JP2000020935A - 磁気記録媒体、その製造方法、及びこれを用いた磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法、及びこれを用いた磁気記録装置

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JP2000020935A
JP2000020935A JP10184312A JP18431298A JP2000020935A JP 2000020935 A JP2000020935 A JP 2000020935A JP 10184312 A JP10184312 A JP 10184312A JP 18431298 A JP18431298 A JP 18431298A JP 2000020935 A JP2000020935 A JP 2000020935A
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JP
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magnetic
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strain control
layer
recording medium
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Hideo Ogiwara
英夫 荻原
Kazuyuki Hikosaka
和志 彦坂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバーライト特性に優れ、低ノイズで、高
密度記録が可能な磁気記録媒体を得る。 【解決手段】 基板上に、外部作用により内部応力を生
じ得る物質からなる歪み制御層を形成し、歪み制御層に
歪みを発生させた状態で、さらに磁性層を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、計算機周辺記憶
装置、画像・音声記録等の磁気記録媒体及びこれを用い
た磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク(HDD)は、高速・高
密度記録・ランダムアクセス可能・ビットコストが安い
等の特徴を持ち、コンピューターの外部記憶装置とし
て、今後も、記録密度の向上が望まれている。
【0003】従来より、HDDに用いられる磁気記録媒
体の角型比をあげ、高磁力および低ノイズの磁気記録媒
体を得るために、例えば基板にテクスチャをつけること
によって、その下地層に形状異方性を与え、走行方向の
保磁力角型比(S* )を改善する試みがあった。しかし
ながら、この技術では、現在の様に磁気スペーシングを
小さくするために、浮上量を下げようとしているような
状況で、このようなテクスチャをつけると、磁気記録媒
体のトライポロジーに影響を与え、磁気記録媒体のグラ
イドハイトが高くなってしまうという問題が生じてい
た。
【0004】このようなことから、上述のように磁気記
録媒体のトライポロジーに影響を与えることなく、高磁
力および低ノイズの平滑な磁気記録媒体を得ることが望
まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、高保磁力で、オーバーライト特性に優れ、低ノイズ
で、高密度記録が可能な磁気記録媒体を提供することに
ある。本発明の第2の目的は、高保磁力で、オーバーラ
イト特性に優れ、低ノイズで、高密度記録が可能な磁気
記録媒体を製造するための方法を提供することにある。
【0006】本発明の第3の目的は、高保磁力で、オー
バーライト特性に優れた磁気記録媒体を用いて、低ノイ
ズで高密度記録が可能な磁気ディスク装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、基板と、該基板上に形成され、外部からの作用によ
り内部応力を生じ得る物質からなる歪み制御層と、該歪
み制御層上に形成された磁性層とを具備することを特徴
とする。
【0008】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、基板
上に、外部からの作用により内部応力を生じる得る物質
からなる歪み制御層を形成する工程と、該歪み制御層に
熱または電場を与えて歪みを発生させる工程と、内部応
力が生じた歪み制御層上に磁性層を形成する工程とを具
備することを特徴とする。
【0009】本発明の磁気記録装置は、基板、該基板上
に形成され、外部からの作用により内部応力を生じ得る
物質からなる歪み制御層、及び該歪み制御層上に形成さ
れた磁性層を有する磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を
