JP2000007313A - 炭素材料の高純度化処理方法、及び高純度化処理装置 - Google Patents

炭素材料の高純度化処理方法、及び高純度化処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 四フッ化炭素ガスを用いることにより、処理
時間の短縮、製造コストを低減させ、且つ高純度装置の
寿命の延命効果をはたす炭素材の高純度処理方法及び処
理装置を提供する。 【解決手段】 フッ素発生装置、四フッ化炭素ガス生成
装置、加熱炉が連設構成されれてなる高純度処理装置を
用い、このフッ素発生装置にて生成される比較的安価な
フッ素を使用することにより、高純度処理時に全面的に
四フッ化炭素ガスが使用でき、これにより処理時間の大
幅な短縮が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や原子力等
への使用を目的とした高純度が要求される炭素材料を製
造するための、高純度化処理方法および高純度化処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料の高純度化処理は、ハロゲンを
含むガス雰囲気中で加熱し、炭素材の気孔を介して炭素
材内部に浸透させ、炭素材中の不純物を蒸気圧の高い物
質に変化せしめて母材から揮散させて行われている。
【0003】ハロゲン化合物ガスとしては、これまでフ
レオンガスが使用されていたが、オゾン層を破壊すると
いう問題から、世界的に2020年には使用できなくな
る。そのため、フレオンガスに代わるハロゲンガスとし
て塩素(Cl2 )ガスが使用されるようになった。しか
しながら、Cl2 ガスの場合、ホウ素(B)など除去さ
れにくい元素があった。このBは半導体特性に悪影響を
及ぼすために、半導体製造用の炭素材にはBを除去する
必要がある。そのため、別途四フッ化炭素(CF4 )ガ
スによって除去がされている。
【0004】さらに、Cl2 ガスを使用した場合、次の
ような問題点もある。即ち、(1)炭素材料中の不純物
との反応生成物が比較的大きく、また、Cl2 ガスの拡
散速度も遅く、そのため高純度化効率が悪い、(2)高
純度化処理後に排出される余剰なCl2 ガスを苛性ソー
ダスクラバーで処理する場合、化学的に不安定で毒性の
ある次亜塩素酸ソーダ(NaClO)が発生、(3)C
2 ガスによる配管や装置自体の腐食消耗、等である。
【0005】CF4 ガスを用いると前記Cl2 ガスを使
用した場合の問題を回避できる。一般的に、CF4 はF
2 ガスで炭素材をフッ化させて生成される。しかしなが
ら、市販されているF2 ガスや、CF4 ガスは、非常に
高価であり、炭素材の高純度化処理の全面にCF4 ガス
を使用することは工業的に製造コスト等の問題から実用
化は難しいとされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたものであり、従来の方法で
は製造コストの面などから実用化が難しいとされてい
た、CF4 を全面的に用いた炭素材料の高純度化処理方
法、及び処理装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明
は、フッ素化合物の電気分解によりF2 ガスを発生さ
せ、該F2 ガスと炭素粉を反応させてCF4 ガスを発生
させ、このCF4 ガスを高温下の加熱炉に導入して高純
度化処理することを特徴とする炭素材料の高純度化処理
方法である。また、通常はこれら一連の処理を連続的に
行っている。
【0008】CF4 ガスを高純度化処理の全面に使用す
ることにより、高純度化効率が向上するとともに、装置
の配管の腐食損耗の抑制、スクラバー内で発生する毒性
の強い次亜塩素酸ソーダの発生の抑制ができ、装置の延
命効果がある。また、CF4ガスはCl2 ガスに比較
し、炭素材内部への拡散性が良いため、高純度化処理対
象となる炭素材に特に制限がなく、黒鉛、炭素繊維、炭
素繊維強化複合炭素材料、ガラス状炭素、シート状黒鉛
等の炭素材全般の高純度化処理が可能であり、さらに、
従来よりも短い処理時間で高純度化処理が行える。ここ
で、F2 ガスと反応させる炭素粉は、天然黒鉛、コーク
ス等炭素を含んだ粉末であればCF4 を生成できる。た
だし、CF4 ガスを高純度化処理に使用する場合は、予
