JP2000035157A - 弁装置及び混合弁装置 - Google Patents

弁装置及び混合弁装置

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JP2000035157A
JP2000035157A JP10203580A JP20358098A JP2000035157A JP 2000035157 A JP2000035157 A JP 2000035157A JP 10203580 A JP10203580 A JP 10203580A JP 20358098 A JP20358098 A JP 20358098A JP 2000035157 A JP2000035157 A JP 2000035157A
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Japan
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valve
hot water
bimetal
mixing
cold water
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JP10203580A
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English (en)
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Masakazu Maruoka
正和 丸岡
Masahiro Kato
正博 加藤
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Miyawaki Inc
Original Assignee
Miyawaki Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体通路を開閉する弁装置や蒸気と冷水を混
合して温水を生成する混合弁装置において、防食体45
の犠牲陽極としての機能を長期間にわたって発揮させ、
バイメタル33の腐食を有効に防止して、耐久性を向上
させる。 【解決手段】 温水に接触してその温度変化に応じて弁
体40と弁座38の相対位置を変化させることにより、
両者間の流体通路の通路面積を増減させるバイメタル3
3と、温水に接触して犠牲陽極を形成する防食体45
と、バイメタル33を収納するケース27に設けられ
て、防食体45を収納する保持部29と、防食体45を
保持部29の接触面に押圧する弾性部材44とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気と冷水を混合
して温水を作る混合弁装置や、温調トラップ(温度調整
機能付きスチームトラップ)等として広く使用されるも
ので、特に、温水の温度変化に応じて弁体と弁座間の流
体通路面積を増減させるバイメタルを備えた弁装置及び
混合弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】弁装置や混合弁装置は、バイメタルを組
み込んだ自動調温機構を備えており、生成された温水を
バイメタルに接触させ、その変形力により冷水の流入量
を制御して、温水の温度を自動調節する。前記バイメタ
ルは、低膨張側の合金板と高膨張側の合金板とを貼り合
わせたものにニッケルメッキ層を施し、これの一対を、
その低膨張側を向かい合わせる形で配置したものを単位
として、これらを数段に重ね合わせて形成する。しか
し、バイメタル周辺の他の部品は、耐食性に優れたステ
ンレス鋼などで形成されているので、腐食がバイメタル
に集中して温度の正確なコントロールができなくなるお
それがあった。特に、混合弁装置では、前記したよう
に、バイメタルを何段にも重ね合わせて使用しているこ
とに起因して、いわゆる隙間腐食が発生していた。
【0003】そこで本発明者等は、先に、バイメタルの
近くに温水と接触して犠牲陽極を形成する防食体を設
け、これに腐食作用を集中させることにより、バイメタ
ル側での腐食を抑制するようにした弁装置と混合弁装置
を提案した(特願平6ー337831号)。同公報で
は、各装置のバイメタルの近くに収納部を形成して防食
体を収納し、また各装置の構成部品を利用して防食体を
挿嵌させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以前に提案し
たものでは、次のような不都合のあることが判明した。
つまり、前記防食体は、装置側に押し付けられていない
状態で収納または挿嵌されて、自重により装置側に接触
