JP2000016315A - 動力舵取装置及びこれに用いる舵取軸 - Google Patents

動力舵取装置及びこれに用いる舵取軸

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JP2000016315A JP18796398A JP18796398A JP2000016315A JP 2000016315 A JP2000016315 A JP 2000016315A JP 18796398 A JP18796398 A JP 18796398A JP 18796398 A JP18796398 A JP 18796398A JP 2000016315 A JP2000016315 A JP 2000016315A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵トルクに敏感に反応してモータ電流を変
化させることができる複雑な制御回路を設けることな
く、舵角が大となる操舵域で単位舵角変化に対する舵取
軸の移動量を多くできて、クイックに操舵することがで
きるようにする。 【解決手段】 操舵補助用の電動モータ4の回転を螺旋
溝21が設けられている舵取軸2に伝え、これを車体の
左右方向へ移動させるようにしたものにおいて、前記螺
旋溝21は舵角中点Oから遠ざかるに従ってリードが大
となるように形成して電動モータ4を制御するための複
雑な制御回路をなくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は操舵補助力の発生源
として用いられる電動モータの回転を、螺旋溝を有する
舵取軸に伝動環を介して伝達し、これを軸長方向へ移動
させて操舵補助するようにした動力舵取装置及びこれに
用いる舵取軸に関する。
【0002】
【従来の技術】動力舵取装置は、舵取りのための操舵輪
の操舵に要する労力負担を軽減して快適な操舵感覚を得
るものであり、多くの自動車に装備されている。さらに
近年においては、操舵補助のためのアクチュエータとし
て、従来広く用いられている油圧アクチュエータに代え
て、操舵輪の操舵に応じて駆動される電動モータを利用
した動力舵取装置が実用化されている。
【0003】このような動力舵取装置は、操舵補助用の
電動モータの駆動制御により、車速の高低、舵角の大小
等の運転状態に応じた補助力特性の変更に柔軟に対応し
得るという利点を有するが、その実現に際しては、操舵
補助用の電動モータの回転を舵取機構に伝える伝動系が
不可欠である。
【0004】操舵補助用の電動モータは、操舵輪に連設
され、該操舵輪の操舵に伴って回転する操舵軸の中途
に、又は操向車輪(一般的には左右の前輪)に両端を連
結され、軸長方向に移動して舵取りを行なわせるための
ラック軸等の舵取軸の中途に設けられる。
【0005】前者は、操舵補助用の電動モータの回転を
操舵軸に伝えればよく、前記伝動系を一般的な歯車減速
機構により簡素に構成し得る利点を有する反面、操舵軸
の車室外の部分は僅かであり、その周辺に前記電動モー
タを含めた伝動系の配設位置を確保することが難しく、
適用範囲が限られるという不具合がある。
【0006】これに対し後者は、操舵補助用の電動モー
タの回転を舵取軸の軸方向の移動に変換する伝動系の構
成が複雑となる反面、車両前部に左右に配された前記舵
取軸の軸長に亘って、前記電動モータを含めた伝動系の
配設位置の自由度が大きく、広範囲の車種への採用が可
能であるという利点を有している。但し、この構成にお
いても、前記電動モータを含めた伝動系の配設スペース
を削減することが重要な課題となっており、例えば、特
開昭61−191468号公報に開示されている如く、
前記伝動系にボールねじ機構を用いることにより、配設
スペースの削減を図った動力舵取装置が従来から提案さ
れている。
【0007】この動力舵取装置は、外周に螺旋溝を有す
る舵取軸、及びこれの螺旋溝と係合する複数のボールが
保持されており、軸長方向への移動が拘束されて回転が
可能な伝動環を備えており、該伝動環を前記電動モータ
に連動して回転させることにより、前記係合部の螺旋溝
との係合位置を変えて前記舵取軸を軸長方向へ移動させ
