JP2000006642A - 空調ケースの設置構造 - Google Patents

空調ケースの設置構造

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JP2000006642A
JP2000006642A JP17420298A JP17420298A JP2000006642A JP 2000006642 A JP2000006642 A JP 2000006642A JP 17420298 A JP17420298 A JP 17420298A JP 17420298 A JP17420298 A JP 17420298A JP 2000006642 A JP2000006642 A JP 2000006642A
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case
evaporator
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健夫 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室側に伝達されるエンジン音を低減し、車
室内の騒音レベルの低下を図る空調ケースの設置構造を
提供する。 【解決手段】 空調ケース2を車両のエンジン室と車室
とを画成する仕切板に沿って設置し、空調ケース2の周
囲に形成されるエンジン室側から車室側へ抜ける隙間を
遮音材31,32を取り付けて塞ぐ。特に、エンジン室
と車室とが車両の進行方向に対して前後して設けられ、
仕切板が車巾方向に設けられている場合には、少なくと
も車巾の中程に位置する隙間を遮音材で塞ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調ケースの設
置構造、特に、車両のエンジン室と車室とを画成する仕
切板に沿って送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納
可能とする空気通路が形成された空調ケースの設置構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される空調ユニットは、図3
に示されるように、車室に送風機6、エバポレータ8、
ヒータコア21などを配した空気通路29が形成される
空調ケース2を配し、エンジン室12に前記エバポレー
タ8と共に冷房サイクル19を構成するコンプレッサ1
8、コンデンサ16などを配する構成となっている。特
に、空調ケース2は、車室側で配管の引き回しを少なく
するために、エンジン室12と車室13とを画成する仕
切板14に沿って配され、多くの空調ケースでは、同図
に示されるように、空気通路29が仕切板14の延長方
向に形成されている。
【0003】これを、車室の前方にエンジン室を有する
車両で見ると、空調ケース2は、通常ダッシュパネルの
内側に配され、助手席の前方にインテークボックスや送
風機6を配し、この位置から車巾の略中央にかけてエバ
ポレータ8、ヒータコア21を順次配置する構成として
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように設置された空調ケースは、複数のユニットケース
を連結したり、空調ケースを所定箇所に取り付けるため
のブラケットが形成されたり、吹出口が突出形成される
など、表面が複雑な形状をなしており、空調ケースを所
定箇所に取り付けた場合でもその周囲には隙間が形成さ
れる。従来においては、このような隙間は、なんら支障
がないものとされ、そのまま放置されていたが、車室の
快適環境が追求される昨今においては、次のような問題
点が生じている。
【0005】即ち、図3に示されるように、空調ケース
2が仕切板14に沿って設置される場合には、空調ケー
ス2の周囲にエンジン室側から車室側へ抜ける隙間が形
成されやすくなり、このような隙間が存在すると、仕切
板14を介して車室側へ伝達されるエンジン音が、空調
ケースで遮られることなく、この隙間を通って座席側に
漏れ、車室内の静寂な環境を阻害することが指摘されて
いる。
【0006】例えば、図4で示されるように、送風機6
及びエバポレータを収納する第1のユニットケース2a
とヒータコア21などを収納する第2のユニットケース
2bとを連結して構成される空調ケース2の場合、前述
した如く送風機6を助手席前方に配し、そこから順次車
巾中央にかけて空調ケース2を設置すると、空調ケース
2の上部においては、例えば、第1のユニットケース2
aと第2のユニットケース2bとの連結部28に設けら
