JP2000033431A - 超塑性成形装置 - Google Patents

超塑性成形装置

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JP2000033431A JP10216403A JP21640398A JP2000033431A JP 2000033431 A JP2000033431 A JP 2000033431A JP 10216403 A JP10216403 A JP 10216403A JP 21640398 A JP21640398 A JP 21640398A JP 2000033431 A JP2000033431 A JP 2000033431A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中空成形体を得るための積層板の超塑性成形
装置において、隅部の断面形状が直角に近い中空成形体
を安定して得る。 【解決手段】 上金型15Aにおける下面側151A周
縁部を取囲んで積層板8の周縁部上面に固定される上部
枠体51Aと、下金型15Bにおける上面側151B周
縁部を取囲んで前記積層板の周縁部下面に固定される下
部枠体51Bとを有し、かつその上部枠体および下部枠
体を、上金型および下金型に対し相対的に上下方向に摺
動可能とし、その上部枠体、下部枠体により膨張部分の
隅部が側方へ膨出することを阻止する。また下金型の位
置を固定して、上金型が上昇することにより上金型と下
金型との間隔が拡大するように構成し、かつ上部枠体お
よび下部枠体を、上金型の上昇速度の1/2の速度で上
昇させ、積層板を常に上下の金型間の中心に位置させる
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は特定の高温度域で
超塑性を示す各種の金属板に対して超塑性成形を行なう
ための装置に関し、特に気体圧力を利用してブロー成形
により超塑性積層板から中空な成形体製品を得るための
超塑性成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば250〜350℃程度ある
いは350〜550℃程度の高温域(超塑性温度域)に
おいてネッキングを招くことなく著しく大きい伸びを示
す超塑性材料が種々開発されており、複雑な形状の成形
品や変形量の大きい成形品、例えば航空機部品や自動車
部品、精密機器などに適用されつつある。このような超
塑性金属材料としては、アルミニウム合金系として例え
ばAl−Zn系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金、
Al−Mg−Mn系合金などが知られ、そのほかチタン
合金系材料、ステンレス鋼系材料などが知られている。
【0003】ところで超塑性金属板を用いて超塑性温度
域で成形するための代表的な方法としては、加圧気体の
圧力を利用して超塑性金属板を膨張成形する方法、すな
わちブロー成形法がある。そして最近ではこのような超
塑性ブロー成形を利用し、中空パネルなどの中空成形体
を製造する方法の開発が進められている。この超塑性中
空成形体の製造方法は次のようなものである。すなわ
ち、2枚もしくは3枚以上の超塑性金属板を積層して、
少なくとも周縁部が接合されかつ内部に非接合部が存在
する状態となるように、熱間圧延による圧着(ロールボ
ンド)などによってクラッドして積層板(クラッド板)
を得、超塑性温度域において積層板の内部の非接合部内
に加圧気体を導入して非接合部の空間が拡大するように
ブロー成形し、中空成形体とするものであり、この方法
について図5、図6を参照して説明する。
【0004】図5の例は2枚の超塑性金属板を用いる場
合の例を示すものであり、(A)に示すように、2枚の
超塑性金属板1A,1Bを積層し、超塑性金属板1A,
1Bの間を、その周縁部で接合して接合部5を形成し、
一方内部では接合せずに非接合部7のまま残して、2層
構造の積層板8を作成し、(B)に示すように内部の非
接合部7に加圧気体を導入して非接合部を膨張拡大させ
て中空部11とし、2層構造の中空成形体12を得るも
のである。
【0005】また図6の例は3枚の超塑性金属板を用い
る場合の例を示すものであり、3枚の超塑性金属板1
A,1B,1Cを積層して、各超塑性金属板1A,1
B,1Cの周縁部間を接合して接合部5Aを形成し、か
つ内部においては、一方の外面側の超塑性金属板1Aと
中間の超塑性金属板1Bとの間の接合部5Bおよび非接
合部7Aと、他方の外面側の超塑性金属板1Cと中間の
超塑性金属板1Bとの間との接合部5Cおよび非接合部
