JP2000028396A - 角度検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分解能の角度検出装置を実現するために
は、コードパターン列を多く設ける方法や、コードパタ
ーン列を複雑にし、ディスクの外側に全周にわたってピ
ックアップを配置する方法が知られていたが、これらは
装置の小型化が困難であったり、ピックアップの配線が
複雑になる等の課題を有していた。 【解決手段】 本発明は、ディスク１０に設けた１列の
コードパターン列に対応して配設した５個のピックアッ
プ１〜５で２０種類のグレーコードを得るように構成し
たものであり、これにより、小型で高分解能な角度検出
装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転する物体の回
転角度を検出する角度検出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】角度検出装置には高分解能が求められて
いる。高分解能を実現するためには、ピックアップから
得る信号の符号の種類が多く必要となる。これを実現す
る方法として、ｎ列のコードパターン列にそれぞれ１個
のピックアップを設け、このピックアップ列の数、即ち
ｎを大きくする方法がある。このとき、２のｎ乗種類の
符号を得ることができるので、ｎが大きい場合は、非常
に多くの符号の種類を得ることができる。

【０００３】また、特許公表平８−５１１３５０号公報
に示すように、ピックアップをディスクの外側のほぼ全
周に設ける方法もあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法は、い
ずれも装置の小型化が困難であるという課題があった。
即ち、前者の場合、例えば、コードパターン列を５列に
しても３２通りのパターンしか得られず、これはディス
クの一回転に振り分けると１パターン当たり１１．２５
度であり、これでは高分解能の要求に応えることができ
ない。コードパターン列を９列にすると５１２通りのパ
ターンを得ることができ、高分解能の要求に充分応える
ことができる。しかし、コードパターン列を増やすには
ディスクの直径を大きくすることが必要になり、９列の
コードパターン列を設ける場合、装置の小型化は困難で
あった。

【０００５】また、後者の場合、ディスクの外側の全周
に渡りピックアップを設けるので、ディスクの直径より
更に大きな空間が装置に求められ、やはり装置の小型化
は困難であった。さらに、ピックアップの配線が複雑に
なり、組立が複雑になったり、また小型化を阻害するも
のであった。

【０００６】上記課題に鑑み、本発明は、小型化を実現
し、また組立が簡単な角度検出装置を提供するものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであり、ディスク上に設けた第１のコードパタ
ーン列と５個のピックアップにより２０種類のグレーコ
ードである符号を得るように構成したものである。これ
により、少ないコードパターン列で多くの種類の符号を
得ることができ、装置の小型化が可能となる。さらに、
ピックアップをディスクの外側の全周に設ける必要はな
く、１平面内に設けることができるので、配線を単純に
でき組立を簡単にできる。また、第１のコードパターン
列以外にコードパターン列を１または複数列設け、最外
周に設けた２個のピックアップを結ぶ直線上またはその
近傍に残りのピックアップを配置することもできるの
で、ピックアップを搭載するプリント基板の形状を単純
な形状にすることができプリント基板を安価に入手する
ことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、正逆方向に回転可能に保持されたディスクと、ディ
スク上に円周状に設けられた２種類のコードの組み合わ
せからなる第１のコードパターン列と、第１のコードパ
ターン列に対向して設けられてコードを検出すると共
に、検出したコードに応じて「０」または「１」の符号
を供給する５個のピックアップと、５個のピックアップ
から供給される５個の符号を回転角度に変換する変換手
段とからなり、５個の符号の組み合わせにより２０種類
のグレーコードが得られるように構成したものである。
これにより、コードパターン列が１列で２０種類のグレ
ーコードとなる符号を得ることができる作用を有し、装
置の小型化を実現することができる。

【０００９】請求項２に記載の発明は、ピックアップは
第１のコードパターン列のコードの変化の周期の１／５
ずつ位相をずらして５個配置され、第１のコードパター
ン列の変化の周期の１／２０の角度を１単位角度とした
とき、第１のコードパターン列は、２種類のコードの内
の一のコードが２単位角度設けられ、続いて他のコード
が３単位角度設けられ、続いて一のコードが６単位角度
設けられ、続いて他のコードが９単位角度設けられた組
み合わせを一周期として形成されたもの、または一のコ
ードが２単位角度設けられ、続いて他のコードが３単位
角度設けられ、続いて一のコードが１０単位角度設けら
れ、続いて他のコードが５単位角度設けられた組み合わ
せを一周期として形成されたもの、または一のコードが
２単位角度設けられ、続いて他のコードが５単位角度設
けられ、続いて一のコードが６単位角度設けられ、続い
て他のコードが７単位角度設けられた組み合わせを一周
期として形成されたもの、または一のコードが３単位角
度設けられ、続いて他のコードが３単位角度設けられ、
続いて一のコードが７単位角度設けられ、続いて他のコ
ードが７単位角度設けられた組み合わせを一周期として
形成された請求項１記載の角度検出装置である。これに
より、コードパターン列が１列で２０種類の符号を得る
作用を有する。