しており、しかも防食体は軽量であるので、接触面圧が
小さい。このため、時間の経過に伴い防食体の表面の全
面に、腐食生成物による絶縁性のある皮膜が形成された
り、腐食生成物の蓄積層が形成されることにより、防食
体と装置とが物理的に接触しなくなり、両者間の導通が
不十分になる場合がある。ここで、防食体と装置側、つ
まりバイメタルとの腐食電位差は小さいので、僅かでも
導通が失われると、防食体の犠牲陽極としての機能を失
う。この結果、防食体を設けたにも拘らず、その機能が
比較的短期間で損なわれることがあった。
【0005】そこで、本発明は、防食体の犠牲陽極とし
ての機能を長期間にわたって発揮させ、バイメタルの腐
食を有効に防止して、弁装置および混合弁装置の耐久性
を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の第1発明は、流体通路を開閉する弁装置
であって、温水に接触してその温度変化に応じて弁体と
弁座の相対位置を変化させることにより両者間の流体通
路の通路面積を増減させるバイメタルと、前記温水に接
触して犠牲陽極を形成する防食体と、前記バイメタルを
収納するケースに設けられて、前記防食体を収納する保
持部と、この防食体を保持部の接触面に押圧する弾性部
材とを備えている。
【0007】この第1発明では、防食体が、バイメタル
のケースに設けた保持部に収納され、その接触面に弾性
部材により大きな面圧で弾性的に押圧される。また、防
食体が熱膨張などで変形することがあっても、この変形
は弾性部材が弾性変形することにより吸収されるので、
防食体は保持部の接触面に常に押圧される。このため、
前記保持部と防食体の接触部には、腐食生成物による絶
縁性の皮膜が形成されたり、腐食生成物の蓄積層が形成
されることがなく、防食体と保持部、つまりバイメタル
側との導通が長期にわたって保障される。ここで、前記
接触部を除く防食体の全面に腐食生成物による皮膜や蓄
積層が形成されるが、これら皮膜および蓄積層はポーラ
ス構造なので、防食体の形が崩れるまで腐食が進行し
て、犠牲陽極としての機能が長期間持続する。よって、
弁装置の耐久性が向上する。
【0008】請求項2の第2発明は、第1発明と同様な
弁装置において、ケースに設けた保持部の周面に、防食
体の周面を圧着したことを特徴としている。
【0009】この第2発明によれば、保持部に防食体が
圧着により固定されるので、第1発明のように弾接部材
を必要とすることなく、簡単な構成で同様の作用効果が
得られる。
【0010】請求項3の第3発明に係る混合弁装置は、
蒸気が流入する蒸気入口と、冷水が流入する冷水入口
と、前記蒸気と冷水を混合して温水を作る混合室と、そ
の温水が流出する温水流出口と、前記混合室へ蒸気を導
入する導入口の開度を調節するメイン弁と、冷水の一部
を導入して、その圧力により前記メイン弁を駆動するメ
イン弁駆動部材と、温度調節部材の操作に応じてメイン
弁駆動用の冷水圧力を調整することによりメイン弁を駆
動するパイロット弁と、温水に接触してその温度変化に
応じてパイロット弁の開度を変化させるバイメタルと、
前記温水に接触して犠牲陽極を形成する防食体と、前記
バイメタルを収納するケースに設けられて、前記防食体
を収納する保持部と、前記防食体を保持部の接触面に押
圧する弾性部材とを備えている。
【0011】この第3発明によっても、防食体をケース
の保持部に弾性部材により大きな面圧で弾性的に押圧し
ているので、防食体とケース側との導通が長期にわたっ
て保障され、防食体の犠牲陽極としての機能が長期間持
続する。よって、混合弁装置の耐久性が向上する。
【0012】請求項4の第4発明にかかる混合弁装置
は、第3発明と同様な弁構成において、ケースに設けた
保持部の周面に、防食体の周面を圧着したことを特徴と
している。
【0013】この第4発明によれば、保持部に防食体が
圧着により固定されるので、第3発明のように弾接部材
を必要とすることなく、簡単な構成で同様の作用効果が
得られる。
【0014】以上の第3,第4発明においては、前記防
食体を、前記バイメタルから温水の流出方向とほぼ直交
する方向に偏位して配置することが好ましい。このよう
にすれば、防食体での腐食物が遊離しても温水とともに
流れるので、バイメタルにかみ込まれるおそれが少な
い。
【0015】第3発明の好ましい実施形態では、前記ケ
ースが、バイメタルを収納し、パイロット弁を制御する
制御ロッドを軸方向に移動自在に収納するスリーブと、
このスリーブに連結されて制御ロッドの端部を支持する
パイロットガイドとを備え、このパイロットガイドの中
心部に設けられて制御ロッドの嵌合孔を形成する突部
