JP5212160B2 - 圧縮着火内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、予混合圧縮着火燃焼、特にオクタン価の異なる2種の燃料をそれぞれ筒内に直接噴射して圧縮着火燃焼を行う圧縮着火内燃機関に関する。
特許文献1には、高負荷運転時の燃焼音を抑制し、広い運転領域において予混合圧縮自己着火燃焼方式による内燃機関の運転を可能とする技術が記載されている。このものでは、オクタン価の異なる2種類の燃料を用い、高オクタン価燃料のポート噴射によって燃焼室内に高オクタン価燃料の予混合気を形成し、その予混合気中に低オクタン価燃料を筒内に直接噴射することによって、燃焼室内に着火性の異なる2つの混合気の領域を形成し、両者の着火時期に位相差を与えることで、急峻な熱発生による燃焼騒音の抑制を図っている。
また、特許文献2には、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とを筒内に個々に噴射するようにした内燃機関が開示されている。ここでは、2つの燃料噴射弁からオクタン価の異なる燃料を両者が実質的に重ならないように筒内に噴射することで、燃料濃度が均質でかつオクタン価分布のある混合気場を形成するようにしており、これによって広い運転領域で圧縮着火燃焼の実現を図っている。
特開2005−146932号公報 特開2005−139945号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、高オクタン価燃料の予混合気に低オクタン価燃料を噴射すると、高オクタン価燃料と低オクタン価とが混合することによるオクタン価の低い燃料の領域の混合気が過濃(リッチ)になり、スモークやNOxの発生といった排気エミッションの悪化を招くおそれがある。一方、特許文献2の技術では、2つの燃料を別個に分布させることができる反面、中間のオクタン価となる混合した燃料分布を形成できないため、適用可能な運転領域が限定されてしまう。すなわち、特許文献2では、負荷の上昇に伴って、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料の供給割合を、低オクタン価燃料が少なくなるように制御する旨開示されているが、2つの燃料が混合せずに負荷の上昇とともに高オクタン価燃料の量を増加させた場合、低オクタン価燃料によって着火した高オクタン価燃料が一斉に発火するため、燃焼後半が急峻燃焼になり、燃焼騒音が過大となる。また、負荷の上昇に対し低オクタン価燃料が過度に増加すると、低オクタン価燃料が一斉に発火し、燃焼の前半が急峻な燃焼となる。
本発明は、低オクタン価燃料および高オクタン価燃料を燃焼室中央から所定の噴霧角でそれぞれ筒内に直接噴射し、圧縮自己着火させる筒内直接噴射式の圧縮着火内燃機関において、所定のオクタン価成層モードでは、一燃焼サイクル中に少なくとも2回の噴射期間を設け、早期の噴射期間と後期の噴射期間とで噴射される燃料のオクタン価を異ならせるとともに、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくすることを特徴としている。
上記のオクタン価成層モードでは、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料とで、筒内での分布領域が径方向で異なるものとなり、両者の干渉が小さいものとなる。従って、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくすることで、各々の噴射期間で噴射された燃料の分布領域が径方向及び周方向の双方で異なる形となるために、各々の噴射期間で噴射される燃料のオクタン価を異ならせることで、筒内にオクタン価の異なる燃料の混合気を互いに混合・干渉させることなく分布させることができる。また、各々の噴射期間で、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料との噴射率(比率)を適切に制御することで、各噴射期間で噴射される燃料のオクタン価を適宜調整することも可能である。従って、適宜なオクタン価の燃料を互いに干渉させることなく筒内に良好に分布させることができる。
本発明によれば、オクタン価成層モードにおいては、適宜なオクタン価の燃料を互いに干渉させることなく筒内に良好に分布させることができ、これによって、良好な圧縮着火燃焼を実現することが可能となる。