れるブラケット30dと上方へ突出する吹出部25との
間(波線Aで囲んだ部分)に、空調ケース2の下部にお
いては、例えば、前記連結部近傍の第2のユニットケー
ス2aに形成されたブラケット30eとエバポレータを
収納するエバポレータ収納部9との間(波線Bで囲んだ
部分)にそれぞれエンジン室側から車室側へ抜ける隙間
が形成される。
【0007】上述した2箇所の隙間は、特に、車巾の中
央付近に位置することから、これら隙間からエンジン音
が漏れると、助手席のみならず運転席へも直接エンジン
音が伝達され、エンジン音が他の隙間から漏れるよりも
耳につきやすくなる。
【0008】そこで、この発明においては、上記不具合
を解消し、車室側へ伝達されるエンジン音を低減させ、
もって車室内の騒音レベルの低下を図ることができる空
調ケースの設置構造を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明にかかる空調ケースの設置構造は、車両の
エンジン室と車室とを画成する仕切板に沿って設置さ
れ、送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納可能とす
る空気通路が前記仕切板の延長方向に形成されている空
調ケースにあって、前記空調ケースの周囲に形成される
エンジン室側から車室側へ抜ける隙間を、前記空調ケー
スの表面に遮音材を取り付けて塞いだことを特徴として
いる(請求項1)。
【0010】したがって、空調ケースの周囲にエンジン
室側から車室側へ抜ける隙間が形成される場合でも、エ
ンジン音は遮音材によってある程度吸収されることか
ら、前記隙間を介して伝達されるエンジン音を低減する
ことができる。
【0011】特に、エンジン室と車室とが車両の進行方
向に対して前後して設けられると共に仕切板が車巾方向
に設けられている場合には、運転席及び助手席の両側へ
のエンジン音の伝達を効果的に低減する必要から、少な
くとも車巾の中程に位置するエンジン室側から車室側へ
抜ける隙間を前記遮音材で塞ぐことが好ましい(請求項
2)。
【0012】より具体的には、空調ケースを、送風機と
エバポレータを収納可能とする助手席前方に配された第
1のユニットケースと、ヒータコアを収納可能とする車
巾の略中央に配された第2のユニットケースとを連結し
て構成する場合には、第1のユニットケースと第2のユ
ニットケースとの連結部分近傍に形成される隙間を遮音
材で塞ぐようにするとよい(請求項3)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の構成例を図面に
より説明する。図1及び図2において、空調ユニット1
が示され、この空調ユニット1は、空調ケース2の最上
流側に上方へ突出形成されたインテークボックス3が形
成されている。このインテークボックス3には、内気導
入口4と外気導入口5とが形成され、内部に配されてい
るインテークドアによって内気導入口4と外気導入口5
との開口割合が調節されるようになっている。
【0014】インテークボックス3の下方には、送風機
6を収納する送風機収納部7が形成されている。この送
風機収納部7は、図3にも示されるように、徐々に径を
拡大した側面を有するスクロール形状をなし、最も径が
拡大した側部より下流側へ空気を圧送するようになって
いる。
【0015】送風機収納部7の下流側には、エバポレー
タ8を収納するエバポレータ収納部9が形成されてい
る。このエバポレータ8は、同収納部9に収納された膨
張弁10を介して配管11が引き出され、この配管11
をエンジン室12と車室13とを画成する仕切板14を
介してエンジン室12に導き、ラジエータ15の近傍に
設けられたコンデンサ16、エンジン17の動力によっ
て駆動されるコンプレッサ18などと共に配管結合して
公知の冷房サイクル19を構成している。尚、20は、
エバポレータ収納部9の下部に設けられてエバポレータ
8の凝縮水を排出するドレーンである。
【0016】さらに空調ケース2のエバポレータ収納部
9よりも下流側には、ヒータコア21やエアミックスド
ア22を収納する温調機器収納部23が形成され、エア
ミックスドア22の開度を調節することによりヒータコ
ア21を通過する空気量とバイパスする空気量との割合
が調節されるようになっている。このヒータコア21
は、仕切板14と対峙する空調ケース2の側壁から配管
が引き出され、エンジン17の冷却水を熱源としてここ
を通過する空気を加熱するようになっている。
【0017】ヒータコア21の下流側、即ち、空調ケー
ス2の最下流側には、下方及び上方へ突出する吹出部2
4,25が形成されている。このうち下方へ突出形成さ
