JP2000034571A - 表面処理装置 - Google Patents

表面処理装置

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JP2000034571A
JP2000034571A JP10201395A JP20139598A JP2000034571A JP 2000034571 A JP2000034571 A JP 2000034571A JP 10201395 A JP10201395 A JP 10201395A JP 20139598 A JP20139598 A JP 20139598A JP 2000034571 A JP2000034571 A JP 2000034571A
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outlet
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surface treatment
partition
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JP10201395A
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Masayuki Koushiri
雅之 高尻
Koichi Ishida
晃一 石田
Toshihiro Tabuchi
俊宏 田渕
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大面積の基板に対して均等に且つ高速でプラズ
マ処理を施すことができる表面処理装置を提供する。 【解決手段】ケーシング(2) はプラズマ発生電極(5,
5′) を備えたプラズマ発生室(3) と、基板支持台(8)
を備えた基板処理室(4) との二室に画成されている。前
記室(3,4) の隔壁を構成する電極(5′) には複数のプラ
ズマ吹出口(6) が形成されている。このプラズマ吹出口
(6) は、1≧プラズマ吹出方向寸法(L) /最小断面積を
とる部位での開口巾寸法(d) となり、且つ隔壁の面積、
即ち前記プラズマ吹出口(6) の最小断面積の総和Sn /
前記電極(5′) の面積Sp ≦1/3となるノズル形状を
有しているため、複数の吹出口(6) の全てからプラズマ
が均等に吹き出される

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基板への各種表面処
理を行う表面処理装置に関し、更に詳しくは、大面積の
基板に対して均等にプラズマ処理することが可能な表面
処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大面積の基板を一度の処理工程で
表面処理するために、平行平板型プラズマCVD (Chem
ical Vapor Deposition)装置が採用されている。同装置
は、ケーシング内に一対の平板状のプラズマ発生電極が
平行に対向して設けられており、前記プラズマ発生電極
のうち、一方の電極は基板支持台としての機能を兼ね備
えている。前記一方の電極に基板を載置した状態で、両
プラズマ発生電極間に高周波数の電源(13. 56MH
Z の電源)による電圧が印加されると、これら電極間で
放電が行われる。この放電によりプラズマが発生し、原
料ガス、例えばモノシランがプラズマ化により分解さ
れ、前記基板表面にシリコン膜が形成される。この平行
平板型のプラズマCVD装置にあっては、基板を載置す
る平板状の前記プラズマ発生電極の面積を大きくするこ
とで、大面積の基板を一度の成膜処理で成膜することが
できるといった利点を有している。
【0003】しかしながら、従来の平行平板型のプラズ
マCVD装置にあっては、両プラズマ発生電極によりプ
ラズマ化された原料ガスは成膜ガス処理室内に均一に拡
散され、その一部が前記電極上に載置された基板の成膜
に寄与するだけである。このため原料ガスの利用効率が
低く、例えばアモルファスシリコン薄膜や徴結晶シリコ
ン薄膜を基板上に成膜しようとする場合、成膜速度が
0. 01μm/分程度と、投入電力が大きいにもかかわ
