JP2000021807A - 非晶質薄膜の加熱処理装置およびその方法 - Google Patents

非晶質薄膜の加熱処理装置およびその方法

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JP2000021807A
JP2000021807A JP10181275A JP18127598A JP2000021807A JP 2000021807 A JP2000021807 A JP 2000021807A JP 10181275 A JP10181275 A JP 10181275A JP 18127598 A JP18127598 A JP 18127598A JP 2000021807 A JP2000021807 A JP 2000021807A
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box
processing chamber
thin film
window
inert gas
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JP10181275A
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Takuya Matsui
卓也 松井
Toshimichi Ishida
敏道 石田
Masaki Kondo
昌樹 近藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非晶質薄膜の加熱処理装置において、レーザ
ー光による加熱処理を行うことで生じるウインドウの汚
れを抑制し、大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で加熱処
理を行う場合に比べて非晶質薄膜を大粒径の多結晶薄膜
に転換することを目的とする。 【解決手段】 処理室1内を真空排気し続けた状態で、
ウインドウ6の直下に設けたボックス16の内部のN2
ス導入経路13よりウインドウ6の内面に向けてN2ガス
を吹き付ける。この際、ボックス16の内部から外部へ向
けてN2ガスの流れ18が生じ、溶融化した非晶質薄膜8
より生じる蒸気12を捕らえて真空ポンプ19にて処理室1
外へ排気されるため、ウインドウ6の汚れを抑制でき、
真空中でのレーザー光による加熱処理が可能となり、大
粒径の多結晶薄膜が得られるとともに、ガラス基板9上
への異物の付着を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば液晶分野
において、基板上に形成した非晶質薄膜にレーザー光を
照射して加熱処理を行う加熱処理装置およびその方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、非晶質薄膜の加熱処理方法として
は、特開平9−8316号に記載されたものが知られて
いる。その加熱処理方法を図7に基づいて説明する。
【0003】図7は、従来の加熱処理装置において、基
板上に形成した非晶質薄膜にレーザー光を照射して加熱
処理を行う処理室の構成を示す概略斜視図である。図示
するように、処理室1にはレーザー光7を、加熱対象の
非晶質薄膜8まで到達させるため、ウインドウ6が設け
られており、このウインドウ6を通して処理室1内にレ
ーザー光7が導かれる。このレーザー光7によって基板
ステージ10上に置かれたガラス基板9上の非晶質薄膜8
の加熱処理が行われ、多結晶薄膜に転換される。このと
き、基板ステージ10を図示するX方向およびY方向に移
動することにより、固定されたレーザー光7に対し、ガ
ラス基板9が相対的に移動し、結果的にガラス基板9上
の非晶質薄膜8の全面がレーザー光7によって照射され
る。
【0004】また、処理室1には窒素(N2)ガス導入
経路13が設けられており、この導入経路13よりN2ガス
を導入しながら加熱処理が行われる。このとき、処理室
1内は大気圧以上の圧力にて保持され、余剰となったN
2ガスはN2ガス排出経路14より処理室1外に放出され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、レーザー光7
の照射により溶融した非晶質薄膜8が凝固し、多結晶薄
膜へと転換することにより生じる多結晶薄膜の結晶粒は
