JP2000033040A - 圧力調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鍋を密閉する中蓋には最小限の数の弁を設け
て密閉性の信頼を高め、且つ弁機構を少なくして弁の管
理部分を少なくしたものである。 【解決手段】 炊飯器本体１と、鍋４の開口部を密閉す
る中蓋２３を有した蓋体９とを備え、前記中蓋に、常時
鍋内と大気とを遮へいし鍋内が所定圧力以上の時と圧力
抜き釦の操作時に鍋内と大気とを連通する圧力抜き弁２
６を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鍋内の圧力を高めて
炊飯等を行う圧力調理器に関する。

【０００２】

【従来の技術】圧力炊飯器は鍋内の圧力を高めて炊飯を
行うことにより美味しい御飯を短時間で炊き上げるもの
である。

【０００３】この様な圧力調理器の最も重要な点は、圧
力炊飯時に鍋内の圧力が大気に逃げないこと、鍋内の圧
力が所定値以上に上昇した時には自動的に大気に逃すこ
と、蓋の開放時には鍋内の圧力を大気に逃して開放動作
を円滑にし、且つ安全性を保つことがある。

【０００４】これらの要素を考慮して圧力調整弁や圧力
抜き弁を設けたものが特開平６−４６９５６号公報であ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の先行
技術では、確かに鍋内の圧力が所定値以上に上昇した時
に鍋内と大気とを連通する調圧弁（２６）（圧力調整
弁）と、蓋の開放時には操作釦を操作して鍋内の圧力を
大気中に逃がす圧力弁（３２）（圧力抜き弁）を設けて
いるが、圧力炊飯時における鍋内を密閉するための構成
は、鍋の開口部に密着するシールパッキンや、調圧弁及
び圧力弁の取り付け部を密閉するリングパッキンを用い
たものである。

【０００６】このため、弁の数だけ密閉する部分が増え
ることになり、単に組立性が悪くなるのみならず鍋内の
圧力が漏洩する可能性の高い部分が増えることになり、
多くの弁の密閉管理と弁機構の部品の劣化による圧力保
持が十分にできなくなる部分が増えることになる。

【０００７】本発明は、鍋内と大気とを遮へいする中蓋
には最小限の数の弁を取り付けて密閉部分及び弁機構部
分を少なくして密閉の信頼性を高め、且つ弁の管理部分
を少なくしたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】鍋を収納する炊飯器本体
と、前記鍋の開口部を密閉する中蓋を装着しており蒸気
抜き口を有する蓋体とからなり、前記中蓋には、常時閉
塞して鍋内と大気とを遮へいし、鍋内が所定圧力以上の
時と蓋体の外側に設けた圧力抜き釦が操作された時に強
制的に開放して鍋内と大気とを連通する圧力抜き弁を設
けたものである。

【０００９】また、前記圧力抜き弁は、通常は鍋内と大
気とを連通する圧力通路を閉塞し圧力抜き釦の操作時に
は圧縮して逃し路の開放を実行する第１スプリングと、
この第１スプリングの外側に配設され通常は鍋内と大気
とを連通する通気路を閉塞し鍋内が所定圧力以上の時に
圧縮して通気路の開放を実行する第２スプリングとを備
えたものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づいて
説明する。図１は本発明の圧力調理器の断面図、図２は
同じく圧力抜き弁の断面図、図３は同じく鍋内の圧力が
高い時の圧力抜き弁の動作説明図、図４は同じく圧力抜
き釦を操作した時の圧力抜き弁の動作説明図である。

【００１１】（１）は炊飯器本体で、フレーム（２）
と、このフレームの内側に設けた収納ケース（３）と、
この収納ケース内に収納自在に設けた磁性体よりなる鍋
（４）と、この鍋の底部側に設けられ制御回路（５）に
よって鍋を介しうず電流を発生し、該鍋を発熱させる加
熱コイル（６）（６）、（７）（７）と、ファン（８）
を備えている。

