JP2000016993A - シクロプロパン環含有プリン誘導体 - Google Patents

シクロプロパン環含有プリン誘導体

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JP2000016993A
JP2000016993A JP10182765A JP18276598A JP2000016993A JP 2000016993 A JP2000016993 A JP 2000016993A JP 10182765 A JP10182765 A JP 10182765A JP 18276598 A JP18276598 A JP 18276598A JP 2000016993 A JP2000016993 A JP 2000016993A
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carbon atoms
hydrogen atom
atom
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JP10182765A
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Taketo Hayashi
健人 林
Junichi Yasuoka
順一 安岡
Akitaka Nishiura
朗登 西浦
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に、かつ高収率で純度の高いシクロプロパ
ン環開裂プリン誘導体を製造し得る方法、その製造方法
に好適に使用し得るシクロプロパン環含有プリン誘導体
及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】 (X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のア
ルコキシ基又は水酸基、X2 、X3 及びX4 は水素原子
又はハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子又は
保護されていてもよいアミノ基、R2 及びR3 は水素原
子、置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル
基、置換基を有していてもよい炭素数7〜11のアラル
キル基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜7のア
シル基を示す)で表されるシクロプロパン環含有プリン
誘導体、その製造方法、及び該シクロプロパン環含有プ
リン誘導体を用いたシクロプロパン環開裂プリン誘導体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロプロパン環
含有プリン誘導体、その製造方法および該シクロプロパ
ン環含有プリン誘導体を用いたシクロプロパン環開裂プ
リン誘導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、抗ウ
イルス剤の製造中間体として有用なシクロプロパン環開
裂プリン誘導体の製造方法、ならびにそれに用いられる
シクロプロパン環含有プリン誘導体およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、抗ウイルス剤の製造中間体として
有用なシクロプロパン環開裂プリン誘導体の製造方法と
しては、例えば、2つのアルコキシカルボニル基を有す
るシクロプロパン環を持つシクロプロパン環含有プリン
誘導体を出発物質として、シクロプロパン環開裂プリン
誘導体を製造する方法が提案されている(特開平3−1
20279号公報)。
【0003】しかしながら、かかる方法には、収率が低
く、精製の困難な化合物を経由するため、操作が煩雑で
あるという欠点がある。
【0004】そこで、近年、容易に、かつ高収率で純度
の高いシクロプロパン環開裂プリン誘導体を製造し得る
方法に用いられる製造中間体の開発が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、容易に、かつ高収率で
純度の高いシクロプロパン環開裂プリン誘導体を製造し
得る方法、その製造方法に好適に使用し得るシクロプロ
パン環含有プリン誘導体およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
式(I):
【0007】
【化11】
【0008】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基、R2 およびR3
は同一または異なっていてもよく、水素原子、置換基を
有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基、置換基を
有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基または
置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアシル基を示
す)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体、
(2) 式(III) :
【0009】
【化12】
【0010】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基、R6 およびR7
は同一または異なっていてもよく、置換基を有していて
もよい炭素数1〜7のアルキル基を示す)で表されるジ
カルボン酸系化合物と金属水素化物とを反応させること
を特徴とする式(Ia):
【0011】
【化13】
【0012】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 およびR
1 は前記と同じ)で表されるシクロプロパン環含有プリ
ン誘導体の製造方法、(3) 式(Ia):
【0013】
【化14】
【0014】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基を示す)で表され
るシクロプロパン環含有プリン誘導体と、式(IV): R4 −X7 (IV) (式中、R4 は置換基を有していてもよい炭素数1〜7
のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数7
