JP2000284223A - 立体表示方法および立体表示装置 - Google Patents

立体表示方法および立体表示装置

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JP2000284223A
JP2000284223A JP11090194A JP9019499A JP2000284223A JP 2000284223 A JP2000284223 A JP 2000284223A JP 11090194 A JP11090194 A JP 11090194A JP 9019499 A JP9019499 A JP 9019499A JP 2000284223 A JP2000284223 A JP 2000284223A
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Japan
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eye image
liquid crystal
polarization state
optical switch
switch means
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English (en)
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Koyo Yuasa
公洋 湯浅
Hitoshi Kuma
均 熊
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走査型映像出力手段における残光の影響が少
ない立体表示方法および立体表示装置を提供する。 【解決手段】 左眼画像および右眼画像を時分割してフ
レーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段の
前面に、偏光板と、左眼画像および右眼画像の切り替え
と同期させて偏光状態を切り替えるための液晶光学スイ
ッチ手段とを設け、液晶光学スイッチ手段を透過した左
眼画像用透過光を左眼で、右眼画像用透過光を右眼で選
択的に視認させてなる立体表示方法において、液晶光学
スイッチ手段にV字特性を有する強誘電性液晶、電界誘
起チルトを示すカイラルスメクチックA液晶、および反
強誘電性液晶からなる群から選択される少なくとも一つ
の液晶を使用するとともに、液晶光学スイッチ手段の偏
光状態を印加電圧により少なくとも3段階に切り替え
て、左眼画像用透過光の偏光状態と右眼画像用透過光の
偏光状態との間に、左眼画像用透過光および右眼画像透
過光の光透過率よりも低い光透過率を有する中間偏光状
態を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擬似的な立体画像
を認識することができる立体表示方法および立体表示装
置に関する。さらに詳しくは、走査型映像出力手段(画
像表示装置と称する場合もある。)における残光の影響
が少ない立体表示方法および立体表示装置に関する。な
お、本発明の立体表示方法および立体表示装置は、コン
ピューターなど端末機器の表示部としてCAD、CAM
などの立体視化、インターネット情報の立体視化のほ
か、コンピューターゲームの立体視化、医療、芸術分野
での立体表示等に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、左右の眼で異なる画像をそれぞれ
視認することにより、擬似的な立体画像を視認できるこ
とが知られている。例えば、2つの画像を直接裸眼で見
て立体視する方法として、平行法や交差法が知られてい
るが、一般に観察者の訓練が必要であり、また、2つの
画像の大きさや配置位置等を自由に変えることができな
いという問題があった。また、一枚の画像領域に、左眼
画像と右眼画像とをそれぞれ異なる色で重ね書きしてお
き、観察者が左右で異なる色(例えば赤と青)を透過す
る色眼鏡を介して、左眼画像と右眼画像を左右の眼で分
離して見るアナグリフ法がある。このアナグリフ法では
画像の大きさ自体には制限がないものの、2色のカラー
フィルターを通して画像を観察するため、原画の色彩感
が劣化するという問題があった。
【0003】そこで、液晶パネル(LCD)を光シャッ
ターとして応用した立体表示方法が提案されている。こ
の立体表示方法は、走査型表示装置、例えば、CRTに
おける左眼画像および右眼画像を光シャッターで時分割
して交互に表示し、それらを左眼および右眼でそれぞれ
視認することにより、擬似的な立体画像を視認可能とし
たものである。この立体表示方法は、光シャッターの配
置位置によって、眼鏡に液晶シャッターを用いる方法
と、CRT側に液晶シャッターを配置し、観察者は偏光
眼鏡のみを装着する方法との2つの方法に大別される
が、以下のような例が知られている。
【0004】例えば、特開昭61−227498号公報
には、図17に示すように立体視用眼鏡217の左眼お
よび右眼に設けた光シャッター218a,218bを、
テレビ画面219上に表示される被写体の左眼画像およ
び右眼画像の切替えに同期させて交互に開閉させること
により、被写体Sの画像を立体的に認識可能とした立体
テレビジョンが開示されている。より具体的には、光シ
ャッター218a,218bとしてねじれネマチック型
液晶セルを使用し、所定の交流電圧を液晶セルに供給す
ることにより2段階に偏光状態を変えて、光透過率を変
化させる構成である。
【0005】また、特公平05−78017号公報に
は、図18に示すように、画像表示装置111の前方
に、偏光板112および液晶セル113を順次に配置
し、画像表示装置111の画面上に表示される被写体の
左眼画像および右眼画像の切替えに同期させて液晶セル
113を交互に開閉させることにより、被写体を立体的
に認識可能とした擬似立体表示システム110が開示さ
れている。より具体的には、画像表示装置111から液
晶セル113に透過する光の偏光方向(印加電圧の極性
反転による光軸の回転角度が70°ないし110°)を
切替えるように、表示画面のフレーム信号に同期させて
交流電圧を印加するための駆動回路114を液晶セル1
13に接続した擬似立体表示システム110である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た立体テレビジョンや擬似立体表示システムは、表示画
面上に表示される左眼画像および右眼画像の時分割の切
替えに単純に同期させて、二段階(オン/オフ)で液晶
セルを開閉するため、左眼画像および右眼画像の残光の
影響を受けやすかった。すなわち、左眼画像および右眼
画像を出射する画像表示装置、例えば、CRTに用いら
れている蛍光体は、電子線の照射により励起されて発光
するが、電子線の照射が終了したとしても、通常、残光
が10ms以上続くため、液晶セルによる左眼画像およ
び右眼画像の切替えが不十分となるという問題が見られ
た。
【0007】この点、図1を参照しながら、残光の影響
をより具体的に説明する。図1は、1フレームにおける
残光量の時間変化を示しており、横軸に時間(ms)を
採って示してあり、縦軸に残光量(初期発光量を1とし
た時の相対値)を採って示してある。図1中の曲線III
は、残光量の測定結果であるが、発光後の時間が経過す
るにつれて残光量が減少する傾向がある。この測定例で
は、発光後1ms以内には初期発光量の10%以下の値
まで低下し、発光後2ms以内には初期発光量の3%以
下の値まで低下している。しかしながら、低下した発光
量の残光は、そのまま10ms以上続き、例えば、2m
s以降の残光量の積分値は、全発光量の数%程度にも達
している。一方、画像表示装置の画像切り替えにおける
時分割の周期は、例えば133Hzであるため、1フレ