め高純度化処理した粉末を使用することが望ましい。
【0009】請求項2の発明は、炭素粉とフッ素化合物
からなる混合物と、前記F2 ガスを反応させてCF4
スを発生させることを特徴とする請求項1記載の炭素材
料の高純度化処理方法である。
【0010】CF4 ガス原料である炭素粉単体にF2
スを接触させた場合、CF4 ガス合成反応で発生する熱
が大きく、局所的な反応で止まってしまい、充填された
炭素粉を効率良くCF4 ガスに転換させることが出来な
い。そこで、炭素粉にフッ化物を混合して熱拡散とガス
との反応性を高めたものを、F2 ガスと反応させてより
効率良くCF4 ガスを発生させる。使用できるフッ化物
には、フッ化カルシウム等が挙げられる。
【0011】請求項3の発明は、炭素粉と、前記F2
スとCF4 ガスの混合ガスを反応させてCF4 ガスを発
生させることを特徴とする請求項1又は2記載の炭素材
料の高純度化処理方法である。
【0012】F2 ガスとCF4 ガスの混合ガスと、炭素
粉を反応させることにより、F2 ガス単体で炭素粉と反
応させる場合よりも効率的にCF4 ガスが得られる。
【0013】請求項4の発明は、生成されたCF4 ガス
を該CF4 ガス生成装置内を循環させることにより、そ
の濃度を高めることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か記載の炭素材料の高純度化処理方法である。
【0014】CF4 ガスの濃度を高めるとともに、CF
4 ガスの生成に使用されずに残ったF2 ガスを効率良
く、CF4 ガスに転換することが可能となる。
【0015】請求項5の発明は、前記CF4 ガスの加熱
炉への導入温度が1900℃以上であることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか記載の炭素材料の高純度化処
理方法である。
【0016】1900℃以下でCF4 ガスを導入する
と、炭素材料がフッ化され、損耗してしまう恐れがある
ため1900℃以上でCF4 ガスを導入する。
【0017】請求項6の発明は、フッ素化合物の電気分
解によりF2 ガスを発生させるフッ素発生装置と、該フ
ッ素ガスと炭素粉を反応させCF4 ガスを生成するフッ
化装置と、生成されたCF4 ガスの貯蔵可能なバッファ
タンクと、からなるCF4 ガス生成装置と、高温下でC
4 ガスにより高純度化処理を行える加熱炉と、を連設
してなる炭素材料の高純度化処理装置である。
【0018】市販品に比較して安価にF2 ガスが生成で
きるF2 ガス発生装置を用いることにより、CF4 ガス
を安価に、そして安定的に生成することが可能となる。
また、F2 発生装置とCF4 ガスを生成するフッ化装置
とが連接していることから、これらガスの生成が同一工
程内で連続的に行なえる。さらに、このCF4 ガス生成
装置と高純度化処理に用いる加熱炉が連接されており、
この両者のあいだにはバッファタンクが備えられ、必要
時に安定して一定の濃度のCF4 ガスを高純度化処理加
熱炉に導入することが可能となる。さらに、本発明はC
4 ガス生成装置と加熱炉が連設していることが特徴の
一つであることから、この加熱炉には特に制限がない。
例えば、一般的に黒鉛化処理に用いられているアチェソ
ン型炉に本発明のCF4 ガス生成装置を連設すれば、黒
鉛化処理と同時にCF4 ガスによる高純度化処理を行な
うことも可能となる。
【0019】
【本発明の実施の形態】図1に本発明の高純度化処理装
置の加熱炉に高周波誘導加熱炉を使用した場合の実施形
態の一例を示す。本発明は特にこの形態に限られるもの
ではない。
【0020】本システムは、大きく分けて、CF4 合成
装置11と加熱装置21とが連設されており、CF4
成装置はF2 発生装置19と、ガス混合器18と、フッ
化物を含んだ炭素粉13を収納した反応器12と、ガス
循環用ポンプ14と、除害装置15と、ポンプ16と、
バッファタンク17と、から構成されている。加熱装置
21は、炭素材料24を収納したサセプター23と、加
熱炉22と、高周波加熱コイル25と、スクラバー28
と、から構成されている。以下順を追って説明する。
【0021】まず、F2 発生装置19によりF2 ガスが
生成される。周知のように、F2 ガスは電気分解によっ
て工業的に得られる。具体的には、フッ化水素(HF)