〜11のアラルキル基、X7 は塩素原子、臭素原子また
はヨウ素原子を示す)で表されるアルキル化剤とを反応
させることを特徴する式(Ib):
【0015】
【化15】
【0016】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、R1
よびR4 は前記と同じであり、各R4は同一または異な
っていてもよい)で表されるシクロプロパン環含有プリ
ン誘導体の製造方法、(4) 式(Ia):
【0017】
【化16】
【0018】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基を示す)で表され
るシクロプロパン環含有プリン誘導体と式(V): R5 −X8 (V) (式中、R5 は置換基を有していてもよい炭素数1〜7
のアシル基、X8 は水酸基、塩素原子、臭素原子または
−OR5 基(R5 は前記と同じ)を示す)で表される化
合物とを反応させることを特徴とする式(Ic):
【0019】
【化17】
【0020】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 、R1
よびR5 は前記と同じであり、各R5は同一または異な
っていてもよい)で表されるシクロプロパン環含有プリ
ン誘導体の製造方法、ならびに(5) 式(I):
【0021】
【化18】
【0022】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基、R2 およびR3
は同一または異なっていてもよく、水素原子、置換基を
有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基、置換基を
有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基または
置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアシル基を示
す)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体に水
素添加することを特徴とする式(VI):
【0023】
【化19】
【0024】(式中、X9 は水素原子、炭素数1〜10
のアルコキシ基または水酸基、R8 は水素原子または保
護されていてもよいアミノ基、R2 およびR3 は前記と
同じ)で表されるシクロプロパン環開裂プリン誘導体の
製造方法、に関する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のシクロプロパン環含有プ
リン誘導体は、前記したように、式(I):
【0026】
【化20】
【0027】(式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルコキシ基または水酸基、X2 、X
3 およびX4 は同一または異なっていてもよく、水素原
子またはハロゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子
または保護されていてもよいアミノ基、R2 およびR3
は同一または異なっていてもよく、水素原子、置換基を
有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基、置換基を
有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基または
置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアシル基を示
す)で表される化合物である。
【0028】前記X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜10のアルコキシ基または水酸基を示す。
【0029】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられ、これ
らの中では塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ま
しい。
【0030】前記炭素数1〜10のアルコキシ基として
は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ベンジロキシ基、2−メチル−2−プロポキシ基、シク
ロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基などがあげら
れる。
【0031】前記X2 、X3 およびX4 は同一または異
なっていてもよく、水素原子またはハロゲン原子を示
す。
【0032】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられ、これ
らの中では塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ま
しい。
【0033】前記R1 は水素原子、ハロゲン原子または
保護されていてもよいアミノ基を示す。
【0034】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられる。
【0035】前記保護されたアミノ基の具体例として
は、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンジルア
ミノ基、ジメチルアミノメチレンアミノ基、ベンジロキ
シカルボニルアミノ基などが挙げられる。
【0036】前記R2 およびR3 は同一または異なって
いてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい炭素
数1〜7のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素
数7〜11のアラルキル基または置換基を有していても
よい炭素数1〜7のアシル基を示す。
【0037】前記炭素数1〜7のアルキル基としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、2−メチルプロピル基などが挙げられる。
【0038】前記炭素数7〜11のアラルキル基として
は、例えば、ベンジル基などが挙げられる。
【0039】前記炭素数1〜7のアシル基としては、例
えば、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロ
イル基などが挙げられる。