る構成となっており、大なる減速比が得られる伝動機構
をコンパクトに構成でき、小型化された電動モータを舵
取軸のハウジングに近接して取り付けることにより、前
述した配設スペースの削減要求に応え得るものとしてあ
る。
【0008】また、前記電動モータは、操舵輪の操舵中
立点から操舵角が大となるに従ってクイックに操舵する
ことができるように操舵トルクに基づいてモータ電流を
上げ、モータ回転数を上げて対応されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上の如く
操舵トルクに基づいて電動モータを制御するものにおい
ては、操舵トルクに敏感に反応してモータ電流を変化さ
せることができるような複雑な制御回路が必要であるた
め、コスト高になるという問題があった。
【0010】また、前記操舵トルクを検出するための検
出センサは、操舵軸の途中に設けられているトーション
バーの捩じれによるトルクを検出するように構成されて
いるため、操舵輪を操舵中立点から何れか一方に大きく
操舵する場合、連続して1回で操舵することなく、2回
に分けて操舵するとき2度目の操舵時の初期ではトーシ
ョンバーが捩じれていない状態から捩じられることにな
り、この結果、操舵トルクが小さくモータ電流が小さく
なるため、クイックに操舵することができなくて、運転
者に多大な精神的負担をかけることになるという問題が
あった。
【0011】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、舵取軸の螺旋溝を舵角中点から遠ざかるに従っ
てリードが大となるように形成することにより、操舵ト
ルクに敏感に反応してモータ電流を変化させることがで
きる複雑な制御回路を設けることなく、舵角が大となる
操舵域で単位舵角変化に対する舵取軸の移動量を多くで
きて、クイックに操舵することができ、また、前記螺旋
溝を舵角中点から遠ざかるに従ってリードが小となるよ
うに形成することにより、舵角が大となる操舵域で単位
舵角変化に対する舵取軸の移動量を少なくでき、モータ
電流を従来のように上げることなく舵取軸への伝達トル
クを大きくすることができる動力舵取装置及びこれに用
いる舵取軸を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る動力舵取
装置は、操舵補助用の電動モータの回転を螺旋溝が設け
られている舵取軸に伝え、これを車体の左右方向へ移動
させるようにした動力舵取装置において、前記螺旋溝は
舵角中点から遠ざかるに従ってリードが大となるように
形成してあることを特徴とする。
【0013】第5発明に係る舵取軸は、軸本体の外周
に、これに嵌合される伝動環の回転に従って軸本体を軸
長方向へ移動させるための螺旋溝が設けてある舵取軸に
おいて、前記螺旋溝は、舵角中点から遠ざかるに従って
リードが大となるように形成してあることを特徴とす
る。
【0014】第1発明及び第5発明にあっては、操舵輪
の操舵中立点からの舵角が大となるに従って螺旋溝のリ
ードが大きくなるため、舵角が大となる操舵域で単位舵
角変化に対する舵取軸の移動量を多くでき、クイックに
操舵することができる。従って、操舵トルクに敏感に反
応してモータ電流を変化させることができる複雑な制御
回路が必要でないから、コストを低減できる。
【0015】また、舵取軸の螺旋溝のリードを変えるか
ら、操舵輪を操舵中立点から2回に分けて大きく操舵す
るとき、2度目の操舵初期ではリードが大となっている
部分でクイックに操舵することができるのであり、ま
た、舵角中点近くでのリードが小であるため、高速で直
進走行する場合の剛性感を高めることができる。
【0016】第2発明に係る動力舵取装置は、前記電動
モータの回転を前記舵取軸に伝えてこれを車体の左右方
向へ移動させる伝動環を備え、該伝動環は、内面に前記
螺旋溝と係合する突起を有する内環部材及びこれを複数
の転動体を介して回転が可能に保持される外環部材を備
え、該外環部材の前記転動体との接触面に前記内環部材
の軸長方向への回動を許容する案内面が設けてあること
を特徴とする。
【0017】第2発明にあっては、電動モータに連動す
る伝動環の回転に伴って舵取軸が軸長方向へ移動すると
