JPWO2003020486A1 - 難燃性プラスチックの再生処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、廃棄物となったTVのケーシング等に使用された難燃性プラスチック成形品を処理して、再生難燃性プラスチックとして再使用する方法に関する。この発明の難燃性プラスチックの再生処理方法は、難燃性プラスチック成形品を含む廃棄物から回収された難燃性プラスチック成形品を破砕処理し、得られた破砕物の表面研削処理し、その表層部を3〜30重量%削り取ることからなる。表面研削処理は、破砕物同士又は粉砕物と器壁を衝突させて表層部を削り取る乾式洗浄処理が採用できる。この方法で得られた再生難燃性プラスチックは、単独又は該再生難燃性プラスチックと同種又は異種の未使用難燃性プラスチックを5〜95:95〜5の重量比で配合して使用することができ、UL規格でV−0又はV−2グレードを満足することができる。
Description
技術分野
本発明は、廃棄された家電製品や情報機器などに使用されている難燃性プラスチックの再生処理方法に関し、更に詳しくは、難燃性プラスチック成形品のマテリアルリサイクルに関するものである。
背景技術
テレビ等の家電製品や、パソコン、プリンター、複写機等の情報機器は熱を発生するので、火災防止の観点から、それらのキャビネット、ボディ(筐体)等の部材には難燃性プラスチックが使用されている。これらの部材として使用された難燃性プラスチック製成形品は、長期間使用後はその表層部が紫外線劣化や熱劣化等により、本来のプラスチック物性が著しく低下している。このため、廃棄された製品から回収された難燃性プラスチック製成形品を、再度、樹脂として使用するいわゆるマテリアルリサイクルの大きな障害となっている。
また、キャビネット等の成形品の表層部は、手あかやホコリで汚れているばかりでなく、シールなどが付着していたり、時として塗装されていたり、シルク印刷のような印刷がなされていたりして、使用済の成形品を再生使用しようとしても、それらが異物となって充分な物性を発現しない。
そこで、使用済み難燃性プラスチック成形品の処理方法としては、焼却処理、熱分解して油化処理、埋立て処理が中心であったが、難燃性プラスチックは難燃剤としてハロゲン系難燃剤等を含む場合が多く、焼却処理、油化処理も環境上の問題がある。そこで、特開平12−290424号公報では、予め難燃剤を含む難燃性プラスチックを、水やアルコールと加熱接触させて難燃剤を除去し、これを再生樹脂とする方法を提案している。また、特開平7−285128号公報では、塗膜付きプラスチック成形品の再生のため、破砕処理と、機械的、化学的又は物理的手段による塗膜除去処理を組合せて、これを押出して再生樹脂とする方法を提案している。しかし、使用済み難燃性プラスチックを、難燃性プラスチックとして再生することができれば有利である。
発明の開示
本発明の課題は、廃棄された家電製品や情報機器などから回収・選別された使用済みの難燃性プラスチック成形品を、再生難燃性プラスチックにすることにある。
上記課題は、家電製品廃棄物、情報機器廃棄物などから回収・選別された難燃性プラスチック成形品を粉砕処理し、得られた粉砕物を乾式洗浄処理し、その表層部を3〜30重量%削り取ることにより達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で再生処理する難燃性プラスチック成形品(難燃成形品ということがある)は、家電製品廃棄物や情報機器廃棄物などを手分解又は機械分解し、取り外した難燃成形品である。このような難燃成形品としては、例えばテレビキャビネット、パソコンボディ、ディスプレー筐体、プリンター筐体、複写機筐体などの難燃性プラスチックで成形された筐体や、該筐体の一部例えばテレビのバックカバーなどの部材が挙げられる。
家電製品廃棄物や情報機器廃棄物から取り外したプラスチック成形品は、難燃性プラスチックと非難燃性プラスチックとに分け、さらに難燃性プラスチックをプラスチックの品種毎、難燃性グレード(V−0、V−2など)毎に選別しておくことがよい。比較的新しい製品は、プラスチック成形品に刻印された記号により樹脂品種が判別でき、その選別も容易である。また、メーカーより情報が提供されたものや、過去に扱ったことがあるものについてはその情報を利用すればよい。
