JP2000018040A - 予混合圧縮自着火内燃機関 - Google Patents
予混合圧縮自着火内燃機関Info
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- F02B1/12—Engines characterised by fuel-air mixture compression with compression ignition
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
(57)【要約】
【課題】 自着火による急激な燃焼を機関の許容限界ま
で抑制し、自着火による、高効率燃焼を維持しつつ、従
来の火炎伝播燃焼に近い信頼性・耐久性の向上を図った
予混合圧縮自着火内燃機関を提供する。 【解決手段】 吸気ポート（４）によってシリンダ内に
スワール流（Ｓ）あるいはタンブル流（Ｔ）を発生させ
て吸気の流れ場を不均一にし、自着火による圧力上昇を
抑制する。または、自着火促進効果を持つ促進剤（Ａ）
あるいは自着火抑制効果を持つ抑制剤（Ｄ）を吸気系
（４）または燃焼室（３）内に噴射して予混合気（Ｍ）
と不均一な混合状態として自着火による圧力上昇を抑制
する。
で抑制し、自着火による、高効率燃焼を維持しつつ、従
来の火炎伝播燃焼に近い信頼性・耐久性の向上を図った
予混合圧縮自着火内燃機関を提供する。 【解決手段】 吸気ポート（４）によってシリンダ内に
スワール流（Ｓ）あるいはタンブル流（Ｔ）を発生させ
て吸気の流れ場を不均一にし、自着火による圧力上昇を
抑制する。または、自着火促進効果を持つ促進剤（Ａ）
あるいは自着火抑制効果を持つ抑制剤（Ｄ）を吸気系
（４）または燃焼室（３）内に噴射して予混合気（Ｍ）
と不均一な混合状態として自着火による圧力上昇を抑制
する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
【０００２】
【従来の技術】従来、希薄予混合気を高圧縮比による高
温・高圧下で自着火燃焼させる内燃機関は知られてい
る。
温・高圧下で自着火燃焼させる内燃機関は知られてい
る。
【０００３】この様な自着火燃焼による内燃機関におい
て、均一予混合気は自着火によって急速に燃焼が起こ
り、時間ｔによる筒内圧力ｐの経過が図１１に示されて
いる様に圧力上昇が急激であり、かつ筒内最高圧力ｐ
max が高くなる。かかる急激な圧力上昇、最高圧力は、
図１０に示す火花点火による火炎伝播燃焼に比べ過大で
あり、機関の信頼性・耐久性を低下させ、頑丈な機関構
造を必要とし、また、騒音も大きくなる等のデメリット
を生じている。そして、この急激な燃焼は、予混合気が
均一で、燃焼時の未／既燃混合気の分布する燃焼場が均
一である程、また、燃料のオクタン価が高い程、強くな
ることが知られている。
て、均一予混合気は自着火によって急速に燃焼が起こ
り、時間ｔによる筒内圧力ｐの経過が図１１に示されて
いる様に圧力上昇が急激であり、かつ筒内最高圧力ｐ
max が高くなる。かかる急激な圧力上昇、最高圧力は、
図１０に示す火花点火による火炎伝播燃焼に比べ過大で
あり、機関の信頼性・耐久性を低下させ、頑丈な機関構
造を必要とし、また、騒音も大きくなる等のデメリット
を生じている。そして、この急激な燃焼は、予混合気が
均一で、燃焼時の未／既燃混合気の分布する燃焼場が均
一である程、また、燃料のオクタン価が高い程、強くな
ることが知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自着火によ
る燃焼室内未燃ガス全体の急激な燃焼に伴う過大な圧力
上昇率、および過大な最大圧力を抑制し、従来の火炎伝
播燃焼に近い燃焼として信頼性・耐久性の向上を図った
予混合圧縮自着火内燃機関を提供することを目的として
いる。
る燃焼室内未燃ガス全体の急激な燃焼に伴う過大な圧力
上昇率、および過大な最大圧力を抑制し、従来の火炎伝
播燃焼に近い燃焼として信頼性・耐久性の向上を図った
予混合圧縮自着火内燃機関を提供することを目的として
いる。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、予混合
気を吸気し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関にお
いて、吸気ポートによってシリンダ内にシリンダ中心軸
まわりに回転するスワール流を発生させて吸気の流れ場
を不均一にし、（燃焼室内混合機全体の均一な）自着火
による圧力上昇を抑制する様に構成している。