ーム期間は約7.5msとなり、残光時間よりも1フレ
ーム期間が短くなる。したがって、所定のフレームにお
ける残光は、次のフレームまで続き、先のフレームにお
ける残光の影響により、立体画像が二重やちらついて見
え、結果として、立体画像のコントラストが低下した
り、カラー色の表示色むらが大きいという問題が見られ
た。もちろん、1フレーム期間を長くすることで、先の
フレームにおける残光の影響を低減することができる
が、逆に単位時間当たりの画像表示数(画像情報量)が
減少し、立体画像の鮮明さが不足するという問題が見ら
れた。
【0008】そこで、本発明の発明者らは上記問題を鋭
意検討した結果、液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印
加電圧により切り替えて、左眼画像用透過光の偏光状態
と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画像およ
び右眼画像の透過光の透過率が同時に低下する中間偏光
状態(非視認期間あるいは非視認状態と称する場合があ
る。)を設けることにより、走査型映像出力手段の残光
の影響を可級的に減少させられることを見出したもので
ある。よって、本発明は、立体画像における二重写りや
ちらつきを防止し、立体画像のコントラストやカラー色
の再現性に優れた立体表示方法および立体表示装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、左眼画像およ
び右眼画像を時分割してフレーム期間ごとに交互に表示
する走査型映像出力手段の前面に、偏光板と、左眼画像
および右眼画像の切り替えと同期させて偏光状態を切り
替えるための液晶光学スイッチ手段とを設け、液晶光学
スイッチ手段を透過した左眼画像用透過光を左眼で、右
眼画像用透過光を右眼で選択的に視認させてなる立体表
示方法である。そして、液晶光学スイッチ手段にV字特
性を有する強誘電性液晶、電界誘起チルトを示すカイラ
ルスメクチックA液晶、および反強誘電性液晶からなる
群から選択される少なくとも一つの液晶を使用するとと
もに、液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧によ
り少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の
偏光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼
画像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低
い光透過率を有する中間偏光状態を設けることを特徴と
している。すなわち、左眼画像用透過光の偏光状態(左
眼画像表示期間)の光透過率をT1(%)とし、右眼画
像用透過光の偏光状態(右眼画像表示期間)の光透過率
をT2(%)とし、中間偏光状態(左眼画像および右眼
画像の同時非視認期間)の光透過率をT3(%)とした
ときに、T1,T2>T3の関係を満足するものであ
る。このように実施することにより、走査型映像出力手
段から出射された左眼画像および右眼画像の残光量を抑
制することができる。したがって、先のフレームにおけ
る左眼画像または右眼画像の影響を制御して、立体画像
における二重写りやちらつきを有効に防止することがで
きる。なお、液晶光学スイッチ手段にV字特性を有する
強誘電性液晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチ
ックA液晶、および反強誘電性液晶からなる群から選択
される少なくとも一つの液晶を使用することにより、液
晶の偏光状態を容易に三段階に切り替えることができ
る。したがって、走査型映像出力手段と液晶光学スイッ
チ手段との間に設けた偏光板とを併用することにより、
複屈折を利用して容易に透過光の光透過率を変更するこ
とができる。
【0010】また、本発明の別の態様は、左眼画像およ
び右眼画像を時分割してフレーム期間ごとに交互に表示
する走査型映像出力手段の前面に、左眼画像および右眼
画像の切り替えと同期させて偏光状態を切り替えるため
の液晶光学スイッチ手段を設け、液晶光学スイッチ手段
を透過した左眼画像用透過光を左眼で、右眼画像用透過
光を右眼で選択的に視認させてなる立体表示方法であ
る。そして、液晶光学スイッチ手段にゲスト・ホスト型
液晶を使用するとともに、液晶光学スイッチ手段の偏光
状態を印加電圧により少なくとも3段階に切り替えて、
左眼画像用透過光の偏光状態と右眼画像用透過光の偏光
状態との間に、左眼画像用透過光および右眼画像透過光
の光透過率よりも低い光透過率を有する中間偏光状態を
設けることを特徴としている。すなわち、左眼画像用透
過光の偏光状態(左眼画像表示期間)の光透過率をT1
(%)とし、右眼画像用透過光の偏光状態(右眼画像表
示期間)の光透過率をT2(%)とし、中間偏光状態
(左眼画像および右眼画像の同時非視認期間)の光透過
率をT3(%)としたときに、T1,T2>T3の関係
を満足するものである。このように実施することによ
り、走査型映像出力手段から出射された左眼画像および
右眼画像の残光量を抑制することができる。したがっ
て、先のフレームにおける左眼画像または右眼画像の影
響を制御して、立体画像における二重写りやちらつきを
有効に防止することができる。なお、液晶光学スイッチ
手段にゲスト・ホスト型液晶を使用することにより液晶
の偏光状態を容易に三段階に切り替えて、偏光板を併用
することなく容易に透過光の光透過率を変更することが
できる。
【0011】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、液晶光学スイッチ手段の偏光状態の切り替えに
より、中間偏光状態の光透過率を、左眼画像用透過光の
光透過率、または右眼画像用透過光の光透過率の1/1
0以下の値とするのが好ましい。すなわち、左眼画像用
透過光の偏光状態(左眼画像表示期間)の光透過率をT
1(%)とし、右眼画像用透過光の偏光状態(右眼画像
表示期間)の光透過率をT2(%)とし、中間偏光状態
(左眼画像および右眼画像の同時非視認期間)の光透過
率をT3(%)としたときに、T1,T2≧10×T3
の関係を満足するものである。このように実施すると、
走査型映像出力手段からの残光量をより抑制することが
でき、優れたコントラストが得られるとともに、二重写
りやちらつきを有効に防止することができる。
【0012】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、中間偏光状態の期間を、フレーム期間の1〜8
0%の時間とすることが好ましい。中間偏光状態の期間
を、t3(ms)とし、フレーム期間をf(ms)とし
たときに、t3=0.01f〜0.8fの関係を満足す
るものである。このように実施すると、一定以上の光透
過量が得られるとともに、走査型映像出力手段の残光を
確実に抑制し、立体画像において優れたコントラストを
得ることができる。
【0013】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、液晶光学スイッチ手段に対して電圧を印加しな
い場合に、中間偏光状態とするのが好ましい。このよう
に実施すると、液晶光学スイッチ手段に対する印加電圧
の極性を変えることにより左眼画像および右眼画像にお
ける偏光状態を切り替えることができ、その切り替え途
中で、容易に中間偏光状態とすることができるため、三
段階の偏光状態の切り替えが容易となる。また、このよ
うに実施すると、走査型映像出力手段および液晶光学ス
イッチ手段の動作を停止した場合に中間偏光状態となる
ため、偏光性の眼鏡手段を装着したままでも左右の違和
感を減少させることができる。さらに、このように実施
