JP2000035115A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2000035115A
JP2000035115A JP10205501A JP20550198A JP2000035115A JP 2000035115 A JP2000035115 A JP 2000035115A JP 10205501 A JP10205501 A JP 10205501A JP 20550198 A JP20550198 A JP 20550198A JP 2000035115 A JP2000035115 A JP 2000035115A
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Japan
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line pressure
hydraulic
value
pressure
learning correction
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JP10205501A
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Hajime Kashiwase
一 柏瀬
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】油圧センサを用いたフィードバック制御を行う
ことなく、簡単な構造でライン圧制御弁の劣化を補償す
る学習補正量を設定する。 【解決手段】ライン圧を生成するライン圧制御弁を制御
作動させる基本制御値DBが、ライン圧油路に臨まされ
た油圧スイッチの切換動作圧相当の設定値Dsを示した
とき油圧スイッチの出力信号を読込み(S23)、ON信号
が出力されているときは学習補正量Wを設定量ΔWだけ
減算した値で更新し(S24)、OFF信号が出力されてい
るときは学習補正量Wを設定量ΔWだけ加算した値で更
新する(S27)。この学習補正量Wの更新を油圧スイッチ
の出力信号が反転するまで繰り返し行う。そして、この
学習補正量Wを基本制御値DBに加算して、ライン圧制
御弁に対する制御値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ライン圧制御弁の
経年劣化を補償する学習補正値を油圧スイッチの切換動
作に基づいて設定する自動変速機の油圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機を作動させるための作
動油圧が、エンジン駆動式オイルポンプからの吐出圧を
元圧としている場合、先ず、このポンプ吐出圧をライン
圧制御弁により調圧して、運転条件に対応するライン圧
を生成する。
【0003】一般に、ライン圧制御弁は、デューティソ
レノイド或いはリニアソレノイドにより制御動作される
が、デューティ比、或いは制御電流は、ソレノイドとラ
イン圧制御弁との特性から、一定の制御値に対して一定
のライン圧が生成されるように設定されている。従っ
て、制御値とライン圧との間には一定の相関がある。
【0004】このライン圧制御弁、及びそれを作動させ
るソレノイドは、摩耗等により経年劣化し、又制御され
るオイルの粘性も劣化する。これらが劣化すると作動特
性が変化し、設定した制御値に対して期待通りのライン
圧を得ることが困難になる。
【0005】そのため、一般的には、ライン圧制御弁の
劣化特性を考慮し、一定のマージンを与えた状態でライ
ン圧を設定したり、或いは油圧センサにより実際のライ
ン圧を検出し、このライン圧が、運転状態に基づいて設
定した目標ライン圧に収束するようにフィードバック制
御する技術が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ライン圧に一
定のマージンを与える技術では、経年劣化によりライン
圧が想定した圧力よりも低くなってしまった場合には、
クラッチ等に滑りが生じ、油温の上昇やクラッチの摩耗
が生じてしまうため、ライン圧の初期値をある程度高い
値に設定しなければならない。
【0007】その結果、オイルポンプの定格容量を増大
させる必要があり、ポンプ駆動力の増加によるエンジン
負荷の増大を招き、更にライン圧力により摺接される接