れた吹出部24には足元吹出口が、上方へ突出形成され
た吹出部25にはデフロスト吹出口26及びベント吹出
口27がそれぞれ形成され、モードドアによって各々の
吹出口の開口状態が調節され、空気を吹き出す吹出口が
選択されるようになっている。
【0018】上記空調ケース2は、インテークボックス
3、送風機収納部7、及びエバポレータ収納部9を一体
に形成した第1のユニットケース2aと、温調機器収納
部23や吹出部24,25を一体に形成した第2のユニ
ットケース2bとを連結して構成され、その連結部28
においては、仕切板14と対峙する空調ケース2の側面
がエバポレータ収納部9や温調機器収納部23よりも凹
んだ形状に形成されている。
【0019】そして、空調ケース2は、従来の空調ケー
スと同様に、ダッシュパネルの内側に配され、図3に示
されるように仕切板14に沿って設置され、したがっ
て、空調ケース2の内部には、送風機5、エバポレータ
8、エアミックスドア22、ヒータコア21を配した空
気通路29が仕切板14の延長方向に延びるように形成
されている。また、インテークボックス3、送風機収納
部7、エバポレータ収納部9は、助手席前方に位置する
ように配され、温調機器収納部23や吹出部24,25
は、車巾の略中央に位置するように配されており、空調
ケース2は、各所に設けられたブラケット30a〜30
fによって所定箇所に固定されるようになっている。
【0020】ここで、ブラケットについて説明すると、
第1のユニットケース2aでは、インテークボックス3
の上端に上方へ延びるブラケット30aが形成され、送
風機収納部7の下面及び送風機収納部7からエバポレー
タ収納部9へ移行する下面に下方へ延びるブラケット3
0b,30cが形成されている。また、第2のユニット
ケース2bでは、第1のユニットケース2aと連結する
連結部28の上面に上方へ延びるブラッケット30dが
形成され、前記連結部近傍の下面と第1のユニットケー
スから最も遠ざかる側面とに下方へ延びるブラケット3
0e,30fが形成されている。
【0021】このような空調ケース2においては、所定
箇所に設置した状態においても、前述した如く、連結部
28の上部に形成されるブラケット30dと吹出部25
との間、及び、エバポレータ収納部9と第2のユニット
ケース2bに形成された連結部近傍のブラケット30e
との間にエンジン室側から車室側へ抜ける隙間が形成さ
れる(図4の波線A,Bで示す)。そこで、本構成にお
いては、空調ケース2に発泡ウレタン等からなる遮音材
31,32を取り付けてこれら隙間が埋められている。
【0022】連結部上部のブラケット30dと吹出部2
5との間に取り付けられる遮音材31は、例えば、図2
に示されるように、吹出部25の立設面で位置決めされ
るようにL字状に形成され、この立設面にあてがわれる
ように取り付けることでケース上部の隙間を閉塞してい
る。また、エバポレータ収納部9と連結部近傍のブラケ
ット30eとの間に取り付けられる遮音材32は、シー
ト状に形成され、これを縦にして連結部28の側方に形
成される凹みに挿入するように押し込められ、隙間の巾
に合わせて取付け枚数(図面では2枚)が調節されてい
る。
【0023】上記構成において、エンジン音は、仕切板
14を介して車室13に伝達されるが、空調ケース2が
上述のように仕切板14に沿って配される場合でも、エ
ンジン室側から車室側へ抜ける隙間が遮音材31,32
によって閉塞されているので、隙間を通過しようとする
エンジン音がこの遮音材31,32によって吸収され、
エンジン音が座席側へ伝達されにくくなる。
【0024】特に、上述のように、車巾の中央付近に隙
間が形成される構成においては、この隙間を閉塞せずに
放置しておくと、隙間を介してエンジン音が助手席のみ
ならず運転席にも直接伝達され、車室内の静寂な環境を
大きく阻害する。このため、上述のように中央付近の隙
間を遮音材31,32で閉塞することは、騒音対策を図
る上でも効果的であり、このことは、本発明者による実
験によっても確かめられている。
【0025】尚、上述の空調ケースにあっては、インテ
ークボックス3とエバポレータ収納部9との間にもエン
ジン室側から車室側へ抜ける隙間(図4の波線Cで示
す)が形成される。この隙間には、インテークドアの駆
動機構がレイアウトされること、また、インテークボッ
クス3やエバポレータ収納部9は助手席前方にあり、こ
の間から漏れるエンジン音は助手席の一部に直接伝達さ
れるにすぎないこと等の理由から遮音材は敷設されてい
ないが、エンジン音の伝達を低減するためには、この部
分にも本来であれば遮音材を取り付けることが望まし
