JP2000032977A - 細胞培養方法及び装置 - Google Patents

細胞培養方法及び装置

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JP2000032977A
JP2000032977A JP11208676A JP20867699A JP2000032977A JP 2000032977 A JP2000032977 A JP 2000032977A JP 11208676 A JP11208676 A JP 11208676A JP 20867699 A JP20867699 A JP 20867699A JP 2000032977 A JP2000032977 A JP 2000032977A
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cells
cell
tank
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JP11208676A
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Takamori Nakano
隆盛 中野
Masao Takai
正生 高井
Kiyoshi Sasaki
亀代司 佐々木
Harumi Matsuzaki
晴美 松崎
Masahiko Ishida
昌彦 石田
Keishin Furukawa
敬信 古川
Sei Murakami
聖 村上
Kenji Kato
健児 加藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞生育阻害物質を除去し、ランニングコスト
の低減が図れ、あるいは培養中細胞に損傷を与えること
なく生産性が向上でき、または培養中に細胞分離器の再
生および交換が容易に行え、保守性、生産性に優れた細
胞培養方法を提供する。 【解決手段】細胞を液中培養する細胞培養方法におい
て、培養液から細胞を分離し、該分離した細胞を培養槽
へ戻す工程と、細胞を除いた培養液から培地成分と、細
胞より分泌される有用物質および老廃成分とを分離し、
該培地成分の少なくとも一部を培養槽に戻す工程とから
成ることを特徴とする細胞培養方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞培養に係り特
に長期的な高密度培養に好適な細胞培養方法およびその
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、細胞培養装置は、例えば、アメリ
カン・ナショナル・レッド・クロス、WO−A−8 3
00400(AMERICAN NATIONAL RED CROSS)に記載さ
れているように、培養槽に細胞のみか、細胞と老廃成分
とを含む低分子物質が戻されるように構成されており、
老廃成分の除去や有用な物質が低分子である場合につい
ては配慮されていなかった。
【0003】また、従来の細胞培養装置は、特開昭60
−207581号公報に記載されているように、細胞と
細胞液とを分離し細胞を培養槽内に留めるための細胞分
離器および細胞を培養液中で効果的に浮遊させるための
撹拌装置を培養槽内に設ける構成としているものが知ら
れている。
【0004】さらに、日本特許公開公報昭63−130
683号に記載されているような装置があるが、該装置
等は、培養、細胞分離、培地供給、逆洗等について述べ
られているが、連続的な長期培養や膜の目詰まり防止に
関しては述べられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、老廃
成分の除去や有用な物質が低分子である場合について配
慮がされておらず、細胞代謝物である老廃成分、低分子
の有用物質が細胞生育阻害物質である場合には、細胞培
養において悪影響を与えてしまうという不具合があっ
た。
【0006】本発明の第1の目的は、上記不具合を解決
するため細胞生育阻害物質を除去し、高密度培養が行え
高価な高分子の培地成分である血清の成分の少なくとも
一つを培養槽に戻す事ができ、ランニングコストの低減
が図れる細胞培養方法及び装置を提供することにある。
