JP2000034180A - 無機発泡体の製造方法 - Google Patents

無機発泡体の製造方法

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JP2000034180A
JP2000034180A JP20252798A JP20252798A JP2000034180A JP 2000034180 A JP2000034180 A JP 2000034180A JP 20252798 A JP20252798 A JP 20252798A JP 20252798 A JP20252798 A JP 20252798A JP 2000034180 A JP2000034180 A JP 2000034180A
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phosphoric acid
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foam
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JP20252798A
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Eiji Shinba
英治 榛葉
Akira Inoue
顕 井上
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/34Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing cold phosphate binders
    • C04B28/346Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing cold phosphate binders the phosphate binder being present in the starting composition as a mixture of free acid and one or more phosphates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造時の発泡と硬化とのコントロールを容易
にし、断熱性、機械的物性、耐水性等に優れた無機発泡
体を得ることが可能な無機発泡体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (A)リン酸類及び/又は酸性リン酸化
合物100重量部、(B)金属酸化物及び/又は金属水
酸化物50〜240重量部、(C)金属炭酸塩30〜1
00重量部、(D)アルデヒド系縮合性樹脂10〜50
重量部、(E)無機繊維25〜400重量部、(F)界
面活性剤0.01〜10重量部を混合したスラリーを、
発泡、乾燥、硬化させて、無機発泡体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機発泡体の製造
方法に関するものであり、詳しくは、断熱性、機械的物
性、耐水性等に優れた無機発泡体を安定して得ることが
できる無機発泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の鉄骨構造に使用される鋼材は不
燃材料ではあるが、火災等によって450℃以上の高温
に曝されると著しく強度が低下するため、鉄骨構造に使
用される鋼材等の構造部材には、耐火被覆を施すことが
建築基準法によって義務づけられている。
【0003】耐火被覆に使用する材料としては、発泡層
又は断熱層として機能して構造部材を保護する材料、又
は、材料中に配合された水和物が高温に曝された際に水
を放出することで吸熱して構造部材の温度上昇を緩和さ
せる材料等が知られている。また、耐火被覆の方法とし
ては、建築現場にて構造部材に材料を直接吹付けて施工
する方法、又は、構造部材を覆うように板状の材料を貼
付け施工する方法が知られている。
【0004】吹付け施工する材料としては、ロックウー
ルとセメントとの混合物、シリカゾルとセメントとの混
合物、シラスバルーンとセメントとの混合物、石膏と発
泡スチロールとの混合物等が知られている。
【0005】上記従来の吹付け施工の場合には、セメン
トや繊維の飛散が避けられず、粉塵が多い等の作業環境
上の問題がある。また、結合剤としてセメントを用いる
ために、乾燥、硬化、養生の過程に時間を要し、この過
程で吹付けられた材料が構造部材から剥離してしまう場
合があるという問題を有している。更に、結合剤として
用いるセメントは、水硬性であるために硬化後において
も吹付けられた材料が結合水を含んでおり、急激な加
熱、温度変化を受けると結合水が一気に沸騰し、吹付け
られた材料に亀裂が生じる場合があるという問題も有し
ている。
【0006】一方、構造部材に貼付け施工する板状の材
料としては、古くより珪酸カルシウム板が知られている
が、耐水性が低い、特に吸水時の強度低下が著しいとい
う問題を有している。
【0007】これらの問題を解決することを目的とし
て、種々の提案がなされおり、その中の一つとして、軽
量であり、発泡体であるが故に十分な断熱性を備え、高
温に曝された場合における吸熱性と耐火性を兼ね備え
