JP2000008102A - チタン焼結用の耐火物容器及びチタン焼結方法 - Google Patents

チタン焼結用の耐火物容器及びチタン焼結方法

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JP2000008102A
JP2000008102A JP17908698A JP17908698A JP2000008102A JP 2000008102 A JP2000008102 A JP 2000008102A JP 17908698 A JP17908698 A JP 17908698A JP 17908698 A JP17908698 A JP 17908698A JP 2000008102 A JP2000008102 A JP 2000008102A
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sintering
titanium
refractory container
powder
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Yoshinori Shibata
義範 柴田
Toshiya Yamaguchi
登士也 山口
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉末成形体を焼結した焼結体の高品質化に有利
な粉末成形体焼結用の耐火物容器、及び、粉末成形体の
焼結方法を提供する。 【解決手段】この耐火物容器1は、粉末成形体2を収容
する収容室10を備え、粉末成形体3を収容室10に収
容した状態で粉末成形体3の焼結のために加熱炉に配置
される。耐火物容器1には、収容室10の内外を連通す
る脱気口14が形成されている。(脱気口面積/粉末成
形体の表出面積)をαとしたとき、 0.0001≦α
≦0.1に設定されている。また脱気口を開閉する閉鎖
弁を設けることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉末成形体焼結用の
耐火物容器、及び、粉末成形体の焼結方法に関する。本
発明は、例えば、チタン系粉末成形体などのように加熱
炉の炉壁から放出される物質の影響を受けるおそれがあ
る粉末成形体を焼結する際に利用できる。
【0002】
【従来の技術】粉末成形体を焼結するにあたっては、粉
末成形体を用意し、粉末成形体を加熱炉内で加熱し、焼
結体とする。この分野の公知技術として、加熱炉の炉室
に挿入可能なサイズをもつ耐火物容器を用い、粉末成形
体を耐火物容器の収容室に収容した状態で、耐火物容器
を加熱炉内に配置し、粉末成形体を焼結のために加熱す
る技術が知られている(特開平10−8106号公報、
特開平3−267306号公報、特開昭57−8590
2号公報)。
【0003】ところで、粉末成形体に影響を与える物質
が加熱炉の炉室内に発生することがある。例えば、加熱
炉の炉壁の種類や炉内雰囲気の種類などによっては、加
熱炉の炉壁から粉末成形体に影響を与える炭素や酸素を
含むガスが炉室に放出されることがある。上記した粉末
成形体を収容する耐火物容器を用いる技術によれば、粉
末成形体に影響を与える物質が加熱炉の炉壁などから炉
室内に放出されたとしても、耐火物容器が粉末成形体を
覆っているため、その影響を与える物質が粉末成形体に
接触することを耐火物容器によって抑えることができ、
焼結体の高品質化に有利である。
【0004】例えば、加熱炉の炉壁から発生する炭素や
酸素を含むガスの影響を受け易いチタン系粉末成形体の
場合であっても、そのガスが粉末成形体に接触すること
を耐火物容器によって効果的に抑制できる。従って粉末
成形体を良好に焼結でき、焼結体の高品質化に有利であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
技術によれば、粉末成形体を耐火物容器の収容室に収容
した状態で、粉末成形体を焼結するため、粉末成形体か
ら排出されるガス状排出物質を粉末成形体の外部に排出
する能力が低下するおそれがある。例えば、粉末成形体
の成形のために粉末成形体材料に添加されるワックスな
どは、本焼結処理に先だって脱ワックス処理されるが、
脱ワックス処理で生成したガス状排出物質を耐火物容器
の外部に排出しにくくなる。
【0006】また、水素化チタンを主要成分とするチタ
ン系粉末成形体などのように、粉末成形体が水素化物を
主要成分とする場合には、耐火物容器を用いると、粉末
成形体から排出された水素ガスを耐火物容器の外部に排
出しにくくなる。そのため、粉末成形体を収容する耐火
物容器を用いて焼結する技術によれば、焼結体の高品質
化に有利であるものの、限界がある。
【0007】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、粉末成形体を焼結した焼結体の高品質化に有利
な粉末成形体焼結用の耐火物容器、及び、粉末成形体の
焼結方法を提供することを共通課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を達成するために開発を進めた。そして、収容室の内外
を連通する脱気口を形成した耐火物容器を開発した。し
かし、脱気口面積が適切でなければ、加熱炉の炉壁など
から放出される物質が耐火物容器内の粉末成形体に過剰
に接触して粉末成形体の焼結に影響を与えたり、あるい