本発明の実施例が適用される圧縮着火内燃機関の構成を簡略的に示す構成図。 マルチホール型の燃料噴射弁により噴射される燃料噴霧を模式的に示す斜視図(A),側面図(B)及び上面図(C)。 本発明の第1実施例に係る低オクタン価燃料の燃料噴霧(A)と高オクタン価燃料の燃料噴霧(B)とを模式的に示す上面対応図。 上記第1実施例に係るオクタン価均質モードにおける燃料の分布状態を模式的に示す説明図。 上記第1実施例に係るオクタン価成層モードにおける燃料の分布状態を模式的に示す説明図。 上記第1実施例に係る負荷に応じた燃料噴射制御を説明するための説明図。 上記第1実施例に係るオクタン価成層モードにおける負荷に応じた燃料噴射時期及び噴射率(A),燃料混合状態(B),及び熱発生状態(C)を示す説明図。 本発明の第2実施例に係る低オクタン価燃料の燃料噴霧(A)と高オクタン価燃料の燃料噴霧(B)とを模式的に示す上面対応図。 上記第2実施例に係るオクタン価成層モードにおける燃料の分布状態を模式的に示す説明図。 上記第2実施例に係るオクタン価均質モードにおける燃料の分布状態を模式的に示す説明図。
以下、図示実施例により本発明を説明する。図1を参照して、シリンダブロック10に形成されたシリンダ11にはピストン8が昇降可能に配置され、シリンダヘッド9とシリンダ11とピストン8とによって燃焼室7が形成されている。この燃焼室7は、吸気弁12を介して吸気ポート3と連通し、かつ排気弁13を介して排気ポート4と連通する。ペントルーフ型をなす燃焼室7の上面中心部には、2つの燃料噴射弁つまり低オクタン価燃料用燃料噴射弁1と高オクタン価燃料用燃料噴射弁2とが並んで配置されている。各々の燃料噴射弁1,2には、別個の燃料配管ならびに燃料ポンプ等(いずれも図示せず)を介して、低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が個々に供給されている。
また、吸気ポート3の上流の吸気通路3Aには、スロットル弁5が設けられるとともに、吸気ポート3には、筒内のスワールの強度を可変制御するためのスワール制御弁6が設けられている。このスワール制御弁6は、バタフライバルブ型の弁体の一部に切欠を備えた一般的な構成のものであり、所定の負荷域において閉位置とすることで、筒内に所定強度のスワールを生成することができる。
2つの燃料噴射弁1,2は、いずれも複数(この例では4つ)の噴孔を有するマルチホール型燃料噴射弁であって、図2に示すように、全体としてシリンダ中心軸線11Aを中心とした所定の噴霧角の円錐平面上の領域に噴射される。すなわち、各噴孔から噴射される燃料噴霧Fは、その噴霧中心軸Z1が上記同一の円錐平面上に配置された円錐形状をなす。また、各噴霧中心軸Z1は周方向に等間隔に配置されており、隣り合う噴霧中心軸Z1のなす角度は90度に設定されている。
ここで、第1実施例においては、図3に示すように、シリンダ軸方向から見たときに、(B)に示す低オクタン価燃料用燃料噴射弁1の噴霧Flと、(A)に示す高オクタン価燃料用燃料噴射弁2の噴霧Fhとが、同じ噴霧方向となるように設定されている。つまり、両燃料噴射弁1,2の各噴孔の噴霧中心軸Z1が同一となるように設定されている。なお、実際には2本の燃料噴射弁1,2を燃焼室中央部に近接して配置している関係で両者の噴霧中心軸Z1を完全に一致させることは困難である。つまり、『噴霧中心軸が同一となるように設定されている』とは、できる限り噴霧中心軸が同一となるように設定されたものであり、噴霧中心軸Z1が完全に一致しているものに限定されるものではない。
次に、本実施例の基本的な制御内容について図4〜図7を参照しつつ説明する。以下、オクタン価を『RON(research octane number)』とも呼ぶ。また、図5,図7(B),図10等では表記上の制限からそれぞれのオクタン価燃料Fl,Fm1,Fm2,Fhが独立した領域を占めるかのように描かれているが、実際には一つの空間であるために適宜に混ざり合ったものとなる。
・図6に示すように、オクタン価成層モードとオクタン価均質モードとを所定の負荷SLで切り替える。つまり、所定の負荷SL未満の低負荷域ではオクタン価成層モードとし、所定の負荷SL以上の中・高負荷域では、オクタン価成層モードとする。オクタン価均質モードでは、高オクタン価燃料の噴射率が少なく、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを混合させても着火遅れが長くなり過ぎることはないので、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とを積極的に混合させて、燃焼室内に中間のオクタン価の燃料を均一に分布させる。具体的には、図4(A)に示すように、同じ噴射時期に高オクタン価燃料Fhと低オクタン価燃料Flとを噴射することで、両燃料が同じ領域に噴射されることから、速やかに両燃料が混合し、図4(B)に示すように、燃焼室内に中間のオクタン価の燃料の均質な混合気を形成することができる。また、スワールを付与して、筒内のスワール流動により両燃料を積極的に混合させるようにしても良い。
