JP2011051782A - サクションローラユニット及び印刷機 - Google Patents

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Yusuke Nishino
祐介 西野
Shoji Nagumo
昭二 南雲
Hiroyuki Ebe
博之 江部
Tadao Yamada
忠夫 山田
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Abstract

【課題】 特にデリケートな対象物を送る場合にも対象物の破損のみならず吸引痕のような不具合も発生しないサクションローラを提供する。
【解決手段】 ローラ本体1は、材料を焼結して得られる多孔構造を有する複数の多孔体12で形成されており、複数の多孔体12はローラ本体1の全周に亘って設けられている。各多孔体12の間には各多孔体12の側面からの空気漏れを防ぐ隔壁体13が挟み込まれている。ローラ本体1の内部空間は中空体2と連通しており、吸引ポート3から吸引されることでローラ本体1内が吸引されて対象物が吸着され、ローラ本体1の回転によって送られる。
【選択図】 図2

Description

本願の発明は、薄い対象物を吸着して送るサクションローラユニットに関し、またこのようなサクションローラを使用した印刷機に関するものである。
薄い対象物を搬送する技術は、各種機械や処理装置、測定器等で必要になるが、例えば印刷機において多様されている。印刷機においては、紙などの薄い対象物を搬送する際、ローラで搬送する機構が多く採用される。このうち、ある種の対象物に対しては、エア吸引により対象物をローラに吸着させながら搬送するタイプの機構が用いられることがある。このように吸引によって対象物を吸着しながら搬送するローラは、サクションローラと呼ばれる。
サクションローラを用いる理由の一例は、対象物が非常に薄くてデリケートなため慎重な取り扱いが必要であるということによる。ピンチローラのような機械的に圧接して送る機構では、力の加減が難しく、対象物が破損し易くなってしまうことがある。このような場合、サクションローラがしばしば用いられる。サクションローラを用いると、エア吸引の圧力を微妙に調整することで吸着力を調整することが可能であり、デリケートな対象物であっても破損することなく送ることができる。
サクションローラは、対象物が吸着されるローラ本体の表面に多数の孔(以下、吸引孔)が形成された構造を有している。サクションローラは、ローラ本体の内部側から吸引孔を通してエア吸引し、対象物を吸着するようになっている。
特開2007−320747号公報
上述した従来のサクションローラにおいて、特にデリケートな対象物については、問題が生じてきている。この点について、以下に説明する。
従来のサクションローラでは、ローラ本体はアルミやステンレス等の金属製であり、上述した多数の吸引孔を切削のような機械加工によって形成したものとなっている。このため、孔を小さくするには限界があり、現状では吸引孔は直径0.3mm程度までしか小さくすることはできない。
このように小ささに限界がある吸引孔を通して吸引を行う構成では、特にデリケートな対象物の場合、対象物に吸引痕が残るといった問題が生じやすい。例えば特に薄い対象物に対して大きな吸引孔から吸引を行うと、対象物が吸引孔に対して引っ張られる領域や引っ張り量が相対的に大きいため、どうしても吸引痕が残り易い。
吸引痕が残ることは、サクションローラの使用目的によっては大きな問題となることがある。例えば印刷機に用いられている場合、印刷された製品に吸引痕が残ることになり、品質上の問題となる。特に最近では、電子機器製造における電子回路の印刷のように、精密な製品の製造に印刷技術が多用されており、このような場合、吸引痕が残ることは不良品の原因に直結し易くなっている。
本願の発明は、このような点を考慮して為されたものであり、特にデリケートな対象物を送る場合にも対象物の破損のみならず吸引痕のような不具合も発生しないようにする技術的意義を有するものである。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、薄い対象物を吸着して送るサクションローラユニットであって、
対象物が吸着されるローラ本体と、
ローラ本体の内側空間と連通して設けられた中空体と、
中空体を介してローラ本体の内側空間を吸引するためのポートである吸引ポートとを備えており、
吸引ポートは、対象物をローラ本体に吸着させるべき角度範囲において吸引が行われる位置に設けられており、
