JP2000016609A - 給紙装置 - Google Patents

給紙装置

Info

Publication number
JP2000016609A
JP2000016609A JP10189019A JP18901998A JP2000016609A JP 2000016609 A JP2000016609 A JP 2000016609A JP 10189019 A JP10189019 A JP 10189019A JP 18901998 A JP18901998 A JP 18901998A JP 2000016609 A JP2000016609 A JP 2000016609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
paper
hopping
hopping roller
support shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10189019A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Ono
尚生 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Data Corp filed Critical Oki Data Corp
Priority to JP10189019A priority Critical patent/JP2000016609A/ja
Publication of JP2000016609A publication Critical patent/JP2000016609A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷用紙繰り出し中に給送不良を起こしにく
い給紙装置を提供する。 【解決手段】 用紙カセット3内の印刷用紙4から所定
距離だけ離れて配置された支軸2には、支軸2により回
転駆動され用紙表面に接触して用紙を所定距離だけ繰り
出す小ローラ14と、支軸2に対して同軸に回動可能に
軸支され、外周面が用紙表面に接触する大きさの円筒で
あって、その一部が支軸2と平行な面で切り欠かれた大
ローラ16とから構成されたホッピングローラ10を備
えている。支軸2が所定角度だけ回転した後に大ローラ
16を支軸2と同軸に回動させ、支軸2が停止した後も
所定角度だけ大ローラ16を回動させるように、大ロー
ラ16は支軸2に連結されている。小ローラ14は、大
ローラ16に先立って切り欠き部を補完する距離だけ用
紙を繰り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単票の用紙等を
プリンタや複写装置などに給送する給紙装置に係り、特
に用紙カセットに積載された用紙を回転するホッピング
ローラの外周面に接触させて一枚ずつ用紙を繰り出すよ
うにした給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の給紙装置には図6に示す
ような構造のものがあった。
【0003】図6において、円筒形状のホッピングロー
ラ1は、支軸2によって用紙カセット3の上方に所定距
離だけ離れて配置され、その外周面の一部に切り欠き部
1aが形成されている。支軸2は、図示しない装置フレ
ームに回動自在に軸支され、ここには図示しない駆動ギ
アを介して所定のタイミングで回転制御されるものであ
って、この支軸2に固着されたホッピングローラ1が一
体に回転される。4は用紙カセット3に積載された印刷
用紙、5は印刷用紙4をプリンタや複写装置などに一枚
ずつ給送する用紙搬送ローラである。6は一枚の印刷用
紙4が繰り出されたことを検知する用紙検出センサであ
って、搬送路7内で用紙搬送ローラ5の手前に配設され
ている。この用紙検出センサ6により印刷用紙4の通過
のタイミングを検知することで、ホッピングローラ1及
び用紙搬送ローラ5の送り駆動を制御するようにしてい
る。
【0004】ホッピングローラ1は、図示しない位置保
持手段により、通常の状態では切り欠き部1aが印刷用
紙4と正対する位置になるように位置決めされる。この
とき、印刷用紙4の表面とホッピングローラ1の表面と
は互いに非接触の状態となっており、ホッピングローラ
1が用紙カセット3の着脱に支障をきたさない構造にな
っている。印刷用紙4を繰り出すときには、図示しない
駆動ギアからの動力が支軸2に伝達され、ホッピングロ
ーラ1を矢印E方向に回転させる。ホッピングローラ1
は、その外周面のうち切り欠いていない円筒面が用紙カ
セット3に積載された印刷用紙4の表面とが当接しなが
ら回転するので、その周長L2だけ最上部の印刷用紙を
用紙搬送ローラ5の方向に繰り出すことができる。
【0005】上記構成の給紙装置は、用紙カセット3内
の印刷用紙4の先端部から用紙搬送ローラ5までの搬送
路7の搬送距離L1が、ホッピングローラ1の外周面
(円筒部分)の周長L2よりも短く構成されている。こ
のため、ホッピングローラ1が1回転する間に印刷用紙
4を搬送路7に沿って用紙搬送ローラ5まで繰り出すこ
とができる。また、印刷用紙4の先端が用紙搬送ローラ
5に達したとき、更に印刷用紙4を繰り出して用紙搬送
ローラ5に突き当てることによって印刷用紙の挿入角度
を補正している。したがって、一般にこの種の給紙装置
では、用紙検出センサ6によって印刷用紙4の到達を検
知した後、更に所定量だけホッピングローラ1を回転さ
せることが必要である。なお、用紙カセット3から給送
された印刷用紙4は、その先端部が用紙検出センサ6を
越えて、用紙搬送ローラ5に到達すれば、その後は、用
紙搬送ローラ5により目的とするプリンタや複写装置に
繰り出すことが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の給紙装置で
は、ホッピングローラ1により印刷用紙4が正常に給紙
され用紙搬送ローラ5に送られているときには問題がな
いが、給紙動作中にホッピングローラ1と印刷用紙4と
の間で滑りが生じたときなどには、ホッピングローラ1
の外周面に切り欠き部1aが形成されていることによっ
てホッピングローラ1の1回転期間に用紙カセット3か
ら繰り出された印刷用紙4の先端が用紙搬送ローラ5ま
で達しない場合がある。
【0007】例えば、この給紙動作中の滑りの距離が、
図6に示す搬送路7の搬送距離L1とホッピングローラ
1の周長L2との差(=L2−L1)より長かった場合
には、用紙検出センサ6を印刷用紙4の先端が通過した
直後に、ホッピングローラ1の切り欠き部1aが印刷用
紙4に対向して停止するおそれがある。実際には印刷用
紙4が用紙搬送ローラ5まで給送できていない状態で用
紙搬送ローラ5を回転させても、それより先に印刷用紙
4を給送することができない。したがって、ホッピング