と、前記パイロットガイドの外周部に形成された外周突
壁とにより、凹所を形成して、この凹所の底面に防食体
を弾性部材により圧接させている。
【0016】また、第4発明の好ましい実施形態では、
第3発明の実施形態と同様な構成において、前記パイロ
ットガイドの中心部に制御ロッドの嵌合孔を形成する突
部を設け、その外周面にリング状に形成した防食体の内
周面を圧着している。
【0017】以上2つの各実施形態によれば、混合弁装
置の構成部品であるパイロットガイドを有効利用しなが
ら、防食体を強固に保持できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を詳述する。図1ないし図4は混合弁装置についての第
1実施形態を示す。図1において、混合弁装置のボデー
1には、矢印Aのように蒸気が供給される蒸気入口2と
矢印Bのように冷水が供給される冷水入口3とが、図3
に示すように、相対向してそれぞれ開口するとともに、
図1に示すように、内部には温水を作る混合室4が形成
され、この混合室4に連通して温水通路5と、その出口
つまり温水吐出口50が形成されている。
【0019】冷水入口3からの冷水は、図2に示すよう
に、前記混合室4内に通路11で通じている。蒸気入口
2の内方には、蒸気を混合室4内に導く導入口10bが
形成され、この導入口10bは、図1の前記温水吐出口
50の下流に接続された図示しない吐出弁の操作用ハン
ドル(吐出ハンドル)を開かない限りばね13付のメイ
ン弁12で閉じられている。吐出ハンドルが閉じた状態
では、冷水Bが冷水入口3から通路11と混合室4内を
通じて温水通路5に流入している。この冷水Bが、蒸気
に先行して温水吐出口50から吐出されることにより、
安全が確保される。
【0020】前記ボデー1の上部には、ダイヤフラム
(メイン弁駆動部材)21とその復帰用スプリング22
が設けられており、ダイヤフラム21の周縁部が上蓋2
3との間で挟持され、上蓋23とダイヤフラム21との
間に、感圧室6が形成されている。この感圧室6には、
冷水入口3からの冷水Bが、図示しない通路を通り、ス
クリーン7を経て、さらに図示しない通路を通って流入
する。
【0021】前記冷水入口3からの冷水Bは、スクリー
ン7を経てさらに、図4に示すパイロット用第1通路R
1 からパイロット弁装置PVに送られ、その第2通路R
2 に導入される。第2通路R2 は、大・小の通路r1
2 を備え、通路r1 の奥には、パイロット弁装置PV
の弁体(パイロット弁)40がばね51で押されて配置
されている。弁体40はボールからなり、調温ハンドル
(温度調節部材)41とともに回転して矢印XまたはY
方向に移動される弁座38に対向するが、その対向隙間
Lは、調温ハンドル41の矢印X方向(高温方向)への
操作につれて大きくなる。弁体40は、後述のバイメタ
ルを収納するケース27内に挿通された感温制御ロッド
9の先端ピン9bにばね51のばね力で押し付けられて
おり、この先端ピン9bの軸方向への移動により、弁体
40と弁座38の相対位置が変化して、両者間の流体通
路である前記隙間Lが増減する。
【0022】弁座38の背後(図4の右側)の空間から
ケース27を貫通して第3通路R3が形成され、これは
図1の感圧室6内に連通している。ここで、図4のケー
ス27の先端は、温水通路5内に臨んでおり、同通路5
内の流体(温水)が、対向側面に四角形(あるいは円
形)に開口した通孔27aを通じて内部空間28に通じ
るようになっている。制御ロッド9の外周には、ケース
27の内部空間28内に位置するようにドーナツ状のバ
イメタル33が配列されるとともに、この内部空間28
には、ロッド9をY方向に押すようにばね31が配置さ
れている。これが自動調温機構を構成している。
【0023】前記バイメタル33は、2枚で1組のもの
が軸方向に沿って複数組配置され、各組の間にスペーサ
34が配置されている。それぞれのバイメタル33は、
高膨張側であるFe,CrおよびNiからなる合金層と
低膨張側となるFeおよびCrからなる合金層とを貼り
合わせた2層構造の本体とされ、その保護層として、N
i等のメッキ層が表面に形成されてなっている。このバ
イメタル33の一対を背中合わせにして、前記高膨張側
が外側に、低膨張側が内側にくるように配置すると、高
温のとき、実線で示すようにそり返って受皿状になるの
で、軸方向にその変形に伴う力が発生する。低温のとき
は、平板状になり、バイメタル33,33間の軸方向距
離が短くなる。
【0024】ここで、同混合弁装置の作動を説明する。
温水を使用しない時、図1の温水吐出口50に接続され
た吐出弁(図示せず)を閉止することにより、同弁の温
水出口は閉塞されており、この状態で、図2の混合室4
