JP2000028593A - 組織方位評価方法及び装置 - Google Patents

組織方位評価方法及び装置

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JP2000028593A JP10197503A JP19750398A JP2000028593A JP 2000028593 A JP2000028593 A JP 2000028593A JP 10197503 A JP10197503 A JP 10197503A JP 19750398 A JP19750398 A JP 19750398A JP 2000028593 A JP2000028593 A JP 2000028593A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の強度により被検体の組織方位を簡便
且つ高精度に測定する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 被検体2表面に設置した超音波センサ1
と超音波を送受信する超音波送受信器5が増幅器4aを
介して接続され、A/D変換器4b、超音波デ−タ処理
装置6、超音速デ−タから組織方位を評価する組織方位
評価装置7によりシステムが構成される。このシステム
で超音波センサ1を回転させる。この時、超音波は材料
の組織方位に依存した経路を通過し、組織方位との相対
角度に応じて強度が変化する。受信した超音波データは
A/D変換器4bから超音波データ処理装置6に入力さ
れる。超音波強度の最大値は組織方位と平行に偏向され
ている事を示しており、最小値は組織方位と直交してい
る事を示す。組織方位評価装置7aで超音波強度が最大
もしくは最小となる偏向角度から組織方位を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造材料の不具合
の予防保全技術に関し、特に、超音波による機械的強度
や寿命の非破壊診断を行なうための組織方位評価方法及
びこの評価方法に用いられる組織方位評価装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】構造材料は、用いられる使用温度や負荷
応力、耐用期間により、種類の選定、製造方法が決定さ
れる。鋼材は主に圧延や引き抜き等により製作される。
その際、でたらめな方向に配向した金属組織の集合体、
いわゆる組織方位は、圧延や引抜きを行なったときに圧
延方向や引き抜き方向が長手方向となる楕円形に変化
し、弱い組織異方性が発生する。組織異方性の発生は機
械的強度や耐食性を不均一にすることになる。そして、
この不均一性に起因する使用期間中の不具合が懸念され
る。そこで、組織方位を管理した単結晶化した構造材料
の製造方法の開発が進められており、例えば、特開平5
−59473公報に示されるようにより耐用強度の高い
材料が得られるようになった。
【0003】現在、圧延鋼材を始め、単結晶材料の組織
方位を評価、把握できる手法としては目視検査や特開平
5−59473公報に示されるX線回折法が一般に行な
われている。
【0004】また、超音波を用いた材料の評価方法とし
て、例えば特開昭9−159653号公報に開示された
発明が知られている。この発明は横波超音波の入射方向
を回転させたときに、底面からの一種類の反射波を観測
して超音波データと入射角度との関係を求め、超音波デ
ータの最大値や最小値によって材料の劣化を評価するこ
とを特徴としたものである。
【0005】また、この他に特開平3−289559号
公報に開示された発明が知られている。この発明は、表
面で反射した超音波のエネルギを使用して材料劣化を評
価することを特徴としたものである。
【0006】さらに、特開平7−92038号公報、特
開平6−308100号公報、特開昭58−12494
4号公報、及び特開昭58−172545号公報などに
開示された発明も知られている。これらの発明は、表面
層を伝播する表面波の音速と、伝播させる方向を回転さ
せたとときの検出出力とから結晶粒径や結晶の分極方向
と評価することを特徴としたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の目視検
査では定量的な組織方位の把握は困難である。X線回折
法は定量的な組織方位の評価が可能であるが、被検体の
表面を前処理しない状態では誤差や精度の低下が起き、
さらに、被検体の大きさに制限があり、適用できる材料
は限定される。前述の特開昭9−159653号公報記
載の発明においては、一種類の反射波では組織の方位や
組織の方向を正確には求めることができず、入射角度と
