JP2000019179A - 末梢血幹細胞採取物中の微小残存病変の検出方法 - Google Patents

末梢血幹細胞採取物中の微小残存病変の検出方法

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JP2000019179A
JP2000019179A JP10240172A JP24017298A JP2000019179A JP 2000019179 A JP2000019179 A JP 2000019179A JP 10240172 A JP10240172 A JP 10240172A JP 24017298 A JP24017298 A JP 24017298A JP 2000019179 A JP2000019179 A JP 2000019179A
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stem cell
blood stem
leukemia
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Toshiyasu Miyazaki
年恭 宮崎
Toshihiro Nakamura
利弘 中村
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OTSUKA TOKYO ASSEI KENKYUSHO K
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 自己末梢血幹細胞移植を目的として採取
された末梢血幹細胞採取物について1種以上の腫瘍細胞
表面抗原を検出し、得られた表面抗原パターンと、予め
作成された白血病細胞についての1種以上の腫瘍細胞表
面抗原のパターンとを対比する細胞移植用末梢血幹細胞
採取物中の微小残存病変の検出方法。 【効果】 白血病における自己末梢血幹細胞移植に際
し、移植用末梢血幹細胞中の微小残存病変の検出が迅速
かつ簡便に可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血病治療に際
し、自己末梢血幹細胞移植を目的として採取された末梢
血幹細胞採取物中の微小残存病変を検出する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、急性白血病(acute leukemia:A
L)の治療の進歩は目覚ましく、殆どの症例を化学療法
や放射線療法により完全寛解(complete remission:C
R)に導入することが可能となってきた。寛解後療法と
しては、通常の化学療法の継続、自家骨髄移植術(auto
logous bone marrow transplantation:auto-BMT)、同
種骨髄移植術(allogeneic bone marrow transplantati
on:allo-BMT)、末梢血幹細胞移植術(peripheral bloo
d stem cell transplantation:PBSCT)が挙げられる。
【0003】なかでもPBSCTは、その汎用性と簡便
性において極めて有用な支持療法として急速に普及して
きており、ALに対する治療成績はauto−BMTと
比較して遜色のない成績が報告されており(Takamatsu,
Y.,et al.,Bone Marrow Transplant,13,325-327,199
4)、今後更に多くのAL患者に適用されていくものと
考えられる。
【0004】PBSCTは、造血幹細胞採取法の確立、
支持療法の発達で、より安全に施行できるようになって
きているが、解決されていない問題点もある。その一つ
が、移植片中に混在している微小残存病変(minimal re
sidual disease:MRD)である。末梢血幹細胞採取物(pe
ripheral blood stem cell harvest:PBSCH)には、骨髄
と比較して腫瘍細胞の混入が少ないことが報告されてい
る。しかし、bcr/ablやPML/RARAを指標
としたRT−PCR法によるMRDの検討では、PBS
CH中にMRDが混入している症例が多く存在したこと
が報告されている(Br.J.Haematol.,85:578-583,199
3)。
【0005】PCR法は非常に感度が高いとされている
が、そのために偽陽性が得られることも多く、その検体
の扱いには非常に注意を要し、特別な設備等が必要とな
り、経費や検査に要する時間を考えても、汎用性のある
検査法とはなり得ない。また、白血病細胞が経過中に変
異を起こし、PCRのターゲットとなる遺伝子が欠失し
てしまうことも報告されている(Provan,D.,et al.,Blo
