JP2000008489A - 住宅ユニットの製造方法及びユニット住宅の施工方法 - Google Patents

住宅ユニットの製造方法及びユニット住宅の施工方法

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JP2000008489A
JP2000008489A JP10175608A JP17560898A JP2000008489A JP 2000008489 A JP2000008489 A JP 2000008489A JP 10175608 A JP10175608 A JP 10175608A JP 17560898 A JP17560898 A JP 17560898A JP 2000008489 A JP2000008489 A JP 2000008489A
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house
unit
units
housing
structural
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Yoshihiko Matsumoto
吉彦 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ユニット住宅を建築する際に、該ユニット住宅
を構成する住宅ユニットの製造効率や輸送効率の向上を
はかる。 【解決手段】目的のユニット住宅Aを、間仕切り9や柱
15の制約をうけることなく、単に輸送手段のユニット寸
法によってのみ制約して分割して生産ユニット16a〜16
gを設定する。この生産ユニットに於ける隅部であって
天井部18と床部19を接続する部材のない部位には仮設材
17を配置して両者を接続して住宅ユニット16a〜16gを
製造する。住宅Aを建築する敷地に住宅ユニット16a〜
16gを設置し、隣接する住宅ユニットどうしを接続した
後、仮設材17を取り外すことで住宅Aを建築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の住宅ユニッ
トを相互に連結してユニット住宅を建築するに際し、住
宅ユニットを合理的に製造するための方法と、前記住宅
ユニットを用いてユニット住宅を施工する方法とに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、複数の住宅ユニットを目的の
住宅を建築するための敷地に搬入して夫々所定位置に設
置した後、隣接する住宅ユニットを相互に連結してユニ
ット住宅を建築する方法が採用されることが多くなって
いる。この方法では、個々の住宅ユニットを予め工場で
生産するため、品質管理が行き届き信頼性の高い住宅を
建築することが可能である。また建築現場では、搬入さ
れた住宅ユニットを順に設置しつつ連結することが可能
となり、工期の短縮化を実現することが可能である。
【0003】上記の如きユニット住宅を建築する場合、
目的の住宅の間取りを設計し、この間取りに基づいて間
仕切り及び柱の位置を設定し、更に、主として、間仕切
りの位置と柱の位置に基づいて住宅ユニットの形状や寸
法を設定し、従的に、輸送手段となるトラックの積載可
能寸法を加味して個々の住宅ユニットの最終的な寸法や
形状を設定するのが一般的である。
【0004】例えば、図9に示すように、浴室及び洗面
所51,キッチン52,和室53,LD54,玄関及びホール5
5,階段56,廊下57からなる1階部分を持つ住宅であっ
て、各構成部分の間に間仕切り壁58を形成すると共に柱
59を配置した住宅を複数の住宅ユニットによって構成す
る場合、この住宅を図10(a)に示すように、間仕切り
壁58及び柱59を基準として分割し、分割された個々の部
分の寸法を運搬可能寸法と突き合わせて、同図(b)に
示す住宅ユニット60〜69を製造するのが一般的である。
【0005】上記住宅ユニット60〜69では、各隅部には
必ず建築されたユニット住宅に作用する垂直荷重を支持
する間仕切り58の一部或いは柱59が存在している。この
ため、製造された住宅ユニット60〜69は独立した構造体
としての形状を有しており、建築現場に搬入し且つ建築
現場で所定の位置に設置する作業を容易に行うことが出
来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記住宅ユニ
ットでは、間仕切り壁や柱の位置を主たる分割基準と
し、輸送手段に於ける積載可能寸法が従的な分割基準と
して製造される。即ち、輸送手段の能力を充分に活用す
るという思想に乏しく、個々の住宅ユニットは輸送手段