大粒径であるほど電気的特性に優れる。結晶粒は非晶質
薄膜がいったん溶融した後の凝固過程での冷却速度がゆ
るやかであるほど大きくなる。
【0006】しかし、従来例の如く、レーザー光7によ
る加熱処理を大気圧以上のN2ガスなどの不活性ガス雰
囲気中で行う場合、前記凝固過程において溶融化した非
晶質薄膜8の有す熱が処理室1内の不活性ガスによる熱
伝導によって奪われるため、真空中の場合に比べて冷却
速度が速くなるという課題を有していた。さらに、大気
圧以上の不活性ガス雰囲気にて生じる気流が処理室1内
に存在するゴミなどの異物を巻き上げるため、これがガ
ラス基板9上に付着しやすくなるという課題を有してい
た。
【0007】上記課題を解決するために、レーザー光に
よる加熱処理を真空中で行おうとすると、基板ステージ
の移動範囲を確保するために大容積の処理室が必要とな
り、真空を保つために相当の剛性が要求されるととも
に、レーザー光の照射により溶融した非晶質薄膜から生
じる蒸気の進行を妨げる気体分子が存在しないため、ウ
インドウの内面へ蒸気が付着してウインドウが汚れ、レ
ーザー光の透過率低下を招くという新たな課題が生じ
る。
【0008】本発明は、このような非晶質薄膜の加熱処
理装置およびその方法において、大気圧より低い圧力に
てレーザー光による加熱処理を行うことで生じるウイン
ドウの汚れを抑制することにより真空中でのレーザー光
による加熱処理を可能とし、大気圧以上の不活性ガス雰
囲気中で加熱処理を行う場合に比べて非晶質薄膜を大粒
径の多結晶薄膜に転換するとともに、処理室内に存在す
るゴミなどの異物の巻き上げによるガラス基板上への付
着を防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の非晶質薄膜の加
熱処理装置においては、処理室内に移載された基板上の
非晶質薄膜を、前記処理室のウインドウを通して導かれ
たレーザー光によって加熱処理を行う加熱処理装置であ
って、前記処理室内の前記ウインドウ直下に、前記レー
ザー光が通過できるスリット状の開口部を有するボック
スを設け、前記ボックス内に、不活性ガスを導入する不
活性ガス導入経路を設け、前記処理室内を真空排気して
該処理室を大気圧より低い圧力に保持する排気手段を設
けたことを特徴としたものである。
【0010】この本発明によれば、大気圧より低い圧力
にてレーザー光による加熱処理を行うことで生じるウイ
ンドウの汚れを抑制することにより真空中でのレーザー
光による加熱処理を可能とし、大気圧以上の不活性ガス
雰囲気中で加熱処理を行う場合に比べて非晶質薄膜を大
粒径の多結晶薄膜に転換するとともに、処理室内に存在
するゴミなどの異物の巻き上げによるガラス基板上への
付着を防止した加熱処理装置が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、処理室内に移載された基板上の非晶質薄膜を、前記
処理室のウインドウを通して導かれたレーザー光によっ
て加熱処理を行う加熱処理装置であって、前記処理室内
の前記ウインドウ直下に、前記レーザー光が通過できる
スリット状の開口部を有するボックスを設け、前記ボッ
クス内に、不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路を
設け、前記処理室内を真空排気して該処理室を大気圧よ
り低い圧力に保持する排気手段を設けたことを特徴とし
たものであり、大気圧より低い圧力で加熱処理を行うこ
とで、大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で加熱処理行う
場合に比べて非晶質薄膜は大粒径の多結晶薄膜に転換さ
れるとともに、処理室内に存在するゴミなどの異物の巻
き上げによる薄膜上への付着が防止され、さらにウイン
ドウ直下にボックスを設け、スリット状の開口部を設け
ることにより、ウインドウへの蒸気の進路を最小限と
し、かつボックス内に不活性ガスを導入することによ
り、レーザー光の照射により溶融した非晶質薄膜から生
じる蒸気のウインドウの内面への進行が抑制され、前記
蒸気は不活性ガスとともに処理室外へ排気されるという
作用を有する。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明であって、前記不活性ガス導入経路は、不活性ガ