支持および回転駆動する駆動手段と、該磁気記録媒体に
対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと、とを具備す
ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】従来のテクスチャ、下地の配向性
等を利用して磁性粒子の異方性を面内方向に制御する方
法では、結晶C軸が面内に向くように制御することは可
能であるが、磁性粒子の方向性の制御は困難であった。
本発明者らは、磁性粒子の方向性を制御することに着目
して鋭意研究を行い、本発明をなすに至った。
【0011】本発明の磁気記録媒体は、基板と、基板上
に形成された歪み制御層と、磁性層とを有するもので、
この歪み制御層は、外部からの作用により内部応力を生
じ得る物質から実質的になる。
【0012】本発明の製造方法によれば、この磁気記録
媒体は、基板上に、外部からの作用により内部応力を生
じる得る物質からなる歪み制御層を形成し、歪み制御層
に外部からの作用を与えて歪みを発生させ、歪みが生じ
た状態で、歪み制御層上に磁性層を形成することにより
得られる。
【0013】また、本発明の磁気記録装置は、このよう
な磁気記録媒体を用いたもので、この磁気記録媒体と、
磁気記録媒体を支持および回転駆動する駆動手段と、磁
気記録媒体に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッドと
を有する。
【0014】本発明の磁性体、内部応力を生じる層(歪
み制御層)を基板面に供給する手段としては、スパッタ
法、真空蒸着法、ガス中スパッタ法、ガスフロースパッ
タ法等の物理蒸着法が用いられる。
【0015】磁性体としては、少なくともCo、Fe、
Niから選択された少なくとも一種の元素を含有する強
磁性体材料、例えば、CoPtCr、CoTaCr、C
oTaPt、CoNiTa、CoPt等が好ましく用い
られる。
【0016】また、歪み制御層としては、例えば強誘電
体、圧電結晶体、軟磁性体が好ましく用いられる。本発
明に用いられる磁性層は、外部作用により、歪み制御層
に内部応力(歪み)が生じ格子定数の変化した状態で形
成されるので、得られる磁性層中の磁性粒子の配向性及
び異方性は、この格子定数の影響を受ける。
【0017】例えば基板の上に、歪み制御層を成膜し、
その上に磁性膜を成膜する段階で、基板に電場、熱等の
外部作用を印加することにより、歪み制御層にディスク
の半径方向或いは同心円方向に一様、かつ同一半径上で
は同一方向に歪みを生じさせ、格子定数を制御すること
で、その上に形成される磁性層の磁性粒子の容易軸の向
きを揃えて円周方向に向くようにすることにより、磁性
層の異方性を制御することができる。これにより、磁気
記録媒体の円周方向(走行方向)の保磁力角型比(S
* )を良好にすることができる。
【0018】内部応力を生ずる物質としては、強誘電
体、圧電結晶体、及び軟磁性体等が用いられる。この物
質の内部応力を制御する外部作用としては、熱または電
場が好ましく用いられる。この他、磁場あるいは光も使
用し得る。
【0019】歪み制御層において、内部応力が生じてい
ないときと生じた時の歪みとの差は、10%以内が好ま
しい。内部応力を生ずる物質として、強誘電体(圧電結
晶体を含む)を用いる場合には、ディスクの内周と外周
に電位差を与える。例えばディスクの内周をアース、外
周に一様に電圧を印加すると、同一円周上が等電位にな
り、半径方向に電場傾度が生じるため、同一半径上では
等しい内部応力(歪み)を発生し得る。
【0020】また、内部応力を生ずる物質として、熱を
加えることで結晶歪みを生じる結晶、例えば強誘電体を
用い、温度による格子定数の変化、キュリー点Tc前後
での転移を利用することができる。
【0021】さらに、内部応力を生ずる物質として、軟
磁性体を用い、温度、外部磁場、光等で磁歪を発生させ
ることも可能である。本発明に用いられる歪み制御層
は、基板上に直接形成しても良いし、基板と歪み制御層
との間、あるいは磁性層と歪み制御層との間に、下地層
及びシード層等を適宜を介在させることができる。
【0022】歪み制御層に内部応力(歪み)が生じた状
態を得るために、外部作用を印加する時期は、歪み制御
層の形成工程、歪み制御層の形成後、及び磁性層の形成
工程に亘り、歪み制御層の特性に応じて適宜設定し得
る。
【0023】例えば外部作用が無くなることで元の状態
に戻ろうとする内部応力による歪みを利用する場合に
は、歪み制御層を形成する工程のみに、外部作用を印加
することができる。あるいは外部作用を与えられた後、
歪みが持続する場合には、歪み制御層の形成後に外部作
用を印加することができる。また、外部作用を与えない
と歪みが発生しない場合には、少なくとも磁性層の形成