超音波データから求めた相関関係で未処理材に対する劣
化材の相対比較で劣化を評価するもので、組織の方位を
特定することはできない。
【0008】また、特開平3−289559号公報記載
の発明においては、表面で反射した超音波のエネルギを
用いることから、内部の組織方位を評価することはでき
ない。
【0009】また、前記特開平7−92038号公報等
に記載された発明においては、いずれも表面のみを評価
対象としており、被検体内部の組織を評価することはで
きない。
【0010】本発明はこのような従来技術の実情に鑑み
てなされたもので、その目的は、超音波の強度により被
検体の組織方位を簡便且つ高精度に測定する方法および
その方法を実施するための装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、被検体を伝播する横波超音波の偏向方
向を変化させ、超音波強度の偏向角度依存性を求めるこ
とにより、強度と偏向角度の関係から被検体の組織方位
を評価できるようにしたものである。
【0012】具体的には、本発明は、被検体を伝播する
横波超音波の偏向角度を変化させ、偏向角度と超音波強
度の関係を求め、超音波強度が最大または最小となる偏
向角度から、被検体の組織方位を評価することを特徴と
している。
【0013】この場合、前記超音波強度が最大または最
小となる偏向角度に代えて、 1)偏向角度と超音波強度の関係を外挿した時に相関係
数が最大となるときの外挿曲線の値が最大または最小と
なる偏向角度 2)複数の超音波強度の比、または強度の差が最大また
は最小となる偏向角度 3)複数の超音波強度の比、または強度の差を外挿した
時に相関係数が最大となるときの外挿曲線の値が最大ま
たは最小となる偏向角度 4)複数の超音波強度の和で、それぞれの超音波強度を
除算した値が最大または最小となる偏向角度 5)複数の超音波強度の和で、それぞれの超音波強度を
除算した値を外挿した時に相関係数が最大となるときの
外挿曲線の値が最大または最小となる偏向角度 6)複数の超音波強度の2乗和の平方根でそれぞれの超
音波強度を除算した値が最大または最小となる偏向角度 7)複数の超音波強度の2乗和の平方根でそれぞれの超
音波強度を除算した値を外挿した時に相関係数が最大と
なるときの外挿曲線の値が最大または最小となる偏向角
度 の各要素を使用することによって同様に被検体の組織方
位を評価することができる。
【0014】また、このように評価した結果、評価した
被検体の組織方位と、予め格納した組織方位及び機械的
強度との関係から被検体の機械的強度を、予め格納した
組織方位及び耐食性との関係から被検体の耐食性を、予
め格納した組織方位及び耐用期間との関係から、被検体
の寿命をそれぞれ評価することも可能になる。
【0015】さらには、被検体における複数個所の組織
方位から、それぞれの組織方位の差を評価し、予め格納
した組織方位の差と機械的強度との関係から測定個所相
互または組織方位の差が発生している境界の機械的強度
を、予め格納した組織方位の差と耐食性との関係から測
定個所相互または組織方位の差が発生している境界の耐
食性を、評予め格納した組織方位の差と耐用期間との関
係から測定個所相互または組織方位の差が発生している
境界の寿命をそれぞれ評価することも可能になる。
【0016】なお、前記組織方位に圧延方向や引抜方向
による方位が含まれることはいうまでもない。
【0017】また、前記目的を達成するため、本発明
は、被検体表面から被検体内部に超音波を発振し、受信
する超音波センサと、この超音波センサを駆動する超音
波送受信手段と、被検体を伝播し、前記超音波送受信手
段に入力された超音波データを処理する処理手段と、こ
の処理手段によって処理されたデータに基づいて組織方
位を評価する組織方位評価手段とを備えていることを特
徴とする。
【0018】この場合、組組織方位と機械的強度との関
係および/または組織方位と耐食性との関係が格納され
たデータベースをさらに備え、前記組織評価手段が前記
データベースを参照して組織評価を行うことが可能にす
ることもでき、さらに、寿命評価手段をさらに設け、前
記データベースを参照した前記組織評価手段の組織評価
結果に基づいて被検体の耐用年数を評価することもでき
る。
【0019】なお、超音波強度と偏向角度との関係を検
出するために、前記超音波センサと前記被検体のいずれ
か一方を回転させる回転駆動手段と、両者の相対的な回
転角を検出する回転角検出手段とを設けるとよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0021】<第1の実施形態>図1は本発明の組織方
