JP2000031557A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JP2000031557A
JP2000031557A JP19716398A JP19716398A JP2000031557A JP 2000031557 A JP2000031557 A JP 2000031557A JP 19716398 A JP19716398 A JP 19716398A JP 19716398 A JP19716398 A JP 19716398A JP 2000031557 A JP2000031557 A JP 2000031557A
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JP
Japan
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electrode
piezoelectric
piezoelectric transformer
power generation
piezoelectric body
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JP19716398A
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English (en)
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Takeshi Kitami
剛 北見
Susumu Saito
晋 斉藤
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇圧比を低減せず、かつ、簡単な構成で、
圧電板の割れを低減出来る圧電トランスを提供する。 【解決手段】 圧電トランス100は、平板状の圧電セ
ラミック材料から形成された圧電板10を、ほぼ3等分
して2つの駆動部11と発電部15とが形成されてい
る。各駆動部11は互いで発電部15を挟んで、圧電板
10の長さ方向に配列されている。駆動部11は一主面
に外部端子4aに接続された入力電極11a、他主面に
外部端子4b、5bに接続された入力電極11bを備
え、厚さ方向に分極処理されている。発電部15は、一
主面に外部端子5aに接続された出力電極15a、他主
面に外部端子4b、5bに接続された出力電極15bを
備え、長さ方向に分極処理されている。出力電極15
a、15bは、それぞれ、長さ方向の縁部が波状形に形
成され、発電部15のほぼ中央部に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体の圧電効果
により、高電圧を発生する圧電トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶ディスプレイのバックライト
用インバータ等には、巻線型の電磁トランスが用いられ
ていたが、低消費電力化や小型薄型化等の要求により、
圧電トランスも使用されている。
【0003】以下、従来の圧電トランスを図面を参照し
て説明する。図10(a)は従来の圧電トランス400
を示す平面図、図10(b)は図10(a)の圧電トラ
ンス400を示す斜視図である。
【0004】圧電トランス400は、例えば、対称ロー
ゼン3次型であり、図10(a)に示すように、平板状
に形成された圧電板40を、ほぼ3等分して2つの駆動
部41と発電部45とが形成されている。駆動部41
は、図10(b)に示すように、一主面に外部端子4a
に接続された入力電極41a、他主面に外部端子4b、
5bに接続された入力電極41bを備える。発電部45
は、一主面に外部端子5aに接続された出力電極45
a、他主面にに外部端子4b、5bに接続された出力電
極45bを備える。
【0005】圧電トランス400は、駆動部41では圧
電板40の厚さ方向(矢印YG方向)、発電部45では
圧電40板の長さ方向(矢印YH方向)に分極されてい
る。
【0006】この分極により、圧電板40は変形し、特
に各電極31a,41b,45a,45b近傍には、大
きな歪みが生じて残留応力が発生する。
【0007】外部端子4a,4bから入力電極41a,
41bに電圧が印加されると、逆圧電効果により、圧電
トランス400は長さ方向に伸縮する振動を起こし、圧
電効果により出力電極45a、45bから外部端子5
