JP2000017370A - 固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法 - Google Patents

固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法

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JP2000017370A JP10187910A JP18791098A JP2000017370A JP 2000017370 A JP2000017370 A JP 2000017370A JP 10187910 A JP10187910 A JP 10187910A JP 18791098 A JP18791098 A JP 18791098A JP 2000017370 A JP2000017370 A JP 2000017370A
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義男 阿部
Setsuo Takagi
節雄 高木
Yuji Kimura
勇次 木村
Ryuji Uemori
龍治 植森
Takuya Hara
卓也 原
Hiroshi Tamehiro
博 為広
Atsushi Nogami
敦嗣 野上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄鉱石の固相還元に伴い生じる未還元の不純
物を無害化し、固相還元による強度靱性に優れた鉄鋼材
料の製造方法を提供する。 【解決手段】 鉄を20重量%以上含有し、残部SiO
2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2 などからな
る鉄鉱石あるいは砂鉄を還元剤により固相還元して、鉄
と未還元酸化物からなる粉体とし、これにメカニカルミ
リング処理を施した後、固化成形することを特徴とする
固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法。
好ましくは、固相還元に際し、Al、Cu、Cr、H
f、Mn、Mo、Nb、Ni、Ta、Ti、V、W、Z
rのうちのいずれか1種あるいは2種以上を含有する鉱
物の粉末を混合することにより必要な合金元素を添加
し、また、還元剤を水素もしくは水素を含有するガスと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固相反応による強
度と靱性にともに優れた鉄鋼材料の製造方法、特に鉄鉱
石、砂鉄あるいは鉱物を直接の原料として、溶解反応を
経ずに固相反応により比較的簡単な方法で強度靱性に優
れた鉄鋼材料を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現状の鉄鋼製造法においては、鉄鉱石を
高温炉中でコークスと処理して還元して溶融状態の銑鉄
を得る高炉製鉄法、さらにこれを溶融状態のまま転炉な
どにおいて高温で脱炭して炭素含有量の低い鋼を得る転
炉製鋼法が主流である。こうして得られた溶鋼は連続鋳
造装置によってスラブに鋳込まれ、さらに熱間圧延、お
よび必要に応じて冷間圧延されて鋼板製品となる。この
方法は大量生産における製造コスト的に有利であり、ま
た品質的にも優れた鋼が得られることから、二十世紀後
半の社会の高度成長のバックボーンとなってきた技術で
ある。
【0003】また、強度靱性など鉄鋼材料に求められる
優れた機械的特性を保証するために、長年にわたり多大
な技術開発努力がなされてきた。ひとつは、製銑・製鋼
プロセスにおける、鉄鉱石中に含まれるSiO2 、Al
2 2 、CaO、MgO、TiO2 などの酸化物ならび
にP、S等の不純物元素、過剰に含まれるSi等の元素
の極限までの低減と、材質向上に寄与する合金元素の添
加により、組織そのものの強度靱性を向上せしめる方
法、あるいは加工熱処理プロセスにおける加熱、冷却、
圧延条件の最適化により変態再結晶などの過程を精密に
制御し、組織の種類、形態、分率等を最適化して強度靱
性を高める方法である。これらの方法は、鉄鋼材料の材
質改善に極めて高い成功をおさめ、鉄鋼材料の信頼性を
高め、社会に対して多大な貢献をしてきたところであ
る。
【0004】しかしながら、高炉法においては炭素の燃
焼により鉄鉱石を還元するため、大量の二酸化炭素の発
生が不可避であり、将来にわたる地球環境の維持に対し
ては必ずしも最適とはいえない面がある。また高炉、転
炉、連続鋳造、熱間圧延という溶解を含む多段の高温プ
ロセスによって鉄鋼材料を製造するという現行の鉄鋼製
造プロセスは、鉄鋼生産工程全体のエネルギー消費を低
減する必要性の観点から、将来的に見直しを迫られる可
能性がある。
【0005】このような観点から、高炉において炭素以
