JP2000008168A - 薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成方法

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JP2000008168A
JP2000008168A JP10189721A JP18972198A JP2000008168A JP 2000008168 A JP2000008168 A JP 2000008168A JP 10189721 A JP10189721 A JP 10189721A JP 18972198 A JP18972198 A JP 18972198A JP 2000008168 A JP2000008168 A JP 2000008168A
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liq
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Akira Odagiri
耀 小田切
Kazuo Kikuchi
和夫 菊池
Mitsuru Iwahashi
満 岩橋
Hirokuni Yoda
博國 世田
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Shincron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体蒸発原料を液体状態のままで真空成膜室
に供給して気化せしめて成膜することにより、供給系は
真空槽外部で常温で使用可能なので制約が少なく、バル
ブ等は通常のものを使用できる。また、液体は真空成膜
槽内部で加熱されるので、高沸点のものも取り扱うこと
ができ自由度が大きい。さらに外部からの連続供給が容
易なので、装置の連続化に適している。バッチ式の成膜
方法として、また、基板を搬送させつつ薄膜を堆積する
連続時の成膜方法(例えばロールコーター)などに利用
できる。 【解決手段】 成膜真空槽内に設けられた蒸発気化器
に、成膜真空槽外部から液体蒸発原料を細管を通し加圧
して液体状態のままで供給し、蒸発気化器内で気化させ
て蒸発せしめ、基板上に薄膜を堆積する薄膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の蒸発原料を
用いて真空槽内で薄膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物を中心とした液体原料を蒸発
材料とし基板上に薄膜を堆積することは従来から行なわ
れており、例えば以下の手法が知られているが、それぞ
れ問題点を有していた。例えば、CVDなどで採用され
ているように、液体蒸発材料を加熱して気化せしめ、成
膜真空室へガスとして導入する方法、いわゆる高温型マ
スフローコントローラが知られている。しかしこの方法
では液体蒸発材料の気化温度に制限があり、汎用性の問
題がある。また、加熱により分解しやすい材料について
は適用上の問題がある。また、容器に入った原料液を大
気に晒さない状態で直接加熱し、そのものの蒸気圧と拡
散を利用してベーパライザで気化して成膜真空室に導く
方式も開発されている。現在の技術では、導入に用いる
構成部品、例えばバルブ等の耐熱性の限界である350
℃程度まで理論的には昇温させることができるが、これ
以上で蒸発気化させることができない。また、装置構成
も複雑であり、耐熱部品は高価である。さらに、原料液
を長時間加熱しておかなければならないので、原料液が
熱分解しやすい場合は不利となる。
【0003】さらに、液体蒸発物質を不活性ガスでバブ
リングし、不活性ガスに同伴させて成膜真空室へ導く方
法も知られている。しかしこの方法では本来必要とする
原料ガス以外にキャリアガスが必然的に成膜反応室に導
入され、原料ガス組成の制御範囲の自由度が狭くなるな
ど、制御が難しいという問題があった。また、導入ガス
の流れが脈流となりやすく、成膜条件の再現性の点で問
題があり、特に連続成膜装置においては顕著である。ま
た、タブレット状の担体に液状蒸発物質を含浸させて成
膜真空室内に搬入し、これを加熱して蒸発させる方法も
知られている。しかしこの方式では、蒸発終了後にタブ
レットの交換が不可避であり、作業性が悪く、また、装
置の連続運転化は困難で、一般にはバッチ式で運転せざ
るを得ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液体蒸発材
料を成膜真空室内に連続供給することが可能で、しか