【0040】前記アルキル基、アラルキル基及びアシル
基が有していてもよい置換基としては、例えば、メトキ
シ基、フェノキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ
基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、塩素原子などのハロ
ゲン原子、シアノ基などがあげられる。
【0041】なお、本発明において、式(I)で表され
るシクロプロパン環含有プリン誘導体のなかでは、式
(II):
【0042】
【化21】
【0043】(式中、X5 およびX6 は同一または異な
っていてもよく、ハロゲン原子を示し、X1 、X2 、R
1 、R2 およびR3 は前記と同じ)で表されるシクロプ
ロパン環含有プリン誘導体が好ましい。なかでも、X1
が塩素原子である化合物、R2およびR3 がそれぞれ水
素原子またはアセチル基である化合物は、抗ウイルス剤
の製造中間体として、特に好適に使用し得る化合物であ
る。
【0044】前記X5 およびX6 において、ハロゲン原
子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨ
ウ素原子があげられ、これらの中では塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子が好ましい。
【0045】前記式(II)で表されるシクロプロパン環
含有プリン誘導体において、R2 およびR3 が水素原子
である化合物、すなわち、式(Ia):
【0046】
【化22】
【0047】(式中、X1 、X2 、X3 、X4 およびR
1 は前記と同じ)で表されるシクロプロパン環含有プリ
ン誘導体は、式(III) :
【0048】
【化23】
【0049】(式中、R6 およびR7 は同一または異な
っていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数1〜
7のアルキル基を示し、X1 、X2 、X3 、X4 および
1 は前記と同じ)で表されるジカルボン酸系化合物と
金属水素化物とを反応させることにより得ることができ
る。
【0050】前記R6 およびR7 において、置換基を有
していてもよい炭素数1〜7のアルキル基としては、前
記式(I)におけるR2 およびR3 で記載した置換基を
有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基と同様の基
が例示できる。
【0051】式(III) で表されるジカルボン酸系化合物
と金属水素化物との反応は、例えば、式(III) で表され
るジカルボン酸系化合物を溶媒に溶解または懸濁させた
後、金属水素化物を添加することにより、行なうことが
できる。
【0052】式(III) で表されるジカルボン酸系化合物
は、例えば、特開平3−120279号公報などに記載
の製造方法により得ることができる。
【0053】金属水素化物としては、例えば、水素化ホ
ウ素ナトリウム、ボラン、水素化アルミニウムリチウ
ム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リ
チウムなどが挙げられる。
【0054】金属水素化物の使用量は、含有する水素化
物イオン量が、式(III) で表されるジカルボン酸系化合
物1モルに対して、理論上4モル必要であることから、
4モル以上、好ましくは6モル以上となるように調整す
ることが望ましく、経済性の観点から、30モル以下、
好ましくは20モル以下となるように調整することが望
ましい。
【0055】溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ンなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、2−プロ
パノール、2−メチル−2−プロパノールなどのアルコ
ール類、テトラヒドロフランなどのエーテル類などがあ
げられる。かかる溶媒の使用量は、溶媒100重量部に
対して、式(III) で表されるジカルボン酸系化合物が、
通常、1〜50重量部となるように調整することが好ま
しい。
【0056】式(III) で表されるジカルボン酸系化合物
と金属水素化物とを反応させる際の温度は、通常、0〜
50℃程度であることが好ましく、雰囲気は、大気であ
ってもよく、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよ
い。
【0057】反応時間は、反応温度などによって異なる
ので一概には決定できないが、反応が終了するまでの時
間であればよく、通常、0.5〜5時間程度であること
が好ましい。反応の終了は、例えば、高速液体クロマト
グラフィーなどを用いて確認することができる。
【0058】前記式(II)で表されるシクロプロパン環
含有プリン誘導体において、R2 およびR3 がそれぞれ
置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアルキル基ま
たは置換基を有していてもよい炭素数7〜11のアラル
キル基である化合物、すなわち、式(Ib):
【0059】
【化24】
【0060】(式中、各R4 は同一または異なっていて
もよく、置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアル
キル基または置換基を有していてもよい炭素数7〜11
のアラルキル基を示し、X1 、X2 、X3 、X4 および
1 は前記と同じ)で表されるシクロプロパン環含有プ
リン誘導体は、式(Ia)で表されるシクロプロパン環
含有プリン誘導体と、式(IV): R4 −X7 (IV) (式中、X7 は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を
示し、R4 は前記と同じ)で表されるアルキル化剤とを
反応させることにより得ることができる。
【0061】前記R4 において、置換基を有していても
よい炭素数1〜7のアルキル基および置換基を有してい
てもよい炭素数7〜11のアラルキル基としては、前記
式(I)におけるR2 およびR3 で記載した置換基を有
していてもよい炭素数1〜7のアルキル基および置換基
を有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基と同
様の基が例示できる。