od,88(6),2228-2235,1996)。このように、治療方針決
定の判断材料としてPBSCH中のMRDを検出するこ
とは非常に重要であり、そのために、高感度で、迅速で
簡便な、客観性、定量性に富んだ検出法の出現が望まれ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、末梢
血幹細胞採取物中の微小残存病変を迅速、かつ簡便に検
出する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
課題を解決すべく鋭意研究した結果、予め白血病細胞の
腫瘍細胞表面抗原のパターン化をしておき、治療後にお
いて細胞移植を目的として採取された末梢血幹細胞採取
物について腫瘍細胞表面抗原のパターンを検出し、その
両パターンを対比すれば、当該移植用の末梢血幹細胞採
取物中の微小残存病変が迅速かつ簡便に検出でき、更に
化学療法を行うべきか、当該微小残存病変を除去してP
BSCTを行うか、そのままPBSCTを行うべきかの
診断が可能となることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】すなわち、本発明は、自己末梢血幹細胞移
植を目的として採取された末梢血幹細胞採取物について
1種以上の腫瘍細胞表面抗原を検出し、得られた表面抗
原パターンと、予め作成された白血病細胞についての1
種以上の腫瘍細胞表面抗原のパターンとを対比すること
を特徴とする細胞移植用末梢血幹細胞採取物中の微小残
存病変の検出方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、まず、白
血病細胞についての腫瘍細胞表面抗原のパターン化を行
う。ここで、細胞としては、骨髄血又は末梢血が挙げら
れる。また、腫瘍細胞表面抗原としては、例えば、CD
2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD1
0、CD13、CD14、CD16、CD19、CD2
0、CD33、CD34、CD38、CD41、CD4
1a、CD45、CD56、CD61、KOR−SA、
HLA−DR等が例示できる。
【0010】腫瘍細胞表面抗原のパターン化は、細胞に
腫瘍細胞表面抗原に対する抗体を反応させ、反応した細
胞をフローサイトメトリーにより検出することにより行
うのが好ましい。
【0011】本発明で使用される腫瘍細胞膜表面抗原に
対する抗体としては、種々の腫瘍細胞膜表面マーカー解
析用として用いられる抗体であれば特に制限されない
が、モノクローナル抗体が望ましい。使用する抗体は、
同じモノクローナル抗体であっても、抗体の種類や蛍光
物質によって、陽性細胞群の乖離に差がみられる。若干
の差であれば、陽性細胞率に有意な差を認めることはな
いが、蛍光強度が弱く陽性細胞群の乖離が不明瞭になる
ようなこともある。また、抗体の添加量は、陽性細胞が
著しく増加している検体においては、規定の添加量では
抗体量が不足するため陽性細胞群が弱蛍光を示し、陽性
細胞率の低下を示す場合が有り得るので、使用する抗体
と、その抗体量については予め検討することが望まし
い。
【0012】測定時の細胞数は、検体の状態に合わせて
それぞれ調整するが、例えば、1万〜20万細胞数で測
定することが望ましい。
【0013】細胞の染色は、3重蛍光染色を行い、使用
する標識モノクローナル抗体としては、フルオレセイン
イソチオチアナート(FITC)標識マウスIgG1、
CD2、CD3、CD5、CD8、CD16、CD1
9、CD34、CD61、HLA−DR、phycoerythri
n(PE)標識マウスIgG1、CD4、CD10、C
D13、CD14、CD19、CD20、CD33、C
D34、CD38、CD41、CD56、HLA−DR
及びperidin chlorophyl protein(PerCP)標識C
D45、FITC標識CD41a、PE標識CD10、
PE標識KOR−SA3544等が例示できる。
【0014】より具体的には、治療前の白血病細胞を含
む骨髄血又は末梢血を溶血剤(8.26g NH4
l、1.00g KHCO3、0.04g EDTA−
4Na/LDW)を加えて室温にて5分間反応を行い、
混入赤血球の溶血操作を行った後、1500rpm で10
分間遠心分離を行い、溶血赤血球を含む上清を除く。沈
殿をリン酸緩衝生理食塩水(PBS:0.1% BS
A:0.1% sodiumazide)にて細胞濃度
を1×106cells/mlに調整する。調整した細胞浮遊液
をサンプリングした後、それぞれの試験管に抗体を添加
する。その後4℃、遮光下にて30分間反応させる。反