a、5bへ、入力電極41a,41bに印加した電圧と
同じ周波数の高圧電力が出力される。この振動により圧
電板40のほぼ中央部に応力が集中する。
【0008】このように、残留応力と振動による応力と
が集中する部分が、出力電極45a,45bの縁部に沿
って生じるため、出力電極45a,45b近傍で圧電板
40に割れが生じる場合がある等の問題がある。
【0009】また、対称ローゼン3次型圧電トランスに
限らず、例えばローゼン2次型圧電トランス等の圧電ト
ランスにおいても、同様の問題がある。
【0010】このような問題点を解決するため、特開平
9−83032号公報には、入力電極と出力電極との間
に分極されていない部分を設けることにより、分極によ
る残留応力を低減し、圧電板の破損を防止する技術が開
示されている。
【0011】また、特開平9−2104013号公報に
は、圧電板の長さ方向に入力電極を並べて設け、出力電
極側の入力電極に印加する分極電圧を低くすることによ
り、圧電板に大きな残留応力が生じることを防止する圧
電トランスが開示されている。
【0012】しかし、特開平9−83032号公報に開
示されている技術は、対称ローゼン3次型圧電トランス
には適用できず、また、出力電極を複数必要とするた
め、構成が複雑になるという問題点がある。
【0013】特開平9−2104013号公報に開示さ
れている圧電トランスは、対称ローゼン3次型圧電トラ
ンスには適用できず、また、電気機械結合係数を大きく
できないため、高い昇圧比を得られないという問題点が
ある。さらに、入力電極を複数必要とするため、構成が
複雑になるという問題点がある。
【0014】また、特開平10−70321号公報に
は、出力電極の幅方向の両端部を狭く形成することによ
り、電極ペーストの圧電板の側面への流出を抑え、電極
焼成及び分極により圧電体に加わる応力を低減する圧電
トランスが開示されている。
【0015】しかし、特開平10−70321号公報に
開示されている圧電トランスの出力電極は、圧電板の幅
方向の両端部のみが狭く形成されている。また、この技
術は、圧電板の側面への電極ペーストの流出を抑えるた
めのものであり、電極近傍に圧電板の振動による応力
が、圧電板の幅方向に沿って連続して生じるのを防止す
るものとは異なる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みてなされたものであり、昇圧比を低減せず、かつ、簡
単な構成で、圧電板の割れを低減出来る圧電トランスを
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係る圧電トランスは、平板状
の圧電材料から形成され、厚さ方向に分極された駆動部
と長さ方向に分極された発電部とを備える圧電体と、前
記駆動部上に配置され、交流入力電圧が印加される第1
の電極と、前記発電部上に配置され、前記交流入力電圧
の印加により前記圧電体に生じた交流出力電圧を出力す
る第2の電極と、を備え、前記第1の電極と第2の電極
の内の少なくとも一方の電極の、他方の電極側の縁部
に、該一方の電極に向かって複数の凹部及び/又は凸部
が形成されていることを特徴とする。
【0018】圧電トランスが駆動していない状態では、
圧電体の第1又は第2の電極の近傍には、分極処理によ
る残留応力のみが生じている。この状態から、第1の電
極に交流入力電圧が印加されると、圧電体が振動し、こ
の振動のノード点に形成された第1又は第2の電極近傍
に応力が集中する。第1又は第2の電極の第2又は第1
の電極側の縁部には、例えば波状形や三角波形や四角形
等の凹部又は凸部が形成されているので、残留応力と振
動による応力とが集中する部分と集中しない部分とが交
互に発生し、圧電体への割れの発生を低減することが可
能である。また、圧電体が破損しにくくなるので、圧電
体の振動速度を上げることが可能となり、昇圧比を低減
することなく、圧電体の破損を防止できる。さらに、第
1又は第2の電極の縁部に複数の凹凸を設けるという簡
単な構成によって、圧電体の割れを防止できる。
【0019】前記駆動部は前記圧電体の長さ方向に前記
発電部を挟んで、前記発電部の両側に形成されており、
前記第1の電極は、各前記駆動部の両主面に形成され、
前記第2の電極は、前記発電部の両主面に形成されてい
てもよい。
【0020】また、前記第2の電極は、一方の前記駆動
部の方向に突出して形成された第1の突出部と、他方の
前記駆動部の方向に突出して形成された第2の突出部と