【００１０】請求項３に記載の発明は、ディスクには第
１のコードパターン列とは異なる円周上に２種類のコー
ドの組み合わせからなるコードパターン列が１または複
数列設けられ、コードパターン列に対向して設けられコ
ードを検出すると共に検出した２種類のコードに応じて
「０」または「１」の符号を供給するピックアップを有
し、変換手段はコードパターン列に対向して配置された
ピックアップから供給される符号と第１のコードパター
ン列に対向して配置されたピックアップから供給される
符号とを用いて回転角度を定める請求項１または２記載
の角度検出装置である。これにより、コードパターン列
が少なくても多数の種類のコードパターンを得ることが
できる作用を有し、小型で高分解能な装置が可能とな
る。

【００１１】請求項４に記載の発明は、ピックアップの
内、ディスクの最外周に設けられたコードパターン列に
対向するように２個のピックアップが配置され、２個の
ピックアップを結ぶ直線またはその近傍に他のピックア
ップが配置されている請求項３記載の角度検出装置であ
る。これにより、各ピックアップを載せたプリント基板
の形状を単純な長方形にすることができる作用を有す
る。

【００１２】以下、本願発明の一実施の形態について図
面を用いながら説明をする。 （実施の形態１）図１は、本願発明の角度検出装置の構
成を表したものである。

【００１３】図中の番号の１〜９はピックアップであ
り、１０は正逆方向に回転可能なディスクであり、ディ
スク１０にはコードパターン列が内側から第２桁列、第
１桁列、第３桁列の順で３列形成されており、各コード
パターン列の変化の周期はそれぞれ９０度、２２．５
度、３６０度である。ピックアップ１〜５は第１桁列の
コードパターン列に対向するように設けられそれぞれ
４．５度の間隔で配置されている。また、ピックアップ
６，７は第２桁列のコードパターン列に対向するように
２２．５度の間隔で設けられ、同様にピックアップ８，
９は第３桁列のコードパターン列に対向するように９０
度の間隔で設けられている。

【００１４】各コードパターン列は、ディスク１０に設
けた孔の有無からなるコードが形成されており、孔があ
る状態では「１」、孔が無い状態では「０」の符号を供
給するものとする。図１では、第１桁列のコードパター
ン列（第１のコードパターン列）のコードの変化の周期
の１／２０である１．１２５度を単位角度とし、第１桁
列のコードパターン列においては、２単位角度である
２．２５度孔が有る状態が続き、次に３単位角度である
３．３７５度孔が無い状態が続き、次に６単位角度であ
る６．７５度孔が有る状態が続き、最後に９単位角度で
ある１０．１２５度孔が無い状態が続く。これを１周期
として繰り返し形成されている。

【００１５】第２桁列のコードパターン列は４５度孔が
有る状態があり、次に４５度孔が無い状態が続き、９０
度を周期として繰り返し形成されている。

【００１６】第３桁列のコードパターン列は最外周であ
るので、孔の形成でなくディスクの切欠の形態をとって
おり、切欠が有る状態が１８０度続きその後切欠が無い
状態が１８０度続く様に形成され、符号の変化の周期は
３６０度である。

【００１７】１１は、プリント基板であり、ピックアッ
プ１〜９を有している。変換手段は図示していないが、
ピックアップ１〜９から供給された符号を回転角度に変
換するものであり、詳細は後述する。

【００１８】以上のような構成により各桁列のピックア
ップからは図２〜４に示す様なグレーコードをそれぞれ
得ることができる。

【００１９】図２は、第１桁列のピックアップから得ら
れる符号であり、グレーコードとなっている。図中の
「０」と「１」は第１桁列のコードパターン列の孔の有
無により得られる符号である。図中の一番上の行に示し
た符号は、ピックアップ１から得られる符号であり、同
様に２段目の行に示した符号はピックアップ２から、３
段目はピックアップ３から、４段目はピックアップ４か
ら、５段目はピックアップ５からそれぞれ得られる符号
である。ここで、ピックアップ１から得られる符号を
「１ｂｉｔ目」、ピックアップ２から得られる符号を
「２ｂｉｔ目」とし、以下「５ｂｉｔ目」まで得ること
ができ、５ｂｉｔ目の符号を上位にし１ｂｉｔ目の符号
を下位にした５桁の２進数を得る。この２進数を１０進
数に換算した数値が図中の「２進数」の行に示す数値で
ある。また、図中の「角度」の行に示す値は、ディスク
１０の回転角度を示す。図２から明らかな通り、第１桁
列のコードパターン列からは２０種類のグレーコードが
得られる。即ち、第１桁列のコードパターン列の符号の
配列を行うことで１個のコードパターン列にピックアッ
プを５個設けて２０種類の符号を得ることができる。こ
のとき得られる符号は、分解能１．１２５度で変化の周
期が２２．５度である。

【００２０】図３は、第２桁列のコードパターン列より
得られる符号を表したものであり、ピックアップ６より
得られる符号を上段に、ピックアップ７より得られる符
号を下段に示し、それぞれ、「６ｂｉｔ目」、「７ｂｉ
ｔ目」の２進数とする。図から明らかな通り、第２桁列
のコードパターン列からは４種類のグレーコードが得ら
れる。このとき得られる符号は、分解能２２．５度で変
化の周期が９０度である。

【００２１】図４は、第３桁列のコードパターン列より
得られる符号を表したものであり、ピックアップ８より
得られる符号を上段に、ピックアップ９より得られる符
号を下段に示し、それぞれ、「８ｂｉｔ目」、「９ｂｉ
ｔ目」の２進数とする。図から明らかな通り、第３桁列
のコードパターン列からは４種類のグレーコードが得ら
れる。このとき得られる符号は、分解能９０度で変化の
周期が３６０度である。

【００２２】図２〜４に示す符号により、９ｂｉｔ目の
符号を最上位とし、１ｂｉｔ目の符号を最下位とした９
桁の２進数とする事ができる。ディスク１０の１周以内
の回転角度は、この９桁の２進数で表すことができ、ま
た、一義的に決定される。従って、ピックアップ１〜９
により得られた符号を用い、変換手段によりディスク１
０の回転角度を求めることができる。ここで、変換手段
は、図２〜４に示す符号と回転角度の関係を変換テーブ
ルとして有するものであり、半導体集積回路等が用いら
れる。この様に、第１桁列のコードパターン列と、他の
コードパターン列との組み合わせにより、本実施の形態
では、３個のコードパターン列と９個のピックアップか
ら得られる符号の種類は、２０×４×４＝３２０種類と
なる。

【００２３】この様に、本実施の形態に示すように、ピ
ックアップをディスクの外側の全周にわたり配置する必
要はなく、同一平面内に配置が可能となるので、ピック
アップの配線が簡単になる。また、本実施の形態におい
ては、ピックアップの配置の間隔が最大である９０度の
間隔で配置する第３桁列のコードパターン列を最外周に
配置するとともに、ピックアップ８，９を結ぶ直線に近
接するよう各ピックアップは配置されている。これによ
り、ピックアップ１〜９を搭載するプリント基板１１を
長方形のように製造時に効率的な材料取りができる形状
とすることができる。

【００２４】尚、ピックアップ１〜５の配置は本実施の
形態では最小の位相差で配置しているが、実際のピック
アップの形状等を考慮して、１周期である２２．５度毎
の同位相に配置してもよい。また、本実施の形態では、
３６０度内の検知方法を示したが、減速機構を介して３
６０度を越える角度を検知することも可能である。ま
た、本実施の形態においては、第１桁列のコードパター
ン列を応用し、２列のコードパターン列で２０×２０＝
４００のパターンすなわち角度分解能０．９度が実現で
きることは明白である。また、ピックアップとしては、
光学的手段、誘導的手段、及び磁石、ホール素子等を用
いてもよい。同様にコードパターン列の２種類のコード
の形態は、本実施の形態のような孔の有無でなくともよ
く、磁力の有無、ディスクの凹凸等であってもよい。

【００２５】尚、第１桁列のコードパターン列は、本実
施の形態のコードの組み合わせに限らず、ディスク１０
に２単位角度孔有りが続き、その後３単位角度孔無しが
続き、その後１０単位角度孔有りが続き、その後５単位
角度孔無しが続くのを１周期としてもよい。或いは、２
単位角度（孔有り）、５単位角度（孔無し）、６単位角
度（孔有り）、７単位角度（孔無し）の順で孔の有り無
しが形成されるものであってもよいし、３単位角度（孔
有り）、３単位角度（孔無し）、７単位角度（孔有
り）、７単位角度（孔無し）の順であってもよい。これ
らの場合においても、本実施の形態と同様の効果を奏す
る。勿論、本実施の形態と逆の順序で、例えば、９単位
角度（孔有り）、６単位角度（孔無し）、３単位角度
（孔有り）、２単位角度（孔無し）の順で形成されたも
のであってもよく、孔の有無を反転させたもの、或いは
「０」と「１」の符号を反転させたものであっても良
い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コードパターン列を本発明特有なコードの配列とするこ
とで、１列のコードパターン列に５個のピックアップを
配列させ２０種類のグレーコードを得ることができる。
これにより、ピックアップの配線が簡単で組み立て性の
良い小型な角度検出装置の提供が可能となる。

【００２７】また、前記コードパターン列を他のコード
パターン列と組み合わせることで、上記の効果の他に小
型化と高分解能の双方を満たす角度検出装置の提供が可
能となる。

【００２８】さらに、各ピックアップを直線上またはそ
の近傍に配置することで、プリント基板を長方形のよう
に製造時に効率的な材料取りができる形状とすることが
できるので、製造コストが安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成図

【図２】本発明の第１桁列のコードパターンから得られ
る符号を示す図

【図３】本発明の第２桁列のコードパターンから得られ
る符号を示す図

【図４】本発明の第３桁列のコードパターンから得られ
る符号を示す図

【符号の説明】

１〜９ ピックアップ １０ ディスク １１ プリント基板

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正逆方向に回転可能に保持されたディス
   クと、前記ディスク上に円周状に設けられた２種類のコ
   ードの組み合わせからなる第１のコードパターン列と、
   前記第１のコードパターン列に対向して設けられて前記
   コードを検出すると共に、検出したコードに応じて
   「０」または「１」の符号を供給する５個のピックアッ
   プと、前記５個のピックアップから供給される５個の符
   号を回転角度に変換する変換手段とからなり、前記５個
   の符号の組み合わせにより２０種類のグレーコードが得
   られるように構成したことを特徴とする角度検出装置。
2. 【請求項２】 前記ピックアップは前記第１のコードパ
   ターン列のコードの変化の周期の１／５ずつ位相をずら
   して５個配置され、前記第１のコードパターン列の変化
   の周期の１／２０の角度を１単位角度としたとき、前記
   第１のコードパターン列は、２種類のコードの内の一の
   コードが２単位角度設けられ、続いて他のコードが３単
   位角度設けられ、続いて一のコードが６単位角度設けら
   れ、続いて他のコードが９単位角度設けられた組み合わ
   せを一周期として形成されたもの、または一のコードが
   ２単位角度設けられ、続いて他のコードが３単位角度設
   けられ、続いて一のコードが１０単位角度設けられ、続
   いて他のコードが５単位角度設けられた組み合わせを一
   周期として形成されたもの、または一のコードが２単位
   角度設けられ、続いて他のコードが５単位角度設けら
   れ、続いて一のコードが６単位角度設けられ、続いて他
   のコードが７単位角度設けられた組み合わせを一周期と
   して形成されたもの、または一のコードが３単位角度設
   けられ、続いて他のコードが３単位角度設けられ、続い
   て一のコードが７単位角度設けられ、続いて他のコード
   が７単位角度設けられた組み合わせを一周期として形成
   されたものであることを特徴とする請求項１記載の角度
   検出装置。
3. 【請求項３】 前記ディスクには前記第１のコードパタ
   ーン列とは異なる円周上に２種類のコードの組み合わせ
   からなるコードパターン列が１または複数列設けられ、
   前記コードパターン列に対向して設けられ前記コードを
   検出すると共に検出したコードに応じて「０」または
   「１」の符号を供給するピックアップを有し、前記変換
   手段は前記コードパターン列に対向して配置されたピッ
   クアップから供給される符号と前記第１のコードパター
   ン列に対向して配置されたピックアップから供給される
   符号とを用いて回転角度を定めることを特徴とする請求
   項１または２記載の角度検出装置。
4. 【請求項４】 前記ピックアップの内、前記ディスクの
   最外周に設けられたコードパターン列に対向するように
   ２個のピックアップが配置され、前記２個のピックアッ
   プを結ぶ直線またはその近傍に他のピックアップが配置
   されていることを特徴とする請求項３記載の角度検出装
   置。