JP2000034322A - 水性ウレタン複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水性被覆組成物 - Google Patents

水性ウレタン複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水性被覆組成物

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JP2000034322A
JP2000034322A JP10204529A JP20452998A JP2000034322A JP 2000034322 A JP2000034322 A JP 2000034322A JP 10204529 A JP10204529 A JP 10204529A JP 20452998 A JP20452998 A JP 20452998A JP 2000034322 A JP2000034322 A JP 2000034322A
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aqueous
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aqueous urethane
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JP10204529A
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English (en)
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Noribumi Watanabe
紀文 渡辺
Minoru Uno
稔 宇野
Masumi Takano
真主実 高野
Tsukasa Otsuki
司 大槻
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱溶剤工程を省くことも可能な方法で製造で
き、また、塗料、インキ、接着剤に有用な水性ウレタン
複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水性被覆組成物を提供
すること。 【解決手段】有機溶剤の代わりに活性水素を有しない不
飽和単量体中でポリウレタンを得、成膜助剤として使え
る水酸基を有する有機溶剤及び界面活性剤の存在下で水
分散を行う。該ポリウレタンの不飽和単量体溶液を重合
することで先の課題を解決する水性ウレタン複合樹脂及
び該樹脂を含んでなる水性被覆組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン及び不飽
和単量体のラジカル重合体からなる水性ウレタン複合樹
脂及び該樹脂を含んでなる水性被覆組成物に関するもの
である。本発明で得られる水性ウレタン複合樹脂は、耐
候性、耐溶剤性、密着性に優れた塗膜を与え、塗料、イ
ンキ、接着剤等の分野に於いて有用であり、幅広く使用
することが可能である。
【0002】
【従来の技術】ウレタン樹脂は、基材への密着性、耐摩
耗性、耐衝撃性、耐溶剤性に優れていることから塗料、
インキ、接着剤、各種コーテイング剤として紙、プラス
チックス、フィルム、金属、繊維製品等に幅広く使用さ
れている。従来は、主としてアセトン、メチルエチルケ
トン、n−メチルピロリドン、芳香族系有機溶剤等で合
成し、脱溶剤過程を経てエマルジョン、コロイダルデス
パージョン、水溶解型等の水性ウレタン樹脂が開発され
てきた(Progress in Organic C
oatings,9,281,1981)。これらの水
性ウレタン樹脂は、使用、取扱いの点では従来の油性ウ
レタン樹脂よりも優れたものであるが、その製造におい
て溶剤を抜く工程が必要となった。このため脱溶剤工程
に要する時間、コスト、有機溶剤の再利用、焼却廃棄等
の問題が新たに生じてきた。脱溶剤が不十分であると成
膜性、皮膜物性を損ねるおそれがあった。
【0003】製造上では、完全に合成溶剤を抜く必要が
あるが、実際には、例えばインキ、塗料用途において
は、塗工、成膜性の点から成膜助剤としてそれぞれの用
途に適した有機溶剤、特に水酸基を含有する有機溶剤を
新たに添加して使う場合が多い。ウレタン樹脂は、上述
したような他の樹脂にはない特性を有するが、塗料、イ
ンキ、接着剤としての用途の汎用性の点からは、まだ不
十分で、例えば、耐候性、耐アルカリ性、耐熱性の点で
は、他の樹脂より劣っている。これらの欠点を補う方法
として、他の樹脂との複合化が試みられている。例え
ば、特開昭60−55064号公報、特開平5−117
611号公報に開示されているようにウレタン樹脂とア
クリル樹脂とのブレンドがある。
【0004】しかしながら、この系では両エマルジョン
のブレンドによる経時安定性や両樹脂が化学的に結合し
ていないため成膜時の相分離等の問題がある。特開平6
−80930号公報には水性ウレタン樹脂の存在下での
アクリルの乳化重合が開示されている。この方法は、ウ
レタン樹脂とアクリル樹脂の複合化には優れた方法で物
性の向上は期待できるものの、ウレタン樹脂を合成する
時に有機溶剤を使用し、脱溶剤により水性化しているた
め前記したような環境汚染、安全衛生上の諸問題が存在
する。これらを解決する手段として、例えば特開昭59
−138211号公報にはアクリルモノマー中でポリウ
レタン合成し、複合化させる方法が開示されている。し
かし、この方法では、鎖延長反応において著しく増粘す
ることからウレタン樹脂の比率を下げたり、特殊な撹拌
装置を必要とする欠点がある。また、粘度が高いため水
分散が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術では水性ウレタン樹脂の製造において脱溶剤の工程が
必ず必要であり、それに要する時間、コストが問題であ
った。また、同時にウレタン樹脂の欠点である耐候性、
耐アルカリ性を向上させた水性のウレタン樹脂を容易に
得ることはできなかった。このようなことから製造過程
において本質的に脱溶剤が不要で、しかも従来のウレタ
ン樹脂の欠点を克服した水性のウレタン樹脂が、塗料、
インキ、接着剤が係わる分野において、強く要望されて
いた。本発明は、従来のウレタン樹脂の欠点である耐候