しかし、そうでないプラスチック成形品は、特開2000−292350号公報に記載の熱分解−分光分析手法や、その従来技術の欄に記載されている比重差選別、IR反射分光法等により、樹脂種の判定、難燃剤の有無、種類等が判別できる。特に、ハロゲン系難燃剤の存否が不明なときでも、その存否を判定しハロゲン系難燃剤含有樹脂部材と非含有樹脂部材とに選別する場合は、蛍光X線分析法が好まLい。
樹脂の種別と難燃グレード別に回収・選別された難燃成形品は、シールなどが付着したり、塗装されていたり、シルク印刷のような印刷がされていたりしても差し支えないが、ブラウン管、電子部品、配線、トランス、ヒーターなどは実質的に全部に取り外す。
本発明の再生処理方法においては、難燃成形品を破砕処理する。破砕物の大きさは、次工程において表層部削り取りが困難にならないように、平均径を20mm以下とすることが好ましい。より好ましくは平均径を1〜15mm、更に好ましくは3〜10mmとする。
ここで、平均径は難燃成形品がキャビネットのような成形品から生じる板状体である場合は、平面の平均径を意味する。この破砕処理は、市販のプラスチック破砕機を使用すればよい。なお、粉砕すると微細な粉末が発生するが、これは表層部から生じるものが多いので、10メッシュ以下の粉末は分離することがよい。
次いで、前記破砕処理で得た破砕物は、表面研削処理して、その表層部を削り取る。この表面研削処理によって、廃棄物から回収さらた難燃性プラスチック成形品破砕物の表面に存在する異物や劣化層などを除去することができる。表層部を削り取る方法は、乾式洗浄処理、すなわち、粉砕物同士を勢いよく衝突させ、粉砕物の表層部を磨耗・摩擦する原理を応用することが好ましい。例えば、粉砕物を高圧ガスで磨耗室に送り込むか、あるいは高圧ガスを使用せず粉砕物を高速回転する磨耗室に送り込み、粉砕物同士の衝突や器壁との接触による磨耗・摩擦によって、表層部を効率よく薄く剥がす乾式洗浄処理が挙げられる。例えば、アイン・エンジニアリング社製クリーンセパレーター装置(特許第2553807号、第2945809号、第3048283号参照)や、ハイモント社の分離装置(特許3279732号参照)があり、これらは、コンパクトで操作も容易であり、乾式洗浄処理装置として好ましい。
ここで、前記特許第2553807号等に記載の装置は、表面に樹脂塗膜を形成した樹脂成形品の破砕物を微振動に基づいた圧縮衝撃力を付加して圧潰させ、それにより樹脂塗膜を剥離し、剥離された塗膜を分離する手段を備えた装置である。また、前記特許3279732号に記載の装置は、表面にワニス塗膜を形成した樹脂成形品の破砕物を微粉砕すると同時に粉砕すべき粒子に伸張力及びせん断力を生じさせ、これにより付着したワニスを剥離させ、剥離されたワニス粒子を分離する手段を備えた装置である。これらの装置はいずれも、塗膜と樹脂の物性が異なることを利用して塗膜を選択的に分離する装置であるが、かかる装置を使用することにより、塗膜以外の難燃性樹脂の樹脂表面層を選択的に分離することが可能であることが見出された。これは、表面層の劣化が大きく、内層や破断面との物性が違うためと考えられ、かかる現象を利用した装置であれば、いずれも有利に使用することができる。
なお、高圧ガスの代わりに高圧水を使用する湿式処理も可能であるが、排水処理を必要とし実用性が低い。この他簡便とはいえないが、例えば、粉砕物に高振動を与えて表層部を強制剥離させる方法や、溶剤処理で表層部を化学的に溶出させて取り去る方法なども挙げられる。これらの方法は、プラスチックの種類や再生品の用途などに応じて適宜選択することができる。そして、乾式洗浄処理は、熱を使用しないため省エネルギー処理が可能である。
本発明において、破砕物の表層部は、異物や劣化層が実質的に存在しなくなるまで削り取ればよいが、処理前の粉砕物の3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは7〜20重量%を削り取ることがよい。これが3重量%より少ないと異物や劣化層が残存するおそれがあり、30%重量を超えると廃棄物が増えてマテリアルリサイクル効率が低下する。
また、削り取る量は、破砕物の厚みによっても変化させることが好ましく、平均厚みが2mm以上ある場合は、3〜15重量%が好ましく、平均厚みが2mm未満の場合は、15〜30重量%が好ましい。また、削りとる平均厚みとしては0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.6mmを削り取ることがよい。