位評価方法を実施するための第1の実施形態に係る組織
方位評価システムのシステム構成を示す構成図である。
このシステムは、被検体2に設置した超音波センサ1
と、超音波を送受信する超音波送受信器5と、超音波送
受信器5からの超音波データを処理する超音波データ処
理装置6と、この超音波データ処理装置6からの処理デ
ータと前記超音波センサ1の回転角(方位)を検出する
回転角検出部11からの出力に基づいて組織方位を評価
する組織方位評価装置7aとから主に構成されている。
この構成では、前記超音波センサ1と超音波送受信部5
とは増幅器4aを介して接続されており、超音波送受信
部5と超音波データ処理装置6とはA/D変換器6bを
介して接続され、超音波送受信部5からアナログ信号が
A/D変換されて超音波データ処理装置6に入力される
ように構成されている。本装置では超音波送受信器5に
より送受信を行なうが、送信装置と受信装置の2台に分
離させてもよい。また、超音波の出力を確保するうえ
で、必要に応じて増幅器4aを用いる。
【0022】超音波センサ1は脚部先端に真空パッド1
3を備えた固定治具14によって前記被検体2上に設置
され、真空ポンプ12によって前記真空パッド13内を
負圧にすることによって被検体2上に固定される。ま
た、固定治具14の超音波センサ固定部にはモータ17
が設けられ、モータ駆動部10からの駆動出力によって
所望の角度超音波センサ1を回転させるようになってい
る。
【0023】大略上記のように構成されたシステムで
は、被検体2の検査位置に超音波センサ1を設置し、モ
ータ17を介して超音波センサ1を回転させる。機構的
に超音波センサ1を回転させる方が簡便であるが、被検
体を回転させても本発明と同様の効果が期待できる。図
6に示すように超音波3は偏向角度θに依存して被検体
2中を伝播する。この時、材料の組織方位に依存した経
路を通過し、組織方位との相対角度に応じて強度が変化
する。超音波強度は、超音波を被検体の表面から入射
し、底面で反射後、再度被検体表面で受信、いわゆる底
面の反射波を受信する方法、または、超音波を被検体の
表面から入射し、底面で受信する方法で測定できる。以
下、底面の反射波の超音波強度を観測した場合を例に取
って説明する。
【0024】図6に示すように超音波3は偏向角度θに
依存して被検体2中を伝播する。このとき、主に材料の
組織方位に沿った方向(超音波A)と組織方位に直交す
る方向(超音波B)のの2つの経路を通過する。図7に
示すように偏向角度をθ=45°とした場合、超音波A
の反射波はt1、超音波Bの反射波はt2の時間に観測
される。ここでは、超音波Aの方が超音波Bよりも早く
観測される(t1<t2)。
【0025】モータ駆動部10からの駆動出力によりモ
ータ17を介して超音波センサ1を回転させ、超音波受
信部5で受信した超音波データは、A/D変換器4bに
よってデジタル化され、超音波データ処理装置6に入力
される。超音波データ処理装置は図8に示すように時間
t1からΔtだけ時間幅を設けたt1+Δtの範囲、及
び時間t2からΔtだけ時間幅を設けたt2+Δtの範
囲における超音波強度P1及びP2を測定する。
【0026】一方、組織方位評価装置7aでは、これら
の超音波強度P1及びP2と回転角検出部11から入力
される角度θとの関係を測定する。偏向角度θを0°か
ら180°まで変化させたときの組織方位評価装置7の
測定結果の一例を図9に示す。図9において△印が超音
波Aの強度、○印が超音波Bの強度であり、超音波Aに
ついては極大値、超音波Bについては極小値が観測でき
るように偏向角度θが設定されている。また、偏向角度
θを0°から360°まで変化させて測定すると極大極
小が2対得られるので、超音波センサの特性や接触状態
の変化などに起因する測定値のバラツキが低減され、よ
り正確な組織方位の評価が可能になる。
【0027】この場合、図9に示した超音波Aの強度が
最大(最大値P1’)となる角度θ1と超音波Bの強度
が最小(最小値P2’)となる角度θ2との平均値を組
織方位とする。すなわち、組織方位は、 組織方位={θ1+(θ2−180°)}/2 ・・・(1) で表される。また、図9から超音波Aの強度の最小値P
1”と超音波Bの強度の最小値P2”となる偏向角度位
置が組織方位の直交方向となることは容易に類推でき
る。
【0028】乱雑な組織の性状の場合、超音波の強度の
最大値や最小値による評価のみで正確な方位の評価は行
ないにくいので、強度変化を近似曲線で評価することが
有効である。経験的に超音波強度は正弦波上の変化とな
ることが多いので、三角関数で近似することが考えら
れ、組織方位評価装置7aで外挿曲線を用いることも可