が、前記圧電体の幅方向に、交互に配列されて形成され
ていることが望ましい。
【0021】このような構成によれば、第1の電極への
交流入力電圧の印加により、圧電体の第2の電極近傍に
は、残留応力と振動による応力とが集中する部分と集中
しない部分とが交互に発生するので、圧電体への割れの
発生を低減することが可能である。
【0022】前記圧電体の一主面に形成された前記第2
の電極の前記第1の電極側の縁部は、他主面に形成され
た前記第2の電極の前記第1の電極側の縁部に対向しな
い位置に形成されていてもよい。
【0023】このような構成によれば、圧電体の一主面
の第2の電極の縁部近傍と他主面の第2の電極の縁部近
傍とでは応力が集中する位置が異なるので、圧電体に生
じる割れを低減することが可能である。
【0024】前記第1の電極は、前記圧電体の長さ方向
の一端の近傍から、前記圧電体を長さ方向に二分する位
置まで、前記駆動部の両主面に形成され、前記第2の電
極は、前記圧電体の他端に沿って前記発電部の両主面に
形成されていてもよい。
【0025】また、前記第1の電極は前記駆動部の両主
面に形成され、前記第2の電極は前記発電部の側面に配
置されていてもよい。
【0026】このような構成によれば、第1の電極への
交流入力電圧の印加により、圧電体の第1の電極近傍に
は、残留応力と圧電体の振動による応力とが集中する部
分と集中しない部分とが交互に発生するので、圧電体へ
の割れの発生を低減することが可能である。
【0027】前記圧電体の一主面に形成された前記第1
の電極の前記第2の電極側の縁部は、他主面に形成され
た前記第1の電極の前記第2の電極側の縁部に対向しな
い位置に形成されていてもよい。
【0028】このような構成によれば、圧電体の一主面
の第1の電極の縁部近傍と他主面の第1の電極の縁部近
傍とでは応力が集中する位置が異なるので、圧電体に生
じる割れを低減することが可能である。
【0029】前記圧電体が複数枚積層され、各前記圧電
体の一主面に形成された前記第1及び第2の電極は、対
向して配置された前記第1及び第2の電極に接続されて
いてもよい。
【0030】このような構成によれば、第1の電極への
交流入力電圧の印加により、圧電体が振動し、分極処理
による残留応力と振動による応力とが集中する部分と集
中しない部分とが、圧電体の幅方向に交互に生じるの
で、圧電体に生じる割れを低減することが可能である。
また、圧電体が複数枚積層されることによって、大きな
昇圧比を得ることが可能である。
【0031】また、前記圧電体が複数枚積層され、各前
記圧電体の一主面に形成された前記第1の電極は、対向
して配置された前記第1の電極に接続され、各前記圧電
体が備える前記第2の電極は、それぞれ接続されていて
もよい。
【0032】このような構成によれば、第1の電極への
交流入力電圧の印加により、圧電体が振動し、分極処理
による残留応力と振動による応力とが集中する部分と集
中しない部分とが、圧電体の幅方向に交互に生じるの
で、圧電体に生じる割れを低減することが可能である。
【0033】上記目的を達成するため、本発明の第2の
観点に係る圧電トランスは、平板状の圧電材料から形成
され、厚さ方向に分極された駆動部と、長さ方向に分極
された発電部とを備える圧電体と、前記駆動部に設けら
れ、交流入力電圧が印加される第1の電極と、前記発電
部に設けられ、前記交流入力電圧の印加により、前記圧
電体に生じた交流出力電圧が出力される第2の電極と、
を備え、前記圧電体には、前記分極による残留応力が、
前記圧電体の幅方向に断続的に生じている部分が形成さ
れていることを特徴とする。
【0034】また、前記分極による残留応力が生じてい
る部分が、前記圧電体の幅方向に断続的に形成されてい
るのは、前記第1の電極と前記第2の電極との少なくと
も一方の電極の、他方の電極側の縁部であることが望ま
しい。
【0035】圧電トランスが駆動していない状態では、
圧電体の第1又は第2の電極の近傍には、分極処理によ
る残留応力のみが生じている。この状態から、第1の電
極に交流入力電圧が印加されると、圧電体が振動し、こ
の振動のノード点の近傍に形成された第1又は第2の電
極近傍に応力が集中する。第1又は第2の電極の第2又
は第1の電極側の縁部には、前記分極による残留応力が
生じている部分が、前記圧電体の幅方向に、断続的に形
成されているので、残留応力と振動による応力とが集中
する部分と集中しない部分とが交互に発生し、圧電体へ
