JP2000034451A - 赤外線カットオフフィルム - Google Patents

赤外線カットオフフィルム

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JP2000034451A
JP2000034451A JP20186498A JP20186498A JP2000034451A JP 2000034451 A JP2000034451 A JP 2000034451A JP 20186498 A JP20186498 A JP 20186498A JP 20186498 A JP20186498 A JP 20186498A JP 2000034451 A JP2000034451 A JP 2000034451A
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film
layer
infrared
infrared cut
resin
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JP20186498A
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Takeshi Takizawa
剛 滝沢
Shinichi Takahashi
真一 高橋
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムを構成する樹脂層とガラス等の被貼
着物との熱膨張係数の差によって生じる被貼着物の変形
を防止する。 【解決手段】 ベースフィルムの表面に、赤外線カット
オフ剤(ITO粉末等)+樹脂の赤外線カットオフ用塗
料を塗工して赤外線カットオフ層を形成し、赤外線カッ
トオフ層の表面に保護層を形成し、ベースフィルムの裏
面に粘着層を形成する。粘着層形成用の粘着剤として、
熱変形試験による変位量が100℃において35〜15
00μmのものを用い、ベースフィルムとガラスとの間
に介在する粘着層により、ベースフィルムの膨張・収縮
を緩衝する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、建物や自
動車等の窓ガラスに、主に太陽光の赤外線を遮蔽(カッ
トオフ)することを目的として貼られる赤外線カットオ
フフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】可視領域の光に対して光透過性であっ
て、かつ赤外領域の光に対しては反射あるいは吸収させ
る赤外線カットオフ機能を有する機能性フィルムは、主
に、放射される太陽光の熱影響を抑制するために従来よ
り用いられている。例えば、建物や自動車等の窓ガラス
に貼ることにより、窓ガラスを通して日射を直接受けて
も暑さが抑えられる。また、夏季では室温の上昇が抑え
られて冷房効率が向上し、冬季では室内の保温効率が向
上する。さらに、窓ガラスが割れた際に飛散が防止され
るといった付加的効果ももたらされる。このような赤外
線カットオフフィルムは、一般に、ベースフィルムに赤
外線カットオフ層が積層され、表面に保護層が、また裏
面に粘着層がそれぞれ積層された層構成となっており、
粘着層をガラス等に貼って用いるようになっている。
【0003】上記赤外線カットオフ層は、従来、各種の
赤外線カットオフ剤(例えばイモニウム、アミニウム、
ZnO、SnO、ITO(錫含有酸化インジウム粉
末)、Au等)を真空蒸着法、スパッタリング法、ある
いは樹脂に分散させて赤外線カットオフ層用塗料とした
ものを塗布する方法等で、ベースフィルム上に形成され
ていた。
【0004】しかしながら、上記赤外線カットオフ剤を
真空蒸着法やスパッタリング法でベースフィルム上に形
成するには、高真空や精度の高い雰囲気制御が可能な装
置を使用しなければならないことから、コストが高くな
るとともに量産性に劣る等の問題があった。そこで、こ
のような欠点のない薄膜形成法として、上記塗工法がよ
り好適とされている。その塗工法により赤外線カットオ
フ層を形成するにあたって用いられる樹脂は、高透明性
を有するものであって、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、エポキシ系樹脂等の紫外線硬化型樹脂、もしくはメ
ラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、シリ
コーン変成樹脂等の熱硬化型樹脂、さらには、アクリル
系、ウレタン系、ポリエステル系の熱可塑性樹脂等の、
一般的な塗膜形成用の樹脂が適宜に選択され用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な赤外線カットオフフィルムは、通常、窓ガラスの室内
側の面に貼られる。したがって、室外からの赤外線はガ
ラスと粘着層を通過し、赤外線カットオフ層に吸収され
るか、もしくは赤外線カットオフ層に反射されて再び粘
着層とガラスを通過して室外に放射される。ここで、粘