た、リン酸塩系の多孔体又は発泡体が種々提案されてい
る。
【0008】例えば、特公昭55−4709号公報で
は、pH1.5以下の酸性リン酸塩水溶液、無水アルカ
リ珪酸塩、金属系発泡剤及び発泡安定剤をペースト状に
混合する無機断熱材の製造方法が提案されている。これ
と同様な断熱材の製造方法が、特公昭56−14623
号公報及び特公昭56−14624号公報でも提案され
ている。
【0009】また、特公昭56−36145号公報で
は、リン酸金属塩を構成する金属原子の総数とリン原子
の総数との比が2/3〜2/1であり、リン酸金属塩が
その金属として少なくとも一種の多価金属を含み、金属
の総価数とリン酸イオンの総価数との当量比が、0.6
5〜0.95であり、平均気泡径3mm以下の独立気泡
構造を有し、比重が0.15以下であるリン酸の金属塩
よりなる無機質発泡体が提案されている。
【0010】また、特開平4−83771号公報では、
リン酸類の金属塩、ホウ酸の金属塩及び/又はアルミン
酸の金属塩、並びに、必要により多価金属水酸化物及び
/又は多価金属炭酸塩から誘導される無機質多孔体が提
案されている。
【0011】また、特開平6−24869号公報では、
リン酸類、多価金属酸化物、樹脂エマルジョン、水及び
発泡剤からなる多孔体が提案されている。
【0012】更に、特開平9−157061号公報で
は、リン酸類とリン酸類の発泡剤とからの発泡構造の脆
性を、NCO基を有するウレタンプレポリマーによって
改善した無機有機複合発泡体が提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のリン酸塩系の発泡体は、無機材料を混合したスラリ
ーを用いて製造するものであるが、発泡と硬化とをコン
トロールする上で次のような問題点を有している。すな
わち、スラリーに含まれる水分量によっては、発泡と硬
化とのタイミングにずれが生じやすく、発泡直後の硬化
が不十分であるために発泡体が収縮する場合があるとい
う問題を有している。また、スラリーの粘度が低いため
に、発泡剤から生じた気泡によって急激に膨張してしま
い、気泡が固定されずに気体として外部へ放出されてし
まって、硬化する前に気泡がつぶれてしまう場合がある
という問題点を有している。
【0014】上記のような発泡と硬化とをコントロール
する上での問題点によって、従来のリン酸塩系の発泡体
には、製造時に所定の形状や大きさになり難く、また、
気泡の分散状態や発泡体自体の密度が不均一となり、機
械的物性や断熱性が不十分になってしまうという問題点
がある。
【0015】また、リン酸塩系の発泡体は他の無機発泡
体と比較して脆いために、製造時や施工時の取扱いに注
意を要し、特に長尺の発泡体の場合には曲げ強度が低過
ぎて持ち運びが難しいという問題があった。このような
発泡体の脆性を改善することを目的として、無機発泡体
を製造する際のスラリーに、SBRエマルジョン等の樹
脂エマルジョンやウレタンプレポリマーを添加すること
が提案されているが(特開平6−24869号公報、特
開平9−157061号公報)、脆性については改善さ
れているものの、上記したような製造時の発泡と硬化と
をコントロールするうえでの問題を未だ有している。
【0016】更に、上記従来のリン酸塩系の発泡体は、
その製造工程での成形と乾燥との間において、設備間の
移動等でハンドリングする必要がある場合には、乾燥前
の発泡体が脆いために壊れやすいという問題も有してい
た。
【0017】本発明は、従来技術が有していた上記のよ
うな問題点を解消し、製造時の発泡と硬化とのコントロ
ールを容易にし、断熱性、機械的物性、耐水性等に優れ
た無機発泡体を得ることが可能な無機発泡体の製造方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による無機発泡体の製造方法は、下記A〜F
の各成分を下記の量比で混合したスラリーを、発泡、乾
燥、硬化させることを特徴とするものである。 A:リン酸類及び/又は酸性リン酸化合物 100重量
部 B:金属酸化物及び/又は金属水酸化物 50〜240
重量部 C:金属炭酸塩 30〜100重量部 D:アルデヒド系縮合性樹脂 10〜50重量部 E:無機繊維 25〜400重量部 F:界面活性剤 0.01〜10重量部 (但し、上記量比は固形分としての量比、或いは、濃度
を100重量%に換算した量比である。)
【0019】本発明の無機発泡体の製造方法において
は、アルデヒド系縮合性樹脂がリン酸類、酸性リン酸化
合物の触媒としての作用を受けて発泡直後から増粘し
て、各成分が混合されたスラリーの粘度を高めること
で、発泡時の急激な膨張が抑制されるので、気泡がつぶ
れて発泡構造が壊れてしまうことがなく、その結果、気
泡が均一に分布した良好な発泡構造を有する無機発泡体
を得ることができる。
【0020】また、アルデヒド系縮合性樹脂を使用する
ことで、無機発泡体の脆さが改善されて強度が向上し、
更に、乾燥前の無機発泡体の脆さも改善されて、設備間
の移動等、すなわちハンドリングが可能となる。そし
て、アルデヒド系縮合性樹脂は、有機材料の中でも難燃
性の高い材料であるため、本発明の製造方法によって得
られる無機発泡体は、不燃性や耐火性を損なうことがな
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明において使用するリン酸類としては、リン