ここで、表層部の削り取り率は、表面研削処理に供した破砕物の重量A、表面研削処理後、20メッシュに篩で分けたときの、20メッシュを通過した粉末の量Bとしたとき、B/A×100で表され、この値が3〜30重量%となることがよい。この場合、供給する破砕物中には20メッシュを通過する粉末を含まないことが好ましい。粉末を含む場合は、これをA及びBとしては計算に含めない。
また、削りとる平均厚みは、表面研削処理に供した破砕物の平均厚みC、表面研削処理後の20メッシュを通過しない破砕物の平均厚みDしたとき、C−Dで表され、この値が0.1〜1.0mmとなることがよい。
このように、破砕物を表面研削処理することによって、表面部異物として土ほこりやダストなどが付着していたり、塗装されていたり、テープやシールが貼ってあったり、紙が付着していたり、印刷が施されていたり、粘着材等の類が付着していたりしても全く問題なく、表面部を削り取って最適な再生難燃性プラスチックを得ることができる。
この表面研削処理によって、異物や劣化層の他に、塗膜やメッキ等の層が除去される他、破砕処理で生じた破断面層等の非劣化層の一部が粉末となるが、こうした非劣化層が表面研削処理によって生じた粉末の大半を占めないように表面研削処理条件を選択する。
このようにして表面研削処理された破砕難燃性プラスチックには、表面研削で生じた粉末が残ったり、静電気などで微粉(ダスト)が付着することがある。これらの微粉を除去するため、風力洗浄機を用いて軽量な微粉を吹き飛ばす風力洗浄処理したり、処理プラスチックを溶解しない水等の洗浄液を用いて微粉を洗い落とす湿式洗浄処理したりすることにより、より好ましい再生難燃性プラスチックを得ることができる。
このようにして得られた再生難燃性プラスチックは、混練処理に供されて再生ペレット化すると、この混練処理によって表面劣化層による品質低下が幾分吸収される。よって、この再生ペレット化による品質劣化吸収を考慮して、前段の表面研削条件をより緩めることも可能である。すなわち、混練処理(再生ペレット化)によって表面劣化層の品質低下吸収を考慮して、前段の表面研削については異物除去を主眼とし、処理前の粉砕物の1〜5重量%を削り取るだけで済む場合もある。こうした再生難燃性プラスチックは、未使用難燃性プラスチックと同レベルの難燃性を発現するが、機械的特性は未使用難燃性プラスチックよりやや劣る。したがって、機械的強度の要求レベルが低い用途には、この再生難燃性プラスチックをそのまま成形用原料として再使用可能であるが、再生難燃性プラスチックを、廃棄された製品に使用されていた同じキャビネット等に使用する場合は、強度を高めるため、同種又は異種の未使用難燃性プラスチック(バージン)を配合することがよい。この場合の、再生難燃性プラスチックと、再生難燃性プラスチックと同種又は異種の未使用難燃性プラスチックの好ましい配合割合は、5〜95:95〜5、より好ましくは10〜50:90〜50、更に好ましくは20〜40:80〜60の重量比である。通常、再生難燃性プラスチック50重量%以下を、未使用難燃性プラスチック50重量%以上に混入して得られた再生難燃性プラスチック(改質再生難燃性プラスチックともいう)は、100%バージンと同等程度の難燃性と機械的特性を発現し得る。なお、異種の未使用難燃性プラスチックを配合する場合は、良好な物性を与える組合せが採用され、かかる組合せは公知である。
改質再生難燃性プラスチック中に占める再生難燃性プラスチックの混入率が多いと、MFR(流れ性)、IZ衝撃強度と破断伸び等の物性が劣るが、引張降伏強度、引張破断強度、曲げ強度及び曲げ弾性率は、混入率に関係なくバージン並である。
混入方法は、特に制限されず、例えば、再生難燃性プラスチックペレットとバージンペレットを所定割合で混合し、これを押出機などにより加熱溶融して再ペレット化する方法などが挙げられる。なお、再生難燃性プラスチックペレットのみを使用する場合も、同様にペレット化することがよい。
本発明における難燃性プラスチックのベース樹脂は、特に制限を設けるものではなく、例えば、HIPS、GPPSに代表されるポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、これらのポリマーアロイやポリマーブレンドでもよい。特に、スチレン系樹脂であるHIPS、GPPS、AS、ABS、MBSは、家電製品に使用される難燃性プラスチックのベース樹脂として、単独又は混合して多く用いられており、本発明のマテリアルリサイクルに好適である。特に、HIPS、GPPSに好適である。
