JP2000021634A - 螺旋インダクタ - Google Patents
螺旋インダクタInfo
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- JP2000021634A JP2000021634A JP10182045A JP18204598A JP2000021634A JP 2000021634 A JP2000021634 A JP 2000021634A JP 10182045 A JP10182045 A JP 10182045A JP 18204598 A JP18204598 A JP 18204598A JP 2000021634 A JP2000021634 A JP 2000021634A
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- inductor
- spiral
- conductor
- output line
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Abstract
(57)【要約】
【解決課題】 高周波域で有用な小型インダクタ、特に
許容電流が大きく、かつ、製造も容易な小型インダクタ
の提供。 【課題手段】 絶縁体基板上に導体路を螺旋状に形成し
てなるインダクタであって、(1)インダクタを分布定数
化するのに必要な広がりを有する導体層をさらに含み、
および/または、(2)自己容量(キャパシタンス)を抑
圧した構造を有することを特徴とする螺旋インダクタ。
許容電流が大きく、かつ、製造も容易な小型インダクタ
の提供。 【課題手段】 絶縁体基板上に導体路を螺旋状に形成し
てなるインダクタであって、(1)インダクタを分布定数
化するのに必要な広がりを有する導体層をさらに含み、
および/または、(2)自己容量(キャパシタンス)を抑
圧した構造を有することを特徴とする螺旋インダクタ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インダクタ、特に
螺旋インダクタに関する。
螺旋インダクタに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年、電子回路の小型化・高
周波化に対応するため、小型で、かつ、高周波域におい
て良好な特性を有するインダクタンス素子が求められる
ようになってきている。従来、インダクタンス素子とし
ては巻線コイルを用いたものが広く用いられてきたが、
巻線コイルでは小型化に限界がある。このため、厚膜印
刷あるいは薄膜形成等により小型化を試みたインダクタ
ンス素子が種々提案されている。
周波化に対応するため、小型で、かつ、高周波域におい
て良好な特性を有するインダクタンス素子が求められる
ようになってきている。従来、インダクタンス素子とし
ては巻線コイルを用いたものが広く用いられてきたが、
巻線コイルでは小型化に限界がある。このため、厚膜印
刷あるいは薄膜形成等により小型化を試みたインダクタ
ンス素子が種々提案されている。
【0003】厚膜印刷によるこのような小型インダクタ
の一例を図1に示す。この例では、セラミックグリーン
シート1a〜1k上のそれぞれの表面に一部を切り欠い
た円形またはコの字型の導体パターン2a〜2kを印刷
し、各パターンがそれぞれの端部において連結するよう
にビアホール3c等を設け、これらのグリーンシートを
重ねた後焼成することによってコイルを形成する。例え
ば、特開平10−92643号公報には、この手法の改
良法である積層チップインダクタの製造方法が記載され
ている。しかし、上記方法は、グリーンシート上に多数
個の導体パターンの印刷を行ない、これらを切断分離
し、各グリーンシート片を積層し焼成するという多段階
の操作が必須であり製造工程が複雑である。
の一例を図1に示す。この例では、セラミックグリーン
シート1a〜1k上のそれぞれの表面に一部を切り欠い
た円形またはコの字型の導体パターン2a〜2kを印刷
し、各パターンがそれぞれの端部において連結するよう
にビアホール3c等を設け、これらのグリーンシートを
重ねた後焼成することによってコイルを形成する。例え
ば、特開平10−92643号公報には、この手法の改
良法である積層チップインダクタの製造方法が記載され
ている。しかし、上記方法は、グリーンシート上に多数
個の導体パターンの印刷を行ない、これらを切断分離
し、各グリーンシート片を積層し焼成するという多段階
の操作が必須であり製造工程が複雑である。
【0004】そこで、三次元コイルに代えて二次元形状
の導体路を用いたインダクタも広く検討されている。例
えば、基板上にジグザグまたはクランク状に導体路を形
成したインダクタが知られている(例えば、特開平5-23
4759号)。また、螺旋(スパイラル)状に導体路を形成
したインダクタも提案されている。
の導体路を用いたインダクタも広く検討されている。例
えば、基板上にジグザグまたはクランク状に導体路を形
成したインダクタが知られている(例えば、特開平5-23
4759号)。また、螺旋(スパイラル)状に導体路を形成
したインダクタも提案されている。
【0005】しかし、一般にこれらの二次元形状の導体
路は、Q値が低く、高周波特性に劣るという問題があ
る。螺旋インダクタでは巻き数を増やすことによりイン
ダクタンスを増大させることができるが、巻き数を増や
すと占有面積が大きくなるため小型化の障害となる。そ
こで、薄膜形成技術を用いて線幅を小さくし、なおか
つ、膜厚を大きくする改良法が提案されている。
路は、Q値が低く、高周波特性に劣るという問題があ
る。螺旋インダクタでは巻き数を増やすことによりイン
ダクタンスを増大させることができるが、巻き数を増や
すと占有面積が大きくなるため小型化の障害となる。そ
こで、薄膜形成技術を用いて線幅を小さくし、なおか
つ、膜厚を大きくする改良法が提案されている。
【0006】例えば、特開平9-129471号公報には、リソ
グラフィ技術により基板に溝を刻み、この溝内に金属を
蒸着堆積することにより前記溝を充填して導体路を形成
する方法が記載されている。また、特開平10-144552号
公報には、高精度レジストマスクを用い、これを溝状に
エッチングし、メッキにより当該溝内に導体を堆積させ
た後、レジストを除去して導体パターンを形成する方法
が記載されている。しかし、これらの方法では、リソグ
ラフィ工程が不可欠である。また、いずれの方法にせよ
10μm以上の膜厚の導体ラインを得ることは難しい。
さらに、これらの薄膜形成によるインダクタは、螺旋パ
ターンの微細化のため許容電流が小さい(高々数百mA
程度)という問題もある。
グラフィ技術により基板に溝を刻み、この溝内に金属を
蒸着堆積することにより前記溝を充填して導体路を形成
する方法が記載されている。また、特開平10-144552号
公報には、高精度レジストマスクを用い、これを溝状に
エッチングし、メッキにより当該溝内に導体を堆積させ
た後、レジストを除去して導体パターンを形成する方法
が記載されている。しかし、これらの方法では、リソグ
ラフィ工程が不可欠である。また、いずれの方法にせよ
10μm以上の膜厚の導体ラインを得ることは難しい。
さらに、これらの薄膜形成によるインダクタは、螺旋パ
ターンの微細化のため許容電流が小さい(高々数百mA
程度)という問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解消し、特に高周波域で有用な小型インダク
タ、さらに許容電流が大きく、かつ、製造も容易な小型
インダクタの提供を目的とする。
問題点を解消し、特に高周波域で有用な小型インダク
タ、さらに許容電流が大きく、かつ、製造も容易な小型
インダクタの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を行ない、(1)インダクタに導