【００１２】（９）は一側を前記フレーム（１）に回動
自在に枢支し他側を掛止する蓋体で、以下の部材により
構成する。

【００１３】（１０）は上板（１１）と下板（１２）と
から構成した外蓋で、上面中央付近に前記下板（１１）
と上板（１２）を貫通する蒸気抜き口（１３）を設けて
いる。（１４）は前記外蓋（１０）の前側に設けた圧力
抜き釦、（１５）は前記外蓋（１０）内に設けられ前記
圧力抜き釦（１４）の下方に配設した押圧子（１６）を
有する可動体で、一側を軸（１７）によって回動自在に
枢支している。（１８）は前記下板（１２）に取り付け
られ前記可動体（１５）の下方に配設した弾性筒状体、
（１９）は前記外蓋（１０）内に配設しむらし終了時に
作動する駆動モータ、（２０）は前記蒸気抜き口（１
３）に通ずる排気路（２１）を亙って一側を前記駆動モ
ータ（１９）の回転軸に連結し他側を前記可動体（１
５）の一辺に当接した伝達レバー、（２２）は前記蓋体
（９）を閉塞状態に保持、或は閉塞状態から開放を行う
ためにロックを解除するロック釦である。

【００１４】（２３）は中央部に外蓋（９）への係合部
（２４）を設け前記弾性筒状体（１８）の下方に位置す
る上面に蒸気孔（２５）の通路を閉塞する圧力抜き弁
（２６）を設けた中蓋で、外周縁には前記鍋（４）の開
口部周縁に密着するリング状パッキング（２７）を取り
付けている。

【００１５】前記圧力抜き弁（２６）の構造を図２に基
づいて詳述する。

【００１６】（２８）は下部に弁（２９）を固定し上部
を前記押圧子（１６）の下部に対峙させた弁杆、（３
０）は前記弁杆を圧力通路（３１）を存して挿通し水平
方向に保持部（３２）を形成した上下動自在な座板、
（３３）は前記弁杆（２８）の上部と前記座板（３０）
との間に張架し常時弁杆を上方に付勢した第１スプリン
グ、（３４）は前記弁杆（２８）の外側に固定した筒形
ケース、（３５）は前記座板（３０）と筒形ケース（３
４）間に張架した第２スプリングで、常時座板（３０）
を下方に付勢している。（３６）は前記座板（３０）の
下方に固定し蒸気孔（２５）の上部外周縁に当接するシ
ールパッキングである。

【００１７】次に動作について述べる。予め所定量の米
と水を鍋内に収容した後、この鍋を収納ケース（３）内
に収納すると共に中蓋（２３）の係合部（２４）を外蓋
（１０）の下面中央部に係合し一体化した状態で蓋体
（９）を回動して閉塞し、この閉塞状態をロック釦（２
２）により保持する。

【００１８】蓋体（９）の閉塞状態では、リング状パッ
キング（２７）が鍋（４）の開口部周縁に密着し、圧力
抜き弁（２６）は図２に示す様に弁杆（２８）が第１ス
プリング（３３）により上方に付勢されているため、弁
（２９）がシールパッキング（３６）に当接し圧力通路
（３１）を閉塞している。一方、座板（３０）は第２ス
プリング（３５）の付勢により押し下げられてシールパ
ッキング（３６）が蒸気孔（２５）の上部外周縁に当接
している。

【００１９】炊飯が進行し鍋内の圧力が所定値以上にな
ると、図３に示す様に、この圧力により座板（３０）が
第２スプリング（３５）に抗して押し上げられシールパ
ッキング（３６）が蒸気孔（２５）から離れて通気路
（３７）が形成される。鍋内の圧力は図３の矢印の様に
通気路（３７）を介して中蓋（２３）の上方に抜けた
後、排気路（２１）を介し蒸気抜き口（１３）から大気
に排気される。

【００２０】鍋内の圧力が所定値以下まで低下すると、
第２スプリング（３５）が復帰して座板（３０）を押し
下げシールパッキング（３６）を蒸気孔（２５）の上部
外周縁に密着して通気路（３７）を断ち図２の状態に戻
る。以後、この動作を繰り返して沸騰状態を所定時間保
持する。

【００２１】やがて、炊飯が終了しむらし動作を実行す
るわけであるが、好ましくはむらし動作が終了した時点
で蓋体（９）を開けて飯を取り出すのがよい。

【００２２】ところが、時にはあと少しでむらし動作が
終了するにも拘らず飯を取り出す場合があるが、この場
合は図４に示す様に圧力抜き釦（１４）を押圧すること
により可動体（１５）を回動させて押圧子（１６）によ
り弾性筒状体（１８）を押し下げる。この押し下げ動作
により弁杆（２８）が第１スプリング（３３）に抗して
押し下げられ弁（２９）がシールパッキング（３６）か
ら離れて圧力通路（３１）を開放し図４の矢印の様に鍋
内の圧力を圧力通路（３１）を介して排気路（２１）を
通じ蒸気抜き口（１３）から大気に排気する。

