JP2000016536A - 長尺物保管ラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 腕を支柱に対して斜めに退避させ、上下段の
腕が干渉することない長尺物保管ラックを提供する。 【解決手段】 所定の間隔を隔てて収納保管する、長尺
物の長手方向に沿って複数の支柱を立設してなり、この
支柱の上下方向に回転自在に複数段の支持アームを軸支
し、支柱と支持アームとで収納ポケットを構成してなる
長尺物保管ラックにおいて、前記支持アーム３を回動軸
５に対して所要の傾斜角を付与して固定するとともに、
前記回動軸を長尺物を収納する長手軸線に対して所要の
傾斜角を付与せしめて支柱２に固定し、前記支持アーム
を水平の支持位置から収納ポケットの長手方向軸芯と平
行な支柱の垂直面と平行な待避位置まで回転可能に軸支
したことを特徴とする長尺物保管ラックである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管、棒鋼、形鋼
などの鉄鋼製品、アルミニウムおよびアルミニウム合金
製の押出し材、合成樹脂製の押出し材、木材、竹材等の
長尺物を保管する長尺物保管ラックの技術分野に属する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、鋼管、棒鋼、形鋼などの鉄鋼製
品、アルミニウムおよびアルミニウム合金製の押出し
材、合成樹脂製の押出し材、木材、竹材等の長尺物は、
サイズ毎、品種毎に一括して長尺物保管ラックに保管さ
れる。一般に長尺物保管ラックは所定の間隔を開けた一
対の支柱を長尺物の長さに応じて長尺物の長手方向に複
数個配設し、前記支柱の間に載置する長尺物を支持する
複数段の支持アームを設けたものである。この支持アー
ムは、下段の支持アームに長尺物を載置すると、支柱側
に待避していた上段の支持アームが支柱の間に下りてき
て、次の長尺物の載置が可能となる構造になっている。
また、上段の支持アームに載置してあった長尺物を吊り
出すと、上段の支持アームは支柱側に待避し、下段の支
持アームに載置してあった長尺物の吊り出しが可能とな
る構造になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】長尺物保管ラック１
は、図５に示すように、一対の支柱２、２’のいずれか
に支持アーム３が軸着され、他の支柱には長尺物を載置
した支持アーム３を受け止める止め具４が設けてある。
ここで支持アーム３を回動する機構については図示して
はいないが、回動機構は、ワイヤ機構、リンク機構等を
用い、支持アーム３の回動力付与は載置する長尺物の自
重、カウンターウエイト、ばね等による回動力を利用し
ている。その例としては、特開平8-225121号公報等があ
る。

【０００４】図５に示すように従来の長尺物保管ラック
は、支持アームが支柱側に鉛直方向に待避する構造であ
るため、支持アームの長さによっては上段と下段の支持
アームが互いに干渉しあい、その結果、与えられた支柱
の高さに対して、設ける支持アームの段数が少なくな
る。これを解決する方策として、支柱の両側に支持アー
ム３、３’を設けている。しかし、この場合でも支持ア
ームの段数は最大２倍に増えるだけである。保管する長
尺物の断面形状、保管状況によっては、支柱間隔を広く
して（支持アームを長くして）、上下の支持アーム間隔
を狭くして支持アームの段数を増やし、保管容量を増や
した保管ラックが必要となる。このような要望に対して
は、従来の支持アームが支柱側に鉛直方向に待避する構
造の長尺物保管ラックでは対応はできないという問題が
ある。