く、このため、必要に応じてこの部分にも遮音材を取り
付けるとよい。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
車両のエンジン室と車室とを画成する仕切板に沿って設
置され、送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納可能
とする空気通路が仕切板の延長方向に形成される空調ケ
ースにおいて、この空調ケースの周囲にエンジン室側か
ら車室側へ抜ける隙間が形成される場合には、空調ケー
スに遮音材を取り付けて前記隙間を塞ぐようにしたの
で、この隙間を通って伝達されるエンジン音を遮音材で
減衰させることができ、もって、車室内の騒音レベルを
低下させることができる。
【0027】特に、エンジン室と車室とが車両の進行方
向に対して前後して設けられ、仕切板が車巾方向に設け
られている場合には、少なくとも車巾の中程に位置する
隙間を遮音材で塞ぐことで、運転席及び助手席両側への
エンジン音の伝達を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、車両に搭載される空調ユニットの全体
構成を示す正面図であり、遮音材を取り付けた状態を示
す図である。
【図2】図2は、図1の空調ユニットを右斜め上から見
た斜視図である。
【図3】図3は、空調ユニットを車両に搭載した状態を
示す概略図である。
【図4】図4は、図1の空調ユニットの全体構成を示す
正面図であり、遮音材が取り付けられていない状態を示
す図である。
【符号の説明】
2 空調ケース 2a 第1のユニットケース 2b 第2のユニットケース 5 送風機 8 エバポレータ 12 エンジン室 13 車室 14 仕切板 21 ヒータコア 29 空気通路 31,32 遮音材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月29日(1999.3.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 空調ケースの設置構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調ケースの設
置構造、特に、車両のエンジン室と車室とを画成する仕
切板に沿って送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納
可能とする空気通路が形成された空調ケースの設置構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される空調ユニットは、図3
に示されるように、車室に送風機6、エバポレータ8、
ヒータコア21などを配した空気通路29が形成される
空調ケース2を配し、エンジン室12に前記エバポレー
タ8と共に冷房サイクル19を構成するコンプレッサ1
8、コンデンサ16などを配する構成となっている。特
に、空調ケース2は、車室側で配管の引き回しを少なく
するために、エンジン室12と車室13とを画成する仕
切板14に沿って配され、多くの空調ケースでは、同図
に示されるように、空気通路29が仕切板14の延長方
向に形成されている。
【0003】これを、車室の前方にエンジン室を有する
車両で見ると、空調ケース2は、通常ダッシュパネルの
内側に配され、助手席の前方にインテークボックスや送
風機6を配し、この位置から車巾の略中央にかけてエバ
ポレータ8、ヒータコア21を順次配置する構成として
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように設置された空調ケースは、複数のユニットケース
を連結したり、空調ケースを所定箇所に取り付けるため
のブラケットが形成されたり、吹出口が突出形成される
など、表面が複雑な形状をなしており、空調ケースを所
定箇所に取り付けた場合でもその周囲には隙間が形成さ
れる。従来においては、このような隙間は、なんら支障
がないものとされ、そのまま放置されていたが、車室の
快適環境が追求される昨今においては、次のような問題
点が生じている。
【0005】即ち、図3に示されるように、空調ケース
2が仕切板14に沿って設置される場合には、空調ケー
ス2の周囲にエンジン室側から車室側へ抜ける隙間が形
成されやすくなり、このような隙間が存在すると、仕切
板14を介して車室側へ伝達されるエンジン音が、空調
ケースで遮られることなく、この隙間を通って座席側に
漏れ、車室内の静寂な環境を阻害することが指摘されて
いる。
【0006】例えば、図4で示されるように、送風機6