き、螺旋溝のリードの変化に対応して内環部材を軸長方
向へ回動させることができるから、突起と螺旋溝との係
合量を十分に確保することができ、伝動環から舵取軸へ
の動力の伝達を良好にできる。
【0018】第3発明に係る動力舵取装置は、前記外環
部材が、前記電動モータの回転に連動する連動ハウジン
グ内に径方向へ偏倚して支持されており、該外環部材を
その偏倚方向へ押圧する弾性体が設けてあることを特徴
とする。
【0019】第3発明にあっては、突起を環状に形成し
て強度を高めることができて、しかも、突起の周方向一
部分を螺旋溝に確実に係合させることができ、突起と螺
旋溝との接触抵抗を少なくできる。
【0020】第4発明に係る動力舵取装置は、操舵補助
用の電動モータの回転を螺旋溝が設けられている舵取軸
に伝え、これを車体の左右方向へ移動させるようにした
動力舵取装置において、前記螺旋溝は舵角中点から遠ざ
かるに従ってリードが小となるように形成してあること
を特徴とする。
【0021】第6発明に係る舵取軸は、軸本体の外周
に、これに嵌合される伝動環の回転に従って軸本体を軸
長方向へ移動させるための螺旋溝が設けてある舵取軸に
おいて、前記螺旋溝は、舵角中点から遠ざかるに従って
リードが小となるように形成してあることを特徴とす
る。
【0022】第4発明及び第6発明にあっては、操舵輪
の操舵中立点からの舵角が大となるに従って螺旋溝のリ
ードが小さくなるため、舵角が大となる操舵域で単位舵
角変化に対する舵取軸の移動量を少なくでき、減速して
移動させることができる。従って、モータ電流を従来の
ように上げることなく舵取軸への伝達トルクを大きくで
き、電動モータを小形化することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。 実施の形態1 図1は本発明に係る動力舵取装置の実施の形態1の縦断
正面図、図2は舵取軸及び伝動環部分の拡大断面図であ
る。
【0024】図1に示した動力舵取装置は、一端部が操
舵軸を介して操舵輪に連動連結され、他端部にピニオン
(図示せず)が設けられたピニオン軸1と、前記ピニオ
ンに噛合するラック歯(図示せず)及び螺旋溝21が軸
長方向に離隔して設けられ、車体の左右方向に延設され
た金属製の舵取軸2と、該舵取軸2を軸長方向へ移動が
可能に支持する円筒状の軸ハウジング3と、該軸ハウジ
ング3に取付けられており、操舵輪の操舵に伴い駆動さ
れて操舵補助する電動モータ4と、内部に前記螺旋溝2
1と係合する突起51を有しており、前記電動モータ4
の回転に連動して回転する伝動環5とを備え、該伝動環
5の回転により前記舵取軸2を車体が直進するときの舵
角中点O、換言すると操舵輪の操舵中立点に対応する舵
角中点Oから軸長方向へ移動させることができるように
構成されている。
【0025】舵取軸2は、軸本体2aの外周に、これに
嵌合される伝動環5の回転に従って軸本体2aを軸長方
向へ移動させるための螺旋溝21が設けてある。そし
て、軸ハウジング3内に回転が拘束されて、軸長方向へ
移動が可能に支持されており、この舵取軸2の螺旋溝2
1を、前記舵角中点Oから遠ざかるに従ってリードLが
大となるように形成してある。
【0026】伝動環5は、内面に環状の前記突起51を
有する内環部材52及びこれの外周部をボールを用いて
なる複数の転動体53を介して回転が可能に保持する外
環部材54と、前記電動モータ4の回転に複数の伝動ギ
ヤを用いてなる減速機構6を介して連動する連動ハウジ
ング55とを備え、該連動ハウジング55内に前記外環
部材54が嵌合支持されている。
【0027】この外環部材54の前記転動体53との接
触面には、周方向の一箇所を中心とする円弧状であり、
前記内環部材52の軸長方向への回動を許容する案内面
56を設けて、内環部材52を前記螺旋溝21に沿って
傾かせ、伝動環5の回転に伴って舵取軸2が舵角中点O
から軸長方向へ移動するとき、螺旋溝21のリードLの
変化に対応して内環部材52を図5に示す如く軸長方向
へ回動させることができるようにしてある。
【0028】連動ハウジング55内の外環部材54が支
持される嵌合部は、外環部材54を径方向へ偏倚が可能
としてあり、また、前記嵌合部には前記外環部材54を
偏倚方向へ向けて押圧するコイルばねを用いてなる弾性