も、扱える蒸発材料の制約が少なく、供給設備の構成が
簡単な薄膜形成方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜形成方法
は、成膜真空槽内に設けられた蒸発気化器に、成膜真空
槽外部から液体蒸発原料を細管を通し加圧して液体状態
のままで供給し、蒸発気化器内で気化させて蒸発せし
め、基板上に薄膜を堆積させることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、大気圧下で液体である
蒸発材料を、液体のままの状態で成膜真空室の外部(一
般に大気圧である)から、成膜真空室内に導入し、成膜
真空室内の蒸発気化器内で気化せしめて、基板上に堆積
せしめて薄膜を形成することを最大の特徴とする。本願
発明は、一般的な真空蒸着法、反応性蒸着法、反応性ス
パッタ、各種CVD法における液体蒸発原料の供給に応
用できる。図1は、本発明の実施例を示す模式図であ
る。成膜真空室11内には蒸発気化器31が設けられて
おり、この蒸発気化器31からの気化ガスにより基板1
3上に薄膜が堆積される。成膜真空室11は真空ポンプ
15を具え、高周波(RF)電極19を有する。高周波
電極19は、整合器21を介して高周波電源23に接続
されている。シャッタ25は、蒸発気化器31からの蒸
発気化ガスが拡散性でなく直進性の強い性質の場合に設
けるものであり、シャッタの開閉によって蒸着の時期を
制御することができる。したがって、必ずしも設ける必
要はない。
【0007】成膜真空室11への液体蒸発原料の供給系
は、成膜真空室11の外部の大気圧下にあり、液体蒸発
原料の加熱を必要としない。液体蒸発原料は、成膜真空
室11内の蒸発気化器31内において加熱される。した
がって、この供給系で用いられる各種部材、シール機構
は、常温で使用されるものをそのまま用いることがで
き、汎用化、低コスト化が可能となる。この供給系は、
液体原料貯留槽51、中空糸式等の脱ガス器53、液送
ポンプ55、圧力計57、バルブ59,61、供給用細
管63、ノズル65から構成される。液体原料貯留槽5
1中の液体蒸発原料は、脱ガス器53で脱気され、液送
ポンプ55により、供給用細管63を終てノズル65か
ら蒸発気化器31に連続的に定量供給される。原料液が
大気と接触することによって同液が劣化する虞れのある
場合は、液体原料貯留槽51から大気を排気するか、ま
たは不活性ガスを液体原料貯留槽51内に導入すること
が望ましい。
【0008】ノズル65は極細い内径の噴出口を持ち、
真空側であるノズル噴出口(ノズル出口)とノズル入口
との間に輸送液体の圧力差が生じるべく、ノズルの口径
とノズルの管の長さを設定する。このようにして十分に
圧力差を生じせしめることにより、液体蒸発原料の蒸発
気化器31への注入速度を安定して制御することが可能
となる。圧力差が十分でないときは、流入速度が大気圧
と真空度の変化による外因によって変動し、制御が不安
定になる虞れがある。ノズルの入口および出口(噴出
口)の圧力差は概ね5×105Pa〜350×105Pa
程度が適当であるが、液体蒸発原料の粘度などによって
適宜調整される。ノズルの管径、長さは以下の数1の式
(I)で示すHagen−Poiseuilleの式に
従って設計することができる。
【0009】
【数1】 η:液体蒸発原料の粘度〔Pa・s〕 r:ノズルの管の内半径〔m〕 L:ノズルの管の長さ〔m〕 Q:1秒間の流出容積〔m3・s-1〕 P:ノズルの入口側の圧力〔Pa〕 P′:ノズルの出口側圧力〔Pa〕
【0010】ノズル65の噴出口から液体蒸発原料が糸
状あるいは霧状に噴出される場合は、液体蒸発原料は脈
動することなく、蒸発気化器31内に供給される。な
お、霧状に噴出される場合には、後述する如く蒸発気化
器31内に飛沫防止材を設置することが望ましい。脈動
を防止して液体蒸発原料を供給することにより、蒸発気
化器31からの蒸発速度を安定に制御することができ、
薄膜の形成速度が安定化する。また、液体蒸発原料の粘
性係数を一定にするために、あるいはノズル中での液体
蒸発原料の異常な気化を防ぐために、ノズル周辺に恒温
器を取り付ることが望ましい。
【0011】原料液は、均質であれば単一組成に限定さ
れず、混合物あるいは溶液でも適用できる。原料液の各
組成成分の蒸発気化温度により本蒸発気化器の温度を高
くすることによって、全原料液を蒸発気化させることが
できる。従来の技術では非調和蒸発の影響を受けるの
で、原料液と気化蒸気の組成比が大きくずれる欠点があ
った。本法によれば、液が、蒸発気化器内に液として滞
留しない程度の蒸発気化器温度と液流入速度を調整する