【0062】式(Ia)で表されるシクロプロパン環含
有プリン誘導体と式(IV)で表されるアルキル化剤との
反応は、例えば、シクロプロパン環含有プリン誘導体を
溶媒中に溶解させた後、アルキル化剤を添加することに
より、行なうことができる。
【0063】式(IV)で表されるアルキル化剤の使用量
は、式(Ia)で表されるシクロプロパン環含有プリン
誘導体1モルに対して、理論上2モル必要であることか
ら、2モル以上、好ましくは2.2モル以上であること
が望ましく、経済性の観点から、10モル以下、好まし
くは4モル以下であることが望ましい。
【0064】溶媒としては、例えば、酢酸エチルなどの
エステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、トルエンなどの芳香族
炭化水素類などがあげられる。かかる溶媒の使用量は、
溶媒100重量部に対して、式(Ia)で表されるシク
ロプロパン環含有プリン誘導体が、通常、1〜50重量
部となるように調整することが好ましい。
【0065】式(Ia)で表されるシクロプロパン環含
有プリン誘導体と式(IV)で表されるアルキル化剤とを
反応させる際の温度は、通常、10〜80℃程度である
ことが好ましく、雰囲気は、大気であってもよく、窒素
ガスなどの不活性ガスであってもよい。
【0066】反応時間は、反応温度などによって異なる
ので一概には決定できないが、反応が終了するまでの時
間であればよく、通常、1.5〜8時間程度であること
が好ましい。反応の終了は、例えば、高速液体クロマト
グラフィーなどを用いて確認することができる。
【0067】前記式(II)で表されるシクロプロパン環
含有プリン誘導体において、R2 およびR3 がそれぞれ
置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアシル基であ
る化合物、すなわち、式(Ic):
【0068】
【化25】
【0069】(式中、各R5 は同一または異なっていて
もよく、置換基を有していてもよい炭素数1〜7のアシ
ル基を示し、X1 、X2 、X3 、X4 およびR1 は前記
と同じ)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体
は、式(Ia)で表されるシクロプロパン環含有プリン
誘導体と式(V): R5 −X8 (V) (式中、X8 は水酸基、塩素原子、臭素原子または−O
5 基を示し、R5 は前記と同じ)で表される化合物と
を反応させることにより得ることができる。
【0070】前記R5 において、置換基を有していても
よい炭素数1〜7のアシル基としては、前記式(I)に
おけるR2 およびR3 で記載した置換基を有していても
よい炭素数1〜7のアシル基と同様の基が例示できる。
【0071】式(Ia)で表されるシクロプロパン環含
有プリン誘導体と式(V)で表される化合物との反応
は、例えば、式(Ia)で表されるシクロプロパン環含
有プリン誘導体を溶媒に懸濁させ、塩基を添加した後、
式(V)で表される化合物を添加することにより、行な
うことができる。
【0072】式(V)で表される化合物の使用量は、式
(Ia)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体
1モルに対して、理論上2モル必要であることから、2
モル以上、好ましくは2.2モル以上であることが望ま
しく、経済性の観点から、10モル以下、好ましくは4
モル以下であることが望ましい。
【0073】塩基としては、例えば、ピリジン、4−ジ
メチルアミノピリジン、イミダゾール、ジアザビシクロ
ウンデセン等の含窒素複素環、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン等の3級アミン等があげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
かかる塩基の使用量は、式(Ia)で表されるシクロプ
ロパン環含有プリン誘導体1モルに対して、化学量論量
以上、すなわち、2モル以上、好ましくは2.2モル以
上であることが望ましい。
【0074】溶媒としては、例えば、酢酸エチルなどの
エステル類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、トルエンなどの芳香族
炭化水素類などがあげられる。かかる溶媒の使用量は、
溶媒100重量部に対して、式(Ia)で表されるシク
ロプロパン環含有プリン誘導体が、通常、1〜50重量
部となるように調整することが好ましい。
【0075】式(Ia)で表されるシクロプロパン環含
有プリン誘導体と式(V)で表される化合物とを反応さ
せる際の温度は、通常、0〜80℃程度であることが好
ましく、雰囲気は、大気であってもよく、窒素ガスなど
の不活性ガスであってもよい。
【0076】反応時間は、反応温度などによって異なる
ので一概には決定できないが、反応が終了するまでの時
間であればよく、通常、0.5〜5時間程度であること
が好ましい。反応の終了は、例えば、高速液体クロマト
グラフィーなどを用いて確認することができる。
【0077】以上に説明した、式(I)で表されるシク
ロプロパン環含有プリン誘導体は、新規な化合物であ
り、例えば、ヌクレオシド・ヌクレオチド(Nucleoside
Nucleotide), 15〔5〕(1996),p. 981-994、特公平5
−86792号公報などに記載されている抗ウイルス剤
の製造中間体である式(VI):
【0078】
【化26】
【0079】(式中、X9 は水素原子、炭素数1〜10
のアルコキシ基または水酸基、R8 は水素原子または保
護されていてもよいアミノ基、R2 およびR3 は前記と
同じ)で表されるシクロプロパン環開裂プリン誘導体の
製造中間体として、好適に使用し得る化合物である。
【0080】前記X9 において、炭素数1〜10のアル
コキシ基としては、前記式(I)におけるX1 で記載し
た炭素数1〜10のアルコキシ基と同様の基が例示でき
る。
【0081】本発明においては、前記式(I)で表され
るシクロプロパン環含有プリン誘導体に水素添加するこ
とにより、式(VI)で表されるシクロプロパン環開裂プ
リン誘導体を製造することができる。
【0082】式(I)で表されるシクロプロパン環含有
プリン誘導体の水素添加の方法としては、例えば、式
(I)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体の