ローラ1を更に回転させて、印刷用紙4を繰り出す必要
があるけれども、このような構造のホッピングローラ1
を用いている従来の給紙装置では、印刷用紙4の先端が
用紙搬送ローラ5に達したとみなした後にもう1回転さ
せると、用紙搬送ローラ5が空転したり、2枚の印刷用
紙を同時に繰り出すといった用紙走行エラーなどの給送
不良状態になるという問題があった。
【0008】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたもので、その目的は、印刷用紙繰り出し
中に給送不良を起こしにくい給紙装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る給紙装置
は、用紙カセットに積載された用紙を回転するホッピン
グローラの外周面に接触させて一枚ずつ用紙を繰り出す
ようにした給紙装置において、用紙カセット内の用紙表
面から所定距離だけ離れて用紙の繰り出し方向と直交し
て配置された回転軸と、回転軸により回転駆動され用紙
表面に接触して用紙を所定距離だけ繰り出す第1のホッ
ピングローラと、回転軸に対して同軸に回動可能に軸支
され、外周面がカセット内の用紙表面に接触する大きさ
の円筒であって、その一部が回転軸と平行な面で切り欠
かれた第2のホッピングローラと、回転軸が所定角度だ
け回転した後に第2のホッピングローラを回転軸と同軸
に回動させ、回転軸が停止した後も所定角度だけ第2の
ホッピングローラを回動させるように第2のホッピング
ローラを回転軸に連結する連結手段とを備え、第1のホ
ッピングローラが第2のホッピングローラに先立って、
その切り欠き部を補完する距離だけ用紙を繰り出すよう
にしたものである。
【0010】また、第1のホッピングローラと第2のホ
ッピングローラにそれぞれ切り欠き部が形成され、第1
のホッピングローラは、第2のホッピングローラより小
さな直径の円筒であって、第1、第2のホッピングロー
ラの切り欠き部が同一回転角度位置になる第一の位置
と、これらの切り欠き部が互いに異なる回転角度位置に
なる第二の位置との間でこれらのホッピングローラの相
対的位置変化を規制する位置規制手段を備えたものであ
る。
【0011】また、第1のホッピングローラは、回転軸
の略中央に所定の間隔をもって離間して固着された第2
のホッピングローラを挟んで並列配置されたものであ
る。
【0012】さらに、第2のホッピングローラは中空部
分を有する円筒形状であって、第1のホッピングローラ
をその中空部分に内包するように回転軸に軸支されてい
るものである。
【0013】この発明に係る給紙装置は、第2のホッピ
ングローラは中空部分を有する円筒形状であり、第1の
ホッピングローラは第2のホッピングローラの切り欠き
部を補完する円弧形状をなすものであって、この切り欠
き部に回動可能に軸支されるとともに、第2のホッピン
グローラの内部に引き込むための弾性部材によって第2
のホッピングローラと連結されており、回転軸には第2
のホッピングローラの中空部分で第1のホッピングロー
ラに接触するように回動するカム部材を備え、回転軸が
所定角度だけ回転したとき、カム部材によって第1のホ
ッピングローラを第2のホッピングローラの切り欠き部
の補完位置まで押し出して用紙を所定距離だけ繰り出す
とともに、回転軸が停止した後も弾性部材により所定角
度だけ第2のホッピングローラを回動させるようにして
もよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
この発明をプリンタに適用した場合の実施の形態につい
て説明する。
【0015】実施の形態1.図1は、この発明の第1の
実施の形態である給紙装置の構成を示す側面図、図2
(a)は、第1の実施の形態に使用されるホッピングロ
ーラ及び周辺部分の構成を示す斜視図、図2(b)は、
ホッピングローラの構成を示す分解斜視図である。
【0016】図1、図2において、10は円筒形状のホ
ッピングローラ、2は支軸、3は用紙カセット、4は用
紙カセット3に積載された印刷用紙、5は用紙搬送ロー
ラ、6は用紙検出センサ、7は用紙搬送路である。ホッ
ピングローラ10は、支軸2により一体に回転駆動され
る2つの第1のホッピングローラ12,14と、これら
第1のホッピングローラ12,14によって挟まれて支
軸2に並列配置された第2のホッピングローラ16から
構成されている。第1のホッピングローラ12,14
(以下、小ローラ12,14という。)は、第2のホッ
ピングローラ16(以下、大ローラ16という。)より
小さな直径の円筒をなすものであり、また、大ローラ1
6は後に詳述するカムホイール28やカムフォロワ32
を備えている。これらの小ローラ12,14、及び大ロ
ーラ16以外の構成部分は、いずれも従来装置と同様で
ある。
【0017】用紙カセット3は、矢印A方向にスライド
して図示しないプリンタの筐体フレームに着脱可能に構
成されるもので、その内部の所定位置に印刷用紙4が複
数枚重ねて積載される。そこに積載されている印刷用紙
4は、下部に装填されたコイルばね8などの付勢手段に
よって上方へ押圧されているが、図示しない規制部材な
どにより、印刷用紙4の最上面の高さが常に一定になる
ように規制される。一方、ホッピングローラ10の支軸
2は、図示しないプリンタの筐体フレームに、用紙カセ
ット3内の用紙表面から所定距離だけ離れて用紙の繰り
出し方向と直交するように、回動可能に軸支されてい
る。この支軸2は、各ローラの切り欠き部12a,14
a,16aが図2(a)に示すように印刷用紙4の表面
と対向しているときには、用紙表面には当接せず、円筒
外周面12b,14b,16bが対向すると印刷用紙4
の表面に当接して回転する。
【0018】2個の小ローラ12,14は、支軸2の略
中央に所定の間隔をもって離間して固着され、これら2
個の小ローラ12,14の間に所定の幅で大ローラ16
が配置されている。大ローラ16は、小ローラ12,1
4と同軸上に、且つ支軸2に対して回動自在に軸支さ
れ、いずれも円筒外周面の一部(本実施の形態では外周
の約3分の1)が切り欠かれた形状となっている。これ
ら小ローラ12,14、大ローラ16の円筒外周面12
b,14b,16bは、印刷用紙4との間に滑りを生じ
させずに給送するために、ウレタンゴムなどの高摩擦係
数を有する材料で形成された摩擦部材で被覆されてい
る。
【0019】支軸2の小ローラ12と大ローラ16との
隙間には、大ローラ16を矢印B方向に付勢する付勢手
段としてトーションスプリング18が支軸2に巻回され
ている。また、小ローラ12の大ローラ16側の側面に
は、軸方向を向く規制突起20が植設され、この規制突
起20と嵌合するように、大ローラ16の側面には半円
形の規制溝22が形成されている。トーションスプリン
グ18は、その一端が規制突起20に係止され、他端が
