JP2000023646A - 海洋深層水を電気分解して得られるミネラル水およびそれを含有する健康飲料 - Google Patents
海洋深層水を電気分解して得られるミネラル水およびそれを含有する健康飲料Info
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Abstract
深層水の有効利用法を開発する。 【解決手段】海洋深層水を電気分解し、陰極側から採取
することによってミネラル水および該ミネラル水を含有
する健康飲料を製造する。
Description
して電気分解装置で電気分解し、その陰極側から得られ
るミネラル水およびそのミネラル水を含有する健康飲料
に関する。
ウム、カリウム、ケイ素などが多く含まれているが、そ
の他に人体に必須な栄養素である微量の元素をバランス
よく含んでいると言われている。そしてこのような海水
の持つミネラル分を利用して健康増進液の検討がなされ
ている。例えば、特許第2580428号には海水を煮詰めて
濃縮し、その濃縮液を冷却後、濃縮液から結晶分を除去
し、この繰り返しを、濃縮液の体積が元の体積の1000分
の1以下に濃縮するまで続けることにより得られること
を特徴とする健康増進液およびその製造法について記載
され、この溶液数滴を飲料水に加えることにより糖尿
病、アレルギー性疾患、心筋梗塞などの現代病の予防に
有効とされている。
深層水と呼ばれているものがあり、この海洋深層水とは
海面下200メートル以上の海水を指す。海洋汚染が進ん
でいる現在において表層水は飲料用としては適さない
が、海洋深層水は表層水に比べて生菌数が一桁あるいは
それ以上少なく、しかも、病原生物はほとんど含まれて
いないため、飲料に採用した場合、安全性が極めて高い
とされている(特公平7-34728号)。
加え、二槽式の電気分解装置で電気分解し、その陽極側
から得られる酸性酸化水(pH2.4以上2.7以下で、酸化還
元電位が1000mV以上)と陰極側から得られるアルカリ還
元水が知られている。酸性酸化水の用途としては、その
酸化力と酸性による殺菌作用を利用して医療用器具の消
毒殺菌および食品の殺菌消毒に利用されている。アルカ
リ還元水については、胃腸内の異常発酵、慢性下痢、消
化不良、制酸、胃酸過多などの胃腸疾患に対する効能が
あるとされている。
解装置で電気分解して陽極側から得られる酸性酸化水に
ついては次亜塩素酸ソーダの製造、あるいは上述の酸性
水と同様に殺菌・消毒に利用されている。しかるに、海
水を同装置で電気分解し、その陰極側から得られるアル
カリ還元水については利用法および薬理作用については
未知の部分が多く、その薬理作用の解明および利用法の
開発が望まれている。
層水を電気分解し、陰極側から採取した溶液から製造さ
れるアルカリ性のミネラル水を種々検討した結果、この
ミネラル水が疲労回復作用を有すること、さらに、健康
飲料として有用であることを見出し、本発明を完成する
に至った。
水について詳細に説明する。本発明で使用される海洋深
層水は、海面下200メートルまたはそれより深い所から
採取される海水であれば、採取地を限定されないが、例
えば、日本近海では、富山湾、高知県の室戸岬沖、静岡
県の駿河湾、沖縄県の久米島など、世界では、ノルウェ
ー沖、ハワイ沖などから採取されるものが挙げられる。
好ましい海洋深層水としては、富山湾から採取されたも
のが挙げられる。また、上記の海洋深層水を凍らせて、
海洋深層水氷としたものを溶かした溶液を使用してもよ
い。
は、水を電気分解するために使用するものであれば、限
定されないが、例えば、隔膜で仕切られた二槽式、直流
電圧をフリップ・フロップ回路で切り替えて交流荷電す
る三極式(特開平6-254567号)、また、二槽式の電気分解
装置中で、貯水槽に給水して一定時間電解するタイプ、
水道水などから連続的に水を供給するタイプなどが挙げ
られる。好ましい電気分解装置として、例えば、陽極と
しては、フェライト電極、白金メッキチタニウム電極、