体層を付加し分布定数化することにより、インダクタの
直列抵抗が抑圧され、Q値が顕著に改善されることを見
出した。また、(2)自己容量(キャパシタンス)Csを
抑圧することにより、高周波域での利用に有利な特性を
示す螺旋インダクタが実現できることを見出した。さら
に、上記(1)および(2)の手法を併用することにより、高
周波域でもインダクタンスが変化しない無共振インダク
タが実現できることを見出した。本発明はこれらの知見
に基づくものである。すなわち、本発明は、以下の螺旋
インダクタを提供する。
解決するために鋭意検討を行ない、(1)インダクタに導
体層を付加し分布定数化することにより、インダクタの
直列抵抗が抑圧され、Q値が顕著に改善されることを見
出した。また、(2)自己容量(キャパシタンス)Csを
抑圧することにより、高周波域での利用に有利な特性を
示す螺旋インダクタが実現できることを見出した。さら
に、上記(1)および(2)の手法を併用することにより、高
周波域でもインダクタンスが変化しない無共振インダク
タが実現できることを見出した。本発明はこれらの知見
に基づくものである。すなわち、本発明は、以下の螺旋
インダクタを提供する。
【0009】(1) 絶縁体基板上に導体路を螺旋状に
形成してなるインダクタであって、(1)インダクタを分
布定数化するのに必要な広がりを有する導体層をさらに
含み、および/または、(2)自己容量(キャパシタン
ス)を抑圧した構造を有することを特徴とする螺旋イン
ダクタ。 (2) 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設け、当該
螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出してなる螺
旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダクタ出力
線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表面に前記
導体層を有する前記1に記載の螺旋インダクタ。
形成してなるインダクタであって、(1)インダクタを分
布定数化するのに必要な広がりを有する導体層をさらに
含み、および/または、(2)自己容量(キャパシタン
ス)を抑圧した構造を有することを特徴とする螺旋イン
ダクタ。 (2) 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設け、当該
螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出してなる螺
旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダクタ出力
線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表面に前記
導体層を有する前記1に記載の螺旋インダクタ。
【0010】(3) 螺旋状導体路−導体層間の容量C
aと螺旋状導体路−インダクタ出力線間の容量Cabにつ
いて、Ca>CabとなるようにCabを抑圧して無共振化
した前記2に記載の螺旋インダクタ。 (4) 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設け、当該
螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出してなる螺
旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダクタ出力
線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表面に第1
の導体層を有し、さらに、前記螺旋導体路およびインダ
クタ出力線上に絶縁層を介して第2の導体層を有する前
記1に記載の螺旋インダクタ。
aと螺旋状導体路−インダクタ出力線間の容量Cabにつ
いて、Ca>CabとなるようにCabを抑圧して無共振化
した前記2に記載の螺旋インダクタ。 (4) 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設け、当該
螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出してなる螺
旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダクタ出力
線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表面に第1
の導体層を有し、さらに、前記螺旋導体路およびインダ
クタ出力線上に絶縁層を介して第2の導体層を有する前
記1に記載の螺旋インダクタ。
【0011】(5) インダクタ出力線−第2の導体層
間の容量Cbと螺旋状導体路−インダクタ出力線間の容
量Cabについて、Cb>CabとなるようにCabを抑圧し
て無共振化した前記4に記載の螺旋インダクタ。 (6) 絶縁体基板の表裏にそれぞれ螺旋状導体路と導
体層を設け、前記螺旋の中心端から絶縁体基板および導
体層を貫いてインダクタ出力線を引き出した構造を有す
る前記1に記載の無共振螺旋インダクタ。 (7) インダクタ出力線を導体ワイヤとすることによ
り自己容量を抑圧した前記1乃至6のいずれかに記載の
螺旋インダクタ。
間の容量Cbと螺旋状導体路−インダクタ出力線間の容
量Cabについて、Cb>CabとなるようにCabを抑圧し
て無共振化した前記4に記載の螺旋インダクタ。 (6) 絶縁体基板の表裏にそれぞれ螺旋状導体路と導
体層を設け、前記螺旋の中心端から絶縁体基板および導
体層を貫いてインダクタ出力線を引き出した構造を有す
る前記1に記載の無共振螺旋インダクタ。 (7) インダクタ出力線を導体ワイヤとすることによ
り自己容量を抑圧した前記1乃至6のいずれかに記載の
螺旋インダクタ。
【0012】(8) 絶縁体基板が1GHzでのQ値が
100以上となる物質により形成される前記1乃至7の
いずれかに記載の螺旋インダクタ。 (9) MMIC(Monolithic Microwave Integrated C
ircuit)基板上に導体層およびシリカ層を積層し、この
上に前記螺旋状導体路を形成してなる、前記1乃至8の
いずれかに記載の螺旋インダクタ。 (10) 100MHz以上の周波数領域で使用される
前記1乃至9のいずれかに記載の高周波用螺旋インダク
タ。
100以上となる物質により形成される前記1乃至7の
いずれかに記載の螺旋インダクタ。 (9) MMIC(Monolithic Microwave Integrated C
ircuit)基板上に導体層およびシリカ層を積層し、この
上に前記螺旋状導体路を形成してなる、前記1乃至8の
いずれかに記載の螺旋インダクタ。 (10) 100MHz以上の周波数領域で使用される
前記1乃至9のいずれかに記載の高周波用螺旋インダク
タ。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、本発明の螺旋インダクタに
ついて詳述する。 (I)基本構造 本発明のインダクタは、絶縁体基板上に導体路を螺旋状
に形成してなる螺旋インダクタを基本構造とする。螺旋
インダクタの基本構造の一例を図2に示す。図2(a)に
示すように、螺旋インダクタは、絶縁体基板10上に螺
旋状導体路11、電極12、13を設けたものである。
また、螺旋インダクタでは、導体路の一端が螺旋の中央
に位置するため、絶縁層15(図2(a)では省略。)を
介して螺旋状導体路の上または下を延びて電極13と連
絡するインダクタ出力線14をさらに設ける必要があ
る。図2(b)(図2(a)のA−A′線に沿った断面図)で
は、導体路の上方をインダクタ出力線14が延びる例を
示した。