一方、オクタン価均質モードにおいては、異なるオクタン価の燃料を混合させることなく異なる領域に分布させるように、以下の制御を行う。すなわち第1実施例では、図5及び図7に示すように、スワール制御弁6を閉として筒内にスワール流動Sを付与した状態で、先ず、図5(A)に示すように早期の噴射期間に低オクタン価燃料Flのみを噴射する。次いで、後期の噴射期間に、少なくとも高オクタン価燃料(及び低オクタン価燃料)Fhを噴射する。これによって、図5(B)に示すように、先に噴射した低オクタン価燃料FlはスワールSに流されつつ筒内の外周近傍に分布し、後から噴射した燃料は内周側に分布することから、図5(C)に示すように、先に噴射した燃料Flと後から噴射した燃料Fhとが径方向及び周方向の異なる領域に分布する。すなわち、燃料噴射期間を異ならせることで、径方向の分布領域を異なるものとし、かつ、スワール流動を利用して、同じ方向に噴射された燃料でありながら、先の噴射燃料Flと後の噴射燃料Fhとが分布する周方向領域を異ならせている。
すなわち図5(C)に示すように、各々の噴射期間で噴射された燃料Fl,Fhが分布する領域を、燃料が噴射されない空間Fnを挟んで径方向にも周方向にも異ならせ、異なるオクタン価の燃料Fl,Fhを周方向に格子状に分布させるようにすることで、両者の混合のリスクが少なく、良好なオクタン価の成層化を実現できる。従って、例えば後述するように筒内の外周部に着火性の良い低オクタン価の燃料Flを高オクタン価燃料Fhと混合させることなく分布させることで、所定の着火時期に安定して確実に圧縮自己着火させることができ、かつ、筒内の外周部より燃焼を行うことで、未燃燃料の排出を抑制することができる。
・先の早期噴射期間では、低オクタン価の燃料のみが噴射される。すなわち、低オクタン価燃料はそれ自身の自己着火によって燃焼開始を行わせることを目的として噴射するため、オクタン価の増加による着火遅れ等を招くことのないように、低オクタン価の燃料のみを噴射する。また、先に低オクタン価燃料を噴射することで、この低オクタン価燃料Flが筒内の外周部に分布し、この燃料の噴霧を中心として着火が開始されるため、筒内の外周側より内周側へ向けて燃焼が進行することとなる。このため、燃焼による膨張作用で未燃の燃料成分がシリンダボア壁近傍のピストンクレビスに入り未燃HCとして排出されるといった現象を抑制でき、未燃燃料成分の排出を抑制することができる。
・後の後期噴射期間で噴射される燃料は、負荷に応じてオクタン価を高くする。つまり、後期噴射期間では、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料の双方を噴射し、これらは同方向に噴射されるので速やかに混合して、図7に示すように、筒内の内周側には中間のオクタン価の燃料Fm1,Fm2が分布することとなるが、その噴射率(噴射比率・噴射割合)を、負荷に応じて変化させ、具体的には負荷が高くなるほど高オクタン価燃料の噴射率を大きくし、最終的に高負荷側では高オクタン価燃料Fhのみを噴射する。このように、負荷が高くなるほど、後から噴射された燃料のオクタン価を高くすることで、その着火遅れ期間が大きくなり、先に噴射された低オクタン価の着火開始時期はほぼ一定としているので、着火の位相差が大きくなって、燃焼期間が長くなり、高負荷側での急峻な熱発生による振動や騒音の発生を抑制することができる。また、低負荷側では燃焼期間を短くして熱効率を向上させることができる。
・先に噴射される低オクタン価の燃料と、後から噴射される中間オクタン価(又は高オクタン価)の燃料と、の分担量は、負荷に応じて変化させ、具体的には高負荷ほど後期噴射期間の燃料分担量を大きくする。すなわち、オクタン価成層モードのうち低負荷側では、確実な着火を行うために、早期噴射期間に噴射される低オクタン価の燃料の量を多くし、後期噴射期間に噴射される燃料の量を少なくするとともに、この後期噴射期間における低オクタン価燃料の噴射率を高くして、燃焼期間を短くし、燃焼効率を向上させる。一方、負荷が高くなるほど、筒内の当量比が高く着火性が高くなるために、燃焼前半の熱発生を抑えるように、早期噴射期間における低オクタン価燃料の量を少なくし、かつ、後期噴射期間における燃料の量を多くするとともに、この後期噴射期間における高オクタン価燃料の噴射率を高くして、燃焼期間を長くし、振動や騒音の発生を抑制する。従って、図6に示すように、筒内に供給される燃料全体の平均のオクタン価(平均RON)は、負荷が高くなるほど高くなる。
次に、図8〜図10を参照して、本発明の第2実施例を説明する。この第2実施例の低オクタン価燃料用燃料噴射弁1と高オクタン価燃料用燃料噴射弁2とは、第1実施例と同様、ともに複数の噴孔を有するマルチホール型の燃料噴射弁であり、各噴孔の噴霧中心軸は、同一の噴霧角の円錐平面上に配置される。但し、この第2実施例では、図8に示すように、シリンダ軸方向から見て、各噴孔の噴霧Fl,Fhの方向、つまり噴霧中心軸の噴射方向が、図8(A)に示す低オクタン価燃料用燃料噴射弁1と図8(B)に示す高オクタン価燃料用燃料噴射弁2とで周方向に異なるものとなっている。従って、両噴射弁1,2から同時に燃料を噴射した場合、周方向に異なる領域に燃料が噴射される。