ローラ本体は、材料を焼結して得られる多孔構造を有する多孔体で形成されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記多孔体は、セラミックス製であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記多孔体は、ローラ本体の全周に亘って吸着作用が生ずるよう実質的に全周に亘って設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3の構成において、前記多孔体は複数設けられていて、前記ローラ本体の周方向に沿って並べられており、各多孔体の間には多孔体の側面からの空気漏れを防ぐための隔壁体が挟み込まれているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、薄い対象物を印刷する印刷機であって、
対象物を吸着しながら印刷位置に送るサクションローラユニットを備えており、
サクションローラユニットは、
対象物が吸着されるローラ本体と、
ローラ本体の内側空間と連通して設けられた中空体と、
中空体を介してローラ本体の内側空間を吸引するためのポートである吸引ポートとを備えており、
吸引ポートは、対象物をローラ本体に吸着させるべき角度範囲において吸引が行われる位置に設けられており、
ローラ本体は、材料を焼結して得られる多孔構造を有する多孔体で形成されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項5の構成において、前記多孔体は、セラミックス製であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項5又は6の構成において、前記多孔体は、ローラ本体の全周に亘って吸着作用が生ずるよう実質的に全周に亘って設けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項5乃至7いずれかの構成において、前記多孔体は複数設けられていて、前記ローラ本体の周方向に沿って並べられており、各多孔体の間には多孔体の側面からの空気漏れを防ぐための隔壁体が挟み込まれているという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1又は6記載の発明によれば、対象物が吸着される表面を有する部材が、材料を焼結して得られる多孔構造を有する多孔体で形成されているので、対象物が特にデリケートなものであっても、吸引痕のような損傷を対象物に与えることがない。
また、請求項4又は8記載の発明によれば、上記効果に加え、吸引力が周方向に作用するのが隔壁体によって規制されるので、対象物の吸着の効率が低下する問題が無いという効果が得られる。
本願発明の実施形態に係るサクションローラユニットの斜視概略図である。 図1に示すローラ本体の斜視分解概略図である。 図1に示すサクションローラユニットの断面概略図である。 実施形態に係る印刷機の概略構成を示した図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態に係るサクションローラユニットの斜視概略図である。図1に示すように、実施形態のサクションローラユニットは、ローラ本体1と、中空体2と、吸引ポート3とを備えている。ローラ本体1は、対象物Wが吸着される表面を有する部材である。中空体2は、ローラ本体1の内側空間と連通して設けられている。吸引ポート3は、中空体2を介してローラ本体1の内側空間を吸引するためのものである。
図1及び図2を参照して、ローラ本体1の構造について詳しく説明する。図2は、図1に示すローラ本体1の斜視分解概略図である。図1及び図2に示すように、ローラ本体1は、ベース11と、多孔体12と、隔壁体13とを備えている。
ベース11は、アルミ又はステンレスなどの金属で形成されている。ベース11を鋳造によって製作する場合もある。ベース11は、全体としてはほぼ円筒形の部材であり、図2に示すように、内面は円筒状、外面は正多角形の筒状である。以下、正多角形状の外面を成す各平坦面14を、セグメント面と呼ぶ。ベース11の各セグメント面14には、凹部15が形成されている。凹部15は、各セグメント面14が延びる方向(ベース11の軸方向)に長いものである。以下、この凹部15を吸引用凹部と呼ぶ。
一方、ベース11の一方の側の端部には、連通孔16が形成されている。連通孔16は、図2に示すように、外面との縁に沿って設けられており、各セグメント面14の縁を臨む位置に一つずつ設けられている。各連通孔16は、各吸引用凹部15にそれぞれ連通している。
そして、図2に示すように、多孔体12は、各セグメント面14に対して1つずつ設けられている。多孔体12は、各セグメント面14に対して固定されており、各吸引用凹部15を塞いだ状態となっている。