性、耐アルカリ性にも優れ、また、通常のウレタン合成
溶剤の使用、製造中に増粘することなく容易に得られる
水性ウレタン複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水性被覆
組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
如き課題を解決するために鋭意努力した結果、環境、安
全衛生上の問題がなく、かつ耐候性、耐アルカリ性等に
優れた水性ウレタン複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水
性被覆組成物を得るに至った。従来の水性ウレタン樹脂
の製造方法における問題点を克服するため通常の有機溶
剤の代わりに活性水素を有しない不飽和単量体類をウレ
タンの合成溶剤としてウレタン化反応を行い、その反応
性を解析したところ有機溶剤中と同様な反応の進行がみ
られた。また、水分散を水酸基を有する有機溶剤及び界
面活性剤の存在下で行うと容易に安定な水分散体が得ら
れることも見い出した。最終的にこの不飽和単量体類を
ラジカル重合することにより従来のウレタン樹脂の欠点
である耐候性、耐アルカリ性、耐熱性に優れた水性ウレ
タン複合樹脂を見い出すに至った。
【0007】すなわち、第一の発明は、 a)活性水素を有しない不飽和単量体中でポリオールと
有機ポリイソシアネートとを反応させ、数平均分子量3
0,000以下のポリウレタンの不飽和単量体溶液
(A)を得る第一工程 b)(A)を水酸基を有する有機溶剤及び界面活性剤の
存在下に水分散し、ポリウレタン溶液の水分散体(B)
を得る第二工程 c)(B)をラジカル重合せしめる第三工程 から得られる水性ウレタン複合樹脂である。
【0008】第二の発明は、第一工程において不飽和単
量体が芳香族系単量体を含む不飽和単量体からなること
を特徴とする第一発明記載の水性ウレタン複合樹脂であ
る。第三の発明は、第一工程においてポリウレタンがポ
リエチレングリコールを必須成分とすることを特徴とす
る第一発明記載の水性ウレタン複合樹脂である。第四の
発明は、第二工程において水酸基を有する有機溶剤が、
イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及び2,
2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイ
ソブチレートから選ばれる何れかを含有することを特徴
とする第1発明記載の水性ウレタン複合樹脂である。
【0009】第五の発明は、第二工程において界面活性
剤が反応性界面活性剤であることを特徴とする第1発明
記載の水性ウレタン複合樹脂である。第六の発明は、第
三工程において得られた水性ウレタン複合樹脂の樹脂固
形分中、ポリウレタンが5重量%〜95重量%であるこ
とを特徴とする第1発明記載の水性ウレタン複合樹脂で
ある。第7の発明は、第1発明〜第6発明までの何れか
に記載の水性ウレタン複合樹脂を含有することを特徴と
する水性被覆組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】水性ウレタン複合樹脂の製造にお
いて第一工程における活性水素を有しない不飽和単量体
中でのポリオールと有機ポリイソシアネートとの反応
は、ポリオールをあらかじめ不飽和単量体中に溶解、分
散させた後にポリイソシアネートを添加、滴下させるこ
とが好ましい。ポリオールを不飽和単量体に溶解、分散
せしめる方法としては、室温でそのまま溶解、分散させ
たり、あるいは加熱撹拌の操作を用いることができる。
加熱に際しては不飽和単量体の不要な重合を防ぐためよ
り低温で、あるいは乾燥空気によるパージ下及び/また
は微量の重合禁止剤の存在下で行うことが好ましい。ウ
レタン化反応は、触媒の存在下、50〜100℃で2〜
20時間行うのが好ましい。反応の終点は、NCO%測
定、IR測定によるNCOピ−クの消失により判断され
る。
【0011】第一工程で用いられるポリオールとして
は、一分子中に水酸基を2個若しくはそれ以上有するこ
とが好ましい。例えば、低分子量ポリオールとしてはエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等の2価のアルコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価
のアルコールが挙げられる。より高分子量のポリオール
としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、アクリルポリオール、エポキシポリオール等が
ある。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ(エ
チレン/プロピレン)グリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等がある。ポリエステルポリオールは、ジオ
ールと二塩基酸の重縮合より得られる。ジオールとして
は、前記のエチレングリコール、ジエチレングリコール
の他、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、二塩基酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバ
チン酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。そ
の他、ポリカプロラクトン、ポリβ−メチル−δ−バレ
ロラクトン等のラクトン系開環重合体ポリオール、ポリ
カーボネイトジオール等がある。アクリルポリオールと
しては、水酸基を有するモノマーの共重合体が挙げられ
る。水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ジヒドロ
キシアクリレート等、エポキシポリオールとしては、ア
ミン変性エポキシ樹脂等がある。その他、ポリブタジエ
ンジオール、ひまし油等が挙げられる。
【0012】これらポリオール類は単独、あるいは併用
で使用することができる。被塗装物、被印刷体への密着
性、塗装性、印刷性あるいは被膜物性等のバランスを取
るためには、一般に化学構造の異なる2種類以上を併用
したり、それらの分子量を適宜選択する必要がある。ま
た、活性水素を有しない不飽和単量体への溶解性、ウレ
