JP2000017105A - 複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からの樹脂材料の分別・回収方法 - Google Patents

複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からの樹脂材料の分別・回収方法

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JP2000017105A
JP2000017105A JP18465698A JP18465698A JP2000017105A JP 2000017105 A JP2000017105 A JP 2000017105A JP 18465698 A JP18465698 A JP 18465698A JP 18465698 A JP18465698 A JP 18465698A JP 2000017105 A JP2000017105 A JP 2000017105A
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Kazuo Higuchi
口 和 夫 樋
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル樹脂(PMMA)を含む複数種の樹
脂材料よりなる複合成形物からアクリル樹脂材料を作業
性良く高い回収率で分別・回収方法する。 【解決手段】 アクリル樹脂(PMMA)を含む複数種
の樹脂材料よりなる複合成形物からアクリル樹脂材料を
分別・回収するに際し、アクリル樹脂以外の樹脂成分
と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含む
アクリル樹脂成分とに分別したのち、前記アクリル樹脂
以外の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分
を熱分解することによりアクリル樹脂(PMMA)をア
クリルモノマー(MMA)として回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂(P
MMA)を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物か
らアクリル樹脂材料を効率良く分別・回収するのに好適
な複合成形物からのアクリル樹脂材料の分別・回収方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂(メタクリル樹脂)は、硬
くかつ耐候性に優れ、とくに透明性は通常知られている
樹脂の中で最も高く、無機ガラスに比べて強靭で加工し
やすく、着色もしやすいことから、自動車などの車両を
はじめとして光学機器や雑貨品に至るまで幅広く使用さ
れている樹脂である。また、その構造中に塩素などのハ
ロゲンや窒素を含まないため、公害防止の面でも非常に
優れた樹脂である。
【0003】このような種々の特長を有するアクリル樹
脂を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からアク
リル樹脂材料を分別・回収する従来の方法としては、例
えば、図5に示すようなものがあった。
【0004】図5は複合成形物として、車両のリヤ(R
R)コンビネーションランプを例にとって示したもので
ある。
【0005】このリヤコンビネーションランプは、一例
として、アクリル樹脂(PMMA)で成形したレンズ
と、ポリプロピレン(PP)複合材(PPC)で成形し
たハウジングと、レンズとハウジングとを接着するオレ
フィン系ホットメルトと、ハウジングにはめ込んだポリ
カーボネート(PC)からなるインナ(INR)レンズ
と、鉄板からなるリフレクターと、バルブ(電球)と、
ハーネスおよびコネクタと、取り付けボルトなどから構
成されているものである。
【0006】そこで、このような構成よりなるリヤコン
ビネーションランプから樹脂材料を回収するに際して
は、車両の解体時等において車体の後部からリヤコンビ
ネーションランプを取り出し、バルブ、ハーネス,コネ
クタを取り外し、レンズ部分とハウジング部分とが接着
剤を介して一体化している樹脂ブロックとする。
【0007】この樹脂ブロックにおいて、レンズ部分と
ハウジング部分とはそれらの中間の接着部分で分離する
ことができず、この接着部分はレンズ部分にとってもま
たハウジング部分にとっても異物となり、回収処理過程
で各々の樹脂の純度を低下させたり、各々の樹脂特性が
得られなくなったりする。
【0008】そのため、レンズ部分の大部分と、ハウジ
ング部分の大部分と、それらの中間にある少しのレンズ
部分+接着剤部分+少しのハウジング部分(そのほか、
インナーレンズ,鉄板,取り付けボルトを含む)とに切
断して三分割し、少しのレンズ部分+接着剤部分+少し
のハウジング部分(そのほか、インナーレンズ,鉄板,
取り付けボルトを含む)は材料の回収フローから除去す
る。したがって、少しのレンズ部分と少しのハウジング
部分とからは樹脂材料を回収しないため、この分だけ回
収率は低下する。
【0009】一方、アクリル樹脂(PMMA)で成形し