および温水通路5には、冷水入口3からの冷水Bが通路
11を通って流入している。この時、ダイヤフラム(メ
イン弁駆動部材)21は上方に押し上げられてメイン弁
12は閉止し、蒸気入口2からの蒸気Aは混合室4内へ
の流入を止められている。図4のバイメタル33は通孔
27aを通じて感温し、同図のように皿ばねを重ねた状
態からそれぞれが偏平になった積層状態になっている結
果、ばね31により感温制御ロッド9が弁体40をY方
向に押し出した状態になっている。
【0025】そこで、吐出ハンドルが温水使用のため開
き操作されると、図2の混合室4及び温水通路5内の冷
水が排出され、これにより、内部圧力が低下する一方、
冷水入口3から図1のスクリーン7を経て、さらに図4
の第1および第2通路R1 ,R2 を通じて流入する冷水
が、大きくなっている隙間Lを経て、第3通路R3 から
図2の感圧室6内に流入する。その圧力によりダイヤフ
ラム21は下動し、シャフト8cを介してメイン弁12
が開かれる。その結果、蒸気入口2から導入口10bを
通じて混合室4内に蒸気が流入し、冷水と混合して温水
となり、この温水が図1の温水吐出口50から矢印Cの
ように吐出される。
【0026】温水の温度調節は調温ハンドル41の操作
によりなされる。調温ハンドル41を図4のX方向に操
作すると、冷水はR1 〜R3 を経て図2の感圧室6内に
作用してメイン弁12を開く結果、蒸気の流入量が多く
なって温水が高温になる。
【0027】温水の温度は、図4の通孔27aを通じて
バイメタル33が常時感知し、設定温度よりも高温にな
ると、軸方向の幅が大きくなる方向に変形して感温制御
ロッド9をX方向に移動させ、これにより、図1の感圧
室6内への冷水の流入を抑制し、メイン弁12の開度を
絞るようにして蒸気の混合室4内への流入量を減少さ
せ、温水の温度を低下させる。吐出ハンドルを閉止して
温水の吐出を止めると、混合室4内の圧力が高まり、ダ
イヤフラム21は押し上げられる。ダイヤフラム21が
押し上げられて元の状態に戻ると、メイン弁12が閉止
される。この際、弁体40は、バイメタル33が未だ延
びている関係で、図4の隙間Lは小さい状態になってい
る。
【0028】図4に示すように、前記バイメタル33が
内蔵されるケース27に保持部29を形成し、その内部
に防食体45を収納させて、これを弾性部材44を介し
て保持部29に面接触状態となるように押圧させる。前
記防食体45は、犠牲陽極として機能するように、バイ
メタル33よりもイオン化傾向の大きい例えばZn、M
g、Alなどの金属、またはこれらのうちの2つ以上か
らなる合金で形成する。また、前記バイメタル33と防
食体45は、制御ロッド9とケース27を介して常時電
気的に接続され、両者間の電位差により、イオン化傾向
の大きい防食体45側において腐食を発生させる。
【0029】より詳しく説明すると、前記ケース27
は、図5のように、弁体40を制御する制御ロッド9を
軸方向に移動自在に収納するスリーブ42と、これに螺
合されてロッド9の端部を支持するパイロットガイド4
3とにより構成する。このガイド43の中心部には制御
ロッド9の嵌合孔43aを形成する突部43bを、また
ガイド43の外周部には突部43bと対向状に外周突壁
43cを突部43bと同心状に一体形成して、これらの
間に保持部29となる凹所43dを形成する。この凹所
43dにリング状の防食体45を挿入し、突部43b上
に弾性部材44としてステンレス製などのプッシュナッ
トを圧入することにより、防食体45の外端部を内方に
押圧して、その内端面を凹所43dの内方底面43eに
面接触状態に圧接させる。
【0030】前記プッシュナット44は、図6に示すよ
うに、薄肉の円板部44aと、その内部に一体に設けら
れた複数の係合片44bとを備えている。各係合片44
bは、先端が中心方向に延び、かつ全体が軸心線方向外
方に向かって傾斜している。そして、防食体45が挿入
された突部43bの外方側に、各係合片44bを押し込
ので係止することにより、その弾性力で円板部44aを
介して防食体45を凹所43dの底面43eに常に圧接
するように保持させる。
【0031】図7に示す第2実施形態では、弾性部材4
4としてばね座金を用い、防食体45が挿入される突部
43bの外端側に雄ねじ部43fを形成している。そし
て、防食体45の外方側にばね座金44を挿入して、ね
じ部43fに固定ナット46をねじ込むことにより、ば
ね座金44を介して、防食体45を凹所43dの底面4
3eに常に弾性的に圧接するように保持させる。
【0032】以上により、温水通路5内に臨みバイメタ
ル33よりもイオン化傾向の大きい防食体45側に腐食
