JP2000016648A - 積層型の物体浮揚装置 - Google Patents

積層型の物体浮揚装置

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JP2000016648A JP10179478A JP17947898A JP2000016648A JP 2000016648 A JP2000016648 A JP 2000016648A JP 10179478 A JP10179478 A JP 10179478A JP 17947898 A JP17947898 A JP 17947898A JP 2000016648 A JP2000016648 A JP 2000016648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型のものでも安価に、且つ、簡便に製作で
きる積層型の物体浮揚装置を提供する。 【解決手段】 供給管からの圧縮エアが、積層された薄
板2の貫通孔7で形成された通路に充填されると、通路
内は、速やかに所定の高圧力状態に達する。しかるに、
各薄板2の一方の側面の貫通孔8や10及び貫通孔9の
周りに薄く塗布された接着剤11による隙間には、貫通
孔7からフィルム状物6に向かう上記エアの流路Pが当
該薄板2の側面に形成される。この隙間によって形成さ
れる流路Pは極めて狭く、当該流路Pでの流速は大きい
が、搬送面積が当該流路Pの断面積に比べ極めて大きい
ので、搬送面に流出した途端に流速が微速になる一方、
積層面Hの極近傍は上記通路内の圧力とほぼ等しく、し
たがって、積層面Hに沿って浮揚高さを極めて小さく、
しかし、積層面Hの近傍に位置する搬送面に沿ってフィ
ルム状物6の浮揚力を十分大きくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体を流体によっ
て浮揚させつつ搬送できる物体浮揚装置に関し、特に、
浮揚高さを小さく、しかし、浮揚力を大きくできる積層
型の物体浮揚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、物体、例えばフィルム状物等
をエアなどの流体によって浮揚させつつ搬送できる物体
浮揚装置は種々ある。この種の装置で、例えば、本出願
人に係る特開平8−245028において開示されてい
るフィルム浮揚方向転換装置の一つには、「フィルム等
を搬送するフィルム搬送面に多数の気体噴出孔を有し、
横長の中空体を形成してなり、両軸端を装置本体に固着
し、少なくとも一方の軸端の中空体内に圧縮流体を供給
する供給管を接続し、前記フィルム搬送面の気体噴出孔
からエアを吹き出し、非接触状態でフィルムを搬送する
装置で、前記フィルム搬送面の、前記フィルムの搬送方
向を変更する方向転換部分に配置される方向転換部材
は、その断面形状が半楕円、楕円弧または半円、円弧面
の隅角状で、かつ搬送方向の上流部側表面と下流部側表
面がフィルム搬送方向と略平行な直線面で形成され、前
記両軸端に固定されたフランジ間に多数の気体噴出孔を
有した薄板を張設してなる」ものがある。かかる方向転
換部材の製作に使用される薄板には種々の材質のものが
あり、そのうち金属板を使用する場合は、気体噴出孔が
パンチングされた、例えば隅角状を形成する半円形の鋼
板と直線面を形成する平面状の鋼板とを溶接などして製
作される。また、金属板に代えて多孔質焼結金属や多孔
質プラスチックを使用して製作される場合もある。
【0003】更に、他のフィルム浮揚方向転換装置に
は、「フィルム等を搬送するフィルム搬送面に多数の気
体噴出孔を有し、横長の中空体を形成してなり、両軸端
を装置本体に固着し、少なくとも一方の軸端の中空体内
に圧縮流体を供給する供給管を接続し、前記フィルム搬
送面の気体噴出孔からエアを吹き出し、非接触状態でフ
ィルムを搬送する装置で、前記フィルム搬送面の、前記
フィルムの搬送方向を変更する方向転換部分に配置され
る方向転換部材は、その断面形状が半楕円、楕円弧また
は半円、円弧面の隅角状で、かつ搬送方向の上流部側表
面と下流部側表面がフィルム搬送方向と略平行な直線面
で形成され、前記搬送フィルムの幅方向に延設した前記