また、本発明における難燃性プラスチックの難燃剤としては、特に制限を設けるものではなく、デカブロム系難燃剤に代表されるブロム系難燃剤、ノンデカと称されるリン系難燃剤、塩素系難燃剤や、ノンハロゲン系難燃剤と称される難燃剤を配合したものはすべて適用可能であり、更には水酸化無機物等の無機系難燃剤などを配合したものであってもよい。
更に、本発明において得られる再生難燃性プラスチック(改質再生難燃性プラスチックを含む)の難燃性は、UL規格においてV−0やV−2で規定される難燃性を有するものであることがよい。
発明を実施するための最良の形態
実施例1〜2、比較例1〜2
廃棄物として回収されたテレビ30台を用いて試験を行った。テレビのバックカバーを取り外し、バックカバーの内側にポリスチレン(PS)マークとV−Oマークが刻印されたもののみを選別し、難燃仕様のプラスチックであることを確認したものを平均径6mm(3〜10mmに全体の95wt%以上)に粉砕し、約20kgの難燃性プラスチックの粉砕物を得た。なお、ポリスチレン(PS)については、HIPSであり、一部GPPSが混入している。
次いで、粉砕物をよくドライブレンドした後、5kgづつに4つに小分けして、アイン・エンジニアリング社製の乾式洗浄機(クリーンセパレーター装置)による表層部の削り取りを実施した。この装置は前記特許に記載されたような表層部の削り取り手段を備え、且つ、発生した粉末を自動的に排出する手段を備えている。表層部の剥ぎ取り量(研削率)を、攪拌(微振動付与)時間を変えて、変化させた。研削率は、排出するダスト量から計算した。なお、ダストは概ね20メッシュのフィルターを通過する。研削率を1重量%、5重量%、25重量%、35重量%と変化させて、得られた再生難燃性プラスチックの物性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1より、表層部の剥ぎ取りが不十分であると、難燃性が劣ることが確認される。表層部の削り取りが多すぎると、再生樹脂が少なくなり、逆に廃棄物となるはぎ取られた表層部粉末が多いために、回収率が低下する。
実施例3
実施例1と同様にして、テレビのバックカバー(HIPS、V−0)を再生処理し、得られた再生難燃性プラスチックを、同種のバージン(HIPS、V−0、デカブロム系難燃剤配合)に、再生物混入率0、5、10、30、50、75及び100重量%で混入した後再ペレット化して、再生難燃性プラスチックを調製した。
得られた再生難燃性プラスチックについて、難燃性を測定したところ、すべてV−0であった。また、引張降伏強度、引張破断強度、曲げ強度、曲げ弾性率、MFR、IZ衝撃強度、破断伸びを測定した結果を表2に示す。
物性試験条件は、引張り試験:ASTM D−790、試験条件:3mm/min、曲げ試験:ASTM D−638、試験条件:5mm/min、及びIz衝撃強さ:ASTM D−256、試験条件:肉厚6.4mm ノッチ付とした。
表2から、混入率が50重量%までなら、バージンとほぼ同等の機械的特性を有することが認められた。
実施例4、比較例3
市販の各難燃PSについて、サンシャインウエザーメーター耐光性試験を行ったところ、表3の結果を得た。
なお、サンシャインウエザーの試験条件は、カーボン:スーパーロングカーボン 上下各4本、ブラックパネル温度:63±3℃、ガラスフィルター材質:石英ガラス8枚、及び雨:有りの条件とした。
次に、上記の1000hr照射(片面1000hrづつ照射で、両面照射)引張試験サンプルを5mmアンダーに粉砕したのち、アイン・エンジニアリング社製の乾式洗浄機で表面部の剥ぎ取りを実施して、研削率(発生するダスト量)を1wt%及び15wt%と変化させた後、混練して得られた再生ペレットを再度射出成形を行い試験片を作成して物性評価を行った。結果を表4に示す。なお、保持率は、対光性試験を行う前のバージン樹脂の数値を100としたときの値である。
以上のように研削率が15wt%のものはバージン材料の物性に比較して遜色はない
産業上の利用可能性
難燃性プラスチック成形品廃棄物を処理して、再生難燃性プラスチックにすることを可能とした。この再生難燃性プラスチックは、単独又は新鮮な難燃性プラスチックと混合使用することができ、同様な用途に再使用可能となる。
本発明は、廃棄された家電製品や情報機器などに使用されている難燃性プラスチックの再生処理方法に関し、更に詳しくは、難燃性プラスチック成形品のマテリアルリサイクルに関するものである。
背景技術