及びエバポレータを収納する第1のユニットケース2a
とヒータコア21などを収納する第2のユニットケース
2bとを連結して構成される空調ケース2の場合、前述
した如く送風機6を助手席前方に配し、そこから順次車
巾中央にかけて空調ケース2を設置すると、空調ケース
2の上部においては、例えば、第1のユニットケース2
aと第2のユニットケース2bとの連結部28に設けら
れるブラケット30dと上方へ突出する吹出部25との
間(波線Aで囲んだ部分)に、空調ケース2の下部にお
いては、例えば、前記連結部近傍の第2のユニットケー
ス2aに形成されたブラケット30eとエバポレータを
収納するエバポレータ収納部9との間(波線Bで囲んだ
部分)にそれぞれエンジン室側から車室側へ抜ける隙間
が形成される。
【0007】上述した2箇所の隙間は、特に、車巾の中
央付近に位置することから、これら隙間からエンジン音
が漏れると、助手席のみならず運転席へも直接エンジン
音が伝達され、エンジン音が他の隙間から漏れるよりも
耳につきやすくなる。
【0008】そこで、この発明においては、上記不具合
を解消し、車室側へ伝達されるエンジン音を低減させ、
もって車室内の騒音レベルの低下を図ることができる空
調ケースの設置構造を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明にかかる空調ケースの設置構造は、車両の
エンジン室と車室とを画成する仕切板に沿って設置さ
れ、送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納可能とす
る空気通路が前記仕切板の延長方向に形成されている空
調ケースにあって、前記エンジン室と前記車室とが車両
の進行方向に対して前後して設けられると共に前記仕切
板が車巾方向に設けられ、前記空調ケースは、前記送風
機及び前記エバポレータを収納可能とする助手席前方に
配された第1のユニットケースと、前記ヒータコアを収
納可能とする車巾の略中央に配された第2のユニットケ
ースとを連結して構成され、前記第1のユニットケース
と前記第2のユニットケースとの連結部分近傍に位置す
る少なくとも車巾の中程において前記空調ケース周囲に
形成されるエンジン室側から車室側へ抜ける隙間を遮音
材を取付けて塞ぐようにしたことを特徴としている。
【0010】したがって、空調ケースの周囲にエンジン
室側から車室側へ抜ける隙間が形成される場合でも、エ
ンジン音は遮音材によってある程度吸収されることか
ら、前記隙間を介して伝達されるエンジン音を低減する
ことができる。特に、車巾の中央付近に空調ケースの周
囲で隙間が形成される構成においては、この隙間を介し
てエンジン音が助手席のみならず運転席にも直接伝達さ
れてしまうが、上述のように車巾の中程に形成される隙
間を遮音材で閉塞することで、騒音を効果的に低減でき
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の構成例を図面に
より説明する。図1及び図2において、空調ユニット1
が示され、この空調ユニット1は、空調ケース2の最上
流側に上方へ突出形成されたインテークボックス3が形
成されている。このインテークボックス3には、内気導
入口4と外気導入口5とが形成され、内部に配されてい
るインテークドアによって内気導入口4と外気導入口5
との開口割合が調節されるようになっている。
【0012】インテークボックス3の下方には、送風機
6を収納する送風機収納部7が形成されている。この送
風機収納部7は、図3にも示されるように、徐々に径を
拡大した側面を有するスクロール形状をなし、最も径が
拡大した側部より下流側へ空気を圧送するようになって
いる。
【0013】送風機収納部7の下流側には、エバポレー
タ8を収納するエバポレータ収納部9が形成されてい
る。このエバポレータ8は、同収納部9に収納された膨
張弁10を介して配管11が引き出され、この配管11
をエンジン室12と車室13とを画成する仕切板14を
介してエンジン室12に導き、ラジエータ15の近傍に
設けられたコンデンサ16、エンジン17の動力によっ
て駆動されるコンプレッサ18などと共に配管結合して
公知の冷房サイクル19を構成している。尚、20は、
エバポレータ収納部9の下部に設けられてエバポレータ
8の凝縮水を排出するドレーンである。
【0014】さらに空調ケース2のエバポレータ収納部
9よりも下流側には、ヒータコア21やエアミックスド
ア22を収納する温調機器収納部23が形成され、エア
ミックスドア22の開度を調節することによりヒータコ
ア21を通過する空気量とバイパスする空気量との割合