規制溝22に係止されている。したがって、支軸2が回
転しない状態では、小ローラ12,14の切り欠き部1
2a,14aと大ローラ16の切り欠き部16aとが軸
方向から見て一致するように、トーションスプリング1
8は大ローラ16を弱い力で矢印B方向に付勢してい
る。
【0020】このようにトーションスプリング18は、
大ローラ16を支軸2に連結する連結手段を構成するも
のであり、また規制突起20と規制溝22とは、小ロー
ラ12と大ローラ16をトーションスプリング18によ
り付勢して切り欠き部12a,14a,16aが一致す
る第一の位置と、トーションスプリング18による付勢
に抗して小ローラ12,14を約180度回転させたと
き、双方のローラの切り欠き部12a,14aと16a
とが完全に反対方向に保持される第二の位置とにそれぞ
れ位置決めし、且つそれぞれ小ローラ12と大ローラ1
6の相対位置がそれ以上ずれないように規制するための
位置規制手段として機能するものである。
【0021】支軸2の少なくとも一端部2aは印刷用紙
4の外側まで延長して形成されており、そこには、駆動
力伝達/遮断手段である電磁クラッチ24が装着されて
いる。この電磁クラッチ24は、図示しない制御装置に
よってコントロールされる電力が印加されるものであっ
て、さらに図示しない動力源により駆動される駆動ギヤ
26とそれに係合するクラッチギヤ24aの駆動力が、
電磁クラッチ24へ電力が印加されたときにのみクラッ
チギヤ24aの回転力として支軸2に伝達される。ま
た、大ローラ16のトーションスプリング18が配設さ
れた側面とは反対側の側面部には、カムホイール28が
同軸上に固着されている。このカムホイール28には、
支軸2に対して大ローラ16の切り欠き部16aとは反
対側に凹みを有するカムプロフィル部28aが形成され
ている。
【0022】32は、図示しないプリンタの筐体フレー
ムに揺動可能に支持され、その揺動する端部に回動自在
に軸支されたローラ30を備えたカムフォロワである。
このカムフォロワ32は、ローラ30がカムホイール2
8のカムプロフィル部28aに確実に当接するように、
図示しないプリンタのフレームに支持されたコイルばね
34によって押圧されている。したがって、大ローラ1
6の切り欠き部16aが印刷用紙4の表面と対向する位
置付近にあるとき、このカムホイール28のプロフィル
部28aの凹みにローラ30が当接することよって、大
ローラ16は切り欠き部16aが用紙カセット3に積載
された印刷用紙4と正対する位置にディテントされる。
カムホイール28及びカムフォロワ32による保持作用
は、電磁クラッチ24を介して支軸2に伝達される駆動
力によって容易に解除できる程度であり、またトーショ
ンスプリング18の張力によっては解除できない程度の
ものとする。また、トーションスプリング18の張力
は、用紙カセット3から一枚の印刷用紙4が繰り出され
るときに、その下の印刷用紙4等との間で生じる摩擦力
より小さいものとする。
【0023】用紙搬送ローラ5は、図示しない駆動源に
よって回転駆動される駆動ローラ5aと、駆動ローラ5
aに図示しない付勢手段によって押圧される従動ローラ
5bとによって構成される。また、ホッピングローラ1
0と用紙搬送ローラ5の間の、用紙搬送ローラ5に近い
用紙搬送路7上には、印刷用紙4の先端が通過したこと
を検出する用紙検出センサ6が設けられている。この用
紙検出センサ6が印刷用紙4の先端を検出したときを基
準にして、さらに所定の角度だけホッピングローラ10
を回転させることで、用紙搬送ローラ5の2つのローラ
5a,5bの接点位置に印刷用紙4の先端が到達し、そ
こに印刷用紙4の先端が押しつけられて用紙曲がりが修
正される。その時点で、ホッピングローラ10の駆動が
停止され、用紙搬送ローラ5の駆動が開始されると、印
刷用紙4が一定速度でプリンタの図示しない印刷部に搬
送するように構成されている。なお、これら各ローラ
5、10等の駆動は図示しない制御手段によりタイミン
グ制御されるものである。
【0024】次に、上記給紙装置の動作について説明す
る。
【0025】プリンタが印刷動作を開始する前の状態で
は、電磁クラッチ24には電力が供給されておらず、カ
ムホイール28とカムフォロワ32による保持作用によ
り、大ローラ16はその外周の切り欠き部16aが用紙
カセット3に積載された印刷用紙4と正対する位置で保
持されている。このとき、小ローラ12,14及び支軸
2は、トーションスプリング18以外の部材からの力を
受けていないため、トーションスプリング18の作用に
より小ローラ12,14の切り欠き部12a,14aと
大ローラ16の切り欠き部16aとが軸方向から見て一
致する第一の位置に保持されている。すなわち、小ロー
ラ12,14の外周の切り欠き部12a,14aもまた
用紙カセット3に積載された印刷用紙4と正対してい
る。
【0026】プリンタが印刷動作を開始すると、まず図
示しない動力源により駆動ギヤ26とそれに係合するク
ラッチギヤ24aが駆動される。さらに電磁クラッチ2
4が作用して、支軸2及び小ローラ12,14が矢印B
方向に駆動される。そして、小ローラ12,14の円筒
外周面12b,14bが用紙カセット3に積載された印
刷用紙4の表面に当接すると、最上部の印刷用紙4が一
枚だけ繰り出され、用紙搬送路7に給送される。
【0027】このとき、大ローラ16はカムホイール2
8及びカムフォロワ32の作用により保持されているた
めに、すぐには回転せず、小ローラ12,14と大ロー
ラ16とが約180度ずれた第二の位置になるまで小ロ
ーラ12,14のみが回動する。この小ローラ12,1
4によって用紙カセット3の最上部に位置する印刷用紙
4が用紙搬送路7に少しだけ繰り出される。小ローラ1
2,14が約180度回転して第二の位置になると、規
制突起20が規制溝22内の一方の端部に突き当たり、
トーションスプリング18が圧縮されるとともに規制突
起20から規制溝22に力が作用し、大ローラ16もま
た支軸2に伝達された駆動力で回転駆動される。
【0028】このように支軸2とともに小ローラ12,
14が所定角度だけ回転した後、大ローラ16も支軸2
とともに回転を始め、その結果、カムホイール28とカ
ムフォロワ32との係合状態が解除され、小ローラ1
2,14に代って大ローラ16によって印刷用紙4が給
送されることになる。ここでトーションスプリング18
の張力は、印刷用紙4と大ローラ16との摩擦力に比較
して十分小さく設定されているので、大ローラ16の回
転に影響を及ぼさない。したがって、小ローラ12,1
4は第二の位置に近い状態を維持して回転を続けるが、
印刷用紙4は外径の大きい大ローラ16だけによって給
送される。
【0029】印刷用紙4の先端部が用紙検出センサ6に
当たって検出されると、その後、支軸2を所定の角度だ