この第2実施例におけるオクタン価成層モードでは、図9に示すように、スワール制御弁6を開として、燃焼室内にスワールを付与していない状態つまりスワールの付与を停止した状態で、先の早期噴射期間に低オクタン価燃料Flを噴射し、後の後期噴射期間で、高オクタン価燃料用燃料噴射弁2により高オクタン価燃料Fhを上記の低オクタン価燃料Flとは異なる方向へ噴射することによって、上記第1実施例と同様、先に噴射された低オクタン価燃料Flの分布領域と、後から噴射された高オクタン価燃料Fhの分布領域とが、周方向にも径方向にも異なるものとなり、いわゆる格子状に異なるオクタン価の燃料が分布することとなり、両者の混合を抑え、良好なオクタン価の成層化を実現できる。
なお、このオクタン価成層モードにおける後期噴射期間で、高オクタン価燃料とともに低オクタン価燃料を噴射する場合、この低オクタン価燃料は高オクタン価燃料と周方向で異なる方向に噴射されることとなるが、実際には周方向に隣接する高オクタン価燃料と速やかに混合し、筒内の内周側に中間オクタン価の燃料が分布することとなる。
一方、オクタン価均質モードでは、図10に示すように、スワール制御弁6を閉として、燃焼室内にスワールを付与した状態で、先に低オクタン価燃料を噴射し、この燃料Flがスワールにより周方向に流されて高オクタン価燃料用燃料噴射弁2による燃料噴射領域と重なるタイミングで、この高オクタン価燃料用燃料噴射弁2により高オクタン価燃料Fhを噴射する。これによって、両燃料が空間的に重なって速やかに混合され、中間のオクタン価の燃料を燃焼室内に均質に分布させることができる。
次に、本発明の特徴的な構成及びその作用効果について上記の図示実施例を参照して列記する。但し、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。
[1]低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が燃焼室中央から所定の噴霧角でそれぞれ筒内に直接噴射される筒内直接噴射式の圧縮着火内燃機関において、所定のオクタン価成層モードでは、一燃焼サイクル中に少なくとも2回の噴射期間を設け、早期の噴射期間と後期の噴射期間とで噴射される燃料のオクタン価とを異ならせるとともに、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくする。これにより、各々の噴射期間で噴射される燃料のオクタン価を異ならせることによって、早期の噴射期間で噴射された燃料と、後期の噴射期間で噴射された燃料とを径方向にも周方向にも異なる格子状に分布させることで、両者の混合のリスクが少なく、良好なオクタン価の成層化を実現できる。従って、例えば後述するように筒内の外周部に着火性の良い低オクタン価の燃料Flを高オクタン価燃料Fhと混合させることなく分布させることで、所定の着火時期に安定して確実に圧縮自己着火させることができ、かつ、筒内の外周部より燃焼を進行させることで、未燃燃料の排出を抑制することができる。
[2]上述した『早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さく』する手法として、典型的には、既存のスワール制御弁6のような筒内のスワールを可変制御する手段を用いて行うことができ、スワールの付与と付与の停止とを切り換えることにより、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉状態を制御することができる。
[3]具体的には、上記第1実施例のように、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とで噴霧中心軸が周方向に同一である場合、オクタン価成層モードでは、図5に示すように、所定強度のスワールSを付与することにより、早期の噴射期間で噴射された燃料Flと後期の噴射期間で噴射された燃料Fhとの周方向における干渉を小さくすることができる。
[4]一方、上記第2実施例のように、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とで噴霧中心軸が径方向に異なる場合、オクタン価均質モードでは、図10に示すように、所定強度のスワールSを付与することにより、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を大きくし、両燃料の混合を促進することができる。上記オクタン価成層モードでは、スワールSの付与を停止することにより、図9に示すように、早期の噴射期間で噴射された燃料Flと後期の噴射期間で噴射された燃料Fhとの周方向における干渉を小さくすれば良い。
[5]好ましくは上記第1,第2実施例のように、早期の噴射期間では低オクタン価燃料Flのみが噴射され、後期の噴射期間では、少なくとも高オクタン価燃料が噴射される。この場合、上述したように、低オクタン価燃料Flが筒内の外周部に分布し、この燃料の噴霧を中心として着火が開始されるため、筒内の外周側より内周側へ向けて燃焼が進行することとなる。このため、燃焼による膨張作用で未燃の燃料成分がシリンダボア壁近傍のピストンクレビスに入り未燃HCとして排出されるといった現象を抑制でき、未燃燃料成分の排出を抑制することができる。