着層が積層されるベースフィルムもしくは赤外線カット
オフ層は主成分が樹脂であり、この樹脂層とガラスの熱
膨張係数を比較すると樹脂層の方が大きいことから、樹
脂層の膨張・収縮が粘着層を介してガラスに伝わり、ガ
ラスに歪みが生じる場合があった。
【0006】具体的には、昼間にあっては、赤外線カッ
トオフ剤が赤外線を吸収するものである場合、赤外線カ
ットオフ剤が赤外線を吸収することにより発熱し、粘着
層を含む赤外線カットオフフィルム全体が熱による膨張
を起こす。また、赤外線カットオフ剤が赤外線を反射す
るものである場合、赤外線カットオフフィルムは通常ガ
ラスの内側に貼られているため反射した赤外線により粘
着層は熱せられ、このため粘着層が熱により膨張する。
これが夜になると冷却され、赤外線カットオフフィルム
は元に戻ろうと収縮する。このような昼夜の膨張・収縮
が連日繰り返され、それが長期にわたると、ガラスにス
トレスがかかることは明白である。このような状況の中
で、粘着層の粘着力が強い場合には、ガラスが歪んだ
り、場合によってはガラスがストレスに耐えきれず割れ
てしまうおそれがあった。逆に粘着層の粘着力が弱い場
合には、フィルムが剥がれたり、フィルムにシワが生じ
たり、あるいは粘着剤がはみ出て汚れたりする不具合が
生じていた。
【0007】したがって本発明は、赤外線カットオフ機
能が十分果たされることによって生じるガラス等の被貼
着物の変形もしくは割れといった弊害が効果的に防止さ
れる赤外線カットオフフィルムを提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のようにガラスが変
形する要因は、樹脂層の膨張・収縮が粘着層を介してガ
ラスに伝わってしまうことによるものである。したがっ
て本発明者は、使用条件下において粘着層が適度な粘度
を保有するものであれば、樹脂層の膨張・収縮にフレキ
シブルに追従してガラス等の被貼着物の変形が防止され
るとの観点に基づいて鋭意研究を行った。具体的には、
組成や粘着力を変更するなどして種々の粘着剤をサンプ
ルとして作製し、これらサンプルに対して熱変形試験を
行うとともに、実際にフィルムに適用してガラスに貼り
ガラスの変形の程度を評価した。そして、これらの結果
から、熱変形試験による変位量が100℃において35
〜1500μmである粘着剤であれば、ガラスの変形が
防止される優れたフィルムとなることを見い出した。
【0009】したがって本発明は、少なくとも、ベース
フィルムと、このベースフィルムに積層される赤外線カ
ットオフ層と、ベースフィルム側もしくは赤外線カット
オフ層側に積層される粘着層とを有する赤外線カットオ
フフィルムにおいて、粘着層を形成する粘着剤が、熱変
形試験による変位量が100℃において35〜1500
μmであることを特徴としている。このような粘着剤を
粘着層に用いることにより、粘着層は適度な粘度を有
し、樹脂層の膨張・収縮にフレキシブルに追従してガラ
ス等の被貼着物の変形が防止される。
【0010】本発明の赤外線カットオフフィルムは、ベ
ースフィルムの少なくとも片面に赤外線カットオフ層が
積層され、この裏面に粘着層が積層されるが、実用的な
層構成の好ましい態様としては、例えば、図1に示すよ
うに、ベースフィルム1の表面に赤外線カットオフ層2
および保護層3がこの順で積層され、一方、ベースフィ
ルム1の裏面に粘着層4およびセパレート材5がこの順
で積層される態様が挙げられる。あるいは、図2に示す
ように、ベースフィルム1の表面に保護層3が積層さ
れ、ベースフィルム1の裏面に赤外線カットオフ層2、
粘着層4およびセパレート材5がこの順に積層される態
様も挙げられる。いずれの場合も、セパレート材5を粘
着層4から剥がし、粘着層4をガラス等に貼って用い
る。
【0011】本発明の赤外線カットオフフィルムにおけ
る赤外線カットオフ層は、赤外線カットオフ剤の粉末を
適当な樹脂に混合・分散してこれを赤外線カットオフ層
用塗料とし、この塗料をベースフィルム上に塗工するこ
とにより形成される場合と、真空蒸着またはスパッタリ
ング等の方法により金属薄膜層として形成される場合と
がある。赤外線カットオフ層用塗料をベースフィルム上
に塗工する方法としては、メイヤバーコーティング法、
ドクターブレードコーティング法、グラビアコーティン
グ法、ディップコーティング法等が挙げられ、塗布膜の
厚さは0.5〜10μm、好ましくは0.5〜5μmで
ある。また、真空蒸着またはスパッタリング等により形
成される金属薄膜層の厚さは5〜500Å、好ましくは
50〜300Åであり、かかる厚さより薄いと赤外線カ
ットオフ性能が低くなり、逆に厚い場合には鏡状の面に
なり可視光線の透過率が低くなりすぎる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、上記構成よりなる本発明の
赤外線カットオフフィルムの各層を構成する材料につい
て詳述する。A.ベースフィルム ベースフィルムとしては、公知の透明なフィルムを使用