らず、成膜速度は遅い。そのため太陽電池などの比較的
膜厚の厚い半導体デバイスを製作するには、更に長時問
を要し、低スループット、高コストの主要因となってい
た。
【0004】そこで、成膜速度を上げるために、多様な
検討がなされたところ、例えば特開昭63−25537
3号公報に開示されているような、ケーシングが高周波
電源に接続された対向する一対のプラズマ発生電極と絶
縁壁とにより囲まれたプラズマ発生室と基板処理室との
2室に画成されている反応装置が提案されている。同装
置は、前記一対のプラズマ発生電極に高周波電源により
高周波電力を投入すると、両電極間でプラズマが発生
し、前記プラズマ発生室内に導入された原料ガスがプラ
ズマ化される。このとき、プラズマ発生室よりも基板処
理室を低圧にすることで、プラズマがジェット流となっ
て前記電極に形成された開口から前記処理室へと噴き出
し、同開口に対向して支持された基板上に導かれる。そ
のため、投入電力を増大させることなく、成膜速度を高
めることができる。更には、成膜速度が高まるにもかか
わらず、薄膜の結晶化も促進され、従来よりも速い成膜
速度で高品質の薄膜を形成することができる。
【0005】このような装置により大面積の基板に対し
て表面処理を施すためには、前記基板を載置して支持す
る基板支持台を例えばベルトコンベアなどの移送手段と
し、前記基板を移送しながら同基板表面に表面処理を施
している。
【0006】また、例えば特開昭63−4957号公報
に開示されたプラズマ装置では、マイクロ波と磁界を印
加し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)放電させてプ
ラズマを発生させるECRプラズマにより、プラズマ処
理を施す。同装置では、プラズマ発生室と基板処理室と
を仕切る隔壁に多数のプラズマ吹出口を形成し、大面積
の基板を基板支持台に載置した状態で、プラズマ処理を
施している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基板を
移送手段により移送しながらプラズマ処理を施す装置で
は、基板の寸法を移送方向に長尺とすることができて
も、移送方向と直交する方向の寸法がある程度の寸法に
限られてしまう。また、基板を移送しながらプラズマ処
理を施すため、静置した状態でプラズマ処理を施す装置
と比べて、基板の安定性や表面処理の均一性に劣るとい
った問題もある。更に、隔壁に多数のプラズマ吹出口を
有する上記公報に開示されたプラズマ装置では、実際に
はプラズマが全ての孔から均一に吹き出されることがな
く、大面積の基板に均等なプラズマ処理を施すことが至
難であった。
【0008】本発明はかかる問題を解決すべくなされた
ものであり、大面積の基板に対して均等に且つ高速でプ
ラズマ処理を施すことができる表面処理装置を提供する
ことを目的とし、複数のプラズマ吹出口の全てから均一
にプラズマを吹き出すことのできる表面処理装置を提供
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用効果】かかる課題
を解決するために、本発明者ら従来の多数の吹出口を有
する表面処理装置において、それら全ての孔から均一な
プラズマの吹き出しがなされない原因について鋭意検討
を行ったところ、前記プラズマ吹出口のプラズマ吹出方
向寸法Lと前記プラズマ吹出口の最小断面積をとる部位
での開口巾寸法dとを適正に設定することで、全ての孔
からプラズマが均一に吹き出されることを知った。
【0010】即ち、本発明は、プラズマ発生手段、原料
ガス導入口、及び基板支持台を備えたケーシング内に、
前記プラズマ発生手段によりプラズマを発生させて原料
ガスをプラズマ化し、前記基板支持台上に載置された基
板表面をプラズマ処理する表面処理装置であって、前記
ケーシングは、複数のプラズマ吹出口を有する隔壁を介
して、前記プラズマ発生手段を備えたプラズマ発生室
と、前記基板支持台を備えた基板処理室との二室に画成
され、前記プラズマ吹出口は、1≧L/d、且つSn /
Sp ≦1/3(但し、L:前記プラズマ吹出口のプラズ
マ吹出方向寸法、d:前記プラズマ吹出口の最小断面積
をとる部位での開口巾寸法、Sp :前記隔壁の面積、S
