JP2000008643A - 建築工法および建築物 - Google Patents

建築工法および建築物

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JP2000008643A
JP2000008643A JP10178728A JP17872898A JP2000008643A JP 2000008643 A JP2000008643 A JP 2000008643A JP 10178728 A JP10178728 A JP 10178728A JP 17872898 A JP17872898 A JP 17872898A JP 2000008643 A JP2000008643 A JP 2000008643A
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foundation
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Akira Tanaka
昭 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震などに起因する建築物本体の倒壊防止、
建築コストの低減、および工期の短縮を図ることが可能
な建築工法を提供することを主目的とする。 【解決手段】 少なくとも3つ以上の固定基礎11を大
地に敷設し、各固定基礎11に面的に対向すると共に水
平方向に移動可能な移動可能基礎12を固定基礎11上
にそれぞれ配置し、複数の移動可能基礎12の相対的位
置関係を保持可能な建築物本体3を複数の移動可能基礎
11上に施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大地に敷設した基
礎の上に耐震構造の建築物本体を建築するための建築工
法、およびその建築工法によって建築された建築物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の建築物として、図7,8
(a),(b)に示す建築物51が従来から知られてい
る。建築物51は、両図に示すように、大地に敷設され
た基礎部52と、アンカーボルトU(図9参照)によっ
て基礎部52の上に固定された建築物本体53と、デッ
キ54と、階段55とから構成されている。基礎部52
は、図9に示すように、自重による建築物本体53の沈
下を防止する割りぐり石71および捨てコンクリート7
2と、建築物51の荷重を分散させるためのコンクリー
ト製のフーチング73と、建築物本体53の平面形状に
合わせて外周に沿って形成されたコンクリート製の布基
礎74とを順に積み上げて築かれている。この場合、フ
ーチング73および布基礎74は、コンクリート内部に
埋設された鉄筋によって互いに連結されている。また、
布基礎74は、同図に示すように、中程まで地表面GL
の下に埋められており、上面側には、建築物本体53を
固定するための複数のアンカーボルトUが所定の間隔で
埋設されている。
【0003】建築物本体53は、図8(a),(b)に
示すように、土台部63、壁部64および屋根部65か
らなり、各部が相互に固定されている。土台部63は、
図10に示すように、建築物本体53の最下端に位置し
基礎部52に固定される4本の大引き81,81・・
と、対向配置された大引き81,81の上に所定の間隔
で掛け渡され固定された複数の根太39,39・・と、
各根太39の上に敷き詰められた床板40とを備えて構
成されている。壁部64は、土台部63における各大引
き81の上にそれぞれ立てられた主柱82,82・・
と、隣り合う主柱82,82の間に立てられた間柱8
3,83・・と、各主柱82および各間柱83を支える
複数の筋かい84,84・・と、内壁90および外壁9
1と、内壁90および外壁91の間に挟み込まれた断熱
材(図示せず)とで構成されており、壁面の一部を開口
して窓Wや戸Dなどが配設されている。屋根部65は、
主柱82および間柱83の各上端側をそれぞれ連結する
梁85,85・・と、各梁85の上に立てられたつか8
6,86・・と、対向配置されたつか86,86の上端
を連結する母屋87,87・・と、各母屋87の上に所
定の間隔で掛け渡され固定された複数の樽木88,88
・・と、各樽木88の上に張り詰められた野路板89
と、野路板89の上側表面を覆うように貼られた屋根部
材Rとで形成されている。
【0004】この建築物51を施工する場合には、最初
に、大地に基礎部52を敷設する。この場合、地表面G
Lからの深さが凍結深度以下で幅100〜150cm程
度の溝を建築物本体53の周面形状に合わせて掘り、そ
の底部をほぼ水平となるように均す。次に、その溝に割
りぐり石71を敷いて突き固めた後に、厚さ3cm程に
捨てコンクリート72を流し込む。捨てコンクリート7
2が固まった後、その上にフーチング73および布基礎
74を連結するための鉄筋を組み上げる。次いで、フー
チング73を敷設するための型枠を配設し、その型枠に
コンクリートを流し込んでフーチング73を敷設する。
コンクリートが固まった後に、型枠を除去し、フーチン
グ73の上に布基礎74を敷設するための型枠を配設す
る。続いて、型枠にコンクリートを流し込んで布基礎7
4を敷設する。この際に、建築物本体53を固定するた
めのアンカーボルトU,U・・を布基礎74の上面に所
定の間隔で埋設しておく。コンクリートが固まった後に
型枠を除去し、さらに、布基礎74の中程まで埋め戻
す。これにより、基礎部52が完成する。
【0005】次に、アンカーボルトUを挿通可能な複数
の孔が形成された大引き81,81・・を布基礎74の
上にそれぞれ設置し、アンカーボルトUにナットを締め
付けることにより、図9に示すように、基礎部52に各
大引き81を固定する。次いで、図10に示すように、
各大引き81の上に主柱82,82・・および間柱8
3,83・・をそれぞれ立設し、筋かい84,84・・
によって支える。続いて、各主柱82および各間柱83
の上端部を梁85,85・・によってそれぞれ連結す
る。次に、対向配置した梁85,85の上に、つか8
6,86・・を立てて複数の筋かい84によって支える
と共に、各つか86の上端部を母屋87,87・・によ
って連結する。次いで、母屋87の上に所定の間隔で樽
木88を掛け渡して固定し、その上に野路板89を張り
詰めた後に、上側表面を屋根部材Rで覆う。続いて、対
向する大引き81,81の上に、所定の間隔で根太3
9,39・・を掛け渡して固定し、その上に床板40を
敷き詰める。この後、断熱材(図示せず)を挟み込むよ
うにして内壁90および外壁91を各主柱82および各
間柱83に打ち付ける。これにより、建築物本体53が
完成し、図7に示すように建築物51が完工する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の建築
物51には、以下の問題点がある。すなわち、建築物5
1では、各主柱82または各間柱83と、複数の筋かい
84と、各大引き81または各梁85とを相互に組み合
わせてトラス構造を形成することによって、建築物本体
53に歪みが発生するのを防止しようとしている。しか
し、地震発生時など、水平方向の大きな力が建築物51
の基礎部52に加わったときには、大地に敷設された基
礎部52に建築物本体53が固定されているため、基礎
部52に加わった力がそのまま建築物本体53の下部に
伝達される。このため、図6に示すように、壁部64お
よび屋根部65が歪み、最悪の場合には、建築物本体5
3が倒壊してしまうという問題がある。この場合、筋か
い84,84・・の本数を増やしたり、各部材の仕口の
かみ合わせを強固にすることにより、地震などに起因す
る建築物本体53の倒壊を防ぐのはある程度可能ではあ
る。しかし、かかる場合、建築物51を施工する際に、
建築物本体53を補強するための部材を大量に必要とす
るため、建築コストの上昇や工期の長期化を招くと共
に、貴重な森林資源を浪費するという問題が発生する。
【0007】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、地震などに起因する建築物本体の倒壊防
止、建築コストの低減、および工期の短縮を図ることが
可能な建築工法および建築物を提供することを主目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の建築工法は、少なくとも3つ以上の固定基
礎を大地に敷設し、各固定基礎に面的に対向すると共に
水平方向に移動可能な移動可能基礎を固定基礎上にそれ
ぞれ配置し、複数の移動可能基礎の相対的位置関係を保
持可能な建築物本体を複数の移動可能基礎上に施工する
ことを特徴とする。
【0009】この建築工法では、まず、固定基礎を大地
に敷設し、移動可能基礎を各固定基礎の上に配置し、そ
の移動可能基礎の上に建築物本体を建築する。この工法
で建築された建築物では、地震などが発生したときに、
建築物本体は、固定基礎とは分離している移動可能基礎
の上に建築されているため、移動可能基礎の相対的な位
置関係を保持した状態で、移動可能基礎と共に、固定基
礎上を相対的に移動させられる。このため、固定基礎に
加わった力の移動可能基礎よりも上側への伝達が阻止さ
れるため、建築物本体における歪みの発生が防止され
る。したがって、耐震目的のために建築物本体を必要以
上に頑強に建築する必要がなくなる結果、建築コストを
低減しつつ工期を短縮することが可能になると共に、地
震などに起因する建築物本体の倒壊を防止することが可
能となる。
【0010】請求項2記載の建築工法は、請求項1記載
の建築工法において、固定基礎と移動可能基礎との間
に、両基礎間の摩擦係数を低下させるための摩擦低減部
材を配設したことを特徴とする。
【0011】この建築工法では、固定基礎と移動可能基
礎との間に、摩擦低減部材を配設する。したがって、移
動可能基礎と固定基礎とが、よりスムーズに互いに相対
的に移動する。このため、地震などに起因する建築物本
体の倒壊を、より確実に防止することが可能となる。
【0012】請求項3記載の建築工法は、請求項2記載
の建築工法において、摩擦低減部材は、砂またはベアリ
ング装置であることを特徴とする。
【0013】この建築工法では、固定基礎と移動可能基
礎との間に、砂またはベアリング装置を配設する。この
場合には、摩擦低減部材として樹脂製のフィルムなどを
配設する場合と比較して、摩擦低減部材の劣化の程度が
少ないため、永続的に一定の性能を維持することが可能
となる。
【0014】請求項4記載の建築工法は、請求項1から
3のいずれかに記載の建築工法において、広葉樹片で形
成された構造用合板壁材と断熱材とからなる複合パネル
によって各柱の間を連結した建築物本体を施工すること
を特徴とする。
【0015】一般的に、広葉樹片で形成された構造用合
板壁材は、安価でありながら強度および断熱の点で優れ
ている。この建築工法では、その構造用合板壁材を含む
複合パネルによって柱間を連結して建築物本体を施工す
る。したがって、従来の建築物においては必須である間
柱や筋かいを必要としないため、建築コストを低減しつ
つ工期を短縮することが可能となり、加えて森林資源の
有効活用を図ることが可能となる。
【0016】請求項5記載の建築物は、請求項1から4
のいずれかに記載の建築工法によって建築されたことを
特徴とする建築物。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る建築工法の実施の形態について説明する。な
お、従来の建築物51と同一の構成要素については、同
一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0018】最初に、本発明における建築物1の構成に
ついて図面を参照して説明する。
【0019】建築物1は、図1に示すように、基礎部2
および建築物本体3からなり、建築物本体3には、同図
に示すように、デッキ4および階段5が取り付けられて
いる。基礎部2は、図3に示すように、建築物本体3の
4隅が位置させられる部位に敷設された割りぐり石2
1,21・・およびコンクリート22,22・・からな
り本発明における固定基礎に相当する4箇所の土間コン
クリート11,11・・と、本発明における移動可能基
礎に相当し各土間コンクリート11の上に敷設されたコ
ンクリート製のPC(プレキャスト鉄筋コンクリート)
基礎12,12・・とを順に積み上げて形成されてい
る。また、コンクリート22とPC基礎12との間に
は、コンクリート22およびPC基礎12間の摩擦係数
を低下させるための砂Sが敷き詰められている。
【0020】建築物本体3は、図2(a),(b)に示
すように、土台部13、壁部14および屋根部15から
なり、釘やボルトまたは各部材における仕口の噛み合わ
せによって各部が相互に固定されることにより、PC基
礎12,12・・の相対的な位置関係を保持可能に建築
されている。土台部13は、図3に示すように、基礎部
2における各PC基礎12の上に立設された床づか3
1,31・・と、各床づか31の上端を連結する4本の
大引き32,32・・と、大引き32,32の上に所定
の間隔で掛け渡され固定された複数の根太39,39・
・と、後述する合板35と同じ材質の複合パネルが用い
られ根太39の上に敷き詰められた床板40とで形成さ
れている。壁部14は、各大引き32における建築物本
体3の4隅に位置する部位に立設された主柱33,33
・・と、各主柱33,33を連結する複数の合板35,
35・・とで形成されている。この場合、合板35は、
本発明における複合パネルに相当し、図4に示すよう
に、広葉樹片を圧縮して固めた集成材板(本発明におけ
る構造断熱パネルに相当する)46,46が、自己消化
性が高くかつ断熱性の良い多孔性樹脂(本発明における
断熱材に相当する)45を挟み込んで構成されている。
【0021】屋根部15は、図3に示すように、各主柱
33の上端側を連結する梁34,34・・と、各梁34
上にそれぞれ立てられたつか36,36と、各つか36
および各梁34の上端に配設された母屋37,37・・
と、各母屋37の上に掛け渡されて固定された野路板3
8と、野路板38の上側表面を覆う屋根部材Rとで形成
されている。この場合、野路板38には、壁部14にお
ける合板35と同じ材質の複合パネルが用いられてい
る。また、土台部13における大引き32、壁部14に
おける主柱33および梁34、屋根部15におけるつか
36および母屋37には、例えば米マツの大断面集成材
が用いられている。この場合、大断面集成材は、従来か
ら建築用部材として用いられているむく材と比較して含
水率が低く、かつ同じ断面積で強度が1.5倍程の強
い。また、大断面集成材は、間伐材などを用いて製作す
ることができるため、貴重な森林資源を有効に活用する
ことができると共に、必要に応じた太さ、長さの部材を
製作することができる。
【0022】次に、建築物1の建築工法について図面を
参照して説明する。なお、デッキ4および階段5の取り
付けについては、建築物1の建築工法についての理解を
容易にするために、その説明を省略する。
【0023】まず、大地における建築物本体3の4隅が
位置する部位に、例えば深さが30cmで一辺が250
〜300cm程度の四角形の穴をそれぞれ掘り、各穴の
底部が、各々ほぼ水平となるように均す。この際に、各
穴の高さが異なっていても、建築物本体3を施工する際
に床づか31の長さを適宜調整することにより、建築物
本体3を垂直に建てることができる。したがって、傾斜
地であっても建築することができる。次に、各穴の底部
に割りぐり石21を敷いて突き固めた後に、鉄筋を配筋
し、厚さ15cm程にコンクリート22を流し込む。こ
のとき、流し込んだコンクリート22の上面側が水平か
つ地表面GLと同位以上の高さになるように均す。これ
により、各土間コンクリート11が完成する。次いで、
各土間コンクリート11の表面に、砂Sを敷き詰め、そ
の上に、予め形成しておいたPC基礎12をそれぞれ配
置する。これにより、基礎部2が完成する。
【0024】次に、各PC基礎12の上に床づか31を
それぞれ立設し、各床づか31の上に大引き32を掛け
渡して固定することにより、床づか31の上端部を連結
する。この場合、必要に応じて、床づか31またはコン
クリート12と大引き32との間にターンバックルなど
を掛け渡すことによって補強してもよい。次いで、各大
引き32の上に主柱33,33・・を立設し、図3に示
すように、複数の合板35をはめ込むことにより、隣り
合う主柱33,33をそれぞれ連結する。このとき、各
合板35の一部を開口して窓Wや戸Dなどを配設する。
続いて、各主柱33の上端部を梁34,34によってそ
れぞれ連結すると共に、対向する両梁34,34の上に
つか36,36を立設し、両つか36,36および両梁
34,34の上の母屋37,37・・を配設する。次
に、各母屋37の上に野路板38を掛け渡して固定した
後に、屋根部材Rによって外側表面を覆う。次いで、対
向する大引き32,32の上に所定の間隔で根太39,
39・・を掛け渡して固定し、その上に床板40を敷き
詰める。これにより、建築物本体3が完成し、図1に示
すように建築物1が完工する。
【0025】この建築物1では、大地に敷設されたコン
クリート22に対して、PC基礎12と建築物本体3と
が共に相対的に移動できるように構成されている。した
がって、地震などが発生した際に、例えば、図5に示す
ように、大地が同図の矢印Aの方向で水平に大きく移動
することにより土間コンクリート11が破線の位置から
実線の位置まで移動したときには、PC基礎12の絶対
位置は、ほぼ変わらず、大地に敷設された土間コンクリ
ート11のみが大地と共に移動させられる。このため、
大地が水平方向に大きく移動した場合であっても、その
力がPC基礎12よりも上方の建築物本体3に影響を与
えることがなく、建築物本体3の歪みや倒壊を防止する
ことができる。
【0026】この結果、従来の建築物51における建築
物本体53とは異なり、地震に備えて必要以上に建築物
本体3を強固に建築する必要がない。このため、建築物
1では、建築物本体3の剛性を建築物51における建築
物本体53よりも低下させることが可能となり、建築コ
ストを低減することができると共に、工期を短縮するこ
とができる。また、従来の建築物51では、傾斜地に建
築物本体53を施工する場合に、基礎部52の敷設が困
難かつ高額となっていたが、この建築物1では、各床づ
か31の長さを適宜変更すれば、容易かつ安価に、様々
な地形の大地の上に建築物本体3を建築することができ
る。
【0027】なお、本発明は、本発明の実施の形態に示
した構成に限定されない。例えば、本発明では、床づか
31および主柱33を異なる2つの部材で構成している
が、床づか31および主柱33を1本の部材で構成する
こともできる。この場合には、建築物本体3の強度を、
より強くすることができると共に、建築物1の工期をさ
らに短縮することができる。また、床づか31に相当す
る部材をなくして、大引き32をPC基礎12の上に直
接固定することもできる。さらに、PC基礎12の上に
重量鉄鋼を用いて櫓を組み、その上に、従来の建築工法
によって建築された建築物本体を積み上げて建築しても
よい。さらに、本発明の実施の形態では、本発明におけ
る摩擦低減部材について砂Sを用いる例について説明し
たが、これに限定されず、摩擦係数がより小さいベアリ
ング装置をコンクリート22とPC基礎12との間に敷
設することができるのは勿論である。
【0028】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の建築工法
によれば、少なくとも3つ以上の固定基礎を大地に敷設
し、各固定基礎に面的に対向すると共に水平方向に移動
可能な移動可能基礎を固定基礎上にそれぞれ配置し、複
数の移動可能基礎の相対的位置関係を保持可能な建築物
本体を複数の移動可能基礎上に施工することにより、地
震などの発生時に、建築物本体が、移動可能基礎の相対
的な位置関係を保持した状態で、移動可能基礎と共に固
定基礎上を相対的に移動させられるため、固定基礎に加
わった力の移動可能基礎よりも上側への伝達が阻止され
る結果、建築物本体における歪みの発生が防止される。
これにより、耐震目的のために建築物本体を必要以上に
頑強に建築する必要がなくなる結果、建築コストを低減
しつつ工期を短縮することができると共に、地震などに
起因する建築物本体の倒壊を防止することができる。
【0029】また、請求項2記載の建築工法によれば、
固定基礎と移動可能基礎との間に、両基礎間の摩擦係数
を低下させるための摩擦低減部材を配設することによ
り、移動可能基礎と固定基礎とが、よりスムーズに互い
に相対的に移動するため、地震などに起因する建築物本
体の倒壊を、より確実に防止することができる。
【0030】さらに、請求項3記載の建築工法によれ
ば、摩擦低減部材として砂またはベアリング装置を用い
ることにより、摩擦低減部材として樹脂製のフィルムな
どを配設する場合と比較して、摩擦低減部材の劣化の程
度が少ないため、永続的に一定の性能を維持することが
でき、これにより、地震などに起因する建築物本体の倒
壊を永続的に防止することができる。
【0031】また、請求項4記載の建築工法によれば、
広葉樹片で形成された構造用合板壁材と断熱材とからな
る複合パネルによって各柱の間を連結した建築物本体を
施工することにより、従来の建築物においては必須であ
る間柱や筋かいを必要としないため、建築コストを低減
しつつ工期を短縮することができると共に、加えて森林
資源の有効活用を図ることができる。
【0032】さらに、請求項5記載の建築物によれば、
安い建築コストで耐震構造の建築物を短期に建築するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建築物の外観斜視図
である。
【図2】本発明の実施の形態に係る建築物を示す図であ
って、(a)は建築物の側面図、(b)は建築物の背面
図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る建築物の断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態に係る合板の断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態に係る建築物の地震発生時
前後における背面図である。
【図6】従来の建築物の地震発生時前後における背面図
である。
【図7】従来の建築物の外観斜視図である。
【図8】従来の建築物を示す図であって、(a)は建築
物の側面図、(b)は建築物の背面図である。
【図9】従来の建築物における基礎部の断面図である。
【図10】従来の建築物の断面図である。
【符号の説明】
1 建築物 2 基礎部 3 建築物本体 11 土間コンクリート 12 PC基礎 13 土台部 14 壁部 15 屋根部 21 割ぐり石 22 コンクリート 35 合板 45 多孔性樹脂 46 集成材板 S 砂

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3つ以上の固定基礎を大地に
    敷設し、当該各固定基礎に面的に対向すると共に水平方
    向に移動可能な移動可能基礎を当該固定基礎上にそれぞ
    れ配置し、当該複数の移動可能基礎の相対的位置関係を
    保持可能な建築物本体を当該複数の移動可能基礎上に施
    工することを特徴とする建築工法。
  2. 【請求項2】 前記固定基礎と前記移動可能基礎との間
    に、両基礎間の摩擦係数を低下させるための摩擦低減部
    材を配設したことを特徴とする請求項1記載の建築工
    法。
  3. 【請求項3】 前記摩擦低減部材は、砂またはベアリン
    グ装置であることを特徴とする請求項2記載の建築工
    法。
  4. 【請求項4】 広葉樹片で形成された構造用合板壁材と
    断熱材とからなる複合パネルによって各柱の間を連結し
    た建築物本体を施工することを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の建築工法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の建築
    工法によって建築されたことを特徴とする建築物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001073473A (ja) * 1999-03-09 2001-03-21 Sekisui Chem Co Ltd 免震建築物の出入り口構造、及び該出入り口構造を備えたユニット式免震建物並びに建物ユニット

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001073473A (ja) * 1999-03-09 2001-03-21 Sekisui Chem Co Ltd 免震建築物の出入り口構造、及び該出入り口構造を備えたユニット式免震建物並びに建物ユニット

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