触面の摩擦抵抗が増大する等、伝達効率の低下による燃
費の悪化を招いてしまう。
【0008】この点、ライン圧をフィードバック制御す
る技術では、常に必要油圧に近い油圧で作動させること
が可能であるため、オイルポンプの必要駆動力、及び摺
接面における摩擦抵抗を最小限に抑制することができ
る。
【0009】しかし、油圧センサは、比較的高価であ
り、更に、出力信号を演算処理する回路が必要となるた
め、システム全体のコストが割高になってしまう不都合
がある。更に、ライン圧制御弁の劣化をフィードバック
制御で補償しようとすると、制御値の収束性が悪くな
り、良好なライン圧制御を行うことが困難になる。
【0010】これに対処するに、例えば特公平5−48
391号公報には、ライン圧油路にアイドル等の一定条
件下での必要最低限の圧力をしきい値としてON/OF
Fする油圧スイッチを臨ませ、アイドル運転時の油圧ス
イッチの出力信号を読込み、OFF信号が出力されてい
るときは、ライン圧が必要最低限の圧力を満たしていな
いと判断し、油圧スイッチがONするまで、ライン圧制
御弁を作動させるソレノイド弁を駆動する制御値に対す
る補正率を更新し、油圧スイッチがONしたときの補正
率で、以後の制御値を一律にシフトさせる技術が開示さ
れている。
【0011】しかし、この先行技術では、アイドル条件
が満足されたときにのみ補正率を学習するようにしてい
るので、学習の機会が少なく、劣化に対する学習補正の
追従性が悪い。
【0012】本発明は、上記事情に鑑み、学習の機会を
多く設定することでライン圧制御弁の劣化に対する学習
補正の追従性を良好にし、しかも油圧センサを用いるこ
となく簡単な構造で、ライン圧制御弁の劣化を高精度に
補償することのできる自動変速機の油圧制御装置を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による第1の自動変速機の油圧制御装置は、ライ
ン圧制御弁にて調圧したライン圧を制御要素に供給して
該制御要素を作動させるものにおいて、上記ライン圧を
供給するライン圧油路に油圧スイッチを臨ませ、上記ラ
イン圧制御弁を作動させる基本制御値が上記油圧スイッ
チの切換動作圧相当の設定値を示したときの該油圧スイ
ッチの出力信号を読込み、上記基本制御値を補正する学
習補正値を上記油圧スイッチの出力信号が反転するまで
更新することを特徴とする。
【0014】第2の自動変速機の油圧制御装置は、第1
の自動変速機の油圧制御装置において、前記油圧スイッ
チの切換動作圧相当の設定値は走行頻度の高い領域の設
定圧力に相当する値であることを特徴とする。
【0015】第3の自動変速機の油圧制御装置は、第1
或いは第2の自動変速機の油圧制御装置において、前記
基本制御値が予め設定した故障判定上限値以上を示した
とき、上記油圧スイッチの出力信号を読込み、オフ信号
が出力されているときは該油圧スイッチの故障と判定す
ることを特徴とする。
【0016】第4の自動変速機の油圧制御装置は、第1
〜第3の何れかに記載の自動変速機の油圧制御装置にお
いて、前記基本制御値が予め設定した故障判定下限値以
下を示したとき、上記油圧スイッチの出力信号を読込
み、オン信号が出力されているときは該油圧スイッチの
故障と判定することを特徴とする。
【0017】すなわち、第1の自動変速機の油圧制御装
置では、ライン圧を生成するライン圧制御弁を作動させ
る制御値が、ライン圧油路に臨ませた油圧スイッチの切
換動作圧相当の設定値を示したとき、学習が開始され、
先ず油圧スイッチの出力信号を読込み、ライン圧制御弁
を作動させる基本制御値を補正する学習補正値を油圧ス
イッチの出力信号が反転するまで更新する。そして、油
圧スイッチが切換動作したときの学習補正値にて基本制
御値を補正してライン圧制御弁を作動させる制御値を設
定する。
【0018】第2の自動変速機の油圧制御装置では、第
1の自動変速機の油圧制御装置において、前記油圧スイ
ッチの切換動作圧相当の設定値を走行頻度の高い領域の
設定圧力に相当する値に設定することで、ライン圧制御
弁の標準的な運転領域での劣化を高精度に補償する。
【0019】第3の自動変速機の油圧制御装置では、第
1或いは第2の自動変速機の油圧制御装置において、前
記基本制御値が予め設定した故障判定上限値以上を示し
たとき、上記油圧スイッチの出力信号を読込み、オフ信
号が出力されているときは油圧スイッチの故障と判定す
る。
