JP2000027361A - 軽量気泡コンクリートパネル - Google Patents

軽量気泡コンクリートパネル

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JP2000027361A
JP2000027361A JP10197280A JP19728098A JP2000027361A JP 2000027361 A JP2000027361 A JP 2000027361A JP 10197280 A JP10197280 A JP 10197280A JP 19728098 A JP19728098 A JP 19728098A JP 2000027361 A JP2000027361 A JP 2000027361A
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Japan
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mounting base
panel
base material
lightweight cellular
cellular concrete
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JP10197280A
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Tsutomu Sato
強 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、仕上材を取り付けるための取付下
地材を工場若しくは現場内の別の場所等で予め軽量気泡
コンクリートパネルに取り付けておくことで現場で軽量
気泡コンクリートパネルを取り付ける際の作業負担を軽
減させることが出来、仕上材を介して取付下地材に作用
する風圧力に対して該取付下地材の撓みや捩れ等の変形
量を小さくした軽量気泡コンクリートパネルを提供する
ことを可能にすることを目的としている。 【解決手段】 ALCパネル本体1の長辺方向の小口面
に形成した溝部1aに取付下地材2の係止片2aの係止
部2bを係止させ該取付下地材2の取付下地片2cをA
LCパネル本体1の表面1cに密着させて釘3により打
ちつけて固定して構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の壁や屋根等
に用いられる軽量気泡コンクリートパネルであって、表
面に金属、セメント硬化体、プラスチックからなる成形
板等の仕上材を取り付けるための取付下地材を設けた軽
量気泡コンクリートパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリート(ALC)パネル
は軽量で且つ耐火性、断熱性に優れていることから壁や
屋根等を構成する材料としてよく用いられており、更
に、防水性、意匠性、断熱性などの要求からALCパネ
ルの表面に金属、セメント硬化体、プラスチック等から
なる成形板の仕上材を取付ける場合がある。
【0003】例えば、ALC外壁パネル或いはALC屋
根パネルALCパネルの表面上に意匠性、防水性等の要
求から成形材料の壁仕上材、屋根仕上材或いは床仕上材
を取付けることがある。ここで、ALC外壁パネルと壁
仕上材、ALC屋根パネルと屋根仕上材の取付構造につ
いて図13及び図14を用いて説明する。
【0004】図13は厚さ100mmのALC外壁パネル51
の表面上に金属製のサイディング材52を取り付けたもの
である。図13において、ALC外壁パネル51の表面に先
ず、ALCパネル用アンカー53を用いて下地アングル54
を取り付け、更に該下地アングル54に二次下地アングル
55を取り付けた後、該二次下地アングル55に成形板であ
る金属製のサイディング材52を取り付けるようになって
いる。
【0005】図14(a),(b)は厚さが75mm以上の
ALC屋根パネル61の上部に金属製の屋根仕上材62を取
り付けたものである。図14(a),(b)において、A
LC屋根パネル61の長辺方向の端部の表面側には目地溝
61aが形成されている。梁63には目地プレート64が溶接
されており、該目地プレート64を挟んで複数のALC屋
根パネル61の端部が当接して載置され、対向した目地溝
61aに目地鉄筋65が挿通されている。そして目地プレー
ト64及び目地鉄筋65が配置された目地溝61aにモルタル
を充填することでALC屋根パネル61が構造躯体である
梁63に固定されている。
【0006】また、ALC屋根パネル61には所定のピッ
チで複数の貫通穴61bを厚さ方向に形成し、該貫通穴61
b及び隣設するALC屋根パネル61によって形成される
目地61cに挿通されたアンカーボルト66によって屋根仕
上材62を固定する固定部材67がALC屋根パネル61に固
定され、該固定部材67に金属製の屋根仕上材62が固定さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例において、図13に示すALC外壁パネル51の場合
ではALC外壁パネル51の表面に下地アングル54を取り
付け、更に二次下地アングル55を取り付けた後にサイデ
ィング材52を取り付けているため工数がかかり、ALC
外壁パネル51の表面とサイディング材52との間に下地ア
ングル54、二次下地アングル55が介在するためALC外
壁パネル51の表面から仕上材であるサイディング材52ま
での厚さが厚くなってしまい、余分なスペースをとるば
かりか壁開口部に開口サッシを設ける場合には該開口サ
ッシの枠を厚くする必要がある等他部材との取合い部の
構成も複雑になるという問題があった。
【0008】また、図14に示すALC屋根パネル61の場
合では、各ALC屋根パネル61に屋根仕上材62を固定す
る固定部材67を取り付けるためのアンカーボルト66を貫
通穴61bや目地61cに挿通して締結する作業が必須とな
るが、この作業はALC屋根パネル61、アンカーボルト
66、固定部材67及び屋根仕上材62各々の位置合わせを行
う必要性からALC屋根パネル61の敷き込み作業終了後
にアンカーボルト66を挿通するための貫通穴61bを開
け、更にALC屋根パネル61の上下両面からアンカーボ
ルト66を締結する作業となるためALC屋根パネル61の