中空体の中心軸に平行な通気スリットで、押出し成形加
工によるもので形成されてなる」ものがある。かかる方
向転換部材の製作は、押出し成形による一体成形加工で
なされ、上述したような溶接など使用することなく所望
の形状の方向転換部材を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置において、金属板にパンチングして気体噴出孔を穿設
する場合、最小となる当該孔径はその板厚にほぼ等しい
大きさが限度で、これ以上小さい孔径であると、パンチ
ングの際パンチ工具が折損してしまうために、極めて小
さな孔径を得ることが困難であった。したがって、この
ような孔径に相当する気体噴出孔を得るためには、即
ち、所要の開孔率を得るためには、方向転換部材に紐状
物を巻回して孔径を絞ることで対応していた。更に、方
向転換部材の製作の際に上述した溶接などを使用する
と、その溶接箇所の継ぎ目からは、気体を噴出させるこ
とができなくなるという不具合がある。また、金属板に
代えて多孔質焼結金属や多孔質プラスチックを使用する
場合、小型の方向転換部材は容易に製作できるが、大型
のものは製作が困難であり、これに加えて、多孔質焼結
金属の場合には、製作コストが高価で、上述した溶接な
どに伴う不具合があり、多孔質プラスチックの場合に
は、強度不足で限られた用途にしか使用できないという
不具合がある。更に、方向転換部材を一体成形加工で製
作する場合、成形加工のための金型にコストを要し、と
りわけ、大型のものは高価になることに加え、所要の製
作精度を得ることが困難になるという不具合がある。
【0005】本発明の目的は、大型のものでも安価に、
且つ、簡便に製作できる積層型の物体浮揚装置を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、上記目的に加
え、気体噴出孔の開孔率を自在に、且つ簡単に調整する
ことができる積層型の物体浮揚装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係る積層型の物体浮揚装置は、
物体をエアなどの流体によって浮揚させつつ搬送するも
ので、外部から供給される流体の通路である第1流体孔
を備えた複数の薄板で積層面を形成し、その積層面の近
傍に流体による搬送面が形成され、これら薄板間には第
1流体孔から搬送面に向かう流体の流路が形成されるよ
うにしたものである。本装置は、プレス加工や押出し成
形、鍛造等で加工された薄板を積層するだけで簡便に製
作でき、しかも、大型化しても安価に製作できる。ま
た、これら薄板間に形成される流路、換言すれば隙間の
選定によって、開孔率を3%以下にすることができ、好
ましくは1%以下にするのがよい。このような開孔率の
下では、積層面からの物体の浮揚高さを極めて小さくで
きる一方、浮揚力を十分大きくすることができること
は、基本的な流体力学則から容易に導ける。したがっ
て、上記開孔率を得るために、従来のような紐状物を巻
回する必要はない。ここで、開孔率とは、 開孔率=(全流路断面積/搬送面積)×100 を言う。ここで、搬送面積=全流路断面積+全積層薄板
の板厚、であるから、流路の選定のみならず、薄板の厚
さの選定にも考慮する必要があることは言うまでもな
い。
【0007】また、本発明の請求項2に係る積層型の物
体浮揚装置は、物体を流体によって浮揚させつつ搬送す
るもので、外部から供給される流体の通路である第1流
体孔と、外部から吸引される流体の通路である第2流体
孔とを備えた複数の薄板で積層面を形成し、その積層面
の近傍に流体による搬送面が形成され、それら薄板の互
いに隣接する薄板の一方には、当該薄板の第1流体孔か
ら吐出して物体に当接し、当該薄板に隣接する薄板の第
2流体孔に吸引される流体の流路が形成されるととも
に、他方の薄板には、当該薄板に隣接する薄板の第1流
体孔から吐出して物体に当接し、当該薄板の第2流体孔
に吸引される流体の流路が形成されるようにしたもの
で、これにより、一方の薄板に形成される、搬送面上の
物体に向かう流路が、他方の薄板に形成される、当該物
体に当接して戻る流路と交叉することなく、また、一方
