JP2000015326A - Cu熱間押出用ダイスおよびその製造方法 - Google Patents

Cu熱間押出用ダイスおよびその製造方法

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JP2000015326A
JP2000015326A JP10187619A JP18761998A JP2000015326A JP 2000015326 A JP2000015326 A JP 2000015326A JP 10187619 A JP10187619 A JP 10187619A JP 18761998 A JP18761998 A JP 18761998A JP 2000015326 A JP2000015326 A JP 2000015326A
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JP
Japan
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hot extrusion
die
hot
weight
extrusion die
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JP10187619A
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Yasushi Watanabe
辺 靖 渡
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ヒートチェックに優れたCu熱間押出用ダ
イスを提供する。 【解決手段】 CuまたはCu合金押出素材の熱間押出
に使用するCu熱間押出用ダイス10を製造するに際
し、粉末素材の熱間等方圧圧縮(HIP)によって焼結
体よりなる略柱状素材1を得た後、あるいは、溶湯の凝
固によってインゴットよりなる略柱状素材1を得た後、
略柱状素材1を軸方向に据込鍛造加工してファイバーラ
インFが放射方向に流れている盤状成形素材2とし、次
いで盤状成形素材2に孔あけ加工することにより中空孔
3aを有する環状成形素材3とし、さらに環状成形素材
3の内周面と外周面を一対の成形ロールR,Rによ
り挟圧しながら周方向にローリング加工してファイバー
ラインFが周方向に流れている(すなわち、Cuまたは
Cu合金押出素材の押出方向に対し直交する面内で周方
向に流れている)環状のCu熱間押出用ダイス10に成
形し、必要により仕上加工を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CuまたはCu合
金押出素材を熱間押出する際に使用するCu熱間押出用
ダイスおよびその製造方法に関し、より詳しくは、使用
時の変形が少なく、また、耐ヒートチェック性がさらに
改善されたCu熱間押出用ダイスおよびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CuまたはCu合金押出素材を熱
間押出する際に使用するCu熱間押出用ダイスは、例え
ば、Ni基の超耐熱合金であるインコネル718を素材
として用いて、これを切削加工するほか、基本的に素材
を延伸加工し熱処理することによって製造していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のCu
熱間押出用ダイスは、その使用に際して、例えば、約8
00℃の高温に加熱された状態のCuまたはCu合金か
らなるビレットを所定の断面形状に押出加工することか
ら、押出加工中に温度は約1000℃にまで達すると共
に、表面が繰り返し加熱・冷却されることによって熱応
力を受けることとなり、これによりある回数の押出加工
を行うと、図4の(A)に示しているように、熱間押出
用ダイス41の内周側にヒートチェックによるクラック
42が発生し、このクラック42が熱間押出用ダイス4
1の耐久寿命を低下させているという問題点があった。
【0004】そして、このようなヒートチェックによる
クラック42がCu熱間押出用ダイス41の内周側に多
数発生すると、これを用いてCuの熱間押出を行ったと
きにクラック42の部分にCuまたはCu合金素材が入
り込み、図4の(B)に示しているように、押出成形品
43のうちマンドレルにより形成される中空孔44の表
面は滑らかに形成されるものの、押出成形品43の外周
部には前記クラック42に起因した多数の突条45が形
成されてしまうこととなるため、使用に耐え得ないもの
になるという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の問題点にか
んがみてなされたものであって、使用時の変形が少な
く、また、耐ヒートチェック性に優れ、耐久寿命の長い
Cu熱間押出用ダイスを提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるCu熱間
押出用ダイスは、請求項1に記載しているように、Cu
またはCu合金押出素材の熱間押出に使用するCu熱間