【0007】また、上記従来技術は、細胞培養の生産性
に関して配慮がされておらず、培養液中で撹拌翼を用い
て混合していたため、せん断力に弱い細胞は損傷を受け
活性が下がるという欠点があった。また、細胞分離を行
う膜については、親水性の膜を使用しており非常に目詰
まりしやすく、この目詰まりを防ぐために逆洗(再生)
も行われていたが長期間の連続高密度培養を行うとその
効果も低く、目詰まりが防止出来ないという欠点があ
り、しかも一度目詰まりを起こすと培養を終了させ、膜
を系外に取り出し交換、又は再生しなければならず、培
養は目詰まりを起こした時点で停止(終了)しなければ
ならないという不具合があった。
【0008】本発明の第2の目的は、上記従来技術の欠
点を除去し、培養中細胞に損傷を与えることなく生産性
が向上できる細胞培養方法及び装置を提供することにあ
る。
【0009】さらに、本発明の第3の目的は、培養中に
細胞分離器の再生および交換が容易に行え、保守性、生
産性の良好な細胞培養方法及び装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、細胞を除去
した培養液を高分子の培地成分と、低分子の細胞代謝物
質の有用物質および老廃成分とに分離する際、分画分子
量を低分子の細胞代謝物質の有用物質より大きくするこ
とにより、達成される。さらに、上記分離された培地成
分の少なくとも一つを培養槽に戻すことにより、ランニ
ングコストの低減も図ることができる。
【0011】または、培養槽上部、下部を連通する連通
管の途中に細胞と培養液とを分離させる細胞分離器を設
け、該細胞分離器を構成する細胞分離膜の目詰まりを防
止するために連通管の途中に給気口を設け、細胞に損傷
を与えることなく循環流を生じせしめ、混合するように
したもので達成される。さらに、細胞分離膜の再生と交
換のために逆洗方法に蒸気を流入させるよう蒸気流入口
を設け、細胞分離器をユニット構成としたものである。
【0012】目的有用物質の分子量が再利用する培地成
分より小さい場合には、細胞を除去した培養液を分離す
る分画分子量を再利用する培地成分>分画分子量>有用
物質、老廃成分とし、この分画分子量で限外ろ過を行
う。次いで分離した培地成分を培養槽に戻すことで培地
成分の再利用を行うことができる。
【0013】また、目的有用物質の分子量が再利用する
培地成分より大きい場合には、第1段として細胞を除去
した培養液を分離する分画分子量を有用物質・培地成分
>分画分子量>老廃成分として限外ろ過を行い、老廃成
分を除去する。第2段に、有用物質>分画分子量>培地
成分として限外ろ過を行い、分離した培地成分を培養槽
に戻すことで培地成分の再利用を行うことができる。
【0014】次いで、本発明のエアーリフト力を利用し
て培養槽内を混合する場合について述べる。
【0015】細胞分離器は培養槽の外部に設置する構成
としたので培養中も細胞分離膜の交換が可能でかつ作業
も容易である。
【0016】また、連通管の途中に設けた給気口から給
気によりエアーリフト力を利用して、培養液の連通管内
での循環流を生じさせると共に、細胞分離膜近傍での気
泡の流動による圧力変動を膜面には与えることにより、
細胞の膜面への付着を防止し、膜の目詰まりを低減でき
る。培養槽下部に設けた給気口から供給される気泡は、
培養に不可欠な酸素を培養液に供給する役割を担うとと
もに、培養液に流動を起こさせ、細胞の槽底への沈積を
防止する。このように培養液の流動をエアーリフト力を
利用して行わせる構成としたことにより撹拌時細胞にせ
ん断力を与えることがなく、従って細胞の損傷を防止で
きる。特に動物細胞のようにせん断力に弱い細胞にとっ
ては有効である。
【0017】細胞培養中の細胞分離を行っているときに
は、培養槽より細胞と培養液とが細胞分離器に流れ込ん
でいる。大幅な逆洗(再生)を行うときには、細胞を含
む培養液の流入をバルブを閉じることによって止める。
そして細胞分離器のドレンバルブを開にして細胞分離中
のときとは逆方向に蒸気を中空糸膜内に流入する。よっ
て上記の圧力が直接中空系内にかかり大幅な逆洗(再
生)を行うことができる。培養液中にたん白質等の加熱
により変性して沈殿物を生じる物質を高濃度に含んでい