スの吹き付けを、該導入経路に設けたノズルにより前記
ウインドウ内面に向けて行う構成としたことを特徴とし
たものであり、ウインドウ直下のボックス内で該ウイン
ドウに向けて不活性ガスを吹き付けることにより、該ボ
ックス内の圧力が処理室内の圧力よりも高くなり、前記
スリット状の開口部から該ボックス外に向けて不活性ガ
スの流れが生じ、この不活性ガスの流れによってウイン
ドウへ向かおうとする前記蒸気が捕らえられ、蒸気は該
処理室外へ排気されるという作用を有する。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明であって、前記不活性ガス導入経路は、不活性ガ
スの吹き付けを、該導入経路に設けたノズルにより前記
ボックスに設けたスリット状の開口部に向けて行う構成
としたことを特徴としたものであり、ボックスの内部か
らスリット状の開口部に向けて不活性ガスを吹き付ける
ことにより、該ボックスの内部から外部へ向けて不活性
ガスの流れが生じ、前記蒸気の該ボックス内への進入が
防止され、さらには前記不活性ガスの流れによって前記
蒸気が捕らえられ、蒸気は該処理室外へ排気されるとい
う作用を有する。
【0014】請求項4に記載の発明は、処理室内に移載
された基板上の非晶質薄膜を、前記処理室のウインドウ
を通して導かれたレーザー光によって加熱処理を行う加
熱処理装置であって、前記処理室内の前記ウインドウの
下方に、前記レーザー光が通過できるスリット状の開口
部を有するボックスを設け、前記処理室内の前記ボック
スの外部に、不活性ガスを導入する不活性ガス導入経路
を設け、前記ボックス内を真空排気して該ボックス内部
を大気圧より低い圧力に保持する排気手段を設け、前記
不活性ガス導入経路は、不活性ガスの吹き付けを、該導
入経路に設けたノズルにより前記ボックスの外部から該
ボックスに向けて行う構成としたことを特徴としたもの
であり、ボックス外部から連続的に排気した状態の該ボ
ックスに向けて不活性ガスを吹き付けることにより、該
ボックス内の圧力が処理室内の圧力より低くなり、該ボ
ックスに向けて不活性ガスの流れが生じ、この不活性ガ
スの流れによって前記蒸気が捕らえられ、該処理室外へ
排気されるという作用を有する。
【0015】請求項5に記載の発明は、処理室内におい
て、基板上に形成した非晶質薄膜をレーザー光によって
加熱処理を行う加熱処理方法であって、前記レーザー光
の照射工程中に、前記処理室内を真空排気し続けた状態
で、該処理室内に不活性ガスを吹き付けながら、該処理
室を大気圧より低い圧力に保持することを特徴としたも
のであり、大気圧より低い圧力で加熱処理を行うことに
より、大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で加熱処理行う
場合に比べて非晶質薄膜は大粒径の多結晶薄膜に転換さ
れるとともに、処理室内に存在するゴミなどの異物の巻
き上げによる薄膜上への付着が防止され、また処理室内
に不活性ガスを吹き付けることにより、レーザー光の照
射により溶融した非晶質薄膜から生じる蒸気のウインド
ウの内面への進行が抑制され、さらに蒸気は不活性ガス
とともに該処理室外へ排気されるという作用を有する。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5記載の
非晶質薄膜の加熱処理方法であって、前記レーザー光を
該処理室内へ導入する際に通過するウインドウ直下に、
レーザー光が通過できるスリット状の開口部を有するボ
ックスを設け、前記レーザー光の照射工程中の不活性ガ
スの吹き付けを、前記ウインドウ直下のボックス内にて
該ウインドウ内面に向けて行うことを特徴としたもので
あり、ウインドウ直下のボックス内で該ウインドウに向
けて不活性ガスを吹き付けることにより、該ボックス内
の圧力が処理室内の圧力よりも高くなり、前記スリット
状の開口部から該ボックス外に向けて不活性ガスの流れ
が生じ、この不活性ガスの流れによってウインドウへ向
かおうとする前記蒸気が捕らえられ、蒸気は該処理室外
へ排気されるという作用を有する。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項5記載の
非晶質薄膜の加熱処理方法であって、前記レーザー光を
該処理室内へ導入する際に通過するウインドウ直下に、