工程中は継続して外部作用を印加することが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明を具体的に説明
する。図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を表わす概
略断面図である。図示するように、この磁気記録媒体1
0は、基板1上に、歪み制御層2、磁性層3、保護層
4、および潤滑層5を順に積層した構成を有する。
【0025】図2は、図1に示す構造を有する磁気記録
媒体10を適用した磁気記録装置の一例を表わす概略図
を示す。図示するように、この磁気記録装置60は、上
面の開口した矩形箱状のケース12を有し、ケース12
内には、図1に示す構造を有する磁気記録媒体としての
磁気ディスク10、この磁気ディスク10を指示及び回
転させる駆動手段としてのスピンドルモータ18、磁気
ディスク10に対して情報の書き込み、読み出しを行う
磁気ヘッド70、この磁気ヘッド70を磁気ディスク1
0に対して移動自在に指示した回転アーム90及びヘッ
ドIC等を有する基板ユニット21が収納されている。
【0026】磁気ディスク10は、スピンドルモータ1
8の図示しないハブに同軸的に嵌合されていると共にク
ランプばね17により保持されている。スビンドルモー
タ18を駆動することにより、磁気ディスク10は所定
の速度で回転駆動される。回転アーム90を回転し、磁
気ヘッド70を磁気ディスク10の所定位置に位置決め
し、磁気ディスク10への情報の記録再生が行われる。
【0027】以下に、上述の磁気記録装置に適用し得る
磁気記録媒体の具体的な例を示す。 実施例1 基板として、2.5インチガラスを用意した。Arガス
2mTorr雰囲気中で、ガラス基板上に、歪み制御層
として、チタン酸バリウム(BaTiO3 )をRFスパ
ッタで10nm成膜した。その後、歪み制御層に電場を
与えた。
【0028】図3に、歪み制御層に電場を与える様子を
表わす図を示す。図示するように、基板10内周をアー
スとし、外周に一様にDCバイアスを600W印加し
た。DCバイアスを印加しながら、RFマグネトロンス
パッタ法を用いて、チタン酸バリウム層上に、CoPt
合金とSiO2 を二元同時スパッタで成膜し、磁性層を
得た。図中矢印Mは、歪み制御により発生し得る磁気異
方性の方向、及び矢印Eは、電圧の勾配の方向を示す。
【0029】最後に、C保護膜を10nm成膜した。こ
れらの工程は、連続して行った。得られた磁気記録媒体
をディスクAとした。また、比較として、BaTiO3
歪み制御層を成膜しないディスクを形成し、ディスクB
とした。
【0030】得られたディスクA、BのC保護膜の上に
潤滑剤をディップコートして、電磁変換特性評価を行っ
た。また、ディスクから小片を切出して、磁気特性をV
SMで、その構造をX−ray測定により解析した。
【0031】下記表1に、それぞれのディスクの静磁気
特性を示す。なお、CaTiO3 、PbTiO3 でも同
様な結果が得られた。 実施例2 実施例1と同様にして基板上に歪み制御層として、Sr
Bi2 Ta29 (SBT)を成膜した後、その上にV
下地層を形成し、磁性薄膜としてCoPtCrO合金タ
ーゲット(Co−20at%Pt)を用い、酸素0.0
2%を含むArガス0.6Pa中で200Wを投入し、
DCスパッタを行った。
【0032】V下地層を形成時及びDCスパッタ時に、
歪み制御層に熱を与えた。図4に、歪み制御層に熱を与
える様子を表わす図を示す。図示するように、基板10
外周にヒーター20を配置し、外周に一様に熱(100
℃)を加えた。図中、矢印Mは、歪み制御により発生し
得る磁気異方性の方向、及び矢印Fは、温度勾配の方向
を示す。
【0033】その後、連続して、C保護膜を10nm成
膜した。得られた磁気記録媒体をディスクCとした。比
較としてSBTを成膜せず、かつ基板の加熱もせずに磁
気記録媒体を形成し、これをディスクDとする。
【0034】得られたディスクC及びDについて、実施
例1と同様にして電磁変換特性評価行い、その構造をX
−ray測定により解析した。下記表1に、それぞれの
ディスクの静磁気特性を示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、ディスクB、D
は、面内ランダムで特性にほとんど違いは見られない
が、ディスクA、Cは、半径方向より円周方向の特性が
向上していることがわかる。特に、角型比S*が0.5
〜1程度円周方向の方が向上している。
【0037】また、X−ray測定から、ディスクA、
Cの方が、B、Dと比較して、CoPt(100)、C
oPt(110)の強度が強く、シャープに見られたこ
とから、CoPtの容易軸(C軸)が面内に向いている
ことがわかる。
【0038】これらのディスクの電磁変換特性評価を行