押出用ダイスにおいて、塑性加工により生ずるファイバ
ーラインがCuまたはCu合金押出素材の押出方向に対
し直交する面内で周方向に流れているものとしたことを
特徴としている。
【0007】そして、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの実施態様においては、請求項2に記載しているよ
うに、成分組成は、Ni:5〜15重量%、Cr:15
〜25重量%、W:10〜25重量%、残部Coおよび
不純物からなる成分組成を有するものとなすことができ
る。
【0008】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの実施態様においては、請求項3に記載しているよ
うに、不純物中のC:0.2重量%以下であるものとす
ることができる。
【0009】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの実施態様においては、請求項4に記載しているよ
うに、常温での硬さがHC≧35であるものとするこ
とができる。
【0010】本発明に係わるCu熱間押出用ダイスの製
造方法は、請求項5に記載しているように、Cuまたは
Cu合金押出素材の熱間押出に使用するCu熱間押出用
ダイスを製造するに際し、略柱状素材を軸方向に据込鍛
造加工してファイバーラインが放射方向に流れている盤
状成形素材とし、次いで前記盤状成形素材に孔あけ加工
することにより中空孔を有する環状成形素材とし、さら
に前記環状成形素材の内周面と外周面を一対の成形ロー
ルにより挟圧しながら周方向にローリング加工してファ
イバーラインが周方向に流れている(すなわち、Cuま
たはCu合金押出素材の押出方向に対し直交する面内で
周方向に流れている)環状のCu熱間押出用ダイスに成
形し、必要により仕上加工を施すようにしたことを特徴
としている。
【0011】そして、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの製造方法の実施態様においては、請求項6に記載
しているように、略柱状素材を円柱形状となすと共に盤
状成形素材を円盤形状となすようにすることができる。
【0012】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの製造方法の実施態様においては、請求項7に記載
しているように、成分組成は、Ni:5〜15重量%、
Cr:15〜25重量%、W:10〜25重量%、残部
Coおよび不純物からなるものとなすことができる。
【0013】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの製造方法の実施態様においては、請求項8に記載
しているように、不純物中のC:0.2重量%以下であ
るものとすることができる。
【0014】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの製造方法の実施態様においては、請求項9に記載
しているように、略柱状素材を据込鍛造加工してファイ
バーラインが放射方向に流れている盤状成形素材とする
際の鍛造加工温度を900〜1150℃とするようにな
すことができる。
【0015】同じく、本発明に係わるCu熱間押出用ダ
イスの製造方法の実施態様においては、請求項10に記
載しているように、盤状成形素材をローリング加工して
ファイバーラインが周方向に流れている環状のCu熱間
押出用ダイスに成形する際のローリング加工温度を90
0〜1150℃とするようになすことができる。
【0016】
【発明の作用】従来のCu熱間押出用ダイスの製造方法
では、基本的に、素材を延伸加工し熱処理することとし
ていたため、鍛流線、すなわち、ファイバーラインは素
材の延伸加工方向に流れているものとなるので、このフ
ァイバーラインはダイスの内周側から外周側に向かって
放射方向に発生しそして進行するヒートチェックに対し
て有効に阻止作用を発揮しないものとなっていた。
【0017】これに対して本発明によるCu熱間押出用
ダイスでは、ファイバーラインをCuまたはCu合金押
出素材の押出方向に対し直交する面内でダイスの周方向
に流れているように、すなわち、ヒートチェックの発生
・進行方向に対して直角方向に向くように配向させてい
るため、ダイスの内周側から外周側に向かって放射方向
に発生しそして進行するヒートチェックに対して有効な
阻止作用を発揮するものとなる。
【0018】本発明において用いる略柱状素材は、ファ
イバーラインが形成されていないものを用いる。より具
体的には、粉末素材から熱間等方圧圧縮(HIP)等に
より製造された焼結体、あるいは、溶湯を凝固させて得
たインゴット等をそのまま、さらには必要に応じて切断
したものなどを用いる。また、上記の焼結体あるいはイ
ンゴットを密度や形状修正などのためにファイバーライ
ンが形成されない程度に軽くプレス等で加工されたもの
を用いる。
【0019】次に、この略柱状素材をその軸方向に据込
鍛造加工して盤状成形素材としたとき、ファイバーライ