ついて詳述する。 (I)基本構造 本発明のインダクタは、絶縁体基板上に導体路を螺旋状
に形成してなる螺旋インダクタを基本構造とする。螺旋
インダクタの基本構造の一例を図2に示す。図2(a)に
示すように、螺旋インダクタは、絶縁体基板10上に螺
旋状導体路11、電極12、13を設けたものである。
また、螺旋インダクタでは、導体路の一端が螺旋の中央
に位置するため、絶縁層15(図2(a)では省略。)を
介して螺旋状導体路の上または下を延びて電極13と連
絡するインダクタ出力線14をさらに設ける必要があ
る。図2(b)(図2(a)のA−A′線に沿った断面図)で
は、導体路の上方をインダクタ出力線14が延びる例を
示した。
【0014】本発明の螺旋インダクタは、かかる基本構
造において、(1)導体層を設けて分布定数化する、(2)イ
ンダクタの自己容量Csの抑圧する、という2つの手法
の一方または両方を適用したことを特徴とする。すなわ
ち、本発明には、(i)上記の(1)の手法のみが適用された
螺旋インダクタ、(ii)上記の(2)の手法のみが適用され
た螺旋インダクタ、および(iii)上記の(1)と(2)の両方
の手法が適用された螺旋インダクタが含まれるが、以
下、(1)の手法およびその適用(次節(II))、(2)の手法
およびその適用((III))、(1)と(2)の手法の併用((I
V))の順で述べる。
造において、(1)導体層を設けて分布定数化する、(2)イ
ンダクタの自己容量Csの抑圧する、という2つの手法
の一方または両方を適用したことを特徴とする。すなわ
ち、本発明には、(i)上記の(1)の手法のみが適用された
螺旋インダクタ、(ii)上記の(2)の手法のみが適用され
た螺旋インダクタ、および(iii)上記の(1)と(2)の両方
の手法が適用された螺旋インダクタが含まれるが、以
下、(1)の手法およびその適用(次節(II))、(2)の手法
およびその適用((III))、(1)と(2)の手法の併用((I
V))の順で述べる。
【0015】(II)分布定数化 (a)構造 本発明の用いられる第一の手法は導体層を設けることに
よる分布定数化である。本節(b)で述べるように、分布
定数化により、インダクタの高Q値化が実現できる。ま
た、導体層を設けることにより、(III)節で述べる自己
容量の抑圧にも効果がある。さらに本節(c)で述べるよ
うに螺旋状導体路と導体層と間の容量を利用することに
より特異な周波数特性を得ることができる。本発明に従
い設けられる導体層は、螺旋インダクタにおいて分布定
数化が実現できる位置に、かつ、必要な広がりをもって
設ければよい。
よる分布定数化である。本節(b)で述べるように、分布
定数化により、インダクタの高Q値化が実現できる。ま
た、導体層を設けることにより、(III)節で述べる自己
容量の抑圧にも効果がある。さらに本節(c)で述べるよ
うに螺旋状導体路と導体層と間の容量を利用することに
より特異な周波数特性を得ることができる。本発明に従
い設けられる導体層は、螺旋インダクタにおいて分布定
数化が実現できる位置に、かつ、必要な広がりをもって
設ければよい。
【0016】具体的な構造としては以下の例が挙げられ
る。 構造A:絶縁体基板10の下に導体層16を設ける(図
3(a))。 構造B:Aの導体層16に加え、インダクタ出力線14
の上にさらに絶縁層17を介して導体層18を設ける
(図3(b))。 構造C:絶縁体基板10の表裏にそれぞれ螺旋状導体路
11と導体層16を設け、導体層16上に絶縁層19を
介してインダクタ出力線14を設ける(図3(c))。
る。 構造A:絶縁体基板10の下に導体層16を設ける(図
3(a))。 構造B:Aの導体層16に加え、インダクタ出力線14
の上にさらに絶縁層17を介して導体層18を設ける
(図3(b))。 構造C:絶縁体基板10の表裏にそれぞれ螺旋状導体路
11と導体層16を設け、導体層16上に絶縁層19を
介してインダクタ出力線14を設ける(図3(c))。
【0017】もっとも、分布定数化を実現できる限りに
おいて、これらの構造A〜C以外の位置に導体層を設け
ることも可能である。また、導体層は、分布定数化を図
るのに必要な広がりを有すればよく、例えば、上記構造
Aの場合、通常は絶縁体基板の裏面全面に導体層に設け
ればよいが、螺旋状導体路に対応する部分のみに設ける
など裏面の一部のみに導体層を設けることも可能であ
る。構造B,Cなどにおいても同様である。要するに、
下記(b)の説明に従い導体層による分布定数化が実現で
きればよい。
おいて、これらの構造A〜C以外の位置に導体層を設け
ることも可能である。また、導体層は、分布定数化を図
るのに必要な広がりを有すればよく、例えば、上記構造
Aの場合、通常は絶縁体基板の裏面全面に導体層に設け
ればよいが、螺旋状導体路に対応する部分のみに設ける
など裏面の一部のみに導体層を設けることも可能であ
る。構造B,Cなどにおいても同様である。要するに、
下記(b)の説明に従い導体層による分布定数化が実現で
きればよい。
【0018】Q値の改善効果は、導体層の伝導性および
絶縁体基板材料のQ値に依存する。したがって、導体層
は良導体により形成する必要があるが、具体的には、イ
ンダクタの用途やコストなどに応じて選択される。導体
層は、厚膜印刷、薄膜形成、金属箔の積層、メッキなど
の方法により形成できる。厚膜材料(導体ペースト)の
例としてはAg、Ag−Pt、Ag−Pd、Au、C
u、Niなどが挙げられる。薄膜形成では、スパッタリ
ングに代表される各種の方法が用いられ、Au、Cu、
Al、Niなどが用いられる。金属箔の例としてはC
u、Au、Niなどの材料からなるものが挙げられる。
金属箔を積層する方法は特に限定されないが、例えば、
絶縁性接着剤などを用いて貼り付けることにより、低イ
ンピーダンスの導体層を簡単に形成することができる。
特に導電性・加工性に優れた銅箔の利用が好ましい。
絶縁体基板材料のQ値に依存する。したがって、導体層
は良導体により形成する必要があるが、具体的には、イ
ンダクタの用途やコストなどに応じて選択される。導体
層は、厚膜印刷、薄膜形成、金属箔の積層、メッキなど
の方法により形成できる。厚膜材料(導体ペースト)の
例としてはAg、Ag−Pt、Ag−Pd、Au、C
u、Niなどが挙げられる。薄膜形成では、スパッタリ
ングに代表される各種の方法が用いられ、Au、Cu、
Al、Niなどが用いられる。金属箔の例としてはC
u、Au、Niなどの材料からなるものが挙げられる。
金属箔を積層する方法は特に限定されないが、例えば、
絶縁性接着剤などを用いて貼り付けることにより、低イ
ンピーダンスの導体層を簡単に形成することができる。
特に導電性・加工性に優れた銅箔の利用が好ましい。
【0019】(b)Q値の改善 本発明に従い導体層を設けることによる主要な効果は、
Q値の改善である。これは以下のように考えることがで
きる。 (b-1)インダクタにおけるQ値 初めにインダクタのQ値を決定する要素について概説す
る。例えば、直径aで長さbの導体線路(直列抵抗Rで
インダクタンス容量Lとする。)を考える。図4に示す
ようにこれを4端子回路網として見ると、その4端子定
数Faは式(1)に示される。
Q値の改善である。これは以下のように考えることがで
きる。 (b-1)インダクタにおけるQ値 初めにインダクタのQ値を決定する要素について概説す
る。例えば、直径aで長さbの導体線路(直列抵抗Rで
インダクタンス容量Lとする。)を考える。図4に示す
ようにこれを4端子回路網として見ると、その4端子定
数Faは式(1)に示される。
【0020】
【数1】
【0021】上記式において、短絡伝達インピーダンス
〔図4に示した4端子回路網の入力端1−1′に電圧E
1を印加し、出力端2−2′を短絡(接続)したときの
インピーダンスE1/I2〕は(1,2)要素、すなわち
B=Z=R+jωLであるから、