の割れの発生を低減することが可能である。また、圧電
体が破損しにくくなるので、圧電体の振動速度を上げる
ことが可能となり、昇圧比を低減することなく、圧電体
の破損を防止できる。
【0036】前記一方の電極の前記他方の電極側の縁部
には、複数の凸部及び/又は凹部が設けられていること
が望ましい。
【0037】このような構成によれば、第1又は第2の
電極の第2又は第1の電極側の縁部に、例えば、波状形
や三角波形や四角形等に形成された複数の凸部又は凹部
が設けられているので、残留応力と振動による応力とが
集中する部分と集中しない部分とが交互に発生し、圧電
体への割れの発生を低減することが出来る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本実施の形
態に係る圧電トランスを説明する。図1は本実施の形態
に係る圧電トランス100を示す平面図、図1(b)は
図1(a)の圧電トランス100を示す斜視図である。
【0039】圧電トランス100は、例えば、対称ロー
ゼン3次型であり、図1(a)に示すように、平板状に
形成された圧電板10を、ほぼ3等分して2つの駆動部
11と発電部15とが形成されている。
【0040】圧電板10は、例えば、PZT(PbZr
O3−PbTiO3)等の圧電セラミック材料から形成
されている。各駆動部11は、互いで発電部15を挟ん
で、圧電板10に配列されている。駆動部11は、図1
(b)に示すように、一主面に外部端子4aに接続され
た入力電極11a、他主面に外部端子4b、5bに接続
された入力電極11bを備える。発電部15は、一主面
に外部端子5aに接続された出力電極15a、他主面に
外部端子4b、5bに接続された出力電極15bを備え
る。出力電極15a、15bは、長さ方向の縁部が波状
形に形成され、発電部15のほぼ中央部に配置されてい
る。各電極11a,11b、15a,15bは、例え
ば、銀、ニッケル又は金等の金属から形成されている。
【0041】圧電トランス100は、駆動部11では圧
電板10の厚さ方向(矢印YA方向)に、発電部15で
は圧電板10の長さ方向(矢印YB方向)に分極されて
いる。
【0042】圧電トランス100の分極処理は、圧電板
10に各電極11a,11b、15a,15bを形成
後、例えば、170℃の絶縁油中において行われる。
【0043】まず、各入力電極11aと11b同士を同
電位になるよう短絡し、入力電極11aと11bとの間
に直流電圧を印加し、圧電板10の厚さ方向(矢印YA
方向)に、例えば、2kv/mmの直流電界を与え、駆
動部11を分極する。
【0044】駆動部11を分極後、入力電極11aと1
1b及び出力電極15aと15bをそれぞれ同電位にな
るよう結線し、各入力電極11a,11bと出力電極1
5a、15bとの間に直流電圧を印加し、圧電板10の
長さ方向(矢印YB方向)に、例えば、2kv/mmの
直流電界を与え、発電部15を分極する。
【0045】この分極により、圧電板10は変形し、特
に各電極11a,11b、15a,15b近傍には、大
きな歪みが生じ、圧電板10には残留応力が発生する。
【0046】このように、圧電トランス100は、出力
電極の端部の形状が波状形に形成されているという点を
除いては、従来の圧電トランスとほぼ同一の構成を有す
る。
【0047】次に圧電トランス100の動作を図面を参
照して説明する。図2(a)は圧電トランス100を示
す側面図、図2(b)は圧電トランス100が備える圧
電板10の振動の変位を示す図、図2(c)は振動によ
って、圧電トランス100が備える圧電板10に加わる
応力を示す図である。
【0048】外部端子4a、4bから入力電極11a,
11bに交流電圧が印加されると、圧電板10には、図
2(b)に示すように、駆動部11及び発電部15の中
央部をノード点、駆動部11及び発電部15の縁部を変
位の最大値として、圧電板10の長さ方向(矢印YC及
びYD方向)に伸縮する振動が生ずる。ここで、圧電板
10の長さをL、この振動の波長をλとすると、L=3
λ/2である。
【0049】この振動による圧電効果で、各入力電極1
1a,11bと出力電極15a、15bとの間に電位差
が生じ、出力電極15a、15bから外部端子5a、5
bに高圧電力が得られる。また、この振動により、圧電
板には、図2(c)に示すように、駆動部11及び発電
部15の中央部で最大値、駆動部11及び発電部15の
縁部で最小値となる応力が発生する。このように、圧電