が集中することになって、バイメタル33での腐食の進
行が防止される。このとき、防食体45は、その端面が
弾性部材44により凹所43dの内方底面43eに大き
な面圧で面接触状態に圧接される。しかも、熱膨張など
で防食体45が変形することがあっても、この変形は弾
性部材44が弾性変形することにより吸収されるので、
防食体45は底面43eに常に圧接される。このため、
防食体45の底面43eへの面接触部には、腐食生成物
による皮膜や、腐食生成物の蓄積層が形成されることな
く、防食体45とパイロットガイド43、つまりバイメ
タル33側との導通が長期にわたって保障される。この
とき、前記面接触部を除く防食体45の全面に、腐食生
成物による皮膜や蓄積層が形成されるが、これら皮膜お
よび蓄積層はポーラス構造なので、防食体45の形が崩
れるまで腐食が進行されて、この防食体45の犠牲陽極
としての機能が長期間持続する。
【0033】また、前記防食体45は、弾接部材44を
使用することなく、図8の第3実施形態に示すように、
前記凹所43dの内部で突部43bの外周に、この突部
43bの外径よりも若干小径の内径を持つリング状とし
た防食体45を圧入して、突部43bの外周面に防食体
45の内周面を圧着させることにより、この防食体45
の内周面と突部43bの外周面とを常に面接触状態に保
持させるようにしてもよい。なお、防食体45の外周面
をパイロットガイド43の外周突壁43cの内周面に圧
着させてもよい。また、凹所43dは必ずしも形成する
必要はなく、パイロットガイド43から単に突部43b
を突出させて、これの外周に防食体45を圧入させても
よい。このようにすれば、簡単な構成で前記場合と同様
の作用効果が得られる。
【0034】以上の混合弁装置において、温水は、図4
の紙面に直交する方向で裏面方向Cに流れるが、防食体
45は、バイメタル33との位置関係において温水流出
方向Cと直交する方向に偏位し、かつバイメタル33か
ら離間させて配置されている。同防食体45とバイメタ
ル33とは、前記温水流出方向Cに直交する線上だけで
なく、この線上から多少ずれていてもほぼ直交する方向
であればよい。なお、以下の場合でも同様であるが、防
食体45は複数枚であってもよい。この場合、防食体4
5の相互間にスペーサによる間隙を設けることがある。
【0035】以上のように、バイメタル33と防食体4
5を温水流出方向Cと直交方向に偏位させることによ
り、防食体45から遊離した腐食物が温水とともに流れ
出てバイメタル33に至るおそれが少ない。その結果、
腐食物がバイメタル33間に挟まってバイメタルの作動
に支障をきたす不具合の発生が少くなる。
【0036】なお、図1に示すように、混合室4の一方
端には盲プラグ15が螺合されているが、このプラグ1
5は、使用目的に応じて図1の温水吐出口50側に付け
換えることもあり、また、いずれの開口にもプラグ15
を装着せずに、混合室4の両端方向を共に開放して配管
を接続することもある。さらに、前記パイロット弁装置
PVは、ボールからなる弁体40を備えているが、本発
明は他のタイプの弁、たとえば弁体がスプール(弁座)
に対してその軸方向にスライドするスライド弁にも適用
することができる。
【0037】図9は、弁装置の一種である温度制御弁に
本発明を適用した第4実施形態を示している。この温度
制御弁は、蒸気利用系からの復水を排出する蒸気管DP
の端部に取り付けられて、温水タンク内Tに入れられる
もので、蒸気管DPに接続される上部ケース60と下部
ケース61とが上下方向に着脱自在にねじ結合されてい
る。上部ケース60の下部中央には、弁座62がねじ結
合される一方、下部ケース61の下部に調整用ロッド6
3がねじ結合されて、ナット71で回り止めされてい
る。前記弁座62の中央部には弁座面62aが形成さ
れ、さらに、周壁部には複数の流出孔62bが形成され
ている。前記下部ケース61は、図10に示すように、
円形断面を有しており、その外周壁61aの相対向する
2ヵ所に、開口72が形成されている。
【0038】図9の調整用ロッド63の内端の支持孔7
3には、バイメタル64を外周に備えた制御ロッド65
の後端部65aが嵌め込まれており、この制御ロッド6
5の前端部65bに弁体66が連結されている。この弁
体66は弁座62に開閉可能に対向しており、弁体66
に嵌め込まれたばね受け67と弁座62との間にばね6
8が設けられている。前記ばね受け67は、弁座62と
バイメタル64との間に位置して、弁座62の流出孔6
2bから流出した蒸気または高温の復水が直接バイメタ
ル64にかかるのを防止している。
【0039】前記下部ケース61には、同心状に挿入孔