[6]一方の噴射期間では低オクタン価燃料のみが噴射され、他方の噴射期間では、機関負荷が高くなるほど高オクタン価燃料の噴射率が高くなるように、少なくとも高オクタン価燃料が噴射される。これにより、一方の噴射期間に噴射された低オクタン価燃料を混合させることなく筒内に分布させて、所定の着火時期に安定して確実に圧縮自己着火させることができる。また、他方の噴射期間では負荷が高くなるほど燃料のオクタン価を高くすることで、その着火遅れ期間が大きくなり、燃焼期間が長くなるために高負荷側での振動や騒音の発生を抑制することができ、かつ、低負荷側では燃焼期間を短くして熱効率を向上させることができる。
[7]典型的には、各々の燃料を噴射する2本の燃料噴射弁1,2が燃焼室中央に配置される。各燃料噴射弁1,2は、シリンダ中心軸線を中心とした所定噴霧角の同一円錐面状に燃料を噴射する複数の噴孔を有するマルチホール型の燃料噴射弁である。
あるいは、同じ噴孔から2種類の異なる燃料をそれぞれ噴射可能な一本の燃料噴射弁を燃焼室中央に配置するようにしても良い。また、噴射する燃料を予め所定のオクタン価に調整する燃料改質器を設けるようにしても良い。
1…低オクタン価燃料用燃料噴射弁
2…高オクタン価燃料用燃料噴射弁
6…スワール制御弁
7…燃焼室

Claims (6)

  1. 低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が燃焼室中央から所定の噴霧角でそれぞれ筒内に直接噴射される筒内直接噴射式の圧縮着火内燃機関において、
    所定のオクタン価成層モードでは、一燃焼サイクル中に少なくとも2回の噴射期間を設け、早期の噴射期間と後期の噴射期間とで噴射される燃料のオクタン価を異ならせるとともに、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくし、
    かつ、筒内のスワールを可変制御する手段を備え、このスワールによって、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉状態を制御することを特徴とする圧縮着火内燃機関。
  2. 上記低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とで噴霧中心軸が周方向に同一であり、
    上記オクタン価成層モードでは、所定強度のスワールを付与することにより、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくすることを特徴とする請求項に記載の圧縮着火内燃機関。
  3. 上記低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とで噴霧中心軸が径方向に異なり、
    オクタン価均質モードでは、所定強度のスワールを付与することにより、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を大きくし、
    上記オクタン価成層モードでは、スワールの付与を停止することにより、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくすることを特徴とする請求項に記載の圧縮着火内燃機関。
  4. 早期の噴射期間では低オクタン価燃料のみが噴射され、後期の噴射期間では、少なくとも高オクタン価燃料が噴射されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の圧縮着火内燃機関。
  5. 一方の噴射期間では低オクタン価燃料のみが噴射され、他方の噴射期間では、機関負荷が高くなるほど高オクタン価燃料の噴射率が高くなるように、少なくとも高オクタン価燃料が噴射されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の圧縮着火内燃機関。
  6. 低オクタン価燃料および高オクタン価燃料が燃焼室中央から所定の噴霧角でそれぞれ筒内に直接噴射される筒内直接噴射式の圧縮着火内燃機関において、
    所定のオクタン価成層モードでは、一燃焼サイクル中に少なくとも2回の噴射期間を設け、早期の噴射期間と後期の噴射期間とで噴射される燃料のオクタン価を異ならせるとともに、早期の噴射期間で噴射された燃料と後期の噴射期間で噴射された燃料との周方向における干渉を小さくし、
    かつ、各々の燃料を噴射する2本の燃料噴射弁が燃焼室中央に配置され、
    各燃料噴射弁は、シリンダ中心軸線を中心とした所定噴霧角の同一円錐面状に燃料を噴射する複数の噴孔を有するマルチホール型の燃料噴射弁であることを特徴とす圧縮着火内燃機関。
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