直下に足場を作り、ALC屋根パネル61の上下面に各々
作業者を配置して施工する必要があり、施工性が悪いと
いう問題があった。
【0009】また、アンカーボルト66を挿通するための
貫通穴61bをALC屋根パネル61に加工する作業に手間
がかかり該貫通穴61bの切削の際にALC屋根パネル61
の下面に大量の粉塵が飛散するという問題もあった。
【0010】ALC屋根パネル61にアンカーボルト66を
挿通させずに金属製の屋根仕上材62を固定する固定部材
67を取り付けるためには配列されたALC屋根パネル61
の表面に平板状の下地鋼材を設置するのが有効である。
しかし、平板状の下地鋼材では金属製の屋根仕上材62に
作用する風圧力に対する曲げ剛性が低く、剛性を確保す
るためには板厚の厚いものが必要となるため重量が増大
して作業負担が大きくなるという問題がある。
【0011】また、平板状の下地鋼材を取り付ける際に
おいて、釘またはビスによって直接ALC屋根パネル61
の表面に取り付けると金属製の屋根仕上材62に作用する
風圧力に対して取付強度を確保出来ないという問題が生
じる。
【0012】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、仕上材を取り付けるための取
付下地材を工場若しくは現場内の別の場所等で予め軽量
気泡コンクリートパネルに取り付けておくことで現場で
軽量気泡コンクリートパネルを取り付ける際の作業負担
を軽減させることが出来、仕上材を介して取付下地材に
作用する風圧力に対して該取付下地材の撓みや捩れ等の
変形量を小さくした軽量気泡コンクリートパネルを提供
せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルは、表面に
仕上材を取り付けるための取付下地材を設けた軽量気泡
コンクリートパネルであって、前記取付下地材の係止片
を前記軽量気泡コンクリートパネルの表面及び/または
小口面に設けた溝部、突起部或いは該軽量気泡コンクリ
ートパネルの裏面の少なくとも一部に係止させると共に
該取付下地材の取付下地片を前記軽量気泡コンクリート
パネルの表面に密接させて前記取付下地材を前記軽量気
泡コンクリートパネルに一体的に設けたことを特徴とす
る。
【0014】上記構成によれば、取付下地材の係止片を
軽量気泡コンクリートパネルの表面及び/または小口面
に設けた溝部、突起部或いは該軽量気泡コンクリートパ
ネルの裏面の少なくとも一部に係止させると共に取付下
地材の取付下地片を軽量気泡コンクリートパネルの表面
に密接させて取付下地材を軽量気泡コンクリートパネル
に一体的に設けたことで、仕上材を取り付けるための取
付下地材を工場若しくは現場内の別の場所等で予め軽量
気泡コンクリートパネルに取り付けておくことで現場で
軽量気泡コンクリートパネルを取り付ける際の作業負担
を軽減させることが出来、仕上材を介して取付下地材に
作用する風圧力に対して該取付下地材の撓みや捩れ等の
変形量を小さくすることが出来る。
【0015】即ち、取付下地材を取り付けた軽量気泡コ
ンクリートパネルを建物の構造躯体に所定の方向に並べ
て配列することで軽量気泡コンクリートパネルによって
構成された外壁、屋根等の構面に所定のピッチで取付下
地材を配することが出来る。また、軽量気泡コンクリー
トパネルの幅、長さに応じて長辺方向及び短辺方向の何
れか一方または両方に取付下地材を配置することが出
来、この取付下地材に外壁材等の壁仕上材、サイディン
グ材等の屋根仕上材或いは床仕上材を固定することが出
来る。
【0016】また、軽量気泡コンクリートパネルに対す
る仕上材の取付方法は該仕上材の仕様に応じて設定され
ており、必要な取付下地材の大きさ、配置等が決められ
ている。従って、軽量気泡コンクリートパネルの長さ、
幅を所望の寸法とし、短辺方向の目地または長辺方向の
目地の何れか一方または両方の目地に沿って取付下地材
を配置して軽量気泡コンクリートパネルに固着しておく
ことで該取付下地材を所望の位置に配置して所望の取付
方法により仕上材を取り付けることが出来る。
【0017】また、取付下地材が取付下地片と係止片と
を有しており、係止片は軽量気泡コンクリートパネルの
表面或いは小口面に設けられた溝部、突起部或いは軽量
気泡コンクリートパネルの裏面に係止され、軽量気泡コ
ンクリートパネルと強固に連結される。
【0018】一方、取付下地片は仕上材の取付方法に応
じて軽量気泡コンクリートパネルの所定位置で該軽量気
泡コンクリートパネルの表面に密接して該軽量気泡コン
クリートパネルの表面に取り付けられる。
【0019】従って、取付下地材は係止片が軽量気泡コ
ンクリートパネルの表面や小口面或いは裏面に係止さ
れ、取付下地片が軽量気泡コンクリートパネルの表面に
密接して取り付けられるため全体として取付下地材は軽
量気泡コンクリートパネルに強固に取り付けられる。
【0020】尚、取付下地材の係止片を軽量気泡コンク
リートパネルの裏面に係止する場合には軽量気泡コンク
リートパネルの裏面に溝部等を形成しておき、係止片が
軽量気泡コンクリートパネルの裏面から突出しない様に
することが好ましい。
【0021】また、取付下地材の取付下地片は軽量気泡
コンクリートパネルの表面に密接し、係止片は隣設され
る軽量気泡コンクリートパネルの目地に挿入されるため
軽量気泡コンクリートパネルの表面から突出するのは取
付下地片だけとなり、これにより軽量気泡コンクリート
パネルと取付下地材とを合わせた厚さを小さくすること
が出来る。
【0022】また、前記取付下地材の取付下地片が前記
軽量気泡コンクリートパネルの長辺方向の略全長に亘っ
て設けられている場合には、仕上材の取付位置の自由度
が高くなり有利である。
【0023】前記取付下地材の取付下地片及び/または
係止片の少なくとも一部に切欠部を形成した場合には、
取付下地材を軽量気泡コンクリートパネルの長辺方向の
略全長に亘って設けた場合でも取付下地材を軽量気泡コ
ンクリートパネルに嵌合させて取り付ける際に該切欠部
を介して両者の嵌合状態が確認出来るので好ましい。ま
た、取付下地材と軽量気泡コンクリートパネルとの曲げ
剛性が略同じになるように調整することが出来る。
【0024】また、前記取付下地材を固定部材または接
着材によって前記軽量気泡コンクリートパネルに固着し
た場合には、取付下地材を軽量気泡コンクリートパネル
に強固に取り付けることが出来、好ましい。