〔図4に示した4端子回路網の入力端1−1′に電圧E
1を印加し、出力端2−2′を短絡(接続)したときの
インピーダンスE1/I2〕は(1,2)要素、すなわち
B=Z=R+jωLであるから、
【数2】E1=B×I2=(R+jωL)I2 となる(図4の例ではI2=Ι1である。)。損失に寄与
する因子は直列抵杭Rのみである。インダクタンスLは
電圧および電流位相の変化に寄与するだけで損失には寄
与しない。ここで、ωL/Rは直列共振回路のQ値と呼
ばれ、Q値が高いほど直列抵抗Rは小さくなるので優れ
たインダクタとされている。
する因子は直列抵杭Rのみである。インダクタンスLは
電圧および電流位相の変化に寄与するだけで損失には寄
与しない。ここで、ωL/Rは直列共振回路のQ値と呼
ばれ、Q値が高いほど直列抵抗Rは小さくなるので優れ
たインダクタとされている。
【0022】(b-2)分布定数化 次にインダクタとして、図5に示す分布定数線路の4端
子回路網およびその4端子定数を考える。分布定数線路
は内部導体が外部導体で囲まれ、外部導体はGNDに接
続された構造となっている。いま内部導体を図4に示し
た導体線路とする。内部導体が単体で自由空間に置かれ
れば4端子定数は式(1)になるが、図5では外部導体
(GND)との間に生じる静電容量Cのために分布定数
線路化して4端子定数は次式(2)(前半)になる。
子回路網およびその4端子定数を考える。分布定数線路
は内部導体が外部導体で囲まれ、外部導体はGNDに接
続された構造となっている。いま内部導体を図4に示し
た導体線路とする。内部導体が単体で自由空間に置かれ
れば4端子定数は式(1)になるが、図5では外部導体
(GND)との間に生じる静電容量Cのために分布定数
線路化して4端子定数は次式(2)(前半)になる。
【0023】
【数3】
【0024】すなわち、短絡伝達インピーダンスBは次
式の通り。
式の通り。
【数4】 B=Ζosinhγ×b (3) ここで、伝搬定数γは、減衰定数をα、位相定数をβと
して、γ=α+jβで表わされるから、
して、γ=α+jβで表わされるから、
【数5】 E1=Ζosinh(α+jβ)×b×I2 (4) となる。損失に寄与する因子はαである。
【0025】高いQ値の誘電体材料を用いた場合、並列
コンダクタンスG(=ωC/Q)は無視できるほど小さ
くすることが可能であり、特性インピーダンスをZoと
するとαはR/2Zoとして近似できる。Zoは数十Ω以
上に容易に設計できる。また、導体線路用材料にCu,
Agなど、一般的な良導体を適用すればRは数Ω程度と
なるから、αは無視できるほど小さな値となる(よっ
て、式(2)後半)。式(1)および式(2)の短絡伝
達インピーダンスを対比して、
コンダクタンスG(=ωC/Q)は無視できるほど小さ
くすることが可能であり、特性インピーダンスをZoと
するとαはR/2Zoとして近似できる。Zoは数十Ω以
上に容易に設計できる。また、導体線路用材料にCu,
Agなど、一般的な良導体を適用すればRは数Ω程度と
なるから、αは無視できるほど小さな値となる(よっ
て、式(2)後半)。式(1)および式(2)の短絡伝
達インピーダンスを対比して、
【0026】
【数6】
【0027】すなわち、GNDを設け導体線路を分布定
数化することによりインダクタの直列抵抗Rの抑圧が可
能となり、高いQ値のインダクタが得られることとな
る。
数化することによりインダクタの直列抵抗Rの抑圧が可
能となり、高いQ値のインダクタが得られることとな
る。
【0028】(c)導体パターン−導体層間容量の利用 本発明に従い導体層を設けることにより、インダクタの
導体パターンと導体層との間の静電容量Cf(図8の等
価回路で示すC1およびC2)が生じる。一般に微小であ
ろうと導体に抵抗成分がある限りインダクタは自己容量
を有し高周波領域では誘導性から容量性に変化するが、
本発明に従い導体層を設け、上記の容量Cfを大きくす
ることにより、インダクタの容量性周波数領域での減衰
量を増大させることが可能である。
導体パターンと導体層との間の静電容量Cf(図8の等
価回路で示すC1およびC2)が生じる。一般に微小であ
ろうと導体に抵抗成分がある限りインダクタは自己容量
を有し高周波領域では誘導性から容量性に変化するが、
本発明に従い導体層を設け、上記の容量Cfを大きくす
ることにより、インダクタの容量性周波数領域での減衰
量を増大させることが可能である。
【0029】この性質の利用は実用上有益である。例え
ば、螺旋インダクタのマイクロ波用低域フィルタ(LP
F)への適用を考える。ここで、螺旋インダクタが容量
性に変化する周波数はLPFの通過帯域内ではなく遮断
領域にある。LPFの透過特性において螺旋インダクタ
が容量性に変化すると、遮断減衰量は増大から減少に転
じ劣化し始める。しかし、Cfを大きくすることでこの
劣化の抑圧が可能となる。言い換えれば、LPFにおけ
るインダクタは通過帯域内では誘導性であり容量値も設
計値である必要があるが、遮断領域では必ずしもその必
要はない。LPFの回路設計によっては容量性でも構わ
ない。なお、Cfを大きくする方法は螺旋パターン導体
幅の拡大、基板誘電率の増大、基板の薄板化等が実際的
な方法である。
ば、螺旋インダクタのマイクロ波用低域フィルタ(LP
F)への適用を考える。ここで、螺旋インダクタが容量
性に変化する周波数はLPFの通過帯域内ではなく遮断
領域にある。LPFの透過特性において螺旋インダクタ
が容量性に変化すると、遮断減衰量は増大から減少に転
じ劣化し始める。しかし、Cfを大きくすることでこの
劣化の抑圧が可能となる。言い換えれば、LPFにおけ
るインダクタは通過帯域内では誘導性であり容量値も設
計値である必要があるが、遮断領域では必ずしもその必
要はない。LPFの回路設計によっては容量性でも構わ
ない。なお、Cfを大きくする方法は螺旋パターン導体
幅の拡大、基板誘電率の増大、基板の薄板化等が実際的
な方法である。
【0030】(III)自己容量Csの抑圧 本発明において用いられる第二の手法は、インダクタの
自己容量の抑圧である。 すなわち、図6のインダクタ
の等価回路に示されるように、一般に、インダクタは自
己容量Csを有しているが、本発明では、自己容量Cs
を抑圧することにより、共振周波数を高周波数側にシフ
トさせることに成功した。この結果、より高い周波数で
も使用が可能となり高周波化に対応することが可能とな
る。Csには、図7(a)(図2(b)を模式的に表わした
図)に示すように、インダクタの導体線路間の電磁界の
結合による容量Cs1と螺旋パターンの導体とインダクタ
出力線との間に生じる容量Cs2が含まれる。自己容量C
sはCs1とCs2との和と考えてよいので、Csの抑圧と
はCs1の抑圧とCs2の抑圧を意味する。
自己容量の抑圧である。 すなわち、図6のインダクタ
の等価回路に示されるように、一般に、インダクタは自
己容量Csを有しているが、本発明では、自己容量Cs
を抑圧することにより、共振周波数を高周波数側にシフ
トさせることに成功した。この結果、より高い周波数で
も使用が可能となり高周波化に対応することが可能とな
る。Csには、図7(a)(図2(b)を模式的に表わした
図)に示すように、インダクタの導体線路間の電磁界の
結合による容量Cs1と螺旋パターンの導体とインダクタ
出力線との間に生じる容量Cs2が含まれる。自己容量C
sはCs1とCs2との和と考えてよいので、Csの抑圧と
はCs1の抑圧とCs2の抑圧を意味する。
【0031】(a)Cs1の抑圧 Cs1を抑圧する具体的方法としては、上述の導電層(G
ND電極)を設ける方法が有効である。これは、図7
(b)に示すように、GNDが設けられると、螺旋パター
ン間で結合していた電磁界の一部はGNDに結合するよ
うになるためである。GNDを設けた構造において、絶
縁体基板の厚さt1を薄くすることにより、さらにCs1
が抑制される。これは、基板厚みが薄くなるほどGND