n :前記プラズマ吹出口の最小断面積の総和)の関係を
満足するプラズマ吹出方向に同一断面又は異なる断面を
もつノズル形状を有してなることを特徴とする表面処理
装置を主要な構成としている。
【0011】ここで、前記プラズマ吹出口の開口巾寸法
とは、最小断面積をとる断面における最長巾である。例
えば、前記プラズマ吹出口の断面形状が円形である場合
には、開口巾寸法は円の径である。また、前記プラズマ
吹出口は円形断面以外にも、多角形断面など、任意の形
状を採用できる。断面形状が多角形のプラズマ吹出口で
は、例えば正方形、正六角形等の断面形状の場合には開
口巾寸法は対角線の長さ寸法であり、正5角形、正7角
形の場合には開口巾寸法は対角二等分線の長さ寸法であ
る。なお、最小断面積をとる部位としたのは、プラズマ
吹出方向にわたって均一断面ではないノズル形状を有す
る場合もあるためである。このように吹出方向にわたっ
て断面積が異なる場合には、最小断面積をとる部位での
開口巾寸法を規定する。また、前記隔壁の面積Sp と
は、プラズマ吹出口の面積をも含む隔壁全体の面積をい
う。
【0012】このように、前記プラズマ吹出口のプラズ
マ吹出方向寸法L/最小断面積をとる部位での開口巾寸
法dの値が、1≧L/dとなり、且つ前記プラズマ吹出
口の最小断面積の総和Sn /前記隔壁の面積Sp の値
が、Sn /Sp ≦1/3となるようなノズル形状にする
と、プラズマ発生室内のプラズマが、複数のプラズマ吹
出口のうちほぼ全ての吹出口から均一に、基板処理室へ
と吹き出される。そのため、基板表面には均一な表面処
理を施すことが可能となる。L/dの値が1より大きい
場合、即ち、前記プラズマ吹出口のプラズマ吹出方向寸
法Lが開口巾寸法dよりも大きい場合には、複数の吹出
口のうちいくつかの吹出口からはプラズマが吹き出さ
ず、基板に均一な表面処理がなされない。一方、Sn /
Sp ≦1/3が満足されない条件下では、前記プラズマ
発生室と前記基板処理室との室圧の差を所望の値に調整
することが不可能となる。また、2室に画成することで
プラズマをプラズマ吹出口からジェット流として吹き出
させ、基板上に積極的に導くことができ、基板の表面処
理速度を高めることができるが、プラズマ吹出口の面積
が大きくなるとかかる効果が低減され、結果的には上述
した通常の平行平板型プラズマCVD装置と同一になっ
てしまう。
【0013】また、本発明の表面処理装置はプラズマ発
生室と基板処理室との二室に画成し、プラズマ発生室内
のプラズマがプラズマ吹出口から基板に向けて吹き付け
るため、プラズマによる成膜処理を施す場合に成膜速度
も高まり、更には結晶化も促進されるため、均一の高品
質な膜質をもつ薄膜が高速で形成される。更には、前記
プラズマ吹出口を多数設けることにより、大面積の基板
に対しても均一な薄膜を高速で成膜できる。
【0014】なお、前記基板としてはガラス、有機フィ
ルム、或いはSUS等の金属を使用することができる。
さらに本発明の装置は多結晶シリコンやアモルファスシ
リコンなどの薄膜を形成する成膜処理の他にも、ポーラ
スシリコンやカーボン微粒子などの微粒子の生成や、ド
ライエッチング、アッシング等の表面処理にも適用可能
である。更に、プラズマ発生手段としては、例えば、平
行平板プラズマ、直流グロープラズマ、VHF高周波プ
ラズマ、ECRプラズマ、又はヘリコン波プラズマなど
の任意の方法を採用できる。
【0015】前記プラズマ吹出口には、上述のノズル形
状をもつノズル体を取り付けることが可能であるが、前
記プラズマ吹出口は前記隔壁に直接形成することがその
形成が容易となるため好ましい。但し、隔壁を薄く形成
せざるを得ない場合には、その取付強度を確保するた
め、隔壁周縁取付部に補強リブを形成することが望まし
い。
【0016】また、前記プラズマ吹出口は、その断面積
が下流側に向けて漸増する部位を少なくとも下流端に有
することが好ましく、更には、前記プラズマ吹出口は、
その断面積が下流側に向けて漸減する部位を上流端に有
することが好ましい。かかるノズル形状とすることによ
り、プラズマ発生室内のプラズマを積極的に吹出口内に
引き込み、基板処理室においてプラズマを所望の角度で
拡散させて噴出することができる。
【0017】また、複数の前記プラズマ吹出口のうち、