【0025】また、前記取付下地材の取付下地片の幅が
20〜200mm、係止片の幅が前記軽量気泡コンクリー
トパネルの厚みの25%以上の寸法を有し、且つ前記固
定部材の取付位置が前記軽量気泡コンクリートパネルの
側縁から20〜150mmだけ該軽量気泡コンクリートパ
ネルの内側に配置すれば好ましい。
【0026】また、前記軽量気泡コンクリートパネルを
壁パネル、屋根パネル或いは床パネルとして適用すれば
好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る軽量気泡コ
ンクリートパネルの一実施形態を具体的に説明する。図
1は本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第1実
施形態の構成を示す斜視図、図2は第1実施形態の構成
を示す側断面説明図、図3は第1実施形態の軽量気泡コ
ンクリートパネルを用いて外壁仕上材を取り付ける様子
を示す図、図4は本発明に係る軽量気泡コンクリートパ
ネルの第2実施形態の構成を示す側断面説明図、図5は
第2実施形態の軽量気泡コンクリートパネルを用いて屋
根仕上材を取り付ける様子を示す図、図6は図5の側断
面説明図、図7〜図10は本発明に係る軽量気泡コンクリ
ートパネルの第3〜第6実施形態の構成を示す側断面説
明図、図11及び図12は取付下地材の他の構成を示す斜視
図である。
【0028】図1及び図2において、Aは表面に外壁や
屋根等の仕上材を取り付けるための取付下地材を設けた
軽量気泡コンクリート(ALC)パネルであって、該A
LCパネルAの本体1はJISA5416に規定されたものであ
り、その内部には直径6mm程度の補強鉄筋が内蔵されて
補強されている。また、ALCパネル本体1は、例え
ば、長辺方向の長さが3000mm、短辺方向の長さ
(幅)が600mm、厚さが100mm程度の寸法を有して
構成されている。
【0029】ALCパネル本体1の長辺方向の一方の小
口面のパネル厚さ方向の中央には深さ10mm、幅30mm
程度の方形状の溝部1aが形成されており、該ALCパ
ネル本体1の溝部1aの反対側の小口面のパネル厚さ方
向の中央には前記溝部1aに嵌合し得る幅26mm程度の
方形状の突起部1bが形成されている。
【0030】突起部1bは複数枚のALCパネル本体1
の長辺方向の小口面を突き合わせて敷き並べた際に隣設
するALCパネル本体1の溝部1aに嵌合されて隣設す
るALCパネルA相互が係止される。
【0031】また、突起部1bのALCパネル本体1の
表面1c側にはALCパネル本体1の溝部1aに係止さ
れた取付下地材2の係止片2aが納まるための収納部1
dを有しており、これにより隣設するALCパネルAの
間に隙間が生じないようになっている。
【0032】ALCパネル本体1の表面に該ALCパネ
ル本体1の長辺方向の略全長に亘って固着された取付下
地材2は、例えば、長尺方向の長さが2980mm、厚さ
が3.2mmの板状部材を断面略J字形状に形成したもの
であり、ALCパネル本体1の長辺方向の一方の小口面
に形成された溝部1aに取付下地材2の係止片2aの係
止部2bが係止されている。
【0033】前記係止部2bはALCパネル本体1の小
口面に形成された溝部1aの深さより1〜3mm程度小さ
い幅寸法を有しており、これにより溝部1aの深さより
浅い範囲で該溝部1aに係止されるようになっている。
【0034】また、取付下地材2のALCパネル本体1
の表面1cに密接される取付下地片2cと係止部2bと
を接続する係止片2aの挿入部2dはALCパネル本体
1の厚みの25%以上の寸法を有して構成され、ALC
パネル本体1の小口面に密接しても良いが、該小口面と
の間に隙間があっても良い。
【0035】取付下地片2cは、その幅が20〜200
mm程度を有して構成され、ALCパネル本体1の表面1
cに密接して該ALCパネル本体1の側縁となる長辺小
口面から20〜150mmだけ該ALCパネル本体1の内
側に入った位置で固定部材により固定される。
【0036】本実施形態では、取付下地片2cは幅12
0mmで構成され、ALCパネル本体1の長辺小口面から
90mm程度内部に入った位置で固定部材として長さ70
mm、径6mmの釘3を打ち込むことによりALCパネル本
体1に固着されている。釘3は打ち込むことにより先端
が開脚するようになっており、これにより取付下地材2
をALCパネル本体1に強固に固定することが出来る。
【0037】釘3は取付下地片2cの長手方向両端部
(ALCパネル本体1の長辺方向の両端部)から70mm
入った位置に打ち込まれ、更にその中間に100〜50
0mmのピッチで打ち込まれている。
【0038】本実施形態では、取付下地材2は3.2mm
の溶融亜鉛メッキ鋼板をプレス加工等により作製してお
り、取付下地片2cと係止片2aとは同じ厚さで構成さ
れている。
【0039】取付下地材2の係止片2aはALCパネル
本体1の小口面に形成された溝部1aに係止部2bが係
止されてALCパネル本体1と強固に連結され、取付下
地材2の取付下地片2cは後述する壁仕上材となるサイ
ディング材4の取付方法に応じてALCパネルAの所定
位置に該ALCパネルAの表面1cに密接され、釘3等
の固定部材や接着材等によりALCパネルAの表面1c
に固着される。
【0040】図3は上記ALCパネルAを外壁等の壁パ
ネルとして構成したものである。図3において、長さ3
000mm、幅600mm、厚さ100mmのALCパネルA
が図示しない建物の躯体に複数枚隣設して配置されて取
り付けられており、ALCパネルAの長辺方向の目地に
取付下地材2が固着されている。
【0041】更に該取付下地材2に金属製のサイディン
グ材4が該サイディング材4の嵌合部4aにおいて、サ
イディング材4の表面に露出しない図示しないビスによ
り取り付けられている。
【0042】尚、前記実施形態では取付下地材2の取付
下地片2cが釘3等の固定部材や接着材等によりALC
パネルAの表面1cに固着された場合の構成について説
明したが、固定部材や接着材等を省略しても取付下地材
2の係止片2aの挿入部2dがALCパネル本体1の溝
部1aに係止され、突起部1bが溝部1aに嵌入される
ことで十分な強度で取付下地材2をALCパネルAに固
定することが出来る。
【0043】次に図4を用いて本発明に係る軽量気泡コ
ンクリートパネルの第2実施形態について説明する。
尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符
号を付して説明を省略する。
【0044】図4において、本発明に係る軽量気泡コン
クリートパネルの第2実施形態となるALCパネルB
は、ALCパネル本体1の長辺方向の一方の小口面のパ
ネル厚さ方向の中央に設けられた溝部1aが台形状に形
成され、該溝部1aに嵌合し得る突起部1bも台形状に
形成されている。
【0045】また、取付下地材2の係止片2aの係止部
2bは台形状の溝部1aの傾斜面に対応して傾斜して形
成されている。他の構成は前記第1実施形態と同様に構
成されている。
【0046】図5及び図6は上記ALCパネルBを屋根
パネルとして構成したものである。尚、本実施形態で
は、配列されたALCパネルBのうち屋根面の最も周辺
部に配置されているALCパネルBは図4に示すように
取付下地材2が釘3によって予め固定されており、それ
以外のALCパネルBではALCパネル本体1と取付下
地材2が分離した状態で用意されている。
【0047】図5及び図6において、複数枚のALCパ
ネル本体1及びALCパネルBを建物の構造躯体を構成
する梁11に固着した嵩上げ材12上に並べて配列し、これ
らのALCパネル本体1及びALCパネルBによって形
成されたパネル長辺方向の目地13に沿って取付下地材2
を配置してALCパネル本体1の表面1cに取り付ける
と共に該取付下地材2に固定金具用ビス14を用いて固定
金具15を取り付け、該固定金具15に金属製の屋根仕上材
16を固定することで、乾式工法を実現し、且つ施工性の
向上を実現したものである。
【0048】図5に示すように、ALCパネル本体1及
びALCパネルBの短辺が梁11に溶接等の手段で固着さ
れた嵩上げ材12上に載置されており、同一方向に配列さ
れた複数のALCパネル本体1及びALCパネルBによ
って屋根面が構成されている。
【0049】図4に示すように、ALCパネル本体1の
長辺方向の小口面には全長に亘って台形状の突起部1b
が形成されており、他方の面には突起部1bが嵌合する
台形状の溝部1aが形成されている。そして、隣設する
ALCパネル本体1及びALCパネルBの小口面に設け
られた突起部1bと溝部1aとを互いに嵌合させると共
に所定の隙間を形成して嵩上げ材12上に載置することで
複数のALCパネル本体1及びALCパネルBを係合さ
せることが可能であり、何れかのALCパネルBに力が
作用して撓みが生じたような場合、この撓みを隣設する
ALCパネルBに伝達して負担させることが可能であ
る。また前記隙間によって目地13が形成される。
【0050】嵩上げ材12はALCパネル本体1及びAL
CパネルBを固定する際に用いるパネル固定用ビス17が
貫通し得る肉厚を持った軽量リップ溝形鋼を用いて、そ
のリップ部を梁11の上フランジ11aに溶接することで構
造躯体として構成されており、ALCパネル本体1及び
ALCパネルBは軽量リップ溝形鋼のウエブ上に載置さ
れる。
【0051】取付下地材2の長尺方向の長さはALCパ
ネル本体1の長辺方向の長さと略等しい長さを有し、係
止片2aと取付下地片2cを有して断面が略J字型に形
成されている。J字型に形成された取付下地材2の係止
片2aは長辺方向の目地13に挿入され、取付下地片2c
はALCパネル本体1の表面1cに密接して配置され
る。
【0052】そして取付下地片2cの長辺方向の両端部
分はパネル固定用ビス17によってALCパネルBを貫通
して嵩上げ材12に固定され、パネル固定用ビス17の中間
部の取付下地材2は所定の間隔で固定部材となる釘3や
ビス等によってALCパネルBに固定される。
【0053】尚、本実施形態においてはALCパネル本
体1の長辺方向の目地13に沿って取付下地材2を配置し
ているが、該取付下地材2をALCパネル本体1の長辺
方向の目地に沿わせるか短辺方向の目地に沿わせるか
は、目的の屋根における屋根仕上材16の設置方向、或い
は雨水の流下方向に応じて設定されている。
【0054】固定金具15は屋根仕上材16の形状や仕様に
応じた寸法と形状を持って形成されるものであり種々の
構成が考えられる。例えば、屋根仕上材16が前述の従来
例で説明した図14(b)に示すように台形状に屈折成形
されたものである場合、固定金具15は屋根仕上材16の成
形形状に対応させて台形状に形成されている。
【0055】また屋根仕上材16が平板状である場合、固
定金具15は平板状の屋根仕上材16を接続しつつ固定する
方式に形成されている。要するに、屋根仕上材16に応じ
て固定金具15も種々の形状に構成されている。
【0056】本実施形態では図5に示すように屋根仕上
材16が台形状に成形されており、固定金具15も台形状に
形成されている。そして固定金具15を屋根仕上材16の成
形ピッチに合わせて取付下地材2上に配置し、ビス止
め、溶接等の手段によって該取付下地材2に取り付けて
いる。
【0057】また屋根仕上材16は取付下地材2に取り付
けられた固定金具15に嵌合すると共にボルト18a,ナッ
ト18bを締結することで固定金具15に固定されている。
【0058】次に上記屋根の取付構造を実施する手順に
ついて説明する。梁11には予め嵩上げ材12が固着されて
いる。この嵩上げ材12にALCパネル本体1及びALC
パネルBの短辺を載置して敷き並べる。
【0059】屋根面にALCパネル本体1及びALCパ
ネルBを敷き並べた後、該ALCパネル本体1及びAL
CパネルBの長辺によって形成される目地13に取付下地
材2の係止片2aを挿入し、少なくとも4本のパネル固
定用ビス17をALCパネル本体1及びALCパネルBの
四隅に打ち込み嵩上げ材12に固定する。
【0060】取付下地材2は隣設するALCパネル本体
1によって形成される長辺方向の目地13の一方のALC
パネル本体1にのみ配置され、その中間部を釘3、ビス
等の固定部材によって該ALCパネル本体1に固着した
後、取付下地材2の取付下地片2cの表面側から打ち込
まれたパネル固定用ビス17により嵩上げ材12に固定さ
れ、取付下地材2が配置されない側においては取付下地
材2を介することなくALCパネル本体1に直接表面1
c側から打ち込まれたパネル固定用ビス17により嵩上げ
材12に固定される。
【0061】また、配列された屋根面の最も周辺部に配
置されているALCパネルBの一部は長辺方向に沿って