テレビ等の家電製品や、パソコン、プリンター、複写機等の情報機器は熱を発生するので、火災防止の観点から、それらのキャビネット、ボディ(筐体)等の部材には難燃性プラスチックが使用されている。これらの部材として使用された難燃性プラスチック製成形品は、長期間使用後はその表層部が紫外線劣化や熱劣化等により、本来のプラスチック物性が著しく低下している。このため、廃棄された製品から回収された難燃性プラスチック製成形品を、再度、樹脂として使用するいわゆるマテリアルリサイクルの大きな障害となっている。
また、キャビネット等の成形品の表層部は、手あかやホコリで汚れているばかりでなく、シールなどが付着していたり、時として塗装されていたり、シルク印刷のような印刷がなされていたりして、使用済の成形品を再生使用しようとしても、それらが異物となって充分な物性を発現しない。
そこで、使用済み難燃性プラスチック成形品の処理方法としては、焼却処理、熱分解して油化処理、埋立て処理が中心であったが、難燃性プラスチックは難燃剤としてハロゲン系難燃剤等を含む場合が多く、焼却処理、油化処理も環境上の問題がある。そこで、特開平12−290424号公報では、予め難燃剤を含む難燃性プラスチックを、水やアルコールと加熱接触させて難燃剤を除去し、これを再生樹脂とする方法を提案している。また、特開平7−285128号公報では、塗膜付きプラスチック成形品の再生のため、破砕処理と、機械的、化学的又は物理的手段による塗膜除去処理を組合せて、これを押出して再生樹脂とする方法を提案している。しかし、使用済み難燃性プラスチックを、難燃性プラスチックとして再生することができれば有利である。
発明の開示
本発明の課題は、廃棄された家電製品や情報機器などから回収・選別された使用済みの難燃性プラスチック成形品を、再生難燃性プラスチックにすることにある。
上記課題は、家電製品廃棄物、情報機器廃棄物などから回収・選別された難燃性プラスチック成形品を粉砕処理し、得られた粉砕物を乾式洗浄処理し、その表層部を3〜30重量%削り取ることにより達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で再生処理する難燃性プラスチック成形品(難燃成形品ということがある)は、家電製品廃棄物や情報機器廃棄物などを手分解又は機械分解し、取り外した難燃成形品である。このような難燃成形品としては、例えばテレビキャビネット、パソコンボディ、ディスプレー筐体、プリンター筐体、複写機筐体などの難燃性プラスチックで成形された筐体や、該筐体の一部例えばテレビのバックカバーなどの部材が挙げられる。
家電製品廃棄物や情報機器廃棄物から取り外したプラスチック成形品は、難燃性プラスチックと非難燃性プラスチックとに分け、さらに難燃性プラスチックをプラスチックの品種毎、難燃性グレード(V−0、V−2など)毎に選別しておくことがよい。比較的新しい製品は、プラスチック成形品に刻印された記号により樹脂品種が判別でき、その選別も容易である。また、メーカーより情報が提供されたものや、過去に扱ったことがあるものについてはその情報を利用すればよい。
しかし、そうでないプラスチック成形品は、特開2000−292350号公報に記載の熱分解−分光分析手法や、その従来技術の欄に記載されている比重差選別、IR反射分光法等により、樹脂種の判定、難燃剤の有無、種類等が判別できる。特に、ハロゲン系難燃剤の存否が不明なときでも、その存否を判定しハロゲン系難燃剤含有樹脂部材と非含有樹脂部材とに選別する場合は、蛍光X線分析法が好まLい。
樹脂の種別と難燃グレード別に回収・選別された難燃成形品は、シールなどが付着したり、塗装されていたり、シルク印刷のような印刷がされていたりしても差し支えないが、ブラウン管、電子部品、配線、トランス、ヒーターなどは実質的に全部に取り外す。
本発明の再生処理方法においては、難燃成形品を破砕処理する。破砕物の大きさは、次工程において表層部削り取りが困難にならないように、平均径を20mm以下とすることが好ましい。より好ましくは平均径を1〜15mm、更に好ましくは3〜10mmとする。
ここで、平均径は難燃成形品がキャビネットのような成形品から生じる板状体である場合は、平面の平均径を意味する。この破砕処理は、市販のプラスチック破砕機を使用すればよい。なお、粉砕すると微細な粉末が発生するが、これは表層部から生じるものが多いので、10メッシュ以下の粉末は分離することがよい。