タン化反応の点からもポリオールの選択が必要となる。
例えば、汎用性の高いポリオールであるポリエステルポ
リオール、ポリエーテルポリオールを用いる場合、その
分子量が5,000以上になると溶解に高温を要した
り、反応条件、とりわけNCO/OH比によっては増粘
によりウレタン化反応が困難となる。ポリオール中に2
個以上の活性水素を有していても分岐構造となることか
ら増粘の問題が生じやすくなる。ジオールとしてポリエ
チレングリコールを単独、或いは他のジオールと併用す
ると水溶化が容易になり安定な分散体、ハイドロゾルが
得られる。
【0013】また、ジオール成分としてイオン化可能な
基、例えばカルボキシル基、スルフォン基等を有するポ
リオールを用いると自己乳化性のポリウレタンができ
る。カルボキシル基含有ポリオールとして、ジメチロー
ルプロピオン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−
ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、
ジヒドロキシプロピオン酸等のジメチロールアルカン
酸、ジヒドロキシコハク酸、ジヒドロキシ安息香酸が挙
げられる。特に、反応性、溶解性点からはジメチロール
プロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸が好ましい。
活性水素を有しない不飽和単量体としては、カルボキシ
ル基、水酸基、メチロール基、シラノール基、1級、2
級アミノ基等を含有しない不飽和単量体が挙げられる。
例を挙げると、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸
ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メト
キシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メ
タ)アクリル酸エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート、
アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する不飽
和単量体;アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリ
ルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルメタクリレート等の三級アミノ基を有する
(メタ)アクリル酸;N−ビニルピロリドン、N−ビニ
ルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不
飽和単量体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ス
チレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸フェニル等
の芳香族不飽和単量体;ビニルトリエトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
の含珪素不飽和単量体;オクタフルオロペンチル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート等の含フッ素不飽和単量体、イソシア
ネート基をブロックした不飽和単量体等の不飽和基を一
つ有する単量体類がある。また、活性水素を有しなく不
飽和基を2つ有する不飽和単量体としてはジビニルベン
ゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0014】活性水素を有しないこれら不飽和単量体の
選択によりウレタン化反応を設計通りに行うことができ
る。これら単量体はポリオール、ポリイソシアネートを
よく溶解させることが望ましいが、完全溶解しなくても
反応の進行に連れ溶解するような系の選択も可能であ
る。溶解性が不良の場合は、ビニルピロリドン等のウレ
タン樹脂に対して溶解力の高い単量体、あるいは芳香族
不飽和単量体等のウレタンに対して比較的溶解性のある
単量体類を使用することが好ましい。有機ポリイソシア
ネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環式のポリイソシ
アネートがある。例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェ
ニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロ
ヘキシレンジイソシアネート、4,4’ージシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−
ジメトキシ−4,4’−ブフェニレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等を
単独、または混合で使用できる。
【0015】イソシアネートと水酸基の反応に用いられ
る触媒としては、ジブチルすずジラウレート、オクトエ
酸すず、ジブチルすずジ(2−エチルヘキソエート)、
2−エチルヘキソエート鉛、チタン酸2−エチルヘキシ
ル、2−エチルヘキソエート鉄、2−エチルヘキソエー
トコバルト、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、テ
トラ−n−ブチルすず、塩化第一すず、塩化第二すず、
塩化鉄が挙げられる。不飽和単量体中での反応は、一般
に溶剤系に比べて溶液粘度が高くなるためポリウレタン
の分子量を特定範囲内におさめることが重要となる。ポ
リウレタンの数平均分子量が30,000以上になると
増粘が著しくなったり、反応に長時間要する。また、ポ
リウレタン重量と不飽和単量体重量の総和に対するポリ
ウレタンの割合が95重量%以上では不飽和単量体の特
徴である耐候性等が得難く、5重量%以下では、ウレタ
ンの特徴である基材への密着性、耐摩耗性、耐溶剤性、
反撥弾性等が発現し難い。
【0016】第二工程で用いられる水酸基を有する有機
溶剤としては、公知の物が使用できる。例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、