とフッ化カリウム(KF)の混合溶融塩(KF・2H
F)を電解浴として、約90℃の電解浴を電気分解する
事でF2 ガスが得られる。かかるF2 発生装置19に含
まれる電解槽の構成を、簡略化して図2に示す。電解槽
は、電解浴(KF・2HF)31aを内包する電解槽本
体31とその蓋37、陽極32および陰極33とこれら
から発生するF2 ガスとH2 ガスを仕切る隔壁34から
なる。電解槽本体31および蓋37には鉄、陽極32に
は炭素材、陰極33には鉄またはニッケル、隔壁34に
はモネルを使用する。なお図中の35はブスバー、36
は絶縁材、38は陽極ガス出口、39は陰極ガス出口で
ある。電気分解は通常、電流密度7〜10A/dm2
浴電圧6〜15Vの条件下で、(1)式の総括反応式に
従って進行し、隔壁で仕切られた陽極側でF2 ガスが、
陰極側でH2 ガスが発生する。これにより、市販されて
いるボンベ詰めF2 ガスよりも安価で安定的にF2 ガス
が得られる。
【0022】
【化1】
【0023】次に、生成したF2 ガスとCF4 ガスと
が、CF4 ガス合成装置11のガス混合器18におい
て、F2 ガス/CF4 ガス=1/0.1〜1/10、好
ましくは1/1〜1/5の割合に混合される。混合され
たガスは反応器12に送られる。このようにCF4 ガス
を添加すると、F2 ガス単体でCF4 ガスを発生させる
場合に比べて、効率良くCF4 ガスを発生させることが
出来る。
【0024】反応器12には、予め適量の炭素粉13を
充填しておく。この時、炭素粉だけでは前述の混合ガス
と反応させた場合、直接F2 ガスが接触した部分だけが
急激に温度が上昇し、炭素粉13全体を均一に反応させ
てCF4 ガスを発生させることは困難である。そこで、
反応を効率よく進行させるために炭素粉13にフッ化物
を混合しておく。フッ化カルシウムのような熱伝導性の
良いフッ化物を入れておくことによって炭素粉13とF
2 ガスの反応熱が全体に行き渡り、全体で均一に(2)
式の反応が起こる。これにより効率良くCF4 ガスとF
2 ガスの混合ガスを生成させる。反応器12から排出さ
れるCF4 ガスは、ポンプ14を使用して、繰り返し反
応器12の中を循環させてCF4 ガス生成時に残ったF
2 ガスを無駄なくCF4 ガスに転換し、CF4 ガスの濃
度を上昇させる。
【0025】
【化2】
【0026】反応器12から取り出された混合ガス中に
含まれるF2 ガスは、除害装置15を通して取り除き、
CF4 ガスのみ抽出する。除害装置15としては、アル
カリスクラバーやアルミナセラミックを用いたフィルタ
ーが使用でき、これによってF2 ガスを除去してCF4
ガスのみを抽出できる。除外装置としていずれの方法を
用いるかは、ガス流量で決定される。
【0027】この後、CF4 ガスはポンプ16で圧縮さ
れてバッファタンク17に貯蔵される。必要時には、C
4 ガスはバッファタンク9から取り出し、加熱炉22
内に導入される。
【0028】加熱炉22に、被処理物である炭素材24
を装填したサセプター23を設置する。この時、CF4
ガスとの反応性を上げるためのフッ化黒鉛を一緒に入れ
ても良い。次に、ガス排出管26より加熱炉22の減圧
または真空引きを行う。その後、ガス導入管27より窒
素ガスを導入して加熱炉22内の雰囲気を置換して、続
けてガス排出管26より加熱炉22の減圧または真空引
きを行う。こうして非酸化性雰囲気にした後、加熱炉2
2内を加熱し、サセプター23の輻射熱によって炭素材
料24を加熱する。加熱炉22内の温度が1900℃以
上に到達した後、ガス導入管30よりCF4 ガスを加熱
炉22内に導入し、炭素材料24の高純度化処理を行
う。
【0029】高純度化処理温度が1900℃以下である
と、加熱炉22内で(3)式のCF 4 合成反応(左向き
の矢印)が起こり、構造材や断熱材、被処理品24であ
る炭素材料の消耗が起こる。1900℃より高い温度で
は、加熱炉22内に導入されたCF4 ガスの分解反応
(右向きの矢印)だけが起こる。
【0030】
【化3】
【0031】半導体製造時に悪影響を及ぼすBは、CF
4 ガスを用いると約1900℃以上で(4)式の右向き
に反応が進み、フッ化ホウ素(BF3 )を生成して炭素
材料内より揮散する。
【0032】
【化4】
【0033】また、1900〜2200℃の温度範囲で