板10では、駆動部11及び発電部15の中央部に応力
が集中する。
【0050】以上説明したように、波状形に形成された
出力電極15a,15bの縁部の近傍では、振動による
応力が集中する部分と、集中しない部分とが交互に、圧
電体10の幅方向に生じる。従って、振動による応力と
残留応力とが集中する部分が、圧電体10の幅方向に連
続して生じて圧電体10に割れ等が生じるのを、防止す
ることが可能である。
【0051】このような構成を有する圧電トランス10
0と圧電トランス400とを下記の条件で破壊試験し
た。ここで、この試験のサンプルである各圧電トランス
が備える圧電板の寸法は、例えば、長さ方向では42m
m、幅方向では5mm、厚さ方向では1mmであり、各
電極は、銀ペーストのスクリーン印刷後、焼成されて形
成されている。また、圧電トランス100の出力電極1
5a,15bの縁部の波形の波の高さは、例えば、1m
mである。
【0052】(破壊試験条件) 試料数 10個 振動速度 1〜1.2m/s 電圧印加時間 5分間
【0053】また、圧電トランス100と圧電トランス
400との強度を、3点曲げにより測定した。
【0054】この試験及び測定の結果を図3に示す。
「圧電トランス種類」は試験及び測定の対象の圧電トラ
ンスを示す。「出力電極形状」は出力電極の形状であ
る。「強度平均」は圧電トランスの強度の平均値を示す
値である。また、「割れ数」は試験を行った圧電トラン
スのうち圧電板に割れが生じた圧電トランスの割合を示
す値である。
【0055】図3に示すように、出力電極の縁部の形状
が波状形である圧電トランス100は、出力電極の形状
が帯状である圧電トランス400よりも強度が高い。ま
た、割れが生じた圧電トランスの数は、圧電トランス1
00よりも圧電トランス400の方が多い。このよう
に、圧電トランス400よりも圧電トランス100の方
が機械的強度が高い。
【0056】上記試験により圧電板に生じた割れは、全
て圧電板の長さ方向の中央部近傍に生じている。また、
圧電トランス100と圧電トランス400とでは、出力
電極の形状のみ異なる構成となっている。
【0057】このことから、出力電極の形状が波状形に
形成されている圧電トランス100は、出力電極の形状
が帯状に形成されている圧電トランス400より、出力
電極近傍に生ずる応力が小さいことが判明した。
【0058】以上説明したように、残留応力と振動によ
る応力とが集中する部分が、圧電板10の幅方向に連続
して生じることを防止することにより、圧電板10の破
損を低減することができる。また、出力電極15a、1
5bの縁部の形状を波状形に形成するという簡単な構成
で、圧電体10の破損を低減することができる。
【0059】以下、図面を参照して、本実施の形態に係
る圧電トランス100の変形例を説明する。
【0060】圧電板10の形状、寸法、材質は、本実施
の形態での構成に限定されず、例えば、ニオブ酸リチウ
ムから形成されたものでもよい。
【0061】また、分極処理での絶縁油の温度及び直流
電界は、圧電板10を分極することが可能であるなら
ば、本実施の形態での値に限定されず、約150〜20
0℃の絶縁油中で1〜2kV/mmの直流電界を印加す
ることが可能である。
【0062】出力電極15a,15bは、残留応力と振
動による応力とが集中する部分が、圧電板10の幅方向
に連続して生じないのであれば、その形状は任意であ
る。例えば、図4(a)に示すように、複数の菱形がそ
れぞれ連結した状態で、一列に配置されたものでもよい
し、図4(b)に示すように、発電部15の中央部か
ら、各駆動部11側に複数の四角形の突出部が形成され
たものでもよい。
【0063】また、入力電極11aと11b及び出力電
極15aと15bの形状は同一である必要はなく、例え
ば、図5(a)、(b)に示すような構成としてもよ
い。図5(a)は圧電トランス100の一主面、図5
(b)は図5(a)の圧電トランス100の他主面を示
す平面図である。図5(a)、(b)に示すように、発
電部15の中央部から、各駆動部11側に複数の四角形
の突出部が形成された出力電極15aは、同様の形状に
形成された出力電極15bに対向しない位置に形成され
ている。
【0064】このような構成によれば、圧電板10の両
主面での応力の集中する位置にずれが生じ、圧電板10
に割れが生じにくくなる。
【0065】上記実施の形態では、本発明を対称ローゼ
ン3次型圧電トランスに適用した場合について説明し
た。しかし、入力又は出力電極近傍に応力が生じるので