することができる。その具体例としては、PET、TA
C(トリアセチルセルロース)、ポリアリレート、ポリ
エーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、セロファン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム等を
好適に使用することができる。
【0013】B.赤外線カットオフ剤 本発明の赤外線カットオフ層に使用される赤外線カット
オフ剤の粉末は、透明性および分散性の観点から、その
平均粒径が、100nm以下のものが好適とされ、さら
に50nm以下、最も好ましくは25〜35nmが最適
とされる。また、赤外線カットオフ剤としては、透明
性、色彩、赤外線カットオフ機能等の観点からITO粉
末がより好ましい。
【0014】そのITO粉末は、一般周知の製法、すな
わち、Inと少量のSnの水溶塩を含む水溶液をアルカ
リと反応させてInとSnの水酸化物を共沈させ、この
共沈物を原料として得た後、この原料を、CO、N
、H等の還元性雰囲気中で加熱焼成して酸化物に
変換させたものが用いられる。この場合のITO粉末
は、原料を還元性雰囲気中で加熱焼成しており、その成
分モル比としてはIn/Sn/Oが100/5〜10
/0.5〜10、好ましくは100/5〜10/0.5
〜2である。このように還元処理されたITO粉末は、
青色を呈している。このようなITO粉末は、最短赤外
線カットオフ波長が800nmと、きわめて赤外線カッ
トオフ機能に優れている。
【0015】C.赤外線カットオフ層を塗布層とする場
合に用いられる樹脂 赤外線カットオフ剤の粉末が混合・分散される樹脂とし
ては、アクリル系化合物またはエポキシ系化合物のうち
の1種類以上を含有するモノマーに、光ラジカル重合開
始剤および/または光カチオン重合開始剤を含有した紫
外線硬化型樹脂が好ましく用いられる。アクリル系化合
物を含有させることは、紫外線硬化型樹脂の粘度、架橋
密度、耐熱性、耐薬品性等の塗料および塗工膜の特性を
コントロールする上で好ましい。
【0016】エポキシ系化合物としては、テトラメチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジ
グリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジル
エーテル等のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノールA
−ジエポキシ−アクリル酸付加物等のエポキシエステル
や、下記の化学式からなる脂環式エポキシ等のモノマー
およびオリゴマーが挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】アクリル系化合物としては、ラウリルアク
リレート、エトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシアクリレー
ト等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート等の多官能アクリレート、トリメチロールプロ
パンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチルプロパン
安息香酸エステル等のアクリル酸誘導体、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフル
フリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアク
リレート、2−ヒドロキシブチルメタアクリレート等の
単官能メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、グリセリンジメタクリレート等の多官能メタクリ
レート等のメタクリル酸誘導体、グリセリンジメタクリ
レートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリス
リトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネ
ート等のウレタンアクリレート等のモノマーおよびオリ
ゴマーが挙げられる他、下記の化学式からなる化合物を
少なくとも1種類以上含有するものが用いられる。
【0019】
【化2】
【0020】光ラジカル重合開始剤としては、例えば、
下記の化学式からなるアセトフェノン系化合物や、
【化3】 例えば、下記の化学式からなるベンゾイン系化合物等を
挙げることができる。
【化4】
【0021】光カチオン重合開始剤としては、下記の化
学式からなる化合物を挙げることができる。なお、これ
ら化合物は各単体で用いてもよく、複数混合で使用して
もよい。
【0022】
【化5】
【0023】光ラジカル重合開始剤および/または光カ
チオン重合開始剤の配合量は、主剤に対し、0.1〜1
0重量%の範囲が望ましい。この配合量の根拠は、0.