すると、変則的な印加電圧を与えることなく、等しい印
加電圧において極性を切り替えるとともに、印加電圧の
値を0として液晶の偏光状態を切り替えることができる
ため、液晶の劣化を可級的に少なくすることができる。
【0014】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、フレーム期間の終了時および開始時、あるいは
いずれか一方の時期に、非視認の偏光状態とするのが好
ましい。このように実施すると、視認される残光の影響
をより確実に抑制することができる一方、フレーム期間
における立体画像の情報量(光量)を十分に確保するこ
とができる。
【0015】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、液晶光学スイッチ手段に、V字特性を有する強
誘電性液晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチッ
クA液晶、反強誘電性液晶からなる群から選択される少
なくとも一つの液晶を使用することが好ましい。これら
の液晶であれば、印加電圧を変更することにより、液晶
の偏光状態を3段階に切り替えることができ、左眼画
像、右眼画像および非視認状態での光透過率の変更が確
実となる。また、これらの液晶であれば高速応答が可能
となり、さらに鮮明な立体画像を認識することができ
る。
【0016】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、液晶光学スイッチ手段に、ゲストホスト型液晶
を使用することが好ましい。このような液晶であれば、
液晶に含まれる色素の配向方向と平行な偏光軸を有する
光を吸収することができる。したがって、印加電圧の値
を変更することにより、液晶の偏光状態、すなわち、色
素の配向方向を3段階に容易に切り替えることができ、
左眼画像、右眼画像および非視認状態での光透過率の変
更が確実となる。
【0017】また、本発明の立体表示方法を実施するに
あたり、走査型映像出力手段の面内走査に対応させて、
液晶光学スイッチ手段に設けた時定数調整手段により、
液晶光学スイッチ手段の時定数を調整することが好まし
い。このように実施すると、走査型映像出力手段に対す
る液晶光学スイッチ手段の応答のタイミングがより良好
となり、立体画像の二重写りやちらつきを有効に防止す
ることができる。
【0018】また、本発明の別の態様は、左眼画像およ
び右眼画像を時分割してフレーム期間ごとに交互に表示
する走査型映像出力手段と、走査型映像出力手段から出
射された左眼画像および右眼画像を偏光化するための偏
光板と、左眼画像および右眼画像の切り替えと同期させ
て偏光状態を切り替えるために、V字特性を有する強誘
電性液晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチック
A液晶、および反強誘電性液晶からなる群から選択され
る少なくとも一つの液晶を使用した液晶光学スイッチ手
段と、液晶光学スイッチ手段を透過した左眼画像用透過
光を左眼で、右眼画像用透過光を右眼で選択的に視認可
能な眼鏡手段と、を含む立体表示装置である。そして、
液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により少な
くとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏光状
態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画像用
透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い光透
過率を有する中間偏光状態を設けるための印加電圧調整
手段を設けることを特徴としている。このように構成す
ることにより、走査型映像出力手段から出射された左眼
画像および右眼画像の残光量を抑制することができる。
したがって、先のフレームにおける左眼画像または右眼
画像の影響を制御して、立体画像における二重写りやち
らつきを有効に防止することができる。なお、液晶光学
スイッチ手段にV字特性を有する強誘電性液晶、電界誘
起チルトを示すカイラルスメクチックA液晶、および反
強誘電性液晶からなる群から選択される少なくとも一つ
の液晶を使用することにより、液晶の偏光状態を容易に
三段階に切り替えることができる。したがって、走査型
映像出力手段と液晶光学スイッチ手段との間に設けた偏
光板とを併用することにより、複屈折を利用して容易に
透過光の光透過率を変更することができる。
【0019】また、本発明のさらに別の態様は、左眼画
像および右眼画像を時分割してフレーム期間ごとに交互
に表示する走査型映像出力手段と、左眼画像および右眼
画像の切り替えと同期させて偏光状態を切り替えるため
に、ゲスト・ホスト型液晶を使用した液晶光学スイッチ
手段と、液晶光学スイッチ手段を透過した左眼画像用透
過光を左眼で、右眼画像用透過光を右眼で選択的に視認
可能な眼鏡手段と、を含む立体表示装置である。そし
て、液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により
少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏
光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画
像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い
光透過率を有する中間偏光状態を設けるための印加電圧
調整手段を設けることを特徴としている。このように構
成することにより、走査型映像出力手段から出射された
左眼画像および右眼画像の残光量を抑制することができ
る。したがって、先のフレームにおける左眼画像または
右眼画像の影響を制御して、立体画像における二重写り
やちらつきを有効に防止することができる。なお、液晶
光学スイッチ手段にゲスト・ホスト型液晶を使用するこ
とにより液晶の偏光状態を容易に三段階に切り替えて、
偏光板を併用することなく容易に透過光の光透過率を変
更することができる。
【0020】また、本発明の立体表示装置を構成するに
あたり、液晶光学スイッチ手段に対し、時定数を調整す
るための時定数調整手段を設けることが好ましい。この
ように構成すると、走査型映像出力手段に対する液晶光
学スイッチ手段の応答のタイミングがより良好となり、
立体画像の二重写りやちらつきを有効に防止することが
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。なお、参照する図面は、
この発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状
および配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。した
がって、この発明は図示例にのみ限定されるものではな
い。また、図面では、断面を表すハッチングを省略する
場合がある。
【0022】[第1の実施形態]第1の実施形態は、図
2に示すように、左眼画像および右眼画像を時分割して
フレーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段
10の前面に、偏光板12と、左眼画像および右眼画像
の切り替えと同期させて偏光状態を切り替えるための液
晶光学スイッチ手段14とを順次に設け、偏光眼鏡2
4,26を用いて、偏光板12および液晶光学スイッチ
手段14を透過してきた左眼画像用透過光を左眼で、右
眼画像用透過光を右眼でそれぞれ選択的に視認させてな
る立体表示方法(立体表示装置)1である。また、液晶
光学スイッチ手段14には、V字特性を有する強誘電性
液晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチックA液
晶、および反強誘電性液晶からなる群から選択される少
なくとも一つの液晶を使用してある。そして、液晶光学
スイッチ手段14の偏光状態を印加電圧の値を変更する
ことにより少なくとも3段階(状態1、2、3)に切り
替え、左眼画像用透過光の偏光状態と右眼画像用透過光
の偏光状態との間に、左眼画像用透過光および右眼画像
透過光の光透過率よりも低い光透過率を有する中間偏光
状態を設けることができるように構成してある。なお、
第1の実施形態では、液晶光学スイッチ手段14と、偏
光眼鏡24,26との間に位相差板16を設け、液晶光
学スイッチ手段14のリタデーションによる色あいの調
整を行っている。
【0023】したがって、これらの3段階の偏光状態う
ち、左眼画像用透過光の偏光状態では、液晶の配向方向
(偏光軸)と左眼画像の偏光方向とが一致しているた
め、左眼画像用透過光を円偏光として、高い光透過率で
透過させることができる。また、3段階の偏光状態う
ち、右眼画像用透過光の偏光状態では、液晶の配向方向
(偏光軸)と右眼画像用透過光の偏光方向とが一致して
いるため、右眼画像用透過光を左眼画像用透過光とは逆
向きの円偏光として、高い光透過率で透過させることが
できる。一方、3段階の偏光状態うち、中間偏光状態で
は液晶の配向方向(偏光軸)が左眼画像用透過光および
右眼画像用透過光のいずれの偏光方向とも異なるため、
液晶光学スイッチ手段14からは直線偏光のみが透過す
ることができ、光透過率が低下する。よって、それぞれ
の透過光を円偏光の偏光眼鏡を用いて見れば、中間偏光
状態において、左眼画像用透過光および左眼画像用透過
光のいずれも同時に非視認状態となる非視認期間を設け
ることができる。
【0024】なお、このように構成した第1の実施形態
では、液晶光学スイッチ手段14において、液晶の複屈
折効果を利用している。すなわち、走査型映像出力手段
10から出射された左眼画像または右眼画像の光につ
き、偏光板12により吸収軸を揃え、次いで、左眼画像
または右眼画像の偏光方向と、液晶の配向方向(偏光
軸)とが一致する場合に、液晶光学スイッチ手段14を
透過させて、左眼画像および右眼画像用透過光を偏光眼
鏡24、26を介して視覚者が認識することができるよ
うに構成してある。また、液晶光学スイッチ手段14
は、液晶の複屈折効果により、λ/4波長板として作用
し、所定の光軸の回転角度を有することになる。よっ
て、走査型映像出力手段10から出射された左眼画像ま
たは右眼画像の光は、偏光板12と液晶光学スイッチ手
段14とによって円偏光となり、その偏光方向は、液晶
光学スイッチ手段14の電圧によって、切り替えられる
ことになる。以下、第1の実施形態を構成する走査型映
像出力手段10、液晶光学スイッチ手段14、および偏
光眼鏡24,26等について、より具体的に説明する。
【0025】(1)走査型映像出力手段 図2に示す走査型映像出力手段10(画像表示装置と称
する場合がある。)の種類は特に制限されるものでな
く、CRT、LCD、PDP、EL、LED、プロジェ
クター等が挙げられる。ただし、左眼画像および右眼画
像を交互に表示するため、画像切り替えが高速となり、
鮮明な立体画像が得られるように走査型映像出力手段
は、例えば、フレーム周波数が100Hz以上の値であ
るCRTが好ましい。
【0026】(2)液晶光学スイッチ手段 図2に示す液晶光学スイッチ手段14(液晶シャッター
と称する場合がある。)は、印加電圧の値を変更するこ
とにより、液晶の偏光状態を少なくとも3段階に切り替
えて、これらの偏光状態のうち一つが左眼画像および右
眼画像が同時に低光透過率(非視認状態)となる液晶
を、表面に電極を形成した透明基板(図示せず。)間に
含むものである。このような液晶として、以下の種類が
例示される。
【0027】V字特性を有する強誘電性液晶1(FL
C) 通常、強誘電性液晶を用いて図3(A)に示すような薄
型の液晶光学スイッチ手段を作成すると、強誘電性液晶
の偏光状態は印加電圧の極性に応じて2段階で切り替わ
る(2状態スイッチ)が、一方で、強誘電性液晶はメモ
リー性を発現するため、印加電圧を取り除いても偏光状
態は保持されることになる。しかしながら、強誘電性液
晶のらせんピッチが短い場合、例えば、100nm以下
の場合には、メモリー性を発現せずに、印加電圧を取り
除くと自然にらせん構造(中間偏光状態)に戻る特性を
有している。したがって、このような強誘電性液晶であ
れば、図3(A)に示すような薄型の液晶光学スイッチ
手段を作成した場合に、図3(B)に示すように、示印
加電圧を−V印加することにより左眼画像用の偏光状態
に、印加電圧を+V印加することにより右眼画像用の偏
光状態に、印加電圧を0とすることにより中間偏光状態
にそれぞれ切り替える(3状態スイッチ)ことができ
る。すなわち、強誘電性液晶の中でも、らせんピッチが
短い強誘電性液晶を用いることにより、いわゆるV字特
性を発現させることができる。
【0028】ここで、図3を参照しながらV字特性につ
いてより詳細に説明する。図3(A)は、らせんピッチ
が100nm以下の強誘電性液晶を、2枚の偏光板間に
挟んだ状態で印加電圧を切り替え、3段階に強誘電性液
晶の偏光状態を変えることを示す概念図であり、図3
(B)は、印加電圧と光透過率との関係を示す図であ
る。したがって、印加電圧により、液晶の偏光軸方向を
切り替え、図3(A)に示すように“状態1"または
“状態2"の偏光状態とし、偏光板を透過した左眼画像
の偏光方向と“状態1"の偏光軸方向とを一致させ、右
眼画像の偏光方向と“状態2"の偏光軸方向とを一致さ
せることにより、左眼画像用透過光および右眼画像用透
過光をそれぞれ高い光透過率で透過させることができ
る。よって、液晶を透過した左眼画像用透過光および右
眼画像用透過光をそれぞれ偏光眼鏡を用いることによ
り、交互に左眼画像および右眼画像として視認すること
ができる。なお、らせんピッチが100nm以下の強誘
電性液晶を用いた場合、印加電圧と光透過率との関係に
ヒステリシスが観測されている。一方、印加電圧により
液晶光学スイッチ手段の偏光状態を“状態3"に切り替
えることにより、左眼画像および右眼画像の偏光方向
と、“状態3"の偏光軸方向とを一致させないようにす
ることができる。よって、印加電圧の切り替えにより、
左眼画像用透過光の偏光状態と右眼画像用透過光の偏光
状態との間に、左眼画像用透過光および右眼画像用透過
光の光透過率が低下した非視認状態(非視認期間)を設
けることができる。よって、この非視認状態を利用し
て、先のフレームにおける左眼画像または右眼画像の影
響を制御して、立体画像における二重写りやちらつきを
有効に防止することができる。
【0029】また、図3(A)において、偏光状態が中
間段階である“状態3"に対する、“状態1"および“状
態2"のなすそれぞれの角度は、ほぼ強誘電性液晶材料
のチルト角と同一となる。したがって、強誘電性液晶材
料のチルト角を制御することにより、偏光状態や光透過
率を制御することができる。例えば、強誘電性液晶材料
のチルト角を20°〜25°の範囲内の値とすることに
より、立体画像において優れたコントラストが得られ、
二重写りやちらつきを有効に防止することができる。
【0030】また、V字特性を有する強誘電性液晶の種
類は特に制限されるものではないが、(メタ)アクリレ
ート主鎖系高分子液晶、クロロアクリレート主鎖系高分
子液晶、シロキサン主鎖系高分子液晶、オキシラン主鎖
系高分子液晶、シロキサン−オレフィン主鎖系高分子液
晶、シッフ塩基系強誘電性低分子液晶、アゾおよびアゾ
キシ系強誘電性低分子液晶、ビフェニルおよびアロマチ
ックエステル系強誘電性低分子液晶、ハロゲン、シアノ