図2に示すように、各多孔体12は、細長い板状である。各多孔体12の一方の側の面121は平坦面であるが、その反対側の面122は断面円弧状の面(以下、単に円弧面と呼ぶ)となっている。平坦面121は、円弧面122に比べて若干幅が狭く、各多孔体12は、ほぼ台形状の断面形状を有している。説明の都合上、各多孔体12の長さ方向に沿った端面123を長端面と呼び、幅方向に沿った端面124を短端面と呼ぶ。各多孔体12は、平坦面121を各セグメント面14に接合させて固定されている。各多孔体12の円弧面は、同一の曲率半径のものとなっており、図2に示すように、ベース11に固定された際には、ベース11と同軸の円筒面を成すものとなっている。
隔壁体13は、各多孔体12の間に一つずつ設けられている。隔壁体13も、細長い板状の部材であり、各多孔体12と同じ長さを有する。各隔壁体13は、各多孔体12の厚さと同じ幅を有しており、その幅を多孔体12の厚さ方向にして配置されている。図2から解るように、各隔壁体13は、各多孔体12の長端面123の間に挟み込まれ、各長端面123に接触した状態で設けられている。尚、各隔壁体13は、アルミ又はステンレス等の金属で形成されている。
各多孔体12は、ベース11の各セグメント面14に接着剤で接着されている。各隔壁体13も、各多孔体12の長端面123に接着剤で接着されている。
尚、各多孔体12の両側の短端面124には、不図示の塞ぎ板が設けられている。塞ぎ板は、両短端面124を気密に塞ぎ、エア漏れを防ぐものである。
上記説明で、一方が平坦面121で他方が円弧面122である多孔体12を使用すると説明したが、両側の面が平坦面である多孔体12を隔壁体3を挟みながらベース11上に並べて固定した後、研削加工によって表面を円弧面にしていく場合もある。
次に、図1及び図3を使用して中空体2及び吸引ポート3について説明する。図3は、図1に示すサクションローラユニットの断面概略図である。
中空体2は、ベース11と外径がほぼ同じ円環状の部材である。中空体2は、ベース11側の端面から掘り下げるようにして形成された凹部21を五つほど有しており、各凹部21の開口22を、以下、吸引用開口と呼ぶ。そして、各凹部21内の空間に連通するようにしてそれぞれ吸引ポート3が設けられている。各吸引ポート3は、不図示の配管によって不図示の吸引ポンプが接続されている。尚、五つの凹部は、中空体2において同心円周上に設けられているとともに、図1に示すように、100〜130度程度の角度範囲において均等間隔に設けられている。
また、中空体2の中心を通して挿通させるようにしてシャフト4が設けられている。シャフト4の一端には、モータ5が連結されている。シャフト4の他端は、図3に示すような構造によりベース11に連結されている。
図3に示すように、ベース11は中空体2側の内面端部に、連結用突起111を有している。一方、シャフト4には、台座41,42が設けられている。台座41,42は、先端側に一つ、中空体2に近い位置に一つ設けられている。以下、説明の都合上、先端側のものを先端側台座41とし、他方を手前側台座42とする。各台座41,42は、シャフト4の長さ方向に対して垂直に突出するよう設けられている。また、先端側台座41とベース11とを連結する先端連結具6が設けられている。
シャフト4に対してローラ本体1を連結する場合、シャフト4をベース11に挿通した後、手前側台座42と連結用突起111が係合するようにし、両者をネジ止めして固定する。また、先端側台座41とベース11の先端縁との間に、図3に示すように先端連結部6を嵌め込む。そして、先端連結具6と先端側台座41とをネジ止めするとともに、ベース11と先端連結具6とをネジ止めする。これにより、シャフト4に対してローラ本体1が固定され、ローラ本体1がシャフト4の軸支された状態となる。尚、シャフト4は、ベース11の中心軸上に位置してローラ本体1を軸支ようになっており、シャフト4が回転するとローラ本体1も中心軸の周りに回転する。
尚、図1の(1)は分解図であり、ローラ本体1を中空体2から離した状態が描かれている。実際に使用する場合には、図3に示すように、ベース11にシャフト4を挿通し、上述したようにシャフト4にローラ本体1を固定する。この際、固定されたローラ本体1のベース11と、中空体2とは、所定の非常に小さい間隔で接近した状態となる。このような状態となるよう、上述した連結用突起111や各台座41,42が設けられている。そして、シャフト4の先端を端板7で軸支させ、後端にモータ5を連結する。端板7内には、ベアリング71が設けられる。モータ5とシャフト4との間には、減速器が必要に応じて設けられる。