酸、亜リン酸、ポリリン酸類等を例示することができ
る。また、本発明において使用する酸性リン酸化合物と
は、リン原子に結合した水酸基を少なくとも1個有する
リン酸化合物のことであり、このリン原子に結合した水
酸基は、リン酸化合物と後述する金属酸化物、金属水酸
化物又は金属炭酸塩とが反応するために少なくとも1個
必要である。上記酸性リン酸化合物としては、第一リン
酸金属塩、第二リン酸金属塩、リン酸モノエステル類、
リン酸ジエステル類、第一亜リン酸金属塩等を例示する
ことができる。上記のリン酸類、酸性リン酸化合物は、
これらの中から選ばれた少なくとも1種を使用すればよ
いが、2種以上を併せて使用することもでき、リン酸類
とリン酸化合物とを併せて使用することもできる。
【0022】上記の第一リン酸金属塩、第二リン酸金属
塩又は第一亜リン酸金属塩をそれぞれ構成する金属とし
ては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、亜鉛、バリウム、鉄等を挙げることができる。
【0023】上記リン酸モノエステル類としては、リン
酸モノメチル、リン酸モノエチル、リン酸モノブトキシ
エチル等を挙げることができ、リン酸ジエステル類とし
ては、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジブト
キシエチル等を挙げることができるが、得られる発泡体
の耐火性や不燃性を配慮すると、炭素骨格の炭素数が比
較的少ないものが好ましい。また、上記リン酸モノエス
テル類又はリン酸ジエステル類には、発泡前のスラリー
の表面張力を下げ、発泡時の整泡剤(界面活性剤)の機
能を向上させる作用があるが、多量に使用すると発泡体
の耐火性や不燃性に好ましくない影響を及ぼすため、上
記リン酸モノエステル類又はリン酸ジエステル類を使用
する際には、上記リン酸類、第一リン酸金属塩、第二リ
ン酸金属塩又は第一亜リン酸金属塩を併用することが好
ましい。
【0024】上記のリン酸類、酸性リン酸化合物の中で
も好ましいものは、リン酸、第一リン酸マグネシウム、
第一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛から選ばれた
1種又は2種以上の混合物であり、これらは、無機物で
あるため、得られる発泡体の耐火性や難燃性に悪影響を
及ぼさず、しかも後述する金属酸化物、金属水酸化物又
は金属炭酸塩との反応性が高い。これらの中でも、水に
対する溶解性が良いことから、リン酸又は第一リン酸ア
ルミニウム、或いは両者の混合物であることが特に好ま
しい。
【0025】上記酸性リン酸化合物は、固形状又は水溶
液の形態で使用することができるが、後述する他の成分
との混合がしやすい点から、予め水溶液の形態としてか
ら使用することが好ましい。水溶液とした場合の酸性リ
ン酸化合物の濃度は、後述する他の成分と均一に混合で
き、発泡時の作業が容易になり、乾燥及び硬化の時間が
できる限り短縮されるようにするため、30〜70重量
%であることが好ましく、50〜70重量%であること
がより好ましい。
【0026】酸性リン酸化合物の水溶液の濃度が30重
量%未満では、発泡前のスラリーに含まれる水分量が多
くなって乾燥及び硬化の時間が長くなり、生産性が低下
する場合がある。一方、濃度が70重量%を超えると、
水溶液の粘度が高くなり、後述する他の成分と均一に混
合することが難しくなる場合がある。
【0027】本発明において使用する金属酸化物、金属
水酸化物は、上記リン酸類、酸性リン酸化合物と反応し
て無機発泡体の骨格を形成するものであり、また、その
一部は充填材としても機能する。更に、金属水酸化物の
場合には、発泡体が高温に曝された際に水を放出して吸
熱して温度上昇を緩和する吸熱物質としての機能をも果
たす。
【0028】このような金属酸化物、金属水酸化物とし
ては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜
鉛、バリウム、鉄等の金属の酸化物及び水酸化物を挙げ
ることができ、これらの中でも、汎用されていて入手が
容易で比較的安価であり、上記リン酸類、酸性リン酸化
合物との反応性が高いことから、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛が好ましい。また、吸熱物質としても機
能する点から、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシ
ウムが特に好ましく、単位重量あたりの水の放出量が多
く吸熱効果が大きい点で水酸化アルミニウムが最も好ま
しい。
【0029】また、本発明においては、得られる無機発
泡体のコストを低減する目的等から、上記金属酸化物又
は金属水酸化物を含む鉱物を使用することもできる。こ
の鉱物としては、ギプサイトミネラル、ジアスポール、
ボーマイト等の酸化アルミニウム水和物;方沸石、ソー
ダ沸石、モデン沸石、斜プチロル沸石、ヒューランダイ
ト、モルデナイト、ゼオライト等の天然ゼオライト又は
人工ゼオライト物質;ゾジウムモンモリロナイト、カル
シウムモンモリロナイト、ゾジウムベントナイト、カル
シウムベントナイト、アロフェン、有機ベントナイト等
のモンモリロナイト属鉱物類;カオリナイト、ハロイサ
イト、デイッカイト、ナクラナイト、木節粘土、蛙目粘
