JP2000006159A - 発泡スチロール成形用金型 - Google Patents

発泡スチロール成形用金型

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JP2000006159A
JP2000006159A JP17765398A JP17765398A JP2000006159A JP 2000006159 A JP2000006159 A JP 2000006159A JP 17765398 A JP17765398 A JP 17765398A JP 17765398 A JP17765398 A JP 17765398A JP 2000006159 A JP2000006159 A JP 2000006159A
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JP
Japan
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cavity
film
copper
coating
mold
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JP17765398A
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English (en)
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Yutaka Shimizu
裕 清水
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TATSUNO KORUKU KOGYO KK
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TATSUNO KORUKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品の表面につやを出すために、従来は、キ
ャビティの内面にフッ素樹脂をコーティングしている。
フッ素樹脂は断熱性が高いので、加熱、冷却に時間を要
し、成形サイクルが長くなる。 【解決手段】アルミニウム合金からなるキャビティ3の
内面3aにクロム被膜4を介して、銅被膜5を設ける。
銅被膜5は熱伝導性に優れるので、キャビティ3内を短
時間にムラなく加熱、冷却できる。加熱、冷却時間の短
縮を通じて成形サイクルを短くできる。キャビティ3の
表面温度を高く且つ均一にでき、つやのある成形品が得
られる。銅被膜5によってキャビティ3の内面の平滑度
が増すので、離型性や水切り性を良くし、ベントの目詰
まりを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡スチロールの成
形品を成形するための、発泡スチロール成形用金型に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡スチロールの成形用金型のキ
ャビティの内面に、フッ素樹脂をコーティングすること
が行われている。フッソ樹脂は、滑りが良いことから離
型性に優れており、また撥水性を持つことからキャビテ
ィ内面に残留する水分の切れを良くすると同時に、ベン
ト孔の目詰まりを防止することができる。
【0003】ところで、近年、成形品の商品性を高める
うえで、成形品の表面につやがあることが要求されてい
る。これを可能にするべく、コーティングされる上記の
フッ素樹脂の材質や肉厚を調整したりしている。例え
ば、キャビティの内面の熱伝導性を悪くするために、2
度塗りして肉厚を厚くすることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ素
樹脂は断熱性が高いので、金型の加熱や冷却に時間がか
かる。このため、1回の成形に要する時間、すなわち成
形サイクルが長くなり、成形品の製造コストが高くな
る。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、成形品の表面に良好なつやを
与えることができ、しかも、上記の離型性や水切り性を
損なうことなく、成形サイクルを短くすることができる
発泡スチロール成形用金型を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、
アルミニウム合金からなる型により区画されるキャビテ
ィの内面に、アルミニウムよりも高い熱伝導率を有する
金属の被膜が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0007】アルミニウムの熱伝導率は、0.569ca
l /cm・S・度であるので、これより高い熱伝導率を持
つ金属であれば使用できる。純金属の被膜であっても良
いし、異なる金属や非金属を共析させたものであっても
良い。アルミニウムよりも高い熱伝導率を有する金属と
しては、請求項2のように、金(0.754cal /cm・
S・度)、銀(1.016cal /cm・S・度)および銅
(0.949cal /cm・S・度)のグループから少なく
とも一つ選択されることになる。すなわち、単一種の金
属の被膜としても良いし、2又は3の金属の被膜が層を
なしていても良い。
【0008】アルミニウムよりも熱伝導性に優れる金属
の被膜がキャビティの内面に設けてあると、キャビティ
内を短時間にムラなく加熱し、また冷却することができ
る結果、加熱時間および冷却時間を短縮することができ
る。また、キャビティ表面をムラなく十分に加熱できる
ので、成形品の表面につやを出すことができる。さら
に、金、銀又は銅の被膜によってキャビティの内面の平
滑度が増すので、離型性や水切り性を良くすることがで
きる。
【0009】銀と銅を比較すると、銀の方が、熱伝導性
が良いが高価である。したがって、コストを重視する場
合には、銅を使用することが好ましく、また熱伝導性を
より重視する場合には銀を使用することが好ましい。金
は高価であるが、アルミニウムに比して十分に高い熱伝
導率を有している。金、銀又は銅の被膜は、メッキによ
り形成しても良いし、またイオンプレーティングにより
形成しても良い。
【0010】また、請求項3のように、上記アルミニウ
ムよりも高い熱伝導率を有する金属の被膜は、異なる金
属からなる中間被膜を介してキャビティの内面に担持さ
れていることが好ましい。
【0011】ある金属に対する他の金属の被膜の付着強
度は、互いの金属の固溶限(溶解度)の大きさに依存す
る傾向にある。例えば、一般に、銅とアルミニウムとの
付着強度はあまり高くない。そこで、銅の被膜を形成す
る場合には、銅およびアルミニウムの双方に対する付着
強度が高い金属の被膜、例えばニッケルやクロムの被膜
を中間被膜として介在させることが好ましい。中間被膜
は、単一の金属の被膜であっても良いし、複数の金属の
被膜を積層したものであっても良い。
【0012】一方、銀の被膜を形成する場合には、銀お
よびアルミニウムの双方に対する付着強度が高い金属の
被膜を中間被膜として介在させることが好ましく、ま
た、金の被膜を形成する場合には、金およびアルミニウ
ムの双方に対する付着強度が高い金属の被膜の被膜を中
間被膜として介在させることが好ましい。
【0013】また、請求項4のように、アルミニウムよ
りも高い熱伝導率を有する金属の被膜はメッキにより形
成されている場合には、均一且つ平滑な被膜をコスト安
価に得ることができる。また、メッキの場合、分散メッ
キや合金メッキを用いることができる。例えば、銅メッ
キ中にアルミナ(Al2O3)を分散させた分散メッキとし
て、熱伝導率をさらに向上させるようにしても良い。ま
た、金、銀又は銅の被膜に、異なる金属や非金属を共析
させて、純金属では得られない性質(例えば硬度、耐摩
耗性、耐蝕性)を向上させるようにしても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を添
付図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1は本発明の一実施の形態の成形用金型
の模式的断面図であり、図1を参照して、本金型Aで
は、アルミニウム合金からなる雄型1と雌型2との間に
キャビティ3が形成されており、このキャビティ3の内
面3aには、ニッケル被膜4が形成され、このニッケル
被膜4の表面にさらに、銅被膜5が形成されている。こ
れらの被膜4,5はそれぞれメッキにより形成されてい
る。ニッケル被膜4の膜厚としては2〜5μmの範囲が
好ましく、3〜4μmの範囲であればより好ましい。ま
た、銅被膜5の膜厚としては、15〜30μmの範囲が
好ましい。ニッケル被膜4および銅被膜5は、それぞれ
メッキにより被覆されているが、イオンプレーティング
法により被膜4,5を形成することもできる。メッキに
より被膜を形成する場合の工程の一例を順次に示すと、
脱脂、エッチング、スマット除去、第1亜鉛置換、酸
洗、第2亜鉛置換、表面調整、無電解ニッケルメッキ、
電気銅メッキ、変色防止処理、乾燥の手順である。従
来、活性なアルミニウムの表面にメッキをつけることは
困難とされてきた。これはアルミニウム表面の酸化被膜
の存在がメッキの密着を妨げるからである。上記の第1
及び第2亜鉛置換は酸化被膜を除去しメッキの密着性を
高めるために、近年行われているものである。
【0016】本金型Aを含む成形装置の構成について
は、公知のものであるので、図および説明を省略する。
【0017】上記の金型Aを用いて発泡スチロールの成
形品を成形する場合、まず、型締め開始するが、予備発
泡材料を金型A内に充填のため、両型1,2の合わせ目
に1〜2mmの隙間を残して一時、型締を停止する(ク
ラッキング)。これは、材料挿入時の金型A内の空気の
排出を円滑する目的で行われる。
【0018】次いで、金型A内に材料を圧入(図1にお
いて、白抜き矢符で示す)した後、型締めを行う。
【0019】次いで、金型Aに一体的に設けられたチャ
ンバ(図示せず)内に蒸気を注入して金型Aを予熱す
る。これは、主として、発泡の均一化、発泡時間の短縮
などの目的で行われる。
【0020】次いで、金型A内の製品空間に蒸気が所定
の蒸気圧力(例えば0.7kg/cm2)にて挿入され、雄型
1と雌型2の双方が加熱(いわゆる両面加熱)されて、
本加熱が行われる。一般に、加熱時間は、金型、成形品
の寸法、形状、発泡倍率および加熱源能力等により相違
する。これらの条件を相等しくして比較すると、上記の
銅被膜5が施してある場合は、従来のフッ素樹脂被膜が
施してある場合の略半分の加熱時間を達成できる。例え
ば、15秒程度要していたものを、7〜8秒とすること
ができる。
【0021】加熱発泡が終了すると、冷却工程に入る。
まず、チャンバ内の蒸気を放出する。次いで、冷却水を
ノズルから金型Aに噴霧して水冷する。水冷終了後は、
図示しない冷却バルブを閉じ、金型Aを閉じたままで圧
縮空気を送って冷却水を排出する。次いで、真空引きを
行ってチャンバ内の減圧を通じてキャビティ内を減圧す
ることにより、成形品の表面とキャビティの内面との間
に存在する水分を気化させ、金型および成形品から気化
熱を奪って冷却する。この減圧による冷却において、金
型の内表面に熱伝導率に優れる銅被膜5が形成してある
ので、均一に冷却することができる。
【0022】以上のような複数工程からなる冷却工程の
トータルの冷却時間は、金型、成形品の形状、寸法、水
圧、水量等により相違するが、これらの条件を相等しく
して比較すると、上記の銅被膜5が施してある場合は、
従来のフッ素樹脂被膜が施してある場合の冷却時間を1
0%程度短縮することができる。
【0023】次いで、型開きして、圧縮空気又は機械的
な突出し装置にて、成形品が金型Aから取り出される。
このとき、銅被膜5によってキャビティ3の内面の平滑
度が増すので、離型性が良い。
【0024】本実施の形態では、熱伝導性に優れる銅被
膜5を介して、キャビティ3内を短時間にムラなく加
熱、冷却できる結果、加熱および冷却時間の短縮化を通
じて、成形サイクルを短縮できる。例えば、キャビティ
の内面にフッ素樹脂の被膜が施されている場合と比較し
て、トータルの成形時間を10%程度、短くすることが
できる。
【0025】また、銅被膜5によって、キャビティ3の
内面3aの温度を高く且つ均一にできるので、成形品の
表面に良好なつやを作ることができる。
【0026】さらに、銅被膜5によってキャビティ3の
内面の平滑度が増すので、離型性や水切り性を良くし、
ベントの目詰まりを防止することができる。
【0027】さらに、銅被膜5を中間のニッケル被膜4
を介してキャビティ3の内面に担持するので、銅被膜5
の付着強度を高くできる結果、銅被膜5の耐久性を長期
にわたって維持できる。ひいては、製品コストを安くす
ることができる。特に、これらの被膜4,5をメッキに
より付着させているので、均一且つ平滑な被膜をコスト
安価に得ることができる。
【0028】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば、上記の実施の形態において、
ニッケル被膜に代えてクロム被膜を用いることができ
る。
【0029】また、銅被膜5に代えて、銀被膜を用いる
ことが可能であり、この場合、中間被膜としては、付着
強度を高くするために、銀およびアルミニウムに対する
付着強度が高い金属の被膜が好ましい。また、金被膜を
用いることも可能であり、この場合、中間被膜として
は、金およびアルミニウムに対する付着強度の高い金属
が好ましい。
【0030】また、銅被膜、銀被膜又は金被膜をアルミ
ニウム合金からなるキャビティ3の内面に直接被覆する
ことも可能である。この場合、アルミニウム合金とし
て、ニッケルおよびクロムの少なくとも一方の含有率が
通常よりも高いもの(例えばニッケルであれば0.06
%を超えるもの、クロムであれば0.03%を超えるも
の)を用いると、銅被膜に対する付着強度を高くできる
点で好ましい。
【0031】さらに、金、銀および銅の被膜を少なくと
も2つ積層して構成することも可能である。
【0032】また、アルミニウムより高い熱伝導率を持
つ金属をメッキにて形成する場合において、分散メッキ
を用いて熱伝導率をさらに向上させるようにしても良
い。例えば、銅メッキ中にアルミナ(Al2O3)を分散させ
るようにしても良い。
【0033】その他、本発明の範囲で種々の変更を施す
ことができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、アルミニウム
よりも熱伝導性に優れる金属の被膜を介して、キャビテ
ィ内を短時間にムラなく加熱、冷却できる結果、加熱お
よび冷却時間の短縮化を通じて、成形サイクルを短縮で
きる。また、キャビティ表面の温度を高く且つ均一にで
きるので、表面につやのある成形品を得ることができ
る。さらに、上記金属の被膜によってキャビティの内面
の平滑度が増すので、離型性や水切り性を良くすること
ができる。
【0035】アルミニウムよりも高い熱伝導率を有する
金属の被膜としては、請求項2のように、銅、銀および
金のグループから少なくとも一つ選択することができ
る。
【0036】請求項3記載の発明では、アルミニウムよ
りも熱伝導性に優れる金属の被膜を中間被膜を介して担
持するので、上記金属の被膜の付着強度を高くできる結
果、上記金属の被膜の耐久性を向上できる。ひいては、
製品コストを安くすることができる。
【0037】請求項4記載の発明では、均一且つ平滑な
金属の被膜をコスト安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡スチロール成形用金型の模式的断
面図である。
【図2】金型の要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
A 金型 1 雌型 2 雄型 3 キャビティ 4 ニッケル被膜(中間被膜) 5 銅被膜(アルミニウムよりも高い熱伝導率を有する
金属の被膜)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金からなる型により区画さ
    れるキャビティの内面に、アルミニウムよりも高い熱伝
    導率を有する金属の被膜が形成されていることを特徴と
    する発泡スチロール成形用金型。
  2. 【請求項2】上記アルミニウムよりも高い熱伝導率を有
    する金属の被膜は、金、銀および銅のグループから少な
    くとも一つ選択されることを特徴とする請求項1又は2
    記載の発泡スチロール成形用金型。
  3. 【請求項3】上記アルミニウムよりも高い熱伝導率を有
    する金属の被膜は、異なる金属からなる中間被膜を介し
    てキャビティの内面に担持されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の発泡スチロール成形用金型。
  4. 【請求項4】上記アルミニウムよりも高い熱伝導率を有
    する金属の被膜はメッキにより形成されていることを特
    徴とする請求項1,2又は3記載の発泡スチロール成形
    用金型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003025381A (ja) * 2001-07-17 2003-01-29 Ricoh Co Ltd 成形用金型装置
JP2008012671A (ja) * 2005-06-13 2008-01-24 Kaneka Corp 合成樹脂発泡体の製造方法及び合成樹脂発泡体
JP2008221773A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Konica Minolta Opto Inc 射出成形型

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