接触還元による方法(以下、方法(A)という)および
式(I)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体
をギ酸またはギ酸塩と反応させる方法(以下、方法
(B)という)が挙げられる。これらの方法のなかで
は、反応性及び操作性の観点から、前記方法(B)が好
ましい。
【0083】前記方法(A)において、式(I)で表さ
れるシクロプロパン環含有プリン誘導体の接触還元は、
例えば、式(I)で表されるシクロプロパン環含有プリ
ン誘導体および触媒を溶媒中に懸濁させて懸濁液とし、
水素雰囲気下でかかる懸濁液を振とうもしくは攪拌する
ことにより、またはかかる懸濁液に水素ガスを吹き込む
ことにより、行なうことができる。
【0084】触媒としては、パラジウム、白金、ニッケ
ル、それらの化合物などがあげられる。前記化合物とし
ては、例えば、水酸化パラジウムなどの水酸化物、酸化
白金などの酸化物、ラネーニッケルなどの展開触媒、パ
ラジウム黒、白金黒などの金属状触媒などがあげられ
る。また、前記触媒は、そのままの状態で使用してもよ
く、パラジウム炭素、白金炭素などのように、炭素など
に担持させた担持触媒として用いてもよい。これらの中
では、汎用性及び反応性の観点から、パラジウム炭素、
白金炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウムおよびラネ
ーニッケルが好ましい。
【0085】触媒の使用量は、式(I)で表されるシク
ロプロパン環含有プリン誘導体100重量部に対して、
反応を速やかに進行させるため、1重量部以上、好まし
くは20重量部以上であることが望ましく、経済性の観
点から、100重量部以下、好ましくは50重量部以下
であることが望ましい。
【0086】溶媒としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、2−プロパノールなどのアルコール類、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類、酢酸などの有機酸、酢
酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムア
ミドなどの極性溶媒、水などがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0087】溶媒の使用量は、溶媒100重量部に対し
て、式(I)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘
導体が、通常、1〜50重量部程度、好ましくは5〜3
0重量部程度となるように調整することが好ましい。
【0088】式(I)で表されるシクロプロパン環含有
プリン誘導体を接触還元させる際の反応温度は、通常、
0〜130℃程度、好ましくは50〜90℃程度である
ことが望ましい。また、水素雰囲気下で前記式(I)で
表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体の懸濁液を
振とうまたは攪拌する場合には、水素ガスの圧力は、通
常、0〜10kgf/cm2 程度、好ましくは1〜5k
gf/cm2 であることが好ましい。
【0089】反応時間は、反応温度などの反応条件によ
って異なるので一概には決定することができないが、反
応が終了する程度の時間であればよく、通常、0.5〜
8時間程度であることが好ましい。なお、反応の終了
は、例えば、高速液体クロマトグラフィーなどを用いて
確認することができる。
【0090】反応終了後は、例えば、濾過、濃縮、抽
出、精製などの通常の分離操作により、得られた式(V
I)で表されるシクロプロパン環開裂プリン誘導体を回
収することができる。
【0091】一方、前記方法(B)において、式(I)
で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体と、ギ酸
またはギ酸塩との反応は、例えば、式(I)で表される
シクロプロパン環含有プリン誘導体および触媒を、溶媒
に添加した後、ギ酸またはギ酸塩を添加することによ
り、行なうことができる。
【0092】触媒としては、前記方法(A)において、
接触還元の際に用いられる触媒と同様の触媒を用いるこ
とができる。かかる触媒の使用量は、式(I)で表され
るシクロプロパン環含有プリン誘導体100重量部に対
して、通常、反応を速やかに進行させるため、0.1重
量部以上、好ましくは10重量部以上であることが望ま
しく、経済性の観点から、100重量部以下、好ましく
は50重量部以下であることが望ましい。
【0093】溶媒としては、特に限定されないが、例え
ば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール類、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、酢酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホ
ルムアミドなどの極性溶媒などがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。該
溶媒の使用量は、溶媒100重量部に対して、式(I)
で表されるシクロプロパン環含有化合物が1〜50重量
部程度となるように、調整することが好ましい。
【0094】ギ酸塩としては、ギ酸ナトリウム、ギ酸カ
リウム、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウ
ムなどがあげられる。これらのなかでは、経済性および
作業性の観点から、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムおよ
びギ酸アンモニウムが好ましい。
【0095】ギ酸またはギ酸塩の使用量は、式(I)で
表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体1モルに対
して、反応を完結させるため、1モル以上、好ましくは
1.5モル以上であることが望ましく、経済性の観点か
ら、20モル以下、好ましくは10モル以下であること
が望ましい。
【0096】式(I)で表されるシクロプロパン環含有
プリン誘導体と、ギ酸またはギ酸塩との反応を行なう際
の反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは20〜