の薄板に形成される、当該物体に当接して戻る流路が、
他方の薄板に形成される、搬送面上の物体に向かう流路
と交叉することなく、各薄板にそれぞれ所定の流路が形
成される。そして、これら流路、即ち隙間の選定によ
り、および/または、第1流体孔への供給圧力或いは第
2流体孔からの吸引圧力の調節により、積層面からの物
体の浮揚高さを小さくする一方、その浮揚力を大きくす
ることができる。したがって、上記選定及び調節如何に
よっては、搬送面が積層面より下方にある場合も物体を
吸引しつつ逆さまにして搬送することが可能である。本
装置は、プレス加工や押出し成形、鍛造等で、第1流体
孔や第2流体孔を同時加工された薄板を積層するだけで
簡便に製作でき、しかも、大型化しても安価に製作でき
ることはもちろんである。
【0008】また、本発明の請求項3に係る積層型の物
体浮揚装置は、外部から供給される流体の通路である第
1流体孔を備えた複数の薄板で積層面を形成し、その積
層面の近傍に流体による搬送面を形成する一方、これら
薄板間には第1流体孔から搬送面に向かう流体の流路を
形成することは、請求項1に係る装置と同様であるが、
これに加え、これら薄板が一体となって回転可能に所定
回転軸に取り付けられるものである。粘着テープのよう
な物体を搬送する場合、これら薄板に回転を与えて物体
の搬送速度に同期させると、物体が積層面に付着した際
に、これを容易に離隔させることができ、物体の品質劣
化を防止できる。
【0009】また、本発明の請求項4及び5に係る積層
型の物体浮揚装置は、上述した流体の流路が、薄板間に
スペーサを介装する場合には、スペーサの厚みによって
形成される薄板間の隙間であり、薄板に所要接着剤が塗
布される場合には、接着剤の厚みで形成される薄板間の
隙間であり、したがって、金属やプラスチック製のシム
などのスペーサ、又はエポキシやシリコンなどの接着剤
の厚みを調整することで、上記の最適な開孔率を極めて
容易に得ることができる。接着剤で調整する場合にも、
所謂シルク印刷等を用いるので、正確な厚み調整をする
ことができる。ところで、このような開孔率に対応する
上記厚みとしては、およそ0.01〜0.03mmが好
ましい。但し、請求項2に係る装置での上記厚みは、
0,01〜1.0のように広範囲にできる。
【0010】また、本発明の請求項6に係る積層型の物
体浮揚装置は、流体の流路が薄板自体にプレス加工やエ
ッチング加工等で形成されている場合に、このような薄
板を積層するだけで形成される薄板間の隙間であり、薄
板に施される溝形状によって任意の流路を得ることがで
きる。したがって、溝形状を調整することで、上記の最
適な開孔率を極めて容易に得ることができる。
【0011】また、本発明の請求項7に係る積層型の物
体浮揚装置は、薄板の適宜なところに、前記流体の圧縮
供給によって生ずる温度上昇を抑えるための冷媒通路を
配設しているもので、これにより、当該装置、とりわ
け、薄板や上記シム等の温度上昇による熱変形のために
流体の漏れが生じて、上記最適な開孔率で運転できなく
なるのを防止できるのは言うに及ばず、搬送される物体
がその熱影響で品質劣化するのを防止でき、また、当該
装置で作業する者が火傷するのを防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態に係る
積層型の物体浮揚装置を図1〜3を参照して説明する。
本装置1は、物体浮揚装置のうち搬送方向転換装置であ
り、図1に示すように、複数の薄板2をそれら両側に配
設されたフランジ3で挟持するとともに、これらを締付
用長ネジ4a,4bによって固着させ、薄板2を積層し
て形成される積層面(これら薄板2の半円外周部及びそ
れに連設する直線部)Hの近傍に位置する流体搬送面に
沿って、例えばフィルム状物(物体)6を浮揚させて、
図3のように矢印A1からA2方向に搬送することがで
きるものである。そして、これらフランジ3の中心部に
穿設された貫通孔3aには、圧縮エア(流体)の供給管
5がそれぞれ連結されており、また、その下底に設けら
れたテーパネジ孔3bには、冷媒の供給管または排出管
(図示せず)が連結されるようになっており、このテー
パネジ孔3bの下部側方から積層薄板2の下記貫通孔1