ジエチレングリコ−ル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノ−n−ヘキシルエーテル、2,2,4−ト
リメチルペンタンジオール−1、3−モノイソブチレー
ト等を単独、或いは混合で用いられる。これら水酸基を
有する有機溶剤の使用で粘度が低下し、水分散が容易に
なる。これら有機溶剤から目的とする塗料、インキ、接
着剤、コーテイング等に適した成膜、塗工助剤として適
宜選択することにより、水性化に伴う脱溶剤過程を省略
することも可能となる。これら有機溶剤の中で増粘、副
反応の抑制、あるいは成膜、塗工助剤としての機能から
は、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチル
エーテル、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、
ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及び
2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1、3−モ
ノイソブチレートが好ましい。第二行程では必要に応じ
て水酸基を有しない有機溶剤を併用する事も可能であ
る。
【0017】水酸基を有する有機溶剤は、第一工程で得
られたポリウレタン溶液に、そのまま直接添加したり、
同じく第二工程で用いる界面活性剤を溶解、分散した状
態で添加することもできる。第二工程では必要に応じて
活性水素を有する不飽和単量体を併用することも可能で
ある。活性水素を有する不飽和単量体としては、(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキ
シル基を有する不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水
酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0018】これら活性水素を有する不飽和単量体類
は、溶液粘度を下げると共にウレタンの末端にNCO基
を有するポリウレタンであれば活性水素を有する不飽和
単量体の一部はウレタン鎖末端と反応し、後工程で他の
不飽和単量体と化学結合を通しての複合化も可能にな
る。第二工程のポリウレタンの不飽和単量体溶液を水分
散する方法としては界面活性剤単独、或いはポリウレタ
ンにも水性化能を持たせる方法の2種類が可能である。
界面活性剤はポリウレタンの不飽和単量体溶液の水分散
体の安定性、あるいは該分散体を重合してなる複合樹脂
分散体の重合安定性、経時安定性を改良する目的であ
る。界面活性剤をとしては、ノニオン性、アニオン性、
カチオン性何れの活性剤も使用できるが、乳化安定性、
重合安定性、経時安定性の点からは、特にノニオン性活
性剤が好ましい。ノニオン性活性剤としては、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエステル等、ソルビタンモノラウ
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタン
モノオレート、ソルビタントリオレート等のソルビタン
脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミ
テート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等があ
る。アニオン性としてはアルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸
塩、アルキルスルフォコハク酸塩等がある。
【0019】また、分子内にラジカル重合可能な不飽和
基を有する反応性活性剤を併用すると耐水性の低下を抑
制することも可能である。例として、アルキルフェニル
エーテル系(市販品としては、第一工業製薬(株)製の
HS−10,HS−20,RN−20、RN−30)、
スルホコハク酸エステル系(市販品としては、花王
(株)製ラテムルS−120P、S−180A、三洋化
成(株)製エレミノールJS−2等)がある。これら界
面活性剤は、単独または混合にて使用する。使用量は、
ポリウレタン及び不飽和単量体に対して0.1重量%〜
10重量%の範囲内が好ましい。
【0020】また、ポリウレタンに水性化能を持たせる
方法としては、1)ジオール成分としてカルボキシル基
含有ジオールを用い、塩基で中和する方法、2)三級ア
ミノ基を有するアルキルジアルカノールアミンでプレポ
リマー化し、四級化する方法、3)三級アミノ基を有す
るアルキルジアルカノールアミンでプレポリマー化し、
酸で中和し、アミン塩にする方法、4)水溶性の高いポ
リオール、例えばポリエチレングリコールをウレタン成
分とする方法等が挙げられる。水性化に使用される塩基
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルア
ミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N
−ジメチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2
−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル
−1−プロパノール、モルホリン等が挙げられ単独、混
合にて使用される。ポリウレタンの不飽和単量体溶液を
中和する時、塩基性化合物の種類によっては溶液中への
なじみ易さ、水分散後の安定性が異なる場合があるため
適宜選択する必要がある。ジメチロールアルカン酸等の
カルボキシル基を有する化合物の中和においては、カル
ボキシル基1当量に対し0.6〜1.2当量が好まし
い。
【0021】水分散においては、ポリウレタンと不飽和
単量体の合計量が総量に対して70重量%以下の範囲内
が好ましい。70重量%よりも大きいと凝集物が生成し
易く、また均一な重合体が得難い。ポリウレタンの不飽
和単量体溶液を水分散する方法としては、通常の撹拌機
による水分散も可能であるが。安定な水分散体を得るた
めにはホモミキサー、ホモジナイザー、マイクロフルイ
タイザー(みずほ工業社製)による高剪断力下による強
制分散が好ましい。第三工程において水分散体を重合し