け駆動してから電磁クラッチ24に印加されている電力
が遮断され、支軸2の回転駆動は停止する。大ローラ1
6の円筒外周面16bが印刷用紙4に当接している状態
では、小ローラ12,14は印刷用紙4の表面からすで
に離間し、電磁クラッチ24により支軸2の回転駆動が
停止したときには他の力を受けなくなる。このため、大
ローラ16にトーションスプリング18の弾性力が作用
して、支軸2の回転駆動が停止した後も大ローラ16は
更に矢印B方向に回転して、小ローラ12,14の切り
欠き部12a,14aと大ローラ16の切り欠き部16
aとを軸方向から見て一致する第一の位置に復帰させ
る。
【0030】このようにして、停止している用紙搬送ロ
ーラ5の接線部に印刷用紙4の先端が押当てられて印刷
用紙4の曲がりが修正され、その状態から用紙搬送ロー
ラ5が駆動され印刷用紙4がかみ込まれて搬送される。
この時点で、搬送される印刷用紙4の表面に大ローラ1
6が当接していたとしても、大ローラ16は小ローラ1
2,14と第一の位置関係を維持した状態で、印刷用紙
4によって回転駆動される。大ローラ16の切り欠き部
16aが用紙カセット3に積載された印刷用紙4に対向
する位置に達すると、カムホイール28及びカムフォロ
ワ32による保持作用により、大ローラ16は用紙カセ
ット3に積載された印刷用紙4とその外周の切り欠き部
16aとが正対する位置で保持される。
【0031】以上詳細に説明したように、第1の実施の
形態によれば、ホッピングローラ10は外周面の一部に
切り欠き部12a,14a,16aを有する大ローラ1
6と小ローラ12,14とを使用しているけれども、印
刷用紙4の繰り出し動作に際して、小ローラ12,14
が大ローラ16の切り欠き部16aを補完する距離だけ
用紙繰り出し動作を行なって、結果として支軸2が1回
転する全角度に対応してホッピングローラ10が印刷用
紙4に当接するようになる。このため、支軸2の回転駆
動が停止して、小ローラ12,14の切り欠き部12
a,14aが用紙カセット3に積載された印刷用紙4と
対向した後も、大ローラ16によって印刷用紙4を給送
できる。しかも、用紙カセット3を着脱する際にホッピ
ングローラ10が当接していて積載された印刷用紙4に
影響を与えるといった問題や、用紙搬送ローラ5で搬送
されているあいだ中、ホッピングローラ10が印刷用紙
4に当接し続けて印刷用紙4搬送の負荷になるという問
題が解消される。
【0032】また、外周面の一部に切り欠き部が形成さ
れたホッピングローラを使用する従来の給紙装置では、
ホッピングローラの1周分で給送できる距離以内の用紙
搬送路上に用紙搬送ローラなどを配置して、そこに印刷
用紙の先端を突き当ててから搬送を開始する曲がり修正
手段を構成する必要があった。しかし、本実施の形態に
よればホッピングローラ10が印刷用紙4の繰り出し動
作をしているあいだ中、印刷用紙4の表面に当接し続け
るため、ホッピングローラ10の複数周分で印刷用紙4
を繰り出す構成とすることが可能であり、したがって用
紙搬送ローラ5を配置する位置も、ホッピングローラ1
0の径の大きさによって制約されることがない。しか
も、ホッピングローラ10の1周分で給送できる距離以
内に用紙搬送ローラ5を配置しなければならないといっ
た制約がなくなれば、印刷用紙4の繰り出し動作中にホ
ッピングローラ10と印刷用紙4との間に滑りが生じて
も、確実に印刷用紙4を用紙搬送ローラ5に到達させる
ことができる。
【0033】実施の形態2.図3(a)は、第2の実施
の形態に使用されるホッピングローラ及び周辺部分の構
成を示す斜視図、図3(b)は、ホッピングローラの構
成を示す分解斜視図である。
【0034】図3において、プリンタの用紙カセット
3、及び印刷用紙4の構成及び作用は第1の実施の形態
で説明したものと同じであり、用紙搬送ローラ、用紙検
出センサ等も、第1の実施の形態のものと同様にプリン
タの用紙搬送路に設けられている。
【0035】ホッピングローラ10は、支軸2の略中央
部に固着された円筒形状の第1のホッピングローラ(以
下、内ローラ36という。)と、この内ローラ36を外
側から包み込むような中空部分を有し、内ローラ36と
同軸位置で支軸2に対して回動自在に軸支された第2の
ホッピングローラ(以下、外ローラ38という。)とに
よって構成される。外ローラ38は、その内径が内ロー
ラ36の外径よりもわずかに大きな中空円筒をなし、そ
の側面には実施の形態1と同様のカムホイール28及び
カムフォロワ32を備えている。これら内ローラ36、
外ローラ38は共にその円筒外周面の一部(本実施の形
態では外周の約3分の1)が切り欠かれた形状であっ
て、この切り欠き部を除く内ローラ36、外ローラ38
の円筒外周面36b,38bは、印刷用紙4との間に滑
りを生じさせずに給送するために、ウレタンゴムなどの
高摩擦係数を有する材料で形成された摩擦部材で被覆さ
れている。
【0036】印刷用紙4の外側に位置する支軸2の一端
部2aには、駆動力伝達/遮断手段である電磁クラッチ
24が装着され、外ローラ38の一方の側面部には、同
軸上にカムホイール28が固着されている。このカムホ
イール28には、支軸2に対して外ローラ38の切り欠
き部38aとは反対側に凹みを有するカムプロフィル部
28aが形成され、カムフォロワ32のローラ30がカ
ムホイール28のカムプロフィル部28aに当接するよ
うに、図示しないプリンタのフレームに支持されたコイ
ルばね34によって押圧されている。
【0037】支軸2には、外ローラ38の側面であって
カムホイール28とは反対側の外側に、外ローラ38を
矢印C方向に付勢する付勢手段としてトーションスプリ
ング40が巻回されている。また、これに対応する内ロ
ーラ36の側面には軸方向を向く規制突起42が植設さ
れ、この規制突起42と嵌合するように、外ローラ38
の側面には半円形の規制溝44が形成されている。トー
ションスプリング40の一端は規制突起42に係止さ
れ、他端は規制溝44に係止され、支軸2が回転しない
状態では、内ローラ36の切り欠き部36aと外ローラ
38の切り欠き部38aとが軸方向から見て一致するよ
うに、外ローラ38を弱い力で矢印C方向に付勢してい
る。
【0038】このようにトーションスプリング40は、
外ローラ38を支軸2に連結する連結手段を構成するも
のであり、また規制突起42と規制溝44とは、内ロー
ラ36と外ローラ38を卜一ションスプリング40によ
り付勢して、切り欠き部36a、38aが一致する第一
の位置と、卜一ションスプリング40による付勢に抗し
て内ローラ36を約180度回転させたとき、双方のロ
ーラの切り欠き部36a、38aが完全に反対方向に保
持される第二の位置とにそれぞれ位置決めし、且つそれ
ぞれ内ローラ36と外ローラ38の相対位置がそれ以上
ずれないように規制する規制手段として機能する。ま