が調節されるようになっている。このヒータコア21
は、仕切板14と対峙する空調ケース2の側壁から配管
が引き出され、エンジン17の冷却水を熱源としてここ
を通過する空気を加熱するようになっている。
【0015】ヒータコア21の下流側、即ち、空調ケー
ス2の最下流側には、下方及び上方へ突出する吹出部2
4,25が形成されている。このうち下方へ突出形成さ
れた吹出部24には足元吹出口が、上方へ突出形成され
た吹出部25にはデフロスト吹出口26及びベント吹出
口27がそれぞれ形成され、モードドアによって各々の
吹出口の開口状態が調節され、空気を吹き出す吹出口が
選択されるようになっている。
【0016】上記空調ケース2は、インテークボックス
3、送風機収納部7、及びエバポレータ収納部9を一体
に形成した第1のユニットケース2aと、温調機器収納
部23や吹出部24,25を一体に形成した第2のユニ
ットケース2bとを連結して構成され、その連結部28
においては、仕切板14と対峙する空調ケース2の側面
がエバポレータ収納部9や温調機器収納部23よりも凹
んだ形状に形成されている。
【0017】そして、空調ケース2は、従来の空調ケー
スと同様に、ダッシュパネルの内側に配され、図3に示
されるように仕切板14に沿って設置され、したがっ
て、空調ケース2の内部には、送風機5、エバポレータ
8、エアミックスドア22、ヒータコア21を配した空
気通路29が仕切板14の延長方向に延びるように形成
されている。また、インテークボックス3、送風機収納
部7、エバポレータ収納部9は、助手席前方に位置する
ように配され、温調機器収納部23や吹出部24,25
は、車巾の略中央に位置するように配されており、空調
ケース2は、各所に設けられたブラケット30a〜30
fによって所定箇所に固定されるようになっている。
【0018】ここで、ブラケットについて説明すると、
第1のユニットケース2aでは、インテークボックス3
の上端に上方へ延びるブラケット30aが形成され、送
風機収納部7の下面及び送風機収納部7からエバポレー
タ収納部9へ移行する下面に下方へ延びるブラケット3
0b,30cが形成されている。また、第2のユニット
ケース2bでは、第1のユニットケース2aと連結する
連結部28の上面に上方へ延びるブラッケット30dが
形成され、前記連結部近傍の下面と第1のユニットケー
スから最も遠ざかる側面とに下方へ延びるブラケット3
0e,30fが形成されている。
【0019】このような空調ケース2においては、所定
箇所に設置した状態においても、前述した如く、連結部
28の上部に形成されるブラケット30dと吹出部25
との間、及び、エバポレータ収納部9と第2のユニット
ケース2bに形成された連結部近傍のブラケット30e
との間にエンジン室側から車室側へ抜ける隙間が形成さ
れる(図4の波線A,Bで示す)。そこで、本構成にお
いては、空調ケース2に発泡ウレタン等からなる遮音材
31,32を取り付けてこれら隙間が埋められている。
【0020】連結部上部のブラケット30dと吹出部2
5との間に取り付けられる遮音材31は、例えば、図2
に示されるように、吹出部25の立設面で位置決めされ
るようにL字状に形成され、この立設面にあてがわれる
ように取り付けることでケース上部の隙間を閉塞してい
る。また、エバポレータ収納部9と連結部近傍のブラケ
ット30eとの間に取り付けられる遮音材32は、シー
ト状に形成され、これを縦にして連結部28の側方に形
成される凹みに挿入するように押し込められ、隙間の巾
に合わせて取付け枚数(図面では2枚)が調節されてい
る。
【0021】上記構成において、エンジン音は、仕切板
14を介して車室13に伝達されるが、空調ケース2が
上述のように仕切板14に沿って配される場合でも、エ
ンジン室側から車室側へ抜ける隙間が遮音材31,32
によって閉塞されているので、隙間を通過しようとする
エンジン音がこの遮音材31,32によって吸収され、
エンジン音が座席側へ伝達されにくくなる。
【0022】特に、上述のように、車巾の中央付近に隙
間が形成される構成においては、この隙間を閉塞せずに
放置しておくと、隙間を介してエンジン音が助手席のみ
ならず運転席にも直接伝達され、車室内の静寂な環境を
大きく阻害する。このため、上述のように中央付近の隙
間を遮音材31,32で閉塞することは、騒音対策を図
る上でも効果的であり、このことは、本発明者による実
験によっても確かめられている。
【0023】尚、上述の空調ケースにあっては、インテ
ークボックス3とエバポレータ収納部9との間にもエン
ジン室側から車室側へ抜ける隙間(図4の波線Cで示
す)が形成される。この隙間には、インテークドアの駆