たレンズ部分は、粉砕したのちバッチ式や連続式の熱分
解法で熱分解することによりアクリルモノマー(MM
A)化し、必要に応じて熱分解を繰り返えし行うことに
より、アクリルモノマーの回収率を高め、塗装に用いる
アクリル塗料用原料としたり、看板や建材などに用いる
アクリル板の成形に供したり、重合およびペレット化し
て成形材料としたりして再利用する。
【0010】他方、ポリプロピレン複合材(PPC)で
成形したハウジング部分は、粉砕して水洗浄したのちペ
レット化して成形材料として再利用する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例におけるアクリル樹脂を含む複数種の樹脂材
料よりなる複合成形物からのアクリル樹脂材料の分別・
回収方法では、レンズ部分の大部分と、ハウジング部分
の大部分と、少しのレンズ部分+中間の接着剤部分+少
しのハウジング部分(そのほか、インナーレンズ,鉄
板,取り付けボルトを含む)とに切断して三分割するよ
うにしていたため、作業効率の悪い切断工程を必要と
し、また、中間の接着剤部分を介して一体化している少
しのレンズ部分および少しのハウジング部分の素材であ
るアクリル樹脂およびポリプロピレン複合材の回収は行
わないため、それらの回収率が低下するという問題点が
あった。
【0012】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点にか
んがみてなされたものであって、接着剤を介した部分を
前もって切断して分離・除去する必要がなく、接着剤の
部分をも含めて一括して回収処理することができ、樹脂
の回収率を高いものとすることが可能である、アクリル
樹脂を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からの
アクリル樹脂材料の分別・回収方法を提供することを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる複数種の
樹脂材料よりなる複合成形物からの樹脂材料の分別・回
収方法は、請求項1に記載しているように、アクリル樹
脂(PMMA)を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成
形物からアクリル樹脂材料を分別・回収するに際し、ア
クリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリル樹脂以外の樹脂
成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分とに分別し
たのち、前記アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物と
して含むアクリル樹脂成分を熱分解することによりアク
リルモノマー(MMA)として回収するようにしたこと
を特徴としている。
【0014】そして、本発明に係わるアクリル樹脂を含
む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル
樹脂材料の分別・回収方法の実施態様においては、請求
項2に記載しているように、アクリル樹脂以外の樹脂成
分が、タルク,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム等の
無機質充填材を配合したポリプロピレン複合材(PP
C)であるようにしたことを特徴としている。
【0015】同じく、本発明に係わるアクリル樹脂を含
む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル
樹脂材料の分別・回収方法の実施態様においては、請求
項3に記載しているように、アクリル樹脂以外の樹脂成
分が、ガラス繊維を配合したポリプロピレン(PPG)
およびガラス繊維を配合したアクリロニトリルスチレン
共重合体(ASG)のうち少なくともいずれかであるよ
うにしたことを特徴としている。
【0016】同じく、本発明に係わるアクリル樹脂を含
む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル
樹脂材料の分別・回収方法の実施態様においては、請求
項4に記載しているように、アクリル樹脂以外の樹脂成
分と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含
むアクリル樹脂成分との分別に際して、静電分別を用い
るようにしたことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わるアクリル樹脂を含
む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル
樹脂材料の分別・回収方法の実施態様においては、請求
項5に記載しているように、アクリル樹脂以外の樹脂成
分と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含
むアクリル樹脂成分との分別に先立ち、比重選別,磁力
選別,浮遊選別,風力選別のうちから選ばれる選別によ
り金属部材を分別するようにしたことを特徴としてい
る。
【0018】同じく、本発明に係わるアクリル樹脂を含