の能力よりも小さくなり、これに伴って住宅ユニットの
数が多くなってしまうという問題がある。
【0007】そして住宅ユニットの数が多くなると、輸
送手段であるトラックは多くの台数が必要とされ、建築
現場でも、接続すべき住宅ユニットの数が多くなるた
め、施工が煩雑で且つ工期を必要とし、ユニット化のメ
リットが減少することがあるという問題が生じる。
【0008】本発明の目的は、目的のユニット住宅を構
成するに必要な住宅ユニットの数を削減して輸送効率や
施工効率を高くすることが出来る住宅ユニットの製造方
法とユニット住宅の施工方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る住宅ユニットの製造方法は、少なくとも
床と天井を有する住宅ユニットの製造方法であって、予
め設定された住宅の間取りに基づく間仕切り又は柱の位
置に制約されることなく輸送上のユニット寸法の制約内
で複数の生産ユニットを設定し、設定された個々の生産
ユニットに於ける垂直荷重を受ける部材のない隅部に床
と天井を接続する仮設材を配置して住宅ユニットを製造
することを特徴とするものである。
【0010】上記住宅ユニットの製造方法では、予め目
的の住宅の間取りを設定し、間仕切りや柱の位置には全
く制約を受けることなく、トラックやトレーラー等の輸
送上の制約のみに基づいて分割して生産ユニットを設定
する。この生産ユニットは、目的の住宅ユニットを製造
する上での設計上の単位であり、少なくとも床と天井を
有するものの、間仕切り壁や柱等の垂直荷重を受ける部
材が配置される保証はない。
【0011】このため、設定された生産ユニットに於け
る垂直荷重を受ける部材のない隅部に仮設材を配置し、
この状態で製造することで、工場に於ける製造段階、及
び輸送段階、更に、現場に設置して隣接する他の住宅ユ
ニットと接続するまでの段階で、床と天井を接続して力
学的に独立した住宅ユニットを製造することが出来る。
【0012】特に、生産ユニットが、目的のユニット住
宅の間取りと輸送上の制約にのみ基づいて設定されてい
るため、間仕切りや柱の位置に関わらず、必要最小限の
ユニット数でユニット住宅を建築することが出来る。
【0013】また本発明に係るユニット住宅の施工方法
は、ユニット住宅を建築すべき敷地に上記の如くして製
造された住宅ユニットを複数配置し、隣接する住宅ユニ
ットを相互に接続した後、隅部に配置した仮設材を取り
外すことを特徴とするものである。
【0014】上記ユニット住宅の施工方法では、少なく
とも床と天井を有し且つ隅部に間仕切り壁や柱等の垂直
荷重を受ける部材が配置されず、この隅部に仮設材を配
置して床と天井を接続した住宅ユニットを、目的のユニ
ット住宅を建築する敷地に複数設置し、隣接する住宅ユ
ニットどうしを相互に接続した後、隅部に配置した仮設
材を取り外すことで、ユニット住宅を建築することが出
来る。
【0015】特に、住宅ユニットが隅部に垂直荷重を受
ける間仕切り壁や柱がない場合であっても仮設材によっ
て垂直荷重を受けることが出来るため、住宅ユニットの
輸送時や敷地に対する設置時に例えばクレーン等によっ
て吊り上げた場合であっても、安定した作業を行うこと
が出来る。そして敷地に設置した後、隣接する他の住宅
ユニットと接続することによって、床や天井を一体化さ
せることで剛性と強度を発揮することが出来る。
【0016】従って、目的のユニット住宅を最小限の数
の住宅ユニットによって構成することが出来るので、ト
ラックの数を削減して輸送効率を向上させると共に、接
続箇所を削減して施工効率を向上させることが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、上記住宅ユニットの製造方
法及びユニット住宅の施工方法の好ましい実施形態につ
いて図を用いて説明する。図1はユニット住宅の間取り
例と間仕切り壁の位置の例を示す図、図2は図1のユニ
ット住宅に於ける耐力壁線を示す図、図3は生産ユニッ
トを設定する過程で想定する構造グリッドを図1のユニ
ット住宅に適用した図、図4は生産ユニットを設定する
過程で想定する構造ユニットを説明する図、図5は予め
設定した構造ユニットのパターンを説明する図、図6は
図1のユニット住宅を構成する生産ユニットの配置を説
明する図、図7は製造された住宅ユニットを示す模式斜
視図、図8は複数の住宅ユニットを設置してユニット住
宅を施工する際の手順を説明する図である。
【0018】本発明に係る住宅ユニットの製造方法は、
顧客と共に通常の手法で目的の住宅の間取りを設定し、
その後、設定された間取りに基づいて、水平力を考慮し