た、外ローラ38のカムホイール28とカムフォロワ3
2の構成及び作用は第1の実施の形態で説明した通りで
あって、このカムホイール28及びカムフォロワ32に
よる位置保持作用は、電磁クラッチ24を介して支軸2
に伝達される駆動力によって容易に解除できる程度であ
り、またトーションスプリング40の張力によっては解
除できない程度のものとする。さらに、トーションスプ
リング40の張力は、用紙カセット3から一枚の印刷用
紙4が繰り出されるときに、その下の印刷用紙4等との
間で生じる摩擦力より小さいものとする。
【0039】なお、印刷用紙4を搬送するための駆動源
によって回転駆動される駆動ローラと、そこに押圧され
る従動ローラとで構成される用紙搬送ローラや、用紙搬
送路上に配設され、印刷用紙4の先端が通過したことを
検出するセンサ(いずれも図示しない)の構成及び作用
についても、第1の実施の形態で説明したものと同じで
ある。
【0040】次に、上記給紙装置の動作について説明す
る。
【0041】プリンタが印刷動作を開始する前の状態で
は、カムホイール28及びカムフォロワ32による保持
作用により、外ローラ38はその外周の切り欠き部38
aが用紙カセット3に積載された印刷用紙4とは正対す
る位置で保持されている。このとき、内ローラ36及び
支軸2は、トーションスプリング40以外の部材からの
力を受けていないため、トーションスプリング40の作
用により内ローラ36の切り欠き部36aと外ローラ3
8の切り欠き部38aとが軸方向から見て一致する第一
の位置に保持されている。すなわち、内ローラ36の外
周の切り欠き部36aもまた用紙カセッ卜3に積載され
た印刷用紙4と正対している。
【0042】プリンタが印刷動作を開始すると、まず図
示しない動力源により駆動ギヤ26とそれに係合するク
ラッチギヤ24aが駆動される。さらに電磁クラッチ2
4が作用して、支軸2及び内ローラ36が矢印C方向に
駆動される。そして、内ローラ36の円筒外周面36b
が用紙カセット3に積載された印刷用紙4の表面に当接
すると、最上部の印刷用紙4が一枚だけ繰り出される。
【0043】このとき、外ローラ38はカムホイール2
8及びカムフォロワ32の作用により保持されているた
めに、すぐには回転せず、内ローラ36と外ローラ38
とが約180度ずれた第二の位置になるまで内ローラ3
6のみが回動する。このとき、内ローラ36によって用
紙カセット3の最上部に位置する印刷用紙4が少しだけ
繰り出される。内ローラ36が約180度回転して第二
の位置になると、規制突起42が規制溝44内の一方の
端部に突き当たり、トーションスプリング40が圧縮さ
れるとともに規制突起42から規制溝44に力が作用
し、外ローラ38もまた支軸2に伝達された駆動力で回
転駆動される。
【0044】支軸2とともに内ローラ36が所定角度だ
け回転した後、外ローラ38は支軸2とともに回転を始
め、その結果、カムホイール28及びカムフォロワ32
との係合状態が解除されて、内ローラ36に代って外ロ
ーラ38が印刷用紙4を給送することになる。この時、
トーションスプリング40の張力は、印刷用紙4と外ロ
ーラ38との摩擦力に比較して十分小さく設定されてい
るので、外ローラ38の回転に影響を及ぼさない。した
がって、内ローラ36は第二の位置に近い状態を維持し
て回転を続けるが、印刷用紙4は外径の大きい外ローラ
38によって給送される。
【0045】印刷用紙4の先端部が図示しない用紙検出
センサにより検出されると、その後、支軸2を所定の角
度だけ駆動してから電磁クラッチ24に印加されている
電力が遮断され、支軸2の回転駆動は停止する。外ロー
ラ38の円筒外周面38bが印刷用紙4に当接している
状態では、内ローラ36は印刷用紙4の表面からすでに
離間し、電磁クラッチ24により支軸2の回転駆動が停
止したときには他の力を受けなくなる。このため、外ロ
ーラ38にトーションスプリング40の弾性力が作用し
て、支軸2の回転駆動が停止した後も外ローラ38は更
に矢印C方向に回転して、内ローラ36の切り欠き部3
6aと外ローラ38の切り欠き部38aとが軸方向から
見て一致する第一の位置に復帰させる。
【0046】このようにして、停止している図示しない
用紙搬送ローラの接線部に印刷用紙4の先端が押当てら
れて印刷用紙4の曲がりが修正され、その状態から図示
しない用紙搬送ローラが駆動され印刷用紙4がかみ込ま
れて搬送される。この時点で、搬送される印刷用紙4の
表面に外ローラ38が当接していたとしても、外ローラ
38は内ローラ36と第一の位置を維持した状態で、印
刷用紙4によって回転駆動される。外ローラ38の切り
欠き部38aが用紙カセット3に積載された印刷用紙4
に対向する位置に達すると、カムホイール28及びカム
フォロワ32による保持作用により、外ローラ38は用
紙カセット3に積載された印刷用紙4とその外周の切り
欠き部38aとが正対する位置で保持される。
【0047】以上詳細に説明したように、第2の実施の
形態によれば、ホッピングローラ10は外周面の一部に
切り欠き部36a,38aを有する内ローラ36と外ロ
ーラ38とを使用しているけれども、印刷用紙4の繰り
出し動作に際して、内ローラ36が外ローラ38の切り
欠き部38aを補完する距離だけ用紙繰り出し動作を行
なって、結果として支軸2が1回転する全角度に対応し
てホッピングローラ10が印刷用紙4に当接するように
なる。このため、支軸2の回転駆動が停止して、内ロー
ラ36の切り欠き部36aが用紙カセット3に積載され
た印刷用紙4と対向した後も、外ローラ38によって印
刷用紙4を給送できるという第1の実施の形態と同等の
効果を有する。しかも、第1の実施の形態は2個の小ロ
ーラの間に1個の大ローラを配置していたので、印刷用
紙4に当接する位置と数が小ローラと大ローラとで異な
っていたが、第2の実施の形態の装置は、内ローラ36
と外ローラ38とが印刷用紙4のほぼ同じ位置に同じ幅
で当接する構成であるため、外ローラ38による給送動
作と内ローラ36による給送動作とで給紙動作の信頼性
に差が出にくく、切り欠き部を有さない円筒形のローラ
を使用した場合と同様に、安定した給紙動作が期待でき
る。
【0048】また、ホッピングローラ10による印刷用
紙の給送能力は、ローラの幅に応じて決まるので、第1
の実施の形態のように小ローラと大ローラを並列配置し
た場合に、従来の給紙装置と同じ給紙性能を得るために
は、印刷用紙4に当接するローラ外周面全体の幅が従来
のものの2倍必要とする。これに対して、第2の実施の
形態のホッピングローラ10は、第2のホッピングロー
ラである外ローラ38の中空部分に第1のホッピングロ
ーラである内ローラ36を内包して構成したものを支軸
2に軸支されているために、装置を大型化させずに従来
の給紙装置と同等の給紙性能を実現できる。
【0049】実施の形態3.図4(a)は、第3の実施
