JP2000032477A - 映像信号処理装置及び映像信号処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＣＣＤイメージセンサのＲＧＢ出力に対して
垂直相関誤差を補正する映像信号処理装置を提供する。 【解決手段】 ２系統の水平転送部を持ち、画素上に
Ｒ、Ｇ、Ｂの原色フィルタを有するＣＣＤイメージセン
サの出力信号を処理する映像信号処理装置において、Ｃ
ＣＤイメージセンサから出力されるＲ、Ｇ、Ｂの各信号
11から垂直相関誤差を検出する垂直相関誤差検出手段12
と、垂直相関誤差検出手段の検出結果に基づいてＣＣＤ
イメージセンサから出力されるＲ、Ｇ、Ｂの各信号の垂
直相関誤差を補正する垂直相関誤差補正手段14とを設け
る。Ｒ、Ｇ、Ｂ信号の垂直相関誤差を補正したＲｏ、Ｇ
ｏ、Ｂｏ信号15を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＣＣＤイメージ
センサから出力される映像信号を処理する映像信号処理
装置と、その映像信号処理方法に関し、特に、ＲＧＢ出
力の垂直相関誤差を補正するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のカラーカメラでは、電荷読み出し
用に２系統の水平転送部を有するＣＣＤイメージセンサ
を用いたカメラが知られている。

【０００３】このＣＣＤイメージセンサは各画素にＲＧ
Ｂの原色フィルタを有し、そのフィルタが、図３のよう
に配列されている。このセンサでは、同図３に示すよう
に、各フィールドのラインが、Ｇ列とＲ／Ｂ列とで構成
され、この上下の列の各々の画素の電荷が２系統の水平
転送部（１）及び（２）により読み出される。即ち、水
平転送部（１）からはＧが、水平転送部（２）からはＲ
とＢとが１画素ごとに交互に時分割で出力される。

【０００４】このとき、例えば白黒の被写体を写すと、
白と黒の水平方向の境界のエッジ位置に着色が生じる。
このように、ＣＣＤイメージセンサの空間的位置が異な
る上下の２つの画素間に相関が無い被写体を撮像した場
合に生じる着色は、垂直相関誤差と呼ばれている。

【０００５】このような垂直相関誤差の検出と補正とを
行なう垂直相関誤差補正装置として、特開平９−８４０
３０に記載されたものが知られている。

【０００６】この装置は、図４に示すように、ＲＧＢの
入力信号41から垂直相関誤差を検出する垂直相関誤差検
出部42と、ＲＧＢの入力信号41を輝度信号及び色差信号
から成るコンポジット信号に変換するＲＧＢ→ＹＵＶ変
換部44と、変換された色差信号45の垂直相関誤差を補正
する垂直相関誤差補正部46とを備えている。

【０００７】また、垂直相関誤差補正部46は、図５に示
すように、色差信号45をゲイン（−ＸｄＢ）で増幅する
アンプ51と、垂直相関誤差検出部42から出力される着色
検出信号43に基づいて、入力した色差信号45、またはア
ンプ51から出力された色差信号のいずれかを選択するセ
レクタ52とを具備している。

【０００８】この装置の垂直相関誤差検出部42は、ＣＣ
Ｄイメージセンサの空間的位置が異なる上下の２つの画
素を同時に独立して読出し、電気的位相を同一にして信
号処理することにより、その２画素間の差分を検出す
る。この差分は、その２画素間に相関が無い被写体を撮
像した場合に生じる着色、つまり垂直相関誤差に対応し
ており、この検出値を閾値ＴＨと比較し、以下の着色検
出信号43を垂直相関誤差補正部46に出力する。 着色レベル＜ＴＨ → ０（非着色部） ＴＨ≦着色レベル → １（着色部）