体57を設けて、内環部材52の突起51を偏倚させ、
該突起51の周方向一部分を螺旋溝21に確実に係合さ
せることができるようにしてある。
【0029】図3は二つの伝動環の間から縦断した側面
図、図4は伝動環の軸長方向一側部から縦断した側面図
である。伝動環5は舵取軸2の軸長方向に複数個(図
1、図2では3個)配置されており、これらが周方向に
等分した位置で前記したように舵取軸2の軸芯に対して
径方向へ偏倚させてあり、各伝動環5の突起51の周方
向一部分を螺旋溝21に係合させ、伝動環5の回転トル
クをその3つの係合箇所から伝動環5の螺旋溝21に伝
達し、回転トルクの分力により舵取軸2を軸長方向へ移
動させるようにしてある。尚、前記各伝動環5の外環部
材54は、連動ハウジング55の端部に緊締されるねじ
環58により固定されている。
【0030】以上の如く構成された動力舵取装置は、操
舵輪の操舵力がピニオン軸1のピニオンから舵取軸2の
ラック歯に伝達されるとともに、操舵輪の操舵に伴って
生ずる操舵トルクに応じて電動モータ4が駆動され、該
電動モータ4の回転が減速機構6を介して連動ハウジン
グ55に伝達され、該連動ハウジング55とともに外環
部材54及び内環部材52が回転し、該内環部材52の
突起51から螺旋溝21に回転トルクが伝達され、その
分力により舵取軸2を舵角中点Oに対し軸長方向へ移動
させることができる。
【0031】この場合、舵取軸2の螺旋溝21は、舵角
中点Oから遠ざかるに従ってリードLが大となるように
形成してあるため、操舵輪の舵角が大となるに伴い単位
舵角変化に対する舵取軸2の移動量を多くできるのであ
り、従って、舵角が大となる操舵域で単位舵角変化に対
する舵取軸2の移動量を多くでき、クイックに操舵する
ことができる。このため、操舵トルクに敏感に反応して
モータ電流を変化させることができる複雑な制御回路が
必要でなく、操舵輪の操舵に伴って生ずる操舵トルクに
より所要のモータ電流を流して電動モータ4を駆動する
ことができる簡単な制御回路にすることができ、コスト
を低減できる。
【0032】また、舵角が大きくなる操舵域では、図5
に示す如く伝動環5の内環部材52が外環部材54の案
内面56に沿って軸長方向へ回動することになるから、
突起51と螺旋溝21との係合量を十分に確保すること
ができ、伝動環5から舵取軸2への動力の伝達を良好に
できる。
【0033】また、舵取軸2の螺旋溝21のリードLを
舵角中点Oから遠ざかるに従って大となるようにしてあ
るため、操舵輪を操舵中立点から1回で大きく操舵する
ことなく、操舵中立点から2回に分けて大きく操舵する
とき、2度目の操舵初期においても、操舵中立点近くの
リードLよりも大きなリード部分で操舵することができ
るから、この2度目の操舵をクイックに行うことができ
る。
【0034】さらに、舵取軸2の螺旋溝21は舵角中点
O近くでのリードLが小であるため、操舵輪の操舵中立
点近くでの単位舵角変化に対する舵取軸2の移動量を少
なくすることができ、高速で直進走行する場合の剛性感
を高めることができる。
【0035】実施の形態2 図6は本発明に係る動力舵取装置の実施の形態2の舵取
軸及び伝動環部分の拡大断面図である。この実施の形態
2の動力舵取装置は、舵取軸2の螺旋溝21を、舵角中
点Oから遠ざかるに従ってリードLが大となるように形
成する代わりに、舵角中点Oから遠ざかるに従ってリー
ドLが小となるように形成したものであり、その他の構
成及び作用は実施の形態1と同じであるため、共通部品
については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を
省略する。
【0036】実施の形態2においては、操舵輪の操舵中
立点からの舵角が大となるに従って螺旋溝21のリード
Lが小となるため、操舵輪の舵角が大となるに伴い単位
舵角変化に対する舵取軸2の移動量を少なくできる。こ
の結果、舵角が大となる操舵域で単位舵角変化に対する
舵取軸2の移動量を少なくできるから、舵角が大となる
操舵域でモータ電流を上げることなく伝動環5から舵取
軸2への伝達トルクを大きくでき、伝動モータ4を小形
化することができる。