る場合には、スチーム注入に先立ち、水等であらかじめ
細胞分離器内部や膜内部の洗浄を行うことも効果的な逆
洗を行うことで有効である。逆洗終了後、ドレンバルブ
を閉じて滅菌を行い高温の状態で高圧蒸気の供給を止
め、細胞分離器が冷却するまで待ち、その後、圧力の下
がった細胞分離器内の中空糸内に新鮮な培地を供給後細
胞分離を行う。
【0018】また、細胞分離膜が使用不能となった場合
には上記と同様にして細胞を含む培養液の流入を止め、
細胞分離膜を含む細胞分離器を交換し、その後上記と同
様に滅菌を行い、新鮮な培地を供給後、再び細胞分離を
行う。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を第1図
により説明する。
【0020】第1図において、培地槽1にはRPM−1
640培地と牛血清が滅菌されて入っている。培養槽2
での培養は、ヒト抹消血リンパ球(PBL)とBリンパ
系腫瘍細胞とを共存させる形となっている。そのBリン
パ系腫瘍細胞はインターロイキン2(IL−2)を産生
する。まず培養槽2で細胞増殖させ、培養液中にIL−
2を産生させる。細胞濃度が最初に設定した濃度1×1
(cell/ml )のオーダーになると第1図に示した循
環を行う。細胞とIL−2を含む培養液は、細胞分離器
3に送りこまれる。この細胞分離器3は、疎水性の中空
糸膜を使用したものである。この細胞分離器3より細胞
を含む溶液は、培養槽2に戻され、細胞を除去したIL
−2を含む培養液は、受槽4に送り込まれる。次に培養
液は限外ろ過器5に送り込まれる。この限外ろ過器5の
分画分子量は、予め20000であるように膜を設定し
てある。この膜より分子量が小さい分子であるIL−2
と老廃物とが透過し受槽6に送り込まれる。IL−2の
分子量は約15000である。この膜で透過しない物
質、つまり分子量が20000より大きい分子の培地成
分の中一部とろ過されなかったIL−2は再度受槽4に
戻され、再度限外ろ過器5でろ過される。ここでIL−
2が所定の濃度以下に達すると処理された残りの培養液
は、分子量20000以上の分子だけが濃縮され、培養
槽2に戻される。IL−2は循環中に絶えず系外に取り
出される構成としている。
【0021】さらに、本発明の他の実施例を第2図によ
り説明する。
【0022】第2図において、培養槽1にはRPM1−
1640培地、ハムF−12培地、ダルベッコ変法イー
グル培地を2:1:1で混合したRDF培地と牛血清が
滅菌されて入っている。培地槽2では、マウスミエロー
マ細胞とヒトB細胞を融合して得られたヒトIgA産生
マウスヒトハイブリドーマ細胞の培養を行う。細胞濃度
が最初に設定した濃度1×10(cells/ml )のオー
ダーになると第2図に示した循環を行う。細胞とIgA
を含む培養液は、細胞分離器3に送り込まれる。この細
胞分離器3は疎水生の中空子膜を使用したものである。
この細胞分離機3より細胞を含む溶液は、培養槽2に戻
され、細胞を除去したIgAを含む培養液は、受槽4に
送り込まれ、次いで限外ろ過器5の分画分子量は予め2
0000であるように膜を設定してある。この膜より分
子量が小さい分子である細胞の老廃成分が透過し受槽6
に送り込まれる。この膜に透過しない物質、つまり分子
量が20000より大きい分子と低分子にもかかわらず
透過しなかった物質は、再度受槽4に送り込まれ、再度
限外ろ過器5によりろ過される。分子量20000以下
の分子が充分に除去された溶液は、次の限外ろ過器7に
送り込まれる。この限外ろ過器7の分画分子量は予め1
00000であるように膜を設定している。この膜より
分子量が小さい分子である培地中の血清成分の一部であ
るアルブミンは培養槽2に戻される。分子量が1000
00より大きい高分子であるIgAは受槽4に貯めら
れ、IgAを含む養液は、系外に取り出される。
【0023】本実施例に示すシステムでは、培養槽2へ
戻す血清成分よりも有用な高分子、有用な低分子を同時
に生産する細胞において、有用な高分子、有用な低分子
をおのおの分離して取り出すことが可能なシステムであ
り、生産物阻害といった悪影響は全くない。
【0024】なお、上記各実施例において、細胞分離機
3は、重力沈殿、遠心分離、ろ過いずれの方法を用いて