能である。図10は三角関数で外挿した一例である。こ
のとき、相関係数が最大となるように、余弦波の移動を
θ1またはθ3だけ補正して近似する。補正値のθ1と
θ3+90°の平均値が組織方位となる。言い換えれ
ば、図9に示した超音波Aの強度の検出値と超音波Bの
強度の検出値に対してコサインカーブに合うようにθ1
とθ3を補正して超音波Aの外挿曲線P=cos(θ+
θ1)と超音波Bの外挿曲線P=cos(θ+θ3)を
求め、このときのθ1とθ3と位相のずれを考慮して組
織方位を求める。この場合、組織方位は、 組織方位=[θ1+{θ3+90°)−180°}]/2 ・・・(2) で表される。
【0029】図11は超音波Aの強度P1と超音波Bの
強度P2を用いてP1をP1とP2の和で除した値{P
1/(P1+P2)}の偏向角度依存性を示す図であ
る。図11において、前記{P1/(P1+P2)}の
値が最大となるθ1、もしくは{P1/(P1+P
2)}の値が最小となるθ3に90°加算した偏向角
度、及び前記θ1とθ3+90°の平均値が組織方位と
なる。すなわち、組織方位は、 組織方位=θ1≒θ3+90°≒{θ1+(θ3+90°)}/2 ・・・(3) で表される。
【0030】図12は図11の関係を三角関数で近似し
た一例を示す図である。相関関数が最大となるように余
弦波の位相をθ1だけ補正して近似する。この場合、補
正値のθ1が組織方位となる。
【0031】図13は超音波Aの強度P1と超音波Bの
強度P2を用いてP1をP1の2乗とP2の2乗の和の
平方根で除した値[P1/√{(P1)2+(P
2)2}]の偏向角度依存性を示す図である。図13に
おいて、除した値が最大となるθ1もしくは最小となる
θ3に90°加算した偏向角度、及び前記θ1とθ3+
90°の平均値が組織方位となる。すなわち、組織方位
は、前記(3)式と同様に表される。
【0032】図14は図13の関係を三角関数で近似し
た一例を示す図である。相関関数が最大となるように余
弦波の位相をθ1だけ補正して近似する。この場合、補
正値のθ1が組織方位となる。
【0033】<第2の実施形態>図2は本発明の組織方
位評価方法を実施するための第2の実施形態に係る組織
方位評価システムのシステム構成を示す図である。この
実施形態は第1の実施形態に係る組織方位評価システム
に対して組織方位評価装置7aがデータベース8を参照
して評価できるようにしたものである。組織方位の角度
と引張り強さの関係を模式的に示したデータベース8a
の一例を図15に示す。組織方位評価装置7aで求めた
組織方位は弾性定数と相関関係があり、引っ張り試験に
よって組織方位と強度との関係を把握することが可能で
ある。したがって、設計強度などで閾値を設けることに
よって、設計強度以上の範囲内であるか、もしくは範囲
外かで使用の可否を判断することが出来る。なお、その
他の各部の構成及び機能は図1に示した第1の実施形態
と同様なので説明を省略する。
【0034】<第3の実施形態>図3は本発明の組織方
位評価方法を実施するための第3の実施形態に係る組織
方位評価システムのシステム構成を示す図である。この
実施形態は、第2の実施形態に係る組織方位評価システ
ムに対して寿命評価装置9を設け、組織方位評価装置7
aで評価した組織方位に基づいて寿命評価装置9によっ
て被検体の寿命を評価するようにしたものである。組織
方位と推定破断時間との関係を図16に示す。このよう
な関係に基づいて組織方位評価装置7aが評価した組織
方位から寿命評価装置9で被検体の寿命が評価できる。
【0035】ここで、寿命とは被検体が破断または破断
の恐れが予想される時期を指すもので、被検体の使用開
始から破断または破断の恐れが予想される時期までの耐
用時間と言い換えることができる。また、破断に至らず
とも、使用環境に適さない組織変化等についても寿命の
考え方を適用できる。なお、その他各部の構成及び機能
は図1及び図2に示した第1及び第2の実施形態と同様
なので説明を省略する。
【0036】<第4の実施形態>図4は本発明の組織方
位評価方法を実施するための第4の実施形態に係る組織
方位評価システムのシステム構成を示す図である。この
実施形態は、超音波センサ1を固定治具14に設置し、
スキャナ部15によって測定個所を所定方向に移動でき
るように構成し、組織方位差評価装置7bがスキャナ部
15によって移動した超音波センサ1によって複数個所
で組織方位を測定し、各測定点の組織方位の差を求める
ようにしたものである。同一検体上のA点及びB点でそ
れぞれの組織方位を評価し、それぞれの偏向角度の差で
ある方位差の一例を図17に示す。
【0037】被検体を製作する際に想定した組織方位に