【0020】第4の自動変速機の油圧制御装置では、第
1〜第3の何れかに記載の自動変速機の油圧制御装置に
おいて、前記基本制御値が予め設定した故障判定下限値
以下を示したとき、上記油圧スイッチの出力信号を読込
み、オン信号が出力されているときは油圧スイッチの故
障と判定する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施の形態を説明する。図5に無段変速装置の全体概略
図を示す。同図の符号1はエンジンで、このエンジン1
の出力軸が発進クラッチであるトルクコンバータ2を介
して動力伝達装置3に設けた前後進切換装置4に連設さ
れている。
【0022】又、この前後進切換装置4が、自動変速機
の一例である無段変速機5のプライマリプーリ5aを軸
支するプーリ入力軸5bに連設され、このプーリ入力軸
5bと平行に配設されているプーリ出力軸5cに、制御
要素としてのセカンダリプーリ5dが軸着され、この両
プーリ5a,5d間に駆動ベルト5eが巻装されてい
る。
【0023】更に、上記プーリ出力軸5cが終減速装置
6の減速歯車列6a、及びデファレンシャル装置6bを
介して、前輪或いは後輪の駆動輪7aを軸着する駆動軸
7に連設されている。
【0024】上記無段変速機5は、プライマリプーリ5
aに併設するプライマリ油圧室5fに供給されるプライ
マリ圧Ppによりプーリ溝幅が設定される。又、セカン
ダリプーリ5dに併設するセカンダリ油圧室5gに供給
されるセカンダリ圧(ライン圧Ps)により、トルク伝
達に必要な張力をセカンダリプーリ5dに付与する。プ
ライマリ圧Pp、及びセカンダリ圧(ライン圧Ps)は
後述するトランスミッション制御装置(TCU)16に
おいてエンジン運転状態に基づいて設定される。
【0025】尚、両プーリ5a,5dには、各プーリ5
a,5dの回転数を検出するプライマリプーリ回転数セ
ンサ8、セカンダリプーリ回転数センサ9が併設されて
いる。
【0026】次に、無段変速機5を制御作動させる油圧
を供給する油圧回路の構成について説明する。図5の符
号11はエンジン駆動式オイルポンプで、エンジン運転
時の動力でオイルパン12に貯留されているオイルを吸
引し、高圧のポンプ吐出圧を生成する。このオイルポン
プ11の吐出口にライン圧制御弁13、変速制御弁1
4、及びセカンダリプーリ5dに併設するセカンダリ油
圧室5gがライン圧油路15、ライン圧油路18、セカ
ンダリ圧油路17を介してそれぞれ接続されている。
【0027】オイルポンプ11のポンプ吐出圧はライン
圧制御弁13により変速比に応じたライン圧Psに調圧
されてセカンダリ油圧室5gへ供給し、セカンダリプー
リ5dにトルク伝達に必要な張力を付与する。同時に、
このライン圧Psを変速制御弁14へ供給する。
【0028】変速制御弁14では、ライン圧Psを減圧
して、変速比に対応するプライマリ圧Ppを生成してプ
ライマリ油圧室5fへ供給し、プライマリプーリ5aの
溝幅を可変させて変速比を制御する。
【0029】ライン圧制御弁13、変速制御弁14が、
TCU16から出力される制御デューティ比或いは制御
電流値等により作動するセカンダリバルブソレノイド1
3a、プライマリバルブソレノイド14aにより動作さ
れる。
【0030】上記ライン圧油路15には、実際のライン
圧Psを直接検出し、設定油圧以上でON動作する油圧
スイッチ21が臨まされ、又、オイルパン12に油温を
検出する油温センサ24が臨まされている。
【0031】図6に示すように、油圧スイッチ20の本
体部20aが油圧回路にシールリング20bを介して螺
着されており、この本体部20aの内方に圧力検出部で
ある薄膜状の導電性を有する可動接点21aが挟持さ
れ、この可動接点21aに圧力検出ロッド22の先端が
当接され、この圧力検出ロッド22の後端が、ライン圧
油路15に進退自在に臨まされている。又、可動接点2
1aに対峙する固定接点21bが本体部20aに絶縁部
材23を介して固設されており、この固定接点21bに
接続する端子21cが外部に露呈され、TCU16に接
続されている。
【0032】この油圧スイッチ20は、走行頻度の比較
的高い状態での最低油圧と最大油圧の中間付近の比較的
低い圧力をしきい値としてON、OFF作動するように
設定されており、本実施の形態では、例えば15Kg/
cm2をしきい値としている。
【0033】図7に示すように、TCU16は、CPU