あれば、圧電トランスの種類は任意であり、例えば、ロ
ーゼン2次型圧電トランスにも適用することが出来る。
【0066】以下、本発明をローゼン2次型圧電トラン
スに適用した場合について、図面を参照して説明する。
図6(a)は、本実施の形態に係る圧電トランス200
を示す平面図、図6(b)は図6(a)の圧電トランス
200を示す斜視図である。
【0067】圧電トランス200は、ローゼン2次型で
あり、図6(a)に示すように、平板状に形成された圧
電板20を、ほぼ2等分して駆動部21と発電部25と
が形成されている。
【0068】圧電板20は、図6(b)に示すように、
圧電トランス100が備える圧電板10とほぼ同一の構
成を有する圧電セラミックから形成されている。駆動部
21は、一主面に外部端子4aに接続された入力電極2
1a、他主面に外部端子4b、5bに接続された入力電
極21bを備える。入力電極21a、21bは、発電部
25側の縁部が波状形に形成されている。発電部25
は、一主面に圧電板20の長さ方向の縁部に沿って帯状
に形成され、外部端子5aに接続された出力電極25
a、他主面の出力電極25aに対向する位置に、外部端
子4b、5bに接続された出力電極25bを備える。各
電極21a,21b、25a、25bは、例えば、銀、
ニッケル又は金等の金属から形成されている。
【0069】圧電トランス200は、駆動部21では圧
電板20の厚さ方向(矢印YE方向)に分極され、発電
部25では圧電板20の長さ方向(矢印YF方向)に分
極されている。
【0070】この分極により、圧電板20の特に入力電
極21a,21b近傍には、大きな歪みが生じ、残留応
力が発生する。
【0071】このような構成を有する圧電トランス20
0では、外部端子4a、4bから入力電極21a,21
bに交流電圧が印加されると、圧電板20には長さ方向
に伸縮する振動が生ずる。この振動による圧電効果で、
入力電極21a、21bと出力電極25a、25bとの
間に電位差が生じ、出力電極25a、25bから外部端
子5a、5bに昇圧出力電圧が供給される。また、この
振動により、圧電体20には、長さ方向のほぼ中央部で
最大値となる応力が生じる。
【0072】以上説明したように、波状形に形成された
入力電極25a,25bの縁部の近傍では、振動による
応力が集中する部分と、集中しない部分とが交互に、圧
電体10の幅方向に生じる。従って、振動による応力
と、残留応力とが集中する部分が圧電体10の幅方向に
連続することにより、圧電体10に割れ等が生じるのを
防止することが可能である。
【0073】このような構成を有する圧電トランス20
0と従来の圧電トランスとの強度を、3点曲げにより測
定した。
【0074】この測定の結果を図7に示す。「強度平
均」は圧電トランスの強度の平均値を示す値である。図
7に示すように、圧電トランス200は、従来の圧電ト
ランスよりも強度が高い。
【0075】このように、従来の圧電トランスよりも圧
電トランス200の方が機械的強度が高い。また、圧電
トランス200と従来の圧電トランスとでは、出力電極
の形状のみ異なる構成となっている。
【0076】このことから、入力電極の発電部側の辺部
の形状が波状形に形成されている圧電トランス200
は、入力電極の形状が帯状に形成されている圧電トラン
スより、出力電極近傍に生ずる応力が小さいことが判明
した。
【0077】以上説明したように、残留応力と振動によ
る応力とが集中する部分が、圧電板10の幅方向に連続
して生じることを防止することにより、ローゼン2次型
圧電トランスにおいても、圧電板20の破損を低減する
ことが可能である。
【0078】圧電トランス200では、発電部25の両
主面に出力電極25a,25bが形成されていたが、出
力電極25a,25bが配置される位置は任意であり、
例えば、図8に示すような構成でもよい。圧電トランス
200は、出力電極25a,25bの代わりに、外部端
子5aに接続された出力電極250を発電部25の側面
に備える。
【0079】このような構成でも、残留応力と振動によ
る応力とが集中する入力電極21a,21bの出力電極
250側の縁部の形状を波状形にすることにより、圧電
体20の破損を低減することが可能である。
【0080】また、上記実施の形態の圧電トランス10
0、200は、一枚の圧電板を備える構成であったが、
図9に示すように、複数枚の圧電板を備える圧電トラン
ス300としてもよい。圧電トランス300は、圧電ト