複合樹脂分散体を得るには公知のラジカル重合方法が好
ましい。重合開始剤は水溶性開始剤、油溶性開始剤共に
使用可能である。油溶性開始剤の使用に際しては前もっ
てポリウレタンの不飽和単量体溶液に溶解させておくこ
とが好ましい。これら重合開始剤は、不飽和単量体に対
して0.05〜5%の範囲内で好適に用いられる。温度
は40〜100℃が好ましく、レドックス開始剤では8
0℃以下で十分である。重合開始剤としては、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリ
ル、等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、イソブチリル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、クミル
パーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、ラウリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジンカーボ
ネイト等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素等の無機パーオキサイド化合物が
ある。有機または無機パーオキサイド化合物は、還元剤
と組み合わせてレドックス系開始剤として使用すること
も可能である。用いられる還元剤としては、L−アスコ
ルビン酸、L−ソルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、
硫酸第二鉄、塩化第二鉄、ロンガリット等が挙げられ
る。
【0022】不飽和単量体の重合方法に関しては、全量
仕込み、全量滴下、あるいは一部分仕込みで残りを滴下
させる方法が可能である。また、不飽和単量体の重合に
際しては、分子量を調節する目的で公知の連鎖移動剤、
例えばオクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、
2−メルカプトエタノール、ターシャルドデシルメルカ
プタン、チオグリコール酸等の使用も可能である。本発
明の水性被覆組成物には、必要に応じて他の樹脂、例え
ばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を併用したり、また、用
途に応じて顔料、染料、分散助剤、消泡剤、増粘剤、界
面活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機溶剤を適宜添
加することが可能である。更に、目的によっては耐水
性、皮膜強度、耐薬品性を向上させるために架橋剤を添
加することも可能である。架橋剤としては、ブロックド
イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジ
イミド化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物等が
挙げられる。
【0023】このようにして得られた水性ウレタン複合
樹脂を含有する水性被覆組成物は、水性の塗料、イン
キ、接着剤等のビヒクル、バインダー樹脂として有用で
ある。
【0024】
【実施例】以下に製造例、実施例をもって本発明を詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、以下の製造例、実施例において、特に断らな
い限り「部」は重量部を意味する。 製造例1 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、ブチルアクリレート12部、メチルメタアクリレ
ート8部、数平均分子量約1,500(水酸基価76)
のポリテトラメチレングリコール246.6部、数平均
分子量1,000(水酸基価111)のポリエチレング
ルコール28.5部、ジメチロールプロピオン酸27.
0部を仕込み、60℃まで昇温した。撹拌下、イソホロ
ンジイソシアネート77.9部、ジブチル錫ジラウレー
ト0.08部を加え80℃まで昇温し、10時間反応さ
せ数平均分子量約8,300であるポリウレタンのモノ
マー溶液を得た。
【0025】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、イソプロピルアルコール30部を加えた。アン
モニア水15.6部、サンノールNES(ライオン
(株)製、アニオン系乳化剤、有効成分30%)5部、
蒸留水600部を加え、ポリウレタンのモノマー溶液の
分散体を得た。次にフラスコに窒素ガスを導入しながら
該水分散体を75℃に昇温し、過硫酸カリウム0.03
部加えアクリル重合反応を4時間行った。更に、過硫酸
カリウムを0.01部追加し2時間反応を続行させ、水
性のウレタン複合樹脂分散体(A)を得た。
【0026】製造例2 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、ブチルアクリレート30部、メチルメタアクリレ
ート30部、数平均分子量約1,500(水酸基価7
6)のポリプロピレングリコール207.6部、数平均
分子量約1,000(水酸基価111)のポリエチレン
グリコール27.3部、ジメチロールプロピオン酸2
2.7部を仕込み、60℃まで昇温した。撹拌下、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート75.6部、ジブ
チル錫ジラウレート0.7部を加え80℃まで昇温し、
10時間反応させ数平均分子量11,400であるポリ
ウレタンのモノマー溶液を得た。
【0027】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、n−プロピルアルコール10部、アクリル酸
6.7部を加えた。アンモニア水17.8部、サンノー
ルNES10部、蒸留水600部を加え、ポリウレタン
のモノマー溶液の水分散体を得た。次にフラスコに窒素
ガスを導入しながら該水分散体を75℃に昇温し、過硫
酸カリウム1.1部加えアクリル重合反応を4時間行っ
た。更に、過硫酸カリウムを0.3部追加し2時間反応
を続行させ、水性のウレタン複合樹脂分散体(B)を得
た。 製造例3 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、エチルアクリレート70部、ブチルアクリレート