て耐力壁の位置を設定し、更に、鉛直力を考慮して構造
グリッドを設定し、これにより、目的の建物のプランニ
ングと強度設計が終了した後、更に、既に設定された構
造グリッドを複数の構造ユニットに分割し、この構造ユ
ニットを再構成することによって生産ユニットを設定
し、該生産ユニットの垂直荷重を受ける部材のない隅部
に仮設柱を配置して製造することで、住宅ユニットを構
成するものである。
【0019】次に、上記製造方法を実施する手順につい
て図を用いて具体的に説明する。
【0020】先ず、顧客の家族構成や住人の趣味等の種
々の条件を加味して目的の住宅の間取りを設定する。例
えば、図1に示すような、玄関1,ホール2,和室3,
LD4,キッチン5,階段6,風呂及び洗面所7,便所
8、及び前記各部の間仕切り9,外壁10を有する目的の
住宅Aの1階部分の間取りが設定される。同様にして2
階の間取りも設定される。
【0021】上記の如く間取り及び間仕切り9が設定さ
れた住宅Aは、想定される水平力に基づいて、図2に示
すように、耐力壁線11aが形成され、該耐力壁線11a上
であって開口部を除く位置で且つ各方向に合理的に分配
された部位に耐力壁11が設定される。この耐力壁11は上
下階共に同一の位置にある必要はなく、1階,2階に対
応して互いに独立した位置に設定される。この耐力壁11
の位置を設定するに際しては、純粋に建物の構造を考慮
しており、製造すべき住宅ユニットに対する考慮はなさ
れることがない。
【0022】各構成部分の間仕切り9と耐力壁11を設定
した後、想定される鉛直力に基づいて図3(a)に示す
ように、構造グリッド(仕切線13)が設定される。構造
グリッドは住宅Aの平面を複数の格子(グリッド)に仕
切り、このグリッドに作用する鉛直力を該グリッド内で
支持し得るように設定した構造上の単位となるものであ
る。
【0023】即ち、耐力壁11の位置が1階及び2階以上
の上層階との間に何ら関連性を有することなく設定され
るのに対し、仕切線13で示す個々の構造グリッドは、1
階及び2階以上の上層階共に同一の部位(同一投影線
上)に設定される。このように、全ての階層を構成する
構造グリッドを同一の形状に設定することから、目的の
住宅に於ける鉛直力の作用線が一致し、各階に於ける間
取りや間仕切りの位置に関わらず構造を共通化すること
が可能である。
【0024】個々のグリッド13a〜13gは、周囲を規定
する仕切線13の内部で鉛直力の支持を完結させる力学的
に独立した構造体として設定される。このため、構造計
算を実施する場合、他のグリッドの構造や他のグリッド
に対する接続構造を考慮する必要性がなく、計算の簡略
化を実現することが可能である。
【0025】即ち、各グリッド13a〜13gは、仕切線13
に沿って梁14が配置され、且つ梁14の端部及び該梁14の
所定部位(間仕切り9と対応する位置等)に柱15が配置
されて構成されており、仕切線13の内部には柱が配置さ
れることはない。従って、目的の住宅に作用する鉛直力
は、仕切線13に沿って配置された梁14と該梁14を支持す
る柱15とによって構成された筒状の構造体によって支持
されることになる。
【0026】このため、各グリッド13a〜13g毎に独立
して鉛直力に対する構造計算を行うことで住宅Aの構造
計算を実施することが可能となる。特に、仕切線13を構
成する梁14の上部に柱が存在する場合、該柱に対応させ
て梁14の下部に柱15を設けることで梁14を両端支持の単
純梁として考察すると共に、該梁14に作用する鉛直力を
等分布荷重とし考察することで、構造計算の統一化をは
かると共に処理の簡略化をはかることが可能である。
【0027】構造グリッドを構成する仕切線13は、同図
(b)に示すように、該間仕切り9を含んでいるが、全
ての間仕切り9を含むものではない。即ち、仕切線13は
間仕切り9に対応する位置に設定されるものの、間仕切
り9が必ず仕切線13に一致するものではない。このた
め、仕切線13と交差して内部,外部に間仕切り9が配置
されることがあり、この場合、仕切線13を構成する梁14
に内部,外部に存在する間仕切り9が接続されることと
なる。
【0028】上記の如くして住宅Aに構造グリッド13a
〜13gを設定することによって、該住宅Aの構造を設定
する作業の合理化をはかることが可能である。従って、
前記構造グリッド13a〜13gを設定するまでの間は、住
宅Aの構造を合理的に設定することを目的として実施さ
れる。
【0029】住宅Aの構造グリッド13a〜13gが設定さ
れた後、該住宅Aを合理的に製造することを目的とした
作業を実施する。先ず、図4に示すように、各構造グリ