前記隔壁の中心部近傍に形成された前記吹出口は、同隔
壁の外周部に形成された前記吹出口よりも断面積が大き
いノズル形状を有することが好ましい。この場合には、
プラズマが吹き出しにくい中心部近傍のプラズマ吹出口
と、プラズマの吹き出しやすい外周側の吹出口とからプ
ラズマが均等に吹き出され、基板に均一な表面処理を施
すことが可能となる。
【0018】なお、前記原料ガス導入口は、前記プラズ
マ発生室内に開口させてもよく、或いは、前記プラズマ
発生室内にはキャリアガスのみを導入し、前記原料ガス
導入口は前記プラズマ吹出口の側面又は前記基板処理室
の前記プラズマ吹出口近傍に開口させることもできる。
前記原料ガス導入口を前記吹出口又は前記基板処理室の
前記プラズマ吹出口近傍に開口させた場合には、前記原
料ガスは前記吹出口を通過するプラズマ化されたキャリ
アガスによりプラズマ化される。この場合には、前記プ
ラズマ発生室の内壁面が前記原料ガスにより汚染される
ことがない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、好適な実施例を参照して具体的に説明する。図1は
本発明の第1実施例である表面処理装置1の概略図であ
る。同装置1は外気と遮断され、接地されたケーシング
2の内部が、プラズマ発生室3と基板処理室4との2室
に画成されている。
【0020】前記プラズマ発生室3内には高周波電源P
に接続された一対の円板状プラズマ発生電極5,5′が
配されている。一対の電極5,5′のうち一方の電極5
は前記プラズマ発生室3の上壁3aに絶縁体3bを介し
て取り付けられており、他方の電極5′は前記電極5と
平行に、同プラズマ発生室3の周壁3cを介して取り付
けられており、前記プラズマ発生室3と前記基板処理室
4との隔壁を構成している。
【0021】図2には隔壁を構成する前記他方のプラズ
マ発生電極5′の上面図を、図3には図2のA−A線で
の断面図を示す。前記プラズマ発生電極5′には、円柱
状のノズル形状をなす12個のプラズマ吹出口6が、2
つの同心円上に等間隔で形成されており、同プラズマ吹
出口6を介して前記プラズマ発生室3と基板処理室4と
が連通されている。
【0022】更に、前記プラズマ発生室3は図示せぬ原
料ガス導入口を備えており、モノシラン等の原料ガスが
導入される。また、前記原料ガス導入口からは、プラズ
マの発生を促進すると共にプラズマを安定化し、且つ原
料ガスを基板Sまで搬送するためのキャリアガスが、前
記原料ガスに混合されて導入される。なお、キャリアガ
ス専用の導入口を別途設けてもよい。或いは、前記プラ
ズマ発生室3内にはキャリアガスのみを導入し、前記原
料ガス導入口は前記プラズマ吹出口6の側面又は前記基
板処理室4の前記プラズマ吹出口6近傍に開口させるこ
ともできる。前記原料ガス導入口を前記吹出口6又は前
記基板処理室4の前記プラズマ吹出口6近傍に開口させ
た場合には、前記原料ガスは前記吹出口6を通過するプ
ラズマ化されたキャリアガスによりプラズマ化される。
この場合には、前記プラズマ発生室3の内壁面が前記原
料ガスにより汚染されることがない。
【0023】前記基板処置室4内には前記プラズマ吹出
口6に対向する位置に基板支持台8が配されている。同
支持台8はヒータにより加熱されており、前記基板支持
台8上に載置された基板Sの温度を、気相成長に適した
温度に調整する。なお、前記基板処理室4は下壁に形成
された排気口4aから図示せぬバルブ、圧力調整弁及び
真空ポンプにより排気され、室圧が0.1〜数torr
に調整されている。
【0024】前記一対のプラズマ発生電極5,5′に高
周波電源Pにより高周波電力を投入すると、前記電極
5,5′間で放電が起こり、前記プラズマ発生室3内に
プラズマが発生する。そのプラズマにより、同プラズマ
発生室3内に導入された原料ガス及びキャリアガスがプ
ラズマ化される。このとき、前記基板処理室4は室圧が
0.1〜数torrと、前記プラズマ発生室3よりも低
圧に調整されているため、同プラズマ発生室3内のプラ
ズマは、前記プラズマ吹出口からジェット流となって前
記基板処理室4内へと噴出する。
【0025】ここで、前記プラズマ吹出口6の径dを2
mmとし、同吹出口が形成されているプラズマ発生電極