応後、PBSで2回洗浄後、フローサイトメーターを用
いて測定する。
【0015】フローサイトメーターは白血病細胞を正確
に測定するために、FL−SSC表示法による解析を行
うのが望ましい。本方法は横軸に細胞に結合した抗体の
蛍光強度(fluorescence:FL)に、縦軸をSSC(side
scatter:SSC)に設定して展開したdot−plotを
用いる方法を採用するものである。このFL−SSC表
示法を用いて解析を行うと、抗体陽性細胞が明確とな
り、信頼性の高い白血病細胞の解析を可能とする。
【0016】以上の操作により、白血病細胞の表面抗原
のパターン化がなされる。当該パターンは、CD34及
び/又はCD33、CD4、CD10、CD13、CD
14、CD19、CD45、CD56、HLA−DR及
びKOR−SAから選ばれる1種以上の組み合わせによ
り行うのが好ましい。
【0017】通常、PBSCHには個人差はあるが、約
0.1〜2.0%程度の正常細胞が存在しており、これ
ら細胞の97〜99%はCD34+、CD13+、CD
38+、HLA−DR+、CD19−、CD56−の表
面抗原パターンを示している。骨髄中に存在する正常細
胞も同様の表面抗原パターンを示している。従って、こ
の正常細胞の表面抗原パターンと異なるパターンを有す
る細胞群は、MRD細胞群であると判定できる。パター
ン化の例としては、下記表1の7パターンが挙げられ
る。パターンはこの7例に限定されるものでないことは
言うまでもない。
【0018】
【表1】
【0019】白血病治療後に、自己末梢血幹細胞移植を
目的として採取された末梢血幹細胞採取物に対して、上
記(0014)〔治療前の白血病細胞についての腫瘍表
面抗原のパターン検出〕と同様の操作を行った後、フロ
ーサイトメーターを用いて測定する。フローサイトメー
ターは幹細胞を正確に測定するために、FL−SSC表
示法による解析を行うのが望ましい。本方法は横軸に細
胞に結合した抗体の蛍光強度を、縦軸をSSCに設定し
て展開したdot−plotを用いる方法を採用するも
のである。このFL−SSC表示法を用いて解析を行う
と、抗体陽性細胞が明確となり、信頼性の高い幹細胞の
解析を可能とする。得られたパターンと前記白血病細胞
についての表面抗原のパターンとを対比すれば、当該移
植用の末梢血幹細胞採取物中にMRDがあるか否かが検
出できる。
【0020】すなわち、表1記載の如く、移植用として
採取した末梢血幹細胞の表面抗原パターンが、白血病細
胞の表面抗原パターンと一致しなければMRDは存在し
ないこととなる。そしてフローサイトメトリーにより、
MRD混入率の算出及び混入MRDの除去ができる。
【0021】かくして移植用末梢血幹細胞採取物中にM
RDが検出された場合には、そのMRDの混入量によっ
ても異なるが、移植をせず更に化学療法や放射線療法を
行うか、混入MRDを除去した後移植を行えばよい。一
方、MRDがほとんど検出されない場合には、そのまま
移植術を行えばよい。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではな
い。
【0023】実施例1 <方法> (1)対象 白血病幹細胞の腫瘍細胞表面抗原の解析には、急性白血
病患者の抗癌剤治療前に採取された骨髄血を用いた。骨
髄血は採取後、10%FCS加RPMI−1640に浮
遊させ、4℃にて保存し、24時間以内に細胞表面抗原
の解析を行った。白血病細胞表面抗原(AAE)検出パ
ネル作成用の実験検体は、表1に示した白血病細胞表面
抗原が検出された白血病細胞を、末梢血幹細胞採取物
(PBSCH)に0.1%濃度になるよう混合して作成
した。末梢血幹細胞採取物は抗癌化学療法後の造血回復
期に採取し、10%FCS加RPMI−1640にて1
×107cells/mlに調整し、4℃にて保存したものを使
用した。
【0024】(2)モノクローナル抗体 Becton Dickinson Immunocytometry Systems(BDI
S)社のフルオレセインイソチオシアナート(FIT
C)標識マウスIgG1、CD2、CD3、CD5、C
D8、CD16、CD19、CD34、HLA−DRと
フィコエリスリン(PE)標識マウスIgG2α、CD
4、CD13、CD14、CD19、CD20、CD3
3、CD34、CD38、CD56、HLA−DR及び
ペリジンクロロフィルプロテイン(PerCP)標識C
D45、Coulter社のFITC標識CD41a及びPE
標識CD10、Medical & Biological Laboratories(MB
L)社のPE標識KOR−SA3544を用いた。
【0025】(3)染色及び測定 染色は、3重蛍光染色法を行った。検体を溶血剤(8.