【0037】実施の形態3 図7は本発明に係る動力舵取装置の実施の形態3の縦断
正面図である。この実施の形態3の動力舵取装置は、舵
取軸2と平行状に配置される前記電動モータ4に代え
て、舵取軸2と同軸的に配置されるブラシレス形の電動
モータ4aを用い、該電動モータ4aのロータ43に前
記伝動環5の連動ハウジング55を連結したものであ
り、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じである
ため、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な
説明及び作用を省略する。
【0038】電動モータ4aは、前記軸ハウジング3内
に固定される円筒状のステータ44、及び該ステータ4
4の内周面及び舵取軸2の外周面間に回転が可能に支持
されており、その外周面に複数個の永久磁石45が周方
向に離隔して設けられている円筒状の前記ロータ43を
備えている。
【0039】このロータ43の一端部は軸受46を介し
て前記軸ハウジング3内に支持されており、他端部には
前記連動ハウジング55の一端部が連結されており、ま
た、この連動ハウジング55の一端部及び他端部が軸受
58,59を介して軸ハウジング3内に支持されてい
る。また、永久磁石45はその磁極が交互に異なるよう
に配置されている。
【0040】実施の形態3においては、ステータ44へ
の通電に伴い、永久磁石45とともにロータ43が回転
し、さらに該ロータ43と一体に伝動環5が回転して、
実施の形態1と同様に舵取軸2を移動させることができ
るのであり、しかも、実施の形態1,2に比較して全体
を小形化することができる。
【0041】尚、実施の形態3において、舵取軸2の螺
旋溝21は実施の形態1の如く舵角中点Oから遠ざかる
に従ってリードLが大となるように形成してある他、実
施の形態2の如く舵角中点Oから遠ざかるに従ってリー
ドLが小となるように形成してあってもよい。
【0042】また、伝動環5は、実施の形態1,2,3
の如く複数個用いる他、1個であってもよいのであり、
その個数は制限されない。
【0043】実施の形態4 図8は実施の形態4を示す舵取軸部分の斜視図、図9は
全体の正面図、図10は動力補助機構部分の断面図であ
る。この実施の形態4にあっては、前記螺旋溝21のリ
ードLを変える代わりに、舵取軸2に設けられるラック
歯22を、車体が直進するときの舵角中点Oから遠ざか
るに従ってリードが大となるように形成したものであ
る。
【0044】また、実施の形態4の動力舵取装置は、前
記伝動環5を用いる代わりに、舵取軸2のラック歯22
と噛合する第2のピニオン71を有するピニオン軸7を
用いて、電動モータ4の回転を、ピニオン軸7を介して
舵取軸2に伝え、該舵取軸2を舵角中点Oから軸長方向
へ移動させるように構成されている。
【0045】前記電動モータ4の出力軸41にはウォー
ム42が設けてあり、前記ピニオン軸7には前記ラック
歯22と噛合する第1のピニオン71が設けてあり、出
力軸41及びピニオン軸7間には、出力軸41と直交し
ており、前記ウォーム42と噛合するウォーム81を有
する伝動軸8が設けてあり、該伝動軸8のウォーム81
と噛合する第2のピニオン72を前記ピニオン軸7に設
けて、電動モータ4の回転を伝動軸8及びピニオン軸7
を介して舵取軸2に伝動し、該舵取軸2を軸長方向へ移
動させるように構成してある。
【0046】実施の形態4においても、実施の形態1の
課題を解決することができ、実施の形態1と同様の作用
効果を奏するものであるから、その詳細な説明は省略す
る。また、実施の形態4の動力舵取装置は、実施の形態
2の如くラック歯22を、舵角中点Oから遠ざかるに従
ってリードが小となるように形成してもよい。
【0047】実施の形態5 図11は実施の形態5を示す舵取軸の斜視図、図12は
全体の正面図である。この実施の形態5にあっては、前
記螺旋溝21のリードLを変える代わりに、前記ピニオ
ン軸1のピニオンが噛合するラック歯22を、車体が直
進するときの舵角中点から遠ざかるに従ってリードが小
となるように形成したものであり、電動モータ4の回転
を舵取軸2に伝動する伝動系にはボールねじ機構が用い
られている。