は、粉末成形体から排出されるガス状排出物質を耐火物
容器の外部に良好に排出できず、粉末成形体の焼結に影
響を与えたりするといった不都合が生じる。
【0009】本発明者は、脱気口面積と粉末成形体の表
出面積との関係について研究した結果、(脱気口面積/
粉末成形体の表出面積)をαとしたとき、0.0001
≦α≦0.1に設定すれば、加熱炉の炉壁などから放出
される物質が耐火物容器内の粉末成形体に過剰に接触す
ることを抑制しつつ、粉末成形体から排出されるガス状
排出物を耐火物容器の外部に効果的に排出でき、これに
より粉末成形体を良好に焼結できることを知見し、試験
で確認し、第1発明及び第2発明を完成した。
【0010】また本発明者は、収容室の内外を連通する
脱気口を耐火物容器に形成し、脱気口を閉鎖するととも
に収容室の圧力の増加に伴い脱気口を開放する閉鎖弁を
設ければ、加熱炉の炉壁などから発生する物質が耐火物
容器内の粉末成形体に過剰に接触することを抑制しつ
つ、粉末成形体から排出されるガス状排出物質を効果的
に排出でき、これにより粉末成形体の焼結を良好に行い
得ることを知見し、第3発明を完成した。
【0011】すなわち、第1発明に係る粉末成形体焼結
用の耐火物容器は、粉末成形体を収容する収容室を備
え、粉末成形体を収容室に収容した状態で粉末成形体の
焼結のために加熱炉に配置される粉末成形体焼結用の耐
火物容器において、収容室の内外を連通する脱気口が形
成されており、(脱気口面積/粉末成形体の表出面積)
をαとしたとき、0.0001≦α≦0.1に設定され
ていることを特徴とするものである。
【0012】第2発明に係る粉末成形体の焼結方法は、
粉末成形体を用意する工程と、粉末成形体を焼結のため
に加熱炉内で加熱する加熱工程とを含む粉末成形体の焼
結方法において、加熱工程において、(脱気口面積/粉
末成形体の表出面積)をαとしたとき、0.0001≦
α≦0.1に設定した脱気口を備えた耐火物容器を用
い、耐火物容器の収容室に粉末成形体を収容した状態
で、粉末成形体を焼結することを特徴とするものであ
る。
【0013】第3発明に係る粉末成形体焼結用の耐火物
容器は、粉末成形体を収容する収容室を備え、粉末成形
体を収容室に収容した状態で粉末成形体の焼結のために
加熱炉に配置される粉末成形体焼結用の耐火物容器にお
いて、収容室の内外を連通する脱気口が形成されてお
り、脱気口を閉鎖するとともに収容室の圧力の増加につ
れて脱気口を開放する閉鎖弁が設けられていることを特
徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】第1〜第3発明に係る耐火物容器
は、粉末成形体を収容する収容室を備えている。耐火物
容器の材質は耐熱性、耐久性をもつものが好ましく、例
えば、炭素材料、セラミックス材料を採用でき、場合に
よっては耐熱性をもつ金属材料を採用できる。炭素材料
としては、黒鉛、ガラス状炭素が挙げられる。またセラ
ミックス材料としては、例えば、ZrO2,MgO,A
23,SiO2,BeO,TiO2等の酸化物系セラミ
ックス、ZrB2,FeB等のホウ化物系セラミック
ス、ZrC,Tac,SiC,TiC等の炭化物系セラ
ミックス、BN,TaN,AlN,Si34等の窒化物
系セラミックスを採用できる。
【0015】耐火物容器は、粉末成形体の保護性を高め
るべく、気孔率が少なく緻密性が高い材料で形成するこ
とが好ましい。従って耐火物容器の気孔率は、例えば0
〜40%、殊に0〜20%にすることが好ましい。耐火
物容器としては、一重構造でも、多重構造でも良い。第
1〜第3発明に係る耐火物容器には、脱気口が形成され
ている。脱気口の形状は特に限定されず、三角形状、円
形状、四角形状などを採用できる。
【0016】第1発明、第2発明に係る耐火物容器によ
れば、(脱気口面積/粉末成形体の表出面積)をαとし
たとき、0.0001≦α≦0.1に設定されている。
αの上限値や下限値としては、粉末成形体の組成、粉末
成形体から発生するガス状放出物質などに応じて異なる
ものの、上限値としては、例えば、0.08,0.0
6,0.04,0.02,0.01を適宜採用できる。
下限値としては、例えば、0.0002を採用できる。
【0017】粉末成形体の表出面積とは、粉末成形体が
耐火物容器の収容室に露出している面積を意味する。粉
末成形体の底面が耐火物容器に載置されているため、粉
末成形体の底面が耐火物容器の収容室に露出していない
ときには、αを設定するための粉末成形体の表出面積
は、粉末成形体の底面の面積を含まない。第2発明に係
る粉末成形体の焼結方法によれば、粉末成形体を用意す
る工程と、粉末成形体を焼結のために加熱炉内で加熱す
る加熱工程とが行われる。粉末成形体は、金属粉末また
はセラミックス粉末を主要成分とする粉末集合体を成形
したものであり、例えば、粉末集合体を圧縮成形した圧
粉体を採用できる。
【0018】粉末としては、チタン系、鉄系、クロム
系、アルミ系、タングステン系、モリデデン系を採用で
きるが、これに限定されるものではない。代表的な粉末
成形体としては、チタン系粉末成形体を採用できるが、
タングステン系粉末成形体、モリブデン系粉末成形体で
も良い。一般的には、粉末成形体には下記の少なくとも
1つの形態がある。即ち、成形の円滑性などを確保する
ための潤滑剤として機能できるワックスが粉末成形体に
含有されている形態、粉末粒子の結合性を高める有機バ