【０００５】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、回動軸に対して傾斜角を持たせて支持ア
ームを固定した前記回動軸を長尺物保管ラックの長手方
向軸に対して傾斜角を持たせて支柱に固定することによ
って、支持アームを長尺物保管ラックの長手方向軸に平
行な支柱の鉛直面と平行で支柱に対して斜めに待避さ
せ、上下段の支持アームが干渉することのない長尺物保
管ラックを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】その要旨は、所定の間隔
を隔てて収納保管する長尺物の長手方向に沿って複数の
支柱を立設してなり、この支柱の上下方向に回動自在に
複数段の支持アームを軸支し、支柱と支持アームとで収
納ポケットを構成してなる長尺物保管ラックにおいて、
長尺物を支承する支持アームを、支持アームの中心を通
る鉛直面が前記収納ポケットの長手方向軸とほぼ直角に
交差する水平の支持位置から、支持アームの中心が収納
ポケットの長手方向軸と平行な支柱の鉛直面内で所定の
傾斜した角度をなし、かつ、支持アームの長尺物の支持
面が収納ポケットの長手方向軸と平行な支柱の鉛直面と
平行な待避位置まで回動可能に軸支した長尺物保管ラッ
クである。

【０００７】所定の間隔を隔てて収納保管する長尺物の
長手方向に沿って複数の支柱を立設してなり、この支柱
の上下方向に回動自在に複数段の支持アームを軸支し、
支柱と支持アームとで収納ポケットを構成してなる長尺
物保管ラックにおいて、前記支持アームを回動軸に対し
て所要の傾斜角を付与して固定するとともに、前記回動
軸を長尺物を収納する長手軸線に対して所要の傾斜角を
付与せしめて支柱に固定し、前記支持アームを水平の支
持位置から収納ポケットの長手方向軸と平行な支柱の鉛
直面と平行な待避位置まで回動可能に軸支した長尺物保
管ラックである。

【０００８】さらに、上記の長尺物保管ラックにおい
て、前記支柱と対向する位置に第二の支柱を立設し、こ
の支柱で前記支持アームの先端部を支持する長尺物保管
ラックである。

【０００９】本発明の長尺物保管ラックは、支持アーム
が水平の支持位置で支持アームと長尺物保管ラックの長
手方向軸とのなす角度が90°になるように、回動軸に対
して傾斜角を持たせて支持アームを固定した回動軸を長
尺物保管ラックの長手方向軸に対して傾斜角を持たせて
支柱に固定している。したがって、回動軸を回動させ支
持アームを待避させた状態では、支持アームは長尺物保
管ラックの長手方向軸に平行な支柱の鉛直面と平行で支
柱に対して斜めに待避する。すなわち、支持アームが水
平状態では、支持アームは長尺物を載置できるように水
平の支持位置を保ち、支持アームが待避状態では、支持
アームは長尺物保管ラックの正面から見て支柱に対して
平行で、側面から見て支柱に対して傾斜しているため、
上下段の支持アームが干渉しあうことはない。したがっ
て、本発明の長尺物保管ラックは支柱間隔を広くして
（支持アームを長くして）、上下の支持アーム間隔を狭
くして支持アームの段数を増やし、保管容量を増やすこ
とが可能である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明の長尺物保管ラック
の実施例を挙げて詳細に説明する。図１は本発明の長尺
物保管ラックの正面図で、図２は側面図である。図１、
図２に示す長尺物保管ラック１は、支柱２を４本立設
し、長尺物の長手方向に前記支柱２を４個配設したもの
で、３本の支柱２には支持アーム３が８段設けてある。
また、回動軸に対向する位置に止め具４が８段設けてあ
る。すなわち、３列×８段＝24棚に長尺物が保管できる
保管ラックの例である。図には下から４段目の支持アー
ムまで長尺物11が保管された状態を、５段目の支持アー
ム３(a) は長尺物を受け入れるための待機状態を、６段
〜８段目までの支持アーム３(b) は待避状態を示してい
る。５段目の支持アームに長尺物を載置すると５段目の
支持アームは水平状態になり、その上の６段目の支持ア
ームが待避状態から長尺物を受け入れるための待機状態
となる。

【００１１】図３は支持アーム３の回動軸５と支柱２と
の位置関係を示す平面図で、実施例では支柱２に回動軸
５を長尺物保管ラックの長手方向軸に対して30°の傾斜
角を持たせて水平に固定している。したがって、水平位
置の支持アーム３の回動軸に対する傾斜角は60°であ
る。このように回動軸５が長尺物保管ラックの長手方向
軸に対して30°の傾斜角を持たせて水平に固定されてい
るため、支持アームが待避状態では、支持アームは長尺
物保管ラックの長手方向軸に平行な支柱の鉛直面と平行
で支柱に対して傾斜しているため、上下段の支持アーム
が干渉しあうことはない。

