JP2000035309A - 光波干渉計における寸法測定方法 - Google Patents

光波干渉計における寸法測定方法

Info

Publication number
JP2000035309A
JP2000035309A JP10203130A JP20313098A JP2000035309A JP 2000035309 A JP2000035309 A JP 2000035309A JP 10203130 A JP10203130 A JP 10203130A JP 20313098 A JP20313098 A JP 20313098A JP 2000035309 A JP2000035309 A JP 2000035309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
interference
order
wavelength
interference order
measurement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10203130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3759677B2 (ja
Inventor
Tatsuya Narumi
達也 鳴海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Original Assignee
Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitutoyo Corp, Mitsutoyo Kiko Co Ltd filed Critical Mitutoyo Corp
Priority to JP20313098A priority Critical patent/JP3759677B2/ja
Publication of JP2000035309A publication Critical patent/JP2000035309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3759677B2 publication Critical patent/JP3759677B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Measurement Of Length By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2種の波長により2分の1波長以上の寸法測
定を行う光波干渉計において、簡易な方法で2種の波長
による測定結果が一致する干渉次数を求める。 【解決手段】 2種の波長により干渉縞端数(S10
4,S110)と、±7次以内の寸法を算出する(S1
08,S114)。一方の波長により算出された寸法
と、この寸法に最も近い他方の波長により算出された寸
法との組を作る(S116)。この組の差の絶対値を求
め(S118)、さらに干渉次数に対する前記差の絶対
値の関数の極小値を求め(S126)、この極小値を合
致次数として、寸法を決定する(S132)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波干渉計を用い
た寸法測定に関し、特に複数の波長に基づき干渉次数を
算出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブロックゲージは、様々な測定機器の校
正にも使用されており、それ自体の寸法精度は、非常に
高いものを要求される。現実には、ブロックゲージの寸
法をその呼び寸法どおりに作成するのは困難なため、現
実のブロックゲージの寸法と呼び寸法との差である中央
寸法誤差を測定し、この中央寸法誤差をブロックゲージ
ごとに前記呼び寸法と合わせて表記し、そのゲージの寸
法を示している。なお、中央寸法誤差の「中央」とは、
ブロックゲージ測定面の中央の寸法誤差であることを示
すものである。
【0003】中央寸法誤差の測定方法の一つとして、中
央寸法誤差が既知である基準ブロックゲージと、測定対
象物(この場合はブロックゲージ)との差を光の干渉縞
から求める方法が知られている。この方法においては、
基準ブロックゲージからの反射波と、測定対象ブロック
ゲージからの反射波により干渉縞を形成し、この干渉縞
を目盛りとして利用して測定を行う。この目盛りは、一
様に繰り返されるのみであるから、ある干渉縞(目盛
り)が何番目の目盛りかは、このままでは判断できな
い。すなわち、干渉縞の間隔は光の波長の半分に相当す
るから、原理的には、光の波長の半分以内の測定しか行
うことができない。光の波長は非常に短く、このままで
は測定可能範囲が狭いので、これ以上の長さを測定する
場合には、あらかじめ他の方法により2分の1波長以下
の精度で、予備測定を行っておく。予備測定により得ら
れた値を2分の1波長の長さで除算したときの商が、前
記干渉縞(目盛り)の数を表すことになる。この商は、
干渉次数と呼ばれている。この干渉次数と、光波干渉測
定による1目盛り以下の寸法値を加算すれば、長い寸法