土、カオリン、カオリンクレー、焼成クレー、ジークラ
イト等のカオリン鉱物類;タルク、滑石、石筆石、石け
ん石、カミタルク等の含水珪酸マグネシウムを主成分と
する鉱物類;金雲母、黒雲母、白雲母、セリサイト、イ
ライト、ジークライト等の雲母鉱物類;ブルサイト、ア
タパルジャイト等のマグネシア鉱物類;ウォラストナイ
ト、ラルナイト等のカルシウム鉱物類;コランダム、ダ
イアスポア、ベーマイト、ボーキサイト、礬土頁岩、ム
ライト、シリマナイト、カイアナイト、非発泡ヒル石等
のアルミニウム鉱物類などを挙げることができる。な
お、金属酸化物を含む鉱物は、無機骨材又は無機増粘剤
としても機能させることができる。
【0030】上記の金属酸化物、金属水酸化物は、これ
らの中から選ばれた少なくとも1種を使用すればよい
が、2種以上を併せて使用することもでき、金属酸化物
と金属水酸化物とを併せて使用することもできる。金属
酸化物、金属水酸化物は、上記リン酸類、酸性リン酸化
合物100重量部に対して50〜240重量部の範囲で
使用する。なお、複数種のリン酸類、酸性リン酸化合物
を併用する場合には、それらの合計100重量部に対し
て金属酸化物、金属水酸化物50〜240重量部を使用
する。
【0031】金属酸化物、金属水酸化物の使用量が50
重量部未満の場合には、リン酸類、酸性リン酸化合物が
反応せずに余剰となって残り、無機発泡体の硬化が不充
分となり、無機発泡体の強度や耐水性が低下してしま
う。一方、金属酸化物、金属水酸化物の使用量が240
重量部を超えると、上記とは逆に反応するリン酸類、酸
性リン酸化合物の量が少なくなって反応が不十分とな
り、無機発泡体の強度低下を招く。上記金属酸化物、金
属水酸化物の使用量及び種類によって、リン酸類、酸性
リン酸化合物と反応する速度や得られる無機発泡体の物
性等が変化するので、採用する製造方法に適した反応速
度となるように、また、無機発泡体の用途等に応じて要
求される性能となるように、金属酸化物、金属水酸化物
の使用量及び種類を適宜設定する。
【0032】本発明において使用する金属炭酸塩は、上
記リン酸類、酸性リン酸化合物との反応によって炭酸ガ
スを発生して気泡を生じさせる成分、すなわち発泡剤と
して機能するものであり、また、炭酸ガスを発生した後
の残部(主に金属酸化物)は、上記金属酸化物と同様の
機能を果たす。
【0033】このような金属炭酸塩としては、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸
鉄、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、塩基性炭酸マグネシウ
ム、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸コバルト等を挙げるこ
とができる。また、金属炭酸塩を含む鉱物、例えば、ド
ロマイト、カルサイト等を使用することもできる。これ
らの内、汎用されているために入手が容易で比較的安価
であり、上記リン酸類、酸性リン酸化合物との反応性が
高いことから、炭酸マグネシウム又は炭酸カルシウム、
或いは両者の中の少なくとも1種を含む鉱物を使用する
ことが好ましい。
【0034】上記金属炭酸塩は、1種を選択して使用す
ればよいが、2種以上を併せて使用することもできる。
金属炭酸塩は、上記リン酸類、酸性リン酸化合物100
重量部に対して30〜100重量部の範囲で使用する。
なお、複数種のリン酸類、酸性リン酸化合物を併用する
場合には、それらの合計100重量部に対して金属炭酸
塩30〜100重量部を使用する。
【0035】金属炭酸塩の使用量が30重量部未満の場
合には、発泡が不十分となり、所望の密度の無機発泡体
を得ることができない。一方、金属炭酸塩の使用量が1
00重量部を超えると、無機発泡体中に気泡の塊ができ
て、気泡の分布が不均一となり、無機発泡体の強度や断
熱性能に好ましくない影響を及ぼす。上記金属炭酸塩の
使用量及び種類によって無機発泡体の密度が変化するの
で、無機発泡体の用途等に応じて要求される密度になる
ように、また、使用するリン酸類、酸性リン酸化合物の
種類に応じて、金属炭酸塩の使用量及び種類を適宜設定
する。なお、金属炭酸塩の使用量は、発泡の度合いをコ
ントロールしやすいことから、リン酸類及び酸性リン酸
化合物100重量部に対して40〜70重量部であるこ
とが好ましい。
【0036】本発明において使用するアルデヒド系縮合
性樹脂とは、酸触媒の存在下における加熱によって分子
中のメチロール基が縮合して架橋、硬化する化合物であ
る。このアルデヒド系縮合性樹脂は、酸性度の高い触媒
を用いた場合には、室温においても樹脂の増粘が始まっ
て数秒〜数分でゲル状物となる。また、このアルデヒド
系縮合性樹脂は、上記リン酸類、酸性リン酸化合物の触
媒としての作用を受けて増粘し、本発明において使用さ
れる各成分を混合したスラリーの粘度を高める機能を果
たす。
【0037】このようなアルデヒド系縮合性樹脂として
は、尿素、チオ尿素、メラミン、アセトグアナミン、ベ
ンゾグアナミン、グワニジン、ジシアンジアミド等や、
フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等
のフェノール類と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類