【0048】実施の形態5の如く電動モータ4を用いて
操舵補助する従来の動力舵取装置にあっては、操舵輪の
舵角が大となるに伴い電動モータ4の負荷が増大し、電
動モータ4に負担がかかることになるため、この負担を
軽減するには、電動モータ4の高出力化、又は、減速機
を使用して電動モータ4の出力を増加させる等の対策が
必要である。ところが、電動モータ4を高出力化する場
合は、該電動モータ4を大形化するか、又は、希土類の
磁石等による対策が必要であり、何れもコスト高になる
という問題がある。また、減速機を用いる場合は、電動
モータ4と舵取軸2との間に減速比が大きな減速機を設
ける必要があるため、動力伝達の応答性が低下する等の
問題がある。
【0049】しかしながら、実施の形態5の如くラック
歯22を、舵角中点から遠ざかるに従ってリードが小と
なるように形成することにより、操舵輪の舵角が大とな
る操舵域で、操舵輪による操舵力が増幅されることにな
り、電動モータ4を含めた全操舵力に占める手動成分が
増えて、電動モータ4の高負荷を軽減することができ
る。また、操舵輪の舵角が大となる操舵域では単位舵角
変化に対する舵取軸2の移動量が少なく、減速して移動
させることができるから、操舵輪は軽く操舵することが
できるのであり、また、電動モータ4の応答性を改善す
ることができる。
【0050】実施の形態6 図13は実施の形態6を示す動力補助機構部分の断面図
である。図13に示す動力補助機構は、前記電動モータ
4の回転を伝動環5を介して舵取軸2に伝達する構成で
なく、図9、図10で示した実施の形態4と同様、舵取
軸2のラック歯22と噛合する第1のピニオン71を有
するピニオン軸7を用いて、前記電動モータ4の回転
を、ピニオン軸7を介して舵取軸2に伝え、該舵取軸2
を舵角中点から軸長方向へ移動させるように構成されて
いる動力舵取装置において、操舵輪の操舵トルクを検出
するための検出センサ9を操舵軸に連結されるピニオン
軸の途中の周りに設ける代わりに、前記ピニオン軸7に
設けたものである。
【0051】前記電動モータ4の出力軸41にはウォー
ム42が設けてあり、前記ピニオン軸7には前記ラック
歯22と噛合する第1のピニオン71が設けてあり、出
力軸41及びピニオン軸7間には、出力軸41と直交し
ており、前記ウォーム42と噛合するウォーム81を有
する伝動軸8が回転可能に設けてあり、該伝動軸8のウ
ォーム81と噛合する第2のピニオン72を前記ピニオ
ン軸7に設けて、電動モータ4の回転を伝動軸8及びピ
ニオン軸7を介して舵取軸2に伝動し、該舵取軸2を軸
長方向へ移動させるように構成してある。
【0052】ピニオン軸7は、一端部が筒状に形成され
ており、他端部の外周面に前記ピニオン71が設けられ
ている第1軸体73と、該第1軸体73の筒部内に一体
回転が可能に嵌合されるトーションバー74と、一端部
に前記第2のピニオン72を有しており、前記トーショ
ンバー74の外周りに挿嵌されてダウエルピン75を介
して連結される第2軸体76とを備えている。
【0053】また、ピニオン軸7が支持される軸ハウジ
ング10内には、トーションバー74を介して連結され
る第1軸体73及び第2軸体76の相対変位量により操
舵トルクを検出する前記検出センサ9が設けられてい
る。
【0054】この検出センサ9は、端面に矩形状の歯部
が周方向に形成されている複数個の磁性体製リング91
を一対のトルク検出コイル92,92の内側に配置し、
前記トーションバー74の捩じれに対応して前記磁性体
製リング91が相対回転したときに前記歯部の対向面積
が変化して、検出コイル9のインピーダンスが変化する
ことにより前記操舵トルクを検出する非接触式センサが
用いられている。
【0055】図14は動力補助機構部分の他の例を示す
断面図である。この図14に示した動力補助機構は、前
記検出センサ9を前記ピニオン軸7の周りに設ける代わ
りに、ピニオン軸7と前記電動モータ4の出力軸41と
の間に配設される伝動軸8の周りに設けたものであり、
その他の構成及び作用は図12の実施の形態と同じであ
るため、共通部品については同じ符号を付し、その詳細
な説明及び作用を省略する。
【0056】図14の実施の形態においては、伝動軸8
が、一端部の外周面に前記ウォーム42と噛合する第1