気を吸気し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関にお
いて、吸気ポートによってシリンダ内にシリンダ中心軸
まわりに回転するスワール流を発生させて吸気の流れ場
を不均一にし、（燃焼室内混合機全体の均一な）自着火
による圧力上昇を抑制する様に構成している。
【０００６】また、予混合気を吸気し圧縮によって自着
火燃焼させる内燃機関において、吸気ポートによってシ
リンダ内にシリンダ中心軸に直角な軸まわりに回転する
タンブル流を発生させて吸気の流れ場を不均一にし、自
着火による圧力上昇を抑制する様に構成している。
火燃焼させる内燃機関において、吸気ポートによってシ
リンダ内にシリンダ中心軸に直角な軸まわりに回転する
タンブル流を発生させて吸気の流れ場を不均一にし、自
着火による圧力上昇を抑制する様に構成している。
【０００７】また、予混合気を吸気し圧縮によって自着
火燃焼させる内燃機関において、ピストン頂部に設けた
燃焼室の形状を混合気の流れ場が不均一となる様に形成
し、燃焼室内混合気全体の均一な自着火による圧力上昇
を抑制する様に構成している。
火燃焼させる内燃機関において、ピストン頂部に設けた
燃焼室の形状を混合気の流れ場が不均一となる様に形成
し、燃焼室内混合気全体の均一な自着火による圧力上昇
を抑制する様に構成している。
【０００８】すなわち、従来の液体燃料の噴射による圧
縮着火内燃機関では、シリンダ内の吸気の流動によって
燃料噴霧のミキシングを改善し、燃焼を促進するのが一
般的であった。これに対して本発明では、気体燃料の予
混合気をシリンダ内にスワール流、タンブル流、あるい
はピストン頂部の燃焼室の形状によって不均一な流れ場
を形成させ、これによって自着火が起きる位置を時間と
共に変化させることで、急激な燃焼圧力の上昇や過大な
最高圧力を抑制することができる。
縮着火内燃機関では、シリンダ内の吸気の流動によって
燃料噴霧のミキシングを改善し、燃焼を促進するのが一
般的であった。これに対して本発明では、気体燃料の予
混合気をシリンダ内にスワール流、タンブル流、あるい
はピストン頂部の燃焼室の形状によって不均一な流れ場
を形成させ、これによって自着火が起きる位置を時間と
共に変化させることで、急激な燃焼圧力の上昇や過大な
最高圧力を抑制することができる。
【０００９】そして、本発明によれば、予混合気を吸気
し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、吸
気系の予混合気に自着火促進効果を持つ促進剤を添加
し、以て自着火による圧力上昇を抑制する様に構成して
いる。
し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、吸
気系の予混合気に自着火促進効果を持つ促進剤を添加
し、以て自着火による圧力上昇を抑制する様に構成して
いる。
【００１０】なお、自着火促進剤としては、例えば、Ｎ
ＯX 、Ｏ3 、主燃料より低オクタン価の燃料、を添加す
る。
ＯX 、Ｏ3 、主燃料より低オクタン価の燃料、を添加す
る。
【００１１】また、予混合気を吸気し圧縮によって自着
火燃焼させる内燃機関において、吸気系の予混合気に自
着火抑制効果を持つ抑制剤を添加し、以て自着火による
圧力上昇を抑制する様に構成している。
火燃焼させる内燃機関において、吸気系の予混合気に自
着火抑制効果を持つ抑制剤を添加し、以て自着火による
圧力上昇を抑制する様に構成している。
【００１２】なお、自着火抑制剤としては、例えば、高
沸点不飽和炭化水素蒸気や、主燃料より高オクタン価の
燃料、を添加する。
沸点不飽和炭化水素蒸気や、主燃料より高オクタン価の
燃料、を添加する。
【００１３】したがって、本発明では、吸気系において
予混合気に自着火促進効果のある促進剤、または自着火
抑制効果のある抑制剤が添加されており、混合気は着火
性の異なる部分が充分に混合されていない不均一な状態
でシリンダ内に吸気され、自着火は一斉に起こることな
く、着火位置は時間と共に変化する。その結果、急激な
燃焼圧力の上昇や、過大な最高圧力を抑制することがで
きる。
予混合気に自着火促進効果のある促進剤、または自着火
抑制効果のある抑制剤が添加されており、混合気は着火
性の異なる部分が充分に混合されていない不均一な状態
でシリンダ内に吸気され、自着火は一斉に起こることな
く、着火位置は時間と共に変化する。その結果、急激な
燃焼圧力の上昇や、過大な最高圧力を抑制することがで
きる。
【００１４】また、本発明によれば、予混合気を吸気し
圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、燃焼
室内の予混合気に自着火促進効果を持つ促進剤を噴射
し、以て自着火による圧力上昇を抑制する様に構成して
いる。
圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、燃焼
室内の予混合気に自着火促進効果を持つ促進剤を噴射
し、以て自着火による圧力上昇を抑制する様に構成して
いる。
【００１５】または、予混合気を吸気し圧縮によって自
着火燃焼させる内燃機関において、燃焼室内の予混合気
に自着火抑制効果を持つ抑制剤を噴射し、以て自着火に
よる圧力上昇を抑制する様に構成している。
着火燃焼させる内燃機関において、燃焼室内の予混合気
に自着火抑制効果を持つ抑制剤を噴射し、以て自着火に
よる圧力上昇を抑制する様に構成している。
【００１６】したがって、上述した吸気系に促進剤或い
は抑制剤を添加した場合と同様に、予混合気に自着火促
進効果のある促進剤、または自着火抑制効果のある抑制
剤が吸気行程または圧縮行程に燃焼室に直接噴射され、
シリンダ内に充填されている予混合気と不均一に混じり
あって圧縮されるので、自着火が一斉に起こることがな
く、着火位置は時間と共に変化する。そのため、急激な
燃焼圧力の上昇や、過大な最高圧力が抑制される。
は抑制剤を添加した場合と同様に、予混合気に自着火促
進効果のある促進剤、または自着火抑制効果のある抑制
剤が吸気行程または圧縮行程に燃焼室に直接噴射され、
シリンダ内に充填されている予混合気と不均一に混じり
あって圧縮されるので、自着火が一斉に起こることがな
く、着火位置は時間と共に変化する。そのため、急激な
燃焼圧力の上昇や、過大な最高圧力が抑制される。
【００１７】さらに、本発明によれば、予混合気を吸気
し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、シ
リンダ内に予混合気を供給する吸気ポートを２系列と
し、その一方の吸気ポート内の混合気を加熱する加熱手
段を設けて自着火による圧力上昇を抑制するように構成
している。
し圧縮によって自着火燃焼させる内燃機関において、シ
リンダ内に予混合気を供給する吸気ポートを２系列と
し、その一方の吸気ポート内の混合気を加熱する加熱手
段を設けて自着火による圧力上昇を抑制するように構成
している。
【００１８】また、前記混合気を加熱する加熱手段を排
気ガスとの熱交換によって行う様に構成している。
気ガスとの熱交換によって行う様に構成している。
【００１９】この様に構成することにより、シリンダ内
に２系列の吸気ポートから、その一方は排気熱で加熱さ
れており、それぞれ温度が異なる、すなわち着火性の異
なる予混合気が導入され、それらが不均一の分布のまま
圧縮されて自着火が一斉に起こることがなく、着火位置
は時間と共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や過大な最
高圧力を抑制することができる。
に２系列の吸気ポートから、その一方は排気熱で加熱さ
れており、それぞれ温度が異なる、すなわち着火性の異
なる予混合気が導入され、それらが不均一の分布のまま
圧縮されて自着火が一斉に起こることがなく、着火位置
は時間と共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や過大な最
高圧力を抑制することができる。
【００２０】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図１において、シリンダ１の上部に
は、他端が図示しないミキサに連通された吸気ポート４
Ａが、吸気弁５を介装してシリンダ１の内周に対して接
線方向に向け開口されている。
施形態を説明する。図１において、シリンダ１の上部に
は、他端が図示しないミキサに連通された吸気ポート４
Ａが、吸気弁５を介装してシリンダ１の内周に対して接
線方向に向け開口されている。
【００２１】したがって、吸入行程において、ピストン
２の下降に伴って新気とガス燃料との予混合気Ｍは吸気
ポート４Ａで方向づけされてシリンダ内に流入し、シリ
ンダ軸まわりに回転するスワール流Ｓとなってシリンダ
１内は混合気の不均一な流れ場を形成する。そして、圧
縮行程において、圧縮状態となっても混合気は不均一な
流れの状態のために一斉に自着火することなく、着火位
置は時間と共に変化し、急激な圧力上昇は回避でき、筒
内最高圧力ｐmax も抑制される。
２の下降に伴って新気とガス燃料との予混合気Ｍは吸気