80℃であることが望ましい。また、反応の際の雰囲気
は、特に限定されないが、不活性ガス雰囲気下または水
素ガス雰囲気下であることが好ましい。なお、反応の際
は、特に反応系内を加圧する必要がなく、常圧下で行な
ってもよい。
【0097】反応時間は、反応温度などの反応条件によ
って異なるので一概には決定することができないが、反
応が終了する程度の時間であればよく、通常、1〜10
時間程度であることが好ましい。反応の終了の確認は、
例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いて原料物質
の消失を確認することにより、行うことができる。
【0098】反応終了後は、例えば、濾過、濃縮、抽
出、精製などの通常の分離操作により、得られた式(V
I)で表されるシクロプロパン環開裂プリン誘導体を回
収することができる。
【0099】このようにして得られた式(VI)で表され
るシクロプロパン環開裂プリン誘導体は、さらに、必要
に応じて、例えば、2−プロパノールなどを用いて再結
晶することができる。
【0100】式(VI)で表されるシクロプロパン環開裂
プリン誘導体は、抗ウイルス剤として有用な化合物であ
り、特に式(VI)において、R2 およびR3 がそれぞれ
アセチル基である化合物は、ファンシクロヴィア(Famc
iclovir)として知られる優れた抗ウイルス剤である。
【0101】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0102】実施例1 2−アミノ−6−クロロ−9−(2,2−ジクロロ−
3,3−ジカルボメトキシシクロプロピル)プリン1
0.0g(25.3ミリモル)をN,N−ジメチルホル
ムアミド300mlに溶解させた。続いて、水素化ホウ
素ナトリウム2.9g(76.7ミリモル)を添加し、
得られた反応溶液を30℃に加熱した。温度を保ちなが
ら、攪拌下でメタノール30mlを1時間かけて滴下
し、さらに30〜40℃で1時間加熱、攪拌した。
【0103】反応終了後、反応溶液を10℃まで冷却
し、水80mlを添加した。酢酸6gを滴下してpHを
6.5に調整した後、溶媒の半量を減圧下で留去した。
生じた結晶を濾取し、水10mlで2回洗浄した。得ら
れた白色結晶を減圧下で乾燥させたところ、2−アミノ
−6−クロロ−9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]プリン5.58
g(16.4ミリモル)を得た(収率:65%)。
【0104】得られた白色結晶が2−アミノ−6−クロ
ロ−9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロプロピル]プリンであることは、以下
の物性により確認された。
【0105】(1) 1H−NMR(270MHz,DM
SO−d6 ):δ=8.07(s,1H)、6.6−
7.4(brs,2H)、4.06(d,1H,J=1
1.6Hz)、3.96(s,1H)、3.92(d,
1H,J=11.6Hz)、3.65(t,2H,J=
12.5Hz) (2)13C−NMR(67.5MHz,DMSO−
6 ):δ=160.1、155.3、159.7、1
42.3、122.8、65.1、60.9、57.
4、43.9、41.1
【0106】実施例2 2−アミノ−6−クロロ−9−(2,2−ジクロロ−
3,3−ジカルボメトキシシクロプロピル)プリン5.
0g(12.7ミリモル)を1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン100mlに懸濁させ、水素化ホウ素リ
チウム1.9g(88.6ミリモル)を添加した。続い
て、メタノール20mlを5〜10℃で1時間かけて滴
下し、滴下終了後、得られた反応溶液をさらに2時間攪
拌した。
【0107】反応終了後、2M塩酸を添加して反応溶液
のpHを6.8に調整し、溶媒を減圧下で留去した。水
30mlを添加した後、酢酸エチル60mlで3回抽出
した。有機層を合わせ、減圧下で溶媒を留去した。残渣
に水30mlを添加して晶析し、結晶を濾取した。得ら
れた白色結晶を減圧下で乾燥させたところ、2−アミノ
−6−クロロ−9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]プリン3.0g
(8.86ミリモル)を得た(収率:70%)。
【0108】得られた結晶が2−アミノ−6−クロロ−
9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(ヒドロキシメ
チル)シクロプロピル]プリンであることは、実施例1
と同様の方法により確認された。
【0109】実施例3 2−アミノ−6−クロロ−9−[2,2−ジクロロ−
3,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]プ
リン3.0g(8.9ミリモル)を酢酸エチル100m
lに懸濁させた。続いて、ピリジン2.1g(27ミリ
モル)および4−ジメチルアミノピリジン0.1g
(0.9ミリモル)を添加し、得られた反応溶液を30
℃に加熱した。温度を保ちながら、攪拌下で無水酢酸
2.2g(21ミリモル)を滴下し、さらに30〜40
℃で1時間加熱、攪拌した。
【0110】反応終了後、反応溶液を10℃まで冷却
し、水50mlを添加した。水層を酢酸エチル50ml
で3回抽出した。有機層をあわせ、5%炭酸水素ナトリ
ウム50mlで2回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し
た後、無水硫酸マグネシウム3.0gで乾燥した。固体
を濾別後、溶液を濃縮し、生じた結晶を濾取した。得ら
れた白色結晶を減圧下で乾燥させたところ、2−アミノ
−6−クロロ−9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス
(アセトキシメチル)シクロプロピル]プリン3.0g
(7.1ミリモル)を得た(収率:80%)。
【0111】得られた白色結晶が2−アミノ−6−クロ
ロ−9−[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(アセトキ
シメチル)シクロプロピル]プリンであることは、以下
の物性により確認された。
【0112】(1) 1H−NMR(270MHz,CD
Cl3 ):δ=7.91(s,1H)、5.20−5.