を精密に測定することができる。
【0004】しかし、前述の方法において、予備測定に
要求される精度は、2分の1波長以下という厳しいもの
であり、また温度など環境条件にも左右されるので、目
盛りの数え違い、すなわち干渉次数が誤って算出される
場合があった。そこで、前記の測定を複数の波長の光ご
とに行い、各波長に基づき測定、算出された中央寸法誤
差が等しくなる値を真の測定値とする方法が知られてい
る。真の中央寸法誤差は一つしか存在しないはずであ
り、それは波長に依存することはない、というのが前述
の方法の基本的な考え方である。このようにすれば、波
長を選択することによって、予備測定に要求される精度
は波長の数倍程度に緩和することができる。なお、以降
の説明において、複数の波長ごとに算出された中央寸法
誤差が一致することを合致、合致する干渉次数を求める
をこと合致を求めるまたは合致次数を求めると記載す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
波長から合致を求めることは、一般的には手作業でなさ
れており、多くの時間を要していた。また、各波長ごと
の測定データを入力し、合致に関しては、計算機により
計算する測定方法が、例えば特開平10−9809号に
て提案されているが、計算負荷が大きく、処理時間が長
くなるという問題があった。
【0006】本発明は、前述の問題点を解決するために
なされたものであり、合致次数をより短時間で算出し、
測定対象物の寸法を短時間で測定することができる方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる光干渉計による寸法測定方法は、
波長の異なる複数の光源の、参照鏡または基準ゲージか
らの反射波と測定対象物からの反射波との波長ごとの干
渉縞に基づき、測定対象物の寸法を測定する方法におい
て、前記各波長ごとに、干渉縞端数および仮干渉次数を
求め、仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法を算出する手
順と、前記複数波長のうち基準となる基準波長により測
定された仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法のそれぞれ
に対し、これにもっとも近い、基準波長以外の波長によ
り測定された測定対象物の寸法との差の絶対値を算出す
る手順と、前記仮干渉次数に対する前記寸法差の絶対値
の関数が極小となる仮干渉次数を真の干渉次数として算
出する手順と、前記真の干渉次数と、前記基準波長にお
ける干渉縞端数に基づき測定対象物の寸法を算出する手
順と、を有している。
【0008】前述のように、測定対象物の寸法および中
央寸法誤差は、測定に用いた波長に依存しないので、他
の誤差を考慮しなければ波長によらず同一となる。ただ
し、各波長ごとの測定における干渉次数は、仮のもので
あって真のものと異なる場合がある。そこで、一つの波
長を基準波長と定め、この波長により測定、算出された
各干渉次数ごとの個々の測定対象物の寸法に対して、基
準波長以外の波長により測定、算出された各干渉次数ご
との寸法とを比較し、一番近いものを選出する。選出さ
れた寸法と基準波長の寸法との組ごとに、これらの差の
絶対値を求める。そして、仮の干渉次数に対する前記差
の絶対値の関数が極小となる仮干渉次数を真の干渉次数
に定める。極小となる干渉次数を求める場合、前記関数
の1階微分が0で、2階微分が正の干渉次数を真の干渉
次数と定めることができる。
【0009】以上の手順は、プログラムとして記録媒体
に記録し、このプログラムに従って装置各部を制御する
ようにコンピュータを機能させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0011】[光波干渉計の概要]図1には、本実施形
態の光波干渉計の概略構成が示されている。以下、ブロ
ックゲージの中央寸法誤差を測定する場合に関して説明
するが、本光波干渉計は他の測定対象についても対応可
能である。
【0012】本装置の本体、すなわち光源からの光を基
準ゲージと測定対象ゲージに照射し、それらの反射光に
より干渉縞を形成し、この干渉縞の観察を行う部分は、
防振台上に設置されている。本装置は、光源として、波
長633nmの赤色He−Neレーザ光源10と、波長
543nmの緑色He−Neレーザ光源12を備えてい
る。二つのレーザ光源10,12の正面には、シャッタ
14,16が設けられ、これらのシャッタの開閉により
光源の選択をすることができる。赤色レーザ光源10
は、縦偏光の光を出射し、この出射光は、これが横偏光
となるように調整設置された2分の1波長板18を通過
し、偏光ビームスプリッタ20に入射する。一方、緑色
レーザ光源12は、同じく縦偏光の光を出射し、この出
射光は、これが縦偏光となるように調整設置された2分
の1波長板22を通過する。さらに、反射鏡24に反射
されて偏光ビームスプリッタ20に入射する。このよう
な構成によって、横偏光で入射した赤色レーザ光は高透
過率で偏光ビームスプリッタ20を透過して出射すると
共に、縦偏光で入射した緑色レーザ光は高反射率で偏光