ポート４Ａで方向づけされてシリンダ内に流入し、シリ
ンダ軸まわりに回転するスワール流Ｓとなってシリンダ
１内は混合気の不均一な流れ場を形成する。そして、圧
縮行程において、圧縮状態となっても混合気は不均一な
流れの状態のために一斉に自着火することなく、着火位
置は時間と共に変化し、急激な圧力上昇は回避でき、筒
内最高圧力ｐmax も抑制される。
【００２２】図２に示す実施形態では、吸気ポート４Ｂ
は上方からほぼ直線形状でシリンダ１の内壁に向けて開
口されている。したがって、吸入行程において、予混合
気Ｍはシリンダ１の内壁に沿って軸方向に向け流入し、
ピストン２上面に当たって反転してシリンダ１の反対側
の内壁に沿って上昇し、シリンダ軸と直角な軸まわりに
回転するタンブルＴ流となって不均一な流れ場を形成す
る。それ故、上記の実施形態と同様に急激な圧力上昇を
避けることができる。なお、ピストン１の頂面は、タン
ブル流Ｔの回転を案内する様な形状に形成するとよい。
は上方からほぼ直線形状でシリンダ１の内壁に向けて開
口されている。したがって、吸入行程において、予混合
気Ｍはシリンダ１の内壁に沿って軸方向に向け流入し、
ピストン２上面に当たって反転してシリンダ１の反対側
の内壁に沿って上昇し、シリンダ軸と直角な軸まわりに
回転するタンブルＴ流となって不均一な流れ場を形成す
る。それ故、上記の実施形態と同様に急激な圧力上昇を
避けることができる。なお、ピストン１の頂面は、タン
ブル流Ｔの回転を案内する様な形状に形成するとよい。
【００２３】図３に示す実施形態では、ピストン２の頂
面には、流入する予混合気Ｍが不均一な流れ場を形成す
る様に燃焼室３の形状が形成されている。
面には、流入する予混合気Ｍが不均一な流れ場を形成す
る様に燃焼室３の形状が形成されている。
【００２４】すなわち、圧縮行程において、ピストン２
の上昇に伴って、シリンダ１内の混合気は符号Ｑで示す
様に燃焼室３内に流入し、その流れは不均一な流れ場を
形成して急激な燃焼による圧力上昇を避けることができ
る。
の上昇に伴って、シリンダ１内の混合気は符号Ｑで示す
様に燃焼室３内に流入し、その流れは不均一な流れ場を
形成して急激な燃焼による圧力上昇を避けることができ
る。
【００２５】次の実施形態では、図４において吸気系で
ある吸気管または吸気ポート４に、自着火促進効果を持
つ促進剤Ａの噴射口７が設けられ、吸気系内の予混合気
Ｍに促進剤Ａを添加している。なお、符号１４は、添加
量の調整弁を示している。
ある吸気管または吸気ポート４に、自着火促進効果を持
つ促進剤Ａの噴射口７が設けられ、吸気系内の予混合気
Ｍに促進剤Ａを添加している。なお、符号１４は、添加
量の調整弁を示している。
【００２６】この実施形態では、吸気系内の予混合気Ｍ
に促進剤Ａが噴射口７から添加され、シリンダ１内には
着火性の異なる部分が充分に混合されていない不均一な
状態で吸気される。したがって、圧縮時には自着火が一
斉に起こることなく、着火位置は時間と共に変化するの
で急激な燃焼圧力の上昇や過大な最高圧力が抑制され
る。
に促進剤Ａが噴射口７から添加され、シリンダ１内には
着火性の異なる部分が充分に混合されていない不均一な
状態で吸気される。したがって、圧縮時には自着火が一
斉に起こることなく、着火位置は時間と共に変化するの
で急激な燃焼圧力の上昇や過大な最高圧力が抑制され
る。
【００２７】また、別の実施形態として、自着火抑制効
果を持つ抑制剤Ｄが噴射口７から添加されている。この
実施形態においても、吸気系内の予混合気Ｍに抑制剤Ｄ
が噴射口７から添加され、シリンダ１内には着火性の異
なる部分が充分に混合されない状態で吸気される。した
がって、圧縮時には自着火が一斉に起こることなく、着
火位置は時間と共に変化するので急激な燃焼圧力の上昇
や過大な最高圧力が抑制される。
果を持つ抑制剤Ｄが噴射口７から添加されている。この
実施形態においても、吸気系内の予混合気Ｍに抑制剤Ｄ
が噴射口７から添加され、シリンダ１内には着火性の異
なる部分が充分に混合されない状態で吸気される。した
がって、圧縮時には自着火が一斉に起こることなく、着
火位置は時間と共に変化するので急激な燃焼圧力の上昇
や過大な最高圧力が抑制される。
【００２８】図５には、上記促進剤Ａまたは抑制剤Ｄを
添加する実施形態の制御装置の構成が示されている。促
進剤Ａまたは抑制剤Ｄが充填されたタンク１６が設けら
れ、調整弁１４を介して吸気ポート４の噴射口７に配管
されている。そして、シリンダ１には、圧力センサ１１
が設けられて制御装置１２に連結され、圧力検出信号が