ったところ、記録周波数200kfciにおいて、規格
化媒体ノイズは、どのディスクも0.1μm1/2 μVr
ms/μVpp以下と非常に低ノイズな結果を示した
が、ディスクA、Cの方が、DCノイズが約0.02μ
1/2 μVpp/μVrms程度低く、33kfciの
信号を200kfciでオーバーライトしたときの値
も、5dB程度低い値を示した。これは円周方向にCo
Ptの配向性が揃い、配向斑がなくなった効果と考えら
れる。
【0039】以上、歪みを与える外部作用を電場、熱に
関して実例を挙げてきたが、例えば軟磁性体の様に磁場
を印加することで磁歪を生じさせることも可能である
し、光を当てて歪ませることも可能である。ただし、歪
みの制御性の観点から電場、熱の方が好ましい。
【0040】このように、本発明によれば、磁気記録媒
体の積層の一層として内部応力による歪みを制御する層
を設けることで磁性層の異方性を制御しているので、先
行技術のように媒体のトライポロジーに影響を与えるこ
となく、平滑な媒体の製造が可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、外部から作用を加える
ことで、内部応力により磁性層の下層に設けられた歪み
制御層の結晶を歪ませ、歪み制御層上に形成される磁性
層の異方性を制御し、円周方向の保磁力角型比を良好に
することができる。これにより、高保磁力で、オーバー
ライト特性に優れた磁気記録媒体が得られる。また、こ
のような、磁気記録媒体を適用した磁気記録装置を用い
ると、低ノイズで、高密度な記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一例を表わす概略断
面図
【図2】 本発明の磁気記録装置の一例を表わす概略図
【図3】 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一工程を
説明するための図
【図4】 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一工程を
説明するための図
【符号の説明】
1…基板 2…歪み制御層 3…磁性層 10…磁気ディスク 12…ケース 17…クランプばね 18…スピンドルモータ 21…基板ユニット 60…磁気記録装置 70…磁気ヘッド 90…回転アーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成され、外部から
    の作用により内部応力を生じ得る物質からなる歪み制御
    層と、該歪み制御層上に形成された磁性層とを具備する
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記外部からの作用により内部応力を生
    じ得る物質は、強誘電体、圧電結晶体、及び軟磁性体か
    らなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記
    載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板上に、外部からの作用により内部応
    力を生じる得る物質からなる歪み制御層を形成する工程
    と、該歪み制御層に熱または電場を与えて歪みを発生さ
    せる工程と、内部応力が生じた歪み制御層上に磁性層を
    形成する工程とを具備することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記外部からの作用により内部応力を生
    じ得る物質は、強誘電体、圧電結晶体、及び軟磁性体か
    らなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 基板、該基板上に形成され、外部からの
    作用により内部応力を生じ得る物質からなる歪み制御
    層、及び該歪み制御層上に形成された磁性層を有する磁
    気記録媒体と、 該磁気記録媒体を支持および回転駆動する駆動手段と、 該磁気記録媒体に対して情報の記録再生を行う磁気ヘッ
    ドと、とを具備することを特徴とする磁気記録装置。
  6. 【請求項6】 前記外部からの作用により内部応力を生
    じ得る物質は、強誘電体、圧電結晶体、及び軟磁性体か
    らなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記
    載の磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009047866A1 (ja) * 2007-10-12 2009-04-16 Fujitsu Limited 磁気記録媒体、磁気記録方法および磁気記録装置

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