処理した場合、Tiのフッ化物は蒸気圧が低く、炭素材
料内から除去できない。しかしながら、これまでに不純
物であるTiが各用途で悪影響を及ぼしたという報告は
ほとんどなく、仮に除去する必要になった場合でも、2
200℃以上まで温度を上げてやると、蒸気圧の高いT
iのフッ化物を生成して容易に除去できる。
【0034】高純度化処理後のCF4 ガスは、ガス排出
管26からポンプ29とアルカリスクラバー28を通っ
て大気中に排出される。従来使用しているCl2 ガスの
場合は、スクラバー内の苛性ソーダと反応して化学的に
不安定で毒性の強い次亜塩素酸ソーダ(NaClO)が
発生したり、Cl2 ガスによる配管や装置等の腐食消耗
などの問題があったが、CF4 ガスを使用すれば、これ
らの問題も解決できる。また本装置は市販されているボ
ンベ詰めF2 ガスやCF4 ガスに比べて安価に、これら
のガスを生成・導入できるため、全面的にCF4 ガスを
用いた炭素材の高純度化処理が可能となる。
【0035】また本発明で用いるCF4 ガスは、Cl2
ガスに比較して炭素材内部への拡散性が良い。そのた
め、高純度化処理の効率は、炭素材の嵩密度に依存しな
い。従って、高純度化処理対象となる炭素材に、特に制
限が無く、黒鉛材や炭素材、炭素繊維、炭素繊維強化炭
素複合材料、ガラス状炭素、シート状黒鉛等が例示でき
る。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【実施例】以下に具体例を挙げ、本発明を具体的に説明
する。
【0037】(実施例1)F2 発生装置で生成されたF
2 ガスと、CF4 ガスとをガス混合器で1:1に混合し
たガスを、フッ化カルシウム(CaF2 )と炭素粉を
1:1で混合した混合物を装填している反応器に導入し
た。ここで(2)式の反応によりCF4 ガスとF2 ガス
の混合ガスが発生する。この混合ガスを除害装置に通し
てバッファタンクにCF4 ガスのみを貯蔵した。
【0038】前記CF4 ガスの生成と平行して、炭素材
料をサセプターに装填し、加熱処理装置に設置した。こ
こで使用した炭素材料は等方性黒鉛ブロックで、寸法は
一辺が100mmの立方体である。ガス排出管を通して
加熱炉内の真空引き後、窒素ガスを導入し、炉内雰囲気
ガスの置換を行なった。さらにガス排出管より真空引き
した後、加熱を開始した。加熱炉内の温度が2000℃
に到達後、CF4 ガスを5l/minの流量で15時間
導入し、炭素材料の高純度化を行った。
【0039】(実施例2)CF4 ガスの処理炉への導入
温度を2200℃にする以外、全て実施例1と同様な条
件で炭素材の高純度化処理を行なった。
【0040】(実施例3)CF4 ガスの処理炉への導入
温度を2400℃にする以外、全て実施例1と同様な条
件で炭素材の高純度化処理を行なった。
【0041】(比較例1)処理炉への導入ガスをCl2
ガスとし、実施例1と同様の一辺が100mmの立方体
の等方性黒鉛ブロックをサセプターに装填し、加熱炉に
設置した。炉内の温度が2000℃に到達後、Cl2
スを5l/minで15時間導入し、高純度化処理を行
なった。
【0042】(比較例2)比較例1と同様にして、20
00℃でCl2 ガスを5l/minで15時間導入した
あと、続けてB除去のため、CF4 ガスを5l/min
で10時間導入し、高純度化処理を行なった。
【0043】実施例1〜3及び比較例1と2の試料につ
いて、不純物含有量を発光分光分析法および原子吸光分
析法によって定量分析、灰分量の測定を行なった。ここ
で言う灰分とは、炭素材料の大気中での灼熱燃焼後に残
る無揮発性無機質残滓の原試料に対する重量比率であ
る。
【0044】表1に各試料の定量分析結果、灰分測定結
果を示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1からも明らかなように本発明によるC
4 ガスを用いた高純度化処理された炭素材は、Cl2
ガスによる従来の高純度化処理による炭素材と比較し
て、同じ処理時間、処理温度であれば、灰分量は同等で
あり、Bも除去でき、Ti以外の不純物量も同等であ
る。また、このTiも処理温度を2400℃にする事に
より除去ができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は高純度化