両側の小口面に取付下地材2が配置され、共に嵩上げ材
12に固定される場合もある。
【0062】尚、取付下地材2をALCパネル本体1を
介して直接、嵩上げ材12に固着するするためのパネル固
定用ビス17及び取付下地材2をALCパネルBに固着す
るための釘3やプラグ或いはビス等の固定部材は予め取
付下地材2に下穴を開けておいて打ち込んでも良いが、
釘3やビス等を用いる場合は取付下地材2の厚さ及び釘
3やビス等の仕様を適宜選択することにより、下穴を開
けずに施工することも出来る。
【0063】ALCパネルB及び取付下地材2を嵩上げ
材12に固定する過程で隣設するALCパネルBの短辺小
口面の接合部は突き付けによる接合或いはセラミックウ
ール等の耐火目地材を介在させて接合させる。
【0064】上記の如くして全てのALCパネルBを嵩
上げ材12に固定した時、屋根面には取付下地材2が一定
の間隔を持って帯状に配置される。そして、取付下地材
2に屋根仕上材16の成形ピッチに応じたピッチで複数の
固定金具15を配置してビス止めや溶接等により固着し、
更に、固定金具15に屋根仕上材16を載置してボルト18a
にナット18bを締結することで屋根仕上材16をALCパ
ネルBに取り付けることが可能である。
【0065】次に図7〜図10を用いて本発明に係る軽量
気泡コンクリートパネルの第3〜第6実施形態について
説明する。尚、前記第1、第2実施形態と同様に構成し
たものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】図7に示す第3実施形態となるALCパネ
ルCでは、ALCパネル本体1の長辺方向の一方の小口
面のパネル厚さ方向の表面1c側に深さ10mm、幅30
mm程度の台形状の溝部1aが形成されており、該ALC
パネル本体1の溝部1aの反対側の小口面のパネル厚さ
方向の表面1c側には前記溝部1aに嵌合し得る幅26
mm程度の台形状の突起部1bが形成されている。
【0067】そして、図4に示す第2実施形態の取付下
地材2の係止片2aの係止部2bが突起部1bの傾斜面
に係止される。尚、本実施形態では先端部が開脚する釘
3の代わりにビス19を用いて取付下地材2がALCパネ
ル本体1に固定されている。
【0068】また、ALCパネル本体1の突起部1bの
反対側には該突起部1bを納めるために該突起部1bよ
りやや大きめの溝部1aが設けられ、これらの取付下地
材2を固着したALCパネル本体1を隣設して施工した
場合に、ALCパネル本体1の小口面間に隙間が生じな
いようになっている。
【0069】他の構成は前記第1、第2実施形態と同様
に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0070】図8に示す第4実施形態となるALCパネ
ルDでは、前記第3実施形態のALCパネルCのALC
パネル本体1の表面1cに深さ10mm、幅50mm程度の
方形状の溝部1eが設けられている。
【0071】一方、取付下地材2の取付下地片2cの端
部は図8に示すように二段に折り曲げられた折曲部2e
を有し、該折曲部2eがALCパネル本体1の表面1c
に設けられた溝部1eに納められている。また、取付下
地片2cの折曲部2e以外の部分はALCパネル本体1
の取付下地片2cに対応して該取付下地片2cの板厚と
略同じ深さで形成された浅い溝部1gに納められてい
る。
【0072】従って、ALCパネル本体1に取り付けら
れた取付下地材2の取付下地片2cの表面と、該取付下
地材2がない部位のALCパネル本体1の表面は略平坦
な面を構成し、取付下地片2cに仕上材を固定した場
合、該仕上材の下部に隙間が出来ず、好ましい。
【0073】溝部1eは幅50mm程度の大きさを有して
いるためハンマー等で釘3を打込む場合に周辺のALC
パネル本体1を傷つけずに打ち込むことが出来る。
【0074】また、取付下地片2cはその先端に折曲部
2eを有しているため、ALCパネル本体1の面外方向
に取付下地材2を引き剥がす力が作用した際に、取付下
地片2cに発生する撓みが低減出来るため固定部材であ
る釘3の打ち込みピッチを大きくすることが出来る。
【0075】図9に示す第5実施形態となるALCパネ
ルEでは、ALCパネル本体1の長辺方向の小口面が略
平面状に形成されており、取付下地材2の係止片2aの
挿入部2dのALCパネル本体1の厚さ方向の長さ寸法
が該ALCパネル本体1の厚さに対応する寸法長さを有
して構成されている。
【0076】そして、取付下地材2の係止片2aの係止
部2bがALCパネル本体1の裏面1fに係止されてお
り、該ALCパネル本体1と強固に連結されている。
尚、ALCパネル本体1の裏面1fには係止部2bの厚
さに対応する深さを有する溝部が形成されており、係止
片2aの係止部2bがALCパネルEの裏面1fから突
出しない様になっている。他の構成は前記第1実施形態
と同様に構成され、同様な効果を得ることが出来る。
【0077】図10に示す第6実施形態となるALCパネ
ルFでは、図4に示す前記第2実施形態のALCパネル
本体1の長辺方向の小口面に形成された台形状の突起部
1bの外形に沿って嵌合して係合し得る形状の係止片2
aを取付下地材2に形成したものであり、取付下地材2
の係止片2aの係止部2bが突起部1bの下部の斜面に
係止されるようになっている。他の構成は前記第1、第
2実施形態と同様に構成され、同様な効果を得ることが
出来る。
【0078】次に図11及び図12を用いて取付下地材2の
他の構成について説明する。図11に示す取付下地材2の
長尺方向の長さは3000mm程度、取付下地片2cの幅
は130mm程度、係止片2aの挿入部2dの幅は40mm
程度、係止部2bの幅は8mm程度で構成されている。
【0079】係止片2aは約500mmピッチで切欠部2
fを有しており、ALCパネル本体1に固着された状態
で取付下地材2とALCパネル本体1との曲げ剛性が略
同じになるように調整されている。また、該切欠部2f
によりALCパネル本体1と取付下地材2の嵌合状態を
目視確認し易くなっている。
【0080】尚、本実施形態では取付下地材2の係止片
2aに切欠部2fを設けた場合の一例について説明した
が、取付下地材2の取付下地片2cに切欠部2fを設け
ても良いし、係止片2aと取付下地片2cの両方に切欠
部2fを設けて構成しても良い。