次に、多孔体12の材質や構造について、さらに詳しく説明する。
本実施形態では、多孔体12は、焼結セラミックス(焼結により形成されたセラミックス)から成るものとなっている。具体的には、炭化珪素(SiC)又は炭化チタン(TiC)等から成る焼結体となっている。
このような焼結セラミックスは、大きさが10〜50μm程度の孔が多く形成された多孔構造を有する。本実施形態では、焼結法により平板状のものを形成し、切断や切削加工により、図2に示すような形状の多孔体12を得る。
次に、上記のような構成に係る実施形態のサクションローラユニットの動作について、以下に説明する。対象物Wは、ロールツーロール方式で搬送されるもののような帯状のものであるとする。
サクションローラユニットを使用する場合、まずローラ本体1に対象物Wをセットする。即ち、対象物Wをローラ本体1の外面(即ち、多孔体12の表面)に接触させた状態とする。この際、対象物Wの長尺方向が、ローラ本体1の軸方向に対して垂直になるようにする。この状態で、不図示の吸引ポンプを動作させる。これにより、中空体2の各凹部21内の空間が負圧空間となるため、吸引用開口22を通して吸引される。この際、中空体2とベース11とが狭い間隔で接近しているため、ベース11の連通孔16のうち吸引用開口22を臨む位置の連通孔16が負圧になり、これらの連通孔16を通してベース11の吸引用凹部15内が吸引される。この結果、吸引用凹部15内が負圧空間となり、多孔体12を通して周囲の空気が吸引され、この吸引により、対象物Wが多孔体12に吸着される。この際、各多孔体12は、両側の長端面123においては各隔壁体13によって塞がれており、両側の短端面124においては不図示の塞ぎ板で塞がれている。このため、エア漏れが生じることなく、吸引用凹部15内の負圧により効率良く対象物Wが多孔体12に吸着される。
この状態でモータ5を動作させ、シャフト4を回転させてローラ本体1を回転させる。対象物Wは多孔体12に吸着されているので、ローラ本体1の回転に伴い、回転の向きに送られる。この際、ベース11も回転するので、中空体2の吸引用開口22を臨む位置に位置していた連通孔16は順次遠ざかり、次の連通孔16が吸引用開口22を臨む位置に順次位置することになる。吸引用開口22から遠ざかった連通孔16に連通した吸引用凹部15では吸引力が無くなり、新たに吸引用開口22を臨む位置に位置した連通孔16に連通した吸引用凹部15では新たに吸引力が生じる。このため、対象物Wは、その長尺方向に直線的に送られることになる。吸引力が生じて対象物Wが吸着される角度領域(吸着領域)は、中空体2の吸引用開口22が存在している角度領域に相当しており、本実施形態では、100〜140度程度である。対象物Wは、この角度領域においてローラ本体1に吸着されながら送られることになる。
このような構成及び動作に係る本実施形態のサクションローラユニットにおいて、対象物Wが吸着される表面を有する部材が、焼結セラミックスから成る多孔体12で形成されているので、非常に小さな孔から成る多孔構造を有したものを使用することができる。このため、従来のように機械加工によって孔を形成したサクションローラと比較すると、吸引痕のような損傷を対象物Wに与えることなく対象物Wを送ることができる。従って、電子機器等の製造の際に行われる搬送のように対象物Wが非常にデリケートな場合に特に好適なサクションローラユニットが提供される。
上記実施形態において、多孔体12の材料として焼結セラミックスが採用されたが、セラミックス以外でも焼結された材料であれば、非常に小さな孔から成る多孔構造を有するものを得ることができ、多孔体12の材料として採用し得る。例えば、金属の場合には、ステンレス合金の焼結体や銅合金の焼結体が使用でき、樹脂の場合には、ポリプロピレン等の焼結体が使用できる。
尚、ローラ本体1は、上記のように回転しながら周方向の各領域で順次対象物Wを吸着していくので、実質的に全周(周方向の領域の全部の箇所)に亘って多孔体12で形成されていることが望ましい。つまり、実質的に全周において、材料を焼結して得られる多孔構造を通してエア吸引することで吸着される構成であることが望ましい。「実質的に」とは、そのような多孔構造を通した吸着が全周において順次行われるという意味であり、例えば上記のように隔壁体13が存在したとしても、多孔構造を通した吸着が全周において行われる限り、多孔体が全周に亘って設けられていると言い得る。