【００１２】次に、支持アームを回動軸を中心にして待
避位置から水平位置まで回動させる回動機構について説
明する。図４は一対の支柱２、２’で構成する保管ラッ
クを例に回動機構を説明する図で、一方の支柱２に支持
アーム３の回動軸５を設け、他方の支柱２’に回動軸５
に対向して支持アーム３を水平に受け止める止め具４を
設けている。回動軸５には回動力付与のための支持アー
ム３とバランスするカウンターウエイト６と、下段の待
機状態の支持アームに長尺物11を載置されるとその上段
の支持アームを待避状態から待機状態にするための、長
尺レバー７と短尺レバー８とがともに回動軸に固着して
設けてある。そして、下段の長尺レバー７の先端部と上
段の短尺レバー８の先端部は、下段の待機状態の支持ア
ームの回動によって上段の支持アームを回動させ待避状
態から待機状態にするためにワイヤロープ９で連結され
ている。

【００１３】カウンターウエイト６は支持アーム３が水
平のとき、支持アーム３の長軸に対して15°持ち上げて
設けてある。したがって、支持アーム３が待避状態のと
き、カウンターウエイト６は回動軸の真下にあり、支持
アーム３は水平位置から 109°回動して図４に示すよう
に正面から見て支柱２と平行になる。このため、長尺物
の保管、吊り出しに支持アームが妨げとなることはな
い。また、最下段の支持アームはその上段の支持アーム
に回動力を付与するために待機状態にしておく必要があ
るため、最下段の支持アームはカウンターウエイト６に
よって待機状態に持ち上げられている。このため、最下
段のカウンターウエイト６の下にストッパー10を設け、
待機状態の最下段の支持アームの持ち上げ角度を調整す
る。実施例では待機状態の最下段の支持アームの持ち上
げ角度は15°に設定した。

【００１４】本発明の長尺物保管ラックに長尺物を保管
する場合は、長尺物をクレーンで吊り下げ、最下段の待
機状態の支持アームに載置する。すると最下段の支持ア
ームは15°回動して水平になり止め具４で受け止めら
れ、長尺物を水平に支持保管する。最下段の支持アーム
が15°回動すると、最下段の長尺レバー７も15°回動
し、ワイヤロープ９によって最下段の長尺レバー７の先
端部に連結されている上段の短尺レバー８は、長尺レバ
ー７と短尺レバー８の長さの比に応じて回動し上段の支
持アームは待避状態から待機状態になる。実施例では長
尺レバー７と短尺レバー８の長さの比は1:6.7 である。
そして待機状態の上段の支持アームに長尺物が載置され
ると、上記の回動機構の動きを繰り返し、その上段の支
持アームが待避状態から待機状態になる。したがって、
長尺物を保管する場合の回動力の付与は長尺物の自重に
よってなされる。なお、支持アームが待避状態のとき
は、長尺レバー７の先端部と短尺レバー８の先端部を連
結しているワイヤロープ９(a) には張力は働かず弛んだ
状態である。

【００１５】長尺物保管ラックに保管されている長尺物
を吊り出す場合は、支持アームに載置されている長尺物
をクレーンで吊り上げて吊り出す。すると支持アームは
カウンターウエイト６の回動力付与によって持ち上げら
れ待避状態になる。したがって、その下段の支持アーム
の長尺物を吊り出す場合でも上段の支持アームが吊り出
しを妨げることはない。上記の回動機構の動きを繰り返
すことで、長尺物が吊り出された支持アームは上段から
順に待避状態になる。最下段の支持アームは、既述のよ
うに、長尺物が載置していない場合は常に待機状態に
し、上段の支持アームに回動力を付与する状態にしてお
く必要があるため、支持アームはカウンターウエイト６
がストッパー10で停止される位置で停止し待機状態にな
る。したがって、長尺物を吊り出す場合の回動力の付与
はカウンターウエイト６によってなされる。