ことによって、全成分を原料液の成分比とほぼ同一比で
連続的に気化させることができる。
【0012】図2は蒸発気化器31の構成例を示す説明
図である。蒸発気化器31は、上部に気体噴出口35を
有する閉容器で全体としてクヌードセン(Knudse
n)のセルに類似の形状を有している。ノズル65から
供給された液体蒸発原料は、蒸発気化器31の底部の蒸
発気化部33で加熱され、気体噴出口35から成膜真空
室11内に放出され、基板13上に薄膜を堆積する。本
発明は、真空中での蒸発であるから、下記数2の式(I
I)で示されるラングミュア蒸発の分子蒸発速度が適用
できる。
【0013】
【数2】
【0014】よって、蒸発気化器31内に供給された液
体蒸発原料を速やかに蒸発させるため、既ちWを大きく
するためには、K,a,Ptを大きくすればよい。Kを
大きくするためには、蒸発気化部33を清浄にすること
と、蒸発系の圧力を低くすることが有利であると言われ
ている。Ptを大きくするためには、蒸発気化器31の
温度を上げればよいが、液体蒸発原料の分解や、突沸の
発生等の問題を生じ不安定因子が増加する。したがっ
て、Wを大きくするための一番有効な手段は、aを大き
くすることである。aは、蒸発面積であり、先ず一義的
には蒸発気化部33の底面積がこれに相当するが、この
蒸発面積aを大きくするために、蒸発気化部33内にス
チールウール、金網、多孔性セラミックス、多孔性焼結
金属、多孔性ガラスあるいは針状物などを配置せしめ、
蒸発面積aを大きくすることが望ましい。
【0015】図2に示すように、供給された液体蒸発原
料は蒸発気化器31で気化され気体噴出口35から基板
13に向かって蒸発されるが、突沸などにより、液体蒸
発原料が霧状あるいは滴状の飛沫として外部に飛び出す
ことも考えられる。そこで、このような事態を防止すべ
く、蒸発気化部33と気体噴出口35との間に邪魔部材
37を配設し、蒸発気化部33から気体噴出口35へ液
体蒸発材料が霧状あるいは滴状での直進することを防止
する。このような飛沫は邪魔部材37で捕捉されて一部
は蒸発気化部33に還流される。また、一部は同邪魔部
材37上で気化する。よって、同邪魔部材37は、蒸発
気化器31と同様に表面積が大きい方が有利となる。ま
た、蒸発気化部33で気化された液体蒸発原料が、気化
後に蒸発気化器31の内部で再凝縮して蒸発気化器31
内に滞留しないように、蒸発気化器31の内面は蒸発気
化部33と同一温度か、若干高い温度に設定することが
望ましい。
【0016】図1では、蒸発気化器31から液体蒸発原
料を気化せしめるとともに、真空ポンプ15により真空
排気された成膜真空室11内に酸素(O2) ガスを導入
し、高周波(RF)電極19に電圧を印加してプラズマ
放電を起こし、反応性蒸着ないしCVDを行なう場合を
示している。このような場合、例えば液体原料として
は、有機金属化合物が好適に用いられる。この具体例と
しては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン
等の珪素のアルコキシド、珪素の有機酸アルコキシド、
珪素のアミノアルコキシド、エチルトリメチルシラン、
テトラメチルシラン等のアルキルシラン、テトラメチル
シクロシロキサン等のアルキルシロキサンなどが挙げら
れる。これらを用いることにより、基板上に酸化珪素膜
が堆積される。また、テトラ−i−ブトキシチタン等の
チタン、ジルコニウム、タンタル、アルミニウム、イッ
トリウム、インジウム等の金属のアルコキシド、アルコ
ラート、アセチルアセトネート、塩化物などの有機ない
しは無機の液体蒸発原料を用いれば、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化
イットリウム、酸化インジウムなどの中屈折率ないしは
高屈折率の誘電体薄膜を形成することができる。さら
に、酸素に替えて他の反応性ガス、例えば窒素を用いれ
ば、それぞれ窒化金属薄膜を形成することができる。ま
た、四フッ化メタン等のフッ素源ガスとトリエチルシラ
ン等の珪素源液および酸素ガスを導入してフッ素ドープ
の酸化珪素膜を形成することができる。
【0017】また、RF放電を行なうことの無い蒸発条
件で基板13上に薄膜を形成することもできる。このよ
うな液体蒸発原料の具体例としては、アミノ基、ヒドロ
キシル基等の官能基とパーフロオロアルキル基またはパ
ーフルオロポリエーテル基等のフッ素原子を有する有機
フッ素化合物、ジメチルシロキサン骨格を有する有機ケ
イ素化合物などが挙げられる。これは、眼鏡レンズ等の
撥水処理などに用いられる。さらに、図1では液体蒸発
原料の供給系を一系統のみ示したが、複数の供給系を設