次いで、前記破砕処理で得た破砕物は、表面研削処理して、その表層部を削り取る。この表面研削処理によって、廃棄物から回収さらた難燃性プラスチック成形品破砕物の表面に存在する異物や劣化層などを除去することができる。表層部を削り取る方法は、乾式洗浄処理、すなわち、粉砕物同士を勢いよく衝突させ、粉砕物の表層部を磨耗・摩擦する原理を応用することが好ましい。例えば、粉砕物を高圧ガスで磨耗室に送り込むか、あるいは高圧ガスを使用せず粉砕物を高速回転する磨耗室に送り込み、粉砕物同士の衝突や器壁との接触による磨耗・摩擦によって、表層部を効率よく薄く剥がす乾式洗浄処理が挙げられる。例えば、アイン・エンジニアリング社製クリーンセパレーター装置(特許第2553807号、第2945809号、第3048283号参照)や、ハイモント社の分離装置(特許3279732号参照)があり、これらは、コンパクトで操作も容易であり、乾式洗浄処理装置として好ましい。
ここで、前記特許第2553807号等に記載の装置は、表面に樹脂塗膜を形成した樹脂成形品の破砕物を微振動に基づいた圧縮衝撃力を付加して圧潰させ、それにより樹脂塗膜を剥離し、剥離された塗膜を分離する手段を備えた装置である。また、前記特許3279732号に記載の装置は、表面にワニス塗膜を形成した樹脂成形品の破砕物を微粉砕すると同時に粉砕すべき粒子に伸張力及びせん断力を生じさせ、これにより付着したワニスを剥離させ、剥離されたワニス粒子を分離する手段を備えた装置である。これらの装置はいずれも、塗膜と樹脂の物性が異なることを利用して塗膜を選択的に分離する装置であるが、かかる装置を使用することにより、塗膜以外の難燃性樹脂の樹脂表面層を選択的に分離することが可能であることが見出された。これは、表面層の劣化が大きく、内層や破断面との物性が違うためと考えられ、かかる現象を利用した装置であれば、いずれも有利に使用することができる。
なお、高圧ガスの代わりに高圧水を使用する湿式処理も可能であるが、排水処理を必要とし実用性が低い。この他簡便とはいえないが、例えば、粉砕物に高振動を与えて表層部を強制剥離させる方法や、溶剤処理で表層部を化学的に溶出させて取り去る方法なども挙げられる。これらの方法は、プラスチックの種類や再生品の用途などに応じて適宜選択することができる。そして、乾式洗浄処理は、熱を使用しないため省エネルギー処理が可能である。
本発明において、破砕物の表層部は、異物や劣化層が実質的に存在しなくなるまで削り取ればよいが、処理前の粉砕物の3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは7〜20重量%を削り取ることがよい。これが3重量%より少ないと異物や劣化層が残存するおそれがあり、30%重量を超えると廃棄物が増えてマテリアルリサイクル効率が低下する。
また、削り取る量は、破砕物の厚みによっても変化させることが好ましく、平均厚みが2mm以上ある場合は、3〜15重量%が好ましく、平均厚みが2mm未満の場合は、15〜30重量%が好ましい。また、削りとる平均厚みとしては0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.6mmを削り取ることがよい。
ここで、表層部の削り取り率は、表面研削処理に供した破砕物の重量A、表面研削処理後、20メッシュに篩で分けたときの、20メッシュを通過した粉末の量Bとしたとき、B/A×100で表され、この値が3〜30重量%となることがよい。この場合、供給する破砕物中には20メッシュを通過する粉末を含まないことが好ましい。粉末を含む場合は、これをA及びBとしては計算に含めない。
また、削りとる平均厚みは、表面研削処理に供した破砕物の平均厚みC、表面研削処理後の20メッシュを通過しない破砕物の平均厚みDしたとき、C−Dで表され、この値が0.1〜1.0mmとなることがよい。
このように、破砕物を表面研削処理することによって、表面部異物として土ほこりやダストなどが付着していたり、塗装されていたり、テープやシールが貼ってあったり、紙が付着していたり、印刷が施されていたり、粘着材等の類が付着していたりしても全く問題なく、表面部を削り取って最適な再生難燃性プラスチックを得ることができる。
この表面研削処理によって、異物や劣化層の他に、塗膜やメッキ等の層が除去される他、破砕処理で生じた破断面層等の非劣化層の一部が粉末となるが、こうした非劣化層が表面研削処理によって生じた粉末の大半を占めないように表面研削処理条件を選択する。
このようにして表面研削処理された破砕難燃性プラスチックには、表面研削で生じた粉末が残ったり、静電気などで微粉(ダスト)が付着することがある。これらの微粉を除去するため、風力洗浄機を用いて軽量な微粉を吹き飛ばす風力洗浄処理したり、処理プラスチックを溶解しない水等の洗浄液を用いて微粉を洗い落とす湿式洗浄処理したりすることにより、より好ましい再生難燃性プラスチックを得ることができる。