む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル
樹脂材料の分別・回収方法の実施態様においては、請求
項6に記載しているように、複合成形物が車両のリアコ
ンビネーションランプであるものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係わるアクリル樹
脂を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのア
クリル樹脂材料の分別・回収方法の実施の形態につい
て、複合成形物が車両のリヤ(RR)コンビネーション
ランプである場合を例にとって図1と共に説明する。
【0020】このリヤコンビネーションランプは、一例
として、アクリル樹脂(PMMA)で成形したレンズ
と、ポリプロピレン(PP)複合材(PPC)で成形し
たハウジングと、レンズとハウジングとを接着するオレ
フィン系ホットメルトと、ハウジングにはめ込んだポリ
カーボネート(PC)からなるインナ(INR)レンズ
と、鉄板からなるリフレクターと、バルブ(電球)と、
ハーネスおよびコネクタと、取り付けボルトなどから構
成されているものである。
【0021】そこで、このような構成よりなるリヤコン
ビネーションランプから樹脂材料を回収するに際して
は、車両の解体時等において車体の後部からリヤコンビ
ネーションランプを取り出し、バルブ、ハーネス,コネ
クタを取り外し、レンズ部分とハウジング部分とが接着
剤を介して一体化している樹脂ブロックとする。
【0022】次に、この樹脂ブロックを例えばハンマク
ラッシャーにより粉砕し、分級(篩分け)を行って約1
0mm程度以下の粉砕物とする。
【0023】次いで、水等を使用した比重選別や、磁気
を利用した磁力選別や、風力を利用した風力選別などを
適宜選択実施して、鉄板(リフレクター)、取り付けボ
ルトなどを分離し、これらは鉄屑として回収処理する。
そして、これらの比重選別や磁力選別や風力選別など
は、必要に応じて適宜回数繰返す。
【0024】続いて、樹脂の導電度の違いを応用した静
電分別によって、アクリル樹脂以外の樹脂成分であるポ
リプロピレン複合材(PPC)と、アクリル樹脂以外の
樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分とに分
別する。
【0025】この静電選別は、電気的性質の異なる物質
の混合粉粒体が摩擦,加熱,光照射,静電界等の外的要
因によりそれぞれの極性を電荷量をもって帯電する性質
を利用したものであって、このような帯電状態の相違を
利用して静電気力により混合粉粒体を分離・選別する方
法である。
【0026】そして、一般に有効な静電気力を得る方法
としては、摩擦帯電による方法や、熱電効果を利用した
方法や、誘電特性を利用した方法や、導電度による方法
などがある。
【0027】図2は摩擦帯電による静電選別を示すもの
で、物質を摩擦接触すると静電気を発生して帯電するこ
とを利用して摩擦帯電部Aにおいて強制的に帯電させ、
帯電度の異なる混合粉粒子を静電界部Bに移すと分離さ
れて分離部Cに入って同種のプラスチックに選別され、
分離度を良くするために何度かくりかえす。
【0028】このような静電選別において、アクリル樹
脂以外の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成
分は、インナーレンズを形成するポリカーボネート(P
C)と、レンズ部分を形成するアクリル樹脂(PMM
A)と、接着剤(オレフィン系ホットメルト)を介して
接着しているレンズ部分(PMMA)およびハウジング
部分(PPC)との混合物からなるものとなっている。
【0029】そして、先に分別されたハウジング部分
(PPC)は、粉砕,水洗浄したのちペレット化して、
成形材料として再利用する。
【0030】他方、上記混合物に対しては、アクリル樹
脂をモノマー(MMA)化するための熱分解処理を行
う。
【0031】この熱分解は、上記混合物を加熱すること
によってアクリル樹脂が蒸気となり、冷却後液状のモノ
マーとして得ることができると共に、他の樹脂成分は残
渣として残ることを利用したもので、バッチ式による熱
分解法や、混練押出機を使用した連続式熱分解法などを
用いることができる。
【0032】この熱分解において、アクリル樹脂(PM
MA)がモノマー(MMA)化すると共に、混合物中の
ポリカーボネート(PC)やポリプロピレン複合材(P
PC)は熱分解残渣となるが、これらは燃料として再利
用することによってエネルギー回収することができる。
【0033】また、アクリル樹脂(PMMA)をモノマ
ー(MMA)化したあとは、アクリル塗料用原料とした
り、アクリル板成形に供したり、重合およびペレット化
して成形材料としたりして再利用する。
【0034】
【発明の効果】本発明による複数種の樹脂材料よりなる
複合成形物からの樹脂材料の分別・回収方法によれば、
請求項1に記載しているように、アクリル樹脂(PMM
A)を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からア
クリル樹脂材料を分別・回収するに際し、アクリル樹脂