も良い。また、限外ろ過器5、7は、膜ろ過、限外ろ
過、透析、逆浸透、吸着のいずれの方法を用いても良
い。
【0025】また、上記各実施例において、細胞が産生
する有用物質として、例えばリンホカイン、酸素、細胞
増殖因子等が該当し、具体的にはインターフェロン、イ
ンターロイキン、イムノグロブリン、イムノグロブリン
G、ヒトノムノグロブリン等があげられる。また、細胞
を培養する培養液中に、トランスフェリン、インシュリ
ン、アルブミン、エタノールアミン等の生育促進物質を
有している。これら上記有用物質と再利用可能な上記生
育促進物質との組み合わせで、限外ろ過膜の分画分子量
を最適なものとすることで、本発明の実施できる。即
ち、目的有用物質の分子量が再利用する培地成分より小
さい場合には、細胞を除去した培養液を分離する分画分
子量を再利用する培地成分>分画分子量>有用物質、老
廃成分として、この分画分子量で限外ろ過を行う。次い
で分離した培地成分を培養槽に戻すことで培地成分の再
利用を行うことができる。
【0026】また、目的有用物質の分子量が再利用する
培地成分より大きい場合には、第1段として細胞を除去
した培養液を分離する分画分子量を有用物質・培地成分
>分画分子量>老廃成分として限外ろ過を行い、老廃成
分を除去する。第2段に、有用物質>分画分子量>培地
成分として限外ろ過を行い、分離した培地成分を培養槽
に戻すことで培地成分の再利用を行うことができる。
【0027】本発明は、上記各実施例に限定されること
なく、一般に細胞が動物細胞、植物細胞、微生物等に適
用される内容である。
【0028】次に、本発明のエアーリフト力を利用し、
混合・培養する細胞・培養装置の一実施例を第3図によ
り説明する。
【0029】第3図において、11は培養槽でありその
上方側面に連通口12、下方例えば底部に連通口13を
有し連通口12、13は連通管14で結ぶと共に連通管
14の途中に細胞分離器15を設ける。培養槽11内の
底部付近に培養に必要な気体を給気するための給気口
(スパージャー)16を設ける。又、給気口(スパージ
ャー)16からの給気により、細胞が培養液中を効果的
に浮遊させるための撹拌作用も行わせる。
【0030】さらに、連通管14の底部付近に設けた給
気口(スパージャー)17からの給気は細胞を含む連通
管内に環流させるためのドライビングフォースを与える
ものである。以上の構成において、バルブ18を開き給
気口16から培養槽11内に給気を開始すると気体によ
りドライビングフォースが発生するので細胞を含む培養
液10は対流撹拌される。
【0031】又、バルブ19を開き給気口17からの給
気を開始すると液中に気泡が混入する給気口17より上
方の培養液の見かけの密度は低下する。
【0032】一方連通管14側の培養液中には気泡は含
まれていないため見かけ密度は培養液の密度そのもので
ある。従って、細胞を含む培養液は連通口12から連通
管14に入り細胞分離器15を経由して連通口13に戻
る経路で循環しつつ培養を継続する。
【0033】培養が進行し例えば細胞濃度が目標値に達
すると、バルブ21、31が開き送液ポンプ22を起動
することにより有用物質、老廃成分を含む培養液は細胞
分離器15で細胞を分離した後管23から限外ろ過器2
4に送られ、ここで産生有用物質・老廃成分と培地成分
とに分離され産生有用物質・老廃成分を含む液体は管2
5から図示されていない精製装置等の後続装置に送られ
そこで目的に応じた処理がなされる。
【0034】一方分離された培地成分は管26からバル
ブ31を経て培養槽11に戻され再利用される。
【0035】前期操作により産生有用物質・老廃成分が
後続装置の抽出されるがその抽出量に見合った量の血清
を含む接地は管27、バルブ28を経て細胞分離膜32
を逆洗しならが培養槽11に供給される。
【0036】又、細胞分離器15の交換作業はバルブ2
9、30、21、28を閉止することにより行うことが
出来る。即ち培養操作を停止することなく細胞分離器1
5の保守を容易に行うことが出来る。
【0037】本実施例のように培養槽11、細胞分離器
15、給気口17を上方から下方に準に配設することに
より、ドライビングフォースが与えられた培養液は、細