7Bとが互い違いに位置するようにして3層構造の積層
板8を作成し、(B)に示すように各非接合部7A,7
Bに加圧気体を導入して各非接合部7A,7Bを膨張拡
大させ、これによって一方の外面側の超塑性金属板1A
と中間の超塑性金属板1Bとの間に中空部11Aを形成
すると同時に、他方の面側の超塑性金属板1Cと中間の
超塑性金属板1Bとの間に中空部11Bを形成し、隣り
合う中空部11Aと中空部11Bとの間に、中間の超塑
性金属板1Bからなるリブ13が形成された中空成形体
12を得るものである。
【0006】これらの方法のうち、後者の図6に示され
る方法では、隣り合う中空部11A,11B間にリブ1
3が形成されるため、剛性が高い中空成形体を得ること
ができ、特に高剛性が要求される航空機部品などに最適
である。
【0007】一方上述のような中空成形体を超塑性ブロ
ー成形するためのブロー成形装置としては種々のものが
提案されているが、そのうちの代表的なものとしては、
例えば特開平4−270018号あるいは特開平9−2
34522号などに示されるように、上下の金型の相対
する面を平面とし、その上下の金型間に前述の超塑性積
層板を配置して、超塑性温度域においてクラッド板内の
非接合部に加圧気体を導入して、非接合部を膨張拡大さ
せながら、上下の金型の間隔を拡大させて行くようにし
た装置が知られている。その具体例を図7に示す。
【0008】図7において、下金型15Bは上面を平面
としたものであって、固定基台17上に固定されてお
り、一方上金型15Aは下面を平面としたものであっ
て、昇降基台19に固定されている。昇降基台19は垂
直な昇降支柱21に支持されており、この昇降支柱21
は昇降機構23によって昇降せしめられるようになって
いる。なお上金型15A、下金型15Bには超塑性温度
域に加熱するための図示しないヒータが内蔵されてい
る。
【0009】図7に示す超塑性ブロー成形装置によって
中空成形体を製造するためには、前述の2層構造もしく
は3層構造の超塑性積層板8(図7の例では2層構造の
超塑性積層板8を示す)を下金型1Bの上面と上金型1
Aの下面との間に配置し、既に述べたように超塑性温度
域において積層板8の内部の非接合部に加圧気体を導入
し、図7の鎖線で示すように非接合部内の空間を膨張さ
せると同時に上金型15Aを上昇させる。このとき加圧
気体の導入による積層板の膨張速度と上金型15Aの上
昇速度とをマッチングさせて、上下の金型15A,15
Bと積層板8の上下面とが常に一定の圧力で接触してい
る状態とすることにより、全体として均一な厚みの偏平
形状をなす中空成形体を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図7に示されるように
上下の金型として対向面が平面をなすもの、すなわちキ
ャビティを持たずに平面で超塑性積層板に接する金型を
用いて超塑性ブロー成形により中空成形体を製造する場
合、次のような問題があることが判明した。
【0011】すなわち、例えば3層構造の超塑性積層板
を用いて中空成形体12を製造する場合、理想的には図
8に示すように中空成形体12の隅部27の断面形状が
直角に近い形状となることが望まれるが、実際には図9
に示すように隅部27の断面形状が緩い鈍角状となった
り、あるいは逆に図10に示すように上下の隅部27の
うち少なくとも一方が側方へ膨出してしまったりするこ
とが多い。ここで、図9あるいは図10に示すような隅
部形状となった場合、外観上見苦しくなる問題があるば
かりでなく、複数の中空成形体同士を接合して、より大
きな中空パネルを製造する場合や、他の部材と結合して
用いる場合などにおいて問題が生じる。
【0012】すなわち、中空成形体同士を接合して大き
なパネルを作成する場合、中空成形体12の隅部27の
断面形状が直角に近い形状であれば、図11の(A)に
示すように中空成形体12の周縁部(フランジ状延長部
分)29を鎖線31で示すように切落してから、(B)
に示すように中空成形体12,12の端面同士を突き合
せて、その突合せ部分の端部にビード溶接29を施すこ
とによって容易に大きなパネルを作ることができるが、
図9に示したように隅部27の断面形状が緩い鈍角状を
なす場合は、フランジ状延出部分29を切落しても、端
面が平面とならないためこのような突合せ溶接が困難と
なってしまい、また図10に示すように隅部27が側方
へ膨出してしまった場合も同様である。そしてまた図9
や図10に示すような中空成形体を他の部材に組付ける
場合も、他の部材との接触面を充分に確保できないこと
が多く、そのため安定して組付けることが困難となり易