ッド13a〜13gを個々に構造ユニットに分割する。
【0030】構造ユニットは、住宅ユニットを製造する
際に設定される生産ユニットの形状や寸法を設定する際
の基本となるものであり、図5に示すように、ユニット
数が1〜4で各ユニットが平行に配置されたI形式、ユ
ニット数が3,4で各ユニットが平行に配置されると共
に交差するT形式、ユニット数が4で平行に配置された
ユニットが互いに交差する+形式の8パターン(I−1
U〜+−4U)が予め設定されている。
【0031】そして上記各パターンの中から各構造グリ
ッド13a〜13gに対し最適なものを選択して適用する。
特に、各構造グリッド13a〜13gの構造ユニットへの分
割は、住宅Aの生産ユニットへの分割の前提となるもの
であり、輸送手段となるトラックの積載可能寸法と、住
宅Aに設定された基準寸法Pとが考慮される。
【0032】本実施例では、住宅Aの基準寸法を、P=
910 (mm)とし、各生産ユニットの最大目標寸法を2.5
P×6Pとし、全ての生産ユニットを前記寸法範囲に可
及的に接近させるように設定している。即ち、生産ユニ
ットの寸法は2275mm×5460mm以下に設定されており、こ
の寸法は4トントラックの荷台に積載し得る値であり、
輸送コストを増加させることはない。
【0033】従って、複数の構造グリッド13a〜13gが
設定された住宅Aの、例えば隅部に位置する構造グリッ
ド13d,13gを構成する外壁10に対応する2辺を基準と
し、この基準辺とした外壁10から主として上記目標寸法
を考慮しつつ他方の辺(間仕切り9)側に向けて分割し
てゆくことで、各構造グリッド13a〜13gは構造ユニッ
トに分割される。
【0034】即ち、本実施例では、住宅Aの幅方向(図
4の左右方向)両側の構造グリッド13b〜13d,13gは
夫々I形式のパターン、I−1U〜I−3Uの何れかの
構造ユニットに分割され、幅方向の中央にある構造グリ
ッド13a,13eはT形式のパターン、T−3Uの構造ユ
ニットに分割されている。
【0035】上記の如くして各構造グリッド13a〜13g
を分割した構造ユニットが、図5に示す8パターンに該
当しない場合、再度分割し直して全ての構造グリッド13
a〜13gを8パターンの何れかの構造ユニットに対応さ
せる。
【0036】上記各形式に於いて、I形式は構造グリッ
ドの2辺(図5に於ける縦方向の辺)に対して交差する
5辺(図5に於ける横方向の辺)の交点に柱を配置して
構成することが可能であり、他のI形式の構造グリッド
を縦方向の2辺の延長方向に接続して大空間を実現する
ことが可能である。またT形式は天井梁を有効に利用す
ると共に架設材を利用することで大空間を実現すること
が可能であり、+形式は現場施工の梁を利用するととも
に架設材を利用することで大空間を実現することが可能
である。
【0037】上記の如くして各構造グリッド13a〜13g
を図5に示す何れかのパターンを持った構造ユニットに
分割した後、各構造ユニットの分割線を図4に点線で示
すように接続することで、図6に示すように配置された
生産ユニット16a〜16gを設定する。
【0038】このように、従来技術に説明した住宅と同
一の住宅を建築する場合、従来の技術に基づいてユニッ
ト化したときの数が10であるのに対し、本実施例では
7になり、個々のユニットが大型化するものの同一の輸
送手段を採用することが可能であり、輸送効率を向上す
ることが可能である。
【0039】上記の如くして設定された生産ユニット16
a〜16gは、住宅Aに於ける間仕切り9の位置、及び各
構造グリッド13a〜13gの仕切線13に沿って配置される
梁14及び柱15の位置に制約されることなく、輸送上のユ
ニット寸法(例えばトラックの荷台の寸法、或いはコン
テナの寸法等)によってのみ制約される。
【0040】このため、設定された生産ユニット16a〜
16gには夫々対応する平面形状を持った床部と天井部が
配置され、且つ構造グリッドを構成する梁14の一部が配
置されている。しかし、四隅の全てに間仕切り9の一部
或いは柱15等の天井部と床部を接続する部材が配置され
る保証はない。また隣接する生産ユニットの一方側に構
造グリッドの梁14,柱15が配置される場合、他方の生産
ユニットに於ける構造グリッドに対応する部位、或いは
辺には床部と天井部を接続する部材が配置されることが
ない。
【0041】尚、間仕切り9及び外壁10は、対応する生
産ユニット16a〜16gに組み込まれて形成される。しか
し、上記の如く、外壁10は対応する生産ユニットの1辺
或いは2辺に一致して形成されるものの、間仕切り9が
対応する生産ユニットの辺に一致して形成されるという