31、ROM32、RAM33、バックアップRAM3
4、及びI/Oインターフェイス35がバスラインを介
して互いに接続されたマイクロコンピュータを中心とし
て構成され、その他、各部に安定化電源を供給する定電
圧回路36、I/Oインターフェイス35に接続される
駆動回路37、及びA/D変換器38等の周辺回路が内
蔵されている。
【0034】上記定電圧回路36は、2回路のリレー接
点を有する電源リレー39の第1のリレー接点を介して
バッテリ40に接続され、このバッテリ40に電源リレ
ー39のリレーコイルがイグニッションスイッチ41を
介して接続されている。
【0035】又、上記定電圧回路36は、電源リレー3
9の第1のリレー接点を介してバッテリ40に接続され
ているのみならず、直接、バッテリ40に接続されてお
り、イグニッションスイッチ41がONされて電源リレ
ー39のリレー接点が閉となるとTCU16内の各部に
電源を供給する一方、イグニッションスイッチ41のO
N,OFFに拘らず、常時、バックアップRAM34に
バックアップ用の電源を供給する。尚、上記電源リレー
39の第2のリレー接点からは、各アクチュエータへの
電源線が延出されている。
【0036】上記I/Oインターフェイス35の入力ポ
ートには、油圧スイッチ21、設定クランク角毎にクラ
ンクパルスを出力するクランク角センサ51、シフトレ
バーのセット位置を検出するシフトポジションセンサ5
2、ブレーキレバー踏込みでON信号を出力するブレー
キスイッチ53、プライマリプーリ回転数センサ8、セ
カンダリプーリ回転数センサ9、イグニッションスイッ
チ41、エアコンスイッチ54等が接続されており、更
に、A/D変換器38を介してアクセル開度を検出する
アクセル開度センサ55、及び油温センサ24が接続さ
れている。尚、アクセル開度センサ55に代えて、スロ
ットル開度を検出するスロットル開度センサを用いても
良い。
【0037】一方、I/Oインターフェイス35の出力
ポートには、インストルメントパネルに配設されている
インジケータランプ56、ロックアップ時にエンジン出
力をトルクコンバータ2による流体を介さず前後進切換
装置4へ直接出力するためにロックアップクラッチを接
続させるロックアップコントロールソレノイド57、セ
ーフティロックソレノイド58、及びセカンダリバルブ
ソレノイド13a、プライマリバルブソレノイド14a
が接続されている。
【0038】尚、セーフティロックソレノイド58は、
急ブレーキ等で車輪がロックし、無段変速機5に対して
許容限度を超える急激な負荷が伝達されたとき、前後進
切換装置4の動力伝達系を遮断し、駆動輪からエンジン
側への負荷の伝達を遮断することで、エンジンの停止を
防止するものである。
【0039】更に、I/Oインターフェイス35に、燃
料噴射制御、点火時期制御等、エンジン駆動系を制御す
る電子制御装置(ECU)60が双方向通信可能に接続
されていると共に、外部接続用コネクタ61が接続され
ている。
【0040】この外部接続用コネクタ61にシリアルモ
ニタ(携帯型故障診断装置)62を接続することで、T
CU16に入力されるデータ、及び自己診断機能により
バックアップRAM34に格納されているトラブルデー
タを読出し、或いはバックアップRAM34に格納され
ているトラブルデータをクリアすることができる。
【0041】上記TCU16では、ライン圧制御とし
て、先ず、プライマリプーリ回転数Npとセカンダリプ
ーリ回転数Nsとに基づき実変速比iを、 i=Np/Ns …(1) によって算出し、又、エンジン運転状態(エンジン回転
数Neとアクセル開度θ等)に基づいてエンジントルク
Tを算出する。
【0042】そして、実変速比iに基づいて算出した単
位トルク当たりの必要ライン圧PLUとエンジントルク
Tから目標ライン圧PLtを、 PLt=PLU・T …(2) から算出し、この目標ライン圧PLtに対応する制御値
Dをライン圧制御弁13に設けたセカンダリバルブソレ
ノイド13aへ通電し、ポンプ吐出圧を変速比に対応す
るライン圧Psに調圧し、セカンダリプーリ5dに併設
するセカンダリ油圧室5g、及び変速制御弁14等へ供
給する。
【0043】一方、変速制御として、先ず、セカンダリ
プーリ回転数Nsとアクセル開度θとに基づきNs−θ
のマップ参照により目標変速比isを設定し、上記実変
速比iとに基づき、変速速度di/dt、即ち、目標変