に結合する電磁界の割合は大きくなり、その分Cs1が抑
圧されることによる。
ND電極)を設ける方法が有効である。これは、図7
(b)に示すように、GNDが設けられると、螺旋パター
ン間で結合していた電磁界の一部はGNDに結合するよ
うになるためである。GNDを設けた構造において、絶
縁体基板の厚さt1を薄くすることにより、さらにCs1
が抑制される。これは、基板厚みが薄くなるほどGND
に結合する電磁界の割合は大きくなり、その分Cs1が抑
圧されることによる。
【0032】(b)Cs2の抑圧 Cs2の抑圧は、以下の3つの方法を含む。第1にはイン
ダクタ出力線の線幅を小さくすること、第2にはインダ
クタ出力線と螺旋パターンとの絶縁層の厚みt2を厚く
すること、第3には当該絶縁層の誘電率を小さくするこ
とである。インダクタ出力線の線幅を小さくする具体的
方法としては、インダクタ出力線をワイヤボンドで形成
する方法が有効である。例えば、インダクタ出力線と螺
旋パターンとの絶縁層の厚みt2を増すための具体的方
法としては、両面厚膜印刷基板や低温積層基板技術を適
用する方法が挙げられる。誘電率を小さくするために好
適な絶縁層の材料としては、例えば、低温積層材料〔L
TCC(例えばεr=6.8)〕が挙げられる。
ダクタ出力線の線幅を小さくすること、第2にはインダ
クタ出力線と螺旋パターンとの絶縁層の厚みt2を厚く
すること、第3には当該絶縁層の誘電率を小さくするこ
とである。インダクタ出力線の線幅を小さくする具体的
方法としては、インダクタ出力線をワイヤボンドで形成
する方法が有効である。例えば、インダクタ出力線と螺
旋パターンとの絶縁層の厚みt2を増すための具体的方
法としては、両面厚膜印刷基板や低温積層基板技術を適
用する方法が挙げられる。誘電率を小さくするために好
適な絶縁層の材料としては、例えば、低温積層材料〔L
TCC(例えばεr=6.8)〕が挙げられる。
【0033】(IV)無共振化 本発明の螺旋インダクタは、上記の(II)または(III)の
構造のいずれかを有すればよいが、両者を合わせて用い
ることにより、さらに、インダクタの無共振化が実現で
きることが見出された。すなわち、通常、インダクタは
共振点を有する。共振周波数付近での容量Lの著しい増
大のために、一般的には、インダクタは共振周波数の約
1/3以下の周波数領域でしか用いられない。ところ
が、螺旋インダクタに導体層を設け、さらに、Cs2を抑
圧することにより、無共振化が起こることが見出され
た。
構造のいずれかを有すればよいが、両者を合わせて用い
ることにより、さらに、インダクタの無共振化が実現で
きることが見出された。すなわち、通常、インダクタは
共振点を有する。共振周波数付近での容量Lの著しい増
大のために、一般的には、インダクタは共振周波数の約
1/3以下の周波数領域でしか用いられない。ところ
が、螺旋インダクタに導体層を設け、さらに、Cs2を抑
圧することにより、無共振化が起こることが見出され
た。
【0034】Cs2抑圧の具体的条件は螺旋インダクタの
構造によって決まる。例えば、図3(a)に示す構造で
は、螺旋状導体路11−導体層16間の容量の絶対値C
aと螺旋状導体路11−インダクタ出力線14間の容量
(=Cs2)の絶対値Cabについて、少なくともCa>Ca
bとなるようにCabを抑圧する。同様に、図3(b)に示す
構造では、インダクタ出力線14−第2の導体層18間
の容量の絶対値Cbと螺旋状導体路11−インダクタ出
力線14間の容量の絶対値Cabについて、少なくともC
b>CabとなるようにCabを抑圧する。すなわち、上記
の各構造またはこれに類する構造では、CabをCaまた
はCb以下に低減していくことにより、無共振化が起こ
る。抑圧率(Cab/CaまたはCab/Cb)は、使用する
絶縁体材料や導体の種類、各部の寸法により異なる。も
っとも、これらは図3(a)〜(b)に模式的に示す構造にお
ける通常の条件であり、各部の構造によっては上記の範
囲外でもよい。螺旋インダクタ構造において導体層の付
設とCabの抑圧により無共振化した螺旋インダクタは本
発明の範囲に含まれる。Cabの低減は上記(III)(b)に従
って行なえばよい。また、図3(c)に模式的に示す構造
では、一般にCa>>Cabとなり、無共振化が実現でき
る。なお、図3(c)では、インダクタ出力線14を(螺
旋インダクタ11の形成された面から見て)裏面側に引
き出すための孔は空隙としてあるが、適当な絶縁材料
(例えば、絶縁層19と同様の材料)により当該引き出
し孔を充填してもよい。
構造によって決まる。例えば、図3(a)に示す構造で
は、螺旋状導体路11−導体層16間の容量の絶対値C
aと螺旋状導体路11−インダクタ出力線14間の容量
(=Cs2)の絶対値Cabについて、少なくともCa>Ca
bとなるようにCabを抑圧する。同様に、図3(b)に示す
構造では、インダクタ出力線14−第2の導体層18間
の容量の絶対値Cbと螺旋状導体路11−インダクタ出
力線14間の容量の絶対値Cabについて、少なくともC
b>CabとなるようにCabを抑圧する。すなわち、上記
の各構造またはこれに類する構造では、CabをCaまた
はCb以下に低減していくことにより、無共振化が起こ
る。抑圧率(Cab/CaまたはCab/Cb)は、使用する
絶縁体材料や導体の種類、各部の寸法により異なる。も
っとも、これらは図3(a)〜(b)に模式的に示す構造にお
ける通常の条件であり、各部の構造によっては上記の範
囲外でもよい。螺旋インダクタ構造において導体層の付
設とCabの抑圧により無共振化した螺旋インダクタは本
発明の範囲に含まれる。Cabの低減は上記(III)(b)に従
って行なえばよい。また、図3(c)に模式的に示す構造
では、一般にCa>>Cabとなり、無共振化が実現でき
る。なお、図3(c)では、インダクタ出力線14を(螺
旋インダクタ11の形成された面から見て)裏面側に引
き出すための孔は空隙としてあるが、適当な絶縁材料
(例えば、絶縁層19と同様の材料)により当該引き出
し孔を充填してもよい。
【0035】(V)その他 本発明の螺旋インダクタにおける上記以外の要素は、下
記の通り構成される。 (a)螺旋導体路 螺旋状導体路の形状は、既知の螺旋インダクタと同様で
よい。図2に示すような円形螺旋でもよいし、矩形螺旋
でもよい。楕円形などの変形した円形螺旋、三角形、五
角形その他の多角形螺旋またはこれらの多角形において
頂点に曲率を持たせた形状でもよい。
記の通り構成される。 (a)螺旋導体路 螺旋状導体路の形状は、既知の螺旋インダクタと同様で
よい。図2に示すような円形螺旋でもよいし、矩形螺旋
でもよい。楕円形などの変形した円形螺旋、三角形、五
角形その他の多角形螺旋またはこれらの多角形において
頂点に曲率を持たせた形状でもよい。
【0036】導体線路の形成材料は、一般に螺旋インダ
クタで用いられている良導体が使用できる。このような
良導体の例としては、Cu、Ag、Au、あるいは、こ
れらをベースとする導体ペースト材料が挙げられる。導
体路の線幅、厚み、螺旋の巻き数および螺旋寸法等は、
導体路の形成方法、所望の許容電流量、インダクタンス
などに応じて決定される。
クタで用いられている良導体が使用できる。このような
良導体の例としては、Cu、Ag、Au、あるいは、こ
れらをベースとする導体ペースト材料が挙げられる。導
体路の線幅、厚み、螺旋の巻き数および螺旋寸法等は、
導体路の形成方法、所望の許容電流量、インダクタンス
などに応じて決定される。
【0037】従来技術では、占有面積を縮小しQ値を改
善するために薄膜形成技術により線幅を縮小する手法が
採られており、許容電流等が低下するという問題を生じ
ていたが、本発明では、薄膜形成のみならず、厚膜印刷
やワイヤボンディングによる螺旋状導体路の形成が可能
である。この結果、例えば、厚膜印刷では、直径0.5〜