1重量%より少なくても、また10重量%より多くて
も、紫外線硬化が不十分だからである。
【0024】また、赤外線カットオフ層を形成する樹脂
の透明性は高いほどよく、「JISC6714」による
光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上確保さ
れているとよい。さらに、赤外線カットオフ層がベース
フィルムに塗工され易く、かつ高い密着性を有するよう
にするためには、濡れ性が高ければ高いほどよく、具体
的には、その表面の「JIS K6768」による濡れ
指数(表面張力:dyn/cm)が50以下であればよ
く、36〜46であればより好ましい。
【0025】赤外線カットオフ層用塗料を構成する赤外
線カットオフ剤の粉末と樹脂との配合比は、粉末/樹脂
が、重量比で90/10〜60/40、好ましくは85
/15〜65/35、さらに好ましくは80/20〜7
0/30の場合に1μm程度の薄層でも良好な赤外線カ
ットオフ性能が得られ、高い透明性を有し、かつ曇りの
少ないフィルムを得ることができる。粉末の混合比が9
0重量%超の場合には、粉末によって着色されたり曇り
の度合いが高くなったりするとともに金属光沢が増し、
赤外線カットオフ層の剥離や凝集破壊を招き、さらにベ
ースフィルムとの密着性に劣る。また、粉末の混合比が
60重量%未満の場合には、目的とする赤外線カットオ
フが達成されない。
【0026】D.顔料 本発明では、赤外線カットオフ層に、ZnO、SnO
2、TiO2等の顔料を混入することができる。すなわ
ち、これら顔料を赤外線カットオフ剤の粉末とともに樹
脂に混合させて赤外線カットオフ層を形成する。顔料は
粉末とともに赤外線カットオフ機能を果たし、その赤外
線カットオフ波長領域は1200〜2500nmであ
る。したがって、赤外線カットオフ剤の粉末と組み合わ
せることにより近赤外領域と呼ばれる800〜2500
nmの赤外線波長のカットオフ性能を低下させることな
く、樹脂への粉末の配合比を上記範囲内において低目に
設定することができる。赤外線カットオフ剤の粉末がI
TO粉末の場合、ITO粉末は高価であるため、その使
用量が低減することによりコストダウンを図ることがで
きる。さらに、これらの顔料は平均粒径が100nm以
下であることが、金属光沢の抑制や良好な電磁波透過性
を達成するためにも必要である。
【0027】E.保護層 保護層を形成する保護剤としては、一般的には、電離放
射線、熱のいずれかもしくはそれらの組み合わせにより
硬化する樹脂を用いることができる。放射線硬化型樹脂
としては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アク
リロロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基等重合
性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリ
マーを適宜混合した組成物が用いられる。モノマーの例
としては、スチレン、アクリル酸メチル、メチルメタク
リレート、メトキシポリエチレンメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート等が挙げられる。オリゴマ
ー、プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、アルキットアクリレー
ト、メラミンアクリレート、シリコンアクリレート等の
アクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシ系化合物
等が挙げられる。これらは、単独もしくは複数混合して
使用してもよい。モノマーは硬化膜の可撓性が要求され
る場合は少な目にし、さらに架橋密度を低くするために
は、1官能、2官能のアクリレート系モノマーを使用す
ることが好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐摩耗性、
耐溶剤性等過酷な耐久性を要求される場合は、モノマー
の量を増やし、3官能以上のアクリレート系モノマーを
使用することが好ましい。
【0028】上記のような電離放射線硬化型樹脂を硬化
させるには、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線
を照射すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添
加することができる。なお、紫外線により硬化させる場
合は、光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始
剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキ
シ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベ
ンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4
−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセト
フェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−
フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチ
ル−ジフェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N
−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル
オキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムプロミド、
(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムク
ロリド等のベンゾフェノン類、2,4ジエチルチオキサ
ントン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等の
チオキサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルベンゾイルオキサイド等を挙げることができ
る。これらは、単独もしくは複数混合して使用すること
ができる。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジ
メチルパラトルイジン、4,4′−ジエチルアミノベン
ゼンフェノン等アミン系化合物を混合し、使用すること
もできる。
【0029】さらに、保護剤として用いる樹脂として
は、特に、硬さや透明密着性に優れる点で、紫外線硬化
型のエポキシ系化合物を用いた方がよい。具体的なエポ
キシ系化合物としては、テトラメチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル等のグリ
シジルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピルアクリレート、ビスフェノールA−ジエポキシ−ア
クリル酸付加物等のエポキシエステル等が挙げられる。
また、重合開始剤としては光ラジカル重合開始剤および
/または光カチオン重合開始剤を用いることができ、前
記赤外線カットオフ層に使用されるものと同様のものが
例示される。その配合量は、主剤に対し、0.1〜10
重量%の範囲が望ましい。この配合量は、0.1重量%
より少なくても、また10重量%より多くても、紫外線
硬化は不十分である。
【0030】F.粘着層 粘着層を形成する粘着剤は、例えばアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステル等を主体にした樹脂からな
るアクリル系粘着剤が用いられ、これに必要に応じ硬化
剤として、例えば金属キレート系、イソシアネート系、
エポキシ系の架橋剤が1種あるいは2種以上混合されて
用いられる。このような粘着剤は、粘着層としての粘着
力(JIS Z0237による)が100〜2000g
/25mmの範囲になるよう配合されると実用上好まし
い。また、粘着層の厚さは、通常、乾燥後で10〜50
μm程度が好ましい。また、粘着層には、紫外線吸収剤
を適宜添加することにより、紫外線カットオフ効果も合
わせて得ることができる。その紫外線吸収剤としては、
p−t−ブチルフェニルサリシレート、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2′−(2′−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等が好適に用いられる。
【0031】粘着層を形成する粘着剤は、熱変形試験に
よる変位量が100℃において35〜1500μmであ
ることが必要であり、より優れた熱適性が達成されるた
めには、100℃における変位量が100〜1100μ
mであることが好ましく、200〜700μmであれば
より好ましい。
【0032】上記熱変形試験は、熱変位測定器として真
空理工社製のマルチ熱分析ステーション(TM−930
0)を使用して行うもので、図3はその測定構造を示す
ものであり、具体的測定方法は下記のとおりである。図
3の符合10,11は、PET製の長方形状の薄板(縦
20mm、幅4mm、厚さ150μm)である固定基材
および変位基材である。固定基材10の一端部の片面
に、本実施形態の粘着層を形成する粘着剤12を高さ4
mm、幅4mm、厚さ25〜30μmで塗布し、この粘
着剤12を介して変位基材11の一端部の片面を貼り合
わせ、試料13とする。この試料13を、20℃雰囲気
下に1時間放置したものを測定用試料とする。次に、こ
の試料13を20℃に設定されている恒温槽14にセッ
トした後、変位基材11の下端部に5gの錘16を吊り