速比isと実変速比iとの偏差による制御量を、 di/dt=k(is−i) k:係数 から算出する。
【0044】そして、この変速速度di/dtに対応す
る制御値DLを変速制御弁14のプライマリバルブソレ
ノイド14aへ出力して、上記ライン圧Psを所定の変
速比となるプライマリ圧Ppに減圧し、変速制御弁14
によりプライマリプーリ5aに併設するプライマリ油圧
室5fへ給排油し、変速制御が行われる。
【0045】尚、制御値D,DLは、両ソレノイド13
a,14aがデューティソレノイドバルブの場合には、
デューティ比として設定され、リニアソレノイドバルブ
の場合には、電流値として設定される。
【0046】ここで、上記TCU16で処理されるライ
ン圧制御は、具体的には、図1〜図3に示すフローチャ
ートに従って行われる。図1に示す制御値設定ルーチン
では、先ず、ステップS1において、目標ライン圧PL
tを、上記(1)、(2)式から算出し、ステップS2
で、目標ライン圧PLtに基づきテーブルを補間計算付
きで参照して、目標ライン圧PLtに対応する基本制御
値DBを求める。
【0047】そして、ステップS3へ進み、このステッ
プS3,S4で、基本制御値DBと故障判定上限値DMAX
及び故障判定下限値DMINとを比較する。この故障判定
上限値DMAX、及び故障判定下限値DMINは、油圧スイッ
チ21の故障を判定する値であると共に、学習補正領域
を判定する値ある。即ち、ライン圧制御弁13の経年劣
化に対応して、後述する学習補正量Wを増加或いは減少
させた場合であっても、その変化量はある一定範囲に限
られ、その学習補正領域の上限と下限とをやや越えた値
を故障判定上限値DMAX、及び故障判定下限値DMINとし
て設定したもので、実施の形態では、例えばDMAX=1
8Kg/cm2相当、DMIN=12Kg/cm2相当であ
る。
【0048】上記基本制御値DBが、DMAX<DB<DMI
N、即ち、図4に示すように、学習補正量域Lにあると
きは、ステップS5へ進み、学習補正量更新処理を行
う。
【0049】又、DB≧DMAXのときは、ステップS6へ
進み、油圧スイッチ21の信号を読込み、油圧スイッチ
21からON信号が出力されているか否かを調べ、ON
信号が出力されているときは、油圧スイッチ21が正常
であるためステップS8へジャンプし、又、OFF信号
が出力されてているときは、油圧スイッチ21の故障と
判断し、ステップS9へジャンプする。
【0050】一方、DB≦DMINのときは、ステップS7
へ進み、油圧スイッチ21からOFF信号が出力されて
いるか否かを調べ、OFF信号出力の正常動作のときは
ステップS8へジャンプし、又、ON信号出力の異常動
作のときは、ステップS9へ進み、油圧スイッチ故障処
理を行う。
【0051】ステップS9では、油圧スイッチ故障処理
として、バックアップRAM34に油圧スイッチ21の
故障を表すトラブルデータを格納すると共に、インジケ
ータランプ56を点灯させて、運転者に油圧スイッチ2
1の故障を報らせる。
【0052】そして、ステップS10へ進み、基本制御
値DBに駆動ベルト5eのスリップ防止のための補正量
Ws(固定値)を加算して、制御値Dを設定し(D←D
B+Ws)、ステップS11で、制御値Dをセカンダリ
バルブソレノイド13aへ出力してルーチンを抜ける。
【0053】その結果、油圧スイッチ21が故障した場
合であっても、通常走行を確保することができる。
【0054】上記ステップS5の学習補正量更新処理
は、図2、図3に示す学習補正量更新サブルーチンに従
って行われる。このサブルーチンでは、先ず、ステップ
S21で基本制御値DBと設定値Dsとを比較し、学習
補正量更新条件を判定する。この設定値Dsは油圧スイ
ッチ21のON/OFF切換わりライン圧相当の値で、
本実施の形態では、Ds=15Kg/cm2相当であ
る。
【0055】そして、DB≠Dsのときは、学習補正量
更新条件不成立と判定し、そのままルーチンを抜る。
又、DB=Dsのときは、学習補正量更新条件成立と判
定し、ステップS22へ進む。
【0056】ステップS22以下では、油圧スイッチ2
1が実際にON/OFF動作したときの制御値を調べ
る。
【0057】先ず、ステップS22では、2回目判別フ
ラグFLG1の値(イニシャル値0)を参照し、FLG
1=0の1回目のときは、ステップS23へ進む。
【0058】ステップS23へ進むと、油圧スイッチ2