インダ等のバインダが粉末成形体に含有されている形
態、水分が粉末成形体に付着している形態がある。
【0019】ワックス、バインダ、水分等は、加熱に伴
い粉末成形体の外方にガス状放出物質として排出され
る。ワックスとしては、例えばステアリン酸、アミドワ
ックスなどを採用できる。バインダとしては、例えばポ
リエスレン、ポリプロピレンなどを採用できる。第1発
明及び第2発明によれば、脱気口の開口面積に関するα
が上記範囲に設定された耐火物容器で粉末成形体が保護
されている。そのため、粉末成形体に影響を与える物質
(例えば、炭化や酸化を誘発する炭素や酸素等を含む物
質)が加熱炉の炉壁などから放出されたとしても、その
物質が脱気口から耐火物容器の収容室内に過剰に進入す
ることを規制できる。これにより、その物質が収容室内
の粉末成形体に過剰に接触することを抑えることができ
る。
【0020】更に、脱気口の開口面積に関するαが上記
範囲に設定されているため、焼結時の加熱に伴い粉末成
形体から耐火物容器の収容室内に排出されるガス状排出
物質を、脱気口から耐火物容器の外方に排出するのに有
利である。第2発明に係る加熱工程では、粉末成形体を
耐火物容器に収容した状態で、耐火物容器を加熱炉内に
配置する。耐火物容器内の粉末成形体を加熱炉により所
定の熱履歴で加熱する。加熱の際には、耐火物容器の周
りは、例えば真空雰囲気や非酸化性雰囲気にできる。真
空雰囲気は、例えば10-2〜10-8Torrにできる
が、これに限定されるものではない。
【0021】粉末成形体がチタン系粉末成形体である場
合には、加熱の際の熱履歴は、粉末、ワックスの種類、
粉末成形体のサイズによっても相違するものの、粉末成
形体に含まれるワックスなどを排出する処理(例えば、
300〜600℃で30分〜4時間)、粉末成形体を構
成する水素化チタン粉末に対する脱水素処理(例えば、
800〜1100℃で30分間〜3時間)、本焼結を意
味する焼結処理(例えば、1200〜1400℃で30
分間〜10時間)を含むことができる。ただし熱履歴に
関する加熱温度及び加熱時間は、これに限定されるもの
ではないことは勿論である。加熱炉としては、炭素材料
等の炉壁をもつ構造を採用できる。
【0022】第3発明に係る耐火物容器によれば、収容
室の内外を連通する脱気口が形成されているとともに、
脱気口を閉鎖する閉鎖弁が設けられている。従って、粉
末成形体に影響を与える物質(例えば、炭化や酸化を誘
発する炭素や酸素等を含む物質)が加熱炉の炉壁などか
ら放出されたとしても、閉鎖弁が脱気口を閉鎖している
状態では、粉末成形体が耐火物容器で保護されているた
め、つまり、粉末成形体が耐火物容器によって炉室雰囲
気から実質的に遮断されているため、粉末成形体に影響
を与える炉室内の物質が耐火物容器の脱気口から収容室
内に過剰に進入することを規制できる。よって、粉末成
形体に影響を与える物質が耐火物容器の収容室内の粉末
成形体に過剰に接触することを抑えるのに有利である。
【0023】更に、耐火物容器の収容室の圧力の増加に
つれて、閉鎖弁は脱気口を開放するため、焼結時の加熱
に伴い粉末成形体から収容室内に排出されるガス状排出
物質を、耐火物容器の外方に排出するのに有利である。
閉鎖弁の重量は、閉鎖弁の開弁タイミングに影響を与え
るため、粉末成形体から放出されるガス状排出物質の排
出程度を考慮して選択することが好ましい。閉鎖弁は軽
量化のために、空洞をもつ構成にしても良いし、微小気
孔をもつ材料で形成しても良い。なお第3発明に係る耐
火物容器によれば、αは上記した範囲に限定されるもの
ではない。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)実施例1を図1に示す。図1に示すよう
に、本実施例に係る耐火物容器1は、粉末成形体3を収
容する収容室10を備えた炭素材料で形成された有底形
状をなす容器本体11と、容器本体11に着脱可能に被
着される炭素材料で形成された蓋体12とを備えてい
る。容器本体11及び蓋体12はその内部に微小気孔を
もち、密度が80〜90%程度で、気孔率が20〜10
%程度とされている。微小気孔をもつ耐火物容器1は、
熱膨張などを吸収し易い利点をもつ。容器本体11の底
部には、粉末成形体3と反応しにくい耐火板つまりジル
コニア板13が配置されている。
【0025】耐火物容器1の容器本体11の側面壁に
は、常時開放タイプの脱気口14が形成されている。本
実施例では、(脱気口面積/粉末成形体3の表出面積)
をαとしたとき、0.0001≦α≦0.1に設定され
ている。本実施例では、図1に示すように、粉末成形体
3の底面3cが耐火物容器1のジルコニア板13に載置
されているため、粉末成形体3の上面3a及び側面3b
が耐火物容器1の収容室10に露出しているものの、粉
末成形体3の底面3cが耐火物容器1の収容室10に露
出していない。そのため、脱気口14の開口面積を設定
するαに関する粉末成形体3の表出面積は、粉末成形体
3の底面3cの面積を含まない。
【0026】本実施例に係る粉末成形体3は、円柱形状
をなすチタン系粉末成形体であり、水素化チタン粉末
(TiH2粉末)を主要成分する材料を成形型で圧縮成
形した圧粉体である。そして蓋体12を開いた状態で、
図1に示すように、耐火物容器1内のジルコニア板13
に粉末成形体3を適数個載せる。この場合、粉末成形体
3は、横形ではなく、粉末成形体3のうち表面積が小さ
い底面3cがジルコニア板13に載せられるように、複