レーザー光が通過できるスリット状の開口部を有するボ
ックスを設け、前記レーザー光の照射工程中の不活性ガ
スの吹き付けを、前記ウインドウ直下のボックス内部か
ら該ボックスに設けたスリット状の開口部に向けて行う
ことを特徴としたものであり、ボックスの内部からスリ
ット状の開口部に向けて不活性ガスを吹き付けることに
より、該ボックスの内部から外部へ向けて不活性ガスの
流れが生じ、前記蒸気の該ボックス内への進入が防止さ
れ、さらには、前記不活性ガスの流れによって前記蒸気
が捕らえられ、蒸気は該処理室外へ排気されるという作
用を有する。
【0018】請求項8に記載の発明は、処理室内におい
て、基板上に形成した非晶質薄膜をレーザー光によって
加熱処理を行う加熱処理方法であって、前記レーザー光
を前記処理室内へ導入する際に通過するウインドウの下
方に、レーザー光が通過できるスリット状の開口部を有
するボックスを設け、前記レーザー光の照射工程中に、
前記ボックス内部を連続的に排気した状態で、該ボック
スの外部から該ボックスに向けて不活性ガスを吹き付
け、前記ボックス内部を大気圧より低い圧力に保持する
ことを特徴としたものであり、ボックス外部から連続的
に排気した状態の該ボックスに向けて不活性ガスを吹き
付けることにより、該ボックス内の圧力が処理室内の圧
力より低くなり、該ボックスに向けて不活性ガスの流れ
が生じ、この不活性ガスの流れによって前記蒸気が捕ら
えられ、蒸気は該処理室外へ排気されるという作用を有
する。
【0019】以下、本発明の実施の形態を図面に基づい
て説明する。なお、従来例の図7の構成と同一の構成に
は同一の符号を付して説明を省略する。図1は本発明の
実施の形態における加熱処理装置の全体構成を示す概略
図である。
【0020】加熱処理装置は、図1に示すように、加熱
処理を行う処理室1と、加熱処理する非晶質薄膜8の付
いたガラス基板9の大気側との出入口となるロードロッ
ク室2と、室温よりも高い温度、たとえば100℃から
400℃程度の雰囲気中で非晶質薄膜8へのレーザー光
の照射を実施する場合に、予めガラス基板9の加熱を実
施する加熱室3と、処理室1へガラス基板9を搬送する
ための搬送アームを備えた移載室4から構成されてい
る。なお、これら処理室1、加熱室3、移載室4は真空
ポンプにて常に真空排気されており、ロードロック室2
は大気側との基板の授受のたびに真空排気およびN2
ージが繰り返される。図1において、5は各室間の真空
ゲートである。 (実施の形態1)図2は実施の形態1における加熱処理
装置の処理室の構成を示す概略斜視図、図3は図2の要
部斜視図である。
【0021】移載室4と処理室1間の真空ゲート5を介
して移載室4より処理室1内の基板ステージ10上に、非
晶質薄膜8の付いた大きさが、たとえば300mm×4
00mmから600mm×720mm程度あるいはそれ
以上のサイズであるガラス基板9が投入される。そし
て、ガラス基板9は、基板ステージ10が基板ステージ用
ガイド11に沿って移動することにより、X方向に移動さ
れる。
【0022】また、材質がたとえば合成石英製のウイン
ドウ6の上方には、レーザー光7、たとえばエキシマレ
ーザー光を屈折させ、ウインドウ6へ導く光学系とミラ
ー15がY方向に移動可能に設けられており、この光学系
とミラー15によりウインドウ6を通してレーザー光7を
非晶質薄膜8、たとえば非晶質シリコン薄膜に照射し、
加熱処理することにより、非晶質薄膜8は多結晶シリコ
ン薄膜に転換される。このとき、レーザー光7は非晶質
薄膜8上で、たとえば150mm×0.3mmから20
0mm×0.5mm程度のサイズに成形し、エネルギー
密度を100mJ/cm2 から400mJ/cm2 程度
とし、基板ステージ10を基板ステージ用ガイド11に沿っ
てX方向に、かつ光学系とミラー15をY方向に移動する
ことで非晶質薄膜8の全面への照射を可能としている。
【0023】また処理室1内のウインドウ6直下に、レ
ーザー光7が通過できる最小のスリット状の開口部17を
有する、材質が、たとえばアルミニウム製のボックス16
が設けられ、図3に示すように、ウインドウ6の上部に
はシャッター21が設けられている。このシャッター21を
光学系とミラー15の移動にあわせて、モータやシリンダ
あるいはその他の駆動手段により移動させ、レーザー光