送られており、制御装置１２からは調整弁１４に連結さ
れて制御信号が出力されている。なお、符号１３は制御
条件等を制御装置に入力する入力装置である。その制御
の一例を図６を参照して説明する。まず、ステップＳ１
ではセンサ１１で圧力を検出し、ステップＳ２では入力
装置１３の指示で目標値、例えば、前記図１０に示した
火炎伝播燃焼に近い燃焼パターンの最高圧力や圧力上昇
率等を設定し、制御装置１２はステップＳ３で検出値と
目標値とを比較する。ＹｅｓならばステップＳ４でその
まま継続し、目標値より従来の自着火燃焼に近ければス
テップＳ５で調整弁１４を操作して添加量を増加し、目
標値より火炎伝播燃焼に近ければステップＳ６で調整弁
１４の操作で添加量を減少する。そして、ステップＳ１
に戻り繰り返す。
添加する実施形態の制御装置の構成が示されている。促
進剤Ａまたは抑制剤Ｄが充填されたタンク１６が設けら
れ、調整弁１４を介して吸気ポート４の噴射口７に配管
されている。そして、シリンダ１には、圧力センサ１１
が設けられて制御装置１２に連結され、圧力検出信号が
送られており、制御装置１２からは調整弁１４に連結さ
れて制御信号が出力されている。なお、符号１３は制御
条件等を制御装置に入力する入力装置である。その制御
の一例を図６を参照して説明する。まず、ステップＳ１
ではセンサ１１で圧力を検出し、ステップＳ２では入力
装置１３の指示で目標値、例えば、前記図１０に示した
火炎伝播燃焼に近い燃焼パターンの最高圧力や圧力上昇
率等を設定し、制御装置１２はステップＳ３で検出値と
目標値とを比較する。ＹｅｓならばステップＳ４でその
まま継続し、目標値より従来の自着火燃焼に近ければス
テップＳ５で調整弁１４を操作して添加量を増加し、目
標値より火炎伝播燃焼に近ければステップＳ６で調整弁
１４の操作で添加量を減少する。そして、ステップＳ１
に戻り繰り返す。
【００２９】ここで、目標値とは、その時点における燃
焼特性が、図１０で示す特性（火炎伝播燃焼の特性）
と、図１１で示す特性（従来の自着火燃焼の特性）との
中間的な特性となるための数値的な範囲を意味してい
る。例えば、波形から圧力上昇ｄｐ／ｄｔおよび最高圧
力値ｐmaxを算出し、これを目標値とする。そして、図
１０で示す火炎伝播燃焼の特性と、図１１で示す従来の
自着火燃焼の特性との中間的な特性とは、燃焼の圧力の
上昇率や最高圧力が、火炎伝播燃焼と比較すれば大きい
が、従来の自着火燃焼の場合ほど過大ではなく、機関の
材料、構造等に影響を及ぼさない限界の特性を意味して
いる。
焼特性が、図１０で示す特性（火炎伝播燃焼の特性）
と、図１１で示す特性（従来の自着火燃焼の特性）との
中間的な特性となるための数値的な範囲を意味してい
る。例えば、波形から圧力上昇ｄｐ／ｄｔおよび最高圧
力値ｐmaxを算出し、これを目標値とする。そして、図
１０で示す火炎伝播燃焼の特性と、図１１で示す従来の
自着火燃焼の特性との中間的な特性とは、燃焼の圧力の
上昇率や最高圧力が、火炎伝播燃焼と比較すれば大きい
が、従来の自着火燃焼の場合ほど過大ではなく、機関の
材料、構造等に影響を及ぼさない限界の特性を意味して
いる。
【００３０】なお、機関に影響がなければ、圧力変化は
自着火に近いほど効率が良い、優れた燃焼特性である。
自着火に近いほど効率が良い、優れた燃焼特性である。
【００３１】さらに、図４には別の実施形態が併記され
ており、シリンダ１の上方には、自着火促進効果を持つ
促進剤Ａをシリンダ１（燃焼室３）内に噴射する噴射弁
８が設けられている。
ており、シリンダ１の上方には、自着火促進効果を持つ
促進剤Ａをシリンダ１（燃焼室３）内に噴射する噴射弁
８が設けられている。
【００３２】この実施形態では、吸気行程または圧縮行
程中にシリンダ１内の混合気に促進剤Ａが噴射弁８から
噴射され、着火性の異なる部分が充分に混合されない状
態で圧縮されるので、自着火が一斉に起こることなく、
着火位置は時間と共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や
過大な最高圧力が抑制される。
程中にシリンダ１内の混合気に促進剤Ａが噴射弁８から
噴射され、着火性の異なる部分が充分に混合されない状
態で圧縮されるので、自着火が一斉に起こることなく、
着火位置は時間と共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や
過大な最高圧力が抑制される。
【００３３】この実施形態において、噴射弁８から自着
火抑制効果を持つ抑制剤Ｄを噴射することでも同様な効
果が得られる。
火抑制効果を持つ抑制剤Ｄを噴射することでも同様な効