数個の粉末成形体3は縦形に並設されて配置されてい
る。この縦形配置により、ワックスや水素ガス等を排出
できる粉末成形体3の表出面積が確保される。なお、隣
設する粉末成形体3同士は、所定の間隔を隔てて配置さ
れている。
【0027】その後、耐火物容器1の容器本体11に蓋
体12を被着する。このように耐火物容器1の収容室1
0に複数の粉末成形体3を収容した状態で、耐火物容器
1が加熱炉5の炉室5kに配置される。加熱炉5は、炭
素材料で形成した炉壁5c、炭素系発熱体5dとを有す
る。図略の真空系により加熱炉5の炉室5kを高真空ま
たは中真空状態(10-4〜10-5Torr)に維持しつ
つ、加熱炉5の発熱体5dにより、耐火物容器1内の粉
末成形体3を加熱炉5により所定の熱履歴で加熱する。
【0028】本実施例では熱履歴は、粉末成形体3に含
まれるワックスを排出する脱ワックス処理(500℃で
2時間)、粉末成形体3を構成する水素化チタン粉末に
対する脱水素処理(1000℃で1時間)、本焼結を意
味する焼結処理(1300℃で4時間)、焼結後の冷却
処理を連続的に行なう。これにより焼結体を得る。とこ
ろで、焼結のための加熱中に伴い、前述したように、粉
末成形体3を酸化させたり炭化させたりして、粉末成形
体3に影響を与える酸素や炭素等を含むガスが、加熱炉
5の炉壁5cから発生することがある。
【0029】この点本実施例によれば、焼結のための加
熱中において粉末成形体3を耐火物容器1が覆って保護
しているとともに、脱気口14の開口面積については、
0.0001≦α≦0.1に設定されている。そのた
め、加熱炉5の炉壁5cから放出された炭素や酸素等を
含むガスが耐火物容器1の収容室10内に過剰に進入す
ることを抑制できる。ひいては、そのガスが収容室10
内の粉末成形体3に過剰に接触することを抑制できる。
故に、炭素や酸素等を含むガスで耐火物容器1の収容室
10内の粉末成形体3が汚染(酸化や炭化)されること
を抑えるのに有利である。よって焼結体の高品質化に有
利である。
【0030】また焼結のための加熱中に伴い、脱ワック
ス処理において粉末成形体3からワックス成分がガス状
排出物質として収容室10内に排出される。脱水素処理
において、水素化チタン粉末を主要成分とする粉末成形
体3から、水素ガスがガス状排出物質として収容室10
内に排出される。粉末成形体3に水分が含まれている場
合には、水分に起因するガスもガス状排出物質として収
容室10内に排出される。
【0031】この点本実施例によれば、耐火物容器1に
脱気口14が形成されているため、上記したワックス成
分や水素ガスなどのガス状排出物質を耐火物容器1の外
方に排出するのに有利である。殊に本実施例によれば、
後述する試験例で示すように、脱気口14に関するαを
上記した範囲に設定しているため、脱気口14から収容
室10内に進入するガスと、脱気口14から収容室10
から排出されるガスとのバランスが図れる。よって、加
熱炉5の炉壁5cから放出された炭素や酸素等を含むガ
スが耐火物容器1の収容室10に過剰に侵入することを
抑制しつつ、粉末成形体3から収容室10内に排出され
たワックス成分や水素ガスなどのガス状排出物質を、耐
火物容器1の外部に効果的に排出するのに有利である。
【0032】(実施例2)実施例2を図2に示す。実施
例2の構成は基本的には実施例1と同様であり、基本的
には同様の作用効果が得られる。実施例2の耐火物容器
1は、容器本体11と、蓋体12とを備えている。蓋体
12の外縁部には、脱気口14に対面する対面壁12m
が形成されている。対面壁12mは所定の間隔を隔てて
脱気口14を覆っている。これにより加熱炉5の炉壁5
cから炉室5kに放出されたガスが耐火物容器1の収容
室10に直接侵入することを効果的に抑制できる。
【0033】従って、収容室10内の粉末成形体3から
排出されたワックス成分や水素ガスなどのガス状排出物
質を耐火物容器1の外部に効果的に排出させつつ、耐火
物容器1の収容室10内で焼結されている粉末成形体3
の汚染を効果的に防止できる。 (実施例3)実施例3を図3に示す。実施例3の構成は
基本的には実施例1と同様であり、基本的には同様の作
用効果が得られる。実施例3に係る耐火物容器1は、粉
末成形体3を収容する収容室10を備えている。耐火物
容器1は、ジルコニア板13が載置された炭素材料で形
成された底板16と、底板16に被着される炭素材料で
形成された容器本体11とを備えている。容器本体11
は二重構造であり、外側に配置された外容器本体11a
と、隙間11bを隔てて外容器本体11の内側に配置さ
れた内容器本体11cとを備えている。
【0034】外容器本体11aの側壁には、収容室10
の内外を連通するための外脱気口14aが複数個形成さ
れている。内容器本体11の側壁には、収容室10の内
外を連通するための内脱気口14bが複数個形成されて
いる。外脱気口14a及び内脱気口14bは、互いに対
面しないように、互い違いに形成されている。これによ
り加熱炉5の炉壁5cから放出された炉室5k内のガス
が耐火物容器1の収容室10に直接侵入することを効果
的に抑制できる。
【0035】(実施例4)実施例4を図4に示す。実施
例4に係る耐火物容器1は、粉末成形体3を収容する収
容室10を備えている。耐火物容器1は、ジルコニア板
13が着脱可能に載置された底板16と、底板16に着
脱可能に被着される下面開放方式の箱状をなす容器本体