外の還元剤により鉄鉱石を還元する製鉄法の開発が課題
であるが、これまで有力な方法は提案されていない。ま
た鉄鉱石を水素、天然ガス、一酸化炭素などの還元性ガ
ス、あるいは固体炭素などにより固相で還元する試みも
数多くなされてきた。しかしこの方法では、鉄鉱石中に
含まれるSiO2 、Al2 3 、CaO、MgO、Ti
2 などの酸化物がかならずしも還元されず、これを除
去できないことから、固化成形して得られる鉄鋼材料の
機械的特性に悪影響を及ぼす。このため、固相還元によ
る強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造法は確立されていな
かった。
【0006】加えて、高炉製鉄法、転炉製鋼法において
溶鋼から除去される酸化物、不純物等はスラグを形成す
るが、この製鉄スラグの廃棄は環境保全の上で大きな問
題であり、将来さらに顕在化する可能性がある。他方
で、加工熱処理プロセスも、合金元素の添加が鉄鋼材料
のリサイクル性を阻害する可能性があること、また製造
工程の複雑化に伴うエネルギーコスト、プロセスコスト
の上昇などの問題を含んでおり、将来的に見て改善検討
の余地がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶解反応を
伴わずに固相反応のみを用いることにより、鉄鋼材料の
製造に消費するエネルギーと廃棄物の発生を抑制し、さ
らに炭素以外の還元剤を用いて鉄鉱石の還元を行うこと
により、二酸化炭素の発生量を少量にまたは皆無に抑え
得る、環境負荷の小さい鉄鋼材料の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者らは鉄鉱石、砂鉄あるいは鉱物中に含ま
れるSiO2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2
などの酸化物、およびP、Sといった不純物元素をメカ
ニカルミリングにより無害化すると同時に、酸化物を微
細均一に再析出させることにより組織の微細化と析出強
化で材料の強度向上に積極的に活用することで、これを
鉄鉱石、砂鉄あるいは鉱物中から除去することなく強度
靱性に優れた鉄鋼材料を製造する方法を見出し、これを
基に本発明を完成したものであって、その要旨とすると
ころは下記のとおりである。
【0009】(1)鉄を20重量%以上含有し、残部S
iO2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2 などか
らなる鉄鉱石あるいは砂鉄を還元剤により固相還元し
て、鉄と未還元酸化物からなる粉体とし、これにメカニ
カルミリング処理を施した後、固化成形することを特徴
とする固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造
方法。
【0010】(2)前記鉄鉱石あるいは砂鉄の固相還元
に際し、Al、Cu、Cr、Hf、Mn、Mo、Nb、
Ni、Ta、Ti、V、W、Zrのうちのいずれか1種
あるいは2種以上を含有する鉱物の粉末を、鉄鉱石ある
いは砂鉄とともに固相還元することを特徴とする前項
(1)記載の固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料
の製造方法。
【0011】(3)前記還元剤が水素もしくは水素を含
有するガスであることを特徴とする前項(1)または
(2)記載の固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料
の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鉄中に平衡状態で
は固溶しにくい元素の安定存在形態である酸化物等の析
出物が、メカニカルミリングにおける高密度エネルギー
の付与により超微細化し、さらに不安定化し、原子状に
分解して鉄中あるいは鉄の結晶粒界に偏在して溶解固溶
することを明らかにした。
【0013】さらに、本発明者らは、こうして溶解した
酸化物などが加熱により微細均一に析出することを見出
した。一方、本発明者らは、メカニカルミリングにより
合成した鉄などからなる金属粉末を固化成形して、緻密
で欠陥のないバルク体を製造することに成功した。ま
た、本発明者らは、結晶粒微細化にともない粒界面積が
飛躍的に増えるため、粒界偏析元素の偏析濃度が低くな
り、そのために粒界偏析は緩和される傾向にあることを
確かめ、その結果から、鉄鉱石中に含まれるP、Sの材
質に与える影響は、超細粒化により緩和され、結果的に
P、Sが無害化されることを明らかにした。
【0014】以上の知見を基に、本発明者らは、鉄鉱
石、砂鉄あるいは鉱物を水素などで固体のまま還元し
て、SiO2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2
などの酸化物およびP、Sなどの不純物を含む鉄粉末を