の形態に使用されるホッピングローラの斜視図、図4
(b)は、ホッピングローラの構成を示す分解斜視図で
ある。
【0050】図4において、支軸2を回転駆動する機構
や、プリンタの用紙カセット、及びそこに積載される印
刷用紙は図示しないが、いずれも構成及び作用は第1、
或いは第2の実施の形態のものと同じであり、用紙搬送
ローラ、用紙検出センサ等も、第1の実施の形態で説明
したものと同様にプリンタの用紙搬送路に設けられてい
る。
【0051】ホッピングローラ46は、図示しないプリ
ンタのフレームに回動可能に軸支される支軸2の略中央
部に固着された内カム48と、内カム48を内包する中
空円筒形状の第2のホッピングローラ(以下、中空ロー
ラ50という。)と、ホッピングローラ46を見かけ上
で完全な円筒外周面に構成するような円弧形状の第1の
ホッピングローラ(以下、円弧ローラ52という。)と
によって構成される。
【0052】内カム48は、中空ローラ50の筒長より
やや短い幅で支軸2に固着され、曲面をなす先端部分4
8aが中空ローラ50の円筒内周面に近接する程度の長
さを有している。中空ローラ50は、内カム48と同軸
位置で支軸2に対して回動可能に軸支されており、その
円筒外周面の一部(本実施の形態では外周の約4分の
1)を切り欠いて、支軸2に平行な切り欠き部を備えて
いる。この中空ローラ50には、その切り欠き部を補完
する円弧ローラ52が枢軸54によって回動可能に軸支
されている。すなわち、中空ローラ50の切り欠き部の
一辺50aに円弧ローラ52の一辺52aが枢軸54に
よって軸支され、中空ローラ50の円筒内周面の内側に
円弧ローラ52が引き込まれるように回動し、且つ中空
ローラ50が回転する円筒軌跡の外側までは円弧ローラ
52が回動しないように構成されている。これら中空ロ
ーラ50、円弧ローラ52の円筒外周面は、図示しない
印刷用紙との間に滑りを生じさせずに給送するために、
ウレタンゴムなどの高摩擦係数を有する材料で形成され
た摩擦部材で被覆されている。
【0053】印刷用紙の外側に位置する支軸2の一端部
には、駆動力伝達/遮断手段として第1の実施の形態等
と同様の電磁クラッチが装着され、中空ローラ50の一
方の側面部には、同軸上にカムホイール28が固着され
ている。このカムホイール28には、中空ローラ50に
対してそこに軸支された円弧ローラ52とは反対側に凹
みを有するカムプロフィル部28aが形成され、カムフ
ォロワ32のローラ30がカムホイール28のカムプロ
フィル部28aに当接するように、図示しないプリンタ
のフレームに支持されたコイルばね34によって押圧さ
れている。
【0054】また、中空ローラ50の内周面には、支軸
2を挟んで切り欠き部とほぼ対向する位置に、小孔を有
する突起部50bが形成されている。また、円弧ローラ
52の枢軸54とは反対側の遊端部内壁面にも同様の突
起部52bが形成され、これら各突起部50b,52b
の小孔には、それぞれ引っ張りばね56の各端部が係止
されている。この引っ張りばね56は円弧ローラ52を
枢軸54廻りで中空ローラ50の内側に陥入する方向に
付勢するものである。
【0055】図5(a)、(b)はそれぞれ給紙動作し
ないとき、及び給紙動作中のホッピングローラの状態を
示す側面断面図である。
【0056】円弧ローラ52には、その遊端部の内壁面
を肉厚にして第1の係止部58が形成されており、支軸
2とともに内カム48を矢印D方向に回転駆動したとき
に、内カム48の先端部分48aがこの第1の係止部5
8によって係止され、支軸2の矢印D方向への回転駆動
力が中空ローラ50に伝達されるようになっている。ま
た、中空ローラ50には、切り欠き部の一辺50aに近
接する内周面に、第2の係止部60が形成されている。
【0057】図5(a)には、給紙動作しないときのホ
ッピングローラ50の状態を示している。図示しない電
磁クラッチが開放され、支軸2及び内カム48が他の力
を受けないときには、引っ張りばね56が円弧ローラ5
2を中空ローラ50の内側に引き込む方向に作用してい
るので、円弧ローラ52が内カム48の先端部分48a
に当接して内カム48を付勢し、支軸2を矢印Dとは反
対の方向に回転させる力が働く。このとき内カム48の
先端部分48aが第2の係止部60に突き当たると、支
軸2の回転は停止する。
【0058】また、図5(b)には給紙動作中のホッピ
ングローラ50の状態を示している。本実施の形態で
は、第1の係止部58は第2の係止部60から矢印D方
向に約90度離れた円弧ローラ52の内壁面に設けられ
ている。支軸2が矢印D方向に約90度回転すると、内
カム48の先端部分48aが第1の係止部58に当接
し、同時に円弧ローラ52が引っ張りばね56の付勢に
抗して中空ローラ50の切り欠き部を補完する位置に保
持される。
【0059】中空ローラ50のカムホイール28とカム
フォロワ32の構成及び作用は第1の実施の形態で説明
した通りであるが、このカムホイール28及びカムフォ
ロワ32による位置保持作用は、図示しない電磁クラッ
チを介して支軸2に伝達される駆動力によって容易に解
除できる程度であり、また引っ張りばね56が円弧ロー
ラ52を引き込もうとする張力、即ち第1の係止部58
を介して内カム48から支軸2に働く回転力では、解除
できない程度のものとする。さらに、図示しない印刷用
紙が給送されるとき、その下の印刷用紙等との摩擦力も
引っ張りばね56の円弧ローラ52に対する張力より大
きい。
【0060】なお、印刷用紙を搬送するための駆動源に
よって回転駆動される駆動ローラと、そこに押圧される
従動ローラとで構成される用紙搬送ローラや、用紙搬送
路上に配設され、印刷用紙の先端が通過したことを検出
するセンサ(いずれも図示しない)の構成、及び作用に
ついても、既に第1の実施の形態で説明したものと同じ
である。
【0061】次に、上記給紙装置の動作について説明す
る。
【0062】プリンタが印刷動作を開始する前の状態で
は、カムホイール28及びカムフォロワ32による保持
作用により、中空ローラ50の外周の切り欠き部が図示
しない用紙カセットに積載された印刷用紙に正対する位
置で保持されている。このとき、支軸2及び内カム48
は他の力を受けないため、引っ張りばね56の作用によ
り内カム48の先端部分48aは、図5(a)に示す第
2の係止部60に突き当った位置に保持されている。す
なわち、円弧ローラ52は中空ローラ50の切り欠き部
の内側に陥入していて、図示しない印刷用紙には当接し
ていない。
【0063】プリンタが印刷動作を開始すると、図示し
ない電磁クラッチが作用して、支軸2及び内カム48が
矢印D方向に駆動される。このとき、中空ローラ50が
カムホイール28及びカムフォロワ32により保持され
た状態で、内カム48だけが約90度回転する。これに
より、内カム48の先端部分48aは引っ張りばね56