40(brs,2H)、4.72(d,1H,J=1
2.2Hz)、4.60(d,1H,J=12.2H
z)、4.45(d,1H,J=12.2Hz)、4.
01(d,1H,J=12.2Hz)、3.91(s,
1H)、2.20(s,3H)、2.13(s,3H) (2)13C−NMR(67.5MHz,CDCl3 ):
δ=170.5、170.1、159.4、154.
5、151.9、141.5、124.6、63.2、
63.0、61.1、45.4、37.9、20.8、
20.6
【0113】実施例4 実施例1で得られた2−アミノ−6−クロロ−9−
[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロプロピル]プリン2.8g(8.2ミリモ
ル)及び5%パラジウム炭素2.0gをメタノール75
mlに添加し、90℃で約5kgf/cm2 の水素加圧
条件下で5時間反応させた。反応混合物を濾過後、濾液
を減圧下で濃縮し、白色固体を得た。カラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、2−アミノ−9−(4−ヒドロ
キシ−3−ヒドロキシメチルブチル)プリンの白色結晶
1.4g(6.2ミリモル)を得た(収率:75%、純
度:98%)。
【0114】得られた白色結晶が2−アミノ−9−(4
−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルブチル)プリンで
あることは、以下の物性により確認された。 (1)融点:154〜155℃(文献値:153〜15
5℃)
【0115】実施例5 実施例3で得られた2−アミノ−6−クロロ−9−
[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(アセトキシメチ
ル)シクロプロピル]プリン2.8g(6.6ミリモ
ル)及び5%パラジウム炭素2.0gをメタノール75
mlに添加し、90℃で約5kgf/cm2 の水素加圧
条件下で5時間反応させた。反応混合物を濾過後、濾液
を減圧下で濃縮し、白色固体を得た。1−ブタノールか
ら再結晶し、2−アミノ−9−(4−アセトキシ−3−
アセトキシメチルブチル)プリンの白色結晶1.7g
(5.3ミリモル)を得た(収率:60%、純度:97
%)。
【0116】得られた結晶が2−アミノ−9−(4−ア
セトキシ−3−アセトキシメチルブチル)プリンである
ことは、以下の物性により確認された。 (1)融点:102〜103℃(文献値:102〜10
3℃)
【0117】実施例6 実施例1で得られた2−アミノ−6−クロロ−9−
[2,2−ジクロロ−3,3−ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロプロピル]プリン2.8g(8.2ミリモ
ル)及び5%パラジウム炭素2.0gをメタノール75
mlに添加し、60℃でギ酸ナトリウム2.8g(41
ミリモル)を30分間かけて添加し、60℃で7時間攪
拌した。反応混合物を濾過後、減圧下で濃縮し、白色固
体を得た。イオン交換樹脂により精製し、2−アミノ−
9−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルブチル)
プリンの白色結晶1.6g(7.1ミリモル)を得た
(収率:86%、純度:98%)。
【0118】得られた結晶が2−アミノ−9−(4−ヒ
ドロキシ−3−ヒドロキシメチルブチル)プリンである
ことは、実施例4と同様の方法により確認された。
【0119】以上の結果から、実施例の方法によれば、
シクロプロパン環含有プリン誘導体を容易に製造するこ
とができ、しかもかかるシクロプロパン環含有プリン誘
導体を用いて、容易に、かつ高収率、高純度で、抗ウイ
ルス剤の製造中間体として有用なシクロプロパン環開裂
プリン誘導体を製造することができることがわかる。
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、シクロプロパン環含有
プリン誘導体を容易に製造することができる。また、本
発明によれば、該シクロプロパン環含有プリン誘導体を
用いて、容易に、かつ高収率で高純度のシクロプロパン
環開裂プリン誘導体を製造することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルコキシ基または水酸基、X2 、X3 およびX4
    は同一または異なっていてもよく、水素原子またはハロ
    ゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子または保護さ
    れていてもよいアミノ基、R2 およびR3 は同一または
    異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していても
    よい炭素数1〜7のアルキル基、置換基を有していても
    よい炭素数7〜11のアラルキル基または置換基を有し
    ていてもよい炭素数1〜7のアシル基を示す)で表され
    るシクロプロパン環含有プリン誘導体。
  2. 【請求項2】 式(I)で表されるシクロプロパン環含
    有プリン誘導体が式(II): 【化2】 (式中、X5 およびX6 は同一または異なっていてもよ
    く、ハロゲン原子を示し、X1 、X2 、R1 、R2 およ