ランス100が備える圧電板10と、ほぼ同一の構成を
有する圧電板30が複数枚積層されて一体焼成されてい
る。各圧電板30が備える入力電極31b及び出力電極
35bは、隣り合う圧電板30の入力電極31a及び出
力電極35a上に配置されている。
【0081】このような構成によれば、圧電トランス3
00の駆動時の振動による応力と、残留応力とが集中す
る部分が圧電板30の幅方向に連続して生じて、圧電体
10に割れ等が発生するのを防止することが可能であ
り、また、圧電板30が複数枚積層されることによっ
て、大きな昇圧比を得ることが可能である。
【0082】圧電トランス300では、圧電板30は、
圧電板10とほぼ同一の構成を有したが、この構成に限
定されず、例えば、圧電板20が複数枚積層され、各圧
電板20が備える入力電極21bは隣り合う圧電板20
の入力電極21a上に配置され、出力電極250同士が
接続された構成としてもよい。
【0083】以上説明したように、残留応力と振動によ
る応力とが集中する部分が、圧電板の幅方向に連続して
生じることを防止することにより、圧電板の破損を低減
することができる。また、入力又は出力電極の縁部の形
状を波状形に形成するという簡単な構成で、圧電体の破
損を低減することができる。さらに、圧電板が破損しに
くくなるので、圧電板の振動速度を上げることが可能と
なり、昇圧比を低減することなく、圧電板の破損を防止
できる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、簡単な構成により、昇圧比を低減することなく、圧
電板の破損を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る圧電トラン
スを示す平面図である。(b)は図1(a)の圧電トラ
ンスを示す斜視図である。
【図2】(a)は図1の圧電トランスを示す側面図であ
る。(b)は図1の圧電トランスの圧電板の振動の変位
を示す図である。(c)は振動によって図1の圧電トラ
ンスの圧電板に生ずる応力を示す図である。
【図3】図1の圧電トランスの破壊試験及び強度測定の
結果を示す図である。
【図4】(a),(b)は図1の圧電トランスの出力電
極の変形例を示す図である。
【図5】(a),(b)は図1の圧電トランスの出力電
極の変形例を示す図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態に係る圧電トラン
スの変形例を示す平面図である。(b)は図6(a)の
圧電トランスを示す斜視図である。
【図7】図6の圧電トランスの強度測定の結果を示す図
である。
【図8】本発明の実施の形態に係る圧電トランスの変形
例を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る圧電トランスの変形
例を示す斜視図である。
【図10】(a)は従来の圧電トランスを示す平面図で
ある。(b)は図10(a)の圧電トランスを示す斜視
図である。
【符号の説明】
4a 外部端子 4b 外部端子 5a 外部端子 5b 外部端子 10 圧電板 11 駆動部 11a 入力電極 11b 入力電極 15 発電部 15a 出力電極 15b 出力電極 20 圧電板 21 駆動部 21a 入力電極 21b 入力電極 25 発電部 25a 出力電極 25b 出力電極 250 出力電極 30 圧電板 31 駆動部 31a 入力電極 31b 入力電極 35 発電部 35a 出力電極 35b 出力電極 40 圧電板 41 駆動部 41a 入力電極 41b 入力電極 45 発電部 45a 出力電極 45b 出力電極

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状の圧電材料から形成され、厚さ方向
    に分極された駆動部と長さ方向に分極された発電部とを
    備える圧電体と、 前記駆動部上に配置され、交流入力電圧が印加される第
    1の電極と、 前記発電部上に配置され、前記交流入力電圧の印加によ
    り前記圧電体に生じた交流出力電圧を出力する第2の電
    極と、 を備え、 前記第1の電極と第2の電極の内の少なくとも一方の電
    極の、他方の電極側の縁部に、該一方の電極に向かって
    複数の凹部及び/又は凸部が形成されていることを特徴
    とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】前記駆動部は前記圧電体の長さ方向に前記