の張力に抗して第1の係止部58に突き当る位置に到達
する。このとき、円弧ローラ52の外周面が移動して、
図示しない用紙カセットに積載された印刷用紙の表面に
当接する。そして、内カム48がさらに回動することに
よって、内カム48の先端部分48aが第1の係止部5
8を押圧し、カムホイール28及びカムフォロワ32に
よる保持作用が解除されるために、内カム48の先端部
分48aが第1の係止位置を維持したまま、ホッピング
ローラ46が全体として回動を始める。これによって、
最上部の印刷用紙が一枚だけ繰り出される。
【0064】印刷用紙4の先端部が図示しない用紙検出
センサにより検出されると、その後、ホッピングローラ
46を所定の角度だけ回転させてから電磁クラッチに印
加されている電力が遮断され、支軸2の回転駆動を停止
する。電磁クラッチによる駆動が停止したときに支軸2
及び内カム48は他の力を受けなくなるため、引っ張り
ばね56の作用により内カム48の先端部分48aは第
2の係止部60まで移動して保持され、円弧ローラ52
は中空ローラ50の切り欠き部の内側に陥入する。
【0065】このようにして、停止している図示しない
用紙搬送ローラの接線部に印刷用紙4の先端が押当てら
れて印刷用紙4の曲がりが修正され、その状態から図示
しない用紙搬送ローラが駆動され印刷用紙4がかみ込ま
れて搬送される。この時点で、搬送される印刷用紙4の
表面に中空ローラ50が当接していたとしても、内カム
48の先端部分48aは第1の係止部58に当接した状
態を維持したまま、印刷用紙4によって回転駆動され
る。中空ローラ50の切り欠き部が印刷用紙に対向する
位置に達すると、カムホイール28及びカムフォロワ3
2による保持作用により、ホッピングローラ46は用紙
カセットに積載された印刷用紙と中空ローラ50の外周
の切り欠き部とが正対する位置で保持される。
【0066】以上詳細に説明したように、第3の実施の
形態によれば、外周面の一部に切り欠き部を有するホッ
ピングローラ46を使用しているけれども、印刷用紙の
繰り出し動作に際して、中空ローラ50の切り欠き部を
円弧ローラ52で補完しているので、支軸2が1回転す
る全角度に対応してホッピングローラ46が印刷用紙4
に当接するようになる。このため、支軸2の回転駆動が
用紙を繰り出す途中で印刷用紙が給送できなくなるとい
う問題を確実に解決できる。しかも、第1、或いは第2
の実施の形態では、第1のホッピングローラと、その切
り欠き部を補完する第2のホッピングローラの外径とが
互いに異なっていたので、給紙速度が途中で変化してい
たが、この実施の形態の装置は、ホッピングローラ46
の切り欠き部を補完する円弧ローラ52の外径が中空ロ
ーラ50の外径と等しく構成されているため、切り欠き
部を有さない完全に円筒形のローラに近い、より一体的
な形状とすることができ、外径の差によって生じる給紙
速度の変化を発生させない利点がある。
【0067】
【発明の効果】この発明の給紙装置は、以上に説明した
ように構成されているので、印刷用紙が用紙搬送ローラ
との間で空転した場合でも給送不良を起こしにくく、小
型で安定した動作が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態である給紙装置
の構成を示す側面図である。
【図2】 (a)は、第1の実施の形態に使用されるホ
ッピングローラ及び周辺部分の構成を示す斜視図、
(b)は、ホッピングローラの構成を示す分解斜視図で
ある。
【図3】 (a)は、第2の実施の形態に使用されるホ
ッピングローラ及び周辺部分の構成を示す斜視図、
(b)は、ホッピングローラの構成を示す分解斜視図で
ある。
【図4】 (a)は、第3の実施の形態に使用されるホ
ッピングローラの斜視図、(b)は、ホッピングローラ
の構成を示す分解斜視図である。
【図5】 (a)、(b)はそれぞれ給紙動作しないと
き、及び給紙動作中のホッピングローラの状態を示す側
面断面図である。
【図6】 従来の給紙装置の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1,10 ホッピングローラ、 2 支軸、 3 用紙
カセット、 4 印刷用紙、 5 用紙搬送ローラ、
6 用紙検出センサ、 7 用紙搬送路、 12,14
小ローラ(第1のホッピングローラ)、 16 大ロ
ーラ(第2のホッピングローラ)、 12a,14a,
16a ホッピングローラの切り欠き部、 12b,1
4b,16b ホッピングローラの円筒外周面、 18
トーションスプリング、 20 規制突起、 22
規制溝、 24 電磁クラッチ、26 駆動ギヤ、 2
8 カムホイール、 30 ローラ、 32 カムフォ
ロワ、 34 コイルばね、 36 内ローラ(第1の
ホッピングローラ)、38 外ローラ(第2のホッピン
グローラ)、 40 トーションスプリング、42 規
制突起、 44 規制溝、 46 ホッピングローラ、
48 内カム、 50 中空ローラ(第1のホッピン
グローラ)、 52 円弧ローラ(第2のホッピングロ
ーラ)、 54 枢軸、 56 引っ張りばね、 58
第1の係止部、 60 第2の係止部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙カセットに積載された用紙を回転す
    るホッピングローラの外周面に接触させて一枚ずつ用紙
    を繰り出すようにした給紙装置において、 前記用紙カセット内の用紙表面から所定距離だけ離れて
    用紙の繰り出し方向と直交して配置された回転軸と、 前記回転軸により回転駆動され前記用紙表面に接触して
    用紙を所定距離だけ繰り出す第1のホッピングローラ
    と、 前記回転軸に対して同軸に回動可能に軸支され、外周面
    が前記カセット内の用紙表面に接触する大きさの円筒で
    あって、その一部が前記回転軸と平行な面で切り欠かれ
    た第2のホッピングローラと、 前記回転軸が所定角度だけ回転した後に前記第2のホッ
    ピングローラを回転軸と同軸に回動させ、前記回転軸が
    停止した後も前記所定角度だけ前記第2のホッピングロ
    ーラを回動させるように前記第2のホッピングローラを
    前記回転軸に連結する連結手段とを備え、 前記第1のホッピングローラが前記第2のホッピングロ
    ーラに先立って、その切り欠き部を補完する距離だけ用
    紙を繰り出すようにしたことを特徴とする給紙装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のホッピングローラと第2のホ
    ッピングローラにそれぞれ切り欠き部が形成され、 前記第1のホッピングローラは、前記第2のホッピング
    ローラより小さな直径の円筒であって、 前記第1、第2のホッピングローラの切り欠き部が同一