    びR3 は前記と同じ)で表されるシクロプロパン環含有
    プリン誘導体である請求項1記載のシクロプロパン環含
    有プリン誘導体。
  3. 【請求項3】 X1 が塩素原子である請求項1または2
    記載のシクロプロパン環含有プリン誘導体。
  4. 【請求項4】 R2 およびR3 がそれぞれ水素原子であ
    る請求項1〜3いずれか記載のシクロプロパン環含有プ
    リン誘導体。
  5. 【請求項5】 R2 およびR3 がそれぞれアセチル基で
    ある請求項1〜3いずれか記載のシクロプロパン環含有
    プリン誘導体。
  6. 【請求項6】 式(III) : 【化3】 (式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルコキシ基または水酸基、X2 、X3 およびX4
    は同一または異なっていてもよく、水素原子またはハロ
    ゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子または保護さ
    れていてもよいアミノ基、R6 およびR7 は同一または
    異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数
    1〜7のアルキル基を示す)で表されるジカルボン酸系
    化合物と金属水素化物とを反応させることを特徴とする
    式(Ia): 【化4】 (式中、X1 、X2 、X3 、X4 およびR1 は前記と同
    じ)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 式(Ia): 【化5】 (式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルコキシ基または水酸基、X2 、X3 およびX4
    は同一または異なっていてもよく、水素原子またはハロ
    ゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子または保護さ
    れていてもよいアミノ基を示す)で表されるシクロプロ
    パン環含有プリン誘導体と、式(IV): R4 −X7 (IV) (式中、R4 は置換基を有していてもよい炭素数1〜7
    のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数7
    〜11のアラルキル基、X7 は塩素原子、臭素原子また
    はヨウ素原子を示す)で表されるアルキル化剤とを反応
    させることを特徴する式(Ib): 【化6】 (式中、X1 、X2 、X3 、X4 、R1 およびR4 は前
    記と同じであり、各R4は同一または異なっていてもよ
    い)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 式(Ia): 【化7】 (式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルコキシ基または水酸基、X2 、X3 およびX4
    は同一または異なっていてもよく、水素原子またはハロ
    ゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子または保護さ
    れていてもよいアミノ基を示す)で表されるシクロプロ
    パン環含有プリン誘導体と式(V): R5 −X8 (V) (式中、R5 は置換基を有していてもよい炭素数1〜7
    のアシル基、X8 は水酸基、塩素原子、臭素原子または
    −OR5 基(R5 は前記と同じ)を示す)で表される化
    合物とを反応させることを特徴とする式(Ic): 【化8】 (式中、X1 、X2 、X3 、X4 、R1 およびR5 は前
    記と同じであり、各R5は同一または異なっていてもよ
    い)で表されるシクロプロパン環含有プリン誘導体の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 式(I): 【化9】 (式中、X1 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜1
    0のアルコキシ基または水酸基、X2 、X3 およびX4
    は同一または異なっていてもよく、水素原子またはハロ
    ゲン原子、R1 は水素原子、ハロゲン原子または保護さ
    れていてもよいアミノ基、R2 およびR3 は同一または
    異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していても
    よい炭素数1〜7のアルキル基、置換基を有していても
    よい炭素数7〜11のアラルキル基または置換基を有し
    ていてもよい炭素数1〜7のアシル基を示す)で表され
    るシクロプロパン環含有プリン誘導体に水素添加するこ
    とを特徴とする式(VI): 【化10】 (式中、X9 は水素原子、炭素数1〜10のアルコキシ
    基または水酸基、R8 は水素原子または保護されていて
    もよいアミノ基、R2 およびR3 は前記と同じ)で表さ
    れるシクロプロパン環開裂プリン誘導体の製造方法。
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