5′の厚み、即ち、プラズマ吹出口6のプラズマ吹出方
向寸法Lを3mm,2mm,1mmと変化させた。その
結果、前記プラズマ吹出口6のプラズマ吹出方向Lが3
mmの場合、即ちL/d=3/2である場合には、プラ
ズマ吹出口6の径よりも大きな寸法の場合には、12個
の吹出口6のうち、任意の1つの吹出口のみからしかプ
ラズマが噴出せず、基板Sに均一厚の薄膜を形成するこ
とができなかった。
【0026】前記プラズマ吹出口の吹出方向寸法Lをプ
ラズマ吹出口6の径dと同一の2mm(L/d=2/2
=1)としたときには、12個の吹出口6のうち、10
個以上の吹出口からプラズマが吹き出し、基板表面には
ほぼ均一な膜厚の薄膜が形成された。更に、前記プラズ
マ吹出口の吹出方向寸法Lをプラズマ吹出口6の径dよ
りも小さい寸法の1mm(L/d=1/2)としたとき
には、12個全ての吹出口6からプラズマが均等に吹き
出し、基板表面には均一厚の薄膜が形成された。
【0027】更に、本発明者らにより上述の吹出方向寸
法L及び開口巾寸法dの値を様々に変化させて実験を行
ったところ、プラズマ吹出口のプラズマ吹出方向寸法L
とプラズマ吹出口の最小断面積をとる部位での開口巾寸
法dとが、1≧L/dを満たしていないノズル形状の場
合には、複数のプラズマ吹出口の全てから均等にプラズ
マを吹き出させることができなかった。
【0028】また、1≧L/dの条件を満足した上で、
前記プラズマ吹出口6の最小断面積の総和Sn と、前記
隔壁の面積Sp との値を、Sn /Sp を1/5〜1/1
まで変化させて、前記吹出口6からのプラズマの吹出し
状態及び前記プラズマ発生室3と基板処理室4との室圧
の差圧調整具合を調べた。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】1≧L/dで且つSn /Sp ≦1/1であ
れば全ての吹出孔6からプラズマを吹き出させることが
可能である。しかしながら、1≧L/dであっても、S
n /Sp が1/2と1/1の場合にはプラズマ発生室3
と基板処理室4との室圧の差を所望の値に調整すること
が不可能であった。一方、1≧L/dで且つSn /Sp
≦1/3であれば、差圧の調整も良好である。従って、
プラズマの吹出し状態と差圧の調整とを総合して判定す
ると、1≧L/dで且つSn /Sp ≦1/3としなけれ
ばならない。
【0031】図4〜図6には上述の第1実施例の変形例
である表面処理装置11を示す。同装置11は、プラズ
マ発生室3と基板処理室4との隔壁を構成する下方に配
されたプラズマ発生電極15′が異なる他は上述の第1
実施例と同一の構成を備えているため、それら同一の構
成には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
【0032】隔壁を構成する円板状のプラズマ発生電極
15′は、円柱状のノズル形状をなす5つのプラズマ吹
出口6が、同電極15′の中心及び同心円上に等間隔に
形成されており、更に、同電極15′の下面周縁部には
補強用リブ15a′が突設されている。そのため、前記
電極15′に形成されるプラズマ吹出口6のプラズマ吹
出方向寸法Lと同吹出口6の径dとが1≧L/dとなる
ように、前記電極15′の厚みを薄くした場合にも、前
記電極15′が変形しにくく、その取付強度も十分に確
保される。
【0033】図7〜図9には本発明の第2実施例である
表面処理装置21を示す。同装置21も、プラズマ発生
室3と基板処理室4との隔壁を構成する下方に配された
プラズマ発生電極25′が異なる他は上述の第1実施例
と同一の構成を備えているため、それら同一の構成には
同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0034】隔壁を構成する円板状のプラズマ発生電極
25′は、12個のプラズマ吹出口26が、2つの同心
円上に等間隔で形成されており、同プラズマ吹出口26
を介して前記プラズマ発生室3と基板処理室4とが連通
されている。前記プラズマ吹出口26は上流側の半部2
6aが同一断面積の円柱形状をなし、下流側の半部26
bはその断面積が下流側に向けて漸増する載頭円錐形状
をなしている。
【0035】かかるノズル形状のプラズマ吹出口26