果が得られる。
【００３４】次に、図７に示す実施形態では、第１、第
２の吸気管１７、１８による２系統の吸気系がシリンダ
１に導入されており、また、排気系には熱交換器２４が
介装された排気管２１が設けられている。そして、さら
に熱交換器２４で排気系と熱交換し、調整弁１５を介し
て前記吸気管１８に連通している副吸気管２２が設けら
れている。
２の吸気管１７、１８による２系統の吸気系がシリンダ
１に導入されており、また、排気系には熱交換器２４が
介装された排気管２１が設けられている。そして、さら
に熱交換器２４で排気系と熱交換し、調整弁１５を介し
て前記吸気管１８に連通している副吸気管２２が設けら
れている。
【００３５】すなわち、この実施形態では、一方の吸気
系である第１の吸気管１７から冷気状態の予混合気Ｍが
シリンダ１に導入されており、他方の吸気系では、排気
と熱交換して温度の高い副吸気管２２の予混合気を含む
予混合気Ｍ′が第２の吸気管１８からシリンダ１に導入
されている。したがって、この２系統からの着火性の異
なる混合気Ｍ、Ｍ′が充分混合されない状態で圧縮さ
れ、自着火が一斉に起こることなく、着火位置は時間と
共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や過大な最高圧力が
抑制される。
系である第１の吸気管１７から冷気状態の予混合気Ｍが
シリンダ１に導入されており、他方の吸気系では、排気
と熱交換して温度の高い副吸気管２２の予混合気を含む
予混合気Ｍ′が第２の吸気管１８からシリンダ１に導入
されている。したがって、この２系統からの着火性の異
なる混合気Ｍ、Ｍ′が充分混合されない状態で圧縮さ
れ、自着火が一斉に起こることなく、着火位置は時間と
共に変化して急激な燃焼圧力の上昇や過大な最高圧力が
抑制される。
【００３６】図８に示す実施形態では、前記図７に示し
た第２の吸気系が相違しており、第２の吸気管１８は、
熱交換器２４によって排気管２１と熱交換を行ってお
り、その熱交換器２４をバイパスする調整弁１５を介装
したバイパス管１９が設けられている。また、シリンダ
には圧力センサ１１が設けられて、制御装置１２に連結
され、その制御装置１２には、入力装置１３が接続さ
れ、調整弁１５に出力されている。
た第２の吸気系が相違しており、第２の吸気管１８は、
熱交換器２４によって排気管２１と熱交換を行ってお
り、その熱交換器２４をバイパスする調整弁１５を介装
したバイパス管１９が設けられている。また、シリンダ
には圧力センサ１１が設けられて、制御装置１２に連結
され、その制御装置１２には、入力装置１３が接続さ
れ、調整弁１５に出力されている。
【００３７】その制御の一例を図９を参照して説明す
る。まず、ステップＳ１１ではセンサ１１で圧力を検出
し、ステップＳ１２にて入力装置１３の指示で目標値、
例えば、前記図１０に示した火炎伝播燃焼に近い燃焼パ
ターンの最高圧力や圧力上昇率等を設定し、制御装置１
２がステップＳ１３で検出値と目標値とを比較する。Ｙ
ｅｓならばステップＳ１４でそのまま継続し、目標値よ
り従来の自着火燃焼に近ければステップＳ１５で調整弁
１４を操作してバイパス量を減少して温度差を増し、目
標値より火炎伝播燃焼に近ければステップＳ１６で調整
弁１４の操作でバイパス量を増加して温度差を減じる。
そして、ステップＳ１１に戻り繰り返す。なお、目標値
の意義は、図６に関連して説明したのと同一である。
る。まず、ステップＳ１１ではセンサ１１で圧力を検出
し、ステップＳ１２にて入力装置１３の指示で目標値、
例えば、前記図１０に示した火炎伝播燃焼に近い燃焼パ
ターンの最高圧力や圧力上昇率等を設定し、制御装置１
２がステップＳ１３で検出値と目標値とを比較する。Ｙ
ｅｓならばステップＳ１４でそのまま継続し、目標値よ
り従来の自着火燃焼に近ければステップＳ１５で調整弁
１４を操作してバイパス量を減少して温度差を増し、目
標値より火炎伝播燃焼に近ければステップＳ１６で調整
弁１４の操作でバイパス量を増加して温度差を減じる。
そして、ステップＳ１１に戻り繰り返す。なお、目標値
の意義は、図６に関連して説明したのと同一である。
【００３８】
【発明の効果】本発明は以上説明した様に構成され、以
下の効果を奏する。 （１） 吸気ポートによってシリンダ内にスワール流ま
たはタンブル流を発生させて吸気の流れ場を不均一にす
る、あるいは、ピストンの燃焼室の形状によって流れ場
を不均一にすることで自着火による圧力上昇・筒内最高
圧力を機関が許す範囲限界に抑制することにより、圧縮