10mm程度で、許容電流500〜1000mA、1〜
100nH程度のインダクタを得ることができる。この
ように、本発明の螺旋インダクタでは、分布定数化やイ
ンダクタ構造内のキャパシタンスCsの抑圧のための条
件に反しない限りにおいて、目的に応じた寸法条件を用
いることができ、従来の螺旋インダクタの制約を超えた
インダクタが実現できる。
善するために薄膜形成技術により線幅を縮小する手法が
採られており、許容電流等が低下するという問題を生じ
ていたが、本発明では、薄膜形成のみならず、厚膜印刷
やワイヤボンディングによる螺旋状導体路の形成が可能
である。この結果、例えば、厚膜印刷では、直径0.5〜
10mm程度で、許容電流500〜1000mA、1〜
100nH程度のインダクタを得ることができる。この
ように、本発明の螺旋インダクタでは、分布定数化やイ
ンダクタ構造内のキャパシタンスCsの抑圧のための条
件に反しない限りにおいて、目的に応じた寸法条件を用
いることができ、従来の螺旋インダクタの制約を超えた
インダクタが実現できる。
【0038】(b)絶縁体基板 絶縁体基板は、高周波特性を改善するためには、薄い方
が好ましいが、基板厚みが薄くなるに従い導電層に向け
て漏れる漏れ電流が増加しインダクタのQ値が低下す
る。従って、絶縁体基板は1GHzでのQ値が100以
上となる物質により形成することが好ましい。基板を薄
く設計した場合に十分なQ値を維持するためである。こ
のような材料の例としては、高周波誘電体、例えば、ア
ルミナ(一般には純度90%以上のAl2O3)、ムライ
ト(3Al2O3・2SiO2)、ステアタイト(MgO
・SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、ペロブス
カイト型化合物などが挙げられる。Q値の大きさ、製造
コストなどの点から、96アルミナによる厚さ0.3〜1.2
mm程度の絶縁体基板が好ましい。
が好ましいが、基板厚みが薄くなるに従い導電層に向け
て漏れる漏れ電流が増加しインダクタのQ値が低下す
る。従って、絶縁体基板は1GHzでのQ値が100以
上となる物質により形成することが好ましい。基板を薄
く設計した場合に十分なQ値を維持するためである。こ
のような材料の例としては、高周波誘電体、例えば、ア
ルミナ(一般には純度90%以上のAl2O3)、ムライ
ト(3Al2O3・2SiO2)、ステアタイト(MgO
・SiO2)、窒化アルミニウム(AlN)、ペロブス
カイト型化合物などが挙げられる。Q値の大きさ、製造
コストなどの点から、96アルミナによる厚さ0.3〜1.2
mm程度の絶縁体基板が好ましい。
【0039】以上の説明では、絶縁体基板上に1個のイ
ンダクタを形成した態様について説明してきたが、イン
ダクタアレイやMMIC(Monolithic Microwave Integr
atedCircuit)にも本発明は適用できる。例えば、MMI
Cでは、シリコンまたはGaAs等の化合物半導体から
なる基板上に導体層を形成し、さらにシリカ等の絶縁体
層を堆積させ、その上に螺旋インダクタを形成する。
ンダクタを形成した態様について説明してきたが、イン
ダクタアレイやMMIC(Monolithic Microwave Integr
atedCircuit)にも本発明は適用できる。例えば、MMI
Cでは、シリコンまたはGaAs等の化合物半導体から
なる基板上に導体層を形成し、さらにシリカ等の絶縁体
層を堆積させ、その上に螺旋インダクタを形成する。
【0040】
【実施例】以下に、本発明に従って作成した螺旋インダ
クタの具体的作成例とその効果を示す。なお、以下の例
において、周波数特性の測定は、インダクタを治具に固
定し、治具をヒューレット・パッカード社製ネットワー
クアナライザHP8722Cと専用ケーブルにより接続
して行なった。測定器は、0.05〜10.05GHzの周波数
範囲でSOLT校正した。
クタの具体的作成例とその効果を示す。なお、以下の例
において、周波数特性の測定は、インダクタを治具に固
定し、治具をヒューレット・パッカード社製ネットワー
クアナライザHP8722Cと専用ケーブルにより接続
して行なった。測定器は、0.05〜10.05GHzの周波数
範囲でSOLT校正した。
【0041】比較試料の作成 厚さ0.64mm、4.5mm×3.2mmの96アルミナ基板の
片面に導体ペースト(Ag−Pt)を用いて、図9に示
す形状および巻き数の螺旋状導体パターン(直径:2.4
mm;導体幅:約120μm;膜厚:約4μm;ライン
間距離:約120μm)および電極を印刷したC1層、
COG(Cross Over Glass)絶縁層、インダクタ引出線
(長さ:3mm;導体幅:約200μm;膜厚:約4μ
m)であるC2層、および、OG(Over Glass)保護層を
印刷し焼成した。なお、COG層の中央には、C1層の
螺旋の中心に対応する位置に孔を設けて螺旋状導体路の
中央端とインダクタ引出線の端部とを接続した。かくし
て作成された螺旋インダクタ(比較試料A)のインダク
タンスは、約20nH(測定周波数:550MHz)で
あった。また、螺旋状導体パターンを図10のパターン
に変えた他は比較試料Aと同様にして螺旋インダクタ
(比較試料B)を作成した。このインダクタのインダク
タンスは、約6.5nH(測定周波数:550MHz)で
ある。
片面に導体ペースト(Ag−Pt)を用いて、図9に示
す形状および巻き数の螺旋状導体パターン(直径:2.4
mm;導体幅:約120μm;膜厚:約4μm;ライン
間距離:約120μm)および電極を印刷したC1層、
COG(Cross Over Glass)絶縁層、インダクタ引出線
(長さ:3mm;導体幅:約200μm;膜厚:約4μ
m)であるC2層、および、OG(Over Glass)保護層を
印刷し焼成した。なお、COG層の中央には、C1層の
螺旋の中心に対応する位置に孔を設けて螺旋状導体路の
中央端とインダクタ引出線の端部とを接続した。かくし
て作成された螺旋インダクタ(比較試料A)のインダク
タンスは、約20nH(測定周波数:550MHz)で
あった。また、螺旋状導体パターンを図10のパターン
に変えた他は比較試料Aと同様にして螺旋インダクタ
(比較試料B)を作成した。このインダクタのインダク
タンスは、約6.5nH(測定周波数:550MHz)で
ある。
【0042】実施例1 以下の例では、導体層を設けることによる高Q値化の例
を示す。比較試料Aのインダクタにおいて第1層の裏面
全面にAg−Pt導電ペーストを厚膜印刷し、焼成する
ことにより導体層を設け、本発明の螺旋インダクタを作
成した(試料1)。また、導体ペーストの印刷に代えて
厚さ70μmの銅箔を絶縁性接着剤を用いて貼り付た他
は実施例1と同様にして本発明の螺旋インダクタを作成
した(試料2)。これらの螺旋インダクタのQ値および
550MHzで測定したインダクタンスの値を、比較試
料Aの螺旋インダクタについての測定値とともに表1に
示す。
を示す。比較試料Aのインダクタにおいて第1層の裏面
全面にAg−Pt導電ペーストを厚膜印刷し、焼成する
ことにより導体層を設け、本発明の螺旋インダクタを作
成した(試料1)。また、導体ペーストの印刷に代えて
厚さ70μmの銅箔を絶縁性接着剤を用いて貼り付た他
は実施例1と同様にして本発明の螺旋インダクタを作成
した(試料2)。これらの螺旋インダクタのQ値および
550MHzで測定したインダクタンスの値を、比較試
料Aの螺旋インダクタについての測定値とともに表1に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示されるように、導電層(GND)
を設けた試料1〜2では、Q値が大きく改善されてい
る。特に銅箔を適用した場合(試料2)には改善の効果
は著しい。厚膜焼成導体、金属スパッタ膜、金属メッキ
膜のインピーダンスは母体材料のそれよりかなり高い。