は、最小断面積をとる部位、即ち上流側半部26aでの
径dと、同吹出口26が形成されているプラズマ発生電
極25′の厚み、即ち、プラズマ吹出口26のプラズマ
吹出方向寸法Lとが、1≧L/dであり、且つ前記プラ
ズマ吹出口26の最小断面積の総和Sn と、同吹出口2
6が形成されている前記隔壁の面積Sp とが、Sn /S
p ≦1/3となるように形成されている。このようなノ
ズル形状をなす場合には、複数のプラズマ吹出口26の
全てから均等にプラズマが吹き出すため、基板Sの表面
には均一な膜厚の薄膜が形成される。また、プラズマ吹
出口26の下流側半部26bが基板処理室4に向けて拡
径する載頭円錐形状をなすため、プラズマが基板Sに向
けて所望の角度で拡散し、大面積の前記基板Sの表面に
均一な膜厚で成膜が可能となる。
【0036】更に、図10には他のノズル形状をもつプ
ラズマ吹出口26′が形成された、隔壁を構成するプラ
ズマ発生電極35″の断面図を示す。前記プラズマ吹出
口26′は、上流側の半部26a′が下流側に向けて断
面積の漸減する逆載頭円錐形状であり、下流側の半部2
6b′が下流側に向けて断面積の漸増する載頭円錐形状
である縮小拡大ノズル形状をなしている。かかるノズル
形状のプラズマ吹出口26′であっても、最も断面積の
小さな中心部での径dと、同吹出口26′の形成されて
いるプラズマ発生電極25″の厚み、即ち、プラズマ吹
出口26′のプラズマ吹出方向寸法Lとが、1≧L/d
であり、且つ前記プラズマ吹出口26′の最小断面積の
総和Sn と、前記隔壁の面積Sp とが、Sn /Sp ≦1
/3となるように形成されている。そのため、12個全
てのプラズマ吹出口26′から均等にプラズマが吹き出
される。また、この縮小拡大ノズル形状は、プラズマ発
生室内のプラズマを積極的に吹出口26′内に引き込
み、基板処理室においてプラズマを所望の角度で拡散さ
せて噴出させるうえで、最も好適なノズル形状である。
【0037】図11は本発明の第3実施例である表面処
理装置31の概略図である。同装置31も、上述の第1
実施例と同一の構成には同一の符号を付して、その詳細
な説明は省略する。前記装置31は隔壁を構成するプラ
ズマ発生電極35′に複数のプラズマ吹出口36が形成
されており、各吹出口36にはそれぞれノズル体37が
取り付けられている。前記ノズル体37は上流側の半部
37aが同一断面積の円筒形状をなし、下流側の半部3
7bはその断面積が下流側に向けて漸増する載頭円錐形
状をなしており、前記下流側半部37bが前記電極3
5′から基板処理室4内へ突出した状態で、前記電極3
5′に取り付けられている。
【0038】かかるノズル形状をもつノズル体37は、
断面積が最小となる上流側半部37aの径dの寸法と、
ノズル体37のプラズマ吹出方向寸法Lとが、1≧L/
dであり、且つ前記ノズル体37の最小断面積の総和S
n と、前記隔壁の面積Sp とが、Sn /Sp ≦1/3と
なるように形成されている。そのため、前記ノズル体3
7が取り付けられた複数のプラズマ吹出口36の全ての
吹出口36から、プラズマが均等に吹き出され、大面積
の基板Sの表面に均一な膜厚の薄膜が形成される。
【0039】また、ノズル体37の下流側の形状が前記
基板処理室4に向けて拡径する載頭円錐形状をなすた
め、プラズマが基板Sに向けて所望の角度で拡散し、大
面積の前記基板Sの表面に均一な膜厚で成膜が可能とな
る。
【0040】図12は本発明の第4実施例である表面処
理装置41の概略図である。同装置41は外気と遮断さ
れ、接地されたケーシング42の内部が、プラズマ発生
室43と基板処理室44との2室に画成されている。前
記プラズマ発生室43はケーシング42の上壁の一部を
構成する上壁43aと円板状の下壁43bと周壁43c
とにより画成されている。前記プラズマ発生室43の上
壁43aにはマイクロ波導入部43dが形成されると共
に前記周壁43cの周囲にはコイル状の電磁石45が配
されており、プラズマ発生室43内には同プラズマ発生
室から基板処理室44へ向けた磁力線をもつ磁界が形成
される。
【0041】更に、前記プラズマ発生室43には図示せ
ぬ原料ガス導入口を備えており、モノシラン等の原料ガ
スが導入される。また、前記原料ガス導入口からは、プ