下げて恒温槽14内を20℃から5℃/分の昇温速度で
120℃まで昇温する。変位基材11は、粘着剤12の
粘度と錘16の重力の相関関係のもとに下方に変位し、
100℃における変位量を測定する。この熱変形試験の
測定結果すなわち変位基材11の下方への変位量は、前
記の変位量を十分満足するものであった。
【0033】G.その他の材料 ・赤外線カットオフ層用塗料に添加される溶剤 赤外線カットオフ層用塗料は、赤外線カットオフ剤の粉
末および樹脂からなるが、これに溶剤として、ベンゼ
ン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、イソホ
ロン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を、1種もしくは
2種以上適宜に添加することができる。 ・赤外線カットオフ層用塗料に添加される界面活性剤 赤外線カットオフ剤の粉末の分散性を向上させる目的
で、赤外線カットオフ層用塗料に微量の界面活性剤(例
えばノニオン系)を添加することができる。
【0034】なお、本発明は赤外線カットオフを主目的
とするフィルムではあるが、上記の粘着層の場合と同様
にその他の各層の少なくとも一層に、前述のような紫外
線吸収剤を適宜添加することにより、紫外線カットオフ
効果も合わせて得ることができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の効果を実施例に基づきより明
らかにする。 −粘着剤− 本発明に基づく実施例および本発明に対する比較例に用
いたアクリル系粘着剤を、次の表1に示す。変位量は、
上記熱変形試験の100℃における変位量を示してい
る。これら各実施例および各比較例の粘着剤を用いて、
後述する粘着剤のはみ出しおよびガラスの歪みの測定を
行った。
【0036】
【表1】
【0037】 −赤外線カットオフフィルムの作製− ・赤外線カットオフ剤…ITO粉末 38部 一次粒子径:約50nm 成分モル比:In/Sn/O2=100/5/0.9 ・樹脂…紫外線硬化型樹脂 31部 (商品名:Z−7503,JSR社製) ・溶剤…メチルエチルケトン 31部 上記配合からなる赤外線カットオフ層用塗料を、厚さ5
0μmのPETフィルム(商品名:エンブレットMS,
ユニチカ社製)の表面に乾燥後の厚さが3μmになるよ
うメイヤーバーコーティング法により塗工し、105℃
で1分間乾燥させて赤外線カットオフ層を形成し、実施
例1〜5および比較例1〜4の赤外線カットオフフィル
ムの素材を作製した。
【0038】また、金属として金(Au)を用い、スパ
ッタリング法で金属薄膜タイプの赤外線カットオフ層を
上記PETフィルムに形成し、実施例6および比較例5
の赤外線カットオフフィルムの素材を作製した。なお、
スパッタリングは、イオンスパッタリング装置(SC−
701AT,サンユー電子社製)を用い、減圧:〜10
−3Pa、イオン電流:3mA、膜厚:150Åの条件
で行った。
【0039】そして、これら赤外線カットオフフィルム
の裏面(赤外線カットオフ層が形成されていないPET
フィルムの裏面)に、上記各実施例および各比較例の粘
着剤を乾燥後の厚さが20μmになるようメイヤーバー
コーティング法によりそれぞれ塗工した。粘着剤を10
5℃で1分間乾燥させて粘着層とし、さらに25℃の雰
囲気下に1週間放置して粘着層を安定させ、本発明によ
る実施例1〜6および比較例1〜5の赤外線カットオフ
フィルムを作製した。
【0040】−サンプルの作製− 0.7mm厚、B5サイズの平坦なガラス板の片面に、
該ガラス板の四辺から5mmの隙間ができるようにし
て、各実施例および各比較例の赤外線カットオフフィル
ムを貼り付けた。
【0041】−光熱照射試験によるはみ出し長さおよび
歪みの測定− 各実施例および各比較例のサンプルを、白熱電球(10
0W)が収納された試験箱の中に密閉し、サンプルを白
熱電球により8時間照射した後、照射を終えて16時間
放置するといった照射・非照射の1サイクルを、7サイ
クル連続して繰り返した。サンプルは、白熱電球から4
5cm離し、赤外線カットオフフィルムを貼り付けたガ
ラス板側を白熱電球に向けて配置した。 ・はみ出し長さの測定 赤外線カットオフフィルムの端からはみ出す照射後の粘
着剤の周囲四辺のはみ出し長さを測定し、もっとも大き
い値を粘着剤のはみ出し長さとして採用した。 ・歪みの測定 赤外線カットオフフィルムを上にして厚さ約20mmの
平坦なガラス台の上に置き、このガラス台からの赤外線
カットオフフィルムが貼り付けられた板ガラスの四隅の
高さを、照射試験の前後に測定し、その差を歪みとして
求めた。
【0042】上記はみ出し長さと歪みの測定値ならびに
実用評価を表2に示す。歪みの〜は測定部位である
ガラス板の四隅を示す。また、実用評価に関しては、粘
着剤のはみ出しおよびガラスの歪みが許容範囲であり実
用上問題ないものを○、実用上問題が発生するであろう