ンは放射方向、つまり、中心部から外周側に向かって配
向した状態となる。
【0020】そしてその後孔あけ加工して得た環状成形
素材をローリング加工によって拡径加工すると、ファイ
バーラインは材料の周方向の肉流れによって周方向に配
向した状態となる。つまり、内周側から外周側に向かっ
て発生・進行するヒートチェックに対して直角方向に配
向した状態となる。
【0021】このため、ダイスの使用時において繰り返
し熱応力が働いたとき、ヒートチェックに対して上記周
方向に配向したファイバーラインが大きな抵抗力となっ
て働き、この結果、本発明によるCu熱間押出用ダイス
にあってはこのようなヒートチェックの発生・進行が効
果的に抑制され、耐用寿命が大きく延長したものとな
る。
【0022】本発明においては、上記略柱状素材が円柱
形状をなすものとすることによって、その軸方向の据込
鍛造加工による盤状成形素材が円盤形状をなすものとす
ることが必要に応じて望ましい。
【0023】このようにすれば、盤状成形素材の段階で
これを円環状の成形素材に近い形状をもつものとなすこ
とができ、円環状成形素材を得るに際し盤状成形素材に
対して機械加工を施す必要性をなくすことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を以下に
詳述する。
【0025】図3に示すように、Cu熱間押出用ダイス
10は、外周面および内周面がそれぞれ円形のリング状
をなしており、外径Dが約150mmφ、内径D
約100mmφ、厚みTが約30mmの形状をなしてい
る。また、軸と直角方向の両面が平面形状をなしてい
る。
【0026】図1および図2は上記Cu熱間押出用ダイ
ス10を得るための製造工程を順に示したものである。
【0027】先ず、図1の(I−A)に示しているよう
に、粉末素材の熱間等方圧圧縮(HIP)によって、焼
結体よりなる略柱状素材(一次成形品)1を得る。この
とき、ファイバーラインは存在しない。あるいは、図1
の(I−B)に示しているように、溶湯を凝固させるこ
とによって、インゴットよりなる略柱状素材(一次成形
品)1を得る。このときも、ファイバーラインは存在し
ない。
【0028】次に、略柱状素材1を軸方向に据込鍛造加
工することによって、図1の(II)に示しているよう
に、円盤形状をなす盤状成形素材(二次成形品)2を得
る。このとき、ファイバーラインFは放射方向に配向し
た状態となっている。
【0029】この場合の据込鍛造加工においては、90
0〜1150℃とすることが望ましく、900℃よりも
低いと加工の際の変形抵抗が増大する傾向となるため好
ましくなく、1150℃より高いと成形品の硬度がH
C35を下回る傾向となり、望ましくは1050℃以下
とするのがよい。また、加工終了温度は800℃以下と
することが望ましい。
【0030】その後、中ぐり加工(軸方向の孔あけ加
工)を行うことによって、図1の(III)に示してい
るように、中心部分に中空孔3aを有する円環形状をな
す環状成形素材(三次成形品)3を得る。
【0031】次に、図1の(IV)に示しているよう
に、前記環状成形素材(3)の内周面と外周面を一対の
成形ロールR,Rにより狭圧しながら周方向にロー
リング加工することによって拡径リング形状をなすCu
熱間押出用ダイス(四次成形品)10を得る。
【0032】この場合のローリング加工においては、9
00〜1150℃とすることが望ましく、900℃より
も低いと加工の際の変形抵抗が増大する傾向となるため
好ましくなく、1150℃より高いと成形品の硬度がH
C35を下回る傾向となり、望ましくは1050℃以
下とするのが望ましい。また、加工終了温度は800℃
以上とすることが望ましい。
【0033】このローリング加工に際しては、具体的に
次のようにして行う。すなわち、一対の成形ロール
,Rを用いて前記環状成形素材3を内外両側から
半径方向に狭圧し、成形ロールR,Rを回転させな
がら環状成形素材3を周方向に回すことによって材料を
周方向に肉流れさせて内径および外径の拡径加工を行
う。
【0034】このローリング加工に際して、図1の(I
II)に示したように、環状成形素材3において放射方
向に配向したファイバーラインFは、周方向の肉流れに
よって、図1の(IV)に示しているように、周方向に
配向した状態となる。
【0035】図2の(V)は上記ローリング加工によっ
て得られたCu熱間押出用ダイス10の形状を示したも
のであり、必要に応じては、歪取り焼鈍を行うのもよ
く、あるいはまた、図2の(VI)に示すように、この
ようにして得られたCu熱間押出用ダイス10に対して
最終的な機械仕上加工を施し、図3に示した最終形状,
寸法のCu熱間押出用ダイス10とする。
【0036】本発明によるCu熱間押出用ダイスおよび
その製造方法では、熱間等方圧圧縮(HIP)による焼
結体として、または、溶湯の凝固によるインゴットとし
て、Ni:5〜15重量%、Cr:15〜25重量%、
W:10〜25重量%、残部Coおよび不純物からなる
成分組成を有するものとすることが望ましい。
【0037】この場合、Niは冷間加工性や熱間加工性
を改善するのに有用な成分であり、このような作用を得
るためには5重量%以上とすることが望ましいが、15
重量%よりも多いと耐熱性を低下させるので、5〜15
重量%とするのがよい。
【0038】また、Crは耐熱性や熱間耐酸化性,耐ヒ
ートチェック性を向上するのに有用な成分であり、この
ような作用を得るためには15重量%以上とすることが
望ましいが、25重量%よりも多いと熱間加工性を低下
させるので、15〜25重量%とするのがよい。
【0039】さらに、Wは熱間強度を高め、耐ヒートチ
ェック性を向上するのに有用な成分であり、このような
作用を得るためには10重量%以上とすることが望まし
いが、25重量%よりも多いと熱間加工性や冷間加工性
を低下させるので、10〜25重量%とするのがよい。
【0040】そして、Coはマトリックスとしての熱間
強度および耐ヒートチェック性を向上させる作用がある
ので、残部としている。
【0041】さらに、不純物中において、Cは耐ヒート
チェック性を低下させるので、0.2重量%以下、さら
に望ましくは0.1重量%以下とするのがよい。
【0042】さらにまた、本発明によるCu熱間押出用
ダイスにおいては、常温での硬さがHC35以上であ
るものとすることが望ましく、これによって耐変形性に
より優れたものとなるようにするのが良い。
【0043】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について以下に
説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定され
ないことはいうまでもない。
【0044】[実施例1]Ni:10.5重量%、C
r:19.6重量%、W:18.1重量%、残部Coお
よび不純物よりなり、不純物中のCが0.09重量%で
ある噴霧粉末を素材とし、熱間等方圧圧縮(HIP)に
よって円柱形状をなす略柱状素材(図1の(I−A)中
において、d=90mmφ、l=130mm)1を得
た。なお、このときの熱間等方圧圧縮(HIP)条件
は、温度:1130℃,圧力:1200kgf/c
,時間:3Hrとした。
【0045】次に、前記略柱状素材1に対し軸方向の据
込鍛造加工を行うことによって円盤形状をなす盤状成形
素材(図1の(II)中において、d=160mm
φ、t=42mm)2を得た。なお、このときの据込鍛
造加工の開始温度は1150℃とし、終了温度は800
℃とした。
【0046】次に、前記盤状成形素材2に対して孔あけ
加工を行うことによって中空孔3aを有する環状成形素
材(図1の(III)中において、内径d=50mm
φ)3を得た。
【0047】次いで、前記環状成形素材3に対してロー
リング加工を行うことによってCu熱間押出用ダイス
((図2の(V)中において、外径d=172mm
φ、内径d=82mm,t=40mm)10を得た。
なお、このときのローリング加工の開始温度は950℃
とし、終了温度は800℃とした。
【0048】次に、前記Cu熱間押出用ダイス10に対
し温度:600℃,時間:3Hrの歪取り焼鈍を施した
後、最終の機械仕上加工を施して前記最終形状,寸法で
且つ硬さがHC40であるCu熱間押出用ダイス10
を得た。
【0049】このようにして得られたCu熱間押出用ダ
イス10を用いてCuの熱間押出加工(温度:800
℃,圧力:5000Ton)を実施して外径:100m
m,内径:50mmの銅管を成形したところ、押出回数
630回の押出加工まではヒートチェックが発生しなか
った。
【0050】[実施例2]実施例1において、据込鍛造
加工の開始温度は1150℃とし、終了温度は800℃
とし、また、ローリング加工の開始温度は950℃と
し,終了温度は800℃として、その他は実施例1と同
様にして硬さがHC43であるCu熱間押出用ダイス
10を得た。
【0051】この実施例2において得られたCu熱間押
出用ダイス10を用いてCuの熱間押出加工(温度:8
00℃,圧力:5000Ton)を実施して外径:10
0mm,内径:50mmの銅管を成形したところ、押出
回数700回の押出加工まではヒートチェックが発生し
なかった。なお、実施例2の場合、実施例1の場合に比
べて耐ヒートチェック性がより向上したものとなってい
るが、これは、主に、据込鍛造加工やローリング加工を
行う際の加工温度を実施例1に比べて低い温度としたこ
とによるものと考えられた。
【0052】[比較例1]インコネルX750(Cr:
15.5重量%、Fe:7.0重量%、Al;0.7重
量%、Ti:2.5重量%、残部Niおよび不純物)か
らなるインゴットを素材として用い、このインゴットを
外径160mmφに延伸加工した。
【0053】そして延伸加工材を所定の寸法に切断した
あと一次固溶化熱処理として1140℃×2Hr:WQ
の熱処理を施し、二次固溶化熱処理として845℃×2
4Hr:WQの熱処理を施し、時効処理として720℃
×20Hr:ACの熱処理を施し、その後最終の機械仕
上加工を行って図3に示したものと同じ形状,寸法を有
するCu熱間押出用ダイス(10)を得た。
【0054】このようにして得られたCu熱間押出用ダ
イス(10)を用いてCuの熱間押出加工(温度:80
0℃,圧力:5000Ton)を実施して外径:100
mm,内径:50mmの銅管を成形したところ、押出回
数320回の押出加工でヒートチェックが発生した。
【0055】[実施例3]素材粉末として、Cr:1
5.5重量%、Fe:7.0重量%、Al;0.7重量
%、Ti:2.5重量%、残部Niおよび不純物からな
る噴霧粉末を用い、熱間等方圧圧縮(HIP)条件とし
て、温度:1130℃,圧力:1200kgf/c
,時間:3Hrとしたほかは実施例1と同様にして
硬さがHC40であるCu熱間押出用ダイス10を得
た。
【0056】この実施例3において得られたCu熱間押
出用ダイス10を用いてCuの熱間押出加工(温度:8
00℃,圧力:5000Ton)を実施して外径:10
0mm,内径:50mmの銅管を成形したところ、押出
回数650回の押出加工まではヒートチェックが発生し
なかった。
【0057】
【発明の効果】本発明によるCu熱間押出用ダイスで
は、請求項1に記載しているように、CuまたはCu合
金押出素材の熱間押出に使用するCu熱間押出用ダイス
において、塑性加工により生ずるファイバーラインがC
uまたはCu合金押出素材の押出方向に対し直交する面
内で周方向に流れているものとしたから、ファイバーラ
インはヒートチェックの発生・進行方向に対して直角方
向に向くように配向したものとなっているので、ダイス
の内周側から外周側に向かって放射方向に発生して進行
するヒートチェックに対して有効な阻止作用を発揮する
ものとなり、耐ヒートチェック性に優れたCu熱間押出
用ダイスを提供することが可能であるという著大なる効
果がもたらされる。
【0058】そして、請求項2に記載しているように、
成分組成は、Ni:5〜15重量%、Cr:15〜25
重量%、W:10〜25重量%、残部Coおよび不純物
からなるものとなすことによって、熱間加工性,熱間耐
酸化性,熱間強度に優れ、耐ヒートチェック性にも優れ
た長寿命のCu熱間押出用ダイスを提供することが可能
であるという著大なる効果がもたらされる。
【0059】また、請求項3に記載しているように、不
純物中のC:0.2重量%以下であるものとすることに
よって、耐ヒートチェック性が安定的により一層優れた
Cu熱間押出用ダイスを提供することが可能であるとい
う著大なる効果がもたらされる。
【0060】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、常温での硬さがHC≧35であるものとなすこと
によって、耐変形性にも優れているCu熱間押出用ダイ
スを提供することが可能であるという著大なる効果がも
たらされる。
【0061】本発明によるCu熱間押出用ダイスの製造
方法では、請求項5に記載しているように、Cuまたは
Cu合金押出素材の熱間押出に使用するCu熱間押出用
ダイスを製造するに際し、略柱状素材を軸方向に据込鍛
造加工してファイバーラインが放射方向に流れている盤
状成形素材とし、次いで前記盤状成形素材に孔あけ加工
することにより中空孔を有する環状成形素材とし、さら
に前記環状成形素材の内周面と外周面を一対の成形ロー
ルにより挟圧しながら周方向にローリング加工してファ
イバーラインが周方向に流れている(すなわち、Cuま
たはCu合金押出素材の押出方向に対し直交する面内で
周方向に流れている)環状のCu熱間押出用ダイスに成
形し、必要により仕上加工を施すようにしたから、耐ヒ
ートチェック性に優れたCu熱間押出用ダイスを製造す
ることが可能であるという著大なる効果がもたらされ
る。
【0062】そして、請求項6に記載しているように、
略柱状素材を円柱形状となすと共に盤状成形素材を円盤
形状となすことによって、耐ヒートチェック性に優れた
Cu熱間押出用ダイスを製造することが可能であるとい
う著大なる効果がもたらされる。
【0063】そしてまた、請求項7に記載しているよう
に、成分組成は、Ni:5〜15重量%、Cr:15〜
25重量%、W:10〜25重量%、残部Coおよび不
純物からなるものとなすことによって、熱間加工性,熱
間耐酸化性,熱間強度に優れ、耐ヒートチェック性にも
優れた長寿命のCu熱間押出用ダイスを製造することが
可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0064】さらにまた、請求項8に記載しているよう
に、不純物中のC:0.2重量%以下であるものとする
ことによって、耐ヒートチェック性が安定的により一層
優れたCu熱間押出用ダイスを製造することが可能であ
るという著大なる効果がもたらされる。
【0065】さらにまた、請求項9に記載しているよう
に、略柱状素材を据込鍛造加工してファイバーラインが
放射方向に流れている盤状成形素材とする際の鍛造加工
温度を900〜1150℃とするようになすことによっ
て、熱間強度および耐ヒートチェック性に優れたCu熱
間押出用ダイスを製造することが可能であるという著大
なる効果がもたらされる。
【0066】さらにまた、請求項10に記載しているよ
うに、盤状成形素材をローリング加工してファイバーラ
インが周方向に流れている環状のCu熱間押出用ダイス
に成形する際のローリング加工温度を900〜1150
℃とするようになすことによって、熱間強度および耐ヒ
ートチェック性に優れたCu熱間押出用ダイスを製造す
ることが可能であるという著大なる効果がもたらされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を最終的工程を除いた工程
(I),(II),(III),(IV)に分けて示す
説明図である。
【図2】図1の工程に続く最終的工程を工程(V),
(VI)に分けて示す説明図である。
【図3】Cu熱間押出用ダイスの形状を示す断面説明図
(図3の(A))および斜面説明図(図3の(B))で
ある。
【図4】Cu熱間押出用ダイスにおいてヒートチェック
が発生した状況を示す斜面説明図(図4の(A))およ
びヒートチェックが発生したCu熱間押出用ダイスを用
いて押出加工した押出成形品の説明図である。
【符号の説明】
1 略柱状素材(一次成形品) 2 盤状成形素材(二次成形品) 3 環状成形素材(三次成形品) 10 Cu熱間押出用ダイス(四次成形品) F ファイバーライン R,R 成形ロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21J 5/08 B21J 5/08 Z B23P 15/24 B23P 15/24 // C22C 19/07 C22C 19/07 J

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuまたはCu合金押出素材の熱間押出
    に使用するCu熱間押出用ダイスにおいて、塑性加工に
    より生ずるファイバーラインがCuまたはCu合金押出
    素材の押出方向に対し直交する面内で周方向に流れてい
    ることを特徴とするCu熱間押出用ダイス。
  2. 【請求項2】 成分組成は、Ni:5〜15重量%、C
    r:15〜25重量%、W:10〜25重量%、残部C
    oおよび不純物からなる請求項1に記載のCu熱間押出
    用ダイス。
  3. 【請求項3】 不純物中のC:0.2重量%以下である
    請求項2に記載のCu熱間押出用ダイス。
  4. 【請求項4】 常温での硬さがHC≧35である請求
    項1ないし3のいずれかに記載のCu熱間押出用ダイ
    ス。
  5. 【請求項5】 CuまたはCu合金押出素材の熱間押出
    に使用するCu熱間押出用ダイスを製造するに際し、略
    柱状素材を軸方向に据込鍛造加工してファイバーライン
    が放射方向に流れている盤状成形素材とし、次いで前記
    盤状成形素材に孔あけ加工することにより中空孔を有す
    る環状成形素材とし、さらに前記環状成形素材の内周面
    と外周面を一対の成形ロールにより挟圧しながら周方向
    にローリング加工してファイバーラインが周方向に流れ
    ている(すなわち、CuまたはCu合金押出素材の押出
    方向に対し直交する面内で周方向に流れている)環状の
    Cu熱間押出用ダイスに成形し、必要により仕上加工を
    施すことを特徴とするCu熱間押出用ダイスの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 略柱状素材を円柱形状となすと共に盤状
    成形素材を円盤形状となす請求項5に記載のCu熱間押
    出用ダイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 成分組成は、Ni:5〜15重量%、C
    r:15〜25重量%、W:10〜25重量%、残部C
    oおよび不純物からなる請求項5または6に記載のCu
    熱間押出用ダイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 不純物中のC:0.2重量%以下である
    請求項7に記載のCu熱間押出用ダイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 略柱状素材を据込鍛造加工してファイバ
    ーラインが放射方向に流れている盤状成形素材とする際
    の鍛造加工温度を900〜1150℃とする請求項5な
    いし8のいずれかに記載のCu熱間押出用ダイスの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 盤状成形素材をローリング加工してフ
    ァイバーラインが周方向に流れている環状のCu熱間押
    出用ダイスに成形する際のローリング加工温度を900
    〜1150℃とする請求項5ないし9のいずれかに記載
    のCu熱間押出用ダイスの製造方法。
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