このようにして得られた再生難燃性プラスチックは、混練処理に供されて再生ペレット化すると、この混練処理によって表面劣化層による品質低下が幾分吸収される。よって、この再生ペレット化による品質劣化吸収を考慮して、前段の表面研削条件をより緩めることも可能である。すなわち、混練処理(再生ペレット化)によって表面劣化層の品質低下吸収を考慮して、前段の表面研削については異物除去を主眼とし、処理前の粉砕物の1〜5重量%を削り取るだけで済む場合もある。こうした再生難燃性プラスチックは、未使用難燃性プラスチックと同レベルの難燃性を発現するが、機械的特性は未使用難燃性プラスチックよりやや劣る。したがって、機械的強度の要求レベルが低い用途には、この再生難燃性プラスチックをそのまま成形用原料として再使用可能であるが、再生難燃性プラスチックを、廃棄された製品に使用されていた同じキャビネット等に使用する場合は、強度を高めるため、同種又は異種の未使用難燃性プラスチック(バージン)を配合することがよい。この場合の、再生難燃性プラスチックと、再生難燃性プラスチックと同種又は異種の未使用難燃性プラスチックの好ましい配合割合は、5〜95:95〜5、より好ましくは10〜50:90〜50、更に好ましくは20〜40:80〜60の重量比である。通常、再生難燃性プラスチック50重量%以下を、未使用難燃性プラスチック50重量%以上に混入して得られた再生難燃性プラスチック(改質再生難燃性プラスチックともいう)は、100%バージンと同等程度の難燃性と機械的特性を発現し得る。なお、異種の未使用難燃性プラスチックを配合する場合は、良好な物性を与える組合せが採用され、かかる組合せは公知である。
改質再生難燃性プラスチック中に占める再生難燃性プラスチックの混入率が多いと、MFR(流れ性)、IZ衝撃強度と破断伸び等の物性が劣るが、引張降伏強度、引張破断強度、曲げ強度及び曲げ弾性率は、混入率に関係なくバージン並である。
混入方法は、特に制限されず、例えば、再生難燃性プラスチックペレットとバージンペレットを所定割合で混合し、これを押出機などにより加熱溶融して再ペレット化する方法などが挙げられる。なお、再生難燃性プラスチックペレットのみを使用する場合も、同様にペレット化することがよい。
本発明における難燃性プラスチックのベース樹脂は、特に制限を設けるものではなく、例えば、HIPS、GPPSに代表されるポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、これらのポリマーアロイやポリマーブレンドでもよい。特に、スチレン系樹脂であるHIPS、GPPS、AS、ABS、MBSは、家電製品に使用される難燃性プラスチックのベース樹脂として、単独又は混合して多く用いられており、本発明のマテリアルリサイクルに好適である。特に、HIPS、GPPSに好適である。
また、本発明における難燃性プラスチックの難燃剤としては、特に制限を設けるものではなく、デカブロム系難燃剤に代表されるブロム系難燃剤、ノンデカと称されるリン系難燃剤、塩素系難燃剤や、ノンハロゲン系難燃剤と称される難燃剤を配合したものはすべて適用可能であり、更には水酸化無機物等の無機系難燃剤などを配合したものであってもよい。
更に、本発明において得られる再生難燃性プラスチック(改質再生難燃性プラスチックを含む)の難燃性は、UL規格においてV−0やV−2で規定される難燃性を有するものであることがよい。
発明を実施するための最良の形態
実施例1〜2、比較例1〜2
廃棄物として回収されたテレビ30台を用いて試験を行った。テレビのバックカバーを取り外し、バックカバーの内側にポリスチレン(PS)マークとV−Oマークが刻印されたもののみを選別し、難燃仕様のプラスチックであることを確認したものを平均径6mm(3〜10mmに全体の95wt%以上)に粉砕し、約20kgの難燃性プラスチックの粉砕物を得た。なお、ポリスチレン(PS)については、HIPSであり、一部GPPSが混入している。