い問題がある。
【0013】なお以上のような問題は、3層クラッド構
造の積層板を用いた場合のみならず、2層クラッド構造
の積層板を用いた場合も生じる。
【0014】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、図7に示すような従来の装置に準じて、超塑
性積層板を上下に挟む上金型および下金型の対向面を平
面として超塑性ブロー成形を行なって中空成形体を得る
ようにした超塑性成形装置において、隅部の断面形状が
安定して直角に近い形状となるように成形し得る装置を
提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明の超塑性成形装置においては、非接
合部への加圧気体の導入により超塑性積層板を膨張させ
る際に、上下の金型間の側方への膨出を規制して、最終
的に得られる中空成形体の隅部の断面形状が安定して直
角に近い形状となるようにした。
【0016】具体的には、請求項1の発明は、少なくと
も周縁部が相互に接合されかつ内部に非接合部が存在す
るようにクラッドされた2枚以上の超塑性金属板からな
る積層板を、下面が平面とされた上金型と上面が平面と
された下金型との間に配置し、前記積層板内の非接合部
に加圧気体を導入して、上金型と下金型との間隔を拡大
させつつ加圧気体圧力により非接合部内の空間を拡大さ
せるように超塑性ブロー成形して、中空成形体を得るた
めの超塑性成形装置において、上金型の下面側周縁部を
取囲んで前記積層板の周縁部上面に固定される上部枠体
と、下金型の上面側周縁部を取囲んで前記積層板の周縁
部下面に固定される下部枠体とを有し、かつその上部枠
体および下部枠体は、上金型および下金型に対し相対的
に上下方向に摺動可能とされていることを特徴とするも
のである。
【0017】このような請求項1の発明の超塑性成形装
置によって積層板に対し超塑性ブロー成形を行なって中
空成形体を得るにあたっては、積層板の非接合部へ加圧
気体を導入しつつ上金型と下金型との間隔を拡大させて
非接合部内の空間を膨張させる過程で、上金型側の超塑
性金属板の膨張部分の隅部が側方へ膨出することが上部
枠体により阻止されるとともに、下金型側の超塑性金属
板の膨張部分が隅部の側方へ膨出することが下部枠体に
より阻止される。
【0018】そしてまたこのように各隅部の側方への膨
出が上部枠体、下部枠体により阻止される結果、上部枠
体と下部枠体との間の間隔拡大速度を積層板の膨張速度
と適切にマッチングさせることにより、隅部が側方へ膨
出してしまうことを防止できるばかりでなく、図9に示
したように隅部が緩やかな鈍角状となってしまうことも
防止でき、その結果図8に示すように隅部をその断面が
直角に近い形状となるように安定して成形することがで
きる。すなわち、図7に示した従来技術の場合は、この
発明のような上部枠体、下部枠体を備えていないため、
図10に示すような隅部の側方への膨出を避けるために
は、上下金型の間隔拡大速度をやや高目にして超塑性金
属板と上下の金型との接触圧力を低目にせざるを得ず、
そのためむしろ図9に示すように緩やかな鈍角状の隅部
が生じ勝ちであったが、この発明の場合は上下金型と超
塑性金属板との接触圧力を高くしても隅部の側方への膨
出は上部枠体、下部枠体に阻止されるから、前記接触圧
力を低目にする必要がなく、その結果図8に示すように
隅部が直角に近い断面形状となる中空成形体を安定して
得ることが可能となったのである。
【0019】なおここで、積層板の非接合部に加圧気体
を導入して積層板が膨張するに従い、積層板の周縁部
(すなわち2枚以上の超塑性金属板の接合された周縁
部)の位置も上昇するが、上部枠体および下部枠体は上
金型、下金型に対して相対的に上下に摺動可能に支持さ
れるから、積層板の周縁部の位置の上昇に伴なって上部
枠体、下部枠体を上昇させることができる。
【0020】そして請求項2の発明の超塑性成形装置
は、上部枠体、下部枠体の上昇を適切にコントロールし
て、形状性が良好な中空成形体を得るようにしている。
【0021】すなわち請求項2の発明は、請求項1に記
載の超塑性成形装置において、前記下金型の位置が固定
されて、上金型が上昇することにより上金型と下金型と
の間隔が拡大するように構成され、かつ上部枠体および
下部枠体を、上金型の上昇速度の1/2の速度で上昇さ
せる上昇手段を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0022】このような請求項2の発明の超塑性成形装
置においては、上金型のみの上昇によって上下の金型の