11とを備えている。容器本体11の上面壁11uに
は、脱気口14が複数個形成されている。脱気口14を
区画する内壁面14eは、下方に向かうにつれて縮径し
ており、実質的に円錐形状とされている。各脱気口14
には、圧力応答式の球状をなす閉鎖弁18が載せられて
いる。
【0036】閉鎖弁18は炭素材料(密度85%、気孔
率15%)で形成されている。閉鎖弁18は、重力の影
響で、通常の状態では脱気口14に保持されており、脱
気口14を閉鎖している。しかし、粉末成形体3から放
出されるガス状排出物質が増加して耐火物容器1の収容
室10の圧力が増加すると、閉鎖弁18は浮上して開弁
するため、脱気口14が自動的に開放される。従って、
粉末成形体3から収容室10内に排出されたガス状物質
が脱気口14から耐火物容器1の外部に排出され、脱圧
される。このように耐火物容器1の収容室10が脱圧さ
れると、閉鎖弁18は重力により脱気口14を自動的に
閉鎖する。なお、収容室10の内圧に対向する閉鎖弁1
8の重量を調整することにより、閉鎖弁18の開弁タイ
ミングを調整できる。
【0037】本実施例によれば、(脱気口面積/粉末成
形体の表出面積)をαとしたとき、αは0.0001以
上に設定することができる。また、実施例1と同様に、
0.0001≦α≦0.1に設定することもできるが、
これに限定されるものではない。 (実施例5)実施例5を図5に示す。実施例5の構成は
基本的には実施例4と同様であり、基本的には同様の作
用効果が得られる。実施例5においても、耐火物容器1
の上面壁11uに形成された各脱気口14には、圧力応
答式の球状をなす閉鎖弁18が載せられている。閉鎖弁
18の開弁作動を確保しつつ閉鎖弁18の脱落を抑える
べく、弁ホルダ18kが耐火物容器1に設けられてい
る。
【0038】図5に示す閉鎖弁18は炭素材料(密度8
5%、気孔率15%)で形成されており、空洞18eを
もち、軽量化されている。軽量化に応じて閉鎖弁18の
開弁タイミングを調整できる。従って、軽量化された閉
鎖弁18は、収容室10の圧力の増加に伴い早期に浮上
し易くなり、脱気口14が早期に開放される。よって、
粉末成形体3から排出された収容室10内のガス状物質
が脱気口14から効率よく排出される。このように耐火
物容器1の収容室10が脱圧されると、閉鎖弁18は重
力により脱気口14を自動的に閉鎖する。
【0039】(実施例6)実施例6を図6に示す。実施
例6は、図4に示す実施例4と基本的には同様の構成で
あり、基本的には同様の作用効果を奏する。実施例6に
係る耐火物容器1は、粉末成形体3を収容する収容室1
0を備えている。即ち、耐火物容器1は、ジルコニア板
13が載置された炭素材料で形成された底板16と、底
板16に被着され収容室10を形成する炭素材料で形成
された箱状をなす容器本体11とを備えている。容器本
体11の上面壁11uには、収容室10の内外を連通す
る脱気口14が複数個形成されている。各脱気口14に
は圧力応答式の閉鎖弁18が載せられている。
【0040】閉鎖弁18は、脱気口14の口径よりも大
きい外径を備えるとともに脱気口14を覆っている弁部
18cと、脱気口14の口径よりも小さい外径を備えた
軸部18dともつ。軸部18dの外壁面と脱気口14の
内壁面との間には、隙間18eが形成されている。閉鎖
弁18は、重力の影響で、通常の状態では脱気口14を
閉鎖している。収容室10の圧力が増加すると閉鎖弁1
8は浮上するため、脱気口14が開放される。このよう
に脱気口14が開放されると、粉末成形体3から収容室
10内に排出されたガス状物質が脱気口14から炉室5
kに排出され、脱圧される。このように耐火物容器1の
収容室10が脱圧されると、閉鎖弁18は重力により脱
気口14を自動的に閉鎖する。
【0041】(試験例)上記した実施例1に基づいて試
験例A1を行った。耐火物容器1は炭素材料で円筒形状
に形成されており、気孔率が15%、高さが60mm、
内径が200mmであった。脱気口14は、一辺が3m
mの正三角形状(△3と略記)であり、この脱気口14
を1個の耐火物容器1において4個形成した。この場合
には、αは0.000220であり、0.0001≦α
≦0.1の関係が満足されていた。
【0042】試験例A1では、チタン系粉末成形体を
試験片として用いた。チタン系粉末成形体は、水素化
チタン粉末(TiH2粉末)を主要成分とする原料粉末
にワックスを混合した混合材料を用い、この混合材料を
成形型で圧縮成形した圧粉体である。チタン系粉末成形
体は、焼結によりチタン系焼結体となる。チタン系
焼結体に含まれる酸素量及び炭素量を測定し、表1に
示した。表1に示すように、本発明に係る試験例A1で
は、チタン系焼結体に含有される酸素量は重量比で
0.30%であり、炭素量は重量比で0.055%であ
った。このように試験例A1では、系チタン系焼結体
に含まれる酸素量及び炭素量は、かなり少なかった。
【0043】また比較例A1として、試験例A1と同様
にチタン系粉末成形体を試験片として用い、耐火物容
器1を用いずに加熱炉5の炉室5k内で焼結した。この
比較例A1の場合には、表1に示すように、焼結後のチ
タン系焼結体に含有される酸素量は重量比で0.7%
と多く、炭素量は重量比で0.16%と多かった。これ
は、焼結の際に、加熱炉5の炉壁5cから発生した炭素
や酸素を含むガスが粉末成形体に過剰に接触したことを
意味する。
【0044】更に比較例B1として、一辺が2mmの正