対して組織方位差が大きく成ると、引っ張り強さや破断
時間に差違が生じ、同一条件で使用した場合、組織方位
の差が大きい個所の引っ張り強さや破断時間の低下が著
しいことが分かった。そこで、測定を数多くの個所で実
施することにより組織方位差が最も大きい個所を求め、
あらかじめ格納した図18に示すようなデータベースと
比較して機械的強度や耐食性を評価するようにした。な
お、図18は、組織方位差と引っ張り強さの関係を模式
的に示したデータベースの一例である。
【0038】被検体全体においては、使用可能な範囲の
組織方位であっても、組織方位差が最も大きい個所にお
ける引っ張り強さが設計強度等で閾値を設けることによ
り、設計強度以上の範囲内であるか、もしくは範囲外か
で使用の可否を判断することができる。さらに、図19
に示すような組織方位差と破断時間の関係から被検体の
寿命が評価できる。
【0039】なお、その他各部の構成及び機能、組織方
位の求め方は第1及び第2の実施形態と同様なので説明
を省略する。
【0040】<第5の実施形態>図5は本発明の組織方
位評価方法を実施するための第5の実施形態に係る組織
方位評価システムのシステム構成を示す図である。この
実施形態は、超音波センサ1を固定治具14に固定し、
被検体2を置いた回転テーブル16をモータ駆動部から
の駆動出力によってモータ17を回転させて検出を行う
ようにしたもので、回転閣は回転各検出部によって測定
される。
【0041】なお、その他各部の構成及び機能は第1の
実施形態と同様なので説明を省略する。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超音波
強度の偏向角度依存性を求めることにより、強度と偏向
角度の関係から被検体の組織方位を評価するので、組織
方位を評価する際に表面研磨などの前処理が不要とな
り、簡単かつ低コストで組織方位の評価が可能になる。
【0043】また、本発明によれば、被検体の表面から
超音波を送受信するので、評価する被検体の大きさに制
限を受けないで被検体の組織方位が簡便且つ高精度で測
定できる。
【0044】また、本発明によれば、被検体の内部を伝
達する超音波を受信して評価するので、被検体の内部の
組織方位まで簡便且つ高精度で測定できる。
【0045】また、本発明によれば、外挿曲線を使用し
た近似や、複数の超音波強度を使用した平均化によって
も被検体の組織方位の評価が可能なので、被検体の部位
や形状に応じてた測定が可能になり、広範囲に適用する
ことができる。
【0046】また、本発明によれば、評価した被検体の
組織方位と、予め格納した組織方位と機械的強度の関係
から、被検体の機械的強度を簡単に評価することができ
る。
【0047】また、本発明によれば、評価した被検体の
組織方位と、予め格納した組織方位と耐食性の関係か
ら、被検体の耐食性を簡単に評価することができる。
【0048】また、本発明によれば、評価した被検体の
組織方位と、予め格納した組織方位と耐用期間の関係か
ら、被検体の寿命を簡単に評価することができる。
【0049】また、本発明によれば、被検体における複
数個所の組織方位から、それぞれの組織方位の差を評価
し、予め格納した組織方位の差と機械的強度の関係か
ら、測定個所相互、または、組織方位の差が発生してい
る境界の機械的強度を簡単に評価することができる。
【0050】また、本発明によれば、被検体における複
数個所の組織方位から、それぞれの組織方位を評価し、
予め格納した組織方位の差と耐食性の関係から、測定個
所相互、または、組織方位の差が発生している境界の耐
食性を簡単に評価することができる。
【0051】さらに、本発明によれば、被検体における
複数個所の組織方位から、それぞれの組織方位を評価
し、予め格納した組織方位の差と耐用期間の関係から、
測定個所相互、または、組織方位の差が発生している境
界の寿命を簡単に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した組織評価方法の第1の実施形
態を示す図である。
【図2】本発明を適用した組織評価方法の第2の実施形
態を示す図である。
【図3】本発明を適用した組織評価方法の第3の実施形
態を示す図である。
【図4】本発明を適用した組織評価方法の第4の実施形
態を示す図である。
【図5】超音波の偏向方向を模式的に示す図である。
【図6】底面反射波の観測例を示す図である。
【図7】反射波強度と偏向角度の関係を示す図である。
【図8】反射波強度と偏向角度の関係を示す図である。
【図9】2つの反射波強度の比と偏向角度の関係を示す
図である。
【図10】2つの反射波強度の比と偏向角度の関係を示
す図である。