のウォーム81aが設けられており、他端部が筒状に形
成されている第1軸体82と、該第1軸体82の筒部内
に一体回転が可能に嵌合されるトーションバー83と、
一端側が前記トーションバー83の外周りに挿嵌されて
ダウエルピン84を介して連結されており、他端部の外
周面に第2のウォーム81bが設けられている第2軸体
85とを備えている。
【0057】従来の動力舵取装置にあっては、図15に
示す如く操舵軸を介して操舵輪に連動連結されるピニオ
ン軸100が、一端部が筒状に形成されており、他端部
の外周面に舵取軸101のラック歯102と噛合するピ
ニオン103が設けられている第1軸体104と、該第
1軸体104の筒部内に一体回転が可能に嵌合されるト
ーションバー105と、該トーションバー105の外周
りに挿嵌されてダウエルピン106により連結される筒
状の第2軸体107とを備えており、このピニオン軸1
00の周りに操舵トルクの検出センサが設けられている
ため、動力舵取装置と動力補助機構を備えていない舵取
装置との部品の互換性が少ないのであるが、図3及び図
14の実施の形態6にあっては、トルク検出センサが動
力補助機構に設けてあるため、操舵軸部分の部品の互換
性を多くすることができて、コストダウンを図ることが
できるのであり、また、動力補助機構部分をユニットに
することもできる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述した如く第1発明及び第5発明
によれば、操舵輪の操舵中立点からの舵角が大となるに
従って螺旋溝のリードが大となるため、舵角が大となる
操舵域で単位舵角変化に対する舵取軸の移動量を多くで
き、クイックに操舵することができる。従って、操舵ト
ルクに敏感に反応してモータ電流を変化させることがで
きる複雑な制御回路が必要でなく、コストを低減でき
る。
【0059】しかも、舵取軸の螺旋溝のリードを変える
から、操舵輪を操舵中立点から2回に分けて大きく操舵
するとき、2度目の操舵初期ではリードが大となってい
る部分でクイックに操舵することができるのであり、ま
た、舵角中点近くでのリードが小であるため、高速で直
進走行する場合の剛性感を高めることができる。
【0060】第2発明によれば、電動モータに連動する
伝動環の回転に伴って舵取軸が軸長方向へ移動すると
き、螺旋溝のリードの変化に対応して内環部材を軸長方
向へ回動させることができるから、突起と螺旋溝との係
合量を十分に確保することができ、伝動環から舵取軸へ
の動力の伝達を良好にできる。
【0061】第3発明によれば、突起を環状に形成して
強度を高めることができて、しかも、突起の周方向一部
分を螺旋溝に確実に係合させることができ、突起と螺旋
溝との接触抵抗を少なくできる。
【0062】第4発明及び第6発明によれば、操舵輪の
操舵中立点からの舵角が大となるに従って螺旋溝のリー
ドが小となるため、舵角が大となる操舵域で単位舵角変
化に対する舵取軸の移動量を少なくでき、減速して移動
させることができる。従って、モータ電流を従来のよう
に上げることなく舵取軸への伝達トルクを大きくでき、
電動モータを小形化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態1の縦
断正面図である。
【図2】本発明に係る動力舵取装置の舵取軸及び伝動環
部分の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る動力舵取装置の二つの伝動環の間
から縦断した側面図である。
【図4】本発明に係る動力舵取装置の伝動環の軸長方向
一側部から縦断した側面図である。
【図5】本発明に係る動力舵取装置の舵角が大きくなる
操舵域で伝動環が螺旋溝と係合する状態を示す説明図で
ある。
【図6】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態2の舵
取軸及び伝動環部分の拡大断面図である。
【図7】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態3の縦
断正面図である。
【図8】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態4の舵