保証はない。また耐力壁11は、該耐力壁11が設定された
部位に対応する生産ユニットに間仕切り9の一部として
組み込まれて構成される。
【0042】上記の如く、住宅Aを輸送上の制約のみに
よって設定した生産ユニット16a〜16gでは、隅部に床
部と天井部を接続する部材が配置されないものが生じ
る。このため、前記生産ユニット16a〜16gをそのまま
製造したのでは床部と天井部が接続されず、互いに片持
ち梁となって強度が弱く、保管時や搬送時,特にクレー
ンによって吊り上げる際に支障を来すことがある。
【0043】従って、隅部に床部と天井部を接続する部
材が配置されない生産ユニットには対応する隅部に仮設
材17を配置したユニットを住宅ユニットとすることで、
床部と天井部が仮設材17によって接続され、これによ
り、高い剛性と強度を持った住宅ユニットを製造するこ
とが可能である。即ち、生産ユニット16a〜16gは生産
上の単位として設計上で設定されるものであって、この
生産ユニットに製造上必要な部材(仮設材17)を加えて
住宅ユニットを設定することで、製造上の合理性と住宅
Aを構成するまでの間を耐え得る強度を持った住宅ユニ
ット16a〜16gを製造することが可能である。
【0044】上記の如くして製造された住宅ユニット16
は、図7に示すように、片持ち梁状の天井部18と床部19
が隅部に配置された仮設材17によって接続され、これに
より、該住宅ユニット16の天井部18が隣接する他の住宅
ユニットの天井部に直接或いは天井梁や現場施工梁を介
して接続されるまでの間、充分な強度を付与されて工場
や現場に於ける保管時、或いは輸送,現場での設置時に
クレーン等によって吊り上げられた場合に強度上の支障
を来すことがない。
【0045】また各住宅ユニット16a〜16gが、間仕切
りや柱の位置に制約を受けずに単に輸送手段の寸法的な
制約のみによって目的の住宅Aを分割して設定される。
このため、製造された住宅ユニット16a〜16gは輸送効
率を向上させることが可能となる。更に、住宅ユニット
16a〜16gが輸送上の制約の最大寸法を目標として設定
されるため、目的の住宅Aを構成する住宅ユニット16a
〜16gの総数を削減することが可能となる。
【0046】次に、上記住宅ユニットを用いてユニット
住宅を建築する際の施工法について説明する。
【0047】本実施例に係るユニット住宅の施工方法
は、前述した住宅ユニットの製造方法に基づいて製造さ
れた複数の住宅ユニット(16a〜16g)を用いて目的の
住宅Aを建築するものである。住宅Aを建築するための
敷地には、個々の住宅ユニット16a〜16gを設置する位
置が予め設定されている。
【0048】工場段階で製造された住宅ユニット16a〜
16gは、輸送手段となるトラック等によって建築現場に
搬入される。このとき、全ての住宅ユニット16a〜16g
は、四隅の全てに間仕切り9,柱15或いは仮設材17が配
置され、該隅部に於ける天井部18と床部17が接続されて
いる。従って、天井部18,床部19の隅部が片持ち梁状に
保持されることがなく、互いに接続されて垂直力を支持
している。
【0049】住宅ユニット16a〜16gは、夫々予め設定
された位置に設置される。即ち、各住宅ユニット16a〜
16gは図6の配置に従って、且つ図8に示すように夫々
隣接する他の住宅ユニットに対し予め設定された寸法だ
け離隔して設置される。このとき、住宅ユニット16の隅
部に於ける天井部18と床部19が仮設材17によって接続さ
れている場合、この接続状態を保持して住宅ユニット16
は設置され、該設置状態を保持する。
【0050】上記の如くして複数の住宅ユニット16a〜
16gを夫々所定位置に設置した後、隣接する住宅ユニッ
トどうしを互いに接続する。このとき、隣接する住宅ユ
ニットの接続は、構造グリッド13a〜13gを分割した構
造ユニットのパターンに対応させて行われる。
【0051】即ち、構造ユニットのパターンがI形式で
ある場合には、例えば隣接する住宅ユニットの天井部18
の間に図示しない天井梁を取り付けて互いに接続し、ま
たT形式の場合にはTの横棒に対応する部位に図示しな
い天井梁を取り付けて該天井梁に縦棒に対応する天井を
接続し、更に、+形式の場合には交差する何れかの方向
に対応する部位に図示しない現場梁を取り付けて該現場
梁に他の方向に対応する天井を接続する。
【0052】上記の如き接続作業を行って設置された全
ての住宅ユニット16a〜16gを隣接する他の住宅ユニッ
トに接続したとき、これらの住宅ユニット16a〜16gに
予め組み込まれていた構造グリッドの仕切線13が全て閉
じた状態で連続し、予め設定された強度を持った構造体
が形成される。また住宅Aの間取りに対応した間仕切り
9や外壁10が形成され、これに伴って空間1〜8が形成
される。
【0053】そして各住宅ユニットが隣接する他の住宅
ユニットと接続され、これにより、予め設定された構造
グリッドが形成されたとき、隅部に配置された仮設材17
によって接続されていた天井部18と床部19は、互いに隣
接する他の住宅ユニットの天井部,床部と接続されるこ
とになる。このため、仮設材17が不要となるため、該仮
設材17を取り外す。これにより、複数の住宅ユニットか
らなるユニット住宅が建築され、該ユニット住宅の内部
には仮設材17が存在することがない。
【0054】上記の如き作業を各階毎に順に実施するこ
とで、目的の住宅Aを建築することが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
住宅ユニットの製造方法では、目的の住宅に於ける間仕
切りや柱の位置に制約されることなく、単に輸送上の制
約によって設定することによって、輸送手段の能力を最
大限に発揮させることが出来、これにより、住宅ユニッ
トの数を削減することが出来る。特に、住宅ユニットの
製造に係る効率は、住宅ユニットの構造よりも数に多く
依存し、従って、住宅ユニットの種類が増加したとして
も、1軒の住宅を建築するのに必要な住宅ユニットの数
を減少させた方がより生産効率を向上させることが出来
る。
【0056】また個々の住宅ユニットが輸送手段の能力
を最大限に発揮させるように構成されるため、実際の工
事に際し、住宅ユニットを目的の建築現場に搬入するた
めに必要な例えばトラックの台数を削減することが出
来、輸送効率を向上することが出来る。
【0057】1軒の住宅を構成する住宅ユニットの数を
削減することが出来るため、建築現場に於いても、住宅
ユニットを設置する作業の削減をはかることが出来、且
つ住宅ユニットを接続する部位が減少して作業の簡易化
をはかることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ユニット住宅の間取り例と間仕切り壁の位置の
例を示す図である。
【図2】図1のユニット住宅に於ける耐力壁線を示す図
である。
【図3】生産ユニットを設定する過程で想定する構造グ
リッドを図1のユニット住宅に適用した図である。
【図4】生産ユニットを設定する過程で想定する構造ユ
ニットを説明する図である。
【図5】予め設定した構造ユニットのパターンを説明す
る図である。
【図6】図1のユニット住宅を構成する生産ユニットの
配置を説明する図である。
【図7】製造された住宅ユニットを示す模式斜視図であ
る。
【図8】複数の住宅ユニットを設置してユニット住宅を
施工する際の手順を説明する図である。
【図9】従来のユニット住宅を構成する際の間取りの例
を示す図である。
【図10】従来のユニット住宅を構成する際に住宅ユニッ
トの配置例を示す図である。
【符号の説明】
A 住宅 9 間仕切り 10 外壁 11 耐力壁 11a 耐力壁線 13 仕切線 13a〜13g 構造グリッド 14 梁 15 柱 16a〜16g 生産ユニット,住宅ユニッ
ト 17 仮設材 18 天井 19 床

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも床と天井を有する住宅ユニッ
    トの製造方法であって、予め設定された住宅の間取りに
    基づく間仕切り又は柱の位置に制約されることなく輸送
    上のユニット寸法の制約内で複数の生産ユニットを設定
    し、設定された個々の生産ユニットに於ける垂直荷重を
    受ける部材のない隅部に床と天井を接続する仮設材を配
    置して住宅ユニットを製造することを特徴とする住宅ユ
    ニットの製造方法。
  2. 【請求項2】 ユニット住宅を建築すべき敷地に請求項
    1に記載された住宅ユニットを複数配置し、隣接する住
    宅ユニットを相互に接続した後、隅部に配置した仮設材
    を取り外すことを特徴とするユニット住宅の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5958984B1 (ja) * 2015-09-09 2016-08-02 文和 勝田 グリッド設計法に基づく木造建築物の製造方法
JP2022034464A (ja) * 2020-08-18 2022-03-03 株式会社アシストジャパン 間仕切り自由な開放室内空間を造る建築構造物の施工方法

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