【００１６】実施例では、回動機構にカウンターウエイ
ト６、長尺レバー７、短尺レバー８、ワイヤロープ９を
用いているが、カウンターウエイトにはばねを、長尺レ
バー、短尺レバー、ワイヤロープにはリンク機構を用い
ても本発明の手段を達成することができる。また、支持
アームの回動機構には往復運動を回動運動に換える機
構、モーター等の回動機構を用いてもよい。さらに、保
管する長尺物が軽い場合は、回動軸側の支柱に回転止め
具を設けることにより片持ち支持アームでも本発明の目
的を達成することができる。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明の長尺物保管ラックは回動軸に傾斜角を持たせて
支持アームに固定し、この回動軸を長尺物保管ラックの
長手方向軸に対して傾斜角を持たせて支柱に固定してい
るため、長尺物を載置する支持アームが待避状態になっ
ても上下段の支持アームが干渉しあうことはない。した
がって、支柱間隔を広げ、上下の支持アーム間隔を狭く
して支持アームの段数を増やし、保管容量を増やした保
管ラックが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の長尺物保管ラック一例を示す正面図で
ある。

【図２】図１に示す長尺物保管ラックの側面図である。

【図３】支持アームの回動軸と支柱との位置関係を示す
平面図である。

【図４】本発明の長尺物保管ラックの支持アームの回動
機構を一対の支柱で構成する保管ラックを例に説明する
図である。

【図５】従来の長尺物保管ラックの支持アームの配設例
を説明する図である。

【符号の説明】

１…長尺物保管ラック、２…支柱、２’…支柱、３…支
持アーム、３’…支持アーム、３(a) …待機状態の支持
アーム、３(b) …待避状態の支持アーム、４…止め具、
５…回動軸、６…カウンターウエイト、７…長尺レバ
ー、８…短尺レバー、９…ワイヤロープ、９(a) …支持
アームが待避状態の弛んだワイヤロープ、10…ストッパ
ー、11…長尺物。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の間隔を隔てて収納保管する長尺物
   の長手方向に沿って複数の支柱を立設してなり、この支
   柱の上下方向に回動自在に複数段の支持アームを軸支
   し、支柱と支持アームとで収納ポケットを構成してなる
   長尺物保管ラックにおいて、長尺物を支承する支持アー
   ムを、支持アームの中心を通る鉛直面が前記収納ポケッ
   トの長手方向軸とほぼ直角に交差する水平の支持位置か
   ら、支持アームの中心が収納ポケットの長手方向軸と平
   行な支柱の鉛直面内で所定の傾斜した角度をなし、か
   つ、支持アームの長尺物の支持面が収納ポケットの長手
   方向軸と平行な支柱の鉛直面と平行な待避位置まで回動
   可能に軸支したことを特徴とする長尺物保管ラック。
2. 【請求項２】 所定の間隔を隔てて収納保管する長尺物
   の長手方向に沿って複数の支柱を立設してなり、この支
   柱の上下方向に回動自在に複数段の支持アームを軸支
   し、支柱と支持アームとで収納ポケットを構成してなる
   長尺物保管ラックにおいて、前記支持アームを回動軸に
   対して所要の傾斜角を付与して固定するとともに、前記
   回動軸を長尺物を収納する長手軸線に対して所要の傾斜
   角を付与せしめて支柱に固定し、前記支持アームを水平
   の支持位置から収納ポケットの長手方向軸と平行な支柱
   の鉛直面と平行な待避位置まで回動可能に軸支したこと
   を特徴とする長尺物保管ラック。
3. 【請求項３】 請求項１、２記載の長尺物保管ラックに
   おいて、前記支柱と対向する位置に第二の支柱を立設
   し、前記支持アームの先端部を支持せしめたことを特徴
   とする長尺物保管ラック。