26g NH4Cl,1.00g KHCO3,0.04
g EDTA−4Na/L DW)を用いて室温にて5
分間インキュベーションを行い、混入赤血球の溶血操作
を行った後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS:0.1
%,BSA:0.1% sodium azide)にて細胞濃度を
1×106cells/mlに調整した。調整した細胞浮遊液を
100μlずつそれぞれのチューブにサンプリングした
後、抗体を添加した。4℃、遮光にて30分間インキュ
ベーションを行い、PBSにて2回洗浄を行った後、1
%パラホルムアルデヒド(CellFIX:BDIS) を用いて固定
した。
【0026】(4)測定方法 測定はFACSort(BDIS)を用いて行った。機
器の設定はCaliBRITE beads(BDI
S)を用いて、FACSComp softwareの
Lyse−Wash modeにて行った。細胞の取り
込みはCellQuest softwareを用いて
行い、骨髄血中の白血病細胞表面抗原解析の場合は1万
細胞、末梢血幹細胞採取物中の白血病細胞検出の場合は
10万細胞測定した。
【0027】(5)骨髄血中の白血病細胞表面抗原解析
方法 測定した全細胞をFSC−SSC表示によるdot−p
lotに展開し、FSC低レベルに存在するデブリスを
除外した。次に、CD45−SSC表示を用いてCD4
5弱陽性領域の白血病細胞群にゲートを設定し、ゲート
内細胞をフルオレッセンス(FL)1−FL2表示に展
開し、白血病細胞表面抗原の解析を行った。
【0028】(6)末梢血幹細胞採取物中の白血病細胞
表面抗原の解析方法 測定した全細胞をFSC−CD45表示によるdot−
plotに展開し、FSC低レベル・CD45陰性領域
に存在するデブリスを除外した。次に、CD34−SS
C表示を用いてCD34陽性細胞群領域にゲートを設定
し、ゲート内細胞をFL1−FL2表示に展開し、混入
している白血病細胞の検出を行った。
【0029】<結果> (1)実験検体を用いた末梢血幹細胞採取物(PBSC
H)中の白血病細胞検出実験に用いた検体の白血病細胞
表面抗原パターンを表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】CD34+/CD19+/KOR−SA3
544+の白血病細胞表面抗原を持つ表2中のケース1
の急性リンパ性白血病(ALL)細胞を0.1%混入さ
せた末梢血幹細胞採取物(PBSCH)を用いて、FC
M法による白血病細胞混入率の解析を行った。CD34
陽性細胞集団は、CD34+/CD19−/KOR−S
A3544−の正常幹細胞集団と、もう1群のCD34
+/CD19+/KOR−SA3544+の急性リンパ
性白血病(ALL)細胞集団に分かれ、急性リンパ性白
血病(ALL)細胞集団比率は0.1%で、あらかじめ
混入した白血病細胞率と一致した(図1)。同様の方法
で、表2のケース2〜ケース7の白血病細胞を末梢血幹
細胞採取物(PBSCH)に混入させ、FCM法による
検出を行った。全例において、あらかじめ混入させた白
血病細胞比率と検出された白血病細胞比率は一致した。
実験検体を用いた検討から得られた白血病細胞表面抗原
(AAE)と考えられる細胞表面抗原の組合わせパター
ン1〜パターン7を作成した(前記表1)。それぞれの
パターンが示す細胞表面抗原の組合わせは、正常幹細胞
の細胞表面抗原パターンとは異なり、また正常骨髄血及
び末梢血中にも、それぞれのパターンが示す細胞表面抗
原の組合わせを持つ細胞はほとんど存在しない。正常末
梢血幹細胞採取物(PBSCH)(n=20)中のCD
34陽性細胞の表面抗原を検討した結果、パターン1〜
パターン6を示す細胞の比率は0.2%以下で、パター
ン7のCD34+/CD33−は0.5%を超える場合
があった(表1)。
【0032】(2)臨床検査での末梢血幹細胞採取物
(PBSCH)中MRDの検出 治療前の急性骨髄性白血病(AML)−M2患者より採
取された骨髄血を用いて、CD45弱陽性領域に存在す
る白血病細胞表面抗原解析を行った。解析された白血病
細胞の表面形質は、CD13+,CD19dim,CD
34+,CD56+,HLA−DR+,CD4dimで
あり、CD34+/CD56+の白血病細胞表面抗原を
持つ急性骨髄性白血病(AML)細胞と考えられた(表
3)。後日、同患者のアフェレシスにより得られた末梢
血幹細胞採取物(BPSCH)を用いて、このCD34
/CD56の組合わせをマーカーとしてMRD検出を行
った。末梢血幹細胞採取物(PBSCH)中のCD34
陽性細胞集団を解析した結果、CD34+/CD56−