三角形状(△2と略記)の脱気口14を2個形成した耐
火物容器を用い、同様な加熱条件で、試験例A1と同様
のチタン系粉末成形体を加熱炉5内でそれぞれ焼結し
た。比較例B1では、粉末成形体の表出面積に対して
脱気口14の開口面積が小さいため、αは0.0000
49であり、本発明に係る0.0001≦α≦0.1の
関係が満足されていなかった。この比較例B1では、焼
結加熱中に蓋体12が飛散したため、加熱炉5の炉壁5
cから発生した炭素や酸素を含むガスがチタン系粉末成
形体に過剰に接触し、この結果、表1に示すように、比
較例B1においては焼結後のチタン系焼結体では、重
量比で酸素量が0.38%と多く、炭素量が0.13%
と多かった。
【0045】更に比較例C1として、一辺が2mmの正
三角形状の脱気口14を4個形成した耐火物容器を用
い、同様な加熱条件でチタン系粉末成形体を加熱炉5
内で焼結した。この場合には、チタン系粉末成形体の
表出面積に対して脱気口14の開口面積が小さいため、
αは0.000098であり、0.0001≦α≦0.
1の関係が満足されていなかった。このような比較例C
1においては、焼結加熱中に蓋体12が飛散したため、
表1に示すように、焼結後のチタン系焼結体では、重
量比で酸素量が0.42%と多く、炭素量が0.14%
と多かった。
【0046】
【表1】 更に、別の組成をもつチタン系粉末成形体を試験片と
して用い、前述同様な条件で、試験例A2、比較例A
2、比較例B2、比較例C2を行った。試験例A2は試
験例A1に対応するものであり、αは0.000220
である。比較例A2は比較例A1に対応するものであ
り、耐火物容器を使用せずに焼結した。比較例B2は比
較例B1に対応するものであり、αは0.000049
である。比較例C2は比較例C1に対応するものであ
り、αは0.000098である。
【0047】チタン系粉末成形体は、水素化チタン粉
末(TiH2粉末)を主要成分とする原料粉末にワック
スを混合した混合材料を用い、この混合材料を圧縮成形
した圧粉体であり、チタン系粉末成形体とは組成が異
なる。チタン系粉末成形体は、焼結によりチタン系焼
結体となる。試験結果を表2に示す。表2に示すよう
に、試験例A2では、チタン系焼結体に含有される酸
素量は重量比で0.22%と少なく、炭素量は重量比で
0.02%と少なかった。このように試験例A2におい
て酸素量及び炭素量が少ないのは、焼結の際に、加熱炉
5の炉壁5cから発生した炭素や酸素を含むガスが収容
室10内のチタン系粉末成形体に接触することが抑制
されたことを意味する。
【0048】また表2に示すように、比較例A2では、
焼結後のチタン系焼結体に含有される酸素量は重量比
で0.8%と多く、炭素量は重量比で0.15%と多か
った。これは、焼結の際に、加熱炉5の炉壁5cから発
生した炭素や酸素を含むガスが粉末成形体に過剰に接触
したことを意味する。
【0049】また比較例B2では、チタン系焼結体に
含有される酸素量は重量比で0.52%であり、炭素量
は重量比で0.14%とであった。比較例C2では、チ
タン系焼結体に含有される酸素量は重量比で0.48
%であり、炭素量は重量比で0.13%であった。
【0050】
【表2】 更に、上記したαの値を0.0001〜0.1〜1付近
の範囲内で変化させた複数の耐火物容器1を用い、実施
例1と基本的に同様な条件で、チタン系粉末成形体を
加熱炉5内で焼結し、チタン系焼結体を得た。同様
に、チタン系粉末成形体を加熱炉5内で焼結し、チタ
ン系焼結体を得た。それぞれについて酸素量及び炭素
量を測定した。酸素量の測定結果を図7に示す。炭素量
の測定結果を図8に示す。
【0051】図7から理解できるように、αを0.00
01〜0.1の範囲内に設定すれば、焼結体中の酸素量
が大幅に低減しており、臨界的意義が発現された。従っ
てαを0.1以下とすれば、チタン系焼結体の酸素量を
低減するのに有利である。αが0.0001未満のとき
には、脱気口の面積が少なすぎ、蓋体12の飛散が発生
し、炉室の雰囲気が耐火物容器内の粉末成形体に直接接
触するため、酸素量が増加した。αが0.1を越えた場
合にも、チタン系焼結体ともに酸素量がかなり増加
した。
【0052】図7に示すように、酸素量は、チタン系焼
結体ではW1線以下であれば特に好ましく、チタン系
焼結体ではW2線以下であれば特に好ましい。これら
の事項などを考慮すると、αを0.06以下、0.03
以下にできる。図8から理解できるように、αを0.0
001〜0.1の範囲内に設定すれば、チタン系焼結体
中の炭素量が大幅に低減しており、臨界的意義が発現さ
れた。従ってαを0.1以下とすれば、チタン系焼結体
の炭素量を低減するのに有利である。αが0.0001
未満のときには、脱気口の面積が少なすぎ、蓋体12の
飛散が発生したため、炉室の雰囲気が耐火物容器内の粉
末成形体に直接接触するため、炭素量が増加した。αが
0.1を越えた場合には、脱気口の面積が過剰であり、
チタン系焼結体ともに炭素量がかなり増加した。
【0053】図8に示すように、炭素量は、チタン系焼
結体ではW3線以下であれば特に好ましい。これら
の事項等を考慮すると、αを0.03以下、0.02以
下にできる。
【0054】
【発明の効果】第1発明に係る耐火物容器、第2発明に
係る方法によれば、(脱気口面積/粉末成形体の表出面
積)をαとしたとき、αを適正値に設定している。その
ため、加熱炉の炉壁などから放出された物質が耐火物容