胞分離器15内の膜を洗浄することもできるという効果
も生じる。また、図示はしていないが培養槽11の上部
の連通口12を培養槽11の中央部に設けることによ
り、槽内をより均一に撹拌することが出来る。
【0038】本発明の細胞分離器は培養槽の外部に設置
する構成としたので培養中も細胞分離膜の交換が可能で
かつ作業も容易である。
【0039】また、連通管の途中に設けた給気口から給
気によりエアーリフト力を利用して、培養液の連通管内
での循環流を生じさせると共に、細胞分離膜近傍での気
泡の流動による圧力変動を膜面に与えることにより、細
胞の膜面への付着を防止し、膜の目詰まりを低減でき
る。培養槽下部に設けた給気口から供給される気泡は、
培養に不可欠な酸素を培養液に供給する役割を担うとと
もに、培養液に流動を起こさせ、細胞の槽底への沈積を
防止する。このように培養液の流動をエアーリフト力を
利用して行わせる構成としたことにより撹拌時細胞にせ
ん断力を与えることがなく従って細胞の損傷を防止でき
る。特に動物細胞のようにせん断力に弱い細胞にとって
は有効である。
【0040】次に本発明の他の実施例を第4図により説
明する。
【0041】第4図において、第3図と同一のものは同
一符合を付し説明を省略する。
【0042】本装置は、バルブ19開によりエアー供給
されて、培養槽11、細胞分離器15の培養液の循環力
が与えられて循環混合される。またバルブ18開により
不足分のエアーが捕われる。灌流培養においては、バル
ブ21開より細胞分離膜32を通して培養液のみろ過さ
れる。培養槽11内の培養液が所定量までろ過され減少
したらバルブ21閉、28開で培地を細胞分離膜32の
逆洗を兼ねて供給する。培養槽11内の培養液が所定量
まで増加したらバルブ28閉、21開で前記培養液のろ
過を行う。培養槽11内の所定量の液面変化は、レベル
センサーを用いて行う。培養液ろ過、培地供給はそれぞ
れポンプを用いて行う。
【0043】上記灌流培養を長期間にわたり行うと細胞
分離膜32の目詰まり現象が起きる。そこで上記灌流培
養を停止することなく培養を継続して行うには以下2つ
の方策がある。
【0044】第1には、蒸気を用いて膜の目詰った物質
を除き膜の再生を図る方法である。以下その手順を示
す。まずバルブ19閉でエアーを入れながら細胞分離器
15内の培養液を連通管14を通して培養槽11内に送
る。次にバルブ19、21、28、29、30閉、バル
ブ33、34開で細胞分離膜32に蒸気を通し膜の再生
を行う。再生可能な時間に達したバルブ33閉、34閉
で細胞分離器15のジャケットに水を流し冷却する。細
胞分離器15が所定の温度まで冷却すると該器内は陰圧
状態になる。そこでバルブ28開で培地を入れ、器内外
の圧力差を0としてバルブ28閉、バルブ21、29、
30開で前記灌流培養を行う。
【0045】第2の方策としては、細胞分離膜32の交
換である。この方策でも第1の方策と同様に細胞分離器
15内の培養液を培養槽11に送り込む。そしてバルブ
29、30、19閉の状態で細胞分離膜32の交換を行
う。交換後、第1の方策と同様に蒸気を通して殺菌を行
い、培地を供給して初期灌流培養を行う。即ち本発明
は、細胞培養中の細胞分離を行っているときには、培養
槽より細胞と培養液とが細胞分離器に流れ込んでいる。
大幅な逆洗(再生)を行うときには、細胞を含む培養液
の流入をバルブを閉じることによって止める。そして細
胞分離器のドレンバルブを開にして細胞分離中のときと
は逆方向に蒸気を中空糸膜内に流入する。よって上記の
圧力が直接中空系内にかかり大幅な逆洗(再生)を行う
ことができる。培養液中にたん白質等の加熱により変性
して沈殿物を生じる物質を高濃度に含んでいる場合に
は、スチーム注入に先立ち、水等であらかじめ細胞分離
器内部や膜内部の洗浄を行うことも効果的な逆洗を行う
ことで有効である。逆洗終了後、ドレンバルブを閉じて
滅菌を行い高温の状態で高圧蒸気の供給を止め、細胞分
離器が冷却するまで待ち、その後、圧力の下がった細胞
分離器内の中空糸内に新鮮な培地を供給後細胞分離を行
う。
【0046】また、細胞分離膜が使用不能となった場合
には上記と同様にして細胞を含む培養液の流入を止め、
細胞分離膜を含む細胞分離器を交換し、その後上記と同