自着火による高効率燃焼の特性を可能な限り生かしつ
つ、従来の火炎伝播燃焼に機関近い信頼性・耐久性の向
上が図れる。 （２） 自着火促進効果を持つ促進剤あるいは自着火抑
制効果を持つ抑制剤を吸気系または燃焼室内に直接噴射
して予混合気と不均一な混合状態として、上記項目
（１）と同様な効果を奏する。 （３） ２系統の吸気系を設けて温度の異なる予混合気
をシリンダ内に導入し、着火性の異なる予混合気が充分
混合されない不均一な状態として、上記項目（１）と同
様な効果を奏する。
下の効果を奏する。 （１） 吸気ポートによってシリンダ内にスワール流ま
たはタンブル流を発生させて吸気の流れ場を不均一にす
る、あるいは、ピストンの燃焼室の形状によって流れ場
を不均一にすることで自着火による圧力上昇・筒内最高
圧力を機関が許す範囲限界に抑制することにより、圧縮
自着火による高効率燃焼の特性を可能な限り生かしつ
つ、従来の火炎伝播燃焼に機関近い信頼性・耐久性の向
上が図れる。 （２） 自着火促進効果を持つ促進剤あるいは自着火抑
制効果を持つ抑制剤を吸気系または燃焼室内に直接噴射
して予混合気と不均一な混合状態として、上記項目
（１）と同様な効果を奏する。 （３） ２系統の吸気系を設けて温度の異なる予混合気
をシリンダ内に導入し、着火性の異なる予混合気が充分
混合されない不均一な状態として、上記項目（１）と同
様な効果を奏する。
【図１】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図２】本発明の第２の実施形態を示す斜視図。
【図３】本発明の第３の実施形態を示す斜視図。
【図４】本発明の第４の実施形態を示す断面図。
【図５】図４の実施形態の制御装置を示す模式図。
【図６】図５のフローチャート図。
【図７】本発明の吸気加熱方式による実施形態を示す構
成図。
成図。
【図８】本発明の吸気加熱方式による別の実施形態を示
す構成図。
す構成図。
【図９】図８のフローチャート図。
【図１０】火炎伝播による燃焼の圧力線図。
【図１１】従来の圧縮自着火燃焼の圧力線図。
１・・・シリンダ ２・・・ピストン ３・・・燃焼室 ４、４Ａ、４Ｂ・・・吸気ポート ５・・・吸気弁 ７・・・噴射口 ８・・・噴射弁 １１・・・圧力センサ １２・・・制御装置 １３・・・入力装置 １４、１５・・・調整弁 １６・・・タンク １７、１８・・・吸気管 １９・・・バイパス管 ２１・・・排気管 ２４・・・熱交換器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０２Ｄ 43/00 ３０１ Ｆ０２Ｄ 43/00 ３０１Ｚ Ｆ０２Ｍ 25/00 Ｆ０２Ｍ 25/00 Ｊ
Claims (9)
- 【請求項１】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、吸気ポートによってシリン
ダ内にシリンダ中心軸まわりに回転するスワール流を発
生させて吸気の流れ場を不均一にし、自着火による圧力
上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合圧
縮自着火内燃機関。 - 【請求項２】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、吸気ポートによってシリン
ダ内にシリンダ中心軸に直角な軸まわりに回転するタン
ブル流を発生させて吸気の流れ場を不均一にし、自着火
による圧力上昇を抑制する様に構成したことを特徴とす
る予混合圧縮自着火内燃機関。 - 【請求項３】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、ピストン頂部に設けた燃焼
室の形状を混合気の流れ場が不均一となる様に形成し、
自着火による圧力上昇を抑制する様に構成したことを特
徴とする予混合圧縮自着火内燃機関。 - 【請求項４】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、吸気系の予混合気に自着火
促進効果を持つ促進剤を添加し、以て自着火による圧力
上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合圧
縮自着火内燃機関。 - 【請求項５】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、吸気系の予混合気に自着火
抑制効果を持つ抑制剤を添加し、以て自着火による圧力
上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合圧