次いで、粉砕物をよくドライブレンドした後、5kgづつに4つに小分けして、アイン・エンジニアリング社製の乾式洗浄機(クリーンセパレーター装置)による表層部の削り取りを実施した。この装置は前記特許に記載されたような表層部の削り取り手段を備え、且つ、発生した粉末を自動的に排出する手段を備えている。表層部の剥ぎ取り量(研削率)を、攪拌(微振動付与)時間を変えて、変化させた。研削率は、排出するダスト量から計算した。なお、ダストは概ね20メッシュのフィルターを通過する。研削率を1重量%、5重量%、25重量%、35重量%と変化させて、得られた再生難燃性プラスチックの物性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1より、表層部の剥ぎ取りが不十分であると、難燃性が劣ることが確認される。表層部の削り取りが多すぎると、再生樹脂が少なくなり、逆に廃棄物となるはぎ取られた表層部粉末が多いために、回収率が低下する。
実施例3
実施例1と同様にして、テレビのバックカバー(HIPS、V−0)を再生処理し、得られた再生難燃性プラスチックを、同種のバージン(HIPS、V−0、デカブロム系難燃剤配合)に、再生物混入率0、5、10、30、50、75及び100重量%で混入した後再ペレット化して、再生難燃性プラスチックを調製した。
得られた再生難燃性プラスチックについて、難燃性を測定したところ、すべてV−0であった。また、引張降伏強度、引張破断強度、曲げ強度、曲げ弾性率、MFR、IZ衝撃強度、破断伸びを測定した結果を表2に示す。
物性試験条件は、引張り試験:ASTM D−790、試験条件:3mm/min、曲げ試験:ASTM D−638、試験条件:5mm/min、及びIz衝撃強さ:ASTM D−256、試験条件:肉厚6.4mm ノッチ付とした。
表2から、混入率が50重量%までなら、バージンとほぼ同等の機械的特性を有することが認められた。
実施例4、比較例3
市販の各難燃PSについて、サンシャインウエザーメーター耐光性試験を行ったところ、表3の結果を得た。
なお、サンシャインウエザーの試験条件は、カーボン:スーパーロングカーボン 上下各4本、ブラックパネル温度:63±3℃、ガラスフィルター材質:石英ガラス8枚、及び雨:有りの条件とした。
次に、上記の1000hr照射(片面1000hrづつ照射で、両面照射)引張試験サンプルを5mmアンダーに粉砕したのち、アイン・エンジニアリング社製の乾式洗浄機で表面部の剥ぎ取りを実施して、研削率(発生するダスト量)を1wt%及び15wt%と変化させた後、混練して得られた再生ペレットを再度射出成形を行い試験片を作成して物性評価を行った。結果を表4に示す。なお、保持率は、対光性試験を行う前のバージン樹脂の数値を100としたときの値である。
以上のように研削率が15wt%のものはバージン材料の物性に比較して遜色はない
産業上の利用可能性
難燃性プラスチック成形品廃棄物を処理して、再生難燃性プラスチックにすることを可能とした。この再生難燃性プラスチックは、単独又は新鮮な難燃性プラスチックと混合使用することができ、同様な用途に再使用可能となる。
Claims (9)
- 難燃性プラスチック成形品を含む廃棄物から回収された難燃性プラスチック成形品を破砕処理し、得られた破砕物の表面研削処理し、その表層部を3〜30重量%削り取ることを特徴とする難燃性プラスチックの再生処理方法。
- 破砕物の表面研削処理により、その表層部を0.1〜1.0mm削り取る請求項1記載の難燃性プラスチックの再生処理方法。
- 表面研削処理は、粉砕物同士及び/又は粉砕物と器壁を衝突させて表層部を削り取る乾式洗浄処理である請求項1記載の難燃性プラスチックの再生処理方法。
- 難燃性プラスチック成形品を含む廃棄物から回収された難燃性プラスチック成形品を破砕処理し、得られた破砕物の表面研削処理し、その表層部を3〜30重量%削り取り、その後混練に供されて再生ペレット化されることを特徴とする難燃性プラスチックの再生処理方法。
- 難燃性プラスチック成形品を含む廃棄物から回収された難燃性プラスチック成形品を破砕処理し、得られた破砕物の表面研削処理し、その表層部を3〜30重量%削り取ることを特徴とする再生難燃性プラスチックの製造方法。
- 請求項5記載の再生難燃性プラスチックの製造方法で得られた再生難燃性プラスチック。
- 請求項6記載の再生難燃性プラスチックと、該再生難燃性プラスチックと同種又は異種の未使用難燃性プラスチックを5〜95:95〜5の重量比で配合した再生難燃性プラスチック。
- 再生難燃性プラスチックが、難燃剤を含むHIPS又はGPPSである請求項6記載の再生難燃性プラスチック。
- UL規格でV−0又はV−2グレードを維持した請求項6又は7記載の再生難燃性プラスチック。
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