器の収容室に侵入することを抑えつつ、焼結時の加熱に
伴い粉末成形体から排出されたガス状排出物質を耐火物
容器の外方に排出するのに有利である。従って、耐火物
容器の収容室内の粉末成形体を良好に焼結でき、焼結体
の高品質化に有利である。
【0055】第3発明に係る耐火物容器によれば、収容
室の内外を連通する脱気口を閉鎖する閉鎖弁が設けられ
ている。従って、閉鎖弁の閉弁作用により、加熱炉の炉
壁などから発生した物質が耐火物容器の収容室に侵入す
ることを抑えることができる。また、焼結時の加熱に伴
い粉末成形体から収容室に排出されたガス状排出物質が
増加すると、閉鎖弁が開弁作用を果たすので、粉末成形
体から耐火物容器の収容室に排出されるガス状排出物質
を耐火物容器の外方に排出するのに有利である。従っ
て、耐火物容器の収容室内の粉末成形体を良好に焼結で
き、焼結体の高品質化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る構成図である。
【図2】実施例2に係る構成図である。
【図3】実施例3に係る構成図である。
【図4】実施例4に係る構成図である。
【図5】実施例5に係る構成図である。
【図6】実施例6に係る構成図である。
【図7】焼結体の酸素量とαとの関係を示すグラフであ
る。
【図8】焼結体の酸素量とαとの関係を示すグラフであ
る。。
【符号の説明】
図中、1は耐火物容器、10は収容室、14は脱気口、
18は閉鎖弁、3は粉末成形体、5は加熱炉、5cは炉
壁を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月6日(1999.9.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】チタン焼結用の耐火物容器及びチタン
結方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はチタン焼結用の耐火
物容器、及び、チタン焼結方法に関する。本発明は、加
熱炉の炉壁から放出される物質の影響を受けるおそれが
あるチタン系粉末成形体を焼結する際に利用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、チタン系粉末成形体を焼結した焼結体の高品質
化に有利なチタン焼結用の耐火物容器、及び、チタン
結方法を提供することを共通課題とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を達成するために開発を進めた。そして、収容室の内外
を連通する脱気口を形成した耐火物容器を開発した。し
かし、脱気口面積が適切でなければ、加熱炉の炉壁など
から放出される物質が耐火物容器内のチタン系粉末成形
(以下、単に粉末成形体ということもある)に過剰に
接触してチタン系粉末成形体の焼結に影響を与えたり、
あるいは、チタン系粉末成形体から排出されるガス状排
出物質を耐火物容器の外部に良好に排出できず、チタン
粉末成形体の焼結に影響を与えたりするといった不都
合が生じる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明者は、脱気口面積とチタン系粉末成
形体の表出面積との関係について研究した結果、(脱気
口面積/チタン系粉末成形体の表出面積)をαとしたと
き、0.0001≦α≦0.1に設定すれば、加熱炉の
炉壁などから放出される物質が耐火物容器内のチタン系
粉末成形体に過剰に接触することを抑制しつつ、チタン
粉末成形体から排出されるガス状排出物を耐火物容
器の外部に効果的に排出でき、これによりチタン系粉末
成形体を良好に焼結できることを知見し、試験で確認
し、第1発明及び第2発明を完成した。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また本発明者は、収容室の内外を連通する
脱気口を耐火物容器に形成し、脱気口を閉鎖するととも
に収容室の圧力の増加に伴い脱気口を開放する閉鎖弁を
設ければ、加熱炉の炉壁などから発生する物質が耐火物
容器内のチタン系粉末成形体に過剰に接触することを抑
制しつつ、チタン系粉末成形体から排出されるガス状排
出物質を効果的に排出でき、これによりチタン系粉末成
形体の焼結を良好に行い得ることを知見し、第3発明を
完成した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】すなわち、第1発明に係るチタン焼結用の
耐火物容器は、加熱に伴いガス状排出物質を排出するチ
タン系粉末成形体(以下、単に粉末成形体ということも
ある)を収容する収容室を備え、チタン系粉末成形体を
収容室に収容した状態でチタン系粉末成形体の焼結のた
めに加熱炉に配置されるチタン焼結用の耐火物容器にお
いて、収容室の内外を連通する脱気口が形成されてお
り、(脱気口面積/チタン系粉末成形体の表出面積)を
αとしたとき、0.0001≦α≦0.1に設定されて
いることを特徴とするものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】第2発明に係るチタン焼結方法は、加熱に
伴いガス状排出物質を排出するチタン系粉末成形体を用
意する工程と、チタン系粉末成形体を焼結のために加熱
炉内で加熱する加熱工程とを含むチタン系粉末成形体の
焼結方法において、加熱工程において、(脱気口面積/
チタン系粉末成形体の表出面積)をαとしたとき、0.