けることにより、特開平7−56001号公報に示され
るように膜の厚さ方向に組成が変化して屈折率が徐々に
変化する傾射膜や、SiO2/TiO2の交互積層膜によ
る反射防止膜あるいは干渉フィルタなどを形成できる。
上記の例に限定されず、出発原料が液体であり真空中に
おいて基板上に薄膜あるいは厚膜として形成出来れば本
発明が適応できる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、液体蒸発原料を液体状
態のままで真空成膜室に供給して気化せしめて成膜する
ことにより、供給系は真空槽外部で常温で使用可能なの
で制約が少なく、バルブ等は通常のものを使用できる。
また、液体は真空成膜槽内部で加熱されるので、高沸点
のものも取り扱うことができ自由度が大きい。さらに外
部からの連続供給が容易なので、装置の連続化に適して
いる。本発明の薄膜形成方法は、バッチ式の成膜方法と
して、また、基板を搬送させつつ薄膜を堆積する連続時
の成膜方法(例えばロールコーター)などに利用でき
る。
【0019】実験例 図1に示した装置を用いて、テトラエトキシシランを5
0×105 Paの圧力を加えて0.1ml/分の速度
で、ノズルから真空成膜室内の蒸発気化器に供給した。
ここでノズルの管径は0.1mmとし、ノズルに至るま
での配管系の管径は0.5mmとし、ノズルにおける圧
力勾配を上記の通りに設定した。真空成膜室の圧力を2
×10-1Paに調整し、さらに酸素ガスを導入して4×
10-1Paに調整した。高周波電力(13.56MH
z、2KW)をRF電極に印加してプラズマを発生させ
た。蒸発気化器の温度を60℃として、テトラエトキシ
シランを気化させることにより、ポリカーボネート基板
上に酸化珪素膜を堆積させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる装置の構成例を示す模式図
である。
【図2】蒸発気化器を示す説明図である。
【符号の説明】
11 真空成膜室 13 基板 15 真空ポンプ 17 シャッター 19 高周波(RF)電極 21 整合器 23 高周波(RF)電源 31 蒸発気化器 33 蒸発気化部 35 気体噴出口 37 邪魔部材 51 液体原料貯留槽 53 脱ガス器 55 液送ポンプ 57 圧力計 59,61 バルブ 63 供給用細管 65 ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩橋 満 東京都品川区南大井3丁目2番6号 株式 会社シンクロン内 (72)発明者 世田 博國 東京都品川区南大井3丁目2番6号 株式 会社シンクロン内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA11 AA14 AA18 BA38 BA42 BA43 BA44 BA46 BB12 CA07 CA17 EA01 EA05 FA03 HA04 JA12 KA25 LA11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜真空槽内に設けられた蒸発気化器
    に、成膜真空槽外部から液体蒸発原料を細管を通し加圧
    して液体状態のままで供給し、蒸発気化器内で気化させ
    て蒸発せしめ、基板上に薄膜を堆積することを特徴とす
    る薄膜形成方法。
JP10189721A 1998-06-19 1998-06-19 薄膜形成方法 Pending JP2000008168A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003231969A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Konica Corp 製膜装置
JPWO2013077321A1 (ja) * 2011-11-21 2015-04-27 株式会社日立国際電気 半導体装置の製造装置、半導体装置の製造方法及び記録媒体
TWI574732B (zh) * 2014-05-23 2017-03-21 Shincron Co Ltd Film forming method and film forming apparatus

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JP2003231969A (ja) * 2002-02-08 2003-08-19 Konica Corp 製膜装置
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