ラズマの発生を促進すると共にプラズマを安定化し、且
つ原料ガスを基板Sまで搬送するためのキャリアガス
が、前記原料ガスに混合されて導入される。なお、キャ
リアガス専用の導入口を別途設けてもよい。
【0042】また、前記プラズマ発生室43の円板状下
壁43bには、図13及び図14に示すような円柱状を
なす12個のプラズマ吹出口46が、2つの同心円上に
等間隔で形成されている。前記プラズマ吹出口46のう
ち、内側の同心円上に形成された吹出口46aの径d
は、外側の同心円上に形成された吹出口46bの径d′
よりも大きく設定され、内側の吹出口46aは外側の吹
出口46bよりも断面積が大きいノズル形状をなしてい
る。更に、両プラズマ吹出口46a,46bは、その径
寸法d,d′と前記下壁43bの厚み、即ち同吹出口の
プラズマ吹出方向寸法Lとが、1≧L/d,1≧L/
d′となり、且つ前記吹出口46a,46bの最小断面
積の総和Sn と、隔壁の面積、即ち、前記下壁43bの
面積Sp とが、Sn /Sp ≦1/3となるようなノズル
形状に形成されている。
【0043】前記基板処置室44内には前記プラズマ吹
出口46に対向する位置に基板支持台48が配されてい
る。前記支持台48はヒータにより加熱されており、前
記基板支持台48上に載置された基板Sの温度を、気相
成長に適した温度に調整する。なお、前記基板処理室4
4は下壁に形成された排気口44aから図示せぬバル
ブ、圧力調整弁及び真空ポンプにより排気され、室圧が
0.1〜数torrに調整されている。
【0044】前記マイクロ波導入部43dによりマイク
ロ波を印加すると同時に前記電磁石45により磁界を印
加し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)放電させてプ
ラズマ発生室43内にプラズマを発生させる。このプラ
ズマによりプラズマ発生室43内の原料ガスがプラズマ
化されて前記プラズマ吹出口46から基板処理室44へ
と吹き出されるが、前記プラズマ吹出口46のノズル形
状が上述のように、吹出口46の吹出方向寸法Lと吹出
口46の径寸法d,d′とが、1≧L/d、1≧L/
d′であり、前記吹出口46a,46bの最小断面積の
総和Sn と、前記下壁43bの面積Sp とが、Sn /S
p ≦1/3である。しかも本実施例では、複数の前記プ
ラズマ吹出口46のうち、プラズマが吹き出しにくい前
記下壁43bの中心部近傍に形成された吹出口46a
は、プラズマの吹き出しやすい外周部に形成された前記
吹出口46bよりも断面積が大きいノズル形状を有して
いるため、プラズマの吹出しがより均等化され、基板S
には更に均一な厚みの薄膜が形成される。
【0045】なお、プラズマ発生手段としては、上述の
第1〜第3実施例のような平行平板プラズマ、第4実施
例のECRプラズマの他にも、直流グロープラズマ、V
HF高周波プラズマ、又はヘリコン波プラズマなどの任
意の方法を採用できる。
【0046】また、上述の実施例ではプラズマ吹出口の
断面形状が円形であるが、これに限定されるものではな
く、例えば四角形や五角形などの多角形状とすることも
可能である。断面形状が多角形のプラズマ吹出口を採用
する場合には、最小断面積をとる部位での開口巾寸法と
は、かかる断面における最長巾であり、四角形、六角形
等の場合には対角線の長さ寸法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である表面処理装置の概略
図である。
【図2】上記装置における隔壁を構成するプラズマ発生
電極の上面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】上記第1実施例の変形例である表面処理装置の
概略図である。
【図5】上記装置における隔壁を構成するプラズマ発生
電極の上面図である。
【図6】図5のB−B線における断面図である。
【図7】本発明の第2実施例である表面処理装置の概略
図である。
【図8】上記装置における隔壁を構成するプラズマ発生
電極の上面図である。
【図9】図5のC−C線における断面図である。
【図10】他のノズル形状をもつプラズマ吹出口が形成
されたプラズマ発生電極の断面図である。
【図11】本発明の第3実施例である表面処理装置の概