【0081】図12に示す取付下地材2では係止片2aの
挿入部2dと係止部2bとを各々別々の材料から作製し
た後に両者を溶接やビス止め或いはボルト止め等により
接続したものである。この場合、取付下地材2の材料の
量を少なく出来るため、材料コスト、メッキコストを小
さく出来る。更に、係止部2bに働く外力に応じて、該
係止部2bの数や配置位置等の調整が容易に出来る。
【0082】上述した各実施形態のALCパネルA〜F
ではALCパネル本体1の厚さが、例えば37〜150
mmのものを用いることが出来る。各ALCパネルA〜F
は前述の様に壁、屋根、床等の部位に適宜選択して適用
することが出来る。
【0083】取付下地材2を係止するためのALCパネ
ル本体1の小口面に形成する溝部1aや突起部1bは種
々のものを用いることが出来、前記各実施形態の形状や
寸法、或いは配置位置に限定されるものではない。
【0084】即ち、ALCパネル本体1の小口面に形成
する溝部1aの位置や寸法はサイディング材4や屋根仕
上材16等の仕上材や取付下地材2を介して該溝部1aに
作用する外力に応じて設定すれば良い。
【0085】一般的にはALCパネル本体1の溝部1a
は表面1cよりも厚さ方向に10mm以上離して設ける
が、その距離が大きい程、取付強度は大きくなる。溝部
1aのALCパネル本体1の幅方向の深さは5〜50mm
程度が実用的であり、溝部1aのALCパネル本体1の
厚さ方向の幅寸法は、取付下地材2の係止部2bが挿入
出来るように設定する。
【0086】図10に示す第6実施形態のようにALCパ
ネル本体1の突起部1bに取付下地材2の係止部2bを
係止する場合は突起部1bのALCパネル本体1の厚さ
方向の幅寸法により取付強度が左右されるため該幅寸法
は少なくとも10mm以上とすることが好ましい。また、
突起部1bの突出高さは5〜50mm程度が実用的であ
る。
【0087】取付下地材2は、仕上材の取付方法に応じ
て選択されるものであるが、仕上材を釘3やビス19等に
より取付下地材2に取り付ける場合は厚さ1〜4mm程度
の鋼製のものを用い、仕上材を溶接により取付下地材2
に取り付ける場合は2.3〜6mm程度の鋼製の材料を用
いれば良い。
【0088】また、ビス19により取付下地材2をALC
パネル本体1に固定する場合はプラスチック製セメント
硬化体の取付下地材2を用いることも出来る。
【0089】取付下地片2cと係止片2aは一枚の平板
をプレス等により曲げ加工することにより一体的に成形
してもよいが、取付下地片2cと係止片2aを別個に作
成した後に溶接やビス止め等により連結してもよい。別
個に作成した場合は取付下地片2cと係止片2aとを異
なる材質や異なる厚さで構成することが容易に出来、要
求される種々の条件に適合した取付下地材2を作成する
ことが出来、経済的な部材設定が可能になる。
【0090】また、取付下地材2の取付下地片2cを仕
上材となるサイディング材4や固定金具15の取付位置に
応じてALCパネル本体1に対して部分的に設けても良
い。
【0091】取付下地片2cのALCパネル本体1への
固着方法としては、釘3、ビス19、アンカー、接着材等
の方法を用いることが出来る。中でも図2等に示すよう
な先端に拡張部をもつ釘3を用いると、施工性に優れて
好ましい。
【0092】釘3、ビス19、アンカー等の取付位置とし
てはALCパネル本体1の小口面から50〜150mm程
度内部に入った位置が望ましい。特にALCパネル本体
1内の内部に配することが強度的に好ましい。
【0093】釘3、ビス19は一般的には径5〜8mm程度
で長さはALCパネル本体1の厚さを超えない範囲で3
0〜150mm程度の範囲で選択するのが望ましい。ま
た、アンカーは径5〜12mm、長さ30〜150mm程度
の範囲で選択するのが望ましい。
【0094】釘3、ビス19、アンカーのピッチは仕上材
を介して取付下地材2に作用する風圧力、地震力等の外
力に応じて、釘3、ビス19、アンカー等の許容荷重と取
付下地材2の特に取付下地片2cに発生する撓み量に応
じて設計すれば良い。
【0095】取付下地片2cは一般的には平板状のもの
を用いるが、前記の外力による撓みを抑えるためには適
宜リブ、折り返しを設けるのが有効である。更に、該リ
ブ、折り返しはALCパネル本体1の外部側に凸の状態
で配置しても良いが、ALCパネル本体1に該リブ、折
り返しを納めるための溝加工等を施せば、ALCパネル
本体1の外部側に突出しないので納まりが良い。
【0096】更に、釘3、ビス19、アンカーの頭部も上
記の溝部の中に納めれば、ALCパネルの外部には、取
付下地片2cの板厚のみとなるので納まりが良い。
【0097】また、取付下地材2の取付下地片2cをA
LCパネル本体1の表面1cに密接させるために接着材
を用いる場合は必要な強度に応じて取付下地材2の全面
もしくは一部を接着すれば良いが、熱による取付下地材
2の膨張収縮の影響に対して特に配慮する場合は、接着
材を部分的に用いたり、伸び率に優れるゴム系接着材を
用いるのが好ましい。
【0098】尚、固定部材により取付下地材2の取付下
地片2cをALCパネル本体1の表面1cに密接させる
場合では、取付下地片2cは所定の間隔を持って取り付
けられるので構造的に上記の膨張収縮の影響を受け難い
ので好ましい。
【0099】前述した各実施形態では取付下地材2の係
止片2aをALCパネル本体1に強固に係止させること
が出来るため、取付下地材2のALCパネル本体1への
固着度を低く設定しても良い場合には、取付下地片2c
を必ずしもALCパネル本体1に固着させる必要はな
い。
【0100】但し、取付下地材2の成形時の反り、熱、
外力による局部的な変形を抑制するためには適当な位置
で取付下地片2cとALCパネル本体1とを固定部材や
接着材によって固着した方が有利である。
【0101】取付下地材2の係止片2aは、ALCパネ
ル本体1の小口面に形成された溝部1a、突起部1bま
たは裏面1fに係止され、取付下地材2をALCパネル
本体1に所定の強度を持って固着出来るものであれば様
々なものを用いることが出来る。
【0102】一般的には取付下地材2の係止片2aはA
LCパネル本体1を並行に配した際に形成される目地13
に挿入される挿入部2dと該挿入部2dに対して所定の
角度をもった係止部2bを有する。
【0103】係止片2a、挿入部2d、係止部2bの寸
法、形状は適宜選択出来るが、取付下地材2に作用する