80部、メチルメタクリレート50部、数平均分子量約
2、000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリ
コール125.4部、数平均分子量約2,000(水酸
基価56)のポリエチレングリコール20.6部、ジメ
チロールブタン酸15.8部を仕込み、60℃まで昇温
した。撹拌下、イソホロンジイソシアネート38.0
部、ジブチル錫ジラウレート0.05部を加え80℃ま
で昇温し、12時間反応させ数平均分子量22,300
であるポリウレタンのモノマー溶液を得た。
【0028】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、ジエチレングリコールモノメチルエーテル30
部、アゾビスイソブチロニトリル4部を加えた。トリエ
チルアミン38.9部、ラテムルS−180(花王
(株)製、反応性乳化剤、有効成分50%)20部、蒸
留水600部を加え、ポリウレタンのモノマー溶液の水
分散体を得た。次にフラスコに窒素ガスを導入しながら
該水分散体を75℃に昇温し、アクリル重合反応を6時
間行い、水性のウレタン複合樹脂分散体(C)を得た。 製造例4 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、エチルアクリレート70部、ブチルアクリレート
100部、メチルメタクリレート50部、数平均分子量
約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレング
リコール138.6部、数平均分子量約1,000(水
酸基価111)のポリエチレングリコール22.2部、
ジメチロールブタン酸14.3部を仕込み、60℃まで
昇温した。撹拌下、ジフェニルメタンジイソシアネート
44.9部、ジブチル錫ジラウレート0.05部を加え
80℃まで昇温し、12時間反応させポリウレタンの数
平均分子量24,600であるモノマー溶液を得た。
【0029】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、イソプロピルアルコール30部を加えた。トリ
エチルアミン30.2部、ラテムルS−180を25
部、蒸留水600部を加え、ポリウレタンのモノマー溶
液の水分散体を得た。次にフラスコに窒素ガスを導入し
ながら該水分散体を75℃に昇温し、過硫酸カリウム3
部加えアクリル重合反応を4時間行った。更に、過硫酸
カリウムを1部追加し2時間反応を続行させ、水性のウ
レタン複合樹脂分散体(D)を得た。 製造例5 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、ブチルアクリレート130部、メチルメタアクリ
レート110部、スチレン100部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート40部、数平均分子量約2,000(水
酸基価56)のポリプロピレングリコール13.1部、
数平均分子量約2,000(水酸基価56)のポリエチ
レングリコ−ル1.2部、ジメチロールブタン酸1.7
部を仕込み、60℃まで昇温した。撹拌下、イソホロン
ジイソシアネ−ト4部、ジブチル錫ジラウレート0.0
1部を加え80℃まで昇温し、15時間反応させ数平均
分子量27,000であるポリウレタンのモノマー溶液
を得た。
【0030】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、イソプロピルアルコール30部、アゾビスイソ
ブチロニトリル7.6部を加えた。トリエチルアミン5
4.4部、アクアロンHS−10(第一工業製薬(株)
製、反応性乳化剤、有効成分98%)20部、蒸留水6
00部を加え、ポリウレタンのモノマー溶液の水分散体
を得た。次にフラスコに窒素ガスを導入しながら該水分
散体を75℃に昇温し、アクリル重合反応を6時間行
い、水性のウレタン複合樹脂分散体(E)を得た。 製造例6 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、エチルアクリレート70部、ブチルアクリレート
100部、メチルメタクリレート50部、数平均分子量
約2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレング
リコール139.6部、数平均分子量約2,000(水
酸基価56)のポリエチレングリコール20.6部、ジ
メチロールブタン酸18.4部を仕込み、60℃まで昇
温した。撹拌下、イソホロンジイソシアネ−ト42部、
ジブチル錫ジラウレート0.05部を加え80℃まで昇
温し、12時間反応させ数平均分子量33,000であ
るポリウレタンのモノマー溶液を得た。
【0031】ポリウレタンのモノマー溶液を30℃まで
冷却し、イソプロピルアルコール30部を加えた。トリ
エチルアミン30.2部、サンノ−ルNES30部、蒸
留水600部を加え、ポリウレタンのモノマー溶液の水
分散体を得た。次にフラスコに窒素ガスを導入しながら
該水分散体を75℃に昇温し、過硫酸カリウム3部加え
アクリル重合反応を4時間行った。更に、過硫酸カリウ
ムを1部追加し2時間反応を続行させ、水性のウレタン
複合樹脂分散体(R−1)を得た。 製造例7 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の1000mlフラスコを乾燥空気で置
換し、ブチルアクリレート30部、メチルメタアクリレ
ート30部、2−エチルヘキシルアクリレート6.8
部、数平均分子量約1,500(水酸基価76)のポリ
プロピレングリコール207.6部、数平均分子量1,
000(水酸基価111)のポリエチレングリコール2
7.3部、ジメチロールプロピオン酸22.7部を仕込
み、60℃まで昇温した。撹拌下、テトラメチルキシレ
ンジイソシアネート75.6部、ジブチル錫ジラウレー
ト0.1部を加え80℃まで昇温し、18時間反応させ
数平均分子量11,500であるポリウレタンのモノマ
ー溶液を得た。
【0032】トリエチルアミン17.1部、蒸留水60
0部を加え、ポリウレタンのモノマー溶液の水分散体を
得た。次にフラスコに窒素ガスを導入しながら該水分散
体を75℃に昇温し、過硫酸カリウム1部加えアクリル
重合反応を4時間行った。更に、過硫酸カリウムを0.