0に向かって通路3cがそれぞれ穿設されている。尚、
場合によっては当該連結管5の一方を盲蓋して使用しな
いようにしてもよい。
【0013】ところで、薄板2は、図2のような形状を
した鋼板で、プレス打ち抜きや押し出し成形等によって
製作されるものであり、その中央部には上記供給管5に
連通する圧縮エアの通路としての貫通孔(第1流体孔)
7が、また、その上部及び左右下部には上記長ネジ4
a,4bが挿入される貫通孔8及び9が、更に、左右の
貫通孔8の間に上記通路3cに連通する冷媒の通路とし
ての貫通孔10がそれぞれ穿設されている。そして、こ
の薄板2の一方の側面(場合により、両側面でも可)に
エポキシやシリコンなどの接着剤11を、図3のよう
に、シルク印刷の技法を用いて塗布する。即ち、当該側
面の貫通孔8や10の周り及び貫通孔9の周りに、およ
そ0.01〜0.03mmの厚さで接着剤11を塗布す
る。しかる後、このような薄板2を積層すると、その積
層面Hの各薄板2の間には貫通孔7から搬送面に向か
う、即ちフィルム状物6に向かう上記エアの流路(同図
3の矢印Pで表す)が当該薄板2の側面に形成されるこ
とになる。したがって、本装置は、プレス加工等された
薄板2に接着剤11を塗布して積層するだけで所望の流
路Pが形成されるので、簡便に製作でき、しかも、大型
化しても安価に製作できる。また、接着剤11の厚みを
正確に調整できるので、所望の上記開孔率に対応した通
路Pを得ることができる。本実施の形態では接着剤11
を塗布して流路Pを形成する場合について説明したが、
シムを用いてもよいことはもちろんである。
【0014】ところで、流路Pは、薄板2自体にプレス
加工やエッチング加工等で形成されているものであって
もよい。この種の例としては、図4の薄板12は、貫通
孔7から放射状に溝12aを設けたもので、プレス加工
やエッチング加工等で容易に製作できる。このような薄
板12を積層すると、その積層面Jの各薄板12の間に
は貫通孔7からフィルム状物6に向かう上記エアの流路
Paが形成され、したがって、当該溝形状の選定によ
り、上記薄板2の場合と同様に、所望の上記開孔率に対
応した流路Paを得ることができる。また、図5の薄板
13は、その側面の部位13a(図中の斜線部)の厚さ
を他の部位13bより薄く成形したもので、上述した図
3の流路Pと類似の流路Pbが形成される。このような
薄板13は、上記プレス加工やエッチング加工等で容易
に製作できる。また、斜線部位の選定により、その積層
面Kの各薄板13の間に所望の上記開孔率に対応した流
路Pbを得ることができる。尚、図4及び5において、
図2の構成要素と同一のものには同一番号を付すととも
に、その説明は割愛する。
【0015】本装置1によるフィルム状物6の搬送動作
を説明する。両方の供給管5から圧縮エアが供給され、
上記貫通孔7で形成される通路に当該エアが充填される
と、通路内は、速やかにほぼ所定の高圧力状態に達す
る。しかるに、流路Pは極めて狭く、したがって、当該
流路Pでの流速は大きいが、搬送面積が当該流路Pの断
面積に比べ極めて大きいので、搬送面に流出した途端に
流速が微速になる一方、積層面Hの極近傍は上記通路内
の圧力にほぼ等しく、したがって、積層面Hに沿って浮
揚高さを極めて小さく、しかし、積層面Hの近傍に位置
する搬送面に沿ってフィルム状物6を浮揚させる圧力
を、十分大きくできる。しかも、かかる浮揚力は、圧縮
エアの供給圧力に従って大きくできるので、フィルム状
物6に限らずある程度の重量物をも搬送できる。更に、
本装置1のように、冷媒が供給される構造であると、薄
板2や接着剤11の劣化のみならず、フィルム状物6の
熱による品質劣化を防止でき、また、当該装置1で作業
する者が火傷するのを防止できる。
【0016】次に、本発明の第2の実施の形態に係る積
層型の物体浮揚装置を図面6〜10を参照して説明す
る。本装置20は、フィルム状物6を水平を保持しつつ
一定方向に搬送する装置であり、図6に示すように、複
数の薄板21をそれら両側に配設されたフランジ22
a,22bで挟持するとともに、これらを締付用長ネジ
23によって固着させ、薄板21を積層して形成される