製造し、これをメカニカルミリング処理して前記の酸化
物などを分解固溶させ、これを固化成形の後、熱処理に
より酸化物を微細均一に析出させ、強度靱性に優れた鉄
鋼材料を製造することに成功した。
【0015】次に、本発明における製造条件等の限定理
由について説明する。本発明の特徴は先に述べたように
鉄鉱石を固相で還元して、メカニカルミリングに供し、
固化成形して鉄鋼材料とする方法である。鉄鉱石や砂鉄
の組成そのものは本発明において本質的な効果を持たな
いが、鉄含有量が低すぎると固化成形の妨げとなり、ま
た最終製品の靱性を阻害するため、鉄含有量を20重量
%以上とする必要がある。還元に要する時間、エネルギ
ーの節約の観点からは、35重量%以上含有されている
ことが好ましい。含有量の上限は鉱石中の含有量である
から、本発明はそれを定めない。
【0016】また、鉄鉱石や砂鉄は、鉄を金属鉄や酸化
物などの形で含有し、その残部として、SiO2 、Al
2 3 、CaO、MgO、TiO2 などの酸化物および
P、Sなどの不純物を含有している。P、Sは、いずれ
も含有量が5重量%以下であることが好ましい。5重量
%を超えて鉱石に含有されていると最終製品の特性、特
に靱性に悪影響を与える。
【0017】本発明では、特性向上を目的として、A
l、Cu、Cr、Hf、Mn、Mo、Nb、Ni、T
a、Ti、V、W、Zrを1種あるいは2種以上を添加
できるが、その方法は、これらの元素を含有する鉱物を
鉄鉱石と混合して、一緒に固相還元するものである。添
加元素を含有する鉱物は、目的元素を酸化物などの化合
物として含有し、残部としてSiO2 、Al2 3 、C
aO、MgO、TiO2 などの酸化物およびP、Sなど
の不純物を含有している。前記したようにP、Sは、い
ずれも含有量が5重量%以下であることが好ましく、5
重量%を超えて鉱石に含有されていると最終製品の特
性、特に靱性に悪影響を与える。
【0018】また、鉱石中で目的元素を含有する化合物
にはFeやSiなどの通常鉄鉱石に含まれる元素が含有
されていてもよく、例えば、Mnを目的元素とする場合
に、FeとMnの複酸化物やMnの珪酸塩のような化合
物を含有する鉱物を鉄鉱石に混合してもよい。なお、鉱
物中の目的元素の含有量は、添加しようとする量や、同
時に添加する元素、また鉱物に含まれる不純物の種類に
もよるが、10重量%以上含まれることが望ましく、含
有量の上限は、鉱石中の含有量であるから、鉄鉱石の場
合と同様に、本発明はそれを定めない。
【0019】環境に対する負荷を最小限にするため、鉄
鉱石、砂鉄あるいは鉱物を、固相のまま還元し、得られ
た粉末をメカニカルミリングに供することが必要であ
る。高炉プロセスのように還元後の鉄が液相で得られる
方法はメカニカルミリングを行えないことから適用でき
ない。還元剤については特に限定する必要はない。具体
的には水素、一酸化炭素、天然ガス、メタン、プロパン
などの還元性ガスなどが考えられるが、本発明の目的の
一つである、二酸化炭素排出抑制による環境負荷低減の
観点から見れば、水素による還元が最も望ましい。水素
の濃度は、実施する装置の仕様などにより適宜決定すれ
ばよいが、当然還元に要する時間は水素濃度の影響を受
ける。
【0020】還元の程度については、鉄酸化物が完全に
還元されることが最も望ましいが、鉄酸化物はメカニカ
ルミリング中に分解される可能性があり、またメカニカ
ルミリング後まで残存しても大量でなく、また微細であ
れば強度を向上する因子となっても靱性を損うことはな
いと考えられる。この観点から、少なくとも鉄酸化物を
重量比で60%以上還元することが望ましい。
【0021】得られた還元鉄をメカニカルミリングに供
することは必須要件であり、メカニカルミリングは、還
元されない酸化物がすべて鉄中に溶解するか、あるいは
0.01μm以下の大きさに微細化されるまで行われる
ことが望ましい。メカニカルミリングの方法について
は、通常ボールミルなどの方法によるが、本質的ではな
く、本発明はこれを限定しない。
【0022】固化成形は、粉末を焼結等によってバルク
化した成形体とすることで、得られた粉末の鉄鋼材料と
しての利用の点からほとんどの場合必要である。固化成
形体の密度が理論密度の50%以上となることが望まし
いが、具体的手段については本質的ではなく、必要な形
状に応じた方法を従来技術より選択して用いればよいの
で本発明はこれを限定しない。ただし、固化成形の具体
的な方法として、メカニカルミリング処理により得られ
た微細粉末をステンレスチューブに封入し、該ステンレ
スチューブごと熱間圧延した後ステンレスチューブを除
去する方法を挙げることができ、本発明者らの検討の結
果、この方法によれば、高密度で欠陥の少ない材料を得
ることができる。
【0023】
【実施例】〔実施例1〕 SiO2 :4重量%、Al2 3 :2重量%、P:0.