以外の樹脂成分と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不
純物として含むアクリル樹脂成分とに分別したのち、前
記アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含むア
クリル樹脂成分を熱分解することによりアクリルモノマ
ー(MMA)として回収するようにしたから、従来のご
とく接着剤を介した部分をあらかじめ切断して分離・除
去する必要がなく、したがって効率の悪い切断工程をな
くすことができ、接着剤の部分をも含めて一括して回収
することができ、樹脂の回収を効率よく行うことが可能
であるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0035】そして、請求項2に記載しているように、
アクリル樹脂以外の樹脂成分が、タルク,炭酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム等の無機質充填材を配合したポリ
プロピレン複合材(PPC)であるものとすることによ
って、アクリル樹脂とポリプロピレン複合材のそれぞれ
の回収を効率よく行うことが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0036】また、請求項3に記載しているように、ア
クリル樹脂以外の樹脂成分が、ガラス繊維を配合したポ
リプロピレン(PPG)およびガラス繊維を配合したア
クリロニトリルスチレン共重合体(ASG)のうち少な
くともいずれかであるものとすることによって、アクリ
ル樹脂とアクリロニトリルスチレン共重合体のそれぞれ
の回収を効率よく行うことが可能であるという著しく優
れた効果がもたらされる。
【0037】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、アクリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリル樹脂以外
の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分との
分別に際して、静電分別を用いるようになすことによっ
て、アクリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリル樹脂以外
の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分との
分別を良好に行うことが可能であるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【0038】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、アクリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリル樹脂以外
の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分との
分別に先立ち、比重選別,磁力選別,浮遊選別,風力選
別のうちから選ばれる選別により金属部分を分別するよ
うになすことによって、金属部材の分別・回収を良好に
なすことができると共に、アクリル樹脂以外の樹脂成分
と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含む
アクリル樹脂成分との分離を円滑に行うことが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【0039】さらにまた、請求項6に記載しているよう
に、複合成形物が車両のリアコンビネーションランプで
あるものとすることによって、リアコンビネーションラ
ンプを構成する素材の再活用を高回収率のもとで効率よ
く行うことが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【0040】
【実施例】次に、本発明に係わるアクリル樹脂を含む複
数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル樹脂
材料の分別・回収方法の実施例について比較例と共に説
明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されな
いことはいうまでもない。
【0041】(実施例1)この実施例では、複合成形物
が車両のリヤ(RR)コンビネーションランプである場
合を例にとって図3と共に説明する。
【0042】このリヤコンビネーションランプは、一例
として、アクリル樹脂(PMMA)で成形したレンズ
と、ポリプロピレン(PP)複合材(PPC)で成形し
たハウジングと、レンズとハウジングとを接着するオレ
フィン系ホットメルトと、ハウジングにはめ込んだポリ
カーボネート(PC)からなるインナ(INR)レンズ
と、鉄板からなるリフレクターと、バルブ(電球)と、
ハーネスおよびコネクタと、取り付けボルトなどから構
成されているものである。そして、この図3において
は、各工程途中での樹脂の回収率を示すために、回収工
程前の段階で、PMMA:100,PPC:100とし
て示している。