積層面(これら薄板21の端部21a)Mの近傍に位置
する流体搬送面に沿って、フィルム状物6を浮揚させて
矢印B方向(図10)に搬送することができるものであ
る。そして、フランジ22aの一方に穿設された貫通孔
(図示せず)には、圧縮エア(流体)の供給管24及び
圧縮エアの吸引管25がそれぞれ連結されている。尚、
場合によっては他方のフランジ22bにも上記供給管2
4及び吸引管25を連結して上記エアの供給・吸引を行
うようにしてもよい。
【0017】ところで、薄板21は、図7のような長方
形状をした鋼板で、プレス打ち抜きや押し出し成形等に
よって製作され、その長手方向には上記供給管24及び
吸引管25に連通する圧縮エアの供給通路及び吸引通路
としての貫通孔(第1流体孔)26及び貫通孔(第2流
体孔)27が、また、この貫通孔26及び27をそれぞ
れ隔てて上記長ネジ23が挿入される貫通孔28が穿設
されている。そして、このような薄板21には、図8の
ような態様にエポキシやシリコンなどの接着剤11が塗
布され、また、図9のような態様に同種の接着剤11が
塗布されている。即ち、図8の薄板21に対しは、その
一方の側面に接着剤11をシルク印刷の技法を用いて、
貫通孔26の円周を取り囲むようにおよそ0.01〜
1.0mmの厚さで塗布する一方、貫通孔27について
は、その円周の一部位に接着剤11が塗布されないよう
に、また、この部位に連続し、長手方向に延びる端部2
1aに接着剤11が塗布されないようにする。これに対
して図9の薄板21では、その一方の側面に接着剤11
を貫通孔27の円周を取り囲むように上記厚さで塗布す
る一方、貫通孔26については、その円周の一部位に接
着剤11が塗布されないように、また、この部位に連続
し、長手方向に延びる端部21aに接着剤11が塗布さ
れないようにする。
【0018】このような図8の薄板21と図9の薄板2
1とを交互に積層すると、これらで形成される積層面M
の各薄板21の間には、後述する図10に示すような、
物体6を浮揚する流れvと物体6を吸引する流れwに基
づく流路Q及びRが形成され、しかも、一方の薄板21
に形成される流路Qと、他方の薄板21に形成される流
路Rとは、交叉しないように形成される。このように接
着剤11を塗り分けた薄板21を用いて本装置20を製
作する場合もまた、プレス加工等された薄板21につき
図8及び図9の態様で接着剤11を塗布し積層するだけ
で簡便に製作でき、しかも、大型化しても安価に製作で
きる。また、接着剤11の厚みを正確に調整できるの
で、所望の上記開孔率に対応した流路Q,Rを得ること
ができる。本実施の形態では接着剤11を塗布して流路
Q,Rを形成する場合について説明したが、シムを用い
てもよいことはもちろん、薄板21自体にプレス加工や
エッチング加工等で形成されているものであってもよ
い。
【0019】本装置20によるフィルム状物6の搬送動
作を図8〜10を参照しつつ説明する。尚、図10は、
積層薄板21の拡大正面図で、図8及び図9の薄板21
による浮揚動作の説明をするために、この薄板21に形
成される流路を示すものである。供給管24から圧縮エ
アを供給するとともに、吸引管25から圧縮エアを吸引
し、上記貫通孔26で形成される供給通路及び上記貫通
孔27で形成される吸引通路に当該エアの流れを生ぜし
めると、このエアの、図8の薄板21の流路Qにおける
フィルム状物6を浮揚する流れvとフィルム状物6を吸
引する流れwでは、エアは、当該薄板21の貫通孔26
から吐出しフィルム状物6に当接して反転した後、当該
薄板21に隣接する、供給管4側に位置した薄板21の
貫通孔27に吸引され、また、図9の薄板21の流路R
におけるフィルム状物6を浮揚する流れvとフィルム状
物6を吸引する流れwでは、エアは、当該薄板21に隣
接する薄板21の貫通孔26から吐出しフィルム状物6
に当接して反転した後、当該薄板21の貫通孔27に吸
引される。即ち、搬送面に対し垂直に流路QとRが交互
に形成されるので、フィルム状物6を浮揚させて搬送で
きる。しかも、薄板21の厚さ及び流路Q,Rで形成さ
れる隙間を適宜選定し、供給圧力及び吸引圧力を調節す
ることにより、積層面Mからの物体の浮揚高さを極めて