【０００９】一方、ＲＧＢ→ＹＵＶ変換部44は、ＲＧＢ
の入力信号41を、輝度信号Ｙと、色差信号Ｒ−Ｙ
（Ｖ）、Ｂ−Ｙ（Ｕ）信号45とに変換する。

【００１０】垂直相関誤差補正部46は、着色検出信号43
を基に、このＲ−Ｙ、Ｂ−Ｙ信号のゲインコントロール
を行なうことによって垂直相関誤差を補正する。

【００１１】この垂直相関誤差補正部46では、Ｒ−Ｙを
例に取ると、Ｒ−Ｙの入力信号45がアンプ51によって所
定のゲイン（−ＸｄＢ）で増幅される。セレクタ52で
は、着色検出信号43を基に以下の信号を選択し、垂直相
関誤差が補正された出力Ｒ−Ｙｏ47を得る。

【００１２】このように、この装置では、ＣＣＤイメー
ジセンサの垂直方向に並ぶ画素の信号差が大きいとき、
垂直相関誤差が発生しているものと見て、色差信号のゲ
インをコントロールし、映像が自然に見えるように補正
している。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の垂直相
関誤差補正装置では、Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ信号に対し補正を
行なっているため、カメラの出力の形態として、コンポ
ジット出力に対しては補正を行なえるが、ＲＧＢ出力に
対しては補正を諦めるか、補正後のＹＵＶ信号をＲＧＢ
に逆変換する必要があった。

【００１４】本発明は、こうした点を改善するものであ
り、ＣＣＤイメージセンサのＲＧＢ出力に対して垂直相
関誤差を補正する映像信号処理装置と、そのための映像
信号処理方法とを提供することを目的としている。

【００１５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、垂
直相関誤差検出手段が検出する着色検出信号に基づい
て、ＹＵＶへ変換する前のＲＧＢの各信号を、自画素と
その隣接画素の信号とを用いて補正している。

【００１６】そのため、ＲＧＢ出力に対する垂直相関誤
差を補正することができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、２系統の水平転送部を持ち、画素上にＲ、Ｇ、Ｂの
原色フィルタを有するＣＣＤイメージセンサの出力信号
を処理する映像信号処理装置において、ＣＣＤイメージ
センサの空間的位置が異なる上下の２つの画素の信号を
同時に読み出し、その画素間に相関が無い被写体を撮像
した場合に生じる着色を検出して、着色検出信号を出力
する垂直相関誤差検出手段と、この着色検出信号に基づ
いてＣＣＤイメージセンサが出力するＲ、Ｇ、Ｂの各信
号を補正する垂直相関誤差補正手段とを設けたものであ
り、Ｒ、Ｇ、Ｂの信号出力に対する垂直相関誤差を補正
することができる。

【００１８】請求項２に記載の発明は、２系統の水平転
送部を持ち、画素上にＲ、Ｇ、Ｂの原色フィルタを有す
るＣＣＤイメージセンサの出力信号を処理する映像信号
処理方法において、ＣＣＤイメージセンサの空間的位置
が異なる上下の２つの画素の信号を同時に読み出して、
その画素間に相関が無い被写体を撮像した場合に生じる
着色を検出し、ＣＣＤイメージセンサの各画素から出力
されるＲ、Ｇ、Ｂの各信号を、自画素及びその隣接画素
の信号と、検出された着色の有無に基づいて設定した係
数Ｋとを用いて、 Ｒｏ＝Ｋ₁₁Ｒ＋Ｋ₁₂Ｇ＋Ｋ₁₃Ｂ Ｇｏ＝Ｋ₂₁Ｒ＋Ｋ₂₂Ｇ＋Ｋ₂₃Ｂ Ｂｏ＝Ｋ₃₁Ｒ＋Ｋ₃₂Ｇ＋Ｋ₃₃Ｂ の演算を行ない、信号Ｒｏ、Ｇｏ、Ｂｏに補正するよう
にしたものであり、このＣＣＤイメージセンサを用いる
カメラのＲＧＢ出力に対して垂直相関誤差を補正するこ
とができる。