1の出力信号を読込み、ON信号が出力されているか、
OFF信号が出力されているかを調べる。
【0059】ここで、1回目の油圧スイッチ21からO
N信号が出力されているときは、ステップS24へ進
み、学習補正量Wを設定量ΔW分、減少させた値で更新
し、ステップS25へ進み、修正方向判別フラグFLG
2をクリアし、ステップS26で、2回目判別フラグF
LG1をセットしてルーチンを抜ける。
【0060】一方、1回目の油圧スイッチ21の出力信
号がOFF信号のときは、ステップS27へ進み、学習
補正量Wを設定量ΔW分、増加させた値で更新し、ステ
ップS28へ進み、修正方向判別フラグFLG2をセッ
トして、上記ステップS26へ戻る。
【0061】上記学習補正量Wは、図1に示す制御値設
定ルーチンのステップS8において読込まれ、基本制御
値DBを学習補正量W分だけシフトさせた値で、制御値
Dが設定される。従って、学習補正量Wが減少すれば、
制御値Dが減少し、ライン圧Psが低くなる。逆に、学
習補正量Wが増加すれば、制御値Dが増加し、ライン圧
Psが高くなる。
【0062】そして、2回目のルーチン実行時は、FL
G1=1であるため、ステップS22からステップS2
9へ分岐し、修正方向判別フラグFLG2の値を参照す
る。FLG2=0、即ち、1回目のルーチン実行時の油
圧スイッチ21がON動作しているため、学習補正量W
を減少してライン圧Psを低下させたときは、ステップ
S30へ進み、油圧スイッチ21の出力がONからOF
Fに切換わったか否か否かを調べる。
【0063】油圧スイッチ30の出力信号がOFF信号
に切換わっているときは、現在の学習補正量Wによりラ
イン圧制御弁13の経年劣化が補償されたと判定し、学
習補正量Wを更新することなく、ステップS31へ進
み、2回目判別フラグFLG1をクリアしてルーチンを
抜ける。
【0064】又、1回目のルーチン実行時に学習補正量
Wを設定量ΔW分だけ減少させても、未だ、油圧スイッ
チ21がON信号を出力した状態を維持しているとき
は、ステップS30からステップS32へ分岐し、学習
補正量Wを設定量ΔW分、再度減少させた値で更新し、
上記ステップS31へ戻る。
【0065】一方、上記ステップS29で、FLG2=
1、即ち、1回目のルーチン実行時の油圧スイッチ21
からはOFF信号が出力されているため、学習補正量W
を増加してライン圧Psを上昇させたときは、ステップ
S33へ進み、油圧スイッチ21の出力信号がON信号
に切換わったか否かを調べる。
【0066】油圧スイッチ30の出力信号がON信号に
切換わっているときは、現在の学習補正量Wによりライ
ン圧制御弁13の経年劣化が補償されたと判定し、学習
補正量Wを更新することなく、上記ステップS31へ戻
る。
【0067】又、1回目のルーチン実行時に学習補正量
Wを設定値ΔW分だけ増加させても、未だ、油圧スイッ
チ21からOFF信号が出力され続けているときは、ス
テップS33からステップS34へ分岐し、学習補正量
Wを設定量ΔW分、再度増加させた値で更新し、上記ス
テップS31へ戻る。
【0068】従って、学習補正量Wを減少させてもな
お、油圧スイッチ21からON信号が出力され続けてい
るとき、或いは学習補正量Wを増加させてもなお、油圧
スイッチ21からOFF信号が出力され続けているとき
は、この油圧スイッチ21が反転するまで、即ち、実際
のライン圧が油圧スイッチ21の設定値Dsに収束する
まで、学習補正量Wを設定量ΔW分、演算周期毎に減少
或いは増加させる。
【0069】そして、学習補正量更新サブルーチンが終
了したときは、図1に示す制御値設定ルーチンのステッ
プS8へ進み、基本制御値DBに学習補正量Wを加算し
て、ライン圧制御弁13を作動させるセカンダリバルブ
ソレノイド13aに対する制御値Dを算出する。
【0070】その結果、図4に示すように、油圧スイッ
チ21からON信号が出力されているときは、一点鎖線
で示すように、ライン圧制御弁13の劣化により実際の
ライン圧Psが高圧方向へ変位していると判断して、基
本制御値DBを学習補正量W分、減圧方向へ一律にシフ
トさせ、又、油圧スイッチ21からOFF信号か出力さ
れているときは、2点鎖線で示すように、実際のライン
圧Psがライン圧制御弁13の劣化により低圧方向へ変
位していると判断して、基本制御値DBを学習補正量W
分、増圧方向へ一律にシフトさせることで、ライン圧制