ビームスプリッタ20を反射して出射する。このため、
両レーザ光は大幅に減衰することなく、同一光軸に合成
されて明るい干渉縞を得ることができる。
【0013】偏光ビームスプリッタ20を通過した光
は、4分の1波長板26を通過し、円偏光に変換され
る。円偏光に変換することにより、干渉部からの戻り光
を効果的に遮断し、光源10,12への悪影響が防止さ
れる。円偏光となった出射光は、対物レンズ28、ピン
ホール30、コリメータレンズ32を通過し、平行光と
なる。さらに、平行光は反射鏡34で反射されて、ビー
ムスプリッタ36に入射し、分割される。分割された一
方の光は参照鏡38で反射し、他方の光は光学くさび4
0を通過した後、ブロックゲージ42とブロックゲージ
42が密着設置されているベースプレート44に到達
し、反射する。二つの反射光は、再びビームスプリッタ
36により合成されるが、ここで二つの反射光の光路差
に基づき干渉縞が形成される。干渉縞は、望遠レンズ4
6、ピンホール48および接眼レンズ50を通過してC
CDカメラ52により観察することができる。また、干
渉縞は光路切替鏡54により図中上方に示された光セン
サ56で受光することもできる。光センサ56は、ブロ
ックゲージ42の中央点からの反射光と、ベースプレー
ト44上の2点からの反射光の合計3点について検出す
るよう配置されている。実際は、上記3点に光ファイバ
の一端を配置し、外部に設けられた光センサ56まで導
くようになっている。そして、上記3点が、現在干渉縞
の暗部にあるのか、明部にあるのかが光センサ56によ
って判定される。光学くさび40は、光路に対し直交す
る方向に図示しない駆動モータにより駆動され、これに
より実質的な光路長が変更される。この光学くさび40
の移動量は、リニアエンコーダ58により検出される。
【0014】さらに本装置には、温度等による補正を行
うために、温度等を測定し、測定値をコンピュータ等に
記憶し、演算処理し、処理結果を出力するための構成が
設けられている。ブロックゲージ42には、これの温度
を検出するための温度センサ59が設けられ、また空気
の温度を検出するための気温センサ60が光路の空気温
度を検出するのに適切な位置に配置されている。これら
のセンサ59,60は、センサ切替器62を介して温度
計64に接続され、検出された温度がコンピュータ66
に出力される。また、気圧センサを内蔵した気圧計68
が設けられ、検出された気圧がコンピュータ66に出力
される。さらに、空気中の湿度を検出する湿度センサ7
0および湿度計72が設けられ、この検出値もコンピュ
ータ66に出力される。さらに、リニアエンコーダ58
の出力を計数するカウンタ74が備えられ、計数値はコ
ンピュータ66に出力される。また、光センサ56の出
力も光検出器76に送出され、さらにコンピュータ66
に出力される。
【0015】前記コンピュータ66には、プリンタ80
が接続され、測定結果等を印刷して出力できるようにな
っている。また、前記シャッタ14,16、切替鏡5
4、光学くさび40の駆動モータなどは、コンピュータ
66の指令に基づき動作するよう構成されている。コン
ピュータ66は、あらかじめ記録されたプログラムによ
って、装置各部を制御し測定を実行する。プログラム
は、コンピュータ読み取り可能な外部記録媒体、例えば
フレキシブルディスク(FD)、CD−ROMなどに記
録しておき、測定に先立ってコンピュータで読み取るこ
とができる。
【0016】図2には、干渉縞の観測例が示されてい
る。図においては、干渉縞は明暗の2領域からなるもの
と描かれているが、実際には、その明るさの変化は2値
的なものではなく、連続的に変化するものである。中央
の長方形の領域Aは、ブロックゲージ42からの反射光
により形成された干渉縞で、その周囲の領域Bはベース
プレート44からの反射光により形成された干渉縞であ
る。ベースプレート44は、ブロックゲージ42の底面
と同一の平面に存在し、この平面からブロックゲージ4
2の寸法を測定することによって、ブロックゲージ42
の寸法が測定される。この意味で、ベースプレート44
も測定対象物である。図示するように、中央領域Aと周
囲領域Bの干渉縞は位相がずれている。このずれは、各
々の反射光の光路差を反映したものである。ブロックゲ
ージ42からの反射波の光路とベースプレート44から
の反射波の光路との差が光の波長の2分の1の整数倍で
あれば、前記のようなずれは生じない。前述のように位
相がずれているのは、前記の光路差が前記2分の1波長
より短い端数を有していることを表している。言い換え
れば、この場合、ブロックゲージ42の寸法は、2分の
1波長をある整数倍した長さと、前記端数が示すある長
さの和となっていることを示している。
【0017】この端数を、2分の1波長の何分の1であ
るかによって示すとすれば、端数は図2に示す寸法b,
aの比b/aで表される。すなわち、干渉縞の1波長a
と、中央領域Aと周囲領域Bの位相差bの比が、2分の
1波長に対する端数の比と等しくなる。寸法の比b/a
の実際の測定および算出は次のように行われる。図2に
は示していないが、本装置の光学系には、図2の視野の
中央で十字に交差するレクチル線目盛りが設けられてい