間隔が拡大することになるが、上部枠体、下部枠体は上
金型の上昇速度の1/2の速度で上昇するから、これら
の上部枠体、下部枠体の間に保持されている積層板周縁
部も上金型の上昇速度の1/2の上昇速度で上昇するこ
とになる。そのため積層板の周縁部は上金型と下金型と
の間の中心位置のレベルに常に保持されることになる。
したがって最終的に得られる中空成形体として、上面側
への膨張量と下面側への膨張量が相等しい均整のとれた
成形体を得ることができる。
【0023】さらに請求項3の発明は、請求項2に記載
の超塑性成形装置において、前記上昇手段が、上金型の
上昇運動を、上金型の上昇速度の1/2の速度に減速し
て上部枠体に伝達する運動伝達機構によって構成されて
いることを特徴とするものである。
【0024】このような請求項3の発明の超塑性成形装
置においては、上金型を上昇させるための別の駆動源や
速度制御装置等を必要とせず、低コスト化を図ることが
できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】図1にこの発明の一実施例の超塑性成形装置
の全体構成を示し、図2には図1の装置を用いて超塑性
ブロー成形を行なっている状況を示す。また図3には図
1の実施例の装置の主要部分を分解して示す。
【0027】図1〜図3において、下金型15Bはその
上面151Bが平面とされて、固定基台17上に固定さ
れている。また固定基台17の四隅には昇降機構23が
設けられており、各昇降機構23はそれぞれ垂直な昇降
支柱21を昇降させるように構成されている。一方上金
型15Aはその下面151Aが平面とされて、昇降基台
19の下側に固定されており、この昇降基台19の四隅
には前記昇降支柱21の上端が固定されている。したが
って前記昇降機構23を作動させることによって、上金
型15Aを昇降させ、上金型15Aの下面151Aと下
金型15Bの上面151Bとの間隔を変化させることが
できる。
【0028】以上までの構成は図7に示した従来の超塑
性ブロー成形装置とほぼ同様であるが、この発明の超塑
性成形装置の場合、さらに上金型15Aの下面側周縁部
を取囲む上部枠体51Aと、下金型15Bの上面側周縁
部を取囲む下部枠体51Bとが設けられている。上部枠
体51Aは、上金型15Aの外面に沿う垂直壁部511
Aと、その垂直壁部511Aの下端から水平方向外方へ
延出するフランジ部512Aとを一体に形成したもので
あり、また下部枠体51Bは、下金型15Bの外面に沿
う垂直壁部511Bと、その垂直壁部511Bの上端か
ら水平方向外方へ延長するフランジ部512Bとを一体
に形成したものである。上部枠体51A、下部枠体51
Bの各フランジ部512A,512Bには、上下方向に
貫通する複数の貫通孔513A,513Bが形成されて
おり、これらの貫通孔513A,513Bを貫通するボ
ルト・ナットなどの締結金具53によって超塑性ブロー
成形の対象となる積層板8の周縁部8Aを上下に挟んで
固定するようになっている。なおここで積層板8として
は3枚の超塑性金属板1A〜1Cを積層してなる3層構
造のものを示している。この3層構造の積層板8は、既
に述べた図6の(A)に示すものと同様なものであれば
良い。
【0029】さらに上部枠体51Aの左右両側面側に
は、上部枠体51Aおよび下部枠体51Bを上昇させる
ための上昇手段として、ラック・ピニオン機構55が設
けられている。各ラック・ピニオン機構55は、上金型
15Aの側面に垂直方向に沿って設けられた第1のラッ
ク55Aと、上部枠体51Aから上方へ突出する支持部
材57に回転自在に設けられて前記第1のラック55A
に噛合うピニオン55Bと、前記第1のラック55Aに
相対するように垂直に設けられかつピニオン55Bに噛
合う第2のラック55Cとによって構成されており、第
2のラック55Cは固定基台17から垂直に伸びる支持
部材59に固定されている。このように第2のラック5
5Cはその位置が固定されているから、第1のラック5
5Aおよび第2のラック55Cに噛合うピニオン55B
は、第1のラック55Aの上昇移動に伴なって、自転し
つつ第1のラック55Aの上昇速度の1/2の速度で上
昇することになる。ここで第1のラック55Aは上金型
15Aに取付けられており、一方ピニオン55Bは上部
枠体51Aに取付けられているから、上金型15Aの上
昇に伴なってラックピニオン機構55を介し上部枠体5
1Aは上金型15Aの上昇速度の1/2の速度で上昇す
ることになる。なお後述するようにブロー成形時には下
部枠体51Bも上部枠体51Aに結合されるから、上部
枠体51A、下部枠体51Bは一体化して上金型15A