7が通過する部分のみを開口とするようにしている。
【0024】またボックス16内に、マスフローコントロ
ーラーなどにより一定流量に制御されたN2 ガス(不活
性ガスの一例)を導入するN2 ガス導入経路13であるノ
ズルが設けられている。非晶質薄膜8にレーザー光7を
照射中は、このN2ガス導入経路13を通してウインドウ
6直下のボックス16内に、N2 ガスが吹き付けられる。
【0025】さらに処理室1に、真空ポンプに連結され
たN2 ガス排出導入経路14が設けられており、非晶質薄
膜8にレーザー光7を照射中は、このN2ガス 排出経路
14を通して真空ポンプで真空排気をし続け、真空計20に
より、処理室1内の圧力が監視され、処理室1内が大気
圧よりも低い圧力にて一定圧となるように保持される。
【0026】上記構成において、図4に示すように、N
2 ガス導入経路13に設けたノズルよりウインドウ6の内
面に向けてN2 ガスを吹き付けるように構成したときの
作用を説明する。
【0027】図4に示すように、処理室1内を真空排気
し続けた状態でボックス16の内部においてウインドウ6
の内面に向けてN2 ガスを吹き付けると、ボックス16の
内の圧力は処理室1内の圧力より高くなり、スリット状
の開口部17からボックス16の外部へ向けてN2 ガスの流
れ18が生じる。このN2 ガスの流れ18はレーザー光7の
照射により非晶質薄膜8が溶融することで生じる蒸気12
を捕らえ、蒸気12はN 2 ガスとともに真空ポンプ19にて
処理室1外へ排気される。
【0028】次に、上記構成において、図5に示すよう
に、N2 ガス導入経路13よりスリット状の開口部17に向
けてN2 ガスを吹き付けるように構成したときの作用を
説明する。
【0029】図5に示すように、処理室1内を真空排気
し続けた状態でボックス16の内部においてスリット状の
開口部17に向けてN2 ガスを吹き付けると、ボックス16
の内部から外部へ向けてN2 ガスの流れ18が生じる。こ
のN2 ガスの流れ18はレーザー光7の照射により非晶質
薄膜8が溶融することで生じる蒸気12のボックス16内へ
の進行を抑制し、さらに蒸気12はN2 ガスの流れ18とと
もに、真空ポンプ15にて処理室1外へ排気される。
【0030】このように本実施の形態1によれば、N2
ガス導入経路13に設けたノズルよりウインドウ6の内面
に向けて、またはスリット状の開口部17に向けてN2
ガスを吹き付けることにより、レーザー光7の照射によ
り溶融した非晶質薄膜8から生じる蒸気12のウインドウ
6への進行を抑制でき、さらにボックス16の下部にスリ
ット状の開口部17を設け、蒸気12のウインドウ6への進
路を最小限としたことにより、ウインドウ6の汚れを抑
制でき、大気圧より低い圧力でのレーザー光7による加
熱処理を行うことができる。また光学系とミラー15の移
動にあわせてシャッター21を移動させ、レーザー光7が
通過する部分のみを開口とすることにより、さらに蒸気
12のウインドウ6への進路を限定でき、ウインドウ6の
汚れを抑制できる。
【0031】また大気圧より低い圧力で加熱処理を行う
ことにより、大気圧以上の不活性ガス雰囲気中で加熱処
理行う場合に比べて非晶質薄膜8を大粒径の多結晶薄膜
に転換できるとともに、処理室1内に存在するゴミなど
の異物の巻き上げによるガラス基板9上への付着を防止
できる。
【0032】上記構成において、N2 流量を0.1リットル
/minから10.0リットル/minとし、この流量で圧
力を10Paから1000Pa程度とすれば、ウインド
ウ6の汚れが抑制できるという効果が確認されている。
さらに、この範囲以外においても大気圧よりも低い圧力
であれば適切なN2 ガス流量と真空ポンプ19の組み合わ
せを選ぶことによって前記効果が得られる。 (実施の形態2)図6は実施の形態2における加熱処理
装置の処理室の断面図である。
【0033】実施の形態2では、上記実施の形態1にお
いて、ボックス16内に設けたN2 ガス導入経路13を、処
理室1内であって、ボックス16の外部に設け、ボックス
16に向けてN2 ガスを吹き付けるようにし、さらに処理
室1に設けたN2ガス 排出経路14を、ボックス16に接続
している。またウインドウ6とボックス16間に、N2
スの流れを形成する隙間を設けている。
【0034】この実施の形態2の作用を説明する。図6