上記実施形態の構成において、多数の多孔体12を用いたが、多孔体を一つだけ用いてローラ本体を形成することもあり得る。例えば、円筒状のベースに対して円筒状の多孔体を同軸上に配置した構造が採用されることもあり得る。但し、この構造であると、多孔構造が周方向に連続してしまうので、前述した実施形態と比べると、吸引の効率があまり良くないという問題がある。即ち、吸引ポンプを動作させた際、多孔体の外側の空気が吸引されるが、この際の吸引力は多孔体の内部において周方向にも生じてしまうので、対象物を効率良く吸着することができない。また、多孔体の内部で周方向に吸引力が作用すると、ローラ本体が回転して連通孔16が吸引用開口22から離れた位置に達しても、その連通孔16に連通した吸引用凹部15付近において吸引力が残存した状態となる。つまり、ローラ本体1からの対象物Wの離れが不十分となったり不安定となったりする。このため、安定して対象物Wを送ることができなくなる恐れがある。一方、上述した実施形態のように、多数の多孔体12を用いて各多孔体12を隔絶した構造とすると、吸引力が周方向に作用するのを規制することができるので、上記のような問題はない。
また、隔壁体13を使用することは、補強の意味もある。多孔体はどうしても機械強度の面では弱い素材であるので、ローラ全体を多孔体だけで形成すると強度が弱くなってしまう欠点がある。この点、上記のように、隔壁体13を介在させながら多孔体13を並べた構造にすると、ローラ全体の径が大きくなったり、又はローラ全体の長さが長くなったりしても、強度上の問題は生じない。
また、上記実施形態では、ベース11を外面を平坦状のセグメント面から成るとし、多孔体12の一方の面を平坦面として両者を接合したが、これは必須の構造ではない。ベース11の外面が円筒面状で、多孔体12の一方の面がこの外面に適合した曲率の断面円弧状の面であっても良い。但し、上記のように、多孔体12は、板状の素材を加工して所望の形状を得るので、一方の面が平坦面である方が加工の工数は少なくて済み、コストが安価となる。
尚、上記実施形態では、中空体2はローラ本体1の側方に位置していたが、ローラ本体の内部に位置した中空体を用いることもある。この場合、ローラ本体の中心軸に向けて延びるようにしてベースを貫通した連通孔を設け、各多孔体と中空体の吸引用凹部とを連通させるようにする。また、多孔体に対して中空体の吸引用開口を接近した位置とし、吸引用開口から直接多孔体を吸引する場合もあり、この場合にはベースと呼べる部材が用いられないこともある。中空体は、ローラ本体の軸方向に長いものとされ、端部がローラ本体からはみ出た状態となり、そのはみ出た部分に吸引ポートが設けられる。この場合も、ローラ本体は回転するが中空体は回転しないので、ローラ本体と中空体との間は狭い隙間とされ、中空体の吸引用開口からの吸引力が連通孔を介して対象物Wに作用するようにする。
次に、印刷機の発明の実施形態について説明する。
図4は、実施形態に係る印刷機の概略構成を示した図である。図4に示す印刷機は、一例としてスクリーン印刷機となっているが、本願発明はこれに限られるものではない。
図4に示す印刷機は、印刷ユニット81と、対象物Wを搬送する搬送系とを備えている。搬送系は、ロールツーロールの搬送を行う構成となっており、送り出しローラ82と、巻き取りローラ83と、サクションローラユニット84と、テンションローラ85等から構成されている。対象物Wは、前述したのと同様、帯状である。
印刷ユニット81は、このような対象物Wの長さ方向の所定位置で版を転写して印刷を行うものとなっている。印刷ユニット81の詳細は図示されていないが、スクリーン版、スクリーン版にインキを盛って伸ばすスクレッパー、インキを対象物Wに押し付けるスキージ等から構成されている。
送り出しローラ82には、上記のような対象物Wが巻かれて装着されている。送り出しローラ82には、不図示の送り出し用駆動源が設けられている。送り出し用駆動源は、サクションローラユニット84による対象物Wの搬送に合わせて対象物Wを送り出すよう送り出しローラ82を回転駆動するものである。
サクションローラユニット84は、印刷位置に対象物Wを搬送する主要な駆動機構であり、前述した実施形態のサクションローラユニット84が使用されている。このサクションローラユニット84は、印刷位置における印刷のタイミングに合わせて間欠的に対象物Wを搬送するようになっている。即ち、不図示の吸引ポンプは常時動作するが、モータ5は、印刷ユニット81における印刷のタイミングに合わせて間欠的に動作するようになっている。
印刷機は、不図示の制御ユニットを有している。対象物Wの所定の領域に対する印刷が印刷ユニット81により行われると、制御ユニットはサクションローラユニット84のモータ5に搬送指令を送り、ローラ本体1を所定の角度だけ回転させる。これにより、対象物Wが所定距離送られ、対象物Wの次の印刷領域が印刷位置に達するようになっている。