様に滅菌を行い、新鮮な培地を供給後、再び細胞分離を
行う。
【0047】このような灌流培養において膜の目詰まり
からは逃れないので上記実施例の如く膜の再生、交換を
可能としたことで細胞培養を長期にわたり行うことがで
きる効果があり、また物質生産性において高収率化が図
れることが期待される。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、細胞を除去した培養液
を分離する分画分子量を、予め細胞代謝物質の有用物
質、老廃成分の分子量より大きく又は、小さく設定する
ことにより、有用物質および老廃成分を培地成分から除
去できる。さらに、高価な血清成分のアルブミンを培養
槽に戻すことができるのでランニングコストの低下も可
能となる等の効果がある。
【0049】次にエアーリフト力を利用して培養液を混
合する培養槽についての効果を上げると、細胞分離器を
培養槽の外部に設置する構成としているため、細胞分離
器の交換時培養槽を開放する必要がない。従って培養操
作を継続しながら細胞分離器の交換作業が可能であり、
又交換作業も容易なので生産性、保守性共に高い効果を
得る。同様に、細胞培養を終了(停止)することなく細
胞分離膜の再生ができるので、長期にわたる培養が行え
る。
【0050】又、培養液の撹拌に撹拌機を用いず排気口
からの給気によるドライビングフォースを利用する構成
としているので、撹拌時に細胞の損傷の慣れはなく生産
性が向上する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の細胞培養装置のフロー図で
ある。
【図2】本発明の他の一実施例の細胞培養槽のフロー図
である。
【図3】本発明の他の実施例の細胞培養装置のフロー図
である。
【図4】本発明の他の実施例の細胞培養装置のフロー図
である。
【符号の説明】
1…培地槽、2…培養槽、3…細胞分離器、5…限外ろ
過器、7…限外ろ過器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 亀代司 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 松崎 晴美 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 石田 昌彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 古川 敬信 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 村上 聖 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 加藤 健児 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細胞を液中培養する細胞培養方法におい
    て、培養液から細胞を分離し、該分離した細胞を培養槽
    へ戻す工程と、細胞を除いた培養液から培地成分と、細
    胞より分泌される有用物質および老廃成分とを分離し、
    該培地成分の少なくとも一部を培養槽に戻す工程とから
    成ることを特徴とする細胞培養方法。
  2. 【請求項2】培養液から細胞を分離し、該分離した細胞
    を培養槽へ戻す工程と、細胞を除いた培養液から高分子
    の有用物質および培地成分とからなる混合液と老廃成分
    とを分離する工程と、上記混合液から培地成分と培地成
    分の少なくとも一つの物質よりも大きい高分子の有るこ
    とを特徴とする細胞培養方法。
JP11208676A 1989-02-15 1999-07-23 細胞培養方法及び装置 Pending JP2000032977A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022516516A (ja) * 2018-12-31 2022-02-28 レプリゲン・コーポレーション 疎水性中空繊維による哺乳類細胞培養物の灌流および浄化用フィルター

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