御弁13の劣化を補償し、設定したライン圧Psが生成
されるようにセカンダリバルブソレノイド13aを制御
作動させる。
【0071】このように、本実施の形態では、DB=D
sのときの油圧スイッチ21からの出力信号を読込み、
ON信号が出力されているときはライン圧制御弁13が
高圧側に劣化している可能性があると判断し、又、OF
F信号が出力されているときは低圧側に劣化している可
能性があると判断して、この劣化を補償する学習補正量
Wを設定するようにしたので、油圧センサが不要にな
り、部品コストの低減が図れるばかりでなく、学習の機
会が多くなり、ライン圧制御弁13の劣化を補償する学
習補正量Wによる制御値Dの収束性が良くなる。
【0072】尚、本発明は、上記実施の形態に限るもの
ではなく、例えば、油圧スイッチを2個配設し、一方の
油圧スイッチの設定値を高圧側に設定し、他方の油圧ス
イッチの設定値を低圧側に設定し、基本制御値DBがそ
れぞれの設定値と同一の領域において、学習補正量Wを
更新することで、広範囲な領域で高精度にライン圧制御
弁の劣化を補償することができる。
【0073】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
ライン圧制御弁を作動させる基本制御値が油圧スイッチ
の切換動作圧相当の設定値を示したときの油圧スイッチ
の出力値を読込み、この油圧スイッチの出力信号が反転
するまで基本制御値を補正する学習補正値を更新するよ
うにしたので、学習補正の機会が多くなり、学習補正に
よるライン圧制御弁の劣化に対する追従性が良くなり、
ライン圧制御弁の劣化を高精度に補償することができ
る。又、油圧スイッチからの出力信号に基づいて学習す
るようにしているため、構造が簡素化され、システム全
体の低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御値設定ルーチンを示すフローチャート
【図2】学習補正量更新サブルーチンを示すフローチャ
ート(その1)
【図3】学習補正量更新サブルーチンを示すフローチャ
ート(その2)
【図4】油圧スイッチの故障判定領域及び劣化判定領域
を示す説明図
【図5】無段変速装置の全体概略図
【図6】油圧スイッチの断面図
【図7】トランスミッション制御装置の回路構成図
【符号の説明】
5…自動変速機(無段変速機) 5a…制御要素(プライマリプーリ) 13…ライン圧制御弁 15…ライン圧油路 21…油圧スイッチ DB…基本制御値 DMAX…故障判定上限値 DMIN…故障判定下限値 Ps…ライン圧 W…学習補正値(学習補正量)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ライン圧制御弁にて調圧したライン圧を制
    御要素に供給して該制御要素を作動させる自動変速機の
    油圧制御装置において、 上記ライン圧を供給するライン圧油路に油圧スイッチを
    臨ませ、 上記ライン圧制御弁を作動させる基本制御値が上記油圧
    スイッチの切換動作圧相当の設定値を示したときの該油
    圧スイッチの出力信号を読込み、 上記基本制御値を補正する学習補正値を上記油圧スイッ
    チの出力信号が反転するまで更新することを特徴とする
    自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】前記油圧スイッチの切換動作圧相当の設定
    値は走行頻度の高い領域の設定圧力に相当する値である
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記基本制御値が予め設定した故障判定上
    限値以上を示したとき、上記油圧スイッチの出力信号を
    読込み、オフ信号が出力されているときは該油圧スイッ
    チの故障と判定することを特徴とする請求項1或いは2
    に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】前記基本制御値が予め設定した故障判定下
    限値以下を示したとき、上記油圧スイッチの出力信号を
    読込み、オン信号が出力されているときは該油圧スイッ
    チの故障と判定することを特徴とする請求項1〜3の何
    れかに記載の自動変速機の油圧制御装置。
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