1重量%、S:0.1重量%およびその他の不純物を含
有し、鉄含有量63重量%の鉄鉱石を、予め粉末粒子径
1mm以下に粉砕した後、水素気流中で950℃で2時
間固相還元処理した。かくして得た金属鉄と酸化物など
からなる粉末を遊星型ボールミルにより不活性ガス雰囲
気中で100時間のメカニカルミリングに供した。
【0024】得られた粉末をステンレスチューブに詰
め、750℃に加熱して熱間圧延した後、1100℃で
焼鈍処理して、表層を成すステンレスチューブを剥離除
去して、板状の成形体を得た。 〔実施例2〕 FeO:12重量%、Al2 3 :12重量%、SiO
2 :2重量%、残部クロム酸化物および不可避不純物か
らなるクロム鉱石を粒子径1mm以下に粉砕し、実施例
1と同一組成の粒子径1mm以下に粉砕した鉄鉱石に、
Cr/Feの重量比が5%となるように混合した混合粉
末を水素気流中で950℃で2時間還元処理した。かく
して得た金属鉄と酸化物などからなる粉末を遊星型ボー
ルミルにより不活性ガス雰囲気中で100時間のメカニ
カルミリングに供した。
【0025】得られた粉末をステンレスチューブに詰
め、750℃に加熱して熱間圧延した後、1100℃で
焼鈍処理して、表層を成すステンレスチューブを剥離除
去して、板状の成形体を得た。 〔比較例1〕実施例1で固相還元処理により得られた粉
末の一部を、メカニカルミリングを行わずに、そのまま
ステンレスチューブに詰め、750℃に加熱して熱間圧
延した後、1100℃で焼鈍処理して、表層を成すステ
ンレスチューブを剥離除去して、板状の成形体を得た。
【0026】〔比較例2〕実施例1と同一組成の鉄鉱石
を、予め粉末粒子径1mm以下に粉砕した後、固相還元
を行わずにメカニカルミリング処理した。この粉末は十
分なミリングを行ったにもかかわらず、ステンレスチュ
ーブに詰め、750℃に加熱して熱間圧延した後、11
00℃で焼鈍処理して、表層を成すステンレスチューブ
を剥離除去した後も粉末のままであった。観察の結果、
この材料は鉄酸化物が還元されていないため圧力を加え
ても粉末同士の接合が得られず、これが原因で固化成形
できなかったことが判明した。
【0027】固化成形することができ、バルク状成形体
が得られた実施例1と比較例1の板状試料を引張試験片
に加工して引張試験を行った。応力歪曲線と破断後の試
験片を図1に示す。実施例1では強度1100MPa、
伸び10%を得たのに対し、比較例1の試料の強度は4
70MPa、伸びは3%であった。また、これらの試料
のビッカース硬度を測定したところ、実施例1の試料は
330Hvであったが、比較例1の試料では130Hv
であった。なお、曲げ試験の結果は、両試料とも半径4
mmの180度曲げによって亀裂を生じなかった。
【0028】実施例1と比較例1の試料を鏡面研磨し
て、ナイタールで腐食して介在物の分散状態および組織
観察を行った結果を図2〜5に示す。図2に示すよう
に、実施例1の試料では酸化物等の介在物が一旦溶解し
た後、微細均一に再析出しており、その結果極めて均一
な組織となっている。また、図3に示すように、鉄の結
晶組織も均一で、結晶粒径は小さい。
【0029】一方、図4に示すように、比較例1の試料
では数μmから20μm以上に至るさまざまな大きさの
酸化物等の介在物が不均一に分散した組織を示す。ま
た、図5に示すように、鉄の結晶粒径もメカニカルミリ
ングを行った実施例1の試料に比べて大きく不均一であ
る。なお、実施例2の場合も上記と同様の試験の結果、
実施例1と同等以上の優れ結果を得た。
【0030】以上のように、機械試験結果と組織観察結
果から、本発明に従ったメカニカルミリング処理によ
り、酸化物などの介在物が再析出することによって、均
一微細な組織を持つ強度靱性に優れた鉄鋼材料が得られ
ることが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、鉄鉱石の固相還元によ
る鉄鋼材料の製造プロセスによっても、従来問題であっ
たSiO2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2
どの不純物も、メカニカルミリング処理により無害化す
ることができるので、強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造
が可能となる。また本発明の方法は、その実施に際して
高炉のような大設備が必要でなく、エネルギーの消費が
従来よりも極めて少ないことや、還元剤として水素を利