    発電部を挟んで、前記発電部の両側に形成されており、 前記第1の電極は、各前記駆動部の両主面に形成され、
    前記第2の電極は、前記発電部の両主面に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の圧電トランス。
  3. 【請求項3】前記第2の電極は、一方の前記駆動部の方
    向に突出して形成された第1の突出部と、他方の前記駆
    動部の方向に突出して形成された第2の突出部とが、前
    記圧電体の幅方向に、交互に配列されて形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧電トランス。
  4. 【請求項4】前記圧電体の一主面に形成された前記第2
    の電極の前記第1の電極側の縁部は、他主面に形成され
    た前記第2の電極の前記第1の電極側の縁部に対向しな
    い位置に形成されていること、を特徴とする請求項2又
    は3に記載の圧電トランス。
  5. 【請求項5】前記第1の電極は、前記圧電体の長さ方向
    の一端の近傍から、前記圧電体を長さ方向にほぼ二分す
    る位置まで、前記駆動部の両主面に形成され、 前記第2の電極は、前記圧電体の他端に沿って前記発電
    部の両主面に形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の圧電トランス。
  6. 【請求項6】前記第1の電極は前記駆動部の両主面に形
    成され、前記第2の電極は前記発電部の側面に配置され
    ていること、を特徴とする請求項1に記載の圧電トラン
    ス。
  7. 【請求項7】前記圧電体の一主面に形成された前記第1
    の電極の前記第2の電極側の縁部は、他主面に形成され
    た前記第1の電極の前記第2の電極側の縁部に対向しな
    い位置に形成されていることを特徴とする請求項5又は
    6に記載の圧電トランス。
  8. 【請求項8】前記圧電体が複数枚積層され、 各前記圧電体の一主面に形成された前記第1及び第2の
    電極は、対向して配置された前記第1及び第2の電極に
    接続されていることを特徴とする請求項2乃至5のいず
    れか1項に記載の圧電トランス。
  9. 【請求項9】前記圧電体が複数枚積層され、 各前記圧電体の一主面に形成された前記第1の電極は、
    対向して配置された前記第1の電極に接続され、各前記
    圧電体が備える前記第2の電極(250)は、互いに接
    続されていることを特徴とする請求項6に記載の圧電ト
    ランス。
  10. 【請求項10】平板状の圧電材料から形成され、厚さ方
    向に分極された駆動部と、長さ方向に分極された発電部
    とを備える圧電体と、 前記駆動部上に配置され、交流入力電圧が印加される第
    1の電極と、 前記発電部上に配置され、前記交流入力電圧の印加によ
    り前記圧電体に生じた交流出力電圧を出力する第2の電
    極と、 を備え、 前記圧電体には、前記分極による残留応力が生じている
    部分が、前記圧電体の幅方向に、断続的に形成されてい
    ることを特徴とする圧電トランス。
  11. 【請求項11】前記分極による残留応力が生じている部
    分が、前記圧電体の幅方向に断続的に形成されているの
    は、前記第1の電極と前記第2の電極との少なくとも一
    方の電極の、他方の電極側の縁部であることを特徴とす
    る請求項10に記載の圧電トランス。
  12. 【請求項12】前記一方の電極の前記他方の電極側の縁
    部には、複数の凹部及び/又は凸部が設けられているこ
    とを特徴とする請求項11に記載の圧電トランス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108962208A (zh) * 2018-09-01 2018-12-07 哈尔滨工程大学 一种共形驱动三瓣形弯张换能器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108962208A (zh) * 2018-09-01 2018-12-07 哈尔滨工程大学 一种共形驱动三瓣形弯张换能器

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