の正常幹細胞集団(0.67%)と、もう1群のCD3
4+/CD56+の急性骨髄性白血病(AML)細胞集
団(1.21%)が検出できた(図2)。
【0033】同様に、治療前の急性リンパ性白血病(A
LL)患者より採取された骨髄血を用いてCD45弱陽
性領域に存在する白血病細胞表面抗原解析を行った。解
析された白血病細胞の表面形質はCD13+,CD19
+,CD33+,CD34+,HLA−DR+であり、
CD34+/CD19+の白血病細胞表面抗原(AA
E)を持つ急性リンパ性白血病(ALL)細胞と考えら
れた(表3)。後日、同患者のアフェレシスにより得ら
れた末梢血幹細胞採取物(PBSCH)を用いて、この
CD34/CD19の組合わせをマーカーとしてMRD
検出を行った。末梢血幹細胞採取物(PBSCH)中の
CD34陽性細胞集団を解析した結果、CD34+/C
D19−の正常幹細胞集団(3.83%)と、もう1群
のCD34+/CD19+の急性リンパ性白血病(AL
L)細胞集団(0.46%)が検出できた(図3)。以
上、実際の臨床検体においても、パターン1、パターン
2の白血病細胞表面抗原をマーカーとして用いることに
よって、末梢血幹細胞採取物(PBSCH)中のMRD
検出が可能であった。
【0034】
【表3】
【0035】(3)急性白血病における適応可能頻度の
検討 急性骨髄性白血病(AML)及び急性リンパ性白血病
(ALL)患者より採取された骨髄血で、治療前のbl
ast cells%が50%以上の症例980例中、
CD34が70%以上の陽性を示した症例は382例
(39.0%)であった。その内、白血病細胞表面抗原
(AAE)と考えられる細胞表面抗原を持つ症例は24
6例(64.4%)であった(表4)。
【0036】
【表4】
【0037】白血病細胞表面抗原(AAE)を持つCD
34陽性白血病症例は全て、パターン1〜パターン7に
分類できた。中でもパターン2の組合わせの適応可能頻
度が最も高く、blast cells%が50%以上
の症例中16.3%、CD34陽性症例中41.9%、
白血病細胞表面抗原(AAE)を持つCD34陽性症例
中65.0%が適応可能であった。パターン3、5、7
の適応頻度はほとんど同じで、blast cells
%が50%以上の症例中約10%、CD34陽性症例中
約25%、白血病細胞表面抗原(AAE)を持つCD3
4陽性症例中約40%が適応可能であった。パターン
1、4、6の適応頻度はやや低く、blast cel
ls%が50%以上の症例中約5%、CD34陽性症例
中約10%、白血病細胞表面抗原(AAE)を持つCD
34陽性症例中約20%であった(表5)。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】本発明方法によれば自己末梢血幹細胞中
のMRDが簡単かつ迅速に検出でき、白血病のその後の
治療方針決定が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験検体を用いた末梢血幹細胞中の白血病細胞
表面抗原パターンの検出を示す図である。
【図2】急性骨髄性白血病患者より採取された末梢血幹
細胞採取物中のMRD検出結果を示す図である。
【図3】急性リンパ性白血病患者より採取された末梢血
幹細胞採取物中のMRDの検出結果を示す図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 AA01 AA02 BA13 BB10 BB14 BB24 BB25 BB39 BB51 CA11 CB02 FA11 FA37 FB03 FB07 FB12 GC15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自己末梢血幹細胞移植を目的として採取
    された末梢血幹細胞採取物について1種以上の腫瘍細胞
    表面抗原を検出し、得られた表面抗原パターンと、予め
    作成された白血病細胞についての1種以上の腫瘍細胞表
    面抗原のパターンとを対比することを特徴とする幹細胞
    移植用末梢血幹細胞採取物中の微小残存病変の検出方
    法。
  2. 【請求項2】 腫瘍細胞表面抗原の検出が、腫瘍細胞表
    面抗原に対する抗体と反応する細胞をフローサイトメト
    リーにより検出するものである請求項1記載の検出方
    法。
JP10240172A 1998-04-30 1998-08-26 末梢血幹細胞採取物中の微小残存病変の検出方法 Pending JP2000019179A (ja)

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