【0043】そこで、このような構成よりなるリヤコン
ビネーションランプから樹脂材料を回収するに際し、車
両の解体時等において車体の後部からリヤコンビネーシ
ョンランプを取り出し、バルブ、ハーネス,コネクタを
取り外し、レンズ部分とハウジング部分とが接着剤を介
して一体化している樹脂ブロックとする。なお、この樹
脂ブロックにおいては、レンズ部分を形成するPMMA
およびハウジング部分を形成するPPCの損失はないの
で、この場合もPMMA:100,PPC:100とし
て示している。
【0044】次に、この樹脂ブロックをハンマクラッシ
ャーにより粉砕し、分級(篩分け)を行って約10mm
程度以下の粉砕物とする。
【0045】次いで、水を使用した比重選別と、磁気を
利用した磁力選別を実施することによって、鉄板(リフ
レクター)、取り付けボルトなどを分離し、これらは鉄
屑として回収処理するようにした。
【0046】続いて、樹脂の導電度の違いを応用した静
電分別によって、アクリル樹脂以外の樹脂成分であるポ
リプロピレン複合材(PPC)と、アクリル樹脂以外の
樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分とに分
別した。
【0047】これらのうち、アクリル樹脂以外の樹脂成
分等を不純物として含むアクリル樹脂成分は、インナー
レンズを形成するポリカーボネート(PC)と、レンズ
部分を形成するアクリル樹脂(PMMA)と、接着剤
(オレフィン系ホットメルト)を介して接着しているレ
ンズ部分(PMMA)およびハウジング部分(PPC)
との混合物からなるものとなっており、この混合物中に
は5%分のポリプロピレン複合材(PPC)が含まれて
いたので、図3においては、混合物中のPMMA:10
0,PPC:5とし、ハウジング部分ではPMMA:
0,PPC:95の回収率として示している。
【0048】そして、先に分別されたハウジング部分
(PPC)は、粉砕,水洗浄したのちペレット化して、
成形材料として再利用する。そして、この過程で約1ポ
イントの損失を生じたので、図3においてはPMMA:
0,PPC:94の回収率として示している。
【0049】他方、上記混合物に対しては、アクリル樹
脂をモノマー(MMA)化するための熱分解処理を行っ
たところ、モノマーとしての回収率は96%であったの
で、図3においてはPMMA:96,PPC:0の回収
率として示している。
【0050】この結果、本発明実施例による分別・回収
方法において、アクリル樹脂(PMMA)の回収率は9
6%、ポリプロピレン複合材(PCC)の回収率は94
%であり、いずれも高い回収率とすることが可能であっ
た。
【0051】(比較例1)実施例1と同じ構成よりなる
リヤコンビネーションランプから樹脂材料を回収するに
際し、車両の解体時等において車体の後部からリヤコン
ビネーションランプを取り出し、バルブ、ハーネス,コ
ネクタを取り外し、レンズ部分とハウジング部分とが接
着剤を介して一体化している樹脂ブロックとする。な
お、この樹脂ブロックにおいては、レンズ部分を形成す
るPMMAおよびハウジング部分を形成するPPCの損
失はないので、図4においては、PMMA:100,P
PC:100として示している。
【0052】次に、この樹脂ブロックにおいて、レンズ
部分の大部分と、ハウジング部分の大部分と、それらの
中間にある少しのレンズ部分+接着剤部分+少しのハウ
ジング部分(そのほか、インナーレンズ,鉄板,取り付
けボルトを含む)とに切断して三分割し、少しのレンズ
部分+接着剤部分+少しのハウジング部分(そのほか、
インナーレンズ,鉄板,取り付けボルトを含む)は材料
の回収フローから除去する。したがって、少しのレンズ
部分と少しのハウジング部分とからは樹脂材料を回収し
ないため、この分だけ、すなわちこの比較例では10%
回収率は低下するので、図4においては、レンズ部分で
PMMA:90,PPC:0の回収率として示し、ハウ
ジング部分でPMMA:0,PPC:90の回収率とし
て示している。
【0053】そして、アクリル樹脂(PMMA)で成形
したレンズ部分は、粉砕したのち熱分解することにより
アクリルモノマー(MMA)化したが、このときの回収
率は88%であったので、図4においてはPMMA:8
8,PPC:0の回収率として示している。
【0054】また、ポリプロピレン複合材(PPC)で
成形したハウジング部分は、粉砕して水洗浄したのちペ
レット化して成形材料としたが、このときの回収率は8
9%であったので、図4においてはPMMA:0,PP
C:89の回収率として示している。
【0055】この結果、本発明比較例による分別・回収
方法において、アクリル樹脂(PMMA)の回収率は8
8%、ポリプロピレン複合材(PPC)の回収率は89
%であることから、本発明実施例の場合にはそれぞれの
回収率が大幅に上回っていて本発明の優位性が確認され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複数種の樹脂材料よりなる複合成
形物からの樹脂材料の分別・回収方法における一実施形
態を示す説明図である。
【図2】静電分別の説明図である。
【図3】本発明による複数種の樹脂材料よりなる複合成
