JP2000014373A - 食品の保存及び流通方法、および包装材料 - Google Patents

食品の保存及び流通方法、および包装材料

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JP2000014373A
JP2000014373A JP10186392A JP18639298A JP2000014373A JP 2000014373 A JP2000014373 A JP 2000014373A JP 10186392 A JP10186392 A JP 10186392A JP 18639298 A JP18639298 A JP 18639298A JP 2000014373 A JP2000014373 A JP 2000014373A
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hydroxybenzoate
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JP10186392A
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English (en)
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Shinya Ochiai
信哉 落合
Yae Ohigata
野枝 大日方
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内面に抗菌剤を添加した包装材料、低温流通、
加熱殺菌等による食品中の初期菌数の低減を組み合わせ
て用いることにより、それぞれ単独で用いるよりも、コ
ストが低減が可能であり、効率的に微生物による品質の
低下を防止可能な品質保持技術を提供することを目的と
する。 【解決手段】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
料が、少なくとも4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、4−ヒド
ロキシ安息香酸プロピルエステル、4−ヒドロキシ安息
香酸ブチル等の安息香酸エステルエステル類の中から選
ばれた単独、または複数の物質を0.1%から1.0%
含むことを特徴とする包装材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の、保存、流
通方法、およびこれらに使用する容器に関するものであ
る。更に詳しくは、加熱殺菌により風味が低下する食品
の、保存、流通方法、およびこれらに使用する容器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食品は、通常、食品は加熱、加圧
等による殺菌処理、低温流通や低温保存等により、微生
物による変敗を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】食品の加熱殺菌方法
は、包装した食品を加熱するボイル殺菌、レトルト殺
菌、また、UHT殺菌法等により殺菌した後、充填、密
封する方法がある。これらの加熱処理により、微生物に
よる変敗を防止し、食品の品質保持期間が延長される
が、一方、加熱により食品の味、香、色調などの風味が
失われることが広く知られている。
【0004】また、200メガパスカル以上の圧力を利
用して食品を殺菌する、いわゆる超高圧殺菌が開発され
ており、生の風味を活かした殺菌方法としてジャム等の
殺菌に使用されている。しかし、細菌芽胞の殺菌ができ
ないこと、殺菌処理装置が高価な為、広く使用されるま
でには至っていない。
【0005】一方、微生物が増殖できない温度(一般に
は10℃)以下に品温を保持して流通させる低温流通が
行われているが、製造段階から料理段階まで、10℃よ
り品温が上昇するおそれがあり、また10℃以下で増殖
可能な耐低温菌または好冷菌が多数報告されており、万
能な微生物による品質劣化防止法とは言えない。
【0006】これに対し、包装材料の内面(食品と接触
する面)に抗菌剤を添加し、微生物の活動を阻害し、食
品の品質を保持する方法が開発されている。
【0007】しかしながら、この様な包装材料の内面に
抗菌剤を添加した包装材料のみで品質を保持する場合に
は、多量の抗菌剤の添加が必要である。
【0008】例えば、本発明者らの研究によれば、内面
を形成するポリエチレンに、ゼオライトに銀イオンを担
持させた抗菌剤を、銀イオンとして0.1,0.2,
0.5,1.0,2.0%含むように練り込んだ積層フ
ィルムで、内面積が70平方センチメートルとなるよう
に袋を作製し、この袋に、100個/mlの枯草菌を植
菌した普通ブイヨンを10ml充填、密封し、25℃環
境下で保存したところ、枯草菌の増殖を阻害できたの
は、銀イオンとして2.0%含むように抗菌剤を添加し
た袋に充填したもののみであった。
【0009】以上の様に、本発明者らの研究によれば、
包装材料の内面に抗菌剤を添加した包装材料のみで食品
中の微生物の増殖を抑制し、品質を保持する為には、多
量の抗菌剤の添加が必要であり、経済的ではない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、内面に抗
菌剤を添加した包装材料、低温流通、加熱殺菌等による
食品中の初期菌数の低減を組み合わせて用いることによ
り、それぞれ単独で用いるよりも、コストが低減が可能
であり、効率的に微生物による品質の低下を防止可能な
品質保持技術を見いだした。
【0011】本発明に利用可能な抗菌剤としては、前述
の銀イオンを無機担持体に担持した抗菌剤の他、4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチル(図1)、4−ヒドロキシ安息
香酸エチル(図2)、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル
(図3)、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル(図4)等の
安息香酸エステル類を酸化亜鉛などの無機担持体に担持
させた抗菌剤、チアベンダゾール(2−(4−チアゾイ
ル)−ベンツイミダゾール)(図6)、オルトフェニル
フェノール(図7)等が利用可能である。
【0012】本発明におけるこれらの抗菌剤の添加濃度
としては、銀系抗菌剤の場合は銀または銀イオンとして
0.02% から0.2%、安息香酸エステル類は安息
香酸エステル類として0.1%から1.0%、チアベン
ダゾールは0.1 から1.0%、オルトフェニルフェ
ノールは0.1%から1.0%が適当である。これより
少ないと所望の効果が得られず、また多いと包装材料の
ヒートシール強度、引張強度、透明性などの諸物性が低
下し、また、経済性に欠ける。
【0013】本発明における流通温度は15℃以下であ
り、通常の低温流通温度である10℃以下よりも経済的
である。下限温度は、凍結、低温障害等を起こさない温
度であれば良い。
【0014】本発明では、必要において初期菌数の制御
を行う。一般的には加熱による殺菌が効率的であり、そ
の目的は微生物の数を1グラムあたり104 個以下にす
れば良く、商業的無菌状態を得るための加熱では無い
為、温和な加熱条件で良く、加熱による風味の劣化のお
それがない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
説明する。
【0016】本発明による包装材料は、ヒートシール性
を有するポリオレフィンに添加し、ポリプロピレン、ナ
イロン、ポリエステル等の基材フィルムに積層したもの
が利用可能である。
【0017】また、発泡ポリスチレン容器に添加し、さ
らに塩化ビニリデンフィルムのような密着性を有するフ
ィルムに添加し、組み合わせて用いてもよい。
【0018】食品の初期菌数が1グラムあたり104
を越える場合には、加熱処理などにより104 個以下に
する。方法としては、前記包装材料に充填、密封した
後、ボイル殺菌等の加熱などを行う方法が利用可能であ
る。菌数を通常の加熱殺菌のレベルにまで減らす必要が
ないので、温和な条件での処理が可能であり、食品の風
味を劣化させるおそれがない。また、熱交換器等により
加熱処理後、前記包装材料に充填、密封する方法も有
り、菌数を通常の加熱殺菌のレベルにまで減らす必要が
なく、ホット充填を行う必要も無いので、食品の風味を
劣化させるおそれがない。また、無菌充填機のような大
がかりな装置の必要がないので、経済的である。
【0019】品温を15℃以下に保持したまま保存、流
通を行うには、現在の低温流通システムが利用可能であ
るが、品温の上限が、現行の10℃と比べ15℃で有る
ため、経済的である。
【0020】
【実施例】(実施例1)枯草菌(Bacillus s
ubtilis IAM1026)を普通ブイヨン中
で、12時間培養し、さらに滅菌済み普通ブイヨンで希
釈し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよ
うに調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成
するポリエチレンに、銀イオンをゼオライトに2.5%
担持させた抗菌剤を練り込んだ包装材料(内面積:70
平方センチメートル)に10グラムずつ充填し、ヒート
シールにて密封した。
【0021】さらに一部は、50℃の温水中で4分間加
熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とした。
【0022】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数を標準寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】銀イオン添加濃度が0.025%から0.
2%(銀置換ゼオライト濃度として1%から8%)の間
では保存温度を15℃以下にすれば、枯草菌の増殖を阻
害することが確認できた。また、ヒートシール強度、引
張強度、透明性共に対照品と比較し低下は認められなか
った。一方、銀イオン添加濃度が1%(銀置換ゼオライ
ト濃度として40%)では、20℃保存でも枯草菌の増
殖を阻害することが確認できたが、ヒートシール強度、
引張強度、透明性共に対照品と比較し明らかな低下が認
められた。
【0025】(実施例2)枯草菌(Bacillus
subtilis IAM1026)を普通ブイヨン中
で、12時間培養し、さらに滅菌済み普通ブイヨンで希
釈し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよ
うに調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成
するポリエチレンに、安息香酸エステル類として、4−
ヒドロキシ安息香酸プロピルおよび4−ヒドロキシ安息
香酸ブチルの等量混合品を酸化亜鉛に25% 吸着させ
た抗菌剤を練り込んだ包装材料(内面積:70平方セン
チメートル)に10グラムずつ充填し、ヒートシールに
て密封した。
【0026】さらに一部は、50℃の温水中で4分間加
熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とした。
【0027】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数を標準寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。
【0028】結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】安息香酸エステル類添加濃度が0.1%か
ら1%(抗菌剤濃度として0.4%から4%)の間では
保存温度を15℃以下にすれば、枯草菌の増殖を阻害す
ることが確認できた。また、ヒートシール強度、引張強
度、透明性共に対照品と比較し低下は認められなかっ
た。
【0031】一方、安息香酸エステル類添加濃度が10
%(抗菌剤濃度として40%)では、20℃保存でも枯
草菌の増殖を阻害することが確認できたが、ヒートシー
ル強度、引張強度、透明性共に対照品と比較し明らかな
低下が認められた。
【0032】(実施例3)枯草菌(Bacillus
subtilis IAM1026)を普通ブイヨン中
で、12時間培養し、さらに滅菌済み普通ブイヨンで希
釈し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよ
うに調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成
するポリエチレンに、安息香酸エステル類として、4−
ヒドロキシ安息香酸メチルを酸化亜鉛に25%吸着させ
た抗菌剤を練り込んだ包装材料(内面積:70平方セン
チメートル)に10グラムずつ充填し、ヒートシールに
て密封した。
【0033】さらに一部は、50℃の温水中で4分間加
熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とした。
【0034】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数を標準寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。結果を表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】4−ヒドロキシ安息香酸メチル添加濃度が
0.1%から1%(抗菌剤濃度として0.4%から4
%)の間では保存温度を15℃以下にすれば、枯草菌の
増殖を阻害することが確認できた。また、ヒートシール
強度、引張強度、透明性共に対照品と比較し低下は認め
られなかった。
【0037】一方、4−ヒドロキシ安息香酸メチル添加
濃度が10%(抗菌剤濃度として40%)では、20℃
保存でも枯草菌の増殖を阻害することが確認できたが、
ヒートシール強度、引張強度、透明性共に対照品と比較
し明らかな低下が認められた。
【0038】(実施例4)枯草菌(Bacillus
subtilis IAM1026)を普通ブイヨン中
で、12時間培養し、さらに滅菌済み普通ブイヨンで希
釈し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよ
うに調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成
するポリエチレンに、安息香酸エステル類として、4−
ヒドロキシ安息香酸エチルを酸化亜鉛に25%吸着させ
た抗菌剤を練り込んだ包装材料(内面積:70平方セン
チメートル)に10グラムずつ充填し、ヒートシールに
て密封した。
【0039】さらに一部は、50℃の温水中で4分間加
熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とした。
【0040】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数を標準寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。結果を表4に示した。
【0041】
【表4】
【0042】4−ヒドロキシ安息香酸エチル添加濃度が
0.1%から1%(抗菌剤濃度として0.4%から4
%)の間では保存温度を15℃以下にすれば、枯草菌の
増殖を阻害することが確認できた。また、ヒートシール
強度、引張強度、透明性共に対照品と比較し低下は認め
られなかった。
【0043】一方、4−ヒドロキシ安息香酸エチル添加
濃度が10%(抗菌剤濃度として40%)では、20℃
保存でも枯草菌の増殖を阻害することが確認できたが、
ヒートシール強度、引張強度、透明性共に対照品と比較
し明らかな低下が認められた。
【0044】(実施例5)食品中より分離した酵母(S
accharomyces cerevisiae I
AM4125)をブドウ糖ペプトン培地中で、72時間
培養し、さらに滅菌済みブドウ糖ペプトン培地で希釈
し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよう
に調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成す
るポリエチレンに、チアベンダゾールを練り込んだ包装
材料(内面積:70平方センチメートル)に10グラム
ずつ充填し、ヒートシールにて密封した。
【0045】さらに一部は、54℃の温水中で10分間
加熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とし
た。
【0046】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数をYM寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。結果を表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】チアベンダゾール添加濃度が0.1%から
1.0%の間では保存温度を15℃以下にすれば、酵母
の増殖を阻害することが確認できた。また、ヒートシー
ル強度、引張強度、透明性共に対照品と比較し低下は認
められなかった。
【0049】一方、チアベンダゾール添加濃度が10%
では、20℃保存でも酵母の増殖を阻害することが確
認できたが、対照品と比較し黄変が認められ、また、ヒ
ートシール強度、引張強度、透明性共に低下が認められ
た。
【0050】(実施例6)枯草菌(Bacillus
subtilis IAM1026)を普通ブイヨン中
で、12時間培養し、さらに滅菌済み普通ブイヨンで希
釈し、1グラムあたりおおよそ104 個の菌数となるよ
うに調整した。これを内面(培地と接触する層)を形成
するポリエチレンに、オルトフェニルフェノールを練り
込んだ包装材料(内面積:70平方センチメートル)に
10グラムずつ充填し、ヒートシールにて密封した。
【0051】さらに一部は、50℃の温水中で4分間加
熱し、菌数を1グラムあたりおおよそ102 個とした。
【0052】次に、それぞれを温度条件の異なる環境中
で保存し、72時間後の菌数を標準寒天培地を用いた混
釈法にて計測した。
【0053】結果を表6に示した。
【0054】
【表6】
【0055】オルトフェニルフェノール添加濃度が0.
1%から1%の間では保存温度を15℃以下にすれば、
枯草菌の増殖を阻害することが確認できた。また、ヒー
トシール強度、引張強度、透明性共に対照品と比較し低
下は認められなかった。
【0056】一方、オルトフェニルフェノール添加濃度
が10%では、20℃保存でも枯草菌の増殖を阻害する
ことが確認できたが、ヒートシール強度、引張強度、透
明性共に対照品と比較し明らかな低下が認められた。
【0057】(実施例7)塩化ビニリデンコート二軸延
伸ナイロンフィルムとシーラント層(食品と接触する
層)である低密度ポリエチレンを積層した包装材料の低
密度ポリエチレンに、銀イオンを2.5%担持させたゼ
オライト(銀置換ゼオライト)を2%添加した。これに
麺つゆ(一般生菌数103 個/グラム)を充填、密封
し、15℃で保存し、14日後の一般生菌数を測定し
た。同様に銀置換ゼオライト未添加品についても行っ
た。その結果、銀置換ゼオライト添加品においては、1
3 個/グラムであり、微生物の増殖を阻害していた
が、未添加品においては107 個/グラムであり、腐敗
していた。
【0058】(実施例8)塩化ビニリデンコート二軸延
伸ナイロンフィルムとシーラント層(食品と接触する
層)である低密度ポリエチレンを積層した包装材料の低
密度ポリエチレンに、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル
および4−ヒドロキシ安息香酸ブチルの等量混合品を酸
化亜鉛に25% 吸着させた抗菌剤を1%添加した。こ
れに麺つゆ(一般生菌数103 個/グラム)を充填、密
封し、15℃で保存し、14日後の一般生菌数を測定し
た。同様にこの抗菌剤未添加品についても行った。その
結果、抗菌剤添加品においては、103 個/グラムであ
り、微生物の増殖を阻害していたが、未添加品において
は107 個/グラムであり、腐敗していた。
【0059】(実施例9)塩化ビニリデンコート二軸延
伸ナイロンフィルムとシーラント層(食品と接触する
層)である低密度ポリエチレンを積層した包装材料の低
密度ポリエチレンに、チアベンダゾールを0.5%添加
した。これにキュウリ浅漬け(初期菌数10 4 個/g)
を充填、密封し、15℃で保存し、観察した。同様にチ
アベンダゾール未添加品についても行った。その結果、
チアベンダゾール未添加品においては、5日後にガス発
生により破袋したのに比べ、チアベンダゾール添加品に
おいては、14日後まで観察したが、ガス発生は認めら
れなかった。
【0060】(実施例10)塩化ビニリデンコート二軸
延伸ナイロンフィルムとシーラント層(食品と接触する
層)である低密度ポリエチレンを積層した包装材料の低
密度ポリエチレンに、オルトフェニルフェノールを0.
5%添加した。これに麺つゆ(一般生菌数103 個/グ
ラム)を充填、密封し、15℃で保存し、14日後の一
般生菌数を測定した。同様にオルトフェニルフェノール
未添加品についても行った。その結果、オルトフェニル
フェノール添加品においては、103 個/グラムであ
り、微生物の増殖を阻害していたが、未添加品において
は107 個/グラムであり、腐敗していた。
【0061】なお、化1は4−ヒドロキシ安息香酸メチ
ルの化学式、化2は4−ヒドロキシ安息香酸エチルの化
学式、化3は4−ヒドロキシ安息香酸プロピルの化学
式、化4は4−ヒドロキシ安息香酸ブチルの化学式、化
5はチアベンダゾール(2−(4−チアゾイル)−ベン
ツイミダゾール)の化学式、化6はオルトフェニルフェ
ノールの化学式である。
【0062】
【化1】
【0063】
【化2】
【0064】
【化3】
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
【化6】
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明は、温和な初期菌
数の制御、包装材料への若干の抗菌剤の添加、通常より
高い15℃以下という保存・流通温度を組み合わせるこ
とにより、それぞれ単独で食品中の微生物の増殖を制御
するよりも、経済的に制御が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E067 AB01 BA12A BB14A CA24 EE32 GC05 4B021 LA17 LA24 LP10 MC01 MK02 MK08 MK17 MK21 MK25 MP10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも食品の内容物に接する面に抗菌
    性を有する包装材料を用いて包装し、初期菌数を食品1
    グラムあたり104 個以下になるように制御し、品温を
    15℃以下に保持したまま、保存を行う事を特徴とす
    る、食品の保存方法。
  2. 【請求項2】少なくとも食品などの内容物に接する面に
    抗菌性を有する包装材料が、銀イオンを無機担持体に担
    持した抗菌剤を銀イオンとして0.02%から0.2%
    含むことを特徴とする請求項第1項記載の食品の保存方
    法。
  3. 【請求項3】少なくとも食品の内容物に接する面に抗菌
    性を有する包装材料を用いて包装し、初期菌数を食品1
    グラムあたり104 個以下になるように制御し、品温を
    15℃以下に保持したまま流通を行う事を特徴とする食
    品の流通方法。
  4. 【請求項4】少なくとも食品などの内容物に接する面に
    抗菌性を有する包装材料が、銀イオンを無機担持体に担
    持した抗菌剤を銀イオンとして0.02%から0.2%
    含むことを特徴とする請求項第3項記載の食品の流通方
    法。
  5. 【請求項5】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
    料が、少なくとも4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステ
    ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、4−ヒド
    ロキシ安息香酸プロピルエステル、4−ヒドロキシ安息
    香酸ブチル等の安息香酸エステルエステル類の中から選
    ばれた単独、または複数の物質を0.1%から1.0%
    含むことを特徴とする請求項第1項記載の食品の保存方
    法。
  6. 【請求項6】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
    料が、少なくとも4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステ
    ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、4−ヒド
    ロキシ安息香酸プロピルエステル、4−ヒドロキシ安息
    香酸ブチル等の安息香酸エステルエステル類の中から選
    ばれた単独、または複数の物質を0.1%から1.0%
    含むことを特徴とする請求項第3項記載の食品の流通方
    法。
  7. 【請求項7】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
    料が、少なくとも4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステ
    ル、4−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、4−ヒド
    ロキシ安息香酸プロピルエステル、4−ヒドロキシ安息
    香酸ブチル等の安息香酸エステルエステル類の中から選
    ばれた単独、または複数の物質を0.1%から1.0%
    含むことを特徴とする包装材料。
  8. 【請求項8】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
    料が、少なくともチアベンダゾール(2−(4−チアゾ
    イル)−ベンツイミダゾール)を0.1%から1.0%
    含むことを特徴とする請求項第1項記載の食品の保存方
    法。
  9. 【請求項9】内容物に接する面に抗菌性を有する包装材
    料が、少なくともオルトフェニルフェノールを0.1%
    から1.0%含むことを特徴とする請求項第3項記載の
    食品の流通方法。
  10. 【請求項10】内容物に接する面に抗菌性を有する包装
    材料が、少なくともチアベンダゾール(2−(4−チア
    ゾイル)−ベンツイミダゾール)を0.1%から1.0
    %含むことを特徴とする請求項第5項記載の包装材料。
  11. 【請求項11】内容物に接する面に抗菌性を有する包装
    材料が、少なくともオルトフェニルフェノールを0.1
    %から1.0%含むことを特徴とする請求項第1項記載
    の食品の保存方法。
  12. 【請求項12】内容物に接する面に抗菌性を有する包装
    材料が、少なくともチアベンダゾール(2−(4−チア
    ゾイル)−ベンツイミダゾール)を0.1%から1.0
    %含むことを特徴とする請求項第3項記載の食品の流通
    方法。
  13. 【請求項13】内容物に接する面に抗菌性を有する包装
    材料が、少なくともオルトフェニルフェノールを0.1
    %から1.0%含むことを特徴とする請求項第5項記載
    の包装材料。
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