の上昇速度の1/2の速度で上昇することになる。
【0030】以上のような実施例の超塑性成形装置を用
いて積層板8を超塑性ブロー成形するにあたっては、積
層板8を、その周縁部8Aが上金型15A、下金型15
Bの間から外方へ突出するように下金型15Bと上金型
15Aとの間に配置し、かつ積層板8の周縁部8Aを上
部枠体51Aおよび下部枠体51Bのフランジ部512
A,512Bによって上下から挟み込む。そしてボルト
・ナットなどの締結金具53によって上部枠体51A、
下部枠体51Bを積層板8の周縁部8Aに固定する。そ
して上金型および下金型に内蔵される図示しないヒータ
によって積層板8を超塑性温度域に加熱するかまたは装
置全体を図示しない加熱炉内に装入し、図示しない加圧
気体導入路を介して積層板8の内部の非接合部に加圧気
体を導入して、その非接合部内の空間を膨張させるとと
もに、上金型15Aを上昇させて上金型15Aの下面1
51Aと下金型15Bの上面151Bとの間隔を拡大さ
せ、中空成形体12を得る。このようなブロー成形過程
の状態を図2に示す。
【0031】図2に示すように上金型15Aと下金型1
5Bとの間の側方は上部枠体51Aおよび下部枠体51
Bの垂直壁部511A,511Bによって遮られている
から、積層板8の膨張過程において膨張隅部が側方へ膨
出してしまうことがこれらの垂直壁部511A,511
Bによって阻止される。したがって上金型15Aの上昇
速度を適切に制御して、上金型15A、下金型15Bと
積層板8との接触圧を適切に維持することにより、隅部
の断面形状が直角に近い形状を有する中空成形体12を
得ることができる。
【0032】ここで、上部枠体51Aおよび下部枠体5
1Bは、積層板8の周縁部8Aを挟持した状態でラック
・ピニオン機構55の機能により上金型15Aの上昇速
度の1/2の速度で上昇する。したがって、積層板8の
膨張過程(上金型15Aの上昇過程)では、積層板8
(中空成形体12)の周縁部8Aのレベルが常に上金型
15Aと下金型15Bとの間の中心に維持されることに
なる。そのため既に述べたように、積層板8の周縁部8
Aの位置を基準とし、上面側への膨張量と下面側への膨
張量とが相等しい均整のとれた中空成形体12を得るこ
とができる。
【0033】なお図1〜図3の例においては、3層構造
の積層板を用いて中空部にリブを有する中空成形体を得
る場合について示しているが、図5の(A)に示したよ
うな2層構造の積層板を用い、リブのない中空成形体
(図5の(B))を得る場合にも適用できることはもち
ろんである。
【0034】また前述の例では上部枠体51A、下部枠
体51Bを上金型15Aの上昇速度の1/2の上昇速度
で上昇させるための上昇手段としてラック・ピニオン機
構55を用いた例を示したが、上昇手段としてはこれに
限らず、例えば図4に示すようなクロスレバー機構61
を用いても良いことはもちろんである。すなわち、クロ
スレバー機構61を構成する互いに交叉した2本のレバ
ー61A,61Bの上端611A,611Bをそれぞれ
上金型15A(もしくは昇降基台19)に設けられた支
持板61Cの水平な長孔61D,61Eに回動可能に取
付けるとともに、下端612A,612Bを下金型15
B(もしくは固定基台17)に設けられた支持板61F
の水平な長孔61G,61Hに回動可能に取付け、さら
に各レバー61A,61Bの中央部分63を互いにクロ
スさせてその部分を上部枠体51Aに回転可能に取付け
た構成とする。このようにすれば、上金型15Aの上昇
に伴なって各レバー61A,61Bが互いに閉じる方向
に傾動し、そのレバー61A,61Bの中央に取付けら
れた上部枠体51Aは上金型15Aの上昇速度の1/2
の速度で上昇することになる。
【0035】なお上部枠体51A、下部枠体51Bを上
昇させるための手段としては、前述のようなラック・ピ
ニオン機構55あるいはクロスレバー機構61に限ら
ず、任意の機構を用いることができるが、ラック・ピニ
オン機構55やクロスレバー機構61などのように上金
型15Aの上昇速度を1/2の速度に減速して上部枠体
51Aおよび/または下部枠体51Bに伝達する機構を
用いれば、別の駆動源を用いずかつ特に速度制御を行な
わずに、上金型15Aの上昇速度の1/2の速度で上部
枠体51Aを上昇させることができるため、別の駆動源
や制御装置を用いる場合と比較して格段に低コスト化を
図ることができる。
【0036】なおまた、図1〜図3の例および図4の例
では、上金型15Aを上昇させるための手段として、上
金型15Aを昇降基台19に固定し、昇降基台19から
昇降支柱21を垂下させ、その昇降支柱21を昇降機構