動機構がレイアウトされること、また、インテークボッ
クス3やエバポレータ収納部9は助手席前方にあり、こ
の間から漏れるエンジン音は助手席の一部に直接伝達さ
れるにすぎないこと等の理由から遮音材は敷設されてい
ないが、エンジン音の伝達を低減するためには、この部
分にも本来であれば遮音材を取り付けることが望まし
く、このため、必要に応じてこの部分にも遮音材を取り
付けるとよい。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
車両のエンジン室と車室とを画成する仕切板に沿って設
置され、送風機、エバポレータ、ヒータコアを収納可能
とする空気通路が仕切板の延長方向に形成される空調ケ
ースにおいて、エンジン室と車室とが車両の進行方向に
対して前後して設けられると共に仕切板が車巾方向に設
けられ、空調ケースが第1及び第2のユニットケースを
連結して構成されている場合に、第1のユニットケース
と前記第2のユニットケースとの連結部分近傍の少なく
とも車巾の中程に形成されるエンジン室側から車室側へ
抜ける隙間を、空調ケースに遮音材を取り付けて塞ぐよ
うにしたので、この隙間を通って伝達されるエンジン音
を遮音材で減衰させることができ、もって、車室内の騒
音レベルを低下させることができ、特に、少なくとも車
巾の中程に位置する隙間を遮音材で塞いだことで、運転
席及び助手席両側へのエンジン音の伝達を効果的に低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、車両に搭載される空調ユニットの全体
構成を示す正面図であり、遮音材を取り付けた状態を示
す図である。
【図2】図2は、図1の空調ユニットを右斜め上から見
た斜視図である。
【図3】図3は、空調ユニットを車両に搭載した状態を
示す概略図である。
【図4】図4は、図1の空調ユニットの全体構成を示す
正面図であり、遮音材が取り付けられていない状態を示
す図である。
【符号の説明】 2 空調ケース 2a 第1のユニットケース 2b 第2のユニットケース 5 送風機 8 エバポレータ 12 エンジン室 13 車室 14 仕切板 21 ヒータコア 29 空気通路 31,32 遮音材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジン室と車室とを画成する仕
    切板に沿って設置され、送風機、エバポレータ、ヒータ
    コアを収納可能とする空気通路が前記仕切板の延長方向
    に形成されている空調ケースにあって、 前記空調ケースの周囲に形成されるエンジン室側から車
    室側へ抜ける隙間を、前記空調ケースに遮音材を取り付
    けて塞いだことを特徴とする空調ケースの設置構造。
  2. 【請求項2】 前記エンジン室と前記車室とが車両の進
    行方向に対して前後して設けられると共に前記仕切板が
    車巾方向に設けられ、前記遮音材は、少なくとも車巾の
    中程に位置する前記隙間を塞ぐように前記空調ケースに
    取り付けられている請求項1記載の空調ケースの設置構
    造。
  3. 【請求項3】 前記空調ケースは、前記送風機及び前記
    エバポレータを収納可能とする助手席前方に配された第
    1のユニットケースと、前記ヒータコアを収納可能とす
    る車巾の略中央に配された第2のユニットケースとを連
    結して構成され、前記遮音材は、前記第1のユニットケ
    ースと前記第2のユニットケースとの連結部分近傍に形
    成される前記隙間を塞ぐように取り付けられている請求
    項2記載の空調ケースの設置構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2695755A2 (en) 2012-08-07 2014-02-12 Valeo Japan Co., Ltd. Air conditioning device for vehicle
JP2016188018A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 マツダ株式会社 車両用空調装置

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EP2695755A2 (en) 2012-08-07 2014-02-12 Valeo Japan Co., Ltd. Air conditioning device for vehicle
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