る。この水平方向の目盛りに、図2の周囲領域Bの干渉
縞のもっとも明るい部分であるx線を合わせる。これ
は、前記光学くさび40を移動させることにより行う。
光学くさび40は、その進退によって光路長さを変更す
ることができ、よってその進退により図2に示す干渉縞
は上下に平行移動し、x線をレクチル線目盛りに合わせ
ることができる。そして、このときのエンコーダの読み
(x位置)を記憶する。同様に、光学くさび40を進退
させて、中央領域Aの干渉縞のもっとも明るい部分であ
るy線、および周囲領域において、前記x線にかかる明
部分の隣の明部分の軸線であるz線をレクチル線目盛り
に合わせ、これらのエンコーダの読み(y位置、z位
置)に基づき前記端数、すなわち干渉縞端数を算出す
る。すなわち、干渉縞端数b/aは、
【数1】 b/a=(x位置−y位置)/(x位置−z位置) ・・・(1) と表される。
【0018】次に、干渉次数の決定を行う。干渉次数
は、予備測定により求められたブロックゲージの寸法に
基づき、
【数2】 より算出する。ここで、 Lo:ブロックゲージの呼び寸法 L’:予備測定値 ΔLr:光学位相差補正値 t:ブロックゲージの温度 λv:真空中における波長 n:空気屈折率 No:干渉次数+干渉縞端数 α:ブロックゲージの熱膨張係数 である。
【0019】[測定対象物の寸法の決定]予備測定に基
づき算出された干渉次数は、前述のように予備測定の精
度が高くない場合、真の干渉次数とは異なる場合があ
る。以下、予備測定の精度が真の干渉次数を定めるほど
には高くない場合における真の干渉次数を求める方法を
説明する。以降、予備測定から求められた干渉次数を仮
干渉次数と記して、真の干渉次数と区別する。
【0020】図3には、2種の波長を用いて真の干渉次
数を求める方法のフローチャートが示されている。本方
法は、2種の波長により別個に算出された測定対象物の
寸法が最も近くなる干渉次数(合致次数)を真の干渉次
数と定めることを基本としている。特に、2種の波長に
より算出された測定対象物の寸法がどの次数で合致する
のかは、仮干渉次数に対する2種の波長により測定され
た寸法の差の関数が、極小となる次数を合致次数として
いる。
【0021】シャッタ14,16の開閉により、赤色
(Red)レーザ光源10と緑色(Green)レーザ
光線12の切換えを行い、各々について、前述の測定を
行い(S100,S102)、前述の方法により干渉縞
端数を求める(S104,S110)。また、式(2)
から干渉次数を求める。式(2)のNoの整数部分が干
渉次数であるが、以後の説明においては、これを干渉次
数0次とする(S106,S112)。言い換えれば、
本来の干渉次数からNoの整数部分を引き、干渉次数全
体をシフトさせる。さらに、仮干渉次数0次の他、±7
次までの次数に対し、ブロックゲージの呼び寸法との差
である中央寸法誤差を算出する(S108,S11
4)。各次数の中央寸法誤差は、
【数3】 (中央寸法誤差)=(λ/2)×(次数)+b/a ・・・(3) より算出される。±7次までに対応する中央寸法誤差の
一例を図4に示す。
【0022】次に、赤色レーザ光源10を用いて算出さ
れた中央寸法誤差に、これと最も近い緑色レーザ光源1
2を用いて算出された中央寸法誤差を組み合わせて測定
値の組を作る。例えば、図4において、赤色レーザの−
6次の値−1.833に最も近い緑色レーザの測定値は
−7次の−1.889であり、これらにより組を作る
(S116)。この選択を赤色レーザの測定値の全てに
ついて行った結果が図5に示されている。なお、この時
点で緑色レーザについての次数は、意味をなさなくな
る。
【0023】前記の測定値の組について、測定値の差の
絶対値を算出する(S118)。この結果が図6に示さ
れている。図6において+7次,−7次の値が突出して
大きくなっているが、これは±7次の間のデータで計算
したためである。すなわち、赤色レーザの+7次,−7
次の値に最も近い緑色レーザの値は、+8次,−8次で
あるが、データの範囲にないので、前述のような突出し
た値が算出されてしまう。したがって、以降の処理につ
いては±6次の範囲で行う(S120)。±6次の範囲
の寸法差の絶対値を図7に示す。図7に示す関係を、す
なわち干渉次数に対する寸法差の絶対値の関係を関数と
みて、この関数の1階微分、2階微分を求める(S12
2,S124,S126)。関数が定義された範囲の両
端では微分不能となるので、1回の微分ごとに関数の定
義範囲が狭まり、2階微分した後は関数の定義範囲は±
4次となる(S128)。
【0024】本実施形態において用いているレーザ光源
の波長は、633nmと543nmであるので、双方の
測定結果の差が小さくなる測定値が約2μmごとに現れ
る。これは、干渉次数で±3次に相当し、この範囲の演
算結果を図8に示す。1階微分が0で、2階微分が正、
すなわち関数が極小となるのは、仮干渉次数が0次のと
きであることが分かる。このほかに極小値はないので
(S130)、この仮干渉次数が真の干渉次数であるこ
とが分かり、0.015が中央寸法誤差として算出され
る(S132)。このように、真の干渉次数が0次とな