4部追加し2時間反応を続行させ、水性のウレタン複合
樹脂分散体(R−2)を得た。 製造例8 還流冷却管、滴下漏斗、ガス導入管、撹拌装置、温度計
を備えた4ツ口の2000mlフラスコを乾燥窒素で置
換し、メチルエチルケトン600部、数平均分子量約
2,000(水酸基価56)のポリテトラメチレングリ
コール252部、数平均分子量約1,000(水酸基価
111)のポリエチレングリコール32部、ジメチロー
ルプロピオン酸29.6部を仕込み、60℃まで昇温し
た。撹拌下、イソホロンジイソシアネート86.4部、
ジブチル錫ジラウレート0.1部を加え80℃まで昇温
し、4時間反応させ数平均分子量9,800であるポリ
ウレタンを得た。
【0033】ポリウレタン溶液を30℃まで冷却し、ア
ンモニア水15部、蒸留水660部を加えた後、脱溶媒
を行い水性ウレタン樹脂(R−3)を得た。製造例1〜
8で得た水性ウレタン複合樹脂(A〜E、R−1、R−
2)、及び水性ウレタン樹脂(R−3)の評価方法を以
下に示す。結果は表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】a)水分散性 第二工程での水分散性 ◎ 水分散性が非常に良い。 ○ 水分散性が良い。 △ 水分散性が少し悪い。 × 水分散性が悪い。 b)保存安定性 水性ウレタン複合樹脂、水性ウレタン樹脂を40℃の恒
温槽に30日間入れ沈殿物の程度を調べた。
【0036】 ◎ 沈殿物がない。 ○ 沈殿集物が殆どない。 △ 沈殿物が少し生じる。 × 沈殿物がかなり生じる。 製造例1〜8で得られた水性ウレタン複合樹脂(A〜
E、R−1、R−2)、水性ウレタン樹脂(R−3)を
用いて、下記の実施例に示すサンプルを得、評価を行っ
た。
【0037】実施例1 水性ウレタン複合樹脂(A)に成膜助剤としてエチルセ
ロソルブを10%添加した塗工液を調整した。次に黒ラ
ッカーを塗布したスレート板上に前記調整の塗工液が厚
さ0.5mmになるように塗布し、60℃の乾燥器にて
成膜させ、サンプルとした。該サンプルをデユーサイク
ル方式ウエザーメータにて500時間照射し、その光沢
を測定した。初期光沢との差から光沢保持率を算出し
た。以下に実施例、比較例に用いた水性樹脂を記す。 実施例2 水性ウレタン複合樹脂(B) 実施例3 水性ウレタン複合樹脂(C) 実施例4 水性ウレタン複合樹脂(D) 実施例5 水性ウレタン複合樹脂(E) 比較例1 水性ウレタン複合樹脂(R−1) 比較例2 水性ウレタン複合樹脂(R−2) 比較例3 水性ウレタン樹脂(R−3) 実施例6 水性ウレタン複合樹脂(A)50部、フタロシアニン系
青色顔料(東洋インキ製造株式会社製 リオノールブル
ーKLH)20部、消泡剤0.1部、水29.9部をホ
モミキサーにて7,000rpm、20分間撹拌し、顔
料分散体を得た。
【0038】該顔料分散体を水/イソプロピルアルコー
ル=1/1の混合溶剤を用いてザ−ンカップ#4で19
秒になるように調整し、処理OPPフイルム(東洋紡績
社製「パイレンP2161」)、処理PETフイルム
(東洋紡績社製「エステルE5100」)上に#7のバ
ーコータで塗布した。続いて60℃の乾燥オーブンで1
0分間乾燥し、フイルム密着性、発色性評価のサンプル
とした。以下に実施例、比較例に用いた水性樹脂を記
す。 実施例7 水性ウレタン複合樹脂(B) 実施例8 水性ウレタン複合樹脂(C) 実施例9 水性ウレタン複合樹脂(D) 実施例10 水性ウレタン複合樹脂(E) 比較例4 水性ウレタン複合樹脂(R−1) 比較例5 水性ウレタン複合樹脂(R−2) 比較例6 水性ウレタン樹脂(R−3) 実施例1〜10、比較例1〜6で得たサンプルの評価方
法を以下に示す。結果は表2、3に示す。
【0039】c)耐候性の評価 実施例1〜5、比較例1〜3について光沢保持率を調べ
た。 ◎ 光沢保持率が80%以上 ○ 〃 60〜80% △ 〃 40〜60% × 〃 40%以下 d)OPP、PETフイルムへの密着性の評価 実施例6〜10、比較例4〜6で得たサンプルのテープ
剥離試験を行い、その密着性を調べた。
【0040】 ◎ 全く剥離しない。 ○ 殆ど剥離しない。 △ 少し剥離する。 × かなり剥離する。 e)発色性の評価 実施例6〜10、比較例4〜6で得たサンプルの発色性
を濃度、光沢、透明性より目視にて総合的に判定した。 ◎ 非常に優れている ○ 優れている △ 普通 × 劣っている
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】脱溶剤を必要とする通常のウレタン合成
溶剤を使用しないことからコスト的に優れた水性ウレタ
ン複合樹脂である。また、その製造工程においては、不
飽和単量体中でウレタン化反応を行うことからウレタン
樹脂と不飽和単量体を直接、化学的に結合させることも
可能でブレンド系とは異なる樹脂形態をもたせることが
できる。このような不飽和単量体と複合したウレタン樹
脂は、ウレタンの長所である基材への密着性、耐摩耗