略図である。
【図12】本発明の第4実施例である表面処理装置の概
略図である。
【図13】上記装置におけるプラズマ吹出口が形成され
た隔壁の上面図である。
【図14】図13のD−D線における断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 表面処理装置 2 ケーシング 3 プラズマ発生室 3a 上壁 3b 絶縁体 3c 周壁 4 基板処理室 4a 排気口 5,5′ プラズマ発生電極 6 プラズマ吹出口 7 ノズル体 8 基板支持台 15′ プラズマ発生電極 15a′ 補強用リブ 25′,25″ プラズマ発生電極 26,26′ プラズマ吹出口 26a,26a′ 上流側半部 26b,26b′ 下流側半部 35′ プラズマ発生電極 36 プラズマ吹出口 37 ノズル体 37a 上流側半部 37b 下流側半部 41 表面処理装置 42 ケーシング 43 プラズマ発生室 43a 上壁 43b 下壁 43c 周壁 43d マイクロ波導入部 44 基板処理室 45 電磁石 46 プラズマ吹出口 48 基板支持台 S 基板 P 高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田渕 俊宏 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究本部内 Fターム(参考) 4K030 EA04 EA05 EA06 GA02 KA30 5F045 AA08 AA10 AB03 AB04 AC01 AE19 AE21 AF07 AF10 BB02 EE06 EF05 EF07 EH04 EH05 EH09 EH11 EH13 EH16 EH18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ発生手段、原料ガス導入口、及
    び基板支持台を備えたケーシング内に、前記プラズマ発
    生手段によりプラズマを発生させて原料ガスをプラズマ
    化し、前記基板支持台上に載置された基板表面をプラズ
    マ処理する表面処理装置であって、 前記ケーシングは、複数のプラズマ吹出口を有する隔壁
    を介して、前記プラズマ発生手段を備えたプラズマ発生
    室と、前記基板支持台を備えた基板処理室との二室に画
    成され、 前記プラズマ吹出口は、 1≧L/d 且つ Sn /Sp ≦1/3 L :前記プラズマ吹出口のプラズマ吹出方向寸法 d :前記プラズマ吹出口の最小断面積をとる部位での
    開口巾寸法 Sp :前記隔壁の面積 Sn :前記プラズマ吹出口の最小断面積の総和 の関係を満足するプラズマ吹出方向に同一断面又は異な
    る断面をもつノズル形状を有してなることを特徴とする
    表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ吹出口は、前記隔壁に直接
    形成されてなる請求項1記載の表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ吹出口は、その断面積が下
    流側に向けて漸増する部位を少なくとも下流端に有して
    なる請求項1又は2記載の表面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ吹出口は、その断面積が下
    流側に向けて漸減する部位を上流端に有してなる請求項
    3記載の表面処理装置。
  5. 【請求項5】 複数の前記プラズマ吹出口のうち、前記
    隔壁の中心部近傍に形成された前記吹出口は、同隔壁の
    外周部に形成された前記吹出口よりも断面積が大きいノ
    ズル形状を有してなる請求項1記載の表面処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008047915A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 Oxford Instruments Plasma Technology Ltd 表面処理装置

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