74が形成されており、この挿入孔74に有底筒形のパ
ンチングプレートからなる仕切部材69が挿入され、そ
の上部の開口端部69aが上ブロック60で押さえ付け
られて、下部ケース61に着脱自在に装着されている。
こうして、仕切部材69の内方に混合室77が形成され
ている。また、前記弁座62の上流側開口にも、パンチ
ングプレートからなるフィルタ75が取り付けられてい
る。
【0040】同温度制御弁には、蒸気管DPから蒸気ま
たは高温の復水が矢印V方向に導入され、また温水タン
ク内Tの水は、下部ケース61の開口72を通って混合
室77に満たされている。この状態で開弁すると、蒸気
または高温の復水が、弁体66と弁座面62aとの隙間
から流出孔62bを通って混合室77に流出して水と混
合され、さらに、一部は仕切部材69の小孔からなる通
路69bを通って外方へ吹き出されて水と混合される。
こうして、温水タンクT内の水の温度が下がったとき、
その温度を上げるように作用する。この温水に接触する
バイメタル64の変形力により弁体66を弁座面62a
に押し付ける方向に押圧し、温水が高温時は閉弁して蒸
気と復水の流出を防ぎ、低温時にのみ開弁して矢印H方
向に温水および蒸気を排出する。これによって、温水タ
ンクT内の温水の温度が一定値に制御される。
【0041】このような温度制御弁においても、前記下
部ケース61内の仕切部材69の底壁と対面する個所に
保持部55が凹入状に形成され、この保持部55に犠牲
陽極となる防食体45が収納されている。この場合も、
防食体45はバイメタル64よりもイオン化傾向の大き
い前記のような金属により形成する。また、防食体45
は、凹入状とされた保持部55の中心部に下部ケース6
1と一体形成された突部61bに挿嵌させ、図6に示し
たような弾性部材44を用いて防食体45を保持部55
の内方底面に面接触状態に圧接させる。このとき、前記
防食体45は、弾性部材44を用いることなく、突部6
1bの外周面または外周壁61aの内周面に圧入させて
もよい。
【0042】以上の温度制御弁によっても、防食体45
と下部ケース61側との導通が長期にわたって保障さ
れ、この防食体45の犠牲陽極としての機能が長期間持
続する。なお、下部ケース61とともに防食体45も外
れ、仕切部材69を外せば、防食体45を下部ケース6
1から取り外して交換することが可能になっている。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、防食体
の犠牲陽極としての機能を長期間にわたって発揮させ、
バイメタルの腐食を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る混合弁装置を示す
一部切欠斜視図である。
【図2】同混合弁装置の縦断面図である。
【図3】同混合弁装置をその上蓋およびダイヤフラムを
取り外した状態で示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】同混合弁装置に用いる防食体を弾性部材で保持
した構造を示す要部の縦断面図である。
【図6】同弾性部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示す要部の縦断面図で
ある。
【図8】本発明の第3実施形態を示す要部の縦断面図で
ある。
【図9】本発明の第4実施形態を示す要部の縦断面図で
ある。
【図10】図9のIX−IX線に沿った断面図である。
【符号の説明】 2…蒸気入口、3…冷水入口、4…混合室、9…制御ロ
ッド、10b…導入口、12…メイン弁、21…メイン
弁駆動部材(ダイヤフラム)、27,61…ケース、2
9,55…保持部、33,64…バイメタル、38,6
2…弁座、40,66…弁体(パイロット弁)、41…
温度調節部材(調温ハンドル)、42…スリーブ、43
…パイロットガイド、43a…嵌合孔、43b…突部、
43c…外周突壁、43d…凹所、43e…凹所の底
面、44…弾性部材、45…防食体、50…温水流出
口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H057 AA04 BB33 DD12 EE03 FA24 FC03 FC08 FD03 HH03 HH13 3H067 AA04 CC22 CC24 DD05 DD33 DD35 EC08 ED07 ED10 ED20 FF01 GG13 4K060 AA02 BA13 BA43 BA45 EA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体通路を開閉する弁装置であって、 温水に接触してその温度変化に応じて弁体と弁座の相対