との縮合反応によって得られた予備縮合物を使用する。
これらの内、経済的に好ましいものは、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂であり、硬化後の樹脂自体が
燃え難く耐水性に優れるので無機発泡体の性能を良好に
できるという点で、メラミン樹脂が特に好ましい。
【0038】上記アルデヒド系縮合性樹脂は、液状、固
形状又は水溶液の形態で使用することができるが、他の
成分と混合しやすい点から、予め水溶液の形態としてか
ら使用することが好ましい。水溶液とした場合のアルデ
ヒド系縮合性樹脂の濃度は、40〜80重量%であるこ
とが好ましい。アルデヒド系縮合性樹脂の濃度が40重
量%未満の場合は、発泡前のスラリーに含まれる水分量
が多くなって粘度を高める効果が不十分となったり、無
機発泡体の乾燥及び硬化の時間が長くなって生産性が低
下したりする場合がある。一方、アルデヒド系縮合性樹
脂の濃度が80重量%を超えると水溶液の粘度が高くな
り、他の成分と均一に混合することが難しくなる場合が
ある。
【0039】また、アルデヒド系縮合性樹脂水溶液の粘
度は、発泡時の気泡の発生を抑えることがない程度の適
度な粘度をスラリーに持たせるために、10〜50mP
a ・sの範囲であることが好ましく、15〜25mPa
・sの範囲であることがより好ましい。
【0040】更に、上記アルデヒド系縮合性樹脂が増粘
する速度を調整するために、上記リン酸類、酸性リン酸
化合物に加えて、他の酸触媒を使用してもよい。このよ
うな酸触媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、クエン酸、
シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、有機カルボン酸エス
テル、スルホン酸エステル、タウリン、トリエタノール
アミン塩酸塩、フタル酸尿素、ニトロ尿素、グアニル尿
素有機塩、硫酸エチルのナトリウム塩、ギ酸エステルな
どを挙げることができるが、その中でも水溶性であるも
のが好ましい。なお、上記酸触媒を使用する場合は、上
記アルデヒド系縮合性樹脂100重量部に対して0.1
〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0041】上記アルデヒド系縮合性樹脂は、1種を選
択して使用すればよいが、2種以上を併せて使用するこ
ともできる。アルデヒド系縮合性樹脂は、上記リン酸
類、酸性リン酸化合物100重量部に対して10〜50
重量部の範囲で使用する。なお、複数種のリン酸類、酸
性リン酸化合物を併用する場合には、それらの合計10
0重量部に対してアルデヒド系縮合性樹脂10〜50重
量部を使用する。アルデヒド系縮合性樹脂の使用量が1
0重量部未満の場合は、増粘によってスラリーの粘度を
高める効果を得ることができない。また、使用量が50
重量部を超えると、アルデヒド系縮合性樹脂が燃焼しに
くい樹脂であるとはいえ、得られる無機発泡体の耐火性
や耐熱衝撃性に好ましくない影響を及ぼす。
【0042】本発明において使用する無機繊維として
は、例えば、ガラス繊維、ロックウール等を挙げること
ができ、ガラス繊維のガラス組成としては、Aガラス、
Eガラス、Sガラス等を挙げることができる。上記無機
繊維は、スラリーでの流動性を良好にして無機発泡体中
に均一に分散させるために、数mm〜数cmの長さにカ
ットした形態で、或いは、数mm以下の長さに粉砕した
形態で使用することが好ましい。
【0043】上記無機繊維は、無機発泡体が乾燥及び硬
化する時の収縮によるクラックの発生と反りを防ぎ、無
機発泡体の寸法安定性を向上させる補強材として機能す
る。この機能を充分なものとするために、アスペクト比
が数平均で10以上の無機繊維を使用することが好まし
い。なお、アスペクト比とは、繊維の長さを繊維の直径
で除した比のことである。無機繊維を無機発泡体中に均
一に分散させるために、粉状であるEガラスのミルドフ
ァイバーを使用することが特に好ましい。
【0044】上記無機繊維は、上記リン酸類、酸性リン
酸化合物100重量部に対して25〜400重量部の範
囲で使用する。なお、複数種のリン酸類、酸性リン酸化
合物を併用する場合には、それらの合計100重量部に
対して無機繊維25〜400重量部を使用する。無機繊
維の使用量が25重量部未満の場合には、無機発泡体の
乾燥及び硬化の際に収縮によるクラックや反りが発生し
やすい。また、使用量が400重量部を超えると、リン
酸類及び/又は酸性リン酸化合物、並びに、金属酸化物
及び/又は金属水酸化物の反応によって形成された無機
発泡体の骨格部分に対する無機繊維の量が相対的に大き
くなりすぎて、かえって無機発泡体の強度低下を招く。
得られる無機発泡体が、軽量性と良好な強度とを兼ね備
え、かつ、クラックの発生を完全に防止できることか
ら、無機繊維の使用量は100〜300重量部であるこ
とが好ましい。
【0045】本発明において使用する界面活性剤は、整
泡剤として機能する。このような界面活性剤としては、
例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、アルキルサルフェート等のアニオン系界面活性剤、
オクチルフェノールのエチレンオキサイド付加物、高級