    回転角度位置になる第一の位置と、これらの切り欠き部
    が互いに異なる回転角度位置になる第二の位置との間で
    これらのホッピングローラの相対的位置変化を規制する
    位置規制手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の給紙装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のホッピングローラは、前記回
    転軸の略中央に所定の間隔をもって離間して固着された
    第2のホッピングローラを挟んで並列配置されたことを
    特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のホッピングローラは中空部分
    を有する円筒形状であって、前記第1のホッピングロー
    ラをその中空部分に内包するように前記回転軸に軸支さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
  5. 【請求項5】 前記第2のホッピングローラは中空部分
    を有する円筒形状であり、 前記第1のホッピングローラは前記第2のホッピングロ
    ーラの切り欠き部を補完する円弧形状をなすものであっ
    て、この切り欠き部に回動可能に軸支されるとともに、
    前記第2のホッピングローラの内部に引き込むための弾
    性部材によって第2のホッピングローラと連結されてお
    り、 前記回転軸には前記第2のホッピングローラの中空部分
    で前記第1のホッピングローラに接触するように回動す
    るカム部材を備え、 前記回転軸が所定角度だけ回転したとき、前記カム部材
    によって第1のホッピングローラを第2のホッピングロ
    ーラの切り欠き部の補完位置まで押し出して前記用紙を
    所定距離だけ繰り出すとともに、前記回転軸が停止した
    後も前記弾性部材により前記所定角度だけ前記第2のホ
    ッピングローラを回動させるようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の給紙装置。
JP10189019A 1998-07-03 1998-07-03 給紙装置 Withdrawn JP2000016609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10189019A JP2000016609A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 給紙装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10189019A JP2000016609A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 給紙装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000016609A true JP2000016609A (ja) 2000-01-18

Family

ID=16233951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10189019A Withdrawn JP2000016609A (ja) 1998-07-03 1998-07-03 給紙装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000016609A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010083632A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Brother Ind Ltd シート搬送装置、及びこれを備えた画像記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010083632A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Brother Ind Ltd シート搬送装置、及びこれを備えた画像記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8328180B2 (en) Image forming apparatus and paper feeding method thereof
JP2000198581A (ja) シ―ト供給装置及び記録装置
JPH05338865A (ja) 画像形成装置の用紙整合装置
JP2998222B2 (ja) 給紙装置
US5028046A (en) Feed path selection mechanism for sheets of paper capable of being driven by the existing drive system of a photocopier or the like
JP2000016609A (ja) 給紙装置
JPH11322095A (ja) シート給送装置及び画像形成装置
JPH09263348A (ja) ロール紙給送装置
JP5264207B2 (ja) 感光ドラム及び画像形成装置
JP2846366B2 (ja) 用紙スキュー補正装置
US11186459B2 (en) Medium cutting device and image formation apparatus
US20240092596A1 (en) Transporting device and processing system
JP2006160497A (ja) 給紙装置及びそれを用いた情報処理装置
JPH0611997Y2 (ja) 給紙装置
JPH0733281A (ja) シート搬送装置及び画像形成装置
JP2714521B2 (ja) 用紙搬送装置
JP2002104678A (ja) 給紙装置及び記録装置
JP2924309B2 (ja) シート材給送装置
JP5940995B2 (ja) 給紙装置および画像形成装置
JPH02112973A (ja) プリンタの用紙ジャム防止装置
JP2019055877A (ja) 媒体搬送装置および画像形成装置
JP3837338B2 (ja) シート分離装置、シート搬送装置及び画像形成装置
JPH082726A (ja) シート分離給送機構
JPH11199087A (ja) 用紙搬送用従動ローラの支持構造及び該支持構造を具備する用紙搬送装置
JPH06271112A (ja) 給紙装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050906