に示すように、真空ポンプ19によりボックス16内部を真
空排気し続けた状態で、ボックス16の外部からボックス
16に向けてN2 ガスを吹き付けると、ボックス16内の圧
力は処理室1内の圧力より低くなり、ボックス16へ向け
てN2 ガスの流れ18が生じる。このN2 ガスの流れ18は
レーザー光7の照射により非晶質薄膜8が溶融すること
で生じる蒸気12を捕らえ、ボックス16内へ進行し、さら
に蒸気12はN2 ガスとともに真空ポンプ15により処理室
1外へ排気される。
【0035】このように本実施の形態2によれば、レー
ザー光7の照射により溶融した非晶質薄膜8から生じる
蒸気12のウインドウ6への進行を抑制でき、よってウイ
ンドウ6の汚れを抑制でき、大気圧より低い圧力でのレ
ーザー光7による加熱処理を行うことができる。また大
気圧より低い圧力で加熱処理を行うことにより、大気圧
以上の不活性ガス雰囲気中で加熱処理行う場合に比べて
非晶質薄膜8を大粒径の多結晶薄膜に転換できるととも
に、処理室1内に存在するゴミなどの異物の巻き上げに
よるガラス基板9上への付着を防止できる。
【0036】なお、上記実施の形態1,2において、ウ
インドウ6には合成石英を使用しているが、その他の光
学ガラスなども適用も可能であり、また非晶質薄膜8の
材料としてはシリコンのほか、他の半導体材料も適用可
能である。さらに、ボックス16の材質としてアルミニウ
ムを使用しているが、他の金属やセラミクスなどにも適
用可能である。また、前記不活性ガスにはN2 ガスのほ
かにHeガス、Arガスなども適用可能である。また、
圧力を一定に保持する方法としては真空計20からの情報
を圧力コントロラーに送り、圧力調整を行う方法も挙げ
られる。
【0037】また、前述の不活性ガスの吹き付けに関し
ては、ガラス基板9が処理室1に投入され、真空ゲート
5が閉じた後、いったん処理室1を真空引きし、その後
不活性ガスを導入しても良く、加熱処理装置が稼動中は
常に不活性ガスを導入し続けていてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボックス
内に不活性ガスを導入することにより、レーザー光の照
射により溶融した非晶質薄膜から生じる蒸気によるウイ
ンドウの汚れを抑制することができ、大気圧より低い圧
力での加熱処理が可能となり、また大気圧より低い圧力
で加熱処理を行うことにより、大気圧以上の不活性ガス
雰囲気中でレーザー光により加熱処理を行う場合に比べ
て非晶質薄膜を大粒径の多結晶薄膜に転換できるととも
に、処理室内に存在するゴミなどの異物の巻き上げによ
るガラス基板上への付着を防止できるという有利な効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における加熱処理装置の全
体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における加熱処理装置の
処理室の斜視図である。
【図3】同加熱処理装置の処理室の要部斜視図である。
【図4】同加熱処理装置の処理室の断面図である。
【図5】同加熱処理装置の処理室の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2による加熱処理装置の処
理室の断面図である。
【図7】従来の加熱処理装置の処理室の斜視図である。
【符号の説明】
1 処理室 2 ロードロック室 3 加熱室 4 移載室 5 真空ゲート 6 ウインドウ 7 レーザー光 8 非晶質薄膜 9 ガラス基板 10 基板ステージ 11 基板ステージガイド 12 溶融化した非晶質薄膜より生じる蒸気 13 N2 ガス導入経路 14 N2 ガス排出経路 15 光学系ミラー 16 ボックス 17 スリット状の開口部 18 N2ガスの流れ 19 真空ポンプ 20 真空計 21 シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 昌樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F052 AA02 BA07 BA18 CA04 DA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理室内に移載された基板上の非晶質薄