チタニウム白金焼成電極などがあり、陰極としては、ス
テンレス電極、白金メッキチタニウム電極、チタニウム
白金焼成電極など、また、隔膜としては、イオン交換膜
などから構成されている二槽貯水式の電気分解装置が挙
げられる。
ば、二槽貯水式などの電気分解装置の陽極・陰極それぞ
れの供給槽に海洋深層水を入れ、装置で定められた時
間、例えば、0.1〜3.0Aの直流を5〜60分間、通電する。
電気分解終了後、陰極側から溶液を採 取する。得られ
た溶液を水で1〜100倍に希釈すればよい。
は、淡水であれば特に限定されないが、例えば、地下
水、湧水、水道水、精製水、蒸留水などが挙げられる。
好ましい水としては、地下水、湧水、精製水、蒸留水が
挙げられる。
に2〜100倍に希釈し、その後、電気分解することもでき
る。さらには海洋深層水を10〜100分の1まで濃縮し、塩
化ナトリウムなどの析出物を濾過して除去した後、濾液
をまた元の液量まで水で希釈したものを使うこともでき
る。
のまま飲料とすることができるが、さらに、このミネラ
ル水に、糖類、甘味料、酸味料、その他の添加物を配合
して健康飲料とすることもでき、さらにまた、ウイスキ
ー、ブランデー、日本酒、焼酎、ウオッカ、ジン、果実
酒などのアルコール類を適量加え、アルコールを含有す
る健康飲料とすることもできる。なお、製造したミネラ
ル水のpHが高い場合は、適宜希釈するのが好ましい。
ルクトース、マルトース、スクロース、ラクトース、ラ
クチトール、マルチトール、エリスリトール、キシリト
ール、ソルビトール、マンニトール、粉飴、水飴、蜂蜜
などの糖類や、アスパルテーム、ステビオサイド、サッ
カリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウムなど
の甘味料、グリシン、DL-アラニン、L-グルタミン酸ナ
トリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、スレオニン、
セリンなどのアミノ酸、また、クエン酸、フマル酸、酒
石酸、リンゴ酸、L-アスコルビン酸などの酸味料や塩化
ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの塩
味料、香料、果汁などが挙げられる。これらのうち、好
ましいものとしては、糖類としては、グルコース、フル
クトース、スクロース、ラクチトール、マルチトール、
エリスリトール、キシリトール、ソルビトールおよびマ
ンニトール、また甘味料としては、アスパルテーム、ア
ミノ酸として、グリシン、DL-アラニン、L-グルタミン
酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、スレオニ
ン、セリン、酸味料として、クエン酸、L-アスコルビン
酸が挙げられ、さらに好ましいものとして、糖類のグル
コース、エリスリトールおよびキシリトールが挙げら
れ、これらの添加物は1種または2種以上を添加すること
ができる。
明する。
020;葵エンジニアリング製)の陽極、陰極側に海洋深層
水を2リットルずつ入れ、15分間室温で電気分解した。
そして、陰極側から採取した溶液(pH9.94,酸化還元電位
-782mV)を蒸留水で10倍に希釈し、ミネラル水Aを得
た。このミネラル水AのpHは、10.15、酸化還元電位
は、+303mVであった。
電気分解した後、陰極側から採取した溶液を蒸留水で10
0倍に希釈してミネラル水Bを得た。このミネラル水B
のpHは、8.94、酸化還元電位は、+361mVであった。
施例1と同様の装置および条件で電気分解した後、陰極
側から採取してミネラル水Cを得た。このミネラル水C
のpHは、10.41、酸化還元電位は、-809mVであった。
出物を濾過により除去し、得られた濾液に再度蒸留水を
加えて元の液量とした溶液を用いて、実施例1と同様の
装置および条件で電気分解した後、陰極側から採取して
ミネラル水Dを得た。このミネラル水DのpHは、9.97、
酸化還元電位は、-780mVであった。