る場合は、予備測定の値が真の値に近かったことを示し
ている。なお、前述のように、前記の2波長を用いた測
定においては、干渉次数が±3次の範囲で極小値を探せ
ば良いので、2階微分および2波長測定データの差演算
を考慮して最初の計算次数は、±6次が少なくとも必要
である。本実施形態においては、余裕をみて、±7次を
最初の計算次数としている。
【0025】予備測定の値が真の値と比較的離れていた
場合、図9に示すように極小値が0次以外のところに表
れる。図9の場合には、−2次が極小値となり、これが
合致次数である。
【0026】また、干渉縞端数の精度が悪い場合には、
極小値(合致点)が二つ並ぶ場合がある。例えば、図1
0において、0次と−1次の関数値がほとんど等しい。
このような場合には、1階微分値が小さい方、すなわち
0に近い方を合致点として採用する。1階微分値が等し
い場合は、予備測定値に近い方を採用する。
【0027】さらに、予備測定の精度が±1μmを超え
ると極小値(合致点)が二つ現れる。横軸のフルスケー
ルは、1.6μmであり、この場合、予備測定値は±1
μmなければならないので、予備測定値に近い値を選択
する(S134)。選択された値に基づき、真の中央寸
法誤差が算出される(S132)。なお、この場合に
は、合致点が二つ存在したことを操作者に報知し、測定
結果の信頼性について警告する。以上の処理により、よ
り短時間で測定を行うことが可能となった。
【0028】[光源波長の校正]図1に示すように、本
実施形態の装置は光源を二つ備えており、それぞれの光
源について高精度に校正を行うことは、光源の取り外
し、校正機関への輸送、校正後の再設置、光軸調整など
経済的、時間的負担が大きくなる。そこで、本装置にお
いては、一方の光源について校正機関などによる高精度
な校正をし、他方については干渉計上に設置したまま、
校正済みの光源の波長を用いて校正を行うことを可能と
している。以下、他方の光源の波長の校正について説明
する。
【0029】ブロックゲージの寸法Lは、本装置の二つ
のレーザの波長(543nm,633nm)から、
【数4】 と表せる。ただし、λは波長、Nは干渉次数、εは干渉
縞端数であり、添え字rは、赤色レーザに関する値およ
び赤色レーザによる測定時の値であることを示し、添え
字gは、緑色レーザに関する値および緑色レーザによる
測定時の値であることを示す。
【0030】空気の屈折率とブロックゲージの熱膨張を
考慮して、式(4.1),(4.2)を補正すると、
【数5】 を得る。このとき、Loはブロックゲージの呼び寸法、
αはブロックゲージの熱膨張係数、tはブロックゲージ
の温度、nは空気の屈折率である。同一のブロックゲー
ジについて測定を行えば、式(5.1),(5.2)の
Lは消去でき、
【数6】 を得る。これを変形し、
【数7】 を得る。式(7)において、NrとNgは、干渉測定か
らは容易に得ることはできないが、00級のブロックゲ
ージ(寸法許容差0.06μm)であれば、呼び寸法か
ら干渉次数を求めることも十分可能である。すなわち、
呼び寸法を波長で除算したときの商が干渉次数である。
また、赤色レーザの波長が校正されていれば、その他の
値は、既知の値を用いることにより、緑色レーザの波長
を算出することができる。
【0031】なお、上記の例においては、二つの光源を
有する装置について説明したが、三つ以上の光源を有す
る場合においても、同様に校正することが可能である。
【0032】本実施形態によれば、一つの光源(一つの
波長)についてのみ高精度な校正を行うことで、他の光
源は干渉計上で設置状態のまま波長校正を行うことがで
きる。したがって、波長校正の費用と時間の節減が可能
となる。また、一方の光源が取り外されず、干渉計上に
設置されたままであるので、光軸が保存される。したが
って、外部に校正を委託した光源を再設置する場合にお
いて、すでに定まっている光軸に合わせればよいので、
光軸調整が容易となる。このことは、干渉計の測定信頼
性の維持を容易にする。
【0033】以上、本実施形態において、基準ブロック
ゲージを用いない装置に関して説明したが、参照鏡上に
ベースプレートを密着した基準ブロックゲージを配置し
て、基準ブロックゲージに対する測定対象のブロックゲ
ージの誤差を測定する場合にも、同様に前述の干渉次数
の決定方法が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の光波干渉計の概略構成を示す図
である。
【図2】 光波干渉計によって観測される干渉縞の例を
示す図である。
【図3】 本実施形態の測定手順をしめすフローチャー
トである。
【図4】 図3のステップS108,S114の計算結
果を示す図である。
【図5】 図3のステップS116の結果を示す図であ
る。
【図6】 図3のステップS118の結果を示す図であ
る。
【図7】 図3のステップS120の結果を示す図であ
る。
【図8】 図3のステップS128の結果を示す図であ
る。
【図9】 図3のステップS128の結果を示す図であ
り、特に予備測定の精度が低い場合に起こり得る例であ
る。
【図10】 図3のステップS128の結果を示す図で
あり、特に干渉縞端数の測定精度が低い場合に起こり得