    膜を、前記処理室のウインドウを通して導かれたレーザ
    ー光によって加熱処理を行う加熱処理装置であって、 前記処理室内の前記ウインドウ直下に、前記レーザー光
    が通過できるスリット状の開口部を有するボックスを設
    け、 前記ボックス内に、不活性ガスを導入する不活性ガス導
    入経路を設け、 前記処理室内を真空排気して該処理室を大気圧より低い
    圧力に保持する排気手段を設けたことを特徴とする非晶
    質薄膜の加熱処理装置。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガス導入経路は、不活性ガス
    の吹き付けを、前記導入経路に設けたノズルにより前記
    ウインドウ内面に向けて行う構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載の非晶質薄膜の加熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガス導入経路は、不活性ガス
    の吹き付けを、前記導入経路に設けたノズルにより前記
    ボックスに設けたスリット状の開口部に向けて行う構成
    としたことを特徴とする請求項1記載の非晶質薄膜の加
    熱処理装置。
  4. 【請求項4】 処理室内に移載された基板上の非晶質薄
    膜を、前記処理室のウインドウを通して導かれたレーザ
    ー光によって加熱処理を行う加熱処理装置であって、 前記処理室内の前記ウインドウの下方に、前記レーザー
    光が通過できるスリット状の開口部を有するボックスを
    設け、 前記処理室内の前記ボックスの外部に、不活性ガスを導
    入する不活性ガス導入経路を設け、 前記ボックス内を真空排気して該ボックス内部を大気圧
    より低い圧力に保持する排気手段を設け、 前記不活性ガス導入経路は、不活性ガスの吹き付けを、
    前記導入経路に設けたノズルにより前記ボックスの外部
    から該ボックスに向けて行う構成としたことを特徴とす
    る非晶質薄膜の加熱処理装置。
  5. 【請求項5】 処理室内において、基板上に形成した非
    晶質薄膜をレーザー光によって加熱処理を行う加熱処理
    方法であって、 前記レーザー光の照射工程中に、前記処理室内を真空排
    気し続けた状態で、該処理室内に不活性ガスを吹き付け
    ながら、該処理室を大気圧より低い圧力に保持すること
    を特徴とする非晶質薄膜の加熱処理方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザー光を該処理室内へ導入する
    際に通過するウインドウ直下に、レーザー光が通過でき
    るスリット状の開口部を有するボックスを設け、 前記レーザー光の照射工程中の不活性ガスの吹き付け
    を、前記ウインドウ直下のボックス内にて該ウインドウ
    内面に向けて行うことを特徴とする請求項5記載の非晶
    質薄膜の加熱処理方法。
  7. 【請求項7】 前記レーザー光を該処理室内へ導入する
    際に通過するウインドウ直下に、レーザー光が通過でき
    るスリット状の開口部を有するボックスを設け、 前記レーザー光の照射工程中の不活性ガスの吹き付け
    を、前記ウインドウ直下のボックス内部から該ボックス
    に設けたスリット状の開口部に向けて行うことを特徴と
    する請求項5記載の非晶質薄膜の加熱処理方法。
  8. 【請求項8】 処理室内において、基板上に形成した非
    晶質薄膜をレーザー光によって加熱処理を行う加熱処理
    方法であって、 前記レーザー光を前記処理室内へ導入する際に通過する
    ウインドウの下方に、レーザー光が通過できるスリット
    状の開口部を有するボックスを設け、 前記レーザー光の照射工程中に、前記ボックス内部を連
    続的に排気した状態で、該ボックスの外部から該ボック
    スに向けて不活性ガスを吹き付け、前記ボックス内部を
    大気圧より低い圧力に保持することを特徴とする非晶質
    薄膜の加熱処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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