基等の環置換基を導入した強誘電性低分子液晶、複素環
を有する強誘電性低分子液晶等の一種単独、または二種
以上の組み合わせが挙げられる。また、らせんピッチの
調整が容易なことから、フェニルピリジン系のベース液
晶に、キラルドーパントを添加した強誘電性液晶である
ことが好ましい。このようなフェニルピリジン系のベー
ス液晶およびキラルドーパントを以下に例示する。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】また、フェニルピリジン系のベース液晶に
キラルドーパントを添加してV字特性を有する強誘電性
液晶とする場合、キラルドーパントの添加量を、液晶の
全体量100重量%に対して、10〜90重量%の範囲
内の値にするのが好ましい。この理由は、キラルドーパ
ントの添加量の2乗に比例して、らせんピッチの波数が
大きくなるため、かかる添加量が10重量%未満となる
と、V字特性が発現しない場合があるためである。一
方、キラルドーパントの添加量が90重量%を超える
と、液晶の高速応答性が著しく低下する場合があるため
である。したがって、キラルドーパントの添加量を、液
晶の全体量に対して、20〜80重量%の範囲内の値に
するのがより好ましく、30〜70重量%の範囲内の値
にするのがさらに好ましい。
【0034】V字特性を有する強誘電性液晶2(FL
C) また、通常のセル厚では2状態スイッチング(SSFL
C)になる様な強誘電性液晶でも、その閾値特性を変化
させることで偏光状態を3段階に切り替え、V字特性を
有する強誘電性液晶とすることができる。具体的に、強
誘電性液晶中に、印加電圧に対する応答性が乏しい高分
子液晶を添加し、その配向方向を実質的に固定すること
で、図4に示すようなV字特性を有する強誘電性液晶2
を構成することができる。この強誘電性液晶2に使用す
る晶高分子液晶は、強誘電性液晶中に後から添加して配
向させてもよく、あるいは、モノマーの状態で添加し、
配向後に強誘電性液晶中で重合させて高分子液晶として
もよい。
【0035】また、高分子液晶の添加量を、液晶の全体
量を100重量%としたときに、10〜99重量%の範
囲内の値にするのが好ましい。この理由は、高分子液晶
の添加量が10重量%未満となると、V字特性が発現し
ない場合があるためであり、一方、高分子液晶の添加量
が99重量%を超えると、高速応答性が著しく低下する
場合があるためである。したがって、高分子液晶の添加
量を、液晶の全体量を100重量%としたときに、10
〜80重量%の範囲内の値にするのがより好ましく、1
0〜70重量%の範囲内の値にするのがさらに好まし
い。
【0036】このようなV字特性を持つ強誘電性液晶
を、2枚の偏光板間に挟んだ場合、強誘電性液晶の大部
分はこの高分子液晶の配向方向に拘束される性質を有す
るので、印加電圧と光透過率との関係は図4に示すよう
になる。したがって、例えば、左眼画像の光軸と“状態
1"の偏光方向を一致させ、右眼画像の光軸と“状態2"
の偏光方向を一致させ、さらに、左眼画像および右眼画
像の光軸と、“状態3"の偏光方向と一致させないこと
により、液晶光学スイッチ手段の偏光状態を3段階に切
り替え、これらの偏光状態のうち一つが左眼画像および
右眼画像が同時に非視認状態となる非視認期間を設ける
ことができる。なお、V字特性を有する強誘電性液晶2
においても、 “状態3"に対する、“状態1"および
“状態2"のなす角度は、それぞれ印加電圧に応じて変
化させることができる。
【0037】反強誘電性液晶(AFLC) 反強誘電性の場合は、印加電圧がゼロの場合、液晶分子
が隣接するスメクチック層間で互いに逆向きに傾いた構
造になると考えられている。したがって、この状態での
平均的な分子方向としては、V字特性を有する強誘電性
液晶(FLC)1と同様、正負電圧印加時の配向方向の
中間と考えることができる。したがって、このような反
強誘電性液晶を、2枚の偏光板間に挟んだ場合、印加電
圧と光透過率との関係は図5に示すような変化を示す。
より具体的には、0Vから開始して、電圧を+側あるい
は−側に印加していくと、閾値−V1および+V1をそ
れぞれ超えることにより液晶の偏光状態が変化させるこ
とができる。よって、このような反強誘電性液晶を使用
しても、印加電圧の値を変化させることにより、偏光状
態を3段階に切り替えることができ、左眼画像および右
眼画像が同時に非視認状態となるように光透過率が低下
した偏光状態とすることができる。なお、このような反
強誘電性液晶としては、式(3)で表される高分子液晶
を例示することができる。
【0038】
【化3】
【0039】電界応答するSmA*液晶 光学活性物質を含む液晶材料、例えば、電界誘起チルト
を示すカイラルスメクチックA液晶の場合、スメクチッ
クA相を示す温度でも、電圧を印加した場合に液晶分子
が傾いた方向に切り替わるいわゆる「エレクトロクリニ
ック効果」を示すことが知られている。この液晶分子が
傾く方向は印加電圧の極性に依存しており、傾きの大き
さは印加電圧の値(大きさ)にほぼ比例している。した
がって、このような電界応答するSmA*液晶を使用し
ても、印加電圧の値を変化させることにより、偏光状態
を3段階に切り替えることができ、左眼画像および右眼
画像が同時に非視認となるように光透過率が低下した偏
光状態とすることができる。なお、このような電界応答
するSmA*液晶としては、以下のような温度変化を示
す式(4)で表される液晶を例示することができる。
【0040】
【化4】
【0041】(3)偏光眼鏡 図2に示す偏光眼鏡24、26は、偏光特性が相互に異
なるλ/4板としての左眼用フィルタと、右眼用フィル
タとから構成されている。そして、左眼用フィルタは、
左眼画像の偏光と一致する(平行する)偏光軸を有して
おり、右眼用フィルタは、右眼画像の偏光と一致する
(平行する)偏光軸を有している。すなわち、偏光状態
を3段階以上に切り替える液晶光学スイッチ手段を使用
するので、偏光眼鏡としてはこれらの偏光状態を光の透
過または遮断として区別できるものであれば好ましい。
なお、偏光眼鏡は、眼鏡のみならず、ゴーグルやヘルメ
ットに偏光特性が相互に異なる左眼用フィルタと、右眼
用フィルタを組み込んで構成しても良い。
【0042】その他、偏光切り替え機構(図示せず。)
を、走査型映像出力手段と液晶光学スイッチ手段との
間、あるいは液晶光学スイッチ手段と偏光眼鏡との間に
設けて、左眼画像および右眼画像のいずれか一方を、直
線偏光とし、他方を、円偏光(楕円偏光)とすることが
できる。その場合には、偏光眼鏡の左眼用フィルタおよ
び右眼用フィルタの偏光軸については、いずれも直線偏
光に対して、直交方向に設定しておき、左眼用フィルタ
および右眼用フィルタの前面に、楕円偏光を補償するた
めの位相差板を設けても良い。このように偏光眼鏡を構
成することにより、左眼画像および右眼画像の一方が直
線偏光であるのに対し、他方が円偏光(楕円偏光)であ
るために生じる表示コントラストの差を改善することが
できる。
【0043】(4)偏光状態 次に、図6を参照しながら、液晶光学スイッチ手段14
の3段階の偏光状態(左眼画像の偏光状態、右眼画像の
偏光状態、左眼画像および右眼画像が同時に非視認の偏
光状態)、および、これらの偏光状態(液晶分子方向)
と、走査型映像出力手段10の発光状態との関係、液晶
光学スイッチ手段14の駆動波形との関係、左眼におけ
る光透過率との関係、右眼における光透過率との関係を
それぞれ説明する。
【0044】図6(a)は、走査型映像出力手段10の
発光状態を示す図であり、左方から、左眼画像用フレー
ムL1、右眼画像用フレームR2、左眼画像用フレーム
L2、および右眼画像用フレームR2が発光順に配列さ
れている。そして、左眼画像用フレームL1と右眼画像
用フレームR1との間隙であって、右眼画像用フレーム
R1の開始時が、左眼画像用フレームL1における残光
Z1を示しており、残光Z2およびZ3も同様に、それ
ぞれ先のフレームR1、L2の残光である。
【0045】また、図6(b)は、図6(a)に示す発
光状態に対応した液晶光学スイッチ手段14における駆
動波形を示している。より具体的には、一例として、左
眼画像用フレームL1、L2に対応して、−Vの電圧を
印加し、右眼画像用フレームR1、R2に対応して、+
Vの電圧を印加し、液晶の偏光状態を調節していること
を表している。なお、左眼画像用フレームL1、L2に
対応して、+Vの電圧を印加し、右眼画像用フレームR
1、R2に対応して、−Vの電圧を印加し、液晶の偏光
状態を調節することも可能である。また、使用する液晶
の性質やセル厚に対応して、左右対称の電圧でなく、左
眼画像用フレームL1、L2に対応して、−1.5Vの
電圧を印加し、右眼画像用フレームR1、R2に対応し
て、+0.5Vの電圧を印加するように異なる電圧を印
加し、液晶の偏光状態を調節することも可能である。
【0046】また、図6(c)は、図6(a)に示す発
光状態に対応した液晶光学スイッチ手段14の3段階の
偏光状態(左眼画像の“状態1"、右眼画像の“状態
3"、左眼画像および右眼画像が同時に非視認の“状態
2")を示している。より具体的には、左眼画像用フレ
ームL1、L2に対しては、“状態1"の偏光状態であ
り、左眼画像の偏光方向と、液晶光学スイッチ手段14
の偏光軸方向とが一致するため、左眼画像のみを透過さ
せることができる。また、右眼画像用フレームR1、R
2に対しては、“状態2"の偏光状態であり、右眼画像
の偏光方向と、液晶光学スイッチ手段14の偏光軸方向
とが一致するため、右眼画像のみを透過させることがで
きる。さらに、フレームR1、L1、R2における残光
Z1、Z2、Z3が生じている期間、すなわち、非視認
期間においては、“状態3"の中間偏光状態であること
を表している。したがって、左眼画像および右眼画像の
偏光方向と、液晶光学スイッチ手段の偏光軸方向とがい
ずれも一致しないため、透過光の光透過率が低下し、左
眼画像および右眼画像を同時に遮断することができる。
【0047】なお、液晶光学スイッチ手段14の偏光状
態の切り替えにより、“状態3"の光透過率を、左眼画
像の“状態1"の光透過率、または右眼画像の“状態2"
の光透過率の1/10以下の値とするのが好ましい。こ
のように実施すると、走査型映像出力手段10の残光を
より確実に抑制することができるためである。したがっ
て、より好ましくは、“状態3"の光透過率を、左眼画
像の“状態1"の光透過率、または右眼画像の“状態2"
の光透過率の1/50以下の値とすることであり、かか
る“状態3"の光透過率を1/100以下の値とするの
がさらに好ましい。
【0048】さらに、液晶光学スイッチ手段14の偏光
状態の切り替えにより、非視認の偏光状態の期間(非視
認期間)を、フレーム期間の1〜80%の時間とするこ
とが好ましい。この理由は、非視認期間がフレーム期間
の1%未満となると、残光の影響を受けやすくなり、立
体画像におけるコントラストが低下する場合があるため
である。一方、非視認期間がフレーム期間の80%を超
えると、フレーム期間内に透過する光量が著しく低下
し、立体画像が暗く視認される場合があるためである。
したがって、非視認の偏光状態の期間(非視認期間)
を、フレーム期間の10〜75%の時間とすることがよ
り好ましく、フレーム期間の30〜70%の時間とする
ことがさらに好ましい。
【0049】ここで、上述した図6(a)〜(c)に示
す関係を、まとめて表1に示す。
【表1】 左眼画像用フレーム 残光期間 左眼画像用フレーム 印加電圧 −V 0 +V 偏光状態 状態1 状態3 状態2 左眼画像透過光 明 暗 暗 右眼画像透過光 暗 暗 明
【0050】次に示す図6(d)および図6(e)は、
図6(a)に示す発光状態に対応した左眼および右眼に
おける光透過率との関係をそれぞれ示している。より具
体的には、左眼画像用フレームL1、L2において走査
型映像出力手段10が発光した場合に、左眼により、前
のフレームR1における走査型映像出力手段10の残光
Z2の影響がなく、左眼画像用透過光のみを認識できる
ことを表している。同様に、右眼画像用フレームR1、
R2において走査型映像出力手段10が発光した場合
に、右眼により、前のフレームL1,L2における走査
型映像出力手段10の残光Z1、Z3がなく、右眼画像
用透過光のみを認識できることを表している。したがっ
て、第1の実施形態において、液晶光学スイッチ手段1
4の偏光状態を印加電圧により少なくとも3段階に切り
替え、左眼画像用透過光および右眼画像用透過光を同時
に非視認である中間偏光状態とすることにより、直前の
フレームにおける残光量を抑制することができる。よっ
て、左眼画像および右眼画像からなる立体画像における
二重写りやちらつきを有効に防止して、良好なコントラ
ストを得ることができる。
【0051】[第2の実施形態]第2の実施形態は、図
7に示すように、第1の実施形態における液晶光学スイ
ッチ手段に、ゲスト・ホスト(GH)型の液晶を用いた
立体表示方法40である。すなわち、ホスト液晶中に、
二色性色素を、例えば、0.1〜20重量%の範囲内で
添加して構成した液晶を用いた立体表示方法(立体表示
装置)40である。なお、図7に示す走査型映像出力手
段30、液晶光学スイッチ手段34、偏光眼鏡36、3
8等の内容については、第1の実施形態と同様とするこ
とができるため、ここでの説明は省略する。また、図7
に示す立体表示方法40においても、走査型映像出力手
段30と、液晶光学スイッチ手段34との間に、偏光板
32を配置してあるが、これは、走査型映像出力手段3
0から出射された左眼画像および右眼画像の偏光方向を
揃え、液晶光学スイッチ手段32により、より選択的に
透過させるためである。したがって、ゲスト・ホスト
(GH)型の液晶を用いた場合、2色性色素の配向によ
り偏光板の機能も有するので、偏光板32を使用しなく
とも、立体画像を認識することができる。なお、使用す
る2色性色素の種類は特に制限されるものではないが、
画像表示の再現性がより良好となることから黒色である
ことが好ましい。
【0052】第2の実施形態において、ゲスト・ホスト
(GH)型の液晶を用いた液晶光学スイッチ手段34
は、一例として、左眼画像用フレームに対応して、−V
の電圧を印加することにより、液晶中の2色性色素の配
向方向(偏光状態)を “状態1"とすることができる。
したがって、左眼画像の偏光方向と一致するため、左眼
画像のみを透過させることができる。よって、液晶光学
スイッチ手段34を透過した左眼画像用透過光は、その
偏光方向と一致する偏光軸を有する左眼用フィルタ38
を透過することができるため、左眼画像として、左眼で
認識することができる。また、右眼画像用フレームに対
応して、+Vの電圧を印加することにより、液晶中の2
色性色素の配向方向(偏光状態)が “状態2"となり、
右眼画像の偏光方向と一致するため、右眼画像のみを透
過させることができる。したがって、液晶光学スイッチ
手段34を透過した右眼画像用透過光は、その偏光方向
と一致する偏光軸を有する右眼用フィルタ36を透過す
ることができるため、右眼画像として、右眼で認識する
ことができる。さらに、ゲスト・ホスト(GH)型の液
晶は、左眼画像用フレームおよび右眼画像用フレームに
おける残光時間に対応させて、印加電圧をオフ(ゼロ)
にすると、液晶中の2色性色素の配向方向(偏光状態)
が、“状態3"となり、右眼画像および左眼画像の偏光
方向とそれぞれ一致しないため、液晶光学スイッチ手段
34を透過する右眼画像および左眼画像用透過光の光透
過率を低下させることができる。よって、偏光眼鏡を用
いて左眼画像および右眼画像のいずれも認識することが
困難となる。
【0053】すなわち、ゲスト・ホスト(GH)型の液
晶を用いた場合にも、第1の実施形態と同様に、図3お
よび表1に示すような液晶光学スイッチ手段の3段階の
偏光状態(左眼画像の偏光状態、右眼画像の偏光状態、
左眼画像および右眼画像が同時に非視認の偏光状態)、
および、これらの偏光状態(液晶分子方向)と、走査型
映像出力手段の発光状態との関係、液晶光学スイッチ手
段の駆動波形との関係、左眼における光透過率との関
係、右眼における光透過率との関係が得られる。したが
って、ゲスト・ホスト(GH)型の液晶を用いても、偏
光状態を印加電圧により少なくとも3段階に切り替え、
左眼画像および右眼画像を同時に非視認の中間偏光状態
とすることにより、直前のフレームにおける残光量を抑
制することができる。よって、第2の実施形態において
も、左眼画像および右眼画像立体画像における二重写り
やちらつきを有効に防止して、良好なコントラストを得
ることができる。
【0054】[第3の実施形態]第3の実施形態は、第
1および第2の実施形態における立体表示方法の変形例
であり、走査型映像出力手段の面内走査に対応させて、
液晶光学スイッチ手段に設けた時定数調整手段により、
液晶光学スイッチ手段の時定数を調整することを特徴と
している。なお、走査型映像出力手段、液晶光学スイッ
チ手段、偏光眼鏡等の内容については、第1および第2
の実施形態の内容と同様とすることができるため、ここ
での説明は省略する。
【0055】一般的に立体表示装置の表示は、走査型映
像出力手段の複数回の面内走査によって行われる。例え
ば、走査型映像出力手段がCRTをラスタ走査した場
合、電子ビームを画面上部から順に水平方向に走査を開
始し、最後に画面下部に至ることになる。この走査時間
と、ブランキング時間(次の周期開始までの時間)とを
合計したものが1フレーム時間となる。例えば、走査型
映像出力手段のフレーム周波数が120Hzの場合、1
フレーム時間は1/120=8.3msになり、仮にブ
ランキング時間が0.3秒ならば、画面上から画面下へ
の走査時間は8msになる。したがって、液晶光学スイ
ッチ手段を応答させるに際して、走査型映像出力手段の
走査とをより一致させて、多くの画像情報を取り入れ、
立体画像におけるコントラストを向上させるために、液
晶光学スイッチ手段の上下において、約8msの応答タ
イミングのずれ(位相ずれ)を設けることが好ましくな
る。そこで、第3の実施形態においては、図8の等価回
路が例示するように、液晶光学スイッチ手段に時定数調
整手段として、RC時定数調整回路を外部接続するもの
である。このRC時定数調整回路を構成するR(抵抗)
とC(コンデンサ容量)の大きさによって、液晶光学ス
イッチ手段の応答性(タイミング)を容易に調整するこ
とができる。
【0056】なお、液晶光学スイッチ手段のRC時定数
(τ)が下記関係を満足するように調整することがより
好ましい。このような関係を満足することにより、液晶
光学スイッチ手段の面全体において、コントラストに優
れ、クロストークの少ない立体画像を得ることができ
る。なお、図9は液晶光学スイッチ手段14のRC時定
数(τ)が最大となる場合の関係図であり、図10は液
晶光学スイッチ手段14のRC時定数(τ)が最小とな
る場合の関係図である。 ta−tb+tc<τ<2/f−ta−tb−tda:走査型映像出力手段の1画素における1フレーム
あたりの画像表示時間および残光時間の合計時間(se
c.) tb:走査型映像出力手段のブランキング時間(se
c.) tc:液晶光学スイッチ手段の走査開始部における応答
時間(sec.) td:液晶光学スイッチ手段の走査終了部における応答
時間(sec.) f:走査型映像出力手段におけるフレーム周波数(H
z)
【0057】ここで、図11を参照しながらコントラス
トの向上効果について具体的に説明する。図11は、液
晶光学スイッチ手段の測定ポイント(上部から下部まで
の9点)と、ダイナミックコントラスト(DC/R)と
の関係を示す図である。なお、ダイナミックコントラス
ト(DC/R)は下式のように定義されるが、輝度計で
測定した輝度から算出した値である。 DC/R=(N1−N0)/(N2−N0) N1:画像表示装置を動作させて、白および黒の映像を
交互に表示した場合の、右眼用の白の映像輝度(cd/
2) N2:画像表示装置を動作させて、白および黒の映像を
交互に表示した場合の、右眼用の黒の映像輝度(cd/
2) N0:画像表示装置を動作させて、黒の映像を常に表示
した場合の輝度(cd/m2) 図11から容易に理解されるように、RC時定数調整回
路を設けない場合には、測定ポイントが上部から下部に
なるにつれてDC/Rの値が大きく低下するが、RC時
定数調整回路を設けることにより、その低下を小さくす
ることができる。
【0058】また、第3の実施形態の立体表示方法を実
施するにあたり、RC時定数調整回路が、液晶光学スイ
ッチ手段における走査型映像出力手段の走査終了部に相
当する位置に設けてあり、当該RC時定数調整回路によ
り、液晶光学スイッチ手段の応答性を調整することが好
ましい。このように液晶光学スイッチ手段の時定数の影
響を最も受けやすい位置において、液晶光学スイッチ手
段のRC時定数を調整することにより、視覚される立体
画像において高いコントラストを確実に得ることができ
る。
【0059】また、第3の実施形態の立体表示方法を実
施するにあたり、RC時定数調整回路を液晶光学スイッ
チ手段の所定箇所に設け、液晶光学スイッチ手段の応答
性を調整することが好ましい。このように液晶光学スイ
ッチ手段の所定箇所、例えば、光学スイッチ手段の上
部、あるいは下部、さらには上部と下部との中間位置に
RC時定数調整回路を設けることにより、これらの接続
箇所において優れたコントラストが得られるようにな
り、全体として、さらに優れたコントラストを有する立
体画像を得ることができる。
【0060】また、第3の実施形態の立体表示方法を実
施するにあたり、RC時定数調整回路におけるRC時定
数の調整幅が可変であることが好ましい。このように実
施することにより、液晶光学スイッチ手段のRC時定数
が液晶の劣化等により変化した場合でも、それを考慮し
て液晶光学スイッチ手段の応答性を調整することができ
る。
【0061】また、第3の実施形態の立体表示方法を実
施するにあたり、RC時定数調整回路が複数箇所に設け
てあり、当該複数箇所のRC時定数調整回路の少なくと
も一つにより、液晶光学スイッチ手段の応答性を調整す
ることが好ましい。このように実施することにより、複
数箇所でRC時定数情報を得ることができる。したがっ
て、これらのRC時定数情報を平均化して、液晶光学ス
イッチ手段(駆動回路)にフィードバックすることによ
り、液晶光学スイッチ手段の開始時期をより確実に遅ら
せることができる。
【0062】その他、第3の実施形態の変形例として、
RC時定数調整回路の外付けのかわりに、あるいは、R
C時定数調整回路の外付けとともに、液晶光学スイッチ
手段固有のR(抵抗)やC(電気容量)を利用して、液
晶光学スイッチ手段の応答性(タイミング)を調整する
こともできる。液晶光学スイッチ手段を簡単な等価回路
で記述すると図12の様になる。したがって、給電点か
ら遠い場所では抵抗と容量からなる積分回路によって駆
動波形の立上りが時間遅れを生じ、結果として液晶の応
答にも時間差がつくことになる。そこで、図12の様な
電気接続をすることにより、駆動電圧の給電点に近い画
面上方では直ちに応答を開始するが、液晶に実際に印加
される電圧波形の立上りが遅くなる画面下方ほど応答は
遅れて開始するようにすることができる。
【0063】また、第3の実施形態のさらに変形例とし
て、RC時定数調整回路の外付けのかわりに、あるい
は、RC時定数調整回路の外付けとともに、図13に示
すように、液晶光学スイッチ手段14の複数の入力箇所
aおよびbに対し、それぞれ位相または波形が異なった
駆動電圧AおよびBを印加して駆動(分割駆動)させる
ことが好ましい。このように分割駆動させることによ
り、矢印Cに沿って遅延時間が生じたとしても、所定の
遅延時間に対応した時間を考慮して、入力箇所bにおい
て、駆動電圧Bのように、駆動電圧Aから位相をずらし
た波形を印加することにより、液晶光学スイッチ手段1
4の応答性(タイミング)をさらに容易に調整できる。
なお、分割駆動の方法は図13に示す方法に制限される
ものでなく、図14に示すように、電極についてパター
ニング部50を設けて、複数領域に分割して矢印Cに沿
って駆動してもよく、あるいは、図15に示すように、
走査終了部が画面の端でない場合には低抵抗の補助電極
52をセル内に設けて、矢印C1およびC2に示す方向
に分割駆動してもよい。
【0064】
【実施例】以下、本発明の実施例をより詳細に説明す
る。
【0065】[実施例1〜5]走査型映像出力手段とし
て、カラーCRTを備え、このカラーCRTの発光前側
に、縦300mm×横400mmの寸法のニュートラル
偏光板LLC2−9218(サンリッツ(株)製)、お
よび液晶光学スイッチ手段として、強誘電性液晶シャッ
ターを順次に配置し、立体画像表示装置を構成した。ま
た、カラーCRTへ入力される画像信号源と、液晶光学
スイッチ手段への信号源とを、同期回路により接続し
た。したがって、カラーCRTにおいて、左眼画像およ
び右眼画像を時分割してフレーム期間ごとに交互表示す
るとともに、この左眼画像および右眼画像の切り替えと
同期させて強誘電性液晶シャッターの偏光状態を切り替
えることができる。また、偏光特性が相互に異なる左眼
用フィルタと、右眼用フィルタとから構成された偏光眼
鏡を用意したが、左眼用フィルタおよび右眼用フィルタ
の偏光軸を、それぞれ左眼画像および右眼画像の偏光と
一致するように構成した。
【0066】なお、強誘電性液晶シャッターには、V字
特性を有する強誘電性液晶として、下記式(5)で表さ
れる液晶を用い、表面にITO電極が形成されている2
枚のポリエーテルスルホン基板間に挟持し、次いで、電
極間に40Vの電圧を印加することにより配向させて、
厚さ2μmの強誘電性液晶シャッターとした。
【0067】
【化5】
【0068】この強誘電性液晶シャッターの電極間に、
−15Vの電圧を印加すると−23°に配向し、+15
Vの電圧を印加すると+23°に配向し、さらに、電圧
印加を取り除く(OFF)と、0°に配向した。したが
って、この強誘電性液晶シャッターは、電圧印加の値を
変えることにより、3段階に偏光状態を変えられること
を確認した。
【0069】次いで、CRTにおいて、黒い背景上に、
左眼画像としての直径2cmの白い円1と、右眼画像と
しての直径2cmの白い円2とを、円の中心間距離が5
cmとなるように離して、120Hzの周期(フレーム
期間8.33ms)で交互に表示させた。
【0070】ここで、左眼用フィルタを透過した左眼画
像円1の中心部における光透過量をIL1、左眼用フィル
タを透過した右眼画像円2の中心部における光透過量を
L2、右眼用フィルタを透過した左眼画像円1の中心部
における光透過量をIR1、右眼用フィルタを透過した右
眼画像円2の中心部における光透過量をIR2とする。し
たがって、左眼で視認される左眼画像と、右眼画像との
コントラスト比CRLおよび右眼で視認される左眼画像
と、右眼画像とのコントラスト比CRRは、それぞれ下
式(1)および(2)で表される。 CRL=IL1/IL2 (1) CRR=IR1/IR2 (2) なお、CRLおよびCRRが、それぞれ30以上の値であ
れば、立体画像としては許容できるコントラストの範囲
であり、より好ましくは、35以上の値であり、さらに
好ましくは、40以上の値であり、最も好ましくは、4
5以上の値である。
【0071】そこで、左眼画像および右眼画像が同時に
非視認の偏光状態である非視認期間Tの長さを2ms
(実施例1)、3ms(実施例2)、4ms(実施例
3)、5ms(実施例4)、6ms(実施例5)にそれ
ぞれかえて、偏光眼鏡を介した左眼画像および右眼画像
の光透過量IL1、IL2、IR1、IR2を、フォトダイオー
ドを用いて測定した。得られた結果を表2および図16
に示す。
【0072】
【表2】
【0073】[比較例1]実施例1において、左眼画像
および右眼画像が同時に非視認の偏光状態である非視認
期間Tの長さを0msとした以外は、実施例1と同様に
立体表示装置を構成し、左眼画像および右眼画像の光透
過量を測定した。得られた結果を表2に示す。
【0074】[実施例6]液晶光学スイッチ手段の下端
にRC時定数調整回路を設けたほかは、実施例1と同様
に立体表示装置を構成した。なお、実施例6において、
カラーCRTの走査における周波数(f)は110Hz
であり、カラーCRTの1画素における1フレームあた
りの画像表示時間および残光時間の合計時間(ta
は、2.5msec.であり、ブランキング時間
(tb)は2.15msec.であり、強誘電性液晶シ
ャッターにおける走査開始部における応答時間(tc
は、0.9msec.であり、液晶光学スイッチ手段に
おける走査終了部における応答時間(td)は、1.5
0msec.であった。また、液晶光学スイッチ手段自
体の静電容量は1.65μF(100Hz)であり、さ
らに駆動信号が入力される電極の抵抗値は237Ωであ
るため、RC時定数は、画面下端において0.39ms
ec.であった。
【0075】次いで、強誘電性液晶シャッターの下端
に、RC時定数調整回路として、容量11μFのコンデ
ンサを取りつけRC時定数(τ)の値を3.0mse
c.に調整した。したがって、強誘電性液晶シャッター
における走査終了部における応答時間(td)が1.5
5msec.となり、(ta−tb+tc)の値が1.2
5msec.であり、(2/f−ta−tb−td)が1
2.0msec.であることから、強誘電性液晶シャッ
ターのRC時定数(τ)は、(ta−tb+tc<τ<2
/f−ta−tb−td)の関係を満足している。
【0076】この状態で、画像表示装置を動作させ、ダ
イナミックコントラスト(DC/R)の相対的変化を測
定した。その結果、図11に示すように、測定ポイント
1〜7の範囲内において、0.9以上の高い値が得ら
れ、測定ポイント8でも0.8以上、測定ポイント9で
も0.7以上の値が得られた。したがって、RC時定数
調整回路を設けることにより、優れたコントラストを有
する立体画像を得ることが確認された。なお、RC時定
数調整回路を設けずにダイナミックコントラスト(DC
/R)の相対的変化を測定したところ、測定ポイント1
〜3の範囲内において0.9以上の値であったものが、
測定ポイント4〜6の範囲内において0.7〜0.9の
値に低下し、さらに測定ポイント7〜9の範囲内におい
て0.3〜0.6の値へと低下した。
【0077】
【発明の効果】本発明の立体表示方法および立体表示装
置によれば、印加電圧を少なくとも3とおりに変化させ
ることにより、走査型映像出力手段における残光の影響
が少なくして、立体画像における二重写りやちらつきを
防止することができる。そのため、立体画像のコントラ
ストやカラー色の再現性に優れた立体表示方法および立
体表示装置を提供することができるようになった。ま
た、本発明の立体表示方法および立体表示装置によれ
ば、印加電圧の極性を変えるとともに、印加電圧の値を
0として液晶の偏光状態を3段階に切り替えることがで
きるため、走査型映像出力手段および液晶光学スイッチ
手段の動作を停止した場合に眼鏡手段をかけたままでも
左右の違和感を減少させることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】1フレームにおける残光量の時間変化を示す図
である。
【図