る例である。
【図11】 図3のステップS128の結果を示す図で
あり、極小値が2個ある場合の例である。
【符号の説明】
10 赤色レーザ光源、12 緑色レーザ光源、20
偏光ビームスプリッタ、26 4分の1波長板、42
ブロックゲージ(測定対象物)、44 ベースプレート
(測定対象物)、52 CCDカメラ、56 光セン
サ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長の異なる複数の光源の、参照鏡また
    は基準ゲージからの反射波と測定対象物からの反射波と
    の波長ごとの干渉縞に基づき、測定対象物の寸法を測定
    する方法において、 前記各波長ごとに、干渉縞端数および仮干渉次数を求
    め、仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法を算出する手順
    と、 前記複数波長のうち基準となる基準波長により測定され
    た仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法のそれぞれに対
    し、これにもっとも近い、基準波長以外の波長より測定
    された測定対象物の寸法との差の絶対値を算出する手順
    と、 前記仮干渉次数に対する前記寸法差の絶対値の関数が極
    小となる仮干渉次数を真の干渉次数として算出する手順
    と、 前記真の干渉次数と、前記基準波長における干渉縞端数
    に基づき測定対象物の寸法を算出する手順と、を有する
    光波干渉計における寸法測定方法。
  2. 【請求項2】 波長の異なる複数の光源の、参照鏡また
    は基準ゲージからの反射波と測定対象物からの反射波と
    の波長ごとの干渉縞に基づき、測定対象物の寸法を測定
    する手順の少なくとも一部をコンピュータおよびこれに
    接続される装置に実行させるためのプログラムを記録し
    たコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、 前記各波長ごとに、干渉縞端数および仮干渉次数を求
    め、仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法を算出する手順
    と、 前記複数波長のうち基準となる基準波長により測定され
    た仮干渉次数ごとの測定対象物の寸法のそれぞれに対
    し、これにもっとも近い、基準波長以外の波長より測定
    された測定対象物の寸法との差の絶対値を算出する手順
    と、 前記仮干渉次数に対する前記寸法差の絶対値の関数が極
    小となる仮干渉次数を真の干渉次数として算出する手順
    と、 前記真の干渉次数と、前記基準波長における干渉縞端数
    に基づき測定対象物の寸法を算出する手順と、を実行さ
    せるためのプログラムを記録した記録媒体。
JP20313098A 1998-07-17 1998-07-17 光波干渉計における寸法測定方法 Expired - Fee Related JP3759677B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20313098A JP3759677B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 光波干渉計における寸法測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20313098A JP3759677B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 光波干渉計における寸法測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000035309A true JP2000035309A (ja) 2000-02-02
JP3759677B2 JP3759677B2 (ja) 2006-03-29

Family

ID=16468917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20313098A Expired - Fee Related JP3759677B2 (ja) 1998-07-17 1998-07-17 光波干渉計における寸法測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3759677B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004023219A2 (en) * 2002-09-03 2004-03-18 Ut-Battelle, Llc Rapid direct-to-digital holographic acquisition of object off-axis illuminated by several illumination sources
WO2005024373A1 (ja) * 2003-09-05 2005-03-17 Olympus Corporation 波面収差測定装置