上記の外力、ALCパネル本体1の小口面に形成される
溝部1a、突起部1bに応じて寸法、形状を設計すれば
良い。
【0104】また、係止部2bはALCパネル本体1の
小口面に形成された溝部1a、突起部1bに密接するよ
うに、両者を平行にできれば最も好ましいが、係止部2
bと溝部1a、突起部1bの間に発生する誤差に対応す
るためには係止部2bの先端がやや強く当たるように予
想される誤差に応じて係止部2bと溝部1a、突起部1
bの間に若干の角度差を設けると好ましい。
【0105】このように、ALCパネル本体1の小口面
に形成された溝部1aを該ALCパネル本体1の表面1
c側に拡大した形状とし、上記のように取付下地材2の
係止部2bに若干の角度差を設けることにより溝部1
a、係止部2b間に寸法誤差が生じても取付下地材2を
ALCパネル本体1の面内方向に位置調整することによ
り、溝部1aと係止部2bとを十分な強度で係止させる
ことが容易になる。
【0106】取付下地材2は取付下地片2c、係止片2
aともALCパネル本体1の略全長に亘って連続一体的
に設けても良いが、この場合、取付下地材2の板厚、幅
等の寸法によってはALCパネル本体1に対して曲げ剛
性が高くなり過ぎ、ALCパネル本体1と取付下地材2
が外力により一体的に挙動し難くなる。この場合は取付
下地片2cまたは係止片2aを部分的に切欠部2fを設
けて両者の剛性が合うように調整すると良い。
【0107】上記構成によれば、極めて容易な施工方法
により、ALCパネル本体1の表面1cに仕上材の取付
下地材2を設けることが出来る。また、取付下地材2の
取付作業をALCパネル本体1の施工位置で行う必要が
なく、工場もしくは施工現場の別の作業環境の良い場所
で行うことが出来るので作業性が良い。
【0108】また、ALCパネル本体1を建物の躯体に
取り付ける前に取付下地材2をALCパネル本体1に固
着することが出来るので工程の調整が容易に出来る。
【0109】また、取付下地材2が係止片2aによる係
止のみならず釘3やビス19等の固定部材或いは接着材等
によりALCパネル本体1に固着された場合、固着強度
に優れ、固定部材と係止片2aの何れか一方に損傷が生
じても取付下地材2がALCパネル本体1から脱落する
ことがなく、信頼性を向上することが出来る。
【0110】また、取付下地材2のALCパネル本体1
からの突出量を小さく出来るので、納まりが良く、取付
下地材2とALCパネル本体1が十分に一体化するため
取付下地材2とALCパネル本体1との間に外力、熱挙
動によるバタツキ及びバタツキに伴う騒音の発生が生じ
難い。
【0111】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、取付下地材の係止片を軽量気泡コンクリート
パネルの表面及び/または小口面に設けた溝部、突起部
或いは該軽量気泡コンクリートパネルの裏面の少なくと
も一部に係止させると共に取付下地材の取付下地片を軽
量気泡コンクリートパネルの表面に密接させて取付下地
材を軽量気泡コンクリートパネルに一体的に設けたこと
で、仕上材を取り付けるための取付下地材を工場若しく
は現場内の別の場所等で予め軽量気泡コンクリートパネ
ルに取り付けておくことで現場で軽量気泡コンクリート
パネルを取り付ける際の作業負担を軽減させることが出
来、仕上材を介して取付下地材に作用する風圧力に対し
て該取付下地材の撓みや捩れ等の変形量を小さくするこ
とが出来る。
【0112】即ち、取付下地材を取り付けた軽量気泡コ
ンクリートパネルを建物の構造躯体に所定の方向に並べ
て配列することで軽量気泡コンクリートパネルによって
構成された外壁、屋根等の構面に所定のピッチで取付下
地材を配することが出来る。また、軽量気泡コンクリー
トパネルの幅、長さに応じて長辺方向及び短辺方向の何
れか一方または両方に取付下地材を配置することが出
来、この取付下地材に外壁材等の壁仕上材、サイディン
グ材等の屋根仕上材或いは床仕上材を固定することが出
来る。
【0113】また、軽量気泡コンクリートパネルに対す
る仕上材の取付方法は該仕上材の仕様に応じて設定され
ており、必要な取付下地材の大きさ、配置等が決められ
ている。従って、軽量気泡コンクリートパネルの長さ、
幅を所望の寸法とし、短辺方向の目地または長辺方向の
目地の何れか一方または両方の目地に沿って取付下地材
を配置して軽量気泡コンクリートパネルに固着しておく
ことで該取付下地材を所望の位置に配置して所望の取付
方法により仕上材を取り付けることが出来る。
【0114】また、取付下地材が取付下地片と係止片と
を有しており、係止片は軽量気泡コンクリートパネルの
表面或いは小口面に設けられた溝部、突起部或いは軽量
気泡コンクリートパネルの裏面に係止され、軽量気泡コ
ンクリートパネルと強固に連結される。
【0115】一方、取付下地片は仕上材の取付方法に応
じて軽量気泡コンクリートパネルの所定位置で該軽量気
泡コンクリートパネルの表面に密接して該軽量気泡コン
クリートパネルの表面に取り付けられる。
【0116】従って、取付下地材は係止片が軽量気泡コ
ンクリートパネルの表面や小口面或いは裏面に係止さ
れ、取付下地片が軽量気泡コンクリートパネルの表面に
密接して取り付けられるため全体として取付下地材は軽
量気泡コンクリートパネルに強固に取り付けられる。
【0117】尚、取付下地材の係止片を軽量気泡コンク
リートパネルの裏面に係止する場合には軽量気泡コンク
リートパネルの裏面に溝部等を形成しておき、係止片が
軽量気泡コンクリートパネルの裏面から突出しない様に
することが好ましい。
【0118】また、取付下地材の取付下地片は軽量気泡
コンクリートパネルの表面に密接し、係止片は隣設され
る軽量気泡コンクリートパネルの目地に挿入されるため
軽量気泡コンクリートパネルの表面から突出するのは取
付下地片だけとなり、これにより軽量気泡コンクリート
パネルと取付下地材とを合わせた厚さを小さくすること
が出来る。
【0119】また、前記取付下地材の取付下地片が前記
軽量気泡コンクリートパネルの長辺方向の略全長に亘っ
て設けられている場合には、仕上材の取付位置の自由度
が高くなり有利である。
【0120】前記取付下地材の取付下地片及び/または
係止片の少なくとも一部に切欠部を形成した場合には、
取付下地材を軽量気泡コンクリートパネルの長辺方向の