【図11】2つの反射波強度の算術値と偏向角度の関係
を示す図である。
【図12】2つの反射波強度の算術値と偏向角度の関係
を示す図である。
【図13】組織方位と引張り強さの関係を示す図であ
る。
【図14】組織方位と破断時間の関係を示す図である。
【図15】2個所の反射波強度と組織方位の関係を示す
図である。
【図16】組織方位差と引張り強さの関係を示す図であ
る。
【図17】組織方位差と破断時間の関係を示す図であ
る。
【図18】組織方位差と引張り強さの関係を示す図であ
る。
【図19】組織方位差と破断時間の関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 音波センサ 2 被検体 3 超音波 4a 増幅器 4b A/D変換器 5 超音波送受信器 6 超音波データ処理装置 7a 組織方位評価装置 7b 組織方位差評価装置 8a,8b データベース 9 寿命評価装置 10 モータ駆動部 11 回転角検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 文信 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 吉成 明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉置 英樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2G047 AA06 BC11 BC14 CB02 EA09 EA10 GA19 GG09 GG19 GG24 GG27 GG36

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と超音波強度の関係を求め、超音
    波強度が最大または最小となる偏向角度から、被検体の
    組織方位を評価することを特徴とする組織方位評価方
    法。
  2. 【請求項2】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と超音波強度の関係を求め、偏向
    角度と超音波強度の関係を外挿した時に相関係数が最大
    となるときの外挿曲線の値が最大または最小となる偏向
    角度から、被検体の組織方位を評価することを特徴とす
    る組織方位評価方法。
  3. 【請求項3】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係を
    求め、複数の超音波強度の比、または強度の差が最大ま
    たは最小となる偏向角度から、被検体の組織方位を評価
    することを特徴とする組織方位評価方法。
  4. 【請求項4】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係を
    求め、複数の超音波強度の比、または強度の差を外挿し
    た時に相関係数が最大となるときの外挿曲線の値が最大
    または最小となる偏向角度から、被検体の組織方位を評
    価することを特徴とする組織方位評価方法。
  5. 【請求項5】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係を
    求め、複数の超音波強度の和で、それぞれの超音波強度
    を除算した値が最大または最小となる偏向角度から、被
    検体の組織方位を評価することを特徴とする組織方位評
    価方法。
  6. 【請求項6】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角
    度を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係
    を求め、複数の超音波強度の和で、それぞれの超音波強
    度を除算した値を外挿した時に相関係数が最大となると
    きの外挿曲線の値が最大または最小となる偏向角度か
    ら、被検体の組織方位を評価することを特徴とする組織
    方位評価方法。
  7. 【請求項7】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係を
    求め、複数の超音波強度の2乗和の平方根でそれぞれの
    超音波強度を除算した値が最大または最小となる偏向角
    度から、被検体の組織方位を評価することを特徴とする
    組織方位評価方法。
  8. 【請求項8】 被検体を伝播する横波超音波の偏向角度
    を変化させ、偏向角度と複数の横波超音波強度の関係を
    求め、複数の超音波強度の2乗和の平方根でそれぞれの