縮自着火内燃機関。 - 【請求項６】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、燃焼室内の予混合気に自着
火促進効果を持つ促進剤を噴射し、以て自着火による圧
力上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合
圧縮自着火内燃機関。 - 【請求項７】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、燃焼室内の予混合気に自着
火抑制効果を持つ抑制剤を噴射し、以て自着火による圧
力上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合
圧縮自着火内燃機関。 - 【請求項８】 予混合気を吸気し圧縮によって自着火燃
焼させる内燃機関において、シリンダ内に予混合気を供
給する吸気ポートを２系列とし、その一方の吸気ポート
内の混合気を加熱する加熱手段を設けて自着火による圧
力上昇を抑制する様に構成したことを特徴とする予混合
圧縮自着火内燃機関。 - 【請求項９】 前記混合気を加熱する加熱手段を排気ガ
スとの熱交換によって行う様に構成した請求項８の予混
合圧縮自着火内燃機関。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10189344A JP2000018040A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | 予混合圧縮自着火内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10189344A JP2000018040A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | 予混合圧縮自着火内燃機関 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000018040A true JP2000018040A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16239769
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10189344A Pending JP2000018040A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | 予混合圧縮自着火内燃機関 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000018040A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002221060A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-09 | Tokyo Gas Co Ltd | 複数気筒を有する予混合圧縮自着火機関 |
| JP2002276404A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-25 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮着火式内燃機関 |
-
1998
- 1998-07-03 JP JP10189344A patent/JP2000018040A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002221060A (ja) * | 2001-01-30 | 2002-08-09 | Tokyo Gas Co Ltd | 複数気筒を有する予混合圧縮自着火機関 |
| JP2002276404A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-25 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮着火式内燃機関 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070323 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070329 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070726 |