略全長に亘って設けた場合でも取付下地材を軽量気泡コ
ンクリートパネルに嵌合させて取り付ける際に該切欠部
を介して両者の嵌合状態が確認出来るので好ましい。ま
た、取付下地材と軽量気泡コンクリートパネルとの曲げ
剛性が略同じになるように調整することが出来る。
【0121】また、前記取付下地材を固定部材または接
着材によって前記軽量気泡コンクリートパネルに固着し
た場合には、取付下地材を軽量気泡コンクリートパネル
に強固に取り付けることが出来、好ましい。
【0122】また、前記取付下地材の取付下地片の幅が
20〜200mm、係止片の幅が前記軽量気泡コンクリー
トパネルの厚みの25%以上の寸法を有し、且つ前記固
定部材の取付位置が前記軽量気泡コンクリートパネルの
側縁から20〜150mmだけ該軽量気泡コンクリートパ
ネルの内側に配置すれば好ましい。
【0123】また、前記軽量気泡コンクリートパネルを
壁パネル、屋根パネル或いは床パネルとして適用すれば
好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
1実施形態の構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の構成を示す側断面説明図であ
る。
【図3】第1実施形態の軽量気泡コンクリートパネルを
用いて外壁仕上材を取り付ける様子を示す図である。
【図4】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
2実施形態の構成を示す側断面説明図である。
【図5】第2実施形態の軽量気泡コンクリートパネルを
用いて屋根仕上材を取り付ける様子を示す図である。
【図6】図5の側断面説明図である。
【図7】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
3実施形態の構成を示す側断面説明図である。
【図8】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
4実施形態の構成を示す側断面説明図である。
【図9】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
5実施形態の構成を示す側断面説明図である。
【図10】本発明に係る軽量気泡コンクリートパネルの第
6実施形態の構成を示す側断面説明図である。
【図11】取付下地材の他の構成を示す斜視図である。
【図12】取付下地材の他の構成を示す斜視図である。
【図13】従来例を説明する図である。
【図14】従来例を説明する図である。
【符号の説明】 A〜F…ALCパネル 1…ALCパネル本体 1a…溝部 1b…突起部 1c…表面 1d…収納部 1e…溝部 1f…裏面 1g…溝部 2…取付下地材 2a…係止片 2b…係止部 2c…取付下地片 2d…挿入部 2e…折曲部 2f…切欠部 3…釘 4…サイディング材 4a…嵌合部 11…梁 11a…上フランジ 12…嵩上げ材 13…目地 14…固定金具用ビス 15…固定金具 16…屋根仕上材 17…パネル固定用ビス 18a…ボルト 18b…ナット 19…ビス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に仕上材を取り付けるための取付下
    地材を設けた軽量気泡コンクリートパネルであって、 前記取付下地材の係止片を前記軽量気泡コンクリートパ
    ネルの表面及び/または小口面に設けた溝部、突起部或
    いは該軽量気泡コンクリートパネルの裏面の少なくとも
    一部に係止させると共に該取付下地材の取付下地片を前
    記軽量気泡コンクリートパネルの表面に密接させて前記
    取付下地材を前記軽量気泡コンクリートパネルに一体的
    に設けたことを特徴とする軽量気泡コンクリートパネ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記取付下地材の取付下地片が前記軽量
    気泡コンクリートパネルの長辺方向の略全長に亘って設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載の軽量気
    泡コンクリートパネル。
  3. 【請求項3】 前記取付下地材の取付下地片及び/また
    は係止片の少なくとも一部に切欠部を形成したことを特
    徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリートパネ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記取付下地材を固定部材または接着材
    によって前記軽量気泡コンクリートパネルに固着したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリート
    パネル。
  5. 【請求項5】 前記取付下地材の取付下地片の幅が20
    〜200mm、係止片の幅が前記軽量気泡コンクリートパ
    ネルの厚みの25%以上の寸法を有し、且つ前記固定部
    材の取付位置が前記軽量気泡コンクリートパネルの側縁
    から20〜150mmだけ該軽量気泡コンクリートパネル
    の内側に配置されたことを特徴とする請求項4に記載の
    軽量気泡コンクリートパネル。
  6. 【請求項6】 前記軽量気泡コンクリートパネルは壁パ
    ネルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
  7. 【請求項7】 前記軽量気泡コンクリートパネルは屋根
    パネルまたは床パネルであることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の軽量気泡コンクリートパネ
    ル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106639141A (zh) * 2016-11-25 2017-05-10 蓝海永乐(江苏)新材料有限公司 免龙骨轻质隔墙板
CN109594688A (zh) * 2019-01-16 2019-04-09 中建局集团建设发展有限公司 一种型钢桁架双皮墙结构及其施工方法

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