JP2000021648A - 静止誘導電器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のガス絶縁静止誘導電器の騒音には、冷却
ガスが静止誘導電器本体に流入した際に生じる流動音を
低減して、低騒音化すると云う課題があった。 【解決手段】本発明では、ガス配管から静止誘導電器本
体に流入する冷却ガスを供給する変圧器タンク側配管供
給口に冷却ガスを構造物に衝突させるのを避ける整流板
を設けて、構造物により乱れる流動音を低減し、ガス絶
縁静止誘導電器を低騒音、小型化した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、静止誘導電器本
体、ガスブロアおよび熱交換器とガス配管により接続さ
れた閉回路配管にて、冷却ガスを強制循環させるガス絶
縁静止誘導電器に関する。

【０００２】

【従来の技術】変電所等の変電設備に設置される変圧器
やリアクトル等の静止誘導電器は、絶縁媒体および冷却
媒体に絶縁油が使用されている。しかしながら、火災等
の安全性に対する周囲への配慮から、静止誘導電器に
は、可燃性である絶縁油に替わってＳＦ６等の不燃性且
つ高絶縁性ガスを絶縁媒体および冷却媒体として使用し
たガス絶縁静止誘導電器が用いられるようになってい
る。

【０００３】ガス絶縁静止誘導電器から発生する騒音と
しては、鉄心の磁歪に起因する静止誘導電器本体からの
騒音、ガス強制循環に使用するガスブロアで発生する騒
音、及びガス循環に起因する流動音等がある。

【０００４】従来、ガス絶縁静止誘導電器は地下空間、
或いはビルディング等建屋内に設置されることが多く、
低騒音化の要求はあまりなかったが、最近では地上で使
用されるケースが多くなり、低騒音のガス絶縁静止誘導
電器が要求されるようになった。

【０００５】通常、ガス絶縁静止誘導電器の低騒音化の
方法としては、ガス絶縁静止誘導電器全体を鉄板等の防
音壁で覆うか、ガスブロア自体の低騒音化、またはガス
ブロア及び配管全体を鉄板等で覆う方法が用いられてい
る。この方法では設備容積が大きくなり、コストも高い
ものとなる。ガス循環に起因する流動音は、ガスブロア
部で発生した騒音がガス中を伝播する事によって生じる
騒音が支配的と考えられていた。

【０００６】しかしながら、ガス配管より静止誘導電器
本体へ流入したガスが静止誘導電器本体内の構造物に直
接吹き付けられて、流れが乱された際に生じる流動音
が、静止誘導電器本体及び配管全体に伝播して騒音を増
大させ、ガス絶縁静止誘導電器全体の騒音値をより大き
なものとしている。

【０００７】この対策として、特開平４−１７９２０７
号公報には、絶縁媒体を熱交換器側に供給するタンク側
配管供給口を順次配管径より広くなる傾斜面を形成し、
乱流を防止して、騒音を小さくしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガスが
静止誘導電器本体内の構造物に直接吹き付けられた時に
生じる空気振動による騒音が依然として解消されない。

【０００９】本発明の目的は、絶縁媒体による空気振動
による流動音を低減した静止誘導電器を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の静止誘導電器
は、鉄心や巻線等の電気要素本体と、タンク内に収納し
た電気要素本体をタンク内に配置された構造物に支持
し、タンクと個別に設けた熱交換器との間を配管で連通
し、配管を介して絶縁媒体を循環させ、電気要素本体を
冷却するものにおいて、絶縁媒体を供給するタンク側配
管供給口に絶縁媒体を構造物に衝突するのを避ける整流
板を設け、絶縁媒体を構造物に衝突するのを防止し、空
気振動による流動音を低減することにある。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図１ない
し図３に示すガス絶縁変圧器に適用した場合を説明す
る。

【００１２】図１は、本発明の一実施例を示す変圧器本
体、熱交換器、ガスブロア、及びこれらを接続するため
のガス配管から構成されるガス絶縁変圧器の概略図であ
る。図１において、変圧器本体１Ａは巻線１、鉄心２よ
り成る。構造物３に支えられた変圧器本体１Ａは、変圧
器タンク４内に収納されている。変圧器タンク４と熱交
換器５との間はガス配管７aとガス配管７bとにより連結
している。