一方、印刷後の対象物Wを巻き取る巻き取りローラ83は、送り出しローラ82とほぼ同様の構成であるが、巻き取り用駆動源(不図示)が設けられいる。巻き取り用駆動源は、印刷ユニット81による印刷のタイミングに合わせて駆動され、印刷後の対象物Wを巻き取り用ローラに巻き取るようになっている。
テンションローラ85は、サクションローラユニット84に送られる対象物Wに対して適切なテンションを与えるためのものである。テンションローラ85には、不図示のテンション用駆動源が付設されている。テンション用駆動源は、図4にTで示す方向にテンションローラ85を適宜の力で引っ張り、対象物Wに対してテンションを与えるようになっている。テンション用駆動源としては、テンションローラ85をTの方向に一定の力で引っ張るスプリングが採用でき、−Tの方向にテンションローラ85を引っ張るトルクモータ等を設けてテンションを制御できるようにしておくと好適である。
このような実施形態の印刷機において、サクションローラユニット84のローラ本体1が焼結材料から成る多孔体12で形成されているので、前述したように、デリケートな対象物Wであっても吸引痕のような損傷を生じることなく搬送が行える。このため、電子機器製造のための印刷のように精密な印刷が必要な場合、特に好適なものとなっている。
また、上記実施形態では、印刷ユニット81はスクリーン印刷を行う構成であったが、グラビア印刷等、他の方式の印刷を行う構成であっても良い。さらに、実施形態のサクションローラユニット84が使用されるものとしては、印刷機の他、露光装置や蒸着装置等が考えられる。
以上説明した通り、本願発明は、特にデリケートな対象物Wについても吸引痕等の損傷を生じさせずに送ることができるため、印刷機を始めとして各種の用途に利用できる。
1 ローラ本体
11 ベース
12 多孔体
13 隔壁体
15 吸引用凹部
16 連通孔
2 中空体
22 吸引用開口
3 吸引ポート
4 シャフト
5 モータ

Claims (8)

  1. 薄い対象物を吸着して送るサクションローラユニットであって、
    対象物が吸着されるローラ本体と、
    ローラ本体の内側空間と連通して設けられた中空体と、
    中空体を介してローラ本体の内側空間を吸引するためのポートである吸引ポートとを備えており、
    吸引ポートは、対象物をローラ本体に吸着させるべき角度範囲において吸引が行われる位置に設けられており、
    ローラ本体は、材料を焼結して得られる多孔構造を有する多孔体で形成されていることを特徴とするサクションローラユニット。
  2. 前記多孔体は、セラミックス製であることを特徴とする請求項1記載のサクションローラユニット。
  3. 前記多孔体は、ローラ本体の全周に亘って吸着作用が生ずるよう実質的に全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のサクションローラユニット。
  4. 前記多孔体は複数設けられていて、前記ローラ本体の周方向に沿って並べられており、各多孔体の間には多孔体の側面からの空気漏れを防ぐための隔壁体が挟み込まれていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のサクションローラユニット。
  5. 薄い対象物を印刷する印刷機であって、
    対象物を吸着しながら印刷位置に送るサクションローラユニットを備えており、
    サクションローラユニットは、
    対象物が吸着されるローラ本体と、
    ローラ本体の内側空間と連通して設けられた中空体と、
    中空体を介してローラ本体の内側空間を吸引するためのポートである吸引ポートとを備えており、
    吸引ポートは、対象物をローラ本体に吸着させるべき角度範囲において吸引が行われる位置に設けられており、
    ローラ本体は、材料を焼結して得られる多孔構造を有する多孔体で形成されていることを特徴とする印刷機。
  6. 前記多孔体は、セラミックス製であることを特徴とする請求項5記載の印刷機。
  7. 前記多孔体は、ローラ本体の全周に亘って吸着作用が生ずるよう実質的に全周に亘って設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載の印刷機。
  8. 前記多孔体は複数設けられていて、前記ローラ本体の周方向に沿って並べられており、各多孔体の間には多孔体の側面からの空気漏れを防ぐための隔壁体が挟み込まれていることを特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載の印刷機。
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