【００２３】勿論、圧力抜き釦（１４）の押圧を解除す
ると、弁杆（２８）は第１スプリング（３３）の付勢力
により上昇して弁（２９）をシールパッキング（３６）
が密着して図２の状態に戻る。

【００２４】即ち、外部操作による鍋内の圧力抜きは、
圧力抜き釦（１４）を押圧操作している間に実行され、
押圧操作を解くと圧力の抜きの動作を停止する。

【００２５】斯して、蒸らし動作中に圧力抜き釦（１
４）による圧力抜きがない状態で蒸らし動作が終了する
と、詳図していないが駆動モータ（１９）が自動的に作
動し伝達レバー（２０）を図４に示す左方向に移動して
可動体（１５）の一側を押圧し、該可動体を回転させて
前述の圧力抜き釦（１４）の操作時と同様に弁杆（２
８）を押し下げ、蒸気孔（２５）と圧力通路（３１）と
排気路（２１）を通じ蒸気抜き口（１３）より大気中に
排気する。

【００２６】

【発明の効果】以上の様に本発明は、鍋の開口部を密閉
する中蓋に、常時閉塞して鍋内と大気とを遮へいし、鍋
内が所定圧力以上の時と圧力抜き釦を操作した時に開放
して鍋内と大気とを連通する圧力抜き弁を設けたもので
あるから、中蓋に多くの孔を穿つ必要がなく鍋内の密閉
の信頼性が高くなる。

【００２７】そして、所謂、調圧弁機能と強制圧力抜き
弁機能とを一つの圧力抜き弁に組み込んだため、中蓋の
表面の突出部分が少なくなり掃除がしやすくなると共に
弁の管理箇所も少なくなり圧力調理を安全に行ううえで
の弁動作の精度を高めることができる。

【００２８】また、前記圧力抜き弁は、鍋内と大気とを
連通する圧力通路を閉塞した第１スプリングの外側に鍋
内が所定圧力以上の時に通気路を開放を実行する第２ス
プリングを設けたため、鍋内の圧力により通気路を開放
する第２スプリングを第１スブリングの外側に設けるこ
とは、圧力上昇時における圧力抜き弁の動作及び圧力が
低い時の圧力抜き弁の閉塞動作が正確となる。

【００２９】仮に、これらのスプリングが内外逆に配設
した場合には、鍋内圧力によって作動する第２スプリン
グのコイル径が小さくなったり、十分な弾性を得ること
ができず鍋内と大気との遮へい、開放が正確に出来ない
ことになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の圧力調理器の断面図である。

【図２】同じく圧力抜き弁の断面図である。

【図３】同じく鍋内の圧力が高い時の圧力抜き弁の動作
説明図である。

【図４】同じく圧力抜き釦の操作をした時の圧力抜き弁
の動作説明図である。

【符号の説明】

１ 炊飯器本体 ４ 鍋 ９ 蓋体 １３ 蒸気抜き口 １４ 圧力抜き釦 ２３ 中蓋 ２５ 蒸気孔 ２６ 圧力抜き弁 ３１ 圧力通路 ３３ 第１スプリング ３５ 第２スプリング ３７ 通気路

フロントページの続き (72)発明者 山崎 勇 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 山根 規男 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 田中 博昭 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (72)発明者 岡田 稔 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 Ｆターム(参考） 4B055 AA02 AA08 BA07 BA62 CA24 CA69 CA73 CB08 CB27 CC29 CC34

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍋を収納する炊飯器本体と、前記鍋の開
   口部を密閉する中蓋を装着しており蒸気抜き口を有する
   蓋体とからなり、前記中蓋には、常時閉塞して鍋内と大
   気とを遮へいし、鍋内が所定圧力以上の時と蓋体の外側
   に設けた圧力抜き釦が操作された時に強制的に開放して
   鍋内と大気とを連通する圧力抜き弁を設けたことを特徴
   とする圧力調理器。
2. 【請求項２】 前記圧力抜き弁は、通常は鍋内と大気と
   を連通する圧力通路を閉塞し圧力抜き釦の操作時には圧
   縮して逃し路の開放を実行する第１スプリングと、この
   第１スプリングの外側に配設され通常は鍋内と大気とを
   連通する通気路を閉塞し鍋内が所定圧力以上の時に圧縮
   して通気路の開放を実行する第２スプリングとを備えた
   請求項１に記載の圧力調理器。