小さくする一方、積層面Mの近傍に位置する搬送面に沿
って浮揚力を大きくできる。ところで、本実施の形態で
は、積層面M上にフィルム状物6を浮揚させて搬送する
装置20について説明したが、搬送面が積層面Mより下
方にある場合にフィルム状物6を吸引しつつ逆さまにし
て搬送することができる装置、或いは、上記第1の実施
の形態で説明した搬送方向を転換するような装置にも使
用できることは言うまでもない。
【0020】次に、本発明の第3の実施の形態に係る積
層型の物体浮揚装置を図面11〜13を参照して説明す
る。本装置30は、第1の実施の形態に係る装置と同様
だが、回転可能な搬送方向転換装置であり、図11に示
すように、複数の薄板31をそれら両側に配設されたフ
ランジ32で挟持するとともに、これらを締付用長ネジ
33によって固着させ、円形薄板31を積層して形成さ
れる積層面(これら薄板31の外周部)Nの近傍に位置
する流体搬送面に沿ってフィルム状物6を浮揚させて、
図13のように矢印C1からC2方向に搬送することが
できるものである。そして、このフランジ32の中心部
に穿設された貫通孔32aには、圧縮エア(流体)の供
給管34がそれぞれ連結されており、この供給管34は
軸受によって回転可能に支持されている。尚、本実施の
形態では、供給管34の一方を盲蓋して使用しないよう
にしているが、両方の供給管34から圧縮エアが供給さ
れるようにしてもよい。
【0021】ところで、薄板31は、上述のように円形
状をした鋼板で、プレス打ち抜きや押し出し成形等によ
って製作されるものであり、その中央部には上記供給管
34に連通する圧縮エアの通路としての貫通孔(第1流
体孔)35が、また、この貫通孔35の円周に上記長ネ
ジ33が挿入される貫通孔36がそれぞれ穿設されてい
る。そして、この薄板31の一方の側面(場合により両
側面も可)にエポキシやシリコンなどの接着剤11を、
図13のように、シルク印刷の技法を用いて、貫通孔3
6の周りに、およそ0.01〜0.03mmの厚さで塗
布する。しかる後、このような薄板31を積層すると、
その積層面Nの各薄板31の間には貫通孔35から搬送
面に向かう、即ち、フィルム状物6に向かう上記エアの
流路(図13に矢印Sで表す)が当該薄板31の両側面
31aに沿って放射状に形成されることになる。したが
って、本装置もまた、プレス加工等された薄板に接着剤
11を塗布して積層するだけで簡便に製作でき、しか
も、大型化しても安価に製作できる。また、接着剤11
の厚みを正確に調整できるので、所望の上記開孔率に対
応した通路Sを得ることができる。本実施の形態では接
着剤11を塗布して流路Sを形成する場合について説明
したが、シムを用いてもよいことはもちろん、薄板31
自体にプレス加工やエッチング加工等で形成されている
ものであってもよい。
【0022】本装置30によるフィルム状物6の搬送動
作を説明する。供給管34から圧縮エアが供給され、上
記貫通孔35で形成される通路に当該エアが充填される
と、通路内は、速やかにほぼ一定の高圧力状態に達す
る。しかるに、流路Sは極めて狭く、したがって、当該
流路Sでの流速は大きいが、搬送面積が当該流路Sの断
面積に比べ極めて大きいので、搬送面に流出した途端に
流速が微速になる一方、積層面Nの極近傍は上記通路内
の圧力にほぼ等しく、したがって、積層面Nに沿って浮
揚高さを極めて小さくする一方、積層面Nの近傍に位置
する搬送面に沿って浮揚力を十分大きくできる。一方、
薄板31は、圧縮エアが供給されている間は回転してお
り、粘着テープのようなフィルム状物6を搬送する際、
この回転速度をフィルム状物6の搬送速度に同期させる
と、フィルム状物6が搬送面に付着したようなときに
は、容易にフィルム状物6を離隔させることができるの
で、フィルム状物6の品質劣化を防止できる。
【0023】
【発明の効果】本発明の積層型の物体浮揚装置によれ
ば、大型のものでも安価に、且つ、簡便に製作できる。
また、本発明の積層型の物体浮揚装置によれば、上記効
果に加え、気体噴出孔の開孔率を自在に、且つ簡単に調
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る積層型の物体浮揚装