式の活性カルシウムイオン水生成装置(トリムイオン
TI-200;株式会社日本トリム製)の陽極、陰極側に海洋
深層水を蒸留水で10倍希釈した水溶液を約2リットルず
つ入れ、0.21Aで15分間、室温で電気分解した。このよ
うにして得られたミネラル水EのpHは、1O.50、酸化還
元電位は、-98mVであった。
た溶液を、実施例1同様の条件で電気分解した。陰極側
から採取した溶液(pH10.20、酸化還元電位;-802mV)を
蒸留水で10倍に希釈し、ミネラル水Fを得た。このミネ
ラル水FのpHは、10.16、酸化還元電位は、+50mVであっ
た。
た溶液を、蒸留水で10倍に希釈する。この溶液を実施例
5で使用した装置を使用し、0.199Aで15分間、室温で
電気分解した。このようにして得られたミネラル水Gの
pHは1O.75、酸化還元電位は、-189mVであった。
べるために、強制水泳後のマウスの自発運動再開時間を
調べ、ミネラル水の疲労回復作用について試験を行っ
た。以下、試験方法について説明する。
間給水し、自由摂取させた。投与期間終了後、マウスの
寛骨部に1gの錘をつけ、水温24±1℃の水中で3分間強制
水泳させた。水泳終了直後にマウスを高さ1.6cm、直径9
cmのシャーレ内に置き、シャーレ外に四肢がでるまでの
時間を自発運動再開時間として測定し、平均値を求め
た。対照群には蒸留水を4日間自由摂取させ、同様に自
発運動再開時間の平均値を求め、対照群に対する百分率
で評価した。
る。 (1)ミネラル水A 実施例1で製造したミネラル水。
に蒸留水で1000倍に希釈して得たミネラル水。
020;葵エンジニアリング製)の陽極、陰極側に海洋深層
水を2リットルずつ入れ、15分間室温で電気分解した。
そして、陽極側から得られる酸性水を蒸留水で10倍希釈
して得た水溶液。
様の装置および条件で電気分解した後、陰極側から採取
した溶液を蒸留水で10倍に希釈した水溶液。
た。ミネラル水Aに疲労回復効果が認められた。(表
1)
ミネラル水Aに疲労回復効果が認められた。(表2)
ミネラル水Aに疲労回復効果が認められた。(表3)
ル水Z(4)について行った。ミネラル水Bの疲労回復
効果はミネラル水Aと同等以上であった。また、ミネラ
ル水Zは疲労回復効果がみられなかった。(表4)
労回復効果が認められた。(表5)
法を用いればよいが、例えば上記の方法で製造されたミ
ネラル水をそのまま、または、キシリトールなどの添加
物を0.001〜20%(W/V)添加した後、フィルターを通すな
どして滅菌し、瓶あるいは缶に詰めればよい。
深層水をミネラル水Aと同様の装置および条件で電気分
解した後、陰極側から採取した溶液を精製水で30倍に希
釈してミネラル水を得る。得られたミネラル水に常温で
キシリトールを5%(W/V)添加した後、フィルターで滅菌
することにより健康飲料が得られる。
極側より採取して得られるミネラル水は、疲労回復作用
を示し、健康飲料として非常に有用であり、また、従
来、利用法がなかった海洋深層水を有意義に利用するこ
とができ、資源の新たな活用となる。
Claims (6)
- 【請求項1】海洋深層水を電気分解し、その陰極側から
採取した溶液を水で1倍から100倍に希釈して得ることを
特徴とするミネラル水。 - 【請求項2】海洋深層水を水で2倍から100倍に希釈後、
電気分解し、その陰極側から採取して得ることを特徴と
するミネラル水。 - 【請求項3】海洋深層水を10分の1から100分の1まで濃
縮し、析出物を濾過して得られた溶液を水で元の液量ま
で希釈後、電気分解し、その陰極側から採取して得るこ
とを特徴とするミネラル水。 - 【請求項4】海洋深層水が、海洋深層水の氷を溶かした
溶液である請求項1、2または3に記載のミネラル水。 - 【請求項5】疲労回復作用を有することを特徴とする請
求項1〜4に記載のミネラル水。 - 【請求項6】請求項1〜5に記載のミネラル水を含有す
ることを特徴とする健康飲料。
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