形物からの樹脂材料の分別・回収方法の一実施例におけ
る各工程でのPMMAおよびPPCの回収率を示す説明
図である。
【図4】本発明比較例による複数種の樹脂材料よりなる
複合成形物からの樹脂材料の分別・回収方法における各
工程でのPMMAおよびPPCの回収率を示す説明図で
ある。
【図5】従来例による複数種の樹脂材料よりなる複合成
形物からの樹脂材料の分別・回収方法を示す説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 33:04 105:26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂(PMMA)を含む複数種
    の樹脂材料よりなる複合成形物からアクリル樹脂材料を
    分別・回収するに際し、アクリル樹脂以外の樹脂成分
    と、アクリル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含む
    アクリル樹脂成分とに分別したのち、前記アクリル樹脂
    以外の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹脂成分
    を熱分解することによりアクリルモノマー(MMA)と
    して回収することを特徴とするアクリル樹脂を含む複数
    種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル樹脂材
    料の分別・回収方法。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂以外の樹脂成分が、タル
    ク,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム等の無機質充填
    材を配合したポリプロピレン複合材(PPC)であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアクリル樹脂を含む複
    数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのアクリル樹脂
    材料の分別・回収方法。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂以外の樹脂成分が、ガラス
    繊維を配合したポリプロピレン(PPG)およびガラス
    繊維を配合したアクリロニトリルスチレン共重合体(A
    SG)のうち少なくともいずれかであることを特徴とす
    る請求項1に記載のアクリル樹脂を含む複数種の樹脂材
    料よりなる複合成形物からのアクリル樹脂材料の分別・
    回収方法。
  4. 【請求項4】 アクリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリ
    ル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹
    脂成分との分別に際して、静電分別を用いることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアクリル樹
    脂を含む複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からのア
    クリル樹脂材料の分別・回収方法。
  5. 【請求項5】 アクリル樹脂以外の樹脂成分と、アクリ
    ル樹脂以外の樹脂成分等を不純物として含むアクリル樹
    脂成分との分別に先立ち、比重選別,磁力選別,浮遊選
    別,風力選別のうちから選ばれる選別により金属部材を
    分別することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のアクリル樹脂を含む複数種の樹脂材料よりなる
    複合成形物からのアクリル樹脂材料の分別・回収方法。
  6. 【請求項6】 複合成形物が車両のリアコンビネーショ
    ンランプであることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載のアクリル樹脂を含む複数種の樹脂材料よ
    りなる複合成形物からのアクリル樹脂材料の分別・回収
    方法。
JP18465698A 1998-06-30 1998-06-30 複数種の樹脂材料よりなる複合成形物からの樹脂材料の分別・回収方法 Pending JP2000017105A (ja)

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WO2012046967A2 (ko) * 2010-10-06 2012-04-12 주식회사 에이치알테크놀로지 폐아크릴계 수지의 재활용 방법
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WO2012046967A3 (ko) * 2010-10-06 2012-08-30 주식회사 에이치알테크놀로지 폐아크릴계 수지의 재활용 방법
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