置の正面図である。
【図2】 図1の薄板の側面図である。
【図3】 接着剤が塗布された図2の薄板による浮揚動
作の説明図である。
【図4】 他の薄板の側面図である。
【図5】 他の薄板の側面図である。
【図6】 第2の実施の形態に係る積層型の物体浮揚装
置の平面図である。
【図7】 図6の薄板の側面図である。
【図8】 接着剤が塗布された図7の薄板の側面図であ
る。
【図9】 図8とは異なる態様で塗布された図7の薄板
の側面図である。
【図10】図8及び図9の薄板による浮揚動作の説明図
である。
【図11】第3の実施の形態に係る積層型の物体浮揚装
置の正面図である。
【図12】図11の薄板の側面図である。
【図13】接着剤が塗布された図12の薄板による浮揚
動作の説明図である。
【符号の説明】
1,20,30 物体浮揚装
置 2,12,13,21,31 薄板 6 フィルム状
物(物体) 7,26,35 貫通孔(第
1流体孔) 10 貫通孔(冷
媒通路) 11 接着剤又は
シム 27 貫通孔(第
2流体孔) 34 供給管(回
転軸) H,J,K,M,N 積層面 P,Q,R,S,Pa,Pb エア(流
体)の流路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体を流体によって浮揚させつつ搬送す
    る物体浮揚装置であって、外部から供給される前記流体
    の通路である第1流体孔を備えた複数の薄板によって積
    層面を形成し、該積層面の近傍に前記流体の搬送面が形
    成されるとともに、前記薄板間には前記第1流体孔から
    前記搬送面に向かう前記流体の流路が形成されてなるこ
    とを特徴とする積層型の物体浮揚装置。
  2. 【請求項2】 物体を流体によって浮揚させつつ搬送す
    る物体浮揚装置であって、外部から供給される前記流体
    の通路である第1流体孔と、外部から吸引される前記流
    体の通路である第2流体孔とを備えた複数の薄板によっ
    て積層面を形成し、該積層面の近傍に前記流体の搬送面
    が形成され、それら薄板の互いに隣接する薄板の一方に
    は、当該薄板の第1流体孔から吐出し前記物体に当接し
    て当該薄板に隣接する薄板の第2流体孔に吸引される前
    記流体の流路が形成されるとともに、他方の薄板には、
    当該薄板に隣接する薄板の第1流体孔から吐出し前記物
    体に当接して当該薄板の第2流体孔に吸引される前記流
    体の流路が形成されてなることを特徴とする積層型の物
    体浮揚装置。
  3. 【請求項3】 前記薄板は、一体となって回転可能に所
    定回転軸に取り付けられてなることを特徴とする請求項
    1に記載の積層型の物体浮揚装置。
  4. 【請求項4】 前記流体の流路は、前記薄板間にスペー
    サを介装する場合に、これら薄板と前記スペーサによっ
    て形成される隙間であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の積層型の物体浮揚装置。
  5. 【請求項5】 前記流体の流路は、前記薄板に所要接着
    剤が塗布される場合に、前記接着剤の厚みで形成される
    前記薄板間の隙間であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の積層型の物体浮揚装置。
  6. 【請求項6】 前記流体の流路は、該流路が前記薄板自
    体に予め形成されている場合に、当該薄板を積層するだ
    けで形成される前記薄板間の隙間であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の積層型の物体浮揚装
    置。
  7. 【請求項7】 前記薄板には、前記流体の圧縮供給によ
    って生ずる温度上昇を抑えるための冷媒通路が配設され
    てなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の積層型の物体浮揚装置。
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