【００１３】下側のガス配管７bに設置されたガスブロ
ア６により、冷却ガス（例えばＳＦ６ガス）８が変圧器
本体１Ａの熱を奪って熱交換器５に送られ、冷却ガス
（例えばＳＦ６ガス）８を熱交換器５で冷却後、この冷
却ガス（例えばＳＦ６ガス）８を再び変圧器タンク内に
供給し、変圧器本体１Ａを冷却している。

【００１４】図２に示すように、ガス配管７ｃから変圧
器タンク４へ高圧の冷却ガス８が流入する。実際の変圧
器においては内部の構造は複雑であり、巻線や鉄心以外
にそれらを支持するための支持物等の構造物３が存在す
る。ガス配管７ｃ内での冷却ガス８のガス流は、タンク
側ガス配管の供給口９Ａを順次配管径より広くなる傾斜
面９を形成し、冷却ガス８のガス流の流れを弱めて、構
造物３に衝突させる。

【００１５】衝突圧により空気が振動して、更に流動音
を発生するが、本発明では図３に示すように冷却ガス８
を熱交換器側に供給するタンク側のガス配管７ｃの供給
口９Ａに冷却ガス８を構造物３に衝突させない整流板１
０を設けた。この結果、冷却ガス８は整流板１０に案内
されて、構造物３に衝突しにくくなり、整流板１０を設
けていない従来の変圧器に比べて、本発明の変圧器によ
れば、流動音を低減することが出来る。

【００１６】更に詳細に説明すると、図３は、ガス配管
７ｃと変圧器タンク４の接続部を示し、ガス配管７ｃか
ら変圧器タンク４へ高圧の冷却ガス８が流入している。
変圧器タンク４内に流入したガス流は、変圧器タンク４
内の複雑な構造により乱流となり、流動音を発生する
が、特に変圧器タンク４内に流入した際に最初に当たる
構造物３によって生じる乱流が速度、流量とも大きいた
め、特に流動音も大きなものとなる。ガス流の乱流を防
ぐため、整流板１０によって、変圧器タンク４内に流入
したガス流が構造物３へ直接当たらないように特定の方
向、すなわち最も障害物の少ない方向へと導びくことに
より、流動音が低減する。整流板１０の形状は、管状、
板状あるいはそれらを組み合わせた形状である。

【００１７】以上の説明は変圧器についての実施例であ
るが、リアクトルの場合も同様である。また、図４は図
３と異なり傾斜面９を設けること無く、直接供給口９Ａ
に整流板１０を設けたもので、上述と同様な作用効果を
得ることが出来る。尚、ガス絶縁変圧器について説明し
たが、それ以外の油入型変圧器にも使用できる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明の静止誘導電器に
よれば、整流板を設けることにより、変圧器タンク内に
流入したガス流が直接に構造物に当たらないように特定
の方向、即ち最も構造物ない方向へと導びくことによ
り、流動音を低減することが出来るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明をガス絶縁静止誘導電器に適用した実施
例として示したガス絶縁変圧器の概略断面図。

【図２】図１のガス絶縁変圧器におけるガス配管と変圧
器タンクとの接続部の拡大断面図。

【図３】図１におけるガス配管と変圧器タンクとの接続
部の拡大断面図。

【図４】本発明の他の実施例として示したガス絶縁変圧
器におけるガス配管と変圧器タンクとの接続部の拡大断
面図。

【符号の説明】

１・・・巻線、２・・・鉄心、３・・・構造物、４・・・変圧器タン
ク、５・・・熱交換器、６・・・ガスブロア、７ａ・・・ガス配
管、７ｂ・・・ガス配管、７ｃ・・・ガス配管、８・・・冷却ガ
ス、９・・・傾斜面、１０・・・整流板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄心や巻線等の電気要素本体と、タンク
   内に収納した電気要素本体をタンク内に配置された構造
   物に支持し、タンクと個別に設けた熱交換器との間を配
   管で連通し、配管を介して絶縁媒体を循環させ、電気要
   素本体を冷却するものにおいて、絶縁媒体を供給するタ
   ンク側配管供給口に絶縁媒体を構造物に衝突するのを避
   ける整流板を設けるを特徴とする静止誘導電器。