処理をCF4 ガスのみで実施するため、炭素材料の嵩密
度に依存せず、従来よりも短い処理時間で、Cl2 ガス
で除去できないBを除去し、灰分5mass ppm未
満、B濃度0.1mass ppm未満を達成できる。
また、従来Cl2 ガス処理とCF4 ガス処理を分けて行
っていたのを、CF4 ガスだけを用いて高純度化処理出
来るため、製造コストの大幅な低減が可能となる。これ
は、本発明の高純度化装置は、F2 発生装置およびCF
4 合成装置等を有する為、安価なCF4 ガスを安定的に
導入できるからである。また、Cl2 ガスを用いないた
め、化学的に不安定で毒性のある次亜塩素酸ソーダの生
成も無く、従来法で問題だった配管や装置の腐食消耗も
ない。即ち、CF4 ガスのみを使用することで、安全に
高純度化処理作業を実施でき、装置も効率良く運転でき
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する製造装置の一例の概略図であ
る。
【図2】本発明の高純度処理装置に連設されているフッ
素発生装置の断面模式図の一例である。
【符号の説明】
11 CF4 合成装置 12 反応器 15 除外装置 17 バッファタンク 22 加熱炉 25 高周波加熱コイル 28 スクラバー 31 電解槽本体 32 陽極 33 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東城 哲朗 香川県三豊郡大野原町中姫2181−2 東洋 炭素株式会社内 (72)発明者 伊藤 正之 香川県三豊郡詫間町松崎2791 東洋炭素株 式会社内 Fターム(参考) 4G032 AA04 BA02 GA01 4G046 AA09 CA00 CA01 CC02 CC10 4H006 AC30 BE53 BE90 EA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化合物の電気分解によりフッ素ガ
    スを発生させ、該フッ素ガスと炭素粉を反応させて四フ
    ッ化炭素ガスを発生させ、この四フッ化炭素ガスを高温
    下の加熱炉に導入して高純度化処理することを特徴とす
    る炭素材料の高純度化処理方法。
  2. 【請求項2】 炭素粉とフッ素化合物からなる混合物
    と、前記フッ素ガスを反応させて四フッ化炭素ガスを発
    生させることを特徴とする請求項1記載の炭素材料の高
    純度化処理方法。
  3. 【請求項3】 炭素粉と、前記フッ素ガスと四フッ化炭
    素ガスの混合ガスを反応させて四フッ化炭素ガスを発生
    させることを特徴とする請求項1又は2記載の炭素材料
    の高純度化処理方法。
  4. 【請求項4】 生成された四フッ化炭素ガスを該四フッ
    化炭素ガス生成装置内を循環させることにより、その濃
    度を高めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記
    載の炭素材料の高純度化処理方法。
  5. 【請求項5】 前記四フッ化炭素ガスの前記加熱炉への
    導入温度が1900℃以上であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載の炭素材料の高純度化処理方
    法。
  6. 【請求項6】 フッ素化合物の電気分解によりフッ素ガ
    スを発生させるフッ素発生装置と、該フッ素ガスと炭素
    粉を反応させ四フッ化炭素ガスを生成するフッ化装置
    と、生成された四フッ化炭素ガスの貯蔵可能なバッファ
    タンクと、からなる四フッ化炭素ガス生成装置と、高温
    下で四フッ化炭素ガスにより高純度化処理を行える加熱
    炉と、を連設してなる炭素材料の高純度化処理装置。
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US20120006487A1 (en) * 2009-04-03 2012-01-12 Central Glass Company, Limited System for In-Situ Mixing and Diluting Fluorine Gas
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