0001≦α≦0.1に設定した脱気口を備えた耐火物
容器を用い、耐火物容器の収容室にチタン系粉末成形体
を収容した状態で、チタン系粉末成形体を焼結し、焼結
の際に脱気口からガス状排出物質を耐火物容器の外部に
排出することを特徴とするものである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】第3発明に係るチタン焼結用の耐火物容器
は、加熱に伴いガス状排出物質を排出するチタン系粉末
成形体を収容する収容室を備え、チタン系粉末成形体を
収容室に収容した状態でチタン系粉末成形体の焼結のた
めに加熱炉に配置されるチタン系粉末成形体焼結用の耐
火物容器において、収容室の内外を連通する脱気口が形
成されており、脱気口を閉鎖するとともに収容室の圧力
の増加につれて脱気口を開放する閉鎖弁が設けられてい
ることを特徴とするものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】チタン系粉末成形体の表出面積とは、チタ
ン系粉末成形体が耐火物容器の収容室に露出している面
積を意味する。チタン系粉末成形体の底面が耐火物容器
に載置されているため、チタン系粉末成形体の底面が耐
火物容器の収容室に露出していないときには、αを設定
するためのチタン系粉末成形体の表出面積は、粉末成形
体の底面の面積を含まない。第2発明に係るチタン焼
方法によれば、チタン系粉末成形体を用意する工程と、
チタン系粉末成形体を焼結のために加熱炉内で加熱する
加熱工程とが行われる。チタン系粉末成形体は、チタン
粉末を主要成分とする粉末集合体を成形したものであ
り、例えば、粉末集合体を圧縮成形した圧粉体を採用で
きる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】粉末としては、チタン系を採用する。一
的には、チタン系粉末成形体には下記の少なくとも1つ
の形態がある。即ち、成形の円滑性などを確保するため
の潤滑剤として機能できるワックスが粉末成形体に含有
されている形態、粉末粒子の結合性を高める有機バイン
ダ等のバインダが粉末成形体に含有されている形態、水
分が粉末成形体に付着している形態がある。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】タン系粉末成形体では、加熱の際の熱履
歴は、粉末、ワックスの種類、粉末成形体のサイズによ
っても相違するものの、粉末成形体に含まれるワックス
などを排出する処理(例えば、300〜600℃で30
分〜4時間)、粉末成形体を構成する水素化チタン粉末
に対する脱水素処理(例えば、800〜1100℃で3
0分間〜3時間)、本焼結を意味する焼結処理(例え
ば、1200〜1400℃で30分間〜10時間)を含
むことができる。ただし熱履歴に関する加熱温度及び加
熱時間は、これに限定されるものではないことは勿論で
ある。加熱炉としては、炭素材料等の炉壁をもつ構造を
採用できる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】試験例A1では、チタン系粉末成形体を
試験片として用いた。チタン系粉末成形体は、水素化
チタン粉末(TiH2粉末)を主要成分とする原料粉末
にワックスを混合した混合材料を用い、この混合材料を
成形型で圧縮成形した圧粉体である。チタン系粉末成形
体は、焼結によりチタン系焼結体となる。チタン系
焼結体に含まれる酸素量及び炭素量を測定し、表1に
示した。表1に示すように、本発明に係る試験例A1で
は、チタン系焼結体に含有される酸素量は重量比で
0.30%であり、炭素量は重量比で0.055%であ
った。このように試験例A1では、チタン系焼結体に
含まれる酸素量及び炭素量は、かなり少なかった。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】焼結体の酸素量とαとの関係を示すグラフであ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉末成形体を収容する収容室を備え、粉末
    成形体を前記収容室に収容した状態で粉末成形体の焼結
    のために加熱炉に配置される粉末成形体焼結用の耐火物
    容器において、 前記収容室の内外を連通する脱気口が形成されており、 (脱気口面積/粉末成形体の表出面積)をαとしたと
    き、 0.0001≦α≦0.1に設定されていることを特徴
    とする粉末成形体焼結用の耐火物容器。
  2. 【請求項2】粉末成形体を用意する工程と、前記粉末成
    形体を焼結のために加熱炉内で加熱する加熱工程とを含
    む粉末成形体の焼結方法において、 前記加熱工程において、(脱気口面積/粉末成形体の表
    出面積)をαとしたとき、0.0001≦α≦0.1に
    設定した脱気口を備えた耐火物容器を用い、前記耐火物
    容器の収容室に前記粉末成形体を収容した状態で、前記
    粉末成形体を焼結することを特徴とする粉末成形体の焼
    結方法。
  3. 【請求項3】粉末成形体を収容する収容室を備え、粉末
    成形体を前記収容室に収容した状態で粉末成形体の焼結
    のために加熱炉に配置される粉末成形体焼結用の耐火物
    容器において、 前記収容室の内外を連通する脱気口が形成されており、 前記脱気口を閉鎖するとともに前記収容室の圧力の増加
    に伴い前記脱気口を開放する閉鎖弁が設けられているこ
    とを特徴とする粉末成形体焼結用の耐火物容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7207759B2 (en) 2003-12-25 2007-04-24 Newfrey Llc Fastener for panels or the like

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