取軸部分の斜視図である。
【図9】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態4の全
体の正面図である。
【図10】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態4の
動力補助機構部分の断面図である。
【図11】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態5の
舵取軸の斜視図である。
【図12】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態5の
全体の正面図である。
【図13】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態6の
動力補助機構部分の断面図である。
【図14】本発明に係る動力舵取装置の実施の形態6の
動力補助機構部分の他の例を示す断面図である。
【図15】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 舵取軸 21 螺旋溝 4 電動モータ 5 伝動環 51 突起 52 内環部材 53 転動体 54 外環部材 55 連動ハウジング 56 案内面 57 弾性体 O 舵角中点 L リード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 修 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3D033 CA02 CA04 CA05 CA16 CA28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵補助用の電動モータの回転を螺旋溝
    が設けられている舵取軸に伝え、これを車体の左右方向
    へ移動させるようにした動力舵取装置において、前記螺
    旋溝は舵角中点から遠ざかるに従ってリードが大となる
    ように形成してあることを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記電動モータの回転を前記舵取軸に伝
    えてこれを車体の左右方向へ移動させる伝動環を備え、
    該伝動環は、内面に前記螺旋溝と係合する突起を有する
    内環部材及びこれを複数の転動体を介して回転が可能に
    保持される外環部材を備え、該外環部材の前記転動体と
    の接触面に前記内環部材の軸長方向への回動を許容する
    案内面が設けてある請求項1記載の動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記外環部材は、前記電動モータの回転
    に連動する連動ハウジング内に径方向へ偏倚して支持さ
    れており、該外環部材をその偏倚方向へ押圧する弾性体
    が設けてある請求項2記載の動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 操舵補助用の電動モータの回転を螺旋溝
    が設けられている舵取軸に伝え、これを車体の左右方向
    へ移動させるようにした動力舵取装置において、前記螺
    旋溝は舵角中点から遠ざかるに従ってリードが小となる
    ように形成してあることを特徴とする動力舵取装置。
  5. 【請求項5】 軸本体の外周に、これに嵌合される伝動
    環の回転に従って軸本体を軸長方向へ移動させるための
    螺旋溝が設けてある舵取軸において、前記螺旋溝は、舵
    角中点から遠ざかるに従ってリードが大となるように形
    成してあることを特徴とする舵取軸。
  6. 【請求項6】 軸本体の外周に、これに嵌合される伝動
    環の回転に従って軸本体を軸長方向へ移動させるための
    螺旋溝が設けてある舵取軸において、前記螺旋溝は、舵
    角中点から遠ざかるに従ってリードが小となるように形
    成してあることを特徴とする舵取軸。
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