傷を行いながらプランジ研削を行い、熱的・機械
    的損傷部からの反射波高さが所定レベル以下になる研削
    量を求め、 この研削量に応じて、残りのロール面を研削することを
    特徴とするロールの研削方法。
  13. 【請求項13】請求項11又は12に記載のロールの研
    削方法において、前記表面波プローブが送受信する表面
    波の中心周波数をfcとしたとき、前記表面波の周波数
    スペクトルにおいて、該スペクトル強度がピーク値に対
    して−6dB以内の範囲の幅に当たる周波数帯域幅を
    0.50fc以上とすることを特徴とするロールの研削
    方法。
  14. 【請求項14】請求項11又は13のいずれかに記載の
    ロールの研削方法において、前記表面波プローブが送受
    信する表面波パルスのパルス幅を、前記円柱体を伝搬す
    る表面波の波長の2.5倍以下にすることを特徴とする
    ロールの研削方法。
  15. 【請求項15】請求項11乃至14のいずれかに記載の
    ロールの研削方法において、前記ロールが圧延用ロール
    であることを特徴とするロールの研削方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015004530A (ja) * 2013-06-19 2015-01-08 日本精工株式会社 丸棒鋼の超音波検査方法及び超音波検査装置
KR101806306B1 (ko) * 2015-10-19 2017-12-08 숭실대학교산학협력단 파이프의 두께 측정을 기초로 한 유속 측정 장치
JP2018115979A (ja) * 2017-01-19 2018-07-26 株式会社神戸製鋼所 検査方法
JP2020112424A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 盛金部の検査方法、及びその方法を使用した弁の製造方法

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