これに対して銅箔のインピーダンスは純銅の導電率で与
えられる。銅箔の適用による著しいQ値の改善効果はG
NDインピーダンスが最も抑圧された結果であろう。な
お、GND構造を有することで螺旋インダクタのインダ
クタンスLは若干低下しているが、大きな変化ではな
い。また、0.8A程度の電流にも十分に耐え得ることが
確認された。
を設けた試料1〜2では、Q値が大きく改善されてい
る。特に銅箔を適用した場合(試料2)には改善の効果
は著しい。厚膜焼成導体、金属スパッタ膜、金属メッキ
膜のインピーダンスは母体材料のそれよりかなり高い。
これに対して銅箔のインピーダンスは純銅の導電率で与
えられる。銅箔の適用による著しいQ値の改善効果はG
NDインピーダンスが最も抑圧された結果であろう。な
お、GND構造を有することで螺旋インダクタのインダ
クタンスLは若干低下しているが、大きな変化ではな
い。また、0.8A程度の電流にも十分に耐え得ることが
確認された。
【0045】実施例2 以下の例では、Cs1の抑圧による高周波化の例を示す。
絶縁性基板の厚みを代えた他は試料2と同様にして、絶
縁層基板の厚みが0.40mmの螺旋インダクタ(試料3
A)、0.25mmの螺旋インダクタ(試料4A)を作成し
た。また、試料3A、試料4Aにおいて、螺旋パターン
を比較試料Bと同様にすることにより、試料3B、試料
4Bをそれぞれ作成した。これらの試料2、3A、3
B、4A、4Bの共振周波数を表2に示す。表2に示さ
れるように、導電層を設けた螺旋インダクタにおいて絶
縁体基板の厚みを減少させてCs1を抑圧することによ
り、螺旋インダクタの共振周波数が高周波数側にシフト
することがわかる。
絶縁性基板の厚みを代えた他は試料2と同様にして、絶
縁層基板の厚みが0.40mmの螺旋インダクタ(試料3
A)、0.25mmの螺旋インダクタ(試料4A)を作成し
た。また、試料3A、試料4Aにおいて、螺旋パターン
を比較試料Bと同様にすることにより、試料3B、試料
4Bをそれぞれ作成した。これらの試料2、3A、3
B、4A、4Bの共振周波数を表2に示す。表2に示さ
れるように、導電層を設けた螺旋インダクタにおいて絶
縁体基板の厚みを減少させてCs1を抑圧することによ
り、螺旋インダクタの共振周波数が高周波数側にシフト
することがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】実施例3 以下の例では、Cs2の抑圧による高周波化の例を示す。
比較試料A、Bにおいて、インダクタ引出線を直径18
0μmの銅線に代え、螺旋導体路との間に約1mmの空
隔を設ける(すなわち、銅線と螺旋導体路の間の絶縁層
は空気層となる。)ことにより、Cs2を抑圧した試料5
A、5Bをそれぞれ作成した。結果を表2に示す。この
例では、導電層(GND)が無いにもかかわらず共振周
波数の改善効果は大きく、Cs2の抑圧が共振周波数の改
善に最も効果的であることがわかる。
比較試料A、Bにおいて、インダクタ引出線を直径18
0μmの銅線に代え、螺旋導体路との間に約1mmの空
隔を設ける(すなわち、銅線と螺旋導体路の間の絶縁層
は空気層となる。)ことにより、Cs2を抑圧した試料5
A、5Bをそれぞれ作成した。結果を表2に示す。この
例では、導電層(GND)が無いにもかかわらず共振周
波数の改善効果は大きく、Cs2の抑圧が共振周波数の改
善に最も効果的であることがわかる。
【0048】実施例4 以下の例では、導電層による分布定数化とCsの抑圧を
合わせて用いることによる無共振化の例を示す。試料5
A、5Bの螺旋インダクタ試料に銅箔による導電層(G
ND)を設けた試料6A、6Bを作成し、それぞれのLo
gMag(S21)を測定した。また、比較のため導電層を設
けていない試料5A、5BについてもLogMag(S21)を
測定した。結果を図11(A)(20nHインダクタ)お
よび(B)(6.5nHインダクタ)にまとめて示した。実線
で示した曲線がGNDを有する試料6A、6Bの特性を
示し、破線で示した曲線がGNDを有していない試料5
A、5Bの特性を示している。本発明によりGNDを設
け、かつ、Cs2を抑制した螺旋インダクタは共振しない
ことがわかる。
合わせて用いることによる無共振化の例を示す。試料5
A、5Bの螺旋インダクタ試料に銅箔による導電層(G
ND)を設けた試料6A、6Bを作成し、それぞれのLo
gMag(S21)を測定した。また、比較のため導電層を設
けていない試料5A、5BについてもLogMag(S21)を
測定した。結果を図11(A)(20nHインダクタ)お
よび(B)(6.5nHインダクタ)にまとめて示した。実線
で示した曲線がGNDを有する試料6A、6Bの特性を
示し、破線で示した曲線がGNDを有していない試料5
A、5Bの特性を示している。本発明によりGNDを設
け、かつ、Cs2を抑制した螺旋インダクタは共振しない
ことがわかる。
【0049】これらの螺旋インダクタの等価回路を図8
と仮定してSパラメータの測定値により容量を計算によ
り求め、図12(A)および(B)にインダクタンスL(容量
性領域ではキャパシタンスC)の周波数変化を示した。
破線に示した共振するインダクタでは共振周波数の1/
3程度の周波数からインダクタンスが増大し姶めている
のに対して、実線に示した共振しないインダクタでは容
量Lの増大は見られず、高い周波数まで一定であること
がわかる。表3〜4には図8の等価回路の各パラメータ
を示した。GNDにより螺旋インダクタは分布定数化さ
れて直列抵抗値Rも小さい。共振しないインダクタは実
用上有益であることがわかる。
と仮定してSパラメータの測定値により容量を計算によ
り求め、図12(A)および(B)にインダクタンスL(容量
性領域ではキャパシタンスC)の周波数変化を示した。
破線に示した共振するインダクタでは共振周波数の1/
3程度の周波数からインダクタンスが増大し姶めている
のに対して、実線に示した共振しないインダクタでは容
量Lの増大は見られず、高い周波数まで一定であること
がわかる。表3〜4には図8の等価回路の各パラメータ
を示した。GNDにより螺旋インダクタは分布定数化さ
れて直列抵抗値Rも小さい。共振しないインダクタは実
用上有益であることがわかる。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明のインダクタは導電層の付加およ
び/または自己容量(キャパシタンス)の抑圧により高
Q値化・高周波化を実現するため、厚膜印刷あるいは導
体ワイヤからなる螺旋インダクタに適用することが可能
である。従って、小型で、高Q値であり、しかも高周波
域での利用に適したインダクタを廉価な製造コストを得
ることができる。また、螺旋インダクタであるため、巻
き数の増減によりインダクタンス値の調整が容易であ
る。さらに、本発明による無共振インダクタは高い周波
数までインダクタンス値が一定しており直列抵抗値Rも
小さい。従って、高周波域、例えば、100MHz以上
の周波数領域で有用であり、例えば、チップインダク
タ、フィルタ用インダクタ成分などの分野において極め
て有用性が高い。
び/または自己容量(キャパシタンス)の抑圧により高
Q値化・高周波化を実現するため、厚膜印刷あるいは導
体ワイヤからなる螺旋インダクタに適用することが可能
である。従って、小型で、高Q値であり、しかも高周波
域での利用に適したインダクタを廉価な製造コストを得
ることができる。また、螺旋インダクタであるため、巻
き数の増減によりインダクタンス値の調整が容易であ
る。さらに、本発明による無共振インダクタは高い周波
数までインダクタンス値が一定しており直列抵抗値Rも
小さい。従って、高周波域、例えば、100MHz以上
の周波数領域で有用であり、例えば、チップインダク
タ、フィルタ用インダクタ成分などの分野において極め
て有用性が高い。
【図1】従来の小型インダクタの構成例を示す斜視図。