と予想されるものを△、実用不可のものを×とした。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、本発明に基づく
各実施例の粘着剤によれば、熱線の照射が繰り返されて
もフィルムからのはみ出しおよびガイドの歪みはほとん
ど起こらず、実用上問題ないことが判った。一方、本発
明の条件を逸脱する各比較例の粘着剤は、粘性が足らず
にガラスの歪みを招く(比較例1、2、5)か、もしく
は粘性が大きすぎてフィルムからのはみ出し量が大きく
(比較例3,4)、実用的でないことが証明された。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の赤外線カ
ットオフフィルムによれば、熱変形試験による変位量が
100℃において30〜1500μmの粘着剤を粘着層
形成用として用いることにより、粘着層がフィルムを構
成する樹脂層の膨張・収縮にフレキシブルに追従し、ガ
ラス等の被貼着物の変形が効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る赤外線カットオフフィルムの層
構成の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る赤外線カットオフフィルムの層
構成の他の例を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態で使用される粘着剤の熱
変位特性を測定する測定器の構造を示す概念図である。
【符号の説明】
1…ベースフィルム、2…赤外線カットオフ層、3…保
護層、4…粘着層、5…ガラス、12…粘着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA25B AA28B AA33 AB10B AB24B AB33B AK01A AK25B AK25G AK41 AR00B AR00C BA03 BA07 BA10A BA10C GB07 GB32 JD10B JD14B JJ10C JL13C JM02B 4J004 AA10 AA17 AB01 CA02 CA03 CA04 CA06 CA07 CA08 CC03 CC05 FA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、ベースフィルムと、このベ
    ースフィルムに積層される赤外線カットオフ層と、前記
    ベースフィルム側もしくは前記赤外線カットオフ層側に
    積層される粘着層とを有する赤外線カットオフフィルム
    において、 前記粘着層を形成する粘着剤が、熱変形試験による変位
    量が100℃において35〜1500μmであることを
    特徴とする赤外線カットオフフィルム。
  2. 【請求項2】 前記赤外線カットオフ層は、赤外線を反
    射または吸収する粉末および樹脂を含有し、かつ該粉末
    が、Al、Au、Ag、SnO、錫含有酸化インジウ
    ム、ZnO、フタロシアニン系の顔料のうちの少なくと
    も1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の赤外線
    カットオフフィルム。
  3. 【請求項3】 前記赤外線カットオフ層は、Al、A
    u、Ag、SnO、錫含有酸化インジウム、ZnOの
    うちの少なくとも1つを含む金属薄膜からなることを特
    徴とする請求項1に記載の赤外線カットオフフィルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002014445A1 (fr) * 2000-08-15 2002-02-21 Origin Electric Company, Limited Composition permettant d'obtenir une couche a emission d'infrarouges, reflecteur d'infrarouges et article traite
JP2008265187A (ja) * 2007-04-23 2008-11-06 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 近赤外線吸収性粘着シート
JP2009183385A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Toa:Kk 景品用容器
US9156539B2 (en) 2007-02-19 2015-10-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Aircraft window member, method of manufacturing the same, and aircraft window assembly

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