    位置を変化させることにより両者間の流体通路の通路面
    積を増減させるバイメタルと、 前記温水に接触して犠牲陽極を形成する防食体と、 前記バイメタルを収納するケースに設けられて、前記防
    食体を収納する保持部と、 前記防食体を保持部の接触面に押圧する弾性部材とを備
    えた弁装置。
  2. 【請求項2】 流体通路を開閉する弁装置であって、 温水に接触してその温度変化に応じて弁体と弁座の相対
    位置を変化させることにより両者間の流体通路の通路面
    積を増減させるバイメタルと、 前記温水に接触して犠牲陽極を形成する防食体と、 前記バイメタルを収納するケースに設けられて、前記防
    食体を収納する保持部とを備え、 前記防食体の周面が保持部の周面に圧着されている弁装
    置。
  3. 【請求項3】 蒸気が流入する蒸気入口と、 冷水が流入する冷水入口と、 前記蒸気と冷水を混合して温水を作る混合室と、 その温水が流出する温水流出口と、 前記混合室へ蒸気を導入する導入口の開度を調節するメ
    イン弁と、 冷水の一部を導入して、その圧力により前記メイン弁を
    駆動するメイン弁駆動部材と、 温度調節部材の操作に応じてメイン弁駆動用の冷水圧力
    を調整することによりメイン弁を駆動するパイロット弁
    と、 温水に接触してその温度変化に応じてパイロット弁の開
    度を変化させるバイメタルと、 前記温水に接触して犠牲陽極を形成する防食体と、 前記バイメタルを収納するケースに設けられて、前記防
    食体を収納する保持部と、 前記防食体を保持部の接触面に押圧する弾性部材とを備
    えた混合弁装置。
  4. 【請求項4】 蒸気が流入する蒸気入口と、 冷水が流入する冷水入口と、 前記蒸気と冷水を混合して温水を作る混合室と、 その温水が流出する温水流出口と、 前記混合室へ蒸気を導入する導入口の開度を調節するメ
    イン弁と、 冷水の一部を導入して、その圧力により前記メイン弁を
    駆動するメイン弁駆動部材と、 温度調節部材の操作に応じてメイン弁駆動用の冷水圧力
    を調整することによりメイン弁を駆動するパイロット弁
    と、 温水に接触してその温度変化に応じてパイロット弁の開
    度を変化させるバイメタルと、 前記温水と接触して犠牲陽極を形成する防食体と、 前記バイメタルを収納するケースに設けられて、前記防
    食体を収納する保持部とを備え、 前記防食体の周面が保持部の周面に圧着されている混合
    弁装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4において、前記防食体
    は、前記バイメタルから温水の流出方向とほぼ直交する
    方向に偏位して配置されている混合弁装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記ケースは、前記
    バイメタルを収納し、パイロット弁を制御する制御ロッ
    ドを軸方向に移動自在に収納するスリーブと、このスリ
    ーブに連結されて制御ロッドの端部を支持するパイロッ
    トガイドとを備え、 このパイロットガイドの中心部に設けられて制御ロッド
    の嵌合孔を形成する突部と、前記パイロットガイドの外
    周部に形成された外周突壁とにより、凹所が形成されて
    おり、 前記防食体は前記弾性部材により凹所の底面に圧接され
    ている混合弁装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記ケースは、前記
    バイメタルを収納し、パイロット弁を制御する制御ロッ
    ドを軸方向に移動自在に収納するスリーブと、このスリ
    ーブに連結されて制御ロッドの端部を支持するパイロッ
    トガイドとを備え、 このパイロットガイドの中心部に制御ロッドの嵌合孔を
    形成する突部が設けられ、 前記防食体は、リング状に形成されて、その内周面が突
    部の外周面に圧着されている混合弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111473A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Miyawaki Inc 感温弁
WO2018170380A1 (en) * 2017-03-16 2018-09-20 Drain Dome LLC Cover assembly for a floor drain

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