【００１９】請求項３に記載の発明は、この着色が検出
されなかったとき、 Ｋ₁₁＝Ｋ₂₂＝Ｋ₃₃＝１ Ｋ₁₂＝Ｋ₁₃＝Ｋ₂₁＝Ｋ₂₃＝Ｋ₃₁＝Ｋ₃₂＝０ に設定し、着色が検出されたとき、 Ｋ₁₁＝Ｋ₁₂＝Ｋ₂₂＝Ｋ₃₂＝Ｋ₃₃＝１／２ Ｋ₂₁＝Ｋ₂₃＝１／４ Ｋ₁₃＝Ｋ₃₁＝０ に設定するようにしたものであり、カメラのＲＧＢ出力
に対して垂直相関誤差を補正することができる。

【００２０】請求項４に記載の発明は、係数Ｋを、ＣＣ
Ｄイメージセンサを組み込んだカメラの用途または撮影
するシーンに応じて設定するようにしたものであり、カ
メラの用途や撮影シーンに応じた適切な値に設定するこ
とによって効果的な補正を行なうことができる。

【００２１】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。

【００２２】本発明の実施形態の映像信号処理装置は、
図１に示すように、ＲＧＢの入力信号11から垂直相関誤
差を検出する垂直相関誤差検出部12と、ＲＧＢの入力信
号11の垂直相関誤差を補正してＲｏ、Ｇｏ、Ｂｏ信号15
を出力する垂直相関誤差補正部14とを備えている。

【００２３】この装置の垂直相関誤差検出部12は、ＣＣ
Ｄイメージセンサの空間的位置が異なる上下の２つの画
素を同時に独立して読出し、電気的位相を同一にして信
号処理することにより、その２画素間の差分を検出す
る。この差分は、その２画素間に相関が無い被写体を撮
像した場合に生じる着色（つまり垂直相関誤差）に対応
しており、この検出値を閾値ＴＨと比較し、以下の着色
検出信号13を垂直相関誤差補正部14に出力する。 着色レベル＜ＴＨ → ０（非着色部） ＴＨ≦着色レベル → １（着色部）

【００２４】垂直相関誤差補正部14は、係数Ｋを用い
て、以下の演算を行なう。 Ｒｏ＝Ｋ₁₁Ｒ＋Ｋ₁₂Ｇ＋Ｋ₁₃Ｂ Ｇｏ＝Ｋ₂₁Ｒ＋Ｋ₂₂Ｇ＋Ｋ₂₃Ｂ Ｂｏ＝Ｋ₃₁Ｒ＋Ｋ₃₂Ｇ＋Ｋ₃₃Ｂ

【００２５】この係数Ｋの値を、着色検出信号13を用い
て、非着色時と着色時とで切り替える。非着色時には、
以下の関係になり、自画素の情報をそのまま出力する。 Ｒｏ＝ Ｒ＋ ０＋ ０ Ｇｏ＝ ０＋ Ｇ＋ ０ Ｂｏ＝ ０＋ ０＋ Ｂ

【００２６】一方、着色時には、以下の関係になる。 Ｒｏ＝（１／２）Ｒ＋（１／２）Ｇ＋ ０ Ｇｏ＝（１／４）Ｒ＋（１／２）Ｇ＋（１／４）Ｂ Ｂｏ＝ ０＋（１／２）Ｇ＋（１／２）Ｂ

【００２７】つまり、自画素とその隣接画素との信号で
演算することにより、垂直相関誤差を補正する。

【００２８】この補正動作を実現する垂直相関誤差補正
部14の回路の一例を図２に示す。この垂直相関誤差補正
部14は、入力信号ＧからＲを減算する減算器21と、減算
器21の出力を１／２倍するビットシフト（２^-1倍器）23
と、着色検出信号13に基づいて定数０またはビットシフ
ト（２^-1倍器）23の出力を選択するスイッチ24と、スイ
ッチ24の出力と入力信号Ｒとを加算してＲｏ信号15を出
力する加算器22とを備え、また、入力信号ＧからＢを減
算する減算器25と、減算器25の出力を１／２倍するビッ
トシフト（２^-1倍器）27と、着色検出信号13に基づいて
定数０またはビットシフト（２^-1倍器）27の出力を選択
するスイッチ28と、スイッチ28の出力と入力信号Ｂとを
加算してＢｏ信号15を出力する加算器26とを備え、ま
た、減算器21及び減算器25の出力を加算する加算器29
と、加算器29の出力を１／４倍するビットシフト（２^-2
倍器）30と、着色検出信号13に基づいて定数０またはビ
ットシフト（２^-2倍器）30の出力を選択するスイッチ31
と、入力信号Ｇからスイッチ31の出力を減算してＧｏ信
号15を出力する減算器32とを備えている。