用すれば、二酸化炭素やスラグの排出量を最小限にとど
めることができることなど、従来の製鉄プロセスにはな
い有利な特徴も備えており、極めて高い産業的価値を有
する発明であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1および比較例1の引張試験の応力歪
曲線と破断後の試験片を比較して示したもので、上がメ
カニカルミリング処理を施した実施例1のもの、下がメ
カニカルミリング処理していない比較例1のものであ
る。
【図2】 鉄鉱石を水素還元した後、メカニカルミリン
グ処理を施した粉末を熱間で固化成形して得られた実施
例1の試料の介在物の分散状態を示す模式図である。図
中黒い部分が介在物である。
【図3】 鉄鉱石を水素還元した後、メカニカルミリン
グ処理を施した粉末を熱間で固化成形して得られた実施
例1の試料の金属組織を示す模式図である。
【図4】 鉄鉱石を水素還元した後、メカニカルミリン
グ処理していない粉末を熱間で固化成形して得られた比
較例1の試料の介在物の分散状態を示す模式図である。
図中黒い部分が介在物である。
【図5】 鉄鉱石を水素還元した後、メカニカルミリン
グ処理していない粉末を熱間で固化成形して得られた比
較例1の試料の金属組織を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 勇次 福岡市東区箱崎6−10−1 九州大学工学 部内 (72)発明者 植森 龍治 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 原 卓也 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 為広 博 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 野上 敦嗣 川崎市中原区井田3−35−1 新日本製鐵 株式会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4K001 AA10 BA04 BA24 DA10 4K017 AA02 BA06 BB18 EA03 EH01 4K018 BA13 BC16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄を20重量%以上含有し、残部SiO
    2 、Al2 3 、CaO、MgO、TiO2 などからな
    る鉄鉱石あるいは砂鉄を還元剤により固相還元して、鉄
    と未還元酸化物からなる粉体とし、これにメカニカルミ
    リング処理を施した後、固化成形することを特徴とする
    固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記鉄鉱石あるいは砂鉄の固相還元に際
    し、Al、Cu、Cr、Hf、Mn、Mo、Nb、N
    i、Ta、Ti、V、W、Zrのうちのいずれか1種あ
    るいは2種以上を含有する鉱物の粉末を、鉄鉱石あるい
    は砂鉄とともに固相還元することを特徴とする請求項1
    記載の固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記還元剤が水素もしくは水素を含有す
    るガスであることを特徴とする請求項1または2記載の
    固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法。
JP10187910A 1998-07-02 1998-07-02 固相反応による強度靱性に優れた鉄鋼材料の製造方法 Withdrawn JP2000017370A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6827755B2 (en) 2001-09-21 2004-12-07 Hitachi, Ltd. High-toughness and high-strength ferritic steel and method of producing the same
KR101318962B1 (ko) * 2012-04-26 2013-10-15 주식회사 포스코 사철을 이용한 직접환원철 제조장치 및 그 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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