    超音波強度を除算した値を外挿した時に相関係数が最大
    となるときの外挿曲線の値が最大または最小となる偏向
    角度から、被検体の組織方位を評価することを特徴とす
    る組織方位評価方法。
  9. 【請求項9】 前記評価した被検体の組織方位と、予め
    格納した組織方位及び機械的強度との関係から、被検体
    の機械的強度を評価することを特徴とする請求項1ない
    し8のいずれか1項に記載の組織方位評価方法。
  10. 【請求項10】 前記評価した被検体の組織方位と、予
    め格納した組織方位及び耐食性との関係から、被検体の
    耐食性を評価することを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれか1項に記載の組織方位評価方法。
  11. 【請求項11】 前記評価した被検体の組織方位と、予
    め格納した組織方位及び耐用期間との関係から、被検体
    の寿命を評価することを特徴とする請求項1ないし8の
    いずれか1項に記載の組織方位評価方法。
  12. 【請求項12】 被検体における複数個所の組織方位か
    ら、それぞれの組織方位の差を評価し、予め格納した組
    織方位の差と機械的強度との関係から、測定個所相互ま
    たは組織方位の差が発生している境界の機械的強度を評
    価することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1
    項に記載の組織方位評価方法。
  13. 【請求項13】 被検体における複数個所の組織方位か
    ら、それぞれの組織方位を評価し、予め格納した組織方
    位の差と耐食性との関係から、測定個所相互または組織
    方位の差が発生している境界の耐食性を評価することを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組
    織方位評価方法。
  14. 【請求項14】 被検体における複数個所の組織方位か
    ら、それぞれの組織方位を評価し、予め格納した組織方
    位の差と耐用期間との関係から、測定個所相互または組
    織方位の差が発生している境界の寿命を評価することを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組
    織方位評価方法。
  15. 【請求項15】 前記組織方位が圧延方向または引抜方
    向を含むことを特徴とする請求項1ないし14のいずれ
    か1項に記載の組織方位評価方法。
  16. 【請求項16】 被検体表面から被検体内部に超音波を
    発振し、受信する超音波センサと、 この超音波センサを駆動する超音波送受信手段と、 被検体を伝播し、前記超音波送受信手段に入力された超
    音波データを処理する処理手段と、 この処理手段によって処理されたデータに基づいて組織
    方位を評価する組織方位評価手段と、を備えていること
    を特徴とする組織方位評価装置。
  17. 【請求項17】 組織方位と機械的強度との関係、およ
    び/または組織方位と耐食性との関係が格納されたデー
    タベースをさらに備え、前記組織評価手段は前記データ
    ベースを参照して組織評価を行うことを特徴とする請求
    項16記載の組織方位評価装置。
  18. 【請求項18】 前記データベースを参照した前記組織
    評価手段の組織評価結果に基づいて被検体の耐用年数を
    評価する寿命評価手段をさらに備えていることを特徴と
    する請求項17記載の組織方位評価装置。
  19. 【請求項19】 前記超音波センサと前記被検体のいず
    れか一方を回転させる回転駆動手段と、両者の相対的な
    回転角を検出する回転角検出手段とを備えていることを
    特徴とする請求項16記載の組織方位評価装置。
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WO2015045081A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 株式会社日立製作所 超音波による非破壊測定装置および方法
US20210259661A1 (en) * 2018-07-18 2021-08-26 Koninklijke Philips N.V. Intelligent guided wave elastography

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