【００２９】この垂直相関誤差補正部14では、減算器21
が、入力したＲ、Ｇの入力信号11からＧ−Ｒを出力す
る。この信号は、ビットシフト23で２^-1倍され、１／２
（Ｇ−Ｒ）となる。一方、スイッチ24では、着色検出信
号13を基に、非着色時には定数０を、着色時にはビット
シフト23から出力された１／２（Ｇ−Ｒ）を選択し、加
算器22は、入力信号のＲとスイッチ24で選択された信号
とを加算することによって、 非着色時 Ｒｏ＝Ｒ＋０＝Ｒ 着色時 Ｒｏ＝Ｒ＋（１／２）（Ｇ−Ｒ）＝（１／
２）Ｒ＋（１／２）Ｇ からなる出力Ｒｏ15を得る。

【００３０】また、入力したＢについても、同様に、加
算器26から、 非着色時 Ｂｏ＝Ｂ＋０＝Ｂ 着色時 Ｂｏ＝Ｂ＋（１／２）（Ｇ−Ｂ）＝（１／
２）Ｂ＋（１／２）Ｇ の出力Ｂｏ15が出力される。

【００３１】また、加算器29は、減算器21及び減算器25
の出力を加算して（Ｇ−Ｒ）＋（Ｇ−Ｂ）を出力し、こ
の信号は、ビットシフト30で２^-2倍され、１／４｛（Ｇ
−Ｒ）＋（Ｇ−Ｂ）｝となる。スイッチ32は、着色検出
信号13を基に、非着色時には定数０を、着色時にはビッ
トシフト30から出力された１／４｛（Ｇ−Ｒ）＋（Ｇ−
Ｂ）｝を選択し、減算器32は、入力信号のＧからスイッ
チ24で選択された信号を減算することによって、 非着色時 Ｇｏ＝Ｇ−０＝Ｇ 着色時 Ｇｏ＝Ｇ−１／４｛（Ｇ−Ｒ）＋（Ｇ−Ｂ）｝ ＝（１／４）Ｒ＋（１／２）Ｇ＋（１／４）Ｂ からなる出力Ｇｏ15を得る。

【００３２】結局、非着色時には、 Ｒｏ＝ Ｒ＋ ０＋ ０ Ｇｏ＝ ０＋ Ｇ＋ ０ Ｂｏ＝ ０＋ ０＋ Ｂ 着色時には Ｒｏ＝１／２Ｒ＋１／２Ｇ＋ ０ Ｇｏ＝１／４Ｒ＋１／２Ｇ＋１／４Ｂ Ｂｏ＝ ０＋１／２Ｇ＋１／２Ｂ となり、着色時に補正が行なわれていることが分かる。

【００３３】なお、この実施形態では、係数Ｋの値を上
記のように設定したが、カメラの用途、シーンに応じて
適切な値に設定することで、効果的な補正を得ることが
できる。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の映像信号処理装置は、垂直相関誤差の補正をＲ、Ｇ、
Ｂの信号に対して行なうことができる。そのため、カメ
ラのコンポジット出力だけでなく、ＲＧＢ出力に対して
も垂直相関誤差を補正することが可能となる。

【００３５】また、補正時の係数Ｋをカメラの用途、シ
ーンに応じて適切な値に設定することで、効果的な補正
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の映像信号処理装置の構成を示すブロ
ック図、