性、耐溶剤性、耐衝撃性を損なうことなくウレタン樹脂
の欠点である耐候性、耐アルカリ性、耐熱性等の物性を
向上させることができるため、本法により実用性の極め
て高い水性ウレタン複合樹脂及び該樹脂を含んでなる水
性被覆組成物を提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 A 151/08 151/08 (72)発明者 大槻 司 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BG035 BN171 CC135 CD005 CF035 CK025 FD040 FD050 FD090 FD140 FD200 FD310 FD330 GH01 GJ01 HA07 4J011 AA05 AA09 AA10 BA04 KA04 KA06 KA10 KA14 KA15 KA21 KB02 KB19 KB22 KB29 PA95 PB08 PB14 PB15 PB25 PB39 PC06 PC13 4J026 AB02 AC23 AC26 AC33 BA05 BA07 BA16 BA27 BA29 BA30 BA32 BA40 BA43 BA50 BB01 BB02 CA04 CA06 CA07 CA08 CA10 DA07 DA08 DB04 DB08 DB10 DB12 DB14 DB15 DB16 DB22 DB25 DB26 FA04 GA08 GA09 4J038 CC032 CC082 CG142 CG172 CH172 CH192 CH202 CH252 CH262 CJ252 DG111 DG121 DG131 MA10 NA03 NA04 NA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)活性水素を有しない不飽和単量体中で
    ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させ、数
    平均分子量30,000以下のポリウレタンの不飽和単
    量体溶液(A)を得る第一工程 b)(A)を水酸基を有する有機溶剤及び界面活性剤の
    存在下に水分散し、ポリウレタン溶液の水分散体(B)
    を得る第二工程 c)(B)をラジカル重合せしめる第三工程 から得られる水性ウレタン複合樹脂。
  2. 【請求項2】第一工程において不飽和単量体が芳香族系
    単量体を含む不飽和単量体からなることを特徴とする請
    求項1記載の水性ウレタン複合樹脂。
  3. 【請求項3】第一工程においてポリウレタンがポリエチ
    レングリコールを必須成分とすることを特徴とする請求
    項1記載の水性ウレタン複合樹脂。
  4. 【請求項4】第二工程において水酸基を有する有機溶剤
    が、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノ
    エチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチル
    エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
    ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及び
    2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1、3−モ
    ノイソブチレートから選ばれる何れかを含有することを
    特徴とする請求項1記載の水性ウレタン複合樹脂。
  5. 【請求項5】第二工程において界面活性剤が反応性界面
    活性剤であることを特徴とする請求項1記載の水性ウレ
    タン複合樹脂。
  6. 【請求項6】第三工程において得られた水性ウレタン複
    合樹脂の樹脂固形分中、ポリウレタンが5重量%〜95
    重量%であることを特徴とする請求項1記載の水性ウレ
    タン複合樹脂。
  7. 【請求項7】請求項1〜6までの何れか記載の水性ウレ
    タン複合樹脂を含有することを特徴とする水性被覆組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030065716A (ko) * 2002-01-30 2003-08-09 주식회사 코켐 김 서림 방지용 수분산 폴리우레탄 수지 코팅용액 조성물및 그 제조방법
JP2008143932A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Chuo Rika Kogyo Corp ポリウレタン系樹脂組成物
JP2010013666A (ja) * 2009-10-21 2010-01-21 Chuo Rika Kogyo Corp ポリウレタン−ビニル重合体複合樹脂水性分散液

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