【図2】螺旋インダクタの基本構造を示す模式図。
【図3】本発明による螺旋インダクタの構造を示す模式
的断面図。
的断面図。
【図4】4端子回路網として見たインダクタを示す模式
図。
図。
【図5】4端子回路網として見た分布定数化されたイン
ダクタを示す模式図。
ダクタを示す模式図。
【図6】インダクタの等価回路図。
【図7】インダクタにおける自己容量の発生機構を示す
模式的断面図。
模式的断面図。
【図8】本発明のインダクタにおける浮遊容量に着目し
た等価回路図。
た等価回路図。
【図9】厚膜印刷によるインダクタ(20nH)の構造
を示す模式図。
を示す模式図。
【図10】厚膜印刷による螺旋インダクタ(6.5n
H)の構造を示す模式図。
H)の構造を示す模式図。
【図11】本発明によるインダクタと比較例のインダク
タの周波数特性を対比して示したグラフ。
タの周波数特性を対比して示したグラフ。
【図12】本発明によるインダクタと比較例のインダク
タのインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の周
波数依存性を対比して示したグラフ。
タのインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の周
波数依存性を対比して示したグラフ。
1a〜1k セラミックグリーンシート 2a〜2k 導体パターン 3c ビアホール 10 絶縁性基板 11 螺旋状導体路 12、13 電極 14 インダクタ出力線 15、19 絶縁層 16 導体層
Claims (10)
- 【請求項1】 絶縁体基板上に導体路を螺旋状に形成し
てなるインダクタであって、(1)インダクタを分布定数
化するのに必要な広がりを有する導体層をさらに含み、
および/または、(2)自己容量(キャパシタンス)を抑
圧した構造を有することを特徴とする螺旋インダクタ。 - 【請求項2】 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設
け、当該螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出し
てなる螺旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダ
クタ出力線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表
面に前記導体層を有する請求項1に記載の螺旋インダク
タ。 - 【請求項3】 螺旋状導体路−導体層間の容量Caと螺
旋状導体路−インダクタ出力線間の容量Cabについて、
Ca>CabとなるようにCabを抑圧して無共振化した請
求項2に記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項4】 絶縁体基板の表面に螺旋状導体路を設
け、当該螺旋の中心点からインダクタ出力線を引き出し
てなる螺旋インダクタであって、螺旋状導体路とインダ
クタ出力線が設けられた面とは反対側の絶縁体基板の表
面に第1の導体層を有し、さらに、前記螺旋導体路およ
びインダクタ出力線上に絶縁層を介して第2の導体層を
有する請求項1に記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項5】 インダクタ出力線−第2の導体層間の容
量Cbと螺旋状導体路−インダクタ出力線間の容量Cab
について、Cb>CabとなるようにCabを抑圧して無共
振化した請求項4に記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項6】 絶縁体基板の表裏にそれぞれ螺旋状導体
路と導体層を設け、前記螺旋の中心端から絶縁体基板お
よび導体層を貫いてインダクタ出力線を引き出した構造
を有する請求項1に記載の無共振螺旋インダクタ。 - 【請求項7】 インダクタ出力線を導体ワイヤとするこ
とにより自己容量を抑圧した請求項1乃至6のいずれか
に記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項8】 絶縁体基板が1GHzでのQ値が100
以上となる物質により形成される請求項1乃至7のいず
れかに記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項9】 MMIC(Monolithic Microwave Integr
ated Circuit)基板上に導体層およびシリカ層を積層
し、この上に前記螺旋状導体路を形成してなる、請求項
1乃至8のいずれかに記載の螺旋インダクタ。 - 【請求項10】 100MHz以上の周波数領域で使用
される請求項1乃至9のいずれかに記載の高周波用螺旋
インダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10182045A JP2000021634A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 螺旋インダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10182045A JP2000021634A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 螺旋インダクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000021634A true JP2000021634A (ja) | 2000-01-21 |
Family
ID=16111388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10182045A Pending JP2000021634A (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | 螺旋インダクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000021634A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100698696B1 (ko) | 2004-11-10 | 2007-03-23 | 삼성에스디아이 주식회사 | 발광 표시장치의 제조방법 |
JP2007513513A (ja) * | 2003-12-03 | 2007-05-24 | サウス バンク ユニバーシティー エンタープライジズ リミテッド | Dslモデムと変成器 |
KR101356582B1 (ko) | 2009-11-19 | 2014-02-04 | 주식회사 코리아 인스트루먼트 | 고주파 전력장치용 필터 및 그 필터를 구비한 고주파 전력장치 |
-
1998
- 1998-06-29 JP JP10182045A patent/JP2000021634A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513513A (ja) * | 2003-12-03 | 2007-05-24 | サウス バンク ユニバーシティー エンタープライジズ リミテッド | Dslモデムと変成器 |
KR100698696B1 (ko) | 2004-11-10 | 2007-03-23 | 삼성에스디아이 주식회사 | 발광 표시장치의 제조방법 |
KR101356582B1 (ko) | 2009-11-19 | 2014-02-04 | 주식회사 코리아 인스트루먼트 | 고주파 전력장치용 필터 및 그 필터를 구비한 고주파 전력장치 |
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