23により昇降させる構成としているが、上金型15A
を上昇させるための手段はこれに限らず、任意の手段を
適用することができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明の超塑性成形装置によれ
ば、中空成形体として、隅部の断面形状が直角に近い形
状を有するものを安定して製造することができ、そのた
め外観上優れた中空成形体を得ることができるばかりで
なく、中空成形体同士を接合して大きなパネルを得る場
合や中空成形体を他の部材に組付けたりする場合にも有
利となる。
【0038】また請求項2の発明の超塑性成形装置によ
れば、上面側への膨張量と下面側への膨張量が相等しい
均整のとれた中空成形体を安定して確実に得ることがで
きる。
【0039】さらに請求項3の発明の超塑性成形装置に
よれば、上部枠体を上昇させるために上金型上昇用の駆
動源とは別の駆動源や速度制御装置などを用いる必要が
ないため、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の超塑性成形装置を示す要
部切欠正面図である。
【図2】図1に示される超塑性成形装置を用いてブロー
成形を行なっている状態を示す要部切欠正面図である。
【図3】図1に示される超塑性成形装置の主要部分の分
解斜視図である。
【図4】この発明の他の実施例の超塑性成形装置を示す
正面図である。
【図5】2層構造の積層板を用いて中空成形体を得る場
合について説明するための略解図である。
【図6】3層構造の積層板を用いて中空成形体を得る場
合について説明するための略解図である。
【図7】積層板を用いて中空成形体を得るための従来の
超塑性ブロー成形装置の一例を示す正面図である。
【図8】積層板を用いて超塑性成形により中空成形体を
製造した場合の中空成形体の隅部形状の理想的な状態を
示す縦断面図である。
【図9】従来の超塑性ブロー成形装置により中空成形体
を製造した場合の中空成形体の隅部形状の状況の一例を
示す縦断面図である。
【図10】従来の超塑性ブロー成形装置により中空成形
体を製造した場合の中空成形体の隅部形状の状況の他の
例を示す縦断面図である。
【図11】図8に示される中空成形体を接合して大型パ
ネルを得る場合について説明する略解図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 超塑性金属板 8 積層板 12 中空成形体 15A 上金型 15B 下金型 51A 上部枠体 51B 下部枠体 55 ラック・ピニオン機構(上昇手段) 61 クロスレバー機構(上昇手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも周縁部が相互に接合されかつ内
    部に非接合部が存在するようにクラッドされた2枚以上
    の超塑性金属板からなる積層板を、下面が平面とされた
    上金型と上面が平面とされた下金型との間に配置し、前
    記積層板内の非接合部に加圧気体を導入して、上金型と
    下金型との間隔を拡大させつつ加圧気体圧力により非接
    合部内の空間を拡大させるように超塑性ブロー成形し
    て、中空成形体を得るための超塑性成形装置において、 上金型の下面側周縁部を取囲んで前記積層板の周縁部上
    面に固定される上部枠体と、下金型の上面側周縁部を取
    囲んで前記積層板の周縁部下面に固定される下部枠体と
    を有し、かつその上部枠体および下部枠体は、上金型お
    よび下金型に対し相対的に上下方向に摺動可能とされて
    いることを特徴とする、超塑性成形装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の超塑性成形装置におい
    て、 前記下金型の位置が固定されて、上金型が上昇すること
    により上金型と下金型との間隔が拡大するように構成さ
    れ、かつ上部枠体および下部枠体を、上金型の上昇速度
    の1/2の速度で上昇させる上昇手段を備えていること
    を特徴とする、超塑性成形装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の超塑性成形装置におい
    て、 前記上昇手段が、上金型の上昇運動を、上金型の上昇速
    度の1/2の速度に減速して上部枠体に伝達する運動伝
    達機構によって構成されていることを特徴とする、超塑
    性成形装置。
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