US6963406B2 (en) 2002-09-03 2005-11-08 Ut-Battelle, Llc Fused off-axis object illumination direct-to-digital holography with a plurality of illumination sources

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004023219A2 (en) * 2002-09-03 2004-03-18 Ut-Battelle, Llc Rapid direct-to-digital holographic acquisition of object off-axis illuminated by several illumination sources
WO2004023219A3 (en) * 2002-09-03 2004-04-22 Ut Battelle Llc Rapid direct-to-digital holographic acquisition of object off-axis illuminated by several illumination sources
US6963406B2 (en) 2002-09-03 2005-11-08 Ut-Battelle, Llc Fused off-axis object illumination direct-to-digital holography with a plurality of illumination sources
WO2005024373A1 (ja) * 2003-09-05 2005-03-17 Olympus Corporation 波面収差測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3759677B2 (ja) 2006-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1460374B1 (en) Method and apparatus for measuring the shape and thickness variation of polished opaque plates
US6469788B2 (en) Coherent gradient sensing ellipsometer
KR100554886B1 (ko) 2파장을 갖는 간섭계 시스템 및 그 시스템을 구비한 전사장치
JP4568372B2 (ja) 測定の不明瞭性を解消した部分コヒーレンス干渉計
US6496266B1 (en) Measuring device for absolute measurement of displacement
JP3426552B2 (ja) 形状計測装置
US6563593B2 (en) Dynamic angle measuring interferometer
JP2017198613A (ja) 屈折率計測方法、屈折率計測装置、及び光学素子の製造方法
Stone et al. Corrections for wavelength variations in precision interferometric displacement measurements
JP3759677B2 (ja) 光波干渉計における寸法測定方法
US12007219B2 (en) Laser triangulation apparatus and calibration method
JP3714853B2 (ja) 位相シフト干渉縞同時撮像装置における平面形状計測方法
KR100898327B1 (ko) 파장판의 각도 정렬을 통한 간섭계의 비선형 오차 보상방법
JP2003156310A (ja) ヘテロダイン干渉を用いた距離計用の光学計測装置
JP2000035314A (ja) 光波干渉計を用いた寸法測定装置
JP3493329B2 (ja) 平面形状計測装置、平面形状計測方法及び該方法を実行するプログラムを記憶した記憶媒体
JPH09287917A (ja) レーザ干渉測長器
JPH10142078A (ja) 非接触温度測定装置
WO2001073376A1 (en) Coherent gradient sensing ellipsometer
JP2712509B2 (ja) 反射膜の特性測定装置
JP2021148634A (ja) レーザ干渉装置
JPH08334311A (ja) パターン位置計測装置
CN118742786A (zh) 用于分析具有平行面的基底的表面质量的系统和方法
Iwasiñska et al. Interferometric dimension comparator
JPH02132310A (ja) シアリング干渉計の補正方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120113

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees