JP2000009990A - 自動焦点検出装置及びこの装置を備えた撮像装置 - Google Patents

自動焦点検出装置及びこの装置を備えた撮像装置

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JP2000009990A
JP2000009990A JP18824298A JP18824298A JP2000009990A JP 2000009990 A JP2000009990 A JP 2000009990A JP 18824298 A JP18824298 A JP 18824298A JP 18824298 A JP18824298 A JP 18824298A JP 2000009990 A JP2000009990 A JP 2000009990A
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Yasushi Noda
裕史 野田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の側距ラインを一つの側距視野に備える
ように構成すると、光電変換素子の増加に比例して該光
電変換素子の出力に対する補正処理量も増加し、小型
化、省電力化が望まれる撮像装置などの小型機器の小規
模な処理システムでは、充分な側距処理速度を確保する
ことができないという課題があった。 【解決手段】 光電変換素子の画素出力への補正と、測
距光学系の光学特性による測距結果の補正とを、画面上
の複数の測距視野に対し異なる補正情報を持つ自動焦点
検出装置で、一つの測距視野に焦点を検知する測距ライ
ンが複数あるとき、光電変換素子の特性に依存する補正
は各測距ライン毎に持つが、測距光学系の特性の補正は
複数の測距ラインをまとめた各測距視野毎に持ち、補正
に関わる情報量と演算量を少なくするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動焦点検出装置及
びこの装置を備えたカメラ等の撮像装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、一眼レフレックスカメラの自動焦
点検出装置として、撮影画面内の複数の測距視野におい
て、焦点検出が可能な装置が多く提案されている。例え
ば、図17(a)、18(a)は自動焦点検出を行う範
囲を示す画面上の複数の測距視野αと測距ラインlの関
係を示す図である。
【0003】図17(b)は、図17(a)の測距視野
αの位置に対応して、光電変換素子の画素列で構成され
た測距ラインlがどのように配置されているかを説明す
るための概念図であり、画面と実際の測距ラインlの長
さなどは正確には対応していない。そして、カメラの操
作時にファインダーから見える画面は図17(a)であ
る。
【0004】上記のように、撮影画面内の広い範囲に多
数の測距視野αを焦点検出領域として備える装置の具体
的な構成としては、たとえば、特開平05−15015
5号公報、特開平05−056355号公報などにエリ
アセンサを用いた自動焦点検出装置として、詳しく記載
されている。エリアセンサを用いた自動焦点検出装置で
は、図18(a)に示したように、画面の縦横の中心線
上以外の位置にも測距視野αを設けることが可能であ
る。そのため、多くの測距視野αを画面内に配置でき
る。図18(b)は、図18(a)の測距視野αの位置
に対応して、光電変換素子の画素列で構成された複数の
測距ラインlがどのように配置されているかを説明する
ための概念図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動焦点検出装
置は以上のように構成されているので、複数の焦点検出
領域、つまり、複数の測距視野αを備えた場合、その各
々の測距視野αに対応した複数の光電変換素子の数、い
わゆる測距画素数が増加する。これに伴ない従来これら
の画素に対して行ってきた補正処理量も増加する。
【0006】焦点検出領域を広範囲に広げたことによる
測距視野αの増加に加え、上記特開平05−05635
5号公報にあるような複数の測距ライン(図17及び図
18参照)を一つの測距視野に備えるような構成にする
ことによって、焦点検出時に取り扱う光電変換素子の数
が飛躍的に多くなる。
【0007】光電変換素子の数の増加に比例して、焦点
検出に先立って光電変換素子の出力に対して行う補正処
理量も増加する。また、測距ラインが増加するので、各
測距ライン出力の処理量も増すこととなる。
【0008】上記の特開平05−150155号公報、
特開平05−056355号公報に開示された発明は、
エリアセンサを用いた自動焦点検出装置を構成するにあ
たり、必要な補正手段を備えたことを特徴としている
が、補正に使用するマイクロプロセッサの計算能力や記
憶容量による制約を回避することについては何ら言及さ
れていない。
【0009】ここで、測距ラインlとは、光電変換素子
の画素を一列に並べたものであり、測距光学系の二次結
合レンズによってその上に像が投影されたとき、光電変
換素子の画素出力により測距ライン上の像情報を検出で
きるものである。また、測距視野αとは、カメラなどで
撮影対象となる画面内にて、被写体をその中に捉えるこ
とによって、上記測距ラインで測距可能となる領域であ
る。
【0010】次に、本書において用いる補正の名称につ
いて簡単に説明する。
【0011】光電変換素子の出力に対して行う補正処理
には、暗電流補正と感度ムラ補正がある。ここでは、画
素毎の感度ムラ補正と同時に測距光学系の補正である周
辺光量落ち補正の特性を融合しているので、以後は感度
ムラ補正と周辺光量落ち補正を合わせたものとしてシェ
ーディング補正と呼び、光電変換素子の画素毎の特性に
関する補正として扱う。また、暗電流補正についてはダ
ーク補正と以下では言い換える。
【0012】これらの補正を経た光電変換素子の出力に
基づいて算出されたプレディクション値を用いてデフォ
ーカス値を求めるが、この時、測距ライン出力毎に測距
光学系の二次結像レンズの位置による補正と、測距ライ
ン上に測距光学系が結ぶ像の位置と焦点調節機構の変位
の関係に対する補正とを加える。これを光電変換素子上
の測距ライン毎の補正と分類する。
【0013】また、上記測距光学系の二次結像レンズの
位置による補正を以降G値補正と称し、上記測距光学系
が結ぶ像の位置と焦点調節機構の変位の関係に対する補
正を以降K値補正と称する。
【0014】これらの補正を測距ラインと光電変換素子
を一対一に対応して行うと、次のような課題が生じる。
【0015】まず、光電変換素子が高集積化されるとと
もに、画素の欠陥などの不具合が発生する割合が高くな
る。それらの欠陥がない光電変換素子を得ようとする
と、光電変換素子の製造プロセスにおける歩留まりが悪
化し、コストの上昇につながる。そこで、上記のよう
に、測距視野一つについて複数の測距ラインを用意する
ような構成をとることで、欠陥画素の影響による情報の
欠落をバックアップすることが考えられている。
【0016】この考えに従って、焦点検出領域を広範囲
にするために、例えば測距視野αを3つ「図17
(a)」から9つ「図18(b)」と3倍にした時、前
述の公報の発明のように一つの測距視野αに対して複数
の測距ラインlを用意すると、測距ラインlが4組から
20組に増加して5倍になり、測距視野αの増加以上に
測距ラインlは増える。
【0017】これは、演算能力と補正値記憶容量の急激
な増加を必要とする構成となり、小型化・省電力化が望
まれるカメラ等の撮像機器の小規模な処理システムで
は、充分な測距処理速度を確保することが困難になると
いう課題があった。
【0018】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、焦点検出領域を広範囲とするために
測距視野を増やしても、演算負荷と補正値記憶容量の増
加を抑制することのできる自動焦点検出装置及びこの装
置を備えた撮像装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の自動焦点検出装
置及びこの装置を備えた撮像装置は次のような構成を有
することを特徴とする。
【0020】(1)画面内の任意の位置にある測距視野
の一つに対して複数の測距ラインを光電変換素子で構成
した自動焦点検出装置において、上記光電変換素子の特
性に関する補正は上記測距ラインの一測距ライン出力毎
に異なるものを適用し、上記光電変換素子上に像を形成
する測距光学系の特性に関する補正は同一測距視野に属
する異なる上記測距ライン間で共通のものを使用するこ
とを特徴とする自動焦点検出装置。
【0021】(2)上記測距光学系の特性に関する補正
がデフォーカス演算における測距光学系の二次結像レン
ズの光学的配置及び特性についての補正であることを特
徴とする請求項1記載の自動焦点検出装置。
【0022】(3)画面内の任意の位置にある測距視野
の一つに対して複数の測距ラインを光電変換素子で構成
した自動焦点検出装置において、感度ムラ補正と暗電流
補正は上記光電変換素子の画素毎に行い、上記光電変換
素子上に像を形成する測距光学系の二次結像レンズの光
学的配置及び特性についての補正は同一測距視野に属す
る異なる上記測距ラインが共通のものを使用することを
特徴とする自動焦点検出装置。
【0023】(4)測距光学系は絞りの開口部を対物レ
ンズ射出瞳付近に結像する楕円サブミラーと、前記絞り
の開口部を透過した光を受光する複数のレンズを有する
二次結像レンズと、測距点と見られる測距視野の中に複
数の測距ラインが同一被写体を検知する光電変換素子と
からなることを特徴とする請求項1から請求項3のうち
のいずれか1項記載の自動焦点検出装置。
【0024】(5)測距光学系の補正値は複数の測距ラ
インで共通に利用することを特徴とする請求項1から請
求項3のうちのいずれか1項記載の自動焦点検出装置。
【0025】(6)請求項1から請求項5のうちのいず
れか1項記載の自動焦点検出装置を備えた撮像装置。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
について詳細に説明する。
【0027】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1に係る測距光学系LMの斜視図である。図1におい
て、SMは楕円サブミラーであり、フィールドレンズの
役割に代えた働きをするため、楕円曲面となっている。
DPは絞りであり、中心部には開口部DPー1が設けら
れている。前記楕円サブミラーSMは開口部DPー1を
不図示の対物レンズ射出瞳付近に結像する作用を有して
いる。AFLは2対計4つのレンズAFL−1a,AF
L−1b,AFL−2a,AFL−2bから成る二次結
像レンズであり、絞りDPの開口部DPー1に対応し
て、その後方に配置されている。
【0028】SNSは2対計4つのセンサ面SNS−1
a,SNS−1b,SNS−2a,SNS−2bから成
るエリアセンサであり、各二次結像レンズAFL−1
a,AFL−1b,AFL−2a,AFL−2bに対応
してその像を受光するように配置されている。このエリ
アセンサAFLを光電変換素子とする構成をとること
で、光学的な画像情報を電子的な画像情報に変換し、処
理する。
【0029】この図1に示す測距光学系LMでは、撮影
レンズの焦点がフィルム面より前方にある場合、各セン
サ列対上に形成される被写体像は互いに近づいた状態に
なり、焦点が後方にある場合には、被写体像は互いに離
れた状態になる。この被写体像の相対位置変位量は撮影
レンズの焦点外れ量と特定の関数関係にあるため、各セ
ンサ列対でそのセンサ出力に対してそれぞれ適当な演算
を施せば、撮影レンズの焦点外れ量、いわゆるデフォー
カス量を検出する事が出来る。このようなセンサ列のこ
とを、本発明では以下、測距ラインと称する。
【0030】上記のような構成をとることにより、不図
示の対物レンズにより撮影または観察される範囲の中心
付近では、光量分布が上下または左右の一方向にのみ変
化するような物体に対しても測距することが可能とな
り、中心周辺の開口部DPー1にある物体に対して測距
することが出来る。
【0031】図2は図1の測距光学系LMを備えた一眼
レフレックスカメラの光学系配置図である。図におい
て、LNSは撮影レンズ、QRMはクイックリターンミ
ラー、FSCRNは焦点板、PPはペンタプリズム、E
PLは接眼レンズ(アイピース)、FPLNはフィルム
面、SMは楕円サブミラー、RM1、RM2は反射ミラ
ー、DPは絞り、AFLは二次結像レンズ、SNSは図
1に示したエリアセンサである。STPは楕円サブミラ
ーSMとクイックリターンミラーQRMの機構の停止位
置を決定している拘束部材である。
【0032】焦点調節時には、上記クイックリターンミ
ラーQRMが拘束部材STPにより位置を拘束されるよ
うに固定されることで、付随する楕円サブミラーSMの
位置も固定され、測距に際しての光学系可動部の位置決
めが行える。なお、赤外線カットフィルタ、センサ上の
カバーガラス及び受光面など、光学的な性能を満足させ
る詳細な部品構成については説明を省略する。
【0033】使用者は、クイックリターンミラーQRM
が撮影レンズLNSを通る光束を反射することにより、
接眼レンズEPLから焦点板FSCRNに結像する(ま
たは空中像として見える)映像を撮影範囲として確認す
ることが可能で、このとき焦点板FSCRN上に見える
撮影範囲の画像を以下本発明では、画面と称する。
【0034】次に図17、図18を用いて測距視野αと
測距ラインlの関係の相違について説明する。
【0035】図17では、測距視野αに対して測距ライ
ンlが一対一に対応している。そのため、測距視野別に
行う補正と測距ライン(光電変換素子の画素)ごとに行
う補正をまとめて測距視野単位ごとに行っていた。例え
ば測距視野αに対して測距動作を取る時に、測距視野α
についてダーク補正値DαA、DαBとシェーディング
補正値SαA、αBを求め、さらに、測距視野αについ
てのK補正値Kα、G補正値Gαを施す、という処理に
なる。
【0036】これに対し、図18では、測距視野αに対
して測距ラインlが複数対応している。そのため、測距
視野別に行う測距と測距ラインlごとに行う補正を別に
する。例えば測距視野αに対して測距動作を取る時に
は、測距ラインα−1とα−2について測距ラインごと
に光電変換素子の特性上の補正であるダーク補正とシェ
ーディング補正を行う。その補正値が各測距ラインごと
のダーク補正値DαAー1、DαAー2、DαBー1、
DαBー2、シェーディング補正値SαAー1、SαA
1ー2、SαBー1、SαBー2である。
【0037】これと別に、測距視野αでの測距光学系の
特性に関する補正では、測距ラインα−1とαー2につ
いて同じ補正値を使用する。この場合、同一測距視野α
に異なる測距ラインl−1、l−2が複数あるというこ
とは、複数の測距ラインl−1、l−2の位置が画面内
の一つの測距視野αの範囲に含まれているということで
ある。このため、測距光学系に関する補正は両方の測距
ラインlで共通に行って差し支えない。測距視野αにつ
いてK補正値Kα、G補正値Gαを共通に用いることに
より、補正値の数は増加しない。
【0038】ここで、上記ダーク補正値とシェーディン
グ補正値の数が一つの測距視野αあたり、従来例の2つ
から4つに増えたのに対し、K補正値とG補正値の数は
2つのまま変わらない。つまり、測距ラインlの増加に
比例して補正値の量が増加することを抑える効果が現れ
ている。
【0039】図3は図1の測距光学系を備えた図2の一
眼レフレックスカメラの具体的な構成の一例を示すブロ
ック図である。
【0040】図3において、PRSはカメラの制御回路
で、例えば内部にCPU(中央処理装置)、ROM、R
AM、EEPROM、A/D変換機能部等を有する1チ
ップのマイクロコンピュータである。この制御回路PR
SはROMに格納されたカメラのシーケンス・プログラ
ムに従って、自動露出制御機能、自動焦点調節機能、フ
ィルムの巻上げ・巻戻し等のカメラの一連の動作を行っ
ている。そのため、この制御回路PRSは通信用信号
(以下、信号と称する)SO,SI,SCLK、通信選
択信号CLCM,CSDR,CDDRなどを用いて、カ
メラ本体内の周辺回路およびレンズ内制御装置と通信を
行って、各々の回路やレンズの動作を制御する。
【0041】上記信号SOは制御回路PRSから出力さ
れるデータ信号、信号SIは制御回路PRSに入力され
るデータ信号、信号SCLKは信号SO,SIの同期ク
ロックである。
【0042】LCMはレンズ通信バッファ回路であり、
カメラが動作中のときにはレンズ用電源端子VLに電力
を供給するとともに、制御回路PRSからの選択信号C
LCMが高電位レベル(以下、“H”と略記し、低電位
レベルは“L”と略記する)のときには、カメラとレン
ズ間の通信バッファとなる。
【0043】制御回路PRSが選択信号CLCMを
“H”にして、同期クロックSCLKに同期して所定の
データ信号SOを送出すると、レンズ通信回路LCMは
カメラ・レンズ間通信接点を介して、同期クロックSC
LK,データ信号SOの各々のバッファ信号LCK,D
CLをレンズユニットLNSへ出力する。それと同時に
レンズからの信号DLCのバッファ信号を信号SIに出
力し、制御回路PRSは同期クロックSCLKに同期し
て信号SIからレンズユニットLNSのデータを入力す
る。
【0044】DDRは各種スイッチSWSの検知および
表示用回路であり、制御回路PRSから出力される信号
CDDRが“H”のとき選択されて、データ信号SO,
SI,同期クロックSCLKを用いて制御回路PRSか
ら制御される。即ち、制御回路PRSから送られてくる
データ信号に基づいてカメラの表示回路DSPの表示を
切り替えたり、カメラの各種操作部材のオン・オフ状態
を通信によって制御回路PRSに報知する。
【0045】SW1,SW2は図4に示すカメラのレリ
ーズボタンRLSSWに連動したスイッチで、レリーズ
ボタンRLSSWの第1段階の押下によりスイッチSW
1がオンし、引き続いて第2段階の押下でスイッチSW
2がオンする。制御回路PRSはスイッチSW1のオン
で測光、自動焦点調節を行い、スイッチSW2のオンを
トリガとして露出制御とその後のフィルムの巻上げを行
う。
【0046】なお、スイッチSW2はマイクロコンピュ
ータである制御回路PRSの「割り込み入力端子」に接
続され、スイッチSW1のオン時のプログラム実行中で
も該スイッチSW2のオンによつて割り込みがかかり、
直ちに所定の割り込みプログラムへ制御を移すことがで
きる構成となっている。
【0047】MTR1はフィルム給送用モータ、MTR
2はミラーアップ・ダウンおよびシャッタばねチャージ
用のモータであり、各々の駆動回路MDR1,MDR2
により正転、逆転の制御が行われる。制御回路PRSか
ら各駆動回路MDR1,MDR2に入力されている信号
M1F,M1R,M2F,M2Rはモータ制御用の信号
である。
【0048】モータMTR2の動作により、不図示のミ
ラー機構が、ミラーアップして撮影位置に、ミラーダウ
ンしてフォーカス検知位置に、それぞれ変位することと
なる。ミラーの変位については、ミラー位相検知スイッ
チMPS1,MPS2の信号が制御回路PRSに入力さ
れており、これに基づいてミラーの変位を制御する。な
お、ミラー位相検知スイッチの状態とミラー制御のモー
タ駆動制御についての詳細は、本発明と直接関わりがな
いので、詳細な説明は省略する。
【0049】MG1,MG2は増幅トランジスタTR
1、TR2と直列に接続されたシャッタ先幕走行開始用
マグネット、後幕走行開始用マグネットであり、制御回
路PRSからの信号SMG1,SMG2で、増幅トラン
ジスタTR1,TR2が導通されることにより励磁さ
れ、シャッタ制御が行われる。なお、モータ駆動回路M
DR1、MDR2の制御やシャッタ制御は、本発明と直
接関わりがないので、詳細な説明は省略する。
【0050】レンズ内制御回路LPRSにバッファ信号
LCKに同期して入力される信号DCLは、カメラから
レンズユニットLNSに対する命令のデータであり、命
令に対するレンズの動作は予め決められている。レンズ
内制御回路LPRSは所定の手続きに従ってその命令を
解析し、焦点調節や絞り制御の動作や、出力DLCから
レンズユニットLNSの各部動作状況(焦点調節光学系
の駆動状況や、絞りの駆動状態等)や各種パラメータ
(開放Fナンバ、焦点距離、デフォーカス量対焦点調節
光学系の移動量の係数等)の出力を行う。
【0051】この実施の形態1では、ズームレンズの例
を示しており、カメラから焦点調節の命令が送られた場
合には、同時に送られてくる駆動量・駆動方向の信号L
MF、LMRに従って焦点調節用モータLTMRを駆動
して、光学系を光軸方向に移動させて焦点調節を行う。
光学系の移動量は該光学系に連動して回動するパルス板
FCのパターンをフォトカプラにて検出し、移動量に応
じた数のパルスを出力するエンコーダ回路ENCFのパ
ルス信号SENCFでモニタし、レンズユニットLNS
側の制御回路LPRS内のカウンタで係数しており、所
定の移動が完了した時点でレンズユニットLNS側の制
御回路LPRS自身が信号LMF,LMRを“L”にし
て前記モータLMTRを制御する。
【0052】このため、一旦カメラから焦点調節の命令
が送られた後は、カメラの制御回路PRSはレンズの駆
動が終了するまで、レンズ駆動に関して全く関与する必
要がない。また、カメラから要求があった場合には、上
記カウンタの内容をカメラに送出することも可能な構成
になっている。
【0053】カメラから絞り制御の命令が送られた場合
には、同時に送られてくる絞り段数に従って絞り駆動用
としては公知のステッピングモータDMTRを駆動す
る。なお、ステッピングモータDMTRはオープン制御
が可能なため、動作をモニタするためのエンコーダを必
要としない。
【0054】ENCZはズーム光学系に付随したエンコ
ーダ回路であり、レンズユニットLNS側の制御回路L
PRSはエンコーダ回路ENCZからの信号SENCZ
を入力してズーム位置を検出する。この制御回路LPR
S内には各ズーム位置におけるレンズ・パラメータが格
納されており、カメラ側の制御回路PRSから要求があ
った場合、現在のズーム位置に対応したパラメータをカ
メラ側に送出する。
【0055】SPCは撮影レンズを介した被写体からの
光を受光する露出制御用のセンサであり、その出力SS
PCは制御回路PRSのアナログ入力端子に入力され、
A/D変換後所定のプログラムに従って、自動露出制御
に用いられる。
【0056】SDRはCCD等から構成される焦点検出
用のエリアセンサSNSのセンサ駆動回路であり、信号
CSDRが“H”のとき選択されて、データ信号SO,
SI,同期クロックSCLKを用いて制御回路PRSか
ら制御される。なお、センサ駆動回路SDR,エリアセ
ンサSNS間の動作については、ここでは詳細な説明を
省略する。
【0057】制御回路PRSは各エリアセンサ対上に形
成された被写体像の像情報を受け取って、その後所定の
焦点検出演算を行い、撮影レンズのデフォーカス量を知
ることが出来る。
【0058】次いで、上記構成によるカメラの自動焦点
調節時の動作について、以下のフローチャートにしたが
って説明する。
【0059】図5は極大まかなカメラ全体のシーケンス
のフローチャートである。
【0060】図3に示した回路に給電が開始されると、
制御回路PRSは図5のステップ(000)から実行を
開始する。まず、ステップ(001)において、レリー
ズボタンRLSSWの第1段階押下によりオンするスイ
ッチSW1の状態検知を行い、オフならばステップ(0
02)へ移行し、初期化が必要なフラグと変数を初期化
する。そして、スイッチSW1が再びオンされるのをス
テップ(001)にて検知する。一方、ステップ(00
1)でスイッチSW1がオンであることが検知される
と、ステップ(003)へ移行し、カメラの動作を開始
する。つまり、ステップ(003)では測光や各種スイ
ッチ類の状態検知、表示等のサブルーチン「AE制御」
を実行し、このサブルーチン「AE制御」が終了する
と、ステップ(004)へ移行する。
【0061】ステップ(004)ではセンサの蓄積、焦
点検出演算、レンズ駆動の自動焦点調節動作を行うサブ
ルーチン「AF制御」を実行する。このサブルーチン
「AF制御」が終了すると、スイッチSW2の状態検知
を行い、スイッチSW2が押されていない、つまり、O
FFの場合は再びステップ(001)へ戻り、スイッチ
SW1がオフするまでステップ(003)、(00
4)、(005)の動作を繰り返し実行していく。
【0062】以上の繰り返し実行を行っている間に、制
御回路PRSはレリーズボタンRLSSWの第2段押下
によりオンするスイッチSW2の状態検知を行い、スイ
ッチSW2が押されてONした場合には、ステップ(0
006)へ移行し、不図示の設定機構により事前に設定
された動作モードに基づき、即座にシャッタ制御を行う
処理に移行して撮影動作を行うが、本実施例では具体的
な説明を省略する。
【0063】撮影動作の完了とともに、通常の動作では
次の撮影に備えてフィルムの巻き上げを行う。フイルム
の巻き上げ動作が完了した状態で次の駒の撮影のための
待機状態となる。ここで前記ステップ(001)に戻
り、上記処理を継続する。
【0064】図6は前記ステップ(004)において実
行されるサブルーチン「AF制御」のフローチャートで
ある。このサブルーチン「AF制御」がコールされる
と、ステップ(010)を経て、ステップ(011)以
降のAF制御を実行する。
【0065】まず、ステップ(011)にて「焦点検
出」サブルーチン(詳細は図7及び図8)を実行する。
ここでは焦点検出動作のための各センサへの像信号の蓄
積、読み出しから焦点検出演算を行う。
【0066】次のステップ(012)では現在の選択領
域の中からどの領域を選び、そのデフォーカス量を用い
るかを選択するサブルーチン「領域選択」を実行する。
本実施の形態1では、通常、選択領域が全域、即ち自動
選択としている。なお、図3に示す各種スイッチSWS
内の選択領域設定スイッチを押すことにより、選択領域
の指定が可能となっている。また、不図示の視線入力装
置により、撮影者の視線を検知することができるので、
撮影者の視線で選択領域の指定を行うことも可能であ
る。視線入力については本発明において詳細な説明をす
ることを省略する。
【0067】ステップ(013)では「レンズ駆動」サ
ブルーチンを実行する。ここでは、ステップ(011)
で検出されたデフォーカス量の中で、ステップ(01
2)で選択された領域のデフォーカス量に基づいてレン
ズ駆動を行う(詳細は図9)。レンズ駆動完了後はステ
ップ(014)よりサブルーチン「AF制御」をリター
ンする。
【0068】図7及び図8は前記ステップ(011)に
おいて実行されるサブルーチン「焦点検出」のフローチ
ャートである。このサブルーチン「焦点検出」がコール
されると、ステップ(110)を経て、ステップ(11
1)以降の焦点検出動作を実行する。
【0069】先ず、ステップ(111)にて、電源がオ
ンして1回目のAF制御であるか否かを判別し、1回目
である場合にはステップ(112)へ移行し、選択セン
サを初期化する。
【0070】次いでステップ(113)でサブルーチン
「蓄積開始」を実行する。このサブルーチン「蓄積開
始」はセンサの蓄積動作を開始させるルーチンであり、
具体的にはセンサ駆動回路SDRへ蓄積開始命令を送出
して、エリアセンサSNSの蓄積動作を開始させ、それ
とともに上記センサ駆動回路SDRからのセンサ蓄積終
了信号/TINTEによって制御回路PRSが「蓄積完
了」を認識できるよう入出力を設定する。蓄積終了信号
が”H”になると、制御回路PRSはセンサ駆動回路S
DRと通信を行い、蓄積完了画素情報を得る。蓄積完了
画素情報の通信を行うことで、センサ蓄積終了信号/T
INTEは”L”になる。
【0071】エリアセンサSNSでは一部の画素におい
て蓄積完了となっても、依然蓄積を継続中の画素がある
ため、蓄積完了画素情報により、どの画素が蓄積完了し
たかを把握し、蓄積完了した画素から像信号を読み込
む。
【0072】ステップ(114)は焦点検出演算終了の
判定を行なっているが、焦点検出演算終了前は蓄積も完
了していないので、続けてステップ(115)に進む。
【0073】ステップ(115)は、読み込み完了かの
判定を行い、YESであれば、ステップ(116)に移
行して蓄積完了ラインの補正演算サブルーチンを実行す
る。ステップ(116)での補正演算の後にステップ
(117)で蓄積完了ラインの焦点検出演算サブルーチ
ンを行なう。
【0074】以降、ステップ(114)の判定結果がY
ESの場合とステップ(117)の焦点検出演算後、ス
テップ(126)に移行して、全てのセンサに対して対
応した焦点検出演算が終了したか否かを判定し、NO、
つまり終了していない場合はステップ(114)へ戻
り、全て終了している場合はステップ(127)へ移行
する。
【0075】像信号の入力は、制御回路PRSのアナロ
グ入力端子に入力される出力VIDEOをシリアルA/
D変換し、所定RAM領域へ順次格納していくことで達
成される。
【0076】以上のような動作によりエリアセンサSN
Sが全て蓄積完了になり、全ての画素についての像信号
を読み込むまで処理が行われるが、本発明では蓄積およ
び読み出しの制御について、詳細な説明は省略する。
【0077】ここまでをまとめると、ステップ(11
3)で蓄積動作を開始させた後は、各ラインの像信号が
読み込まれるのを待ちながら、ステップ(114)〜
(117)、(126)を繰り返し実行して、像信号の
読み込まれたラインから順次補正演算と焦点検出演算を
行っていることになる。そして、全てのセンサの焦点検
出演算が終了すると、ステップ(127)にて、焦点検
出サブルーチンをリターンする。
【0078】次に図10を用いて前述した蓄積完了ライ
ンの補正演算サブルーチンで光電変換素子の特性に依存
する補正を測距ライン単位で行う処理を説明する。
【0079】RAMに格納された像信号データはそのま
までは焦点検出演算には適さないため補正処理が必要と
なる。本実施の形態では、ダーク補正・シェーディング
補正を光電変換素子の画素毎に行なう。
【0080】以下の補正を行うための光電変換素子の各
画素における固定パターンノイズ量やダーク補正、シェ
ーディング補正に関する情報は、制御回路PRS内の記
憶手段であるところのROMにあらかじめ格納されてい
る。ROMがフラッシュROMならば、個々のカメラの
AF機構の組み立て後に補正値をROMに書き込む様に
することで、個別のカメラの特性に応じた補正値を書く
ことが可能である。
【0081】蓄積完了ラインの補正演算サブルーチンは
ステップ(400)を経て、ステップ(401)により
光電変換素子のゲインに応じた補正を求め、ステップ
(402)にて光電変換素子の蓄積時間に応じた補正を
求める。ステップ(403)では測距動作時の温度に依
存する補正を求め、ステップ(404)では光電変換素
子の画素の固定パターンノイズ補正、つまり、ムラ補正
を求める。この補正は光電変換素子の各画素毎に異なる
ため、画素に応じた補正値を所定のROM領域から読み
出して行なう。
【0082】ステップ(405)では光電変換素子の出
力したままの生データを読み出し、この生データに対し
て(401)〜(404)で得られた補正を加え、更に
ダーク補正をステップ(406)で行う。ステップ(4
07)では続けて測距ラインによって異なるシェーディ
ング補正を上記ステップ(406)までに求められた補
正値込みの数値に対して行い、ステップ(408)では
画素毎の補正を掛け終えた処理済データを所定のRAM
上に格納し、ステップ(409)にてこのサブルーチン
での処理を完了する。
【0083】次に図11を用いて、前述した蓄積完了ラ
インの焦点検出演算サブルーチンで、オートフォーカス
光学系の特性に依存する補正を測距視野単位に行う処理
を説明する。
【0084】このサブルーチンはステップ(600)か
ら始まり、ステップ(601)では焦点検出演算前処理
を行う。これは、測距視野選択範囲の設定や測距視野の
重みづけ、測距モードの設定、自動選択アルゴリズムの
選択などである。この焦点検出演算の前処理により、モ
ードによって、必要な測距視野の焦点検出演算のみ行う
ようにし、演算処理の高速化を図っている。
【0085】ステップ(602)は各視野におけるライ
ンセンサのプレディクション値を用いて、デフォーカス
演算を行う。 このデフォーカス演算の際に、測距視野
毎に行う補正を加えているが、その詳しい処理について
は後述する。一つの測距視野には複数の測距ラインが用
意されているので、一つの測距視野のデフォーカス値を
求めるためには複数の測距ラインのプレディクション値
から一つのデフォーカス値を求めることになる。ステッ
プ(116)蓄積完了ラインの補正演算で求められたプ
レディクション値から、測距演算が必要な測距視野につ
いてデフォーカス値を計算する。
【0086】ステップ(603)では、求められたデフ
ォーカス値に対してベストピント補正を行う。ベストピ
ントは一眼レフカメラの場合交換レンズ毎に異なるの
で、レンズに対応したベストピント情報を求めるように
なっている。
【0087】ここで、図11のステップ(603)でベ
ストピント補正サブルーチンが呼び出されると、図12
のステップ(700)からの処理が実行される。以下、
ベストピントをBPと称する。
【0088】まず、図13を用いて、ベストピント情報
サブルーチンで用いるBP補正テーブルについて説明す
る。
【0089】BP補正テーブルは、ID−BP表(80
0)、BP検索法(801)、中心BP表(802)、
BP係数表(803)からなる。ID−BP表(80
0)はレンズIDからBP表アドレスとBP種別の情報
を入手できるものである。
【0090】レンズIDとは、カメラの交換レンズの識
別に用いる値であり、図3でカメラがレンズ通信バッフ
ァ回路LCMを経由して、レンズLNSから受け取る情
報である。
【0091】BP表アドレスとは、レンズのBP補正値
を求める際に使用する中心BP表(802)を格納した
メモリのアドレスである。BP種別とは、レンズのBP
補正値を求めるために、レンズを分類する属性である。
レンズの状態及び特性を表す変数のうち、カメラに対し
て通信による伝達が可能な情報の種類と数によりあらか
じめ決定されている値である。伝達可能な情報の組み合
わせにより、焦点距離、対物距離、敏感度、デフォーカ
ス、焦点距離及び対物距離、焦点距離及び敏感度、焦点
距離及びデフォーカス、及びf2.8測距が有効か否か
により属性が分類される。
【0092】カメラについている交換レンズのBP種別
に応じて、以降で説明するBP補正値を求める処理の流
れが異なる。異なるIDを持つレンズでも、同じ構成の
中心BP表(802)を使用する場合は使用する中心B
P表を同じものにすることが可能である。
【0093】中心BP表(802)は、BP種別と焦点
距離、対物距離、敏感度、デフォーカス、焦点距離及び
対物距離、焦点距離及び敏感度、焦点距離及びデフォー
カス、及びこれらのf2.8測距視野の状態変数をキー
とする検索により、単数もしくは複数のレンズ中心BP
値とBP係数表(803)内の参照アドレスを与えるも
のである。
【0094】異なるIDかつ異なる中心BP表(80
2)を持つレンズが似た傾向のBP補正特性を示す場合
は、同じBP係数表(803)内の参照アドレスを持つ
ことで、使用するBP係数を同じものにすることができ
る。
【0095】BP係数表(803)は、上記中心BP表
(802)で参照する表であり、周辺BPを求めるため
の係数の集合である。係数は4個で一組になっており、
レンズの特性に応じてあらかじめ用意されている。
【0096】上記BP補正テーブルからレンズの種類と
状態に応じて適切な中心BP値とBP係数を求める処理
が本サブルーチンである。
【0097】次にベストピント情報の求め方を図12を
用いて説明する。
【0098】ステップ(701)でレンズとの通信によ
り判明するレンズIDを得る。これは、交換レンズの種
類を区別するための情報である。この情報に基づいて図
13のBP補正テーブルを検索することにより、BP補
正値が求められる。
【0099】ステップ(702)でレンズIDからBP
種別を判断する。
【0100】ステップ(703)ではBP種別が単一B
Pかを判定し、YES、つまり単一BPである場合はス
テップ(705)に、そうでない場合はステップ(71
0)に進む。
【0101】ステップ(705)では単一BPでf2.
8測距が有効か否かを判定する。有効な場合はステップ
(706)、(707)に進み、f5.6測距で用いる
BP補正値とf2.8測距で用いるBP補正値を取得し
て測距視野に対応したBP補正値演算ステップ(70
8)に移行する。演算終了後、ステップ(709)でサ
ブルーチンからリターンする。
【0102】ステップ(705)の判定でf2.8測距
が無効である場合は、ステップ(717)に進み、f
5.6測距で用いるBP補正値を取得して測距視野に対
応したBP補正値演算ステップ(708)に移行する。
ステップ708で測距視野に対応したBP補正値演算終
了後、ステップ(709)でサブルーチンからリターン
する。
【0103】一方、上記ステップ(703)の判定でB
P種別が単一BPでない場合に進むステップ(710)
の処理を以下に示す。こちらではBP補正値を求めるに
あたり、焦点距離、対物距離、敏感度、デフォーカス、
焦点距離及び対物距離、焦点距離及び敏感度、焦点距離
及びデフォーカス、及びf2.8測距が有効か否かによ
り検索処理が行われる。
【0104】ステップ(710)ではBP種別が一段検
索かどうか判定する。一段検索ではない場合、ステップ
(715)に進み、二段検索処理を行う。二段検索と
は、焦点距離及び対物距離、焦点距離及び敏感度、焦点
距離及びデフォーカスでBP補正値を求めることであ
る。ステップ(715)では焦点距離に応じて、次のス
テップ(711)で採用する対物距離検索または敏感度
検索またはデフォーカス検索の表を切り替え、ステップ
(711)に進む。
【0105】一方、上記ステップ(710)ではBP種
別が一段検索である場合、ステップ(711)に直接進
み、一段検索処理を行う。一段検索処理では、焦点距
離、対物距離、敏感度、デフォーカスのいずれかひとつ
の情報を検索キーとして、中心BP表(802)から中
心BP補正値とBP係数表(803)内の参照アドレス
を選択する。
【0106】その後、ステップ(705)に進み、以下
は単一BPの場合と同様にBP補正値を取得し、ステッ
プ(708)でBP補正値演算を行い、ステップ(70
9)にてリターンする。
【0107】以上がステップ(603)におけるベスト
ピント補正サブルーチンの処理である。ステップ(60
4)では焦点検出演算後処理を行う。ここでは、ファイ
ンダーへの合焦表示状態の判定や計算したデフォーカス
値のRAMへの格納などを行い、ステップ(605)で
このサブルーチンの処理を完了する。
【0108】以下に、前述のステップ(602)におけ
るデフォーカス演算の説明をする。プレディクション値
Prを二次結像レンズAFLの特性パラメータK値,G
値を使い、撮影レンズのデフォーカス量に変換する。プ
レディクション値は、センサSNSの像信号入力処理が
完了した後、像信号に対する補正演算(ダーク補正)を
し、デフォーカス量検出のための演算として、センサ上
のずれ量(プレディクション値)を求めるための相関演
算を行って求められるが、処理の詳細な説明は省略す
る。
【0109】プレディクション値をPr,デフォーカス
量をDfすると、 Df=K(α)Pr/(1−K(α)Pr/G(α)) …………(式C) となる。
【0110】ここで、K値、G値はそれぞれ測距視野α
に固有のプレディクション値をデフォーカス値に変換す
る場合の補正係数である。これらの値も、従来では測距
ラインごとにひとつの値をROMなどのメモリ上に格納
していたが、この発明においては測距視野α毎に持つこ
とにより、測距ライン数の増加に比して補正値の格納メ
モリ量が少なくて済む。またデォーカス量Dfは、複数
の測距ラインから求められ、測距視野αの数だけあるの
で、上記(式C)の演算回数は最大でも全測距視野の回
数までである。これは、測距ライン毎にフォーカス量D
fを求める場合に比して演算量の減少となり、処理の高
速化に貢献する。
【0111】図9は図6におけるサブルーチン「レンズ
駆動」のフローチャートを示すもので、このサブルーチ
ン「レンズ駆動」が実行されると、ステップ(311)
においてレンズユニットLNSと通信して2つのデータ
「S」と「PTH」を入力する。
【0112】ここで、上記で求めた焦点調節すべきデフ
ォーカス量Df、上記データ「S」と「PTH」により
焦点調節光学系の移動量をエンコーダの出力パルス数に
換算した値、いわゆるレンズ駆動量FPは、ステップ
(312)に示すように次式で与えられることになる。
【0113】 FP=Df・S/PTH …………………………………(式A) 次のステップ(313)では前記ステップ(312)で
求めたレンズ駆動量FPをレンズユニットLNSに送出
して焦点調節光学系の駆動を命令する。
【0114】次のステップ(314)では、レンズユニ
ットLNSと通信して、ステップ(313)で命令した
レンズ駆動量FPの駆動が終了したか否かを検知し、駆
動が終了するとステップ(315)へ移行してサブルー
チン「レンズ駆動」をリターンする。
【0115】以上の実施の形態1によれば、広い被写体
領域に対応したエリアセンサSNSに対して、焦点検知
の光学系をかねているAFサブミラーSMの駆動回数に
応じた補正をかけるにあたり、センサ出力より得られた
デフォーカス量に対して、駆動回数に応じた所定の演算
を行なうことで、ミラー駆動による光学系機構の微少変
位を調整したのと同等の状態を実現可能としている。
【0116】実施の形態2.図14は本発明の実施の形
態2における自動焦点検出装置において使用されるAF
センサーSNSの概念図である。なお、この装置の概略
構成,カメラ内配置図及び回路図はAFセンサー以外、
実施の形態1と全く同様である。また、大まかなカメラ
全体のシーケンスも同様であるので、ここでは詳細な説
明を省略する。
【0117】実施の形態2で用いるAFセンサーは、図
14に示すように光電変換素子を測距画素として敷きつ
めた構成のエリアセンサーである。図6におけるステッ
プ(011)の焦点検出サブルーチン「焦点検出」に、
実施の形態1の位相差検知方式ではなく、コントラスト
検知方式を用いることとする。
【0118】コントラスト検知方式による合焦判定では
光電変換素子の各画素間の輝度の差(コントラスト)が
最大となる点を求めて焦点調節を行う。この時、広角系
のズームレンズなどで画面の中心と周辺での解像度の違
いが大きい場合、自動被写体検知により焦点調節を行っ
た際、画面の中央部の被写体にピントを合わせる傾向が
強くなってしまう。これは、レンズの収差により光電変
換素子に到達する画像が周辺部より中央部でよりよい解
像度を示すため、同等のコントラストの被写体で比較す
ると、中央のコントラストが高くなり、中央で焦点を合
わせるように作動してしまうためである。
【0119】これを避けるために、交換レンズの種類と
コントラストを比較する領域の画面上の位置をもとに、
コントラスト比較係数を求め、画面上の他の領域とのコ
ントラスト比較をしてピントを合わせるべき主被写体を
判定する際に、画面の中央と周辺とでの光学的特性を擬
似的に均等化する補正が行われている。
【0120】この時、同時に光電変換素子の各画素で、
画素の特性による補正であるダーク補正とシェーディン
グ補正を行っている。
【0121】これらの補正も、光電変換素子の画素数が
多くなると、補正データ量が大きくなるものであるが、
コントラスト比較係数の数は、測距領域を光電変換素子
の複数の画素を含むような大きさの領域に分けること
で、光電変換素子の画素の数に比例して補正データ量が
増加する、ということを避けることができる。
【0122】図15は、図14の光電変換素子のダーク
補正値とシェーディング補正値を格納してあるメモリの
概念図であり、各画素に一対一で対応した補正値が用意
されている。図14の画素(1,1)に対応する補正値
がそれぞれダーク補正値D(1,1)、シェーディング
補正値S(1,1)である。
【0123】図16は、図14の光電変換素子のコント
ラスト係数C値を格納してあるメモリの概念図であり、
各画素に一対一ではなく、画面上の位置によってC値を
共有できる領域に属する画素の集まりごとに補正値を用
意してあることがわかる。例えば、図14の画素(1,
1)、(1,2)、(2,1)、(2,2)が利用する
C値はC(1,1)の値である。一対一に対応させた時
よりも補正値が少なくなっている。
【0124】以上の実施の形態1及び2のような構成と
することにより、必ずしも同一の特性を備えるとは限ら
ない複数の測距ラインに対して、光電変換素子に依存す
る補正については画素毎に持ち、測距光学系に依存する
補正については測距視野毎に持つようにすることが出
来、メモリに確保する補正値の量を少なく出来、また補
正演算の回数を少なく出来ることで、高速動作や省メモ
リ化、測距精度の向上に有利な焦点検出装置の実現が可
能となる。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
画面内の任意の位置にある測距視野の一つに対して複数
の測距ラインがあるような光電変換素子を備えた自動焦
点検出装置において、光電変換素子の特性に関する補正
を各画素毎に、光電変換素子上に像を形成する測距光学
系の特性に関する補正を各測距視野毎に、という具合に
補正対象を別にするように構成したので、測距演算処理
における演算量及び補正値記憶容量を減少させることが
できる。また、高集積化された光電変換素子の欠陥画素
の出力が及ぼす影響が小さく抑えられるという効果があ
る。
【0126】また、本発明によれば、測距光学系の特性
であるK値・G値を測距光学系の特性に関する補正とし
て扱うように構成したので、測距ラインの増加に対して
K値・G値のデータ量及び演算量が低く抑えられるとい
う効果がある。
【0127】また、本発明によれば、画面内の任意の位
置にある測距視野の一つに対して複数の測距ラインがあ
るような光電変換素子を備えた自動焦点検出装置におい
て、光電変換素子の特性に関する補正をダーク補正、シ
ェーディング補正として光電変換素子の画素毎に持ち、
光電変換素子上に像を形成する測距光学系の特性に関す
る補正をK値・G値として測距ラインが異なる場合でも
K値・G値を共有するように構成したので、測距ライン
の増加に対してデータ量及び演算量が低く抑えられると
いう効果がある。しかも、データ量及び演算量が抑えら
れるため、補正演算処理の処理完了に至る時間を短縮で
きる。さらに、カメラ等の撮像機器の小規模なシステム
に内蔵されているマイクロプロセッサの能力に比べて無
理のない処理量となり、カメラシステムの携帯性を損わ
ないで高機能な自動焦点検出装置を提供することができ
るという効果がある。
【0128】また、本発明は測距光学系は絞りの開口部
を対物レンズ射出瞳付近に結像する楕円サブミラーと、
前記絞りの開口部を透過した光を受光する複数のレンズ
を有する二次結像レンズと、測距点と見られる測距視野
の中に複数の測距ラインが同一被写体を検知する光電変
換素子とで構成したので、センサ画素不良による測距結
果のエラー回避(バックアップ)することができるとい
う効果がある。
【0129】また、本発明によれば、測距光学系の補正
値を複数の測距ラインで共通に利用するように構成した
ので、補正値の増加を抑えることができる効果がある。
【0130】また、本発明によれば、請求項1から請求
項5のうちのいずれか1項記載の自動焦点検出装置を備
えて撮像装置を構成したので、焦点検出動作を迅速かつ
正確に行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における測距光学系の斜
視図である。
【図2】 図1の測距光学系を備えた一眼レフレックス
カメラの自動焦点光学系配置図である。
【図3】 図2の一眼レフレックスカメラの自動焦点光
学系の具体的構成の一例を示す電子制御系ブロック図で
ある。
【図4】 図2の一眼レフレックスカメラの平面図であ
る。
【図5】 カメラ全体のシーケンスフローチャートであ
る。
【図6】 サブルーチン「AF制御」のフローチャート
である。
【図7】 サブルーチン「焦点検出」のフローチャート
である。
【図8】 蓄積完了処理のフローチャートである。
【図9】 サブルーチン「レンズ駆動」のフローチャー
トである。
【図10】 蓄積完了ラインの補正処理サブルーチンの
フローチャートである。
【図11】 蓄積完了ラインの焦点検出演算サブルーチ
ンのフローチャートであ
【図12】 ベストピント情報サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図13】 BP補正テーブルの構成を示す概念図であ
る。
【図14】 実施の形態2におけるコントラスト検知式
焦点検知用光電変換装置の概念図である。
【図15】 実施の形態2におけるコントラスト検知式
焦点検知用光電変換装置の画素ごとの特性に関する補正
値を格納するメモリの概念図である。
【図16】 実施の形態2におけるコントラスト検知式
焦点検知用光電変換装置の測距光学系の特性に関する補
正値を複数の異なる画素で共有して格納しているメモリ
の概念図である。
【図17】 画面上の測距視野と測距ラインの関係を示
す図である。
【図18】 画面上の測距視野と複数の測距ラインの関
係を示す図である。
【符号の説明】
α 測距視野、l 測距ライン、LM 測距光学系、A
FL 二次結合レンズ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画面内の任意の位置にある測距視野の一
    つに対して複数の測距ラインを光電変換素子で構成した
    自動焦点検出装置において、上記光電変換素子の特性に
    関する補正は上記測距ラインの一測距ライン出力毎に異
    なるものを適用し、上記光電変換素子上に像を形成する
    測距光学系の特性に関する補正は同一測距視野に属する
    異なる上記測距ライン間で共通のものを使用することを
    特徴とする自動焦点検出装置。
  2. 【請求項2】 上記測距光学系の特性に関する補正がデ
    フォーカス演算における測距光学系の二次結像レンズの
    光学的配置及び特性についての補正であることを特徴と
    する請求項1記載の自動焦点検出装置。
  3. 【請求項3】 画面内の任意の位置にある測距視野の一
    つに対して複数の測距ラインを光電変換素子で構成した
    自動焦点検出装置において、感度ムラ補正と暗電流補正
    は上記光電変換素子の画素毎に行い、上記光電変換素子
    上に像を形成する測距光学系の二次結像レンズの光学的
    配置及び特性についての補正は同一測距視野に属する異
    なる上記測距ラインが共通のものを使用することを特徴
    とする自動焦点検出装置。
  4. 【請求項4】 測距光学系は絞りの開口部を対物レンズ
    射出瞳付近に結像する楕円サブミラーと、前記絞りの開
    口部を透過した光を受光する複数のレンズを有する二次
    結像レンズと、測距点と見られる測距視野の中に複数の
    測距ラインが同一被写体を検知する光電変換素子とから
    なることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのい
    ずれか1項記載の自動焦点検出装置。
  5. 【請求項5】 測距光学系の補正値は複数の測距ライン
    で共通に利用することを特徴とする請求項1から請求項
    3のうちのいずれか1項記載の自動焦点検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のうちのいずれか
    1項記載の自動焦点検出装置を備えた撮像装置。
JP18824298A 1998-06-18 1998-06-18 自動焦点検出装置及びこの装置を備えた撮像装置 Pending JP2000009990A (ja)

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JP18824298A JP2000009990A (ja) 1998-06-18 1998-06-18 自動焦点検出装置及びこの装置を備えた撮像装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8749696B2 (en) 2010-06-17 2014-06-10 Olympus Corporation Image pickup apparatus having an exit pupil with divided areas

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