JP2000004450A - 立体画像表示方法および装置 - Google Patents

立体画像表示方法および装置

Info

Publication number
JP2000004450A
JP2000004450A JP10167217A JP16721798A JP2000004450A JP 2000004450 A JP2000004450 A JP 2000004450A JP 10167217 A JP10167217 A JP 10167217A JP 16721798 A JP16721798 A JP 16721798A JP 2000004450 A JP2000004450 A JP 2000004450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image display
eye
display device
liquid crystal
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10167217A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Kuma
均 熊
Koyo Yuasa
公洋 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP10167217A priority Critical patent/JP2000004450A/ja
Publication of JP2000004450A publication Critical patent/JP2000004450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示装置の残像によるちらつきを抑制で
きる立体画像表示方法の提供。 【解決手段】 互いに視差が与えられた左眼用画像と右
眼用画像とを時分割によりフレーム期間ごとに交互に表
示し、左眼用画像を左眼で、右眼用画像を右眼でそれぞ
れ選択的に視認させるにあたり、各フレーム期間のうち
の後半の期間、すなわち、フレーム期間の途中から終了
時点までの一定期間Tを非視認状態とすることにより、
直前のフレーム期間の残像と当該フレーム期間で視認す
べき画像とのコントラスト比を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、互いに視差が与
えられた左眼用画像と右眼用画像とを時分割により交互
に表示し、左眼用画像を左眼で、右眼用画像を右眼でそ
れぞれ選択的に視認させることにより、擬似的に立体画
像を表示する方法および装置に関する。
【0002】なお、この立体表示方法および装置は、例
えば、訓練用シミュレータなどのコンピュータ情報の立
体視化のほか、コンピュータゲームの立体視化、医療ま
たは芸術分野での立体画像表示に用いて好適である。
【0003】
【従来の技術】従来の立体画像表示方法の一例が、文
献:「特公平5−78017号公報」に開示されてい
る。この文献に開示の技術によれば、陰極線管(CR
T)などの画像表示装置に、互いに視差が与えられた左
眼用画像と右眼用画像とを時分割により一定のフレーム
期間ごとに交互に表示させる。
【0004】そして、切替用光シャッターによって、左
眼用画像と右眼用画像とを、時分割に同期して、互いに
方向の異なる偏光軸を有する偏光に交互に変換する。そ
の結果、左眼用画像と右眼用画像とは、偏光軸の方向が
互いに例えば直交する。
【0005】さらに、偏光眼鏡によって、左眼用画像を
その偏光軸の方向に基づいて選択的に透過して左眼で視
認させるとともに、右眼用画像をその偏光軸の方向に基
づいて選択的に透過して右眼で視認させる。その結果、
画像表示装置の表示画像を擬似的に立体画像として視認
することができる。
【0006】また、切替用光シャッターは、偏光板と液
晶セルとによって構成されている。この液晶セルは、
0.1μm〜0.15μmのリタデーションを有する。
またこの液晶セルの偏光軸の方向は、印加電圧の極性を
時分割に同期して反転させることにより、二つの方向の
偏光軸どうしの間で切替わる。二つの方向の偏光軸どう
しは、70°〜110°の回転角度を有する。また、液
晶セルは、この回転角度の二等分線の方向と偏光板の偏
光軸の方向とがほぼ一致するように設けられている。
【0007】その結果、液晶セルは、四分の一波長板
(λ/4板)として働く。このため、偏光板および液晶
セルを順次に透過した光は、偏光板の偏光軸の方向に対
して左右いずれかの側に45°回転した方向(第1およ
び第2の方向)の偏光軸を長軸とする楕円偏光となる。
例えば、左眼用画像は第1の方向、右眼用画像は第2の
方向の偏光軸の楕円偏光となる。
【0008】そして、偏光眼鏡の左眼用の偏光板の偏光
軸を第1方向とし、右眼用の偏光板の偏光軸を第2の方
向とすれば、左眼用画像を選択的に左眼で視認するとと
もに、右眼用画像を選択的に右眼で視認することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CRTをは
じめとする画像表示装置に用いられている蛍光体は、電
子ビームの照射によりいったん励起されて発光すると、
残光を残す。この残光は、初期発光輝度に対してわずか
な輝度であるが、通常、10ミリ秒間以上続く。そのた
め、残光の積分値は、全発光強度の数%の割合にもな
る。
【0010】ここで、図2のグラフに、残光量の時間変
化を示す。図2のグラフの横軸は発光後の経過時間(m
s)、縦軸は残光量(相対値)を表す。このグラフ中の
曲線III は、残光量の測定結果を示す。曲線III に示す
ように、残光量は、発光後2ms以内に初期発光輝度の
10%以下に減少する。しかし、曲線III は、発光後1
0ms以上経過しても、数%の残光量を示している。
【0011】一方、上述の従来の立体画像表示方式にお
いては、時分割の周期は、例えば133Hzである。こ
の場合、一つのフレーム期間の長さは、約7.5msで
ある。この7.5msというフレーム期間の長さは、1
0ms以上の残光時間よりも短い。
【0012】したがって、直前のフレーム期間での発光
による残光は、次のフレーム期間に入っても残ることに
なる。その上、隣接するフレーム期間での表示画像どう
しは、立体画像表示のために互いに視差が与えられてい
る。このため、直前のフレーム期間の残像は、その次の
フレーム期間での表示画像と一致しない。その結果、残
像のために、画像が二重に見えたり、ちらついて見えた
りするという問題がある。
【0013】なお、この残像によるちらつきは、切替用
光シャッターの透過時と遮光時とのコントラスト比を大
きくしても解決することはできない。また、画像表示装
置に残光の極めて少ない蛍光体を使用することにより、
残像によるちらつきをなくすことも考えられる。しか
し、そうすると画像表示装置が特殊なものとなる。その
結果、立体画像表示装置の値段が高価となってしまう。
【0014】本発明は、上記の問題を解決すべくなされ
たものであり、画像表示装置の残像によるちらつきを抑
制できる立体画像表示方法および装置の提供を目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】(立体画像表示方法)こ
の目的の達成を図るため、この発明の立体画像表示法方
によれば、互いに視差が与えられた左眼用画像と右眼用
画像とを時分割によりフレーム期間ごとに交互に表示
し、左眼用画像を左眼で、右眼用画像を右眼でそれぞれ
選択的に視認させる立体画像表示方法において、左眼用
画像および右眼用画像を同時に非視認状態とする非視認
期間を、各フレーム期間の一部分に設けている。
【0016】このように、この発明の立体画像表示方法
によれば、各フレーム期間のうちの一部分の期間だけ同
時に非視認状態とする。その結果、残光の一部分を非視
認状態とすることができる。その結果、視認される残光
量を抑制することができる。このため、残像によるちら
つきを抑制することができる。
【0017】なお、非視認状態とすることにより、残光
とともに、そのフレーム期間中の画像の一部分も非視認
となる。しかし、非視認期間を設けたことによる画面の
輝度の低下は実用上問題とならない。
【0018】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、左眼用画像と右眼用画像とを互いに方
向の異なる偏光軸を有する偏光にそれぞれ変換した後、
偏光軸方向に基づいて選択的に視認させると良い。この
ように偏光を用いることにより、左眼用画像と右眼用画
像とを偏光に基づいて容易に選択して、左眼または右眼
にそれぞれ視認させることができる。
【0019】また、この発明の立体画像表示方法におい
て、好ましくは、非視認状態とするにあたり、左眼用画
像および右眼用画像を、遮光すると良い。このように遮
光によって非視認状態とすることができる。
【0020】また、この発明のの立体画像表示方法にお
いて、好ましくは、非視認状態とするにあたり、左眼用
画像および右眼用画像の光を散乱させると良い。このよ
うに、散乱によっても、実質的に非視認状態とすること
ができる。
【0021】また、この発明の立体画像表示方法におい
て、好ましくは、非視認期間を、前記フレーム期間の開
始直後の期間を含まない期間とすると良い。フレーム期
間中の発光輝度は、通常、フレーム期間の開始時点でも
っと高い。したがって、フレーム期間の開始直後の期間
を非視認の期間から除外することにより、非視認期間を
設けたことによる画面の輝度の低下の抑制を図ることが
できる。
【0022】また、この発明の立体画像表示方法におい
て、好ましくは、非視認期間を、フレーム期間の後半の
一部分を含む期間とすると良い。フレーム期間中の発光
輝度は、通常、フレーム期間の前半で高く、後半で低い
い。したがって、フレーム期間の後半の一部分の期間を
非視認期間に含めることにより、非視認期間を設けたこ
とによる画面の輝度の低下の抑制を図ることができる。
【0023】また、この発明の立体画像表示方法におい
て、好ましくは、非視認期間を、互いに不連続の複数の
期間とすると良い。例えば、非視認期間を一定周期で断
続的に設けることもできる。
【0024】また、この発明の立体画像表示方法におい
て、好ましくは、各フレーム期間における非視認期間の
長さを、互いに等しくすると良い。各フレーム期間にお
ける非視認期間の長さを一定とすることにより、各フレ
ーム期間どうしの間での輝度の低下の割合および残光の
均等化を図ることができる。その結果、ちらつきの一層
の抑制を図ることができる。
【0025】(立体画像表示装置)また、この発明の立
体画像表示装置によれば、互いに視差が与えられた左眼
用画像および右眼用画像を時分割によりフレーム期間ご
とに交互に表示する画像表示装置と、左眼用画像および
右眼用画像を、時分割に同期して、互いに方向の異なる
偏光軸を有する偏光に交互に変換する偏光切替機構と左
眼用画像をその偏光軸の方向に基づいて選択的に透過す
る左眼用フィルタ、および、右眼用画像をその偏光軸の
方向に基づいて選択的に透過する右眼用フィルタにより
構成された偏光眼鏡機構とを備えた立体画像表示装置に
おいて、画像表示装置と偏光眼鏡との間に設けられ、左
眼用画像および右眼用画像を、各フレーム期間のうちの
非視認期間同時に非透過状態とするシャッター機構を設
けた構成としてある。
【0026】このように、この発明の立体画像表示装置
によれば、各フレーム期間のうちの非視認期間同時に非
透過状態とするシャッター機構を備えている。このた
め、非透過状態のときには、左眼用および右眼用画像の
いずれも非視認状態となる。このため、残光の一部分を
非視認状態とすることができる。その結果、視認される
残光量を抑制することができる。このため、残像による
ちらつきを抑制することができる。
【0027】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、偏光切替機構は、左眼用画像および右
眼用画像を互いに異なる方向の偏光軸を有する直線偏光
または楕円偏光にそれぞれ変換すると良い。
【0028】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、偏光切替機構を、画像表示装置側から
順次に設けられた、第1の方向に沿った偏光軸を有する
偏光フィルタと、切替用液晶セルとにより構成すると良
い。
【0029】このように構成すれば、切替用液晶セルの
偏光軸の方向が、偏光フィルタの偏光軸の方向と一致し
た場合には、その偏光軸と同じ方向の直線偏光が透過す
る。また、切替用液晶セルの偏光軸の方向が、偏光フィ
ルタの偏光軸の方向と不一致の場合には、偏光フィルタ
の偏光軸と異なる方向の偏光軸を長軸とする楕円偏光が
透過する。
【0030】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、偏光眼鏡機構を、互いに直交する偏光
軸を有する左眼用偏光フィルタと前記右眼用偏光フィル
タとにより構成すると良い。このように構成すれば、偏
光軸の方向に基づいて、左眼用および右眼用画像を選択
的に透過することができる。
【0031】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、シャッター機構を、表示装置側から順
次に設けられた、第1偏光フィルタと、シャッター用液
晶セルと、第2偏光フィルタとにより構成すると良い。
【0032】このような構成とすれば、シャッター機構
は、第1偏光フィルタおよびシャッター用液晶セルを順
次に透過した偏光の偏光軸の方向と、第2偏光フィルタ
の偏光軸の方向とが一致した場合に、画像を透過する。
一方、不一致の場合には、シャッター機構は、画像を遮
光する。
【0033】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、シャッター機構を、画像表示装置側か
ら順次に設けられた、偏光フィルタと、二色性色素を含
有したゲストホスト型のシャッター用液晶セルとにより
構成すると良い。
【0034】二色性色素は、色素の配向方向と平行な偏
光軸を有する光を吸収する。したがって、偏光フィルタ
の偏光軸の方向と、二色性色素の配向方向とが一致した
場合に、画像は遮光される。一方、不一致の場合には、
シャッター機構は、画像を透過する。
【0035】また、この発明の立体画像表示装置におい
て、好ましくは、シャッター機構を、画像表示装置側か
ら順次に設けられた、偏光フィルタと、高分子分散型の
シャッター用液晶セルとにより構成すると良い。
【0036】このように構成すれば、このシャッター機
構は、偏光フィルタの偏光軸の方向に対し、高分子分散
型のシャッター用液晶セルの高分子の屈折率と、液晶分
子の屈折率とが一致した場合に、光を透過する。一方、
不一致の場合には、このシャッター用液晶セルが光を散
乱する。その結果、画像は非透過状態となる。
【0037】また、この発明の実施にあたり、シャッタ
ー用液晶セルを、強誘電性液晶セル、反強誘電性液晶セ
ル、または、電界誘起チルトを示すカイラルスメクティ
ックA液晶セルとすると良い。これらの液晶セルの配向
方向の、印加電圧の変化や極性反転に対する応答速度
は、いずれも、ネマチック液晶セルの応答速度よりも速
い。このため、これらの液晶セルを用いれば、フレーム
期間よりも短い非視認期間にもスムースに応答するの
で、動画表示にも容易に対応することができる。
【0038】また、この発明の実施にあたり、偏光切替
機構およびシャッター機構は互いに積層され、かつ、可
撓性を有すると良い。このように、可撓性を持たせれ
ば、例えば、CRTの湾曲した表面に、偏光切替機構お
よびシャッター機構を密着させて設置させることができ
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。なお、参照する図面
は、この発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、
形状および配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。
したがって、この発明は図示例にのみ限定されるもので
はない。
【0040】[1.立体画像表示方法の実施の形態]こ
の実施の形態では、図1を参照して、この発明の立体画
像表示方法の一例について説明する。図1の上段には、
互いに視差が与えられた左眼用画像と右眼用画像とを時
分割によりフレーム期間ごとに交互に表示する様子を、
CRT輝度の時間変化として示す。また、中段には、左
眼に入射する透過光量の時間変化を示す。また、下段に
は、右眼に入射する透過光量の時間変化を示す。
【0041】図1の上段では、左眼用画像の一つの画素
の輝度をCRT輝度として、曲線Iで示し、右眼用画像
の一つの画素の輝度をCRT輝度として、破線IIで示
す。そして、曲線Iで示すように、左眼用画像は、第1
および第3フレームをはじめとする奇数番目のフレーム
期間の開始時点で発光する。一方、破線IIで示すよう
に、右眼用画像は、第2および第4フレームをはじめと
する偶数番目のフレーム期間の開始時点で発光してい
る。
【0042】そして、左眼および右眼用画像いずれにお
いても残光量が0となる前に次の発光がおきている。す
なわち、左眼用画像のフレーム期間においては、その直
前のフレーム期間での右眼用画像の残像が残っており、
右眼用画像のフレーム期間においては、その直前のフレ
ーム期間での左眼用画像の残像が残っている。
【0043】また、図1の中段に曲線IVで示すように、
左眼の透過光量は、奇数番目のフレーム期間で高くなっ
ており、偶数番目のフレーム期間で低くなっている。す
なわち、奇数番目のフレーム期間でのみ、左眼に画像が
視認される。
【0044】また、図1の下段の曲線Vで示すように、
右眼の透過光量は、偶数番目のフレーム期間で高くなっ
ており、偶数番目のフレーム期間で低くなっている。す
なわち、偶数番目のフレーム期間でのみ、右眼に画像が
視認される。なお、高いときの透過光量Hと低いときの
透過光量Lとのコントラスト比は、例えば100:1で
ある。
【0045】(1.1 残光が無い場合)ここで、下記
の表1に、残光量が無い場合の、左右の眼で視認される
理想的な透過光量比の例を示す。なお、表1では、黒い
画面中に白く発光する左眼用画像の「円1」中の一つの
「画素1」の輝度と、右眼用画像の「円2」中の一つの
「画素2」の輝度とを比較する。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表1の上段に示すように、時間0〜
tの第1フレーム期間においては、理想的には、左眼用
画像の「円1」のみが白く発光して見え、一方、右眼用
画像の「円2」は、完全に黒く、全く発光していない状
態となる。そして、この第1フレーム期間における左右
眼でそれぞれ視認される「画素1」の透過光量比は、
「左眼/右眼=100/1」となる。残光が無い理想的
な場合の透過光量比の値(100/1)は、偏光切替機
構のコントラスト比(100/1)によって決まるもの
とする。一方、「画素2」の透過光量比は、「左眼/右
眼=0/0」となる。
【0048】また、上記の表1の下段に示すように、時
間t〜2tの第2フレーム期間においては、右眼用画像
の「円2」のみが白く発光して見え、一方、左眼用画像
の「円1」は、完全に黒く、全く発光していない状態と
なる。そして、この第2フレーム期間における左右眼で
それぞれ視認される「画素2」の透過光量比は、「左眼
/右眼=100/1」となる。一方、「画素1」の透過
光量比は、「左眼/右眼=0/0」となる。したがっ
て、左眼で観察した「画素1」と「画素2」とのコント
ラスト比は、「100/1」となる。同様に、右眼で観
察したコントラスト比は「1/100」となる。
【0049】(1.2 残光がある場合)ところが、実
際にはCRTには残光がある。このため、実際には、下
記の表2に示すように、左右眼の透過光量のコントラス
ト比は低くなる。
【0050】
【表2】
【0051】(1.2.1 0〜tの期間について)上
記の表2の上段に示すように、時間0〜tの第1フレー
ム期間においては、左眼用画像の「円1」が白く発光し
て見え、一方、実際には、右眼用画像の「円2」も、残
光があるために完全には黒くなっていない状態となる。
このため、この第1フレーム期間における左右眼でそれ
ぞれ視認される「画素2」の透過光量比は、残光量を4
%とすると、「左眼/右眼=4/0.04」となる。一
方、「画素1」の透過光量比は、「左眼/右眼=100
/1」のままである。
【0052】この場合、第1フレーム期間中に左眼で視
認される「画素1」の透過光量と「画素2」の透過光量
とのコントラスト比は、「画素1/画素2=100/4
=25」となる。したがって、「画素1/画素2」のコ
ントラストの値が、理想的な場合よりも低下している。
このため、画素1のみが視認されるべきところ、画素2
の残像まで視認されてしまう。その結果、画像が二重に
見えたり、ちらついて見えてしまうことになる。
【0053】(1.2.2 t〜2tmsの期間につい
て)また、上記の表1の下段に示すように、時間t〜2
tの第2フレーム期間においては、右眼用画像の「円
2」が白く発光して見え、一方、左眼用画像の「円1」
も、残光があるために完全に黒くなっていない状態とな
る。このため、この第2フレーム期間における左右眼で
それぞれ視認される「画素1」の透過光量の比は、残光
量を4%とすると、「左眼/右眼=4/0.04」とな
る。一方、「画素2」の透過光量の比は、「左眼/右眼
=1/100」のままである。
【0054】この場合も、第1フレーム期間中と同様
に、第2フレーム期間中に右眼で視認される「画素1」
の透過光量と「画素2」の透過光量とのコントラスト比
は、「画素1/画素2=4/100」と低下する
【0055】そこで、残光によるコントラスト比の低下
を抑制するために、左眼用画像および右眼用画像を、各
フレーム期間のうちの非視認期間同時に非視認状態とす
る。この実施の形態では、各フレーム期間のうちの後半
の期間、すなわち、フレーム期間の途中から終了時点ま
での一定時間Tの間を非視認状態とする。
【0056】図1の中段および下段において、この非視
認状態の期間Tを斜線を付して示す。図1に示すよう
に、時間「0〜t」の第1フレーム期間のうちの「(t
−T)〜t」の期間を非視認期間とする。また、時間
「t〜2t」の第2フレーム期間のうちの「(2t−
T)〜2t」の期間を非視認期間とする。また、時間
「2t〜3t」の第3フレーム期間のうちの「(3t−
T)〜3t」の期間を非視認期間とする。第4フレーム
期間以降も同様に、一定期間Tを非視認状態とする。
【0057】(1.3 コントラスト比の向上につい
て)次に、非視認状態とするとコントラスト比が向上す
る理由について説明する。ここでは、時間「t〜2t」
の第2フレーム期間に注目して説明する。破線IIに示す
ように、右眼用の画像の輝度は、第2フレーム期間の開
始直後にもっとも高く、以後、急激に減少している。
【0058】ところで、視認される透過光量は、輝度の
積分値に相当する。したがって、第2フレーム期間にお
ける曲線IIによる透過光量の大部分は、第2フレームの
前半に集中している。そして、第2フレームの後半は、
透過光量への寄与が極めて少ない。
【0059】これに対して、図1の上段の曲線Iで示す
ように、直前の第1フレームで発光した左眼用の画像の
残光の輝度は、第2フレーム期間を通じてほとんど変化
していない。このため、例えば、第2フレーム期間の後
半を非視認期間とすると、左眼用の画像の残光の透過光
量が半分になる。これに対して、後半を非視認期間とし
ても右眼用の画像の透過光量は、ほとんど変化しない。
【0060】したがって、フレーム期間の非視認期間を
非視認状態とすることにより、透過光量のコントラスト
比を向上させることができる。その結果、残像によるち
らつきを抑制できる。
【0061】
【実施例】次に、第1の実施の形態のより具体的な一例
を実施例として説明する。この実施例では、時分割の周
期を133Hzとして、一つのフレーム期間の長さをt=
7.5msとする。そして、曲線Iの第1および第2フ
レーム期間にまたがった0〜15msの間の残光量の積
分値を100%とする。
【0062】曲線Iに示すように、左目用の画像の輝度
は、第1フレーム期間の開始時点でのピークから急激に
減少する。このため、第1フレーム期間の0〜7.5m
sの間の残光量の積分値だけで95%となる。さらに、
第1フレーム期間のうちの前半の0〜3.5msの期間
の残光量の積分値だけでも90%となる。また、第1フ
レーム期間のうちの後半の3.5〜7.5msの期間の
残光量の積分値は、5%と見積もられる。
【0063】一方、第2フレーム期間の7.5〜15m
sの間の残光量の積分値は、5%となる。さらに、第2
フレーム期間のうちの後半の11〜15msの期間の残
光量の積分値は、2.4%と見積もることができる。し
たがって、第2フレーム期間のうちの前半の7.5〜1
1msの期間の残光量の積分値は、2.6(5−2.
4)%と見積もることができる。
【0064】ここで、下記の表3に、この場合の左右眼
で視認される透過光量比の具体例を示す。なお、表3に
おいては、一つのフレーム期間をさらに二つの期間に分
けて示している。
【0065】
【表3】
【0066】(1.4.1 0〜3.5msの期間につ
いて)上記の表3の1段目に示すように、第1フレーム
期間の前半の0〜3.5msの期間においては、左眼用
画像の「円1」が白く発光して見え、一方、右眼用画像
の「円2」も、残光があるために完全には黒くなってい
ない状態となる。なお、図1の破線IIは、第1フレーム
の直前の第0フレーム期間に発光した右眼用の画像の残
像を示す部分の図示を省略している。また、第1フレー
ム期間では、左眼への透過光量と右眼への透過光量との
コントラスト比を100/1とする。
【0067】0〜3.5msの期間において、左眼で視
認される「円1」中の「画素1」の透過光量は、上述し
たように「90%」であり、右眼で視認される「画素
1」の」透過光量は、その1/100の「0.9%」で
ある。したがって、左右眼でそれぞれ視認される透過光
量比は、「左眼/右眼=90/0.9」となる。
【0068】一方、この0〜3.5msの期間におい
て、左眼で視認される残像「円2」中の「画素2」の透
過光量は、上述の7.5〜11msの期間における透過
光量と同じく「2.6%」であり、右眼で視認される透
過光量は、その1/100の「0.026%」である。
したがって、左右眼でそれぞれ視認される透過光量比
は、「左眼/右眼=2.6/0.026」となる。
【0069】(1.4.2 3.5〜7.5msの期間
について)また、上記の表3の2段目に示すように、第
1フレーム期間の後半の3.5〜7.5msの期間(図
1中の期間Tに相当する。)においては、左眼用画像の
「円1」の輝度は既に低下して残光がとなっており、一
方、右眼用画像の「円2」も、引き続き残光があるため
に完全には黒くなっていない状態となる。
【0070】そして、この3.5〜7.5msの期間に
おいて、左眼で視認される「円1」中の「画素1」透過
光量は、上述したように、「5%」であり、右眼で視認
される「画素1」の透過光量は、その1/100の
「0.05%」である。したがって、左右眼でそれぞれ
視認される「画素1」の透過光量比は、「左眼/右眼=
5/0.05」となる。なお、この3.5〜7.5ms
の期間を非視認状態とした場合には、「画素1」の透過
光量比は、「左眼/右眼=0/0」となる。
【0071】また、3.5〜7.5msの期間におい
て、左眼で視認される「円2」中の「画素2」の透過光
量は、上述の11〜15msの期間における透過光量と
同じく「2.4%」であり、右眼で視認される「画素
2」の透過光量は、その1/100の「0.024%」
である。したがって、左右眼でそれぞれ視認される「画
素2」の透過光量比は、「左眼/右眼=2.4/0.0
24」となる。なお、この3.5〜7.5msの期間を
非視認状態とした場合には、「画素2」の透過光量比も
「左眼/右眼=0/0」となる。
【0072】(1.4.3 7.5〜11msの期間に
ついて)また、上記の表3の3段目に示すように、第2
フレーム期間の前半の7.5〜11msの期間において
は、右眼用画像の「円2」が白く発光して見え、一方、
左眼用画像の「円1」も、残光があるために完全には黒
くなっていない状態となる。そして、第2フレーム期間
では、左眼への透過光量と右眼への透過光量とのコント
ラスト比を切替えて1/100とする。
【0073】そして、この7.5〜11msの期間にお
いて、右眼で視認される「円2」中の「画素2」の透過
光量は、上述したように、「90%」であり、左眼で視
認される「画素2」の透過光量は、その1/100の
「0.9%」である。したがって、左右眼でそれぞれ視
認される透過光量比は、「左眼/右眼=0.9/90」
となる。
【0074】また、7.5〜11msの期間において、
右眼で視認される「円1」中の「画素1」透過光量は、
上述したように、「2.6%」であり、左眼で視認され
る透過光量は、その1/100の「0.026%」であ
る。したがって、左右眼でそれぞれ視認される透過光量
比は、「左眼/右眼=0.026/2.6」となる。
【0075】(1.4.4 11〜15msの期間につ
いて)また、上記の表3の4段目に示すように、第2フ
レーム期間の後半の11〜15msの期間(図1中の期
間Tに相当する。)においては、右眼用画像の「円2」
の輝度は既に低下して残光がとなっており、一方、左眼
用画像の「円1」も、引き続き残光があるために完全に
は黒くなっていない状態となる。
【0076】そして、この11〜15msの期間におい
て、右眼で視認される「円2」中の「画素2」の透過光
量は、上述したように、「5%」であり、左眼で視認さ
れる「画素2」の透過光量は、その1/100の「0.
05%」である。したがって、左右眼でそれぞれ視認さ
れる「画素2」透過光量比は、「左眼/右眼=0.05
/5」となる。なお、この11〜15msの期間を非視
認状態とした場合には、「画素2」の透過光量比は、
「左眼/右眼=0/0」となる。
【0077】また、11〜15msの期間において、右
眼で視認される「円1」中の「画素1」透過光量は、上
述したように、「2.4%」であり、左眼で視認される
透過光量は、その1/100の「0.024%」であ
る。したがって、左右眼でそれぞれ視認される「画素
1」の透過光量比は、「左眼/右眼=0.024/2.
4」となる。なお、この11〜15msの期間を非視認
状態とした場合には、「画素1」の透過光量比も「左眼
/右眼=0/0」となる。
【0078】(1.4.5 非視認状態の効果につい
て)そして、非視認状態としない場合、第1フレーム期
間中に左眼で視認される「画素1」の透過光量と「画素
2」の残光の透過光量比は、「画素1/画素2=(90
+5)/(2.6+2.4)=19」となる。また、非
視認状態としない場合の、第2フレーム期間中に右眼で
視認される「画素2」の透過光量と「画素1」の残光の
透過光量比も、「画素2/画素1=95/5=19」と
なる。
【0079】これに対して、第1フレーム期間のうちの
後半の3.5〜7.5msの期間を非視認状態としたと
きの左眼で視認されるコントラスト比は、「画素1/画
素2=90/2.6≒35」と「19」よりも向上す
る。また、第2フレーム期間のうちの後半の11〜15
msの期間を非視認状態としたときの右眼で視認される
コントラスト比も、「画素2/画素1=90/2.6≒
35」と向上する。
【0080】このように、各フレーム期間の非視認期間
を非視認状態とすることによって、視認されるべき画像
と残像のコントラスト比を大きくすることができる。こ
のため、残光に起因する二重写りを抑制して画像のちら
つきを抑制することができる。
【0081】[2.立体画像表示装置の実施の形態] <2.1 第1の実施の形態>次に、図3を参照して、
この発明の立体画像表示装置の一例について説明する。
図3は、立体画像表示装置の第1の実施の形態の構成を
説明するための斜視図である。
【0082】図3に示すように、第1の実施の形態の立
体画像表示装置は、画像表示装置10、シャッター機構
34、偏光切替機構18および偏光眼鏡機構12を順次
に設けている。
【0083】(画像表示装置)この画像表示装置10
を、ここではCRT10とする。このCRT10では、
互いに視差が与えられた左眼用画像および右眼用画像を
時分割によりフレーム期間ごとに交互に表示する。
【0084】(偏光切替機構)また、偏光切替機構18
は、CRT10側から順次に設けられた、偏光フィルタ
14と、切替用液晶セル16とにより構成されている。
また、この偏光フィルタ14は、第1の方向に沿った偏
光軸22を有する。ここでは、第1の方向を図3中の垂
直方向とする。なお、図3においては、偏光フィルタ1
4と切替用液晶セル16とを便宜的に離間させて示して
いるが、互いに密着させることが好ましい。
【0085】そして、この偏光切替機構18は、左眼用
画像および右眼用画像を、時分割に同期して、互いに方
向の異なる偏光軸を有する偏光に交互に変換する。例え
ば、奇数番目のフレーム期間では、切替用液晶セル16
の偏光軸の方向を、偏光フィルタ14の偏光軸22の方
向と一致させて、その偏光軸22と同じ方向の直線偏光
20を透過させる。
【0086】また、例えば、偶数番目のフレーム期間で
は、切替用液晶セル16の偏光軸の方向を、偏光フィル
タ14の偏光軸22の方向と不一致として、偏光フィル
タ14の偏光軸22と異なる方向の偏光軸を長軸とする
楕円偏光を透過させる。例えば、この長軸の向きを第1
の方向と直交する第2の方向とすると良い。この第2の
方向は、図3中の水平方向となる。このようにして偏光
切替機構18は、左眼用画像および右眼用画像を互いに
異なる方向の偏光軸を有する直線偏光または楕円偏光に
それぞれ変換する。
【0087】(偏光眼鏡機構)また、この偏光眼鏡機構
12は、左眼用フィルタ12Lと右眼用フィルタ12R
とにより構成されている。そして、この左眼用フィルタ
12Lは、第1の方向の偏光軸24を有している。この
ため、左眼用フィルタ12Lは、第1の方向の偏光軸を
有する左眼用画像をその偏光軸の方向に基づいて選択的
に透過する。また、右眼用フィルタ12Rは、例えば第
2の方向の偏光軸26を有している。このため、右眼用
フィルタ12Rは、例えば第2の方向の偏光軸を有する
右眼用画像をその偏光軸の方向に基づいて選択的に透過
する。
【0088】なお、この偏光眼鏡機構12の構成は、通
常の偏光眼鏡に限定されるものではなく、例えば、ゴー
グルやヘルメットに組み込んでも良く、また、例えば据
え置き型の覗き窓としても良い。
【0089】また、偏光切替機構18によって、左眼用
画像および右眼用画像の一方を直線偏向に変換し、他方
を楕円偏光に変換した場合には、偏光眼鏡機構12を、
次のような構成としても良い。すなわち、左眼用および
右眼用偏光フィルタの偏光軸を、いずれも直線偏光の偏
光軸と直交する方向に設定しておき、左眼用または右眼
用の偏光フィルタの直前に、楕円偏光を補償するための
位相差板を設けても良い。
【0090】このように構成すれば、左眼用および右眼
用画像の一方が直線偏向であるのに対して他方が楕円偏
光であるために生ずる、左右の眼で視認される表示コン
トラストの差を改善することができる。
【0091】(シャッター機構)また、シャッター機構
40は、表示装置側から順次に設けられた、第1偏光フ
ィルタ30と、シャッター用液晶セル32と、第2偏光
フィルタ14とにより構成されている。ここでは、第2
偏光フィルタが、偏光切替機構18を構成する偏光フィ
ルタ14を兼ねている。
【0092】なお、図3においては、第1偏光フィルタ
30、シャッター用液晶セル32および第2偏光フィル
タ14を便宜的に離間させて示したが、これらは互いに
密着させて設けても良い。また、シャッター機構40と
偏光切替機構18とを積層して一体構造として設けても
良い。さらに、この一体構造に可撓性を持たせれば、例
えば、CRTの湾曲した表面に、偏光切替機構18およ
びシャッター機構34を密着させて設置することができ
る。
【0093】そして、このシャッター機構40は、第1
偏光フィルタ30とシャッター用液晶セル32とを透過
した偏光の偏光軸と、第2偏光フィルタ14の偏光軸2
2とが一致した場合に、画像を透過する。一方、不一致
の場合には、画像は非透過状態となる。
【0094】さらに、第1偏光フィルタ30の偏光軸2
8の方向と、第2偏光フィルタ14の偏光軸22の方向
とは一致していることが望ましい。この場合、シャッタ
ー用液晶セル32の偏光軸の方向(セルの液晶分子の配
向方向)が、第1偏光フィルタ30の偏光軸28と一致
した場合に、第2偏光フィルタ14を透過した直線偏光
の透過量が最大となる。
【0095】なお、第1偏光フィルタ30の偏光軸28
の方向と、第2偏光フィルタ14の偏光軸22の方向と
は必ずしも一致していなくとも良い。その場合、例え
ば、第1偏光フィルタ30を透過した直線偏光の光は、
シャッター用液晶セル32によって偏光軸を回転させた
楕円偏光となって、第2偏光フィルタ14に入射する。
したがって、この楕円偏光の偏光軸が、第2偏光フィル
タ14の偏光軸22と一致すれば、光を透過させること
ができる。また、不一致の場合には、光を非透過とする
ことができる。
【0096】そして、このシャッター機構34の働きに
より、各フレーム期間の非視認期間で非透過状態、すな
わち、非視認状態とすることにより、視認されるべき画
像と残像のコントラスト比を大きくすることができる。
このため、残光に起因する二重写りを抑制して画像のち
らつきを抑制することができる。なお、非透過状態とす
るタイミングは、例えば、上述の立体画像表示方法の実
施の形態において説明したタイミングとすると良い。ま
た、非透過状態とする期間の長さは、CRTの輝度に依
存する残光量に応じて、調整することが望ましい。
【0097】また、第1偏光フィルタ30および第2偏
光フィルタ14は、いずれも、偏光軸以外の全ての可視
光領域の光を吸収するニュートラル偏光板とすることが
好ましい。また、例えば、偏光フィルタ(偏光板)を、
ヨウ素や二色性色素を含浸配向させたポリビニルアルコ
ール(PVA)膜をトリアセチルセルロース(TAC)
フィルムやポリエステルフィルムなどの透明フィルムで
支持して構成することが好ましい。
【0098】また、これらの偏光フィルタを、例えば、
偏光フィルタを、ポリスチレンテレフタレート(PE
T)フィルム中に二色性色素を分散後、一軸方向に延伸
したフィルムで構成しても良い。また、偏光フィルタ
は、可塑性を有することが好ましい。さらに、偏光フィ
ルタ30または14を液晶セル32または16に密着さ
せる場合には、液晶セルと密着する面に、アクリル系な
どの高分子からなる粘着材を数μm〜数十μmの厚さで
塗布しておくと良い。
【0099】また、シャッター用液晶セル32および切
替用液晶セル16は、いずれも、表面に透明電極膜を設
けた透明基板(図示せず)間に、液晶を挟んで構成して
ある。透明基板(透明フィルム)の材料としては、光学
的異方性が無く、透明かつ絶縁性の任意好適な公知の材
料を用いることができる。さらに、可撓性を有すること
が望ましい。このような材料としては、例えば、ポリエ
ーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PA
r)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステルなどの
プラスチック基板が挙げられる。また、透明電極膜は、
例えば、ITOや酸化錫をスパッタリング法やイオンビ
ーム蒸着法などの公知の方法により製膜することができ
る。
【0100】また、この液晶の材料は、電圧の極性や大
きさを変えた場合の複数の動作モードにおいて、分子を
配向させた場合に、入射光に対して位相差を与えて、そ
の偏光状態を変えるものであれば、任意好適な公知の材
料を用いることができる。また、液晶セルの材料は、電
圧の極性や大きさの変化に対する応答特性の速いものが
望ましい。このような液晶セルとしては、例えば、πセ
ル、強誘電性液晶セル、反強誘電性液晶セル、または、
電界誘起チルトを示すカイラルスメクティックA液晶セ
ルが挙げられる。
【0101】また、強誘電液晶を用いる場合には、液晶
膜の厚さを、その螺旋ピッチ以下の大きさに設定すると
良い。さらに、配向膜を用いる場合には、例えば、除冷
法により分子を配向させると良い。また、配向膜を用い
ない場合には、曲げ剪断法などの公知の方法により分子
を配向させると良い。そして、これらの方法によって分
子を配向させることにより、印加電圧の極性によって変
化する二つのモードのどちらでも一軸水平配向性を有す
る液晶セルを得ることができる。
【0102】また、強誘電液晶としては、例えば、強誘
電性高分子と低分子液晶とからなる強誘電性液晶であっ
て、強誘電性液晶中の強誘電性高分子液晶の割合が、1
0〜99wt%の範囲内であることが好ましい。また、
より好ましくは、10〜70wt%の範囲内である強誘
電性液晶が、液晶部の機械的強度を向上させる点から好
適である。また、液晶中には、膜厚を一定に保つための
スペーサ材料を添加していても良い。スペーサ材料とし
ては、シリカやプラスチックなどの任意好適な公知の材
料を用いることが好ましい。
【0103】このように、この発明の立体画像表示装置
によれば、各フレーム期間のうちの非視認期間同時に非
透過状態とするシャッター機構を備えている。このた
め、非透過状態のときには、左眼用および右眼用画像の
いずれも非視認状態となる。このため、残光の一部分を
非視認状態とすることができる。その結果、視認される
残光量を抑制することができる。このため、残像による
ちらつきを抑制することができる。
【0104】<2.2 第2の実施の形態>次に、図4
を参照して、この発明の立体画像表示装置の一例につい
て説明する。図4は、立体画像表示装置の第2の実施の
形態の構成を説明するための斜視図である。なお、第2
の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成成分
については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。
【0105】図4に示すように、第2の実施の 形態の
立体画像表示装置は、画像表示装置10、シャッター機
構38、偏光切替機構16および偏光眼鏡機構16を順
次に設けている。なお、画像表示装置10および偏光眼
鏡機構16の構成は、第1の実施の形態における構成と
同一であるので詳細な説明を省略する。
【0106】第2の実施の形態においては、シャッター
機構38は、CRT10側から順次に設けられた、第1
偏光フィルタ30と、二色性色素を含有したゲストホス
ト型のシャッター用液晶セル(ゲストホスト型液晶セ
ル)36とにより構成されている。
【0107】なお、図3においては、第1偏光フィルタ
30、ゲストホスト型液晶セル36および切替用液晶セ
ル16を互いに、離間させて示したが、これらは互いに
密着させて一体構造としても設けても良い。
【0108】そして、このシャッター機構38は、第1
偏光フィルタ28の偏光軸の方向と、ゲストホスト型液
晶セル36の二色性色素の配向方向とが一致した場合
に、画像が非透過状態となる。一方、不一致の場合に
は、シャッター機構40は、画像を透過する。また、透
過時には、第1偏光フィルタ30の偏光軸と、ゲストホ
スト型液晶セルの透過軸とが一致することが望ましい。
偏光軸と透過軸とが一致すれば、透過量が最大となる。
【0109】また、ゲストホスト型液晶セル36に含ま
れる二色性色素は、色素の配向方向と平行な偏光軸を有
する光を吸収する。そして、この二色性色素の色相は、
黒色に近いことが望ましい。また、二色性色素の添加量
は、ホスト液晶の動作特性を損なわない程度であること
が望ましく、例えば、0.1〜20wt%の範囲内の値
であることが望ましい。
【0110】また、第2の実施の形態においては、偏光
切替機構としての切替用液晶セル16は、実質的に第1
偏光フィルタ28とともに、第1の実施の形態における
偏光切替機構18と同等の働きをする。
【0111】そして、第2の実施の形態においても、こ
のシャッター機構38の働きにより、各フレーム期間の
非視認期間で非透過状態、すなわち、非視認状態とする
ことにより、視認されるべき画像と残像のコントラスト
比を大きくすることができる。このため、残光に起因す
る二重写りを抑制して画像のちらつきを抑制することが
できる。
【0112】<2.3 第3の実施の形態>次に、図5
を参照して、この発明の立体画像表示装置の一例につい
て説明する。図5は、立体画像表示装置の第3の実施の
形態の構成を説明するための斜視図である。なお、第3
の実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成成分
については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省
略する。
【0113】図5に示すように、第3の実施の形態の立
体画像表示装置は、画像表示装置10、シャッター機構
40、偏光切替機構16および偏光眼鏡機構16を順次
に設けている。なお、第3の実施の形態の構成は、ゲス
トホスト型液晶セル36の代わりに高分子分散型のシャ
ッター用液晶セル(高分子分散型液晶セル)42を設け
た点を除いては、第2の実施の形態の構成と同一であ
る。
【0114】第3の実施の形態においては、シャッター
機構40は、CRT10側から順次に設けられた、第1
偏光フィルタ30と、高分子分散型液晶セル42とによ
り構成されている。なお、図3においては、第1偏光フ
ィルタ30、高分子液晶セル42および切替用液晶セル
16を互いに、離間させて示したが、これらは互いに密
着させて一体構造としても設けても良い。
【0115】そして、このシャッター機構40は、第1
偏光フィルタ30の偏光軸28の方向に対し、高分子分
散型液晶セル42の高分子の屈折率と、液晶分子の屈折
率とが一致した場合に、光を透過する。一方、不一致の
場合には、高分子分散型液晶セル42が光を散乱する。
その結果、画像は非透過状態となる。
【0116】そして、第3の実施の形態においても、こ
のシャッター機構40の働きにより、各フレーム期間の
非視認期間で非透過状態、すなわち、非視認状態とする
ことにより、視認されるべき画像と残像のコントラスト
比を大きくすることができる。このため、残光に起因す
る二重写りを抑制して画像のちらつきを抑制することが
できる。
【0117】
【実施例】次に、この発明の立体表示装置の第1〜第3
の実施の形態のより具体的な例として実施例について説
明する。下記の表4に、実施例の立体画像表示装置にお
ける切替用液晶セルおよびシャッター用液晶セルの構成
の一覧を示す。
【0118】
【表4】
【0119】なお、表4中の註1)の示す強誘電性液晶
組成物は、強誘電性高分子液晶A(出光興産製)、低分
子液晶液晶B(出光興産製)、低分子液晶C(みどり化
学製)および低分子液晶D(みどり化学製)を5:3:
1:1の割合で混合したものである。なお、上記の液晶
A〜Dの化学式を下記に示す。
【0120】
【化1】
【0121】また、表4中の註2)の示す黒色二色性色
素は、日本感光色素製のNKX−1033(商品名)を、
上記の強誘電性液晶組成物に対して、5wt%だけ添加
して調製したものである。また、表4中の註3)の示す
紫外線硬化型接着剤は、昭和高分子製のSP1509
(商品名)に重合開始剤のイルガキュア369(商品
名)を2wt%添加した接着剤物を、上記の強誘電性液
晶組成物に対して、20wt%添加して調製したもので
ある。
【0122】(実施例1)実施例1は、上述した第1の
実施の形態の具体例について説明する。実施例1では、
切替用液晶セル16(表4中の液晶セル2)およびシャ
ッター用液晶セル32(表4中の液晶セル1)を、2枚
の樹脂基板で強誘電性液晶組成物を挟持して構成してい
る。ここでは、樹脂基板として、PES基板(住友ベー
クライト製FST)を用いる。また、このPES基板の
表面には、ITO電極が形成されている。以下、ITO
電極が形成されたPES基板を「ITO/PES基板」
と表記する。
【0123】また、これらの液晶セルの製造にあって
は、先ず、強誘電性液晶組成物をメチルエチルケトンに
溶解して30wt%溶液を用意する。次に、縦300m
m×横400mmの寸法のITO/PES基板を2枚用
意する。そして、そのうちの一枚のITO/PES基板
のITO電極を形成した側の面上に、バーコータにより
この溶液を塗布する。続いて、溶液が乾燥した後、もう
一枚のITO/PES基板をラミネータにより貼付す
る。
【0124】次に、二枚のITO/PES基板のITO
電極間に、40Vの直流電圧を印加した状態で、ITO
/PES基板の横辺に対して23°傾いた方向に沿って
撓み変形を与える。この変形により、液晶が配向する。
このようにして、厚さ2.0μmの液晶セルを製造す
る。
【0125】この液晶セルは、印加電圧の極性を反転さ
せることにより、液晶セルの縦辺に平行な方向と、この
方向に対して46°回転した方向との間をスイッチング
する。なお、位相差計を用いてこの液晶セルのリターデ
ーションを測定したところ、235nmであった。
【0126】また、第1の実施の形態では、シャッター
機構34を構成する第1および第2偏光フィルタ30お
よび14として、それぞれ縦300mm×横400mm
の寸法のニュートラル偏光板(サンリッツ製LLC2−
9218)を用いる。そして、第1および第2偏光フィ
ルタ30および14で液晶セル32を挟持する。この
際、第1および第2偏光フィルタ30および14の偏光
軸28および22の方向を、液晶セル32の縦辺に平行
とする。
【0127】さらに、第2偏光フィルタ14に、切替用
液晶セル16を張り付ける。この際、第2偏光フィルタ
14の偏光軸と、切替用液晶セル16の縦辺とを平行と
する。その結果、偏光切替機構18からは、切替用液晶
セル16の縦辺と平行な偏光軸を有する直線偏光、およ
び、縦辺から46°回転した偏光軸を直軸方向とする楕
円偏光のいずれか一方が出射される。
【0128】また、第1の実施の形態では、偏光眼鏡機
構12の右眼用偏光フィルタ12Rを第1偏光フィルタ
30と同一の構成のニュートラル偏光板で構成する。た
だし、右眼用偏光フィルタ12Rの偏光軸の方向を、切
替用液晶セル16の横軸と平行とする。
【0129】また、左眼用偏光フィルタ12Lを、ニュ
ートラル偏光板とその直前に設けた位相差板とにより構
成する。このニュートラル偏光板の偏光軸の方向は、右
眼用偏光フィルタ12Rの偏光軸の方向と平行である。
また、位相差板のリタデーションの値を、切替用液晶セ
ル16のリタデーションの値と同じ、235nmとす
る。偏光眼鏡機構12をこのように構成することによ
り、左右両眼で対称な透過特性を達成することができ
る。
【0130】次に、シャッター機構34および偏光切替
機構16を積層して一体化したものを、21インチのパ
ソコン用カラーCRTモニター10の画面に密着させて
用いたときの視認性の評価結果について説明する。
【0131】評価にあたっては、CRT10に、黒い背
景上に、左眼用画像としての直径2cmの白い円1と、
右眼用画像としての直径2cmの白い円2とを、円の中
心間を5cm離して120Hzの周期で交互に表示させ
る。したがって、一つのフレーム期間の長さは、8.3
3msとなる。また、表示にあたっては、CRT10へ
入力される画像信号源と、偏光切替用液晶セル16とを
同期回路を介して接続した。このため、偏光切替用液晶
セル16の液晶分子の配向方向は、左右眼用画像の表示
の切替と同期して、スイッチングされる。
【0132】ここで、左眼用偏光フィルタ12Lを透過
した、円1の中心部の透過光量をIL1、左眼用偏光フィ
ルタ12Lを透過した、円2の中心部の透過光量を
L2、右眼用偏光フィルタ12Rを透過した、円1の中
心部の透過光量をIR1、右眼用偏光フィルタ12Rを透
過した、円2の中心部の透過光量をIR2、とする。
【0133】すると、左眼で視認されるコントラスト比
CRL は、下記の(1)式で与えられる。また、右眼で
視認されるコントラスト比CRR は、下記の(2)式で
与えられる。 CRL=IL1/IL2…(1) CRR=IR2/IR1…(2)
【0134】そして、偏光眼鏡機構12の透過光量を、
フォトダイオードにより電圧値(ms)として測定す
る。また、測定にあたっては、シャッター用液晶セル3
2も、同期回路に接続する。この同期回路は、シャッタ
ー用液晶セル32への印加電圧の極性反転のタイミング
を調整する機能を有する。そして、非視認状態の期間T
を0ms〜6msとしたときの右眼側の測定結果を、下
記の表5に示す。なお、表5には、後述する比較例の構
成での測定結果も示す。
【0135】
【表5】
【0136】上記の表5に示すように、実施例1におけ
る透過光(光量比:86.8%〜79.7%)は、比較
例における光量(光量比:100%)に比べて、若干減
少している。これは、シャッター機構34を新たに設け
たためである。しかし、この程度の光量の減少は、実用
上問題ない。また、比視認状態の期間Tを6msとした
場合でも、79.7%の光量が得られる。
【0137】また、上記の表5に示すように、非視認状
態の期間(遮光期間)Tを長くするほど、右眼側のコン
トラスト比CRR が向上している。例えば、T=0ms
のときにCRR =30であったのに対して、T=6ms
のときには、CRR =58と倍増している。したがっ
て、非視認状態の期間Tを設けることにより、コントラ
スト比が向上することが分かった。また、CRLについ
ても、CRRと同様の測定結果が得られた。
【0138】(実施例2)次に、実施例2として、上述
した第2の実施の形態における切替用液晶セル16(表
4中の液晶セル2)およびゲストホスト型液晶セル36
(表4中の液晶セル1)の具体例について説明する。
【0139】上記の表4に示すように、実施例2では、
ゲストホスト型液晶セル36を強誘電性液晶組成物と黒
色二色性色素との混合組成物で構成し、セルの厚さを
2.5μmとした。このゲストホスト型液晶セル36の
調整にあたっては、強誘電性液晶組成物と黒色二色性色
素とを95:5の重量比で混合する。そして、この混合
物をメチルエチルケトン溶液に溶解して、31wt%の
溶液を得る。以下は、上述の実施例1と同様にしてゲス
トホスト型液晶セル36を得る。
【0140】また、このゲストホスト型液晶セル36
の、印加電圧の極性を反転させたときの偏光軸の回転角
度は46°である。また、実施例2における切替用液晶
セル16の構成は、実施例1と同一である。
【0141】(実施例3)次に、実施例3として、上述
した第3の実施の形態における切替用液晶セル16(表
4中の液晶セル2)および高分子分散型液晶セル42
(表4中の液晶セル1)の具体例について説明する。
【0142】上記の表4に示すように、実施例3では、
高分子分散型液晶セル42を強誘電性液晶組成物と紫外
線硬化型接着剤との混合組成物で構成し、セルの厚さを
2.2μmとした。この高分子分散型液晶セル42の調
整にあたっては、強誘電性液晶組成物と紫外線硬化型接
着剤組成物とを70:30の重量比で混合する。そし
て、この混合物をメチルエチルケトン溶液に溶解して、
27wt%の溶液を得る。そして、液晶セルを形成した
後、UVランプを用いて、2000mJ/cm2の以下
は、上述の実施例1と同様にしてゲストホスト型液晶セ
ル36を得る。また、印加電圧の極性を反転させたとき
の偏光軸の回転角度は47°である。また、切替用液晶
セル16の構成は、実施例1と同一である。
【0143】(実施例4)次に、実施例4として、上述
した第1の実施の形態の他の一例について説明する。上
記の表4に示すように、実施例4では、実施例1の構成
において、切替用液晶セル16の偏光眼鏡機構12側の
面に、厚さ2mmのアクリル板(図示せず)を設けた構
成としてある。このアクリル板の表面には、反射防止層
がコーティングされている。このため、画像の視認性が
向上する。
【0144】なお、アクリル板は、光をほとんど吸収し
ない。このため、アクリル板を設けても、実質的に画面
の明るさを損なうことはない。また、アクリル板を設け
ることにより、シャッター用液晶セルの強度が向上す
る。
【0145】ここで、図6に比較例の立体画像表示装置
の構成を示す。比較例の立体画像表示装置の構成は、図
3に示した第1の実施の形態の構成において、第1偏光
フィルタ30およびシャッター用液晶セル32を除いた
ものと同じである。すなわち、シャッター機構34が除
去された構成に相当する。そして、上記の表4に示すよ
うに、比較例では、切替用液晶セル16(表4中の液晶
セル1)の構成を実施例1における切替用液晶セル16
の構成と同一とする。
【0146】上述した実施の形態においては、この発明
を特定の条件で構成した例について説明したが、この発
明は、種々の変更を行うことができる。例えば、上述し
た実施の形態においては、各フレームにおける非認識状
態の期間、すなわち非透過状態の期間と一つずつ設定し
たが、この発明では、非認識状態の期間を互いに不連続
な複数の期間としても良い。その場合、例えば、回転チ
ョッパーによりシャッター機構を構成して、回転数をフ
レーム期間に同期させると良い。
【0147】また、上述の実施の形態では、画面表示装
置としてCRTを用いた例について説明したが、この発
明では、画面表装置はCRTに限定されない。例えば、
画面表示装置として、プラズマディスプレイパネル(P
DP)、液晶ディスプレイ(LCD)またはエレクトロ
ルミネッセンス(EL)パネルを用いても良い。
【0148】
【発明の効果】以上、詳細に説明した様に、この発明の
立体画像表示方法によれば、各フレーム期間のうちの一
部分の期間だけ同時に非視認状態とする。その結果、残
光の一部分を非視認状態とすることができる。その結
果、視認される残光量を抑制することができる。このた
め、残像によるちらつきを抑制することができる。
【0149】また、この発明の立体画像表示装置によれ
ば、各フレーム期間のうちの非視認期間同時に非透過状
態とするシャッター機構を備えている。このため、非透
過状態のときには、左眼用および右眼用画像のいずれも
非視認状態となる。このため、残光の一部分を非視認状
態とすることができる。その結果、視認される残光量を
抑制することができる。このため、残像によるちらつき
を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】立体画像表示方法における非視認状態とするタ
イミングを説明するためのグラフである。
【図2】蛍光体の残光量の時間変化を示すグラフであ
る。
【図3】第1の実施の形態の立体画像表示装置の構成の
説明に供する斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の立体画像表示装置の構成の
説明に供する斜視図である。
【図5】第3の実施の形態の立体画像表示装置の構成の
説明に供する斜視図である。
【図6】比較例の立体画像表示装置の構成の説明に供す
る斜視図である。
【符号の説明】
10 画像表示装置(CRT) 12 偏光眼鏡機構 12L 左眼用偏光フィルタ 12R 右眼用偏光フィルタ 14 偏光フィルタ(第2偏光フィルタ) 16 切替用液晶セル 18 偏光切替機構 20 光軸 22、24、26、28 偏光軸 30 第1偏光フィルタ 32 シャッター用液晶セル 34 シャッター機構 36 ゲストホスト型液晶セル 38、40 シャッター用液晶セル 42 高分子分散型液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C006 BA12 BA13 EC12 EC13 FA23 FA54 5C061 AA01 AA02 AA11 AA14 AA29 AB11 AB12 AB16 AB17 AB20 5C082 AA04 AA05 AA06 BA47 CA81 CA85 MM10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左眼用画像と右眼用画像とを時分割によ
    りフレーム期間ごとに交互に表示し、前記左眼用画像を
    左眼で、前記右眼用画像を右眼でそれぞれ選択的に視認
    させる立体画像表示方法において、 前記左眼用画像および前記右眼用画像を同時に非視認状
    態とする非視認期間を、各前記フレーム期間の一部分に
    設けたことを特徴とする立体画像表示方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の立体画像表示方法にお
    いて、 前記左眼用画像と前記右眼用画像とを互いに方向の異な
    る偏光軸を有する偏光に変換した後、前記偏光軸方向に
    基づいて選択的に視認させることを特徴とする立体画像
    表示方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の立体画
    像表示方法において、 前記非視認状態とするにあたり、前記左眼用画像および
    前記右眼用画像を、遮光することを特徴とする立体画像
    表示方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の立体画
    像表示方法において、 前記非視認状態とするにあたり、前記左眼用画像および
    前記右眼用画像の光をを、散乱させることを特徴とする
    立体画像表示方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか一つの請
    求項に記載の立体画像表示方法において、 前記非視認期間を、前記フレーム期間の開始直後の期間
    を含まない期間としたことを特徴とする立体画像表示方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか一つの請
    求項に記載の立体画像表示方法において、 前記非視認期間を、前記フレーム期間の後半の一部分を
    含む期間としたことを特徴とする立体画像表示方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか一つの請
    求項に記載の立体画像表示方法において、 前記非視認期間を、互いに不連続の複数の期間としたこ
    とを特徴とする立体画像表示方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか一つの請
    求項に記載の立体画像表示方法において、 各前記フレーム期間における前記非視認期間の長さを、
    互いに等しくしたことを特徴とする立体画像表示方法。
  9. 【請求項9】 左眼用画像および右眼用画像を時分割に
    よりフレーム期間ごとに交互に表示する画像表示装置
    と、 前記左眼用画像および前記右眼用画像を、前記時分割に
    同期して、互いに方向の異なる偏光軸を有する偏光に交
    互に変換する偏光切替機構と前記左眼用画像をその偏光
    軸の方向に基づいて選択的に透過する左眼用フィルタ、
    および、前記右眼用画像をその偏光軸の方向に基づいて
    選択的に透過する右眼用フィルタにより構成された偏光
    眼鏡機構とを備えた立体画像表示装置において、 前記画像表示装置と前記偏光眼鏡との間に設けられ、前
    記左眼用画像および前記右眼用画像を、各前記フレーム
    期間のうちの非視認期間同時に非透過状態とするシャッ
    ター機構を設けたことを特徴とする立体画像表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の立体画像表示装置に
    おいて、 前記偏光切替機構は、前記左眼用画像および前記右眼用
    画像を互いに異なる方向の偏光軸を有する直線偏光また
    は楕円偏光にそれぞれ変換することを特徴とする立体画
    像表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載の立
    体画像表示装置において、 前記偏光切替機構を、前記画像表示装置側から順次に設
    けられた、前記第1の方向に沿った偏光軸を有する偏光
    フィルタと、切替用液晶セルとにより構成したことを特
    徴とする立体画像表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項9〜請求項11のいずれか一つ
    の請求項に記載の立体画像表示装置において、 前記偏光眼鏡機構を、互いに直交する偏光軸を有する左
    眼用偏光フィルタと前記右眼用偏光フィルタとにより構
    成したことを特徴とする立体画像表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項9〜請求項12のいずれか一つ
    の請求項に記載の立体画像表示装置において、 前記シャッター機構を、前記画像表示装置側から順次に
    設けられた、第1偏光フィルタと、シャッター用液晶セ
    ルと、第2偏光フィルタとにより構成したことを特徴と
    する立体画像表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項9〜請求項12のいずれか一つ
    の請求項に記載の立体画像表示装置において、 前記シャッター機構を、前記画像表示装置側から順次に
    設けられた、偏光フィルタと、二色性色素を含有したゲ
    ストホスト型のシャッター用液晶セルとにより構成した
    ことを特徴とする立体画像表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項9〜請求項12のいずれか一つ
    の請求項に記載の立体画像表示装置において、 前記シャッター機構を、前記画像表示装置側から順次に
    設けられた、偏光フィルタと、高分子分散型のシャッタ
    ー用液晶セルとにより構成したことを特徴とする立体画
    像表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項13〜請求項15のいずれか一
    つの請求項に記載の立体画像表示装置において、 前記シャッター用液晶セルを、強誘電性液晶セル、反強
    誘電性液晶セル、または、電界誘起チルトを示すカイラ
    ルスメクティックA液晶セルとしたことを特徴とする立
    体画像表示装置。
  17. 【請求項17】 請求項9〜請求項16のいずれか一つ
    の請求項に記載の立画像表示装置において、 前記偏光切替機構および前記シャッター機構は互いに積
    層され、かつ、可撓性を有することを特徴とする立体画
    像表示装置。
JP10167217A 1998-06-15 1998-06-15 立体画像表示方法および装置 Pending JP2000004450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10167217A JP2000004450A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 立体画像表示方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10167217A JP2000004450A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 立体画像表示方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000004450A true JP2000004450A (ja) 2000-01-07

Family

ID=15845614

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10167217A Pending JP2000004450A (ja) 1998-06-15 1998-06-15 立体画像表示方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000004450A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013027034A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Samsung Electronics Co Ltd 立体映像表示装置及びその駆動方法
KR20130140960A (ko) * 2012-05-22 2013-12-26 엘지디스플레이 주식회사 액티브 리타더 역할을 하는 패널과 이의 제조 방법 및 이를 구비한 입체 영상 구현 시스템
KR101763935B1 (ko) 2010-07-05 2017-08-02 엘지디스플레이 주식회사 입체 영상 표시장치와 그 구동 방법
KR20190040952A (ko) * 2019-04-11 2019-04-19 엘지디스플레이 주식회사 액티브 리타더 역할을 하는 패널과 이의 제조 방법 및 이를 구비한 입체 영상 구현 시스템

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101763935B1 (ko) 2010-07-05 2017-08-02 엘지디스플레이 주식회사 입체 영상 표시장치와 그 구동 방법
JP2013027034A (ja) * 2011-07-22 2013-02-04 Samsung Electronics Co Ltd 立体映像表示装置及びその駆動方法
KR20130140960A (ko) * 2012-05-22 2013-12-26 엘지디스플레이 주식회사 액티브 리타더 역할을 하는 패널과 이의 제조 방법 및 이를 구비한 입체 영상 구현 시스템
KR20190040952A (ko) * 2019-04-11 2019-04-19 엘지디스플레이 주식회사 액티브 리타더 역할을 하는 패널과 이의 제조 방법 및 이를 구비한 입체 영상 구현 시스템
KR102080488B1 (ko) * 2019-04-11 2020-02-24 엘지디스플레이 주식회사 액티브 리타더 역할을 하는 패널과 이의 제조 방법 및 이를 구비한 입체 영상 구현 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000004451A (ja) 立体画像表示方法および装置
US6252624B1 (en) Three dimensional display
US4792850A (en) Method and system employing a push-pull liquid crystal modulator
JP2000284224A (ja) 立体画像表示システム
JP4758099B2 (ja) 反射型立体ディスプレイ
TWI515495B (zh) 高速液晶偏極化調變器
WO2016152311A1 (ja) ミラーディスプレイ
CN110780477A (zh) 一种液晶显示屏、其显示方法及显示装置
KR101292466B1 (ko) 입체 화상 표시 장치
US20100277657A1 (en) Parallax barrier device, method for fabricating the same and display apparatus including a parallax barrier device
US9304322B2 (en) Phase difference element and display unit
US10845648B2 (en) Switching mirror panel and switching mirror device
US8223279B2 (en) Three-dimensional (3D) display system and method
GB2461733A (en) Stereoscopic 3D liquid crystal display
JP2003259395A (ja) 立体表示方法及び立体表示装置
TW201224597A (en) Display device
JP2000284223A (ja) 立体表示方法および立体表示装置
CN111948839A (zh) 显示装置及其驱动方法
US20120242943A1 (en) Smectic liquid crystal color display
GB2405516A (en) Multiple view display
JP5828204B2 (ja) 塗料、位相差素子、表示装置、位相差素子の製造方法
JP2015052624A (ja) 立体表示装置
JP2000004450A (ja) 立体画像表示方法および装置
JPH11234704A (ja) 立体表示装置
JPH1138361A (ja) 立体表示装置