【図２】実施形態の映像信号処理装置における垂直相関
誤差補正部の構成を示ずブロック図、

【図３】従来のＣＣＤイメージセンサのフィルタ配列、

【図４】従来の垂直相関誤差補正装置の構成を示すブロ
ック図、

【図５】従来の垂直相関誤差補正装置における垂直相関
誤差補正部の構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

11、41 ＲＧＢの入力信号 12、42 垂直相関誤差検出部 13、43 着色検出信号 14、46 垂直相関誤差補正部 15 補正後のＲｏ、Ｇｏ、Ｂｏ信号 21、25、32 減算器 22、26、29 加算器 23、27 ビットシフト（２^-1倍器） 24、28、31 スイッチ 30 ビットシフト（２^-2倍器） 44 ＲＧＢ，ＹＵＶ変換部 45 Ｙ、Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ信号 47 補正後のＹｏ、Ｒ−Ｙｏ、Ｂ−Ｙｏ信号 51 アンプ 52 セレクタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹永 祐一 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目３番１ 号 松下通信工業株式会社内 Ｆターム(参考） 5C065 AA01 BB19 CC01 DD09 EE05 EE06 GG50

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２系統の水平転送部を持ち、画素上に
   Ｒ、Ｇ、Ｂの原色フィルタを有するＣＣＤイメージセン
   サの出力信号を処理する映像信号処理装置において、 前記ＣＣＤイメージセンサの空間的位置が異なる上下の
   ２つの画素の信号を同時に読み出し、その画素間に相関
   が無い被写体を撮像した場合に生じる着色を検出して、
   着色検出信号を出力する垂直相関誤差検出手段と、 前記着色検出信号に基づいて前記ＣＣＤイメージセンサ
   が出力するＲ、Ｇ、Ｂの各信号を補正する垂直相関誤差
   補正手段とを備えることを特徴とする映像信号処理装
   置。
2. 【請求項２】 ２系統の水平転送部を持ち、画素上に
   Ｒ、Ｇ、Ｂの原色フィルタを有するＣＣＤイメージセン
   サの出力信号を処理する映像信号処理方法において、 前記ＣＣＤイメージセンサの空間的位置が異なる上下の
   ２つの画素の信号を同時に読み出して、その画素間に相
   関が無い被写体を撮像した場合に生じる着色を検出し、
   前記ＣＣＤイメージセンサの各画素から出力されるＲ、
   Ｇ、Ｂの各信号を、自画素及びその隣接画素の信号と、
   検出された前記着色の有無に基づいて設定した係数Ｋと
   を用いて以下の演算を行ない、信号Ｒｏ、Ｇｏ、Ｂｏに
   補正することを特徴とする垂直相関誤差を補正するため
   の映像信号処理方法。 Ｒｏ＝Ｋ₁₁Ｒ＋Ｋ₁₂Ｇ＋Ｋ₁₃Ｂ Ｇｏ＝Ｋ₂₁Ｒ＋Ｋ₂₂Ｇ＋Ｋ₂₃Ｂ Ｂｏ＝Ｋ₃₁Ｒ＋Ｋ₃₂Ｇ＋Ｋ₃₃Ｂ
3. 【請求項３】 前記着色が検出されなかったとき、 Ｋ₁₁＝Ｋ₂₂＝Ｋ₃₃＝１ Ｋ₁₂＝Ｋ₁₃＝Ｋ₂₁＝Ｋ₂₃＝Ｋ₃₁＝Ｋ₃₂＝０ に設定し、前記着色が検出されたとき、 Ｋ₁₁＝Ｋ₁₂＝Ｋ₂₂＝Ｋ₃₂＝Ｋ₃₃＝１／２ Ｋ₂₁＝Ｋ₂₃＝１／４ Ｋ₁₃＝Ｋ₃₁＝０ に設定することを特徴とする請求項２に記載の映像信号
   処理方法。
4. 【請求項４】 前記係数Ｋを、前記ＣＣＤイメージセン
   サを組み込んだカメラの用途または撮影するシーンに応
   じて設定することを特徴とする請求項２に記載の映像信
   号処理方法。