アルコールのエチレンオキサイド付加物等のノニオン系
界面活性剤などを挙げることができる。
【0046】上記界面活性剤は、上記リン酸類、酸性リ
ン酸化合物100重量部に対して、0.01〜10重量
部の範囲で使用する。なお、複数種のリン酸類、酸性リ
ン酸化合物を併用する場合には、それらの合計100重
量部に対して界面活性剤0.01〜10重量部を使用す
る。界面活性剤の使用量が0.01重量部未満の場合に
は、整泡効果が十分ではない。また、10重量部を超え
る量を使用しても整泡効果は使用量の割には向上せず、
逆に無機発泡体の吸水性等の耐水性に好ましくない影響
を及ぼす。
【0047】本発明においては、上記のリン酸類及び/
又は酸性リン酸化合物、金属酸化物及び/又は金属水酸
化物、金属炭酸塩、アルデヒド系縮合性樹脂、無機繊
維、並びに界面活性剤の各成分を混合したスラリーを発
泡、乾燥、硬化させることで無機発泡体を得ることがで
きるが、上記各成分に加えて、硬化時間を短縮して生産
性の向上を図ることを目的に水硬性セメントを使用して
もよい。また、無機発泡体の軽量化を目的に無機軽量骨
材を使用してもよい。
【0048】本発明において使用できる水硬性セメント
としては、例えば、天然セメント、ポルトランドセメン
ト、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、石
灰混合セメント、エトリンジャイト混合セメント、高硫
酸塩スラグセメント等を挙げることができる。これらの
水硬性セメントは上記金属酸化物、金属水酸化物と同様
の機能を果たす。また、上記水硬性セメントに対して、
石膏やマグネシアセメント等の気硬性セメントを適宜添
加して使用することもできる。
【0049】水硬性セメントは、上記リン酸類、酸性リ
ン酸化合物100重量部に対して20重量部以下の範囲
で使用することが好ましい。なお、複数種のリン酸類、
酸性リン酸化合物を併用する場合には、それらの合計1
00重量部に対して水硬性セメントを20重量部以下で
使用する。水硬性セメントの使用量が20重量部を超え
ると、得られる発泡体の耐水性や耐熱衝撃性が低下する
場合がある。
【0050】本発明において使用できる無機軽量骨材と
しては、例えば、天然鉱物が発泡又は膨張した物質であ
る膨張バーミキュアライト、パーライト、膨張頁岩、軽
石、シラスバルーン等の他、石膏やシリカゲルを発泡さ
せた材料、鉄鋼スラグを造粒して発泡させた材料、ガラ
ス屑を造粒して発泡させた材料、粘土粉体を造粒して発
泡させたような材料等のような人工の無機軽量骨材も含
まれる。
【0051】本発明においては、上記の各成分を混合し
てスラリーとするのであるが、このスラリーに含まれる
水分は、各成分を均一に混合してスラリー化でき、この
スラリーが発泡、硬化する際に十分な流動性を有するこ
とができる範囲の量であることが好ましい。例えば、リ
ン酸類、酸性リン酸化合物、アルデヒド系縮合性樹脂を
水溶液として使用する場合には、水溶液に対して各成分
を投入、混合することで、その水分を利用してスラリー
化することができ、必要に応じて加水することもでき
る。ただし、スラリーに含まれる水分が多い程、発泡体
の乾燥や硬化に時間や手間がかかるので、必要以上に水
を加えるべきではない。スラリーに含まれる水分の量は
特に限定はないが、流動性と乾燥のしやすさ等を考慮す
ると、固形分量がスラリー全体の20〜40重量%とな
るように、水分量を調整することがが好ましい。
【0052】本発明において、上記の各成分を混合して
スラリーとし、これを発泡、乾燥、硬化させて所望の形
状の無機発泡体を得る方法には限定はないが、例えば、
以下に示す方法を採用することができる。まず、次の
(1)〜(3)に示すいずれかの手順によって、上記の
各成分を混合したスラリーを得る。
【0053】(1)リン酸類及び/又は酸性リン酸化合
物、金属酸化物及び/又は金属水酸化物、金属炭酸塩、
アルデヒド系縮合性樹脂、無機繊維、並びに界面活性剤
を一括で混合してスラリーとする。
【0054】(2)リン酸類及び/又は酸性リン酸化合
物、アルデヒド系縮合性樹脂、無機繊維、並びに界面活
性剤を混合して予備混合物とし、この予備混合物に、金
属酸化物及び/又は金属水酸化物、並びに金属炭酸塩を
投入、混合してスラリーとする。
【0055】(3)リン酸類及び/又は酸性リン酸化合
物、アルデヒド系縮合性樹脂、無機繊維、並びに界面活
性剤を混合して第1の予備混合物とし、金属酸化物及び
/又は金属水酸化物、金属炭酸塩、並びに水を混合して
第2の予備混合物とし、第1の予備混合物及び第2の予
備混合物を混合してスラリーとする。
【0056】上記の手順の内、各成分の混合を均一に行
うことができることから、(3)の手順を採用すること
が好ましい。また、混合に要する時間は、発泡が始まっ
てスラリーがゲル化するまでの時間、すなわち成形が可
能な時間を考慮して、数秒〜数分の範囲に収めることが
好ましい。なお、無機発泡体を板状として成形する場合
には、スラリーの粘度が比較的高い状態にすることが好
ましいので、この状態で上記各成分を均一に混合するに
は、スタティックミキサーを採用することが好ましい。
【0057】続いて、得られたスラリーを、次の(a)
又は(b)の方法によって所望の形状に成形しつつ発
泡、ゲル化させた後、乾燥、硬化させて、無機発泡体を
得る。
【0058】(a)所望の形状の型又は枠の中にスラリ
ーを注入し、平板プレス装置の中で発泡、ゲル化させ、
半硬化させた後、型又は枠を外し、加熱して乾燥、硬化
させる。
【0059】(b)ガラスペーパー又はガラス繊維マッ
ト等の表皮材の上に、連続的にスラリーを流し込み、ロ
ールプレス装置又はベルトプレス装置の中で挟圧しつつ
連続的に発泡、ゲル化させ、半硬化させた後、所望の長
さ及び幅にカットし、加熱して乾燥、硬化させる。
【0060】上記の発泡〜硬化の方法から、種々の形状
の無機発泡体を得たい場合には(a)の方法を採用する
ことができ、板状の無機発泡体を生産性よく得たい場合
には(b)の方法を採用することができる。なお、
(b)の方法においては表皮材を使用せずに、プレス装
置上に直接、又は、樹脂フィルムや離型紙等のサービス
材の上にスラリーを流し込んでもよいが、無機発泡体の
表面性状を良好にするためには、表皮材を使用すること
が好ましい。
【0061】また、上記の方法においてゲル化とは、各
成分の反応によってスラリーが流動性を失って所望の形
状を維持できる状態になることであり、このゲル化の前
に所望の形状に成形する必要がある。更に、上記の方法
において半硬化とは、発泡体を設備間で移動できる程度
まで、すなわちハンドリングが可能になる程度まで、ゲ
ル化後の発泡体を乾燥、硬化させることである。この半
硬化は常温においても可能であるが、生産性を考慮する
と50〜80℃の温度にて行うことが好ましい。加熱下
の半硬化によれば、後の乾燥工程における加熱によって
急激に水分が蒸発し、発泡体が部分的に破裂してしまう
ことを防止することができ、また、アルデヒド系縮合性
樹脂の硬化を開始させることもできる。
【0062】更に、上記の方法において乾燥、硬化は、
一般的な熱風オーブン等によって行うことができ、乾燥
にかけることができる時間にもよるが、80〜200℃
の範囲の温度で行うことが好ましい。乾燥温度が80℃
未満であると、無機発泡体が含む水分を取除いて硬化を
完了させるのに時間がかかり過ぎて生産性が悪く、ま
た、アルデヒド系縮合性樹脂の硬化が不充分となって無
機発泡体の脆さの改善効果が小さくなる場合がある。一
方、乾燥温度が200℃を超えても、乾燥時間はあまり
短縮されず、かえってエネルギー的に不経済である。乾
燥温度は、80〜150℃の範囲であることが特に好ま
しい。
【0063】本発明の製造方法によって得られた無機発
泡体は、従来の無機発泡体と同様の用途に使用すること
がでできる。例えば、所定の形状に切り出された後、鋼
材等の構造部材の耐火被覆材として使用したり、住宅等
の建築物に用いられる板状の断熱・吸音材として使用し
たり、鋼板等の表面材を用いたドアやサンドイッチパネ
ルの芯材として使用することができる。
【0064】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。表1(実施例1〜7)及び表2(比較例1〜
6)に示す量比で、各成分を上記の(3)手順によって
混合してスラリーとした後、上記の(b)の方法によっ
て発泡、成形、乾燥、硬化した。但し、表皮材としての
目付25g/m2 のガラスペーパーは、実施例2及び比
較例2のみで使用した。
【0065】また、スラリーの混合装置としてはスタテ
ィックミキサーを使用し、プレス装置としては、表面に
フッ素樹脂加工を施した金属ベルトを備えた上下間隔が
25mmのベルトプレス装置を使用した。更に、ベルト
プレス装置の中で流し込んだスラリーを強圧しつつ発
泡、ゲル化、半硬化させる時間は、80℃での半硬化の
時間15分を含めて約20分とした。半硬化した後の無
機発泡体をベルトプレス装置の終端にて所定の寸法にカ
ットし、温度160℃のオーブンに移し、その中で4時
間加熱して乾燥、硬化させて、厚さ25mm、幅500
mm、長さ800mmの板状の無機発泡体を得た。
【0066】なお、表1及び表2における単位は、固形
分としての、或いは、濃度を100重量%に換算した重
量部である。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】実施例1〜7及び比較例1〜6によって得
られた無機発泡体について、以下の方法によって性能を
評価した。結果を表3に示す。 密度:発泡体の体積及び質量を測定して算出した。 ハンドリング性:半硬化した後、所定寸法にカットし
た無機発泡体を、ベルトプレス装置の終端からオーブン
へ人手によって移す際に、無機発泡体を問題なく移すこ
とができた場合には○、クラックが発生したが割れなか
った場合には△、割れてしまった場合には×と評価し
た。 外観:乾燥後の無機発泡体の外観(表面の平滑性、ク
ラックや反りの有無)を目視によって評価した。外観が
良好な場合は○、若干問題があるが実用上差支えない場
合には△、外観が悪く使用不可能な場合は×と評価し
た。 熱伝導率:JIS A 1412の方法に基づいて測
定した。 曲げ強度:JIS A 1408の方法(5号試験
体)に基づいて測定した。
【0070】
【表3】
【0071】表3に示されるように、実施例の無機発泡
体は、ハンドリング性、外観、熱伝導率、及び曲げ強度
のすべての点において、アルデヒド系縮合性樹脂を使用
しない比較例の無機発泡体と比べて優れている。なお、
比較例4〜6の無機発泡体は、ハンドリングが不可能で
あったため、熱伝導率及び曲げ強度の評価は不可能であ
った。
【0072】
【発明の効果】本発明の無機発泡体の製造方法によれ
ば、アルデヒド系縮合性樹脂を使用することによって、
得られる無機発泡体は、気泡が均一に分布した良好な発
泡構造を有し、脆さが改善されているので、熱伝導率が
低く断熱性が良好で、曲げ強度も良好で珪酸カルシウム
板と同等以上である。
【0073】また、乾燥前の無機発泡体の脆さも改善さ
れているので、設備間の移動等、すなわちハンドリング
が可能となるため、発泡、成形を行う設備と乾燥設備と
が分離されているラインであっても、問題なく製造する
ことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 24:30 14:42 22:10) 103:40 103:42 103:44 111:40 Fターム(参考) 4G012 MA00 MA02 MB06 MB41 PA15 PA17 PA18 PB03 PB08 PB13 PB16 PB34 PC01 PC09 PC15 PD01 PE03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記A〜Fの各成分を下記の量比で混合
    したスラリーを、発泡、乾燥、硬化させることを特徴と
    する無機発泡体の製造方法。 A:リン酸類及び/又は酸性リン酸化合物 100重量
    部 B:金属酸化物及び/又は金属水酸化物 50〜240
    重量部 C:金属炭酸塩 30〜100重量部 D:アルデヒド系縮合性樹脂 10〜50重量部 E:無機繊維 25〜400重量部 F:界面活性剤 0.01〜10重量部 (但し、上記量比は固形分としての量比、或いは、濃度
    を100重量%に換算した量比である。)
  2. 【請求項2】 上記リン酸類、酸性リン酸化合物が、リ
    ン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸アルミニウ
    ム及び第一リン酸亜鉛から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載の無機発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記金属酸化物が、酸化マグネシウム、
    酸化カルシウム、酸化アルミニウム及び酸化亜鉛から選
    ばれた少なくとも1種、或いは、酸化マグネシウム、酸
    化カルシウム、酸化アルミニウム及び酸化亜鉛から選ば
    れた少なくとも1種を含む鉱物である請求項1又は2記
    載の無機発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記金属水酸化物が、水酸化マグネシウ
    ム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム及び水酸化
    亜鉛から選ばれた少なくとも1種、或いは、水酸化マグ
    ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム及び
    水酸化亜鉛から選ばれた少なくとも1種を含む鉱物であ
    る請求項1〜3のいずれか1つに記載の無機発泡体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記金属炭酸塩が、炭酸マグネシウム及
    び炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも1種、或い
    は、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムから選ばれた
    少なくとも1種を含む鉱物である請求項1〜4のいずれ
    か1つに記載の無機発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記アルデヒド系縮合性樹脂が、メラミ
    ン樹脂である請求項1〜5のいずれか1つに記載の無機
    発泡体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255602A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Murakashi Sekkai Kogyo Kk 水硬性組成物
JP2002356362A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Murakashi Sekkai Kogyo Kk 水硬性粉体組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002255602A (ja) * 2001-02-27 2002-09-11 Murakashi Sekkai Kogyo Kk 水硬性組成物
JP2002356362A (ja) * 2001-05-31 2002-12-13 Murakashi Sekkai Kogyo Kk 水硬性粉体組成物
JP4627120B2 (ja) * 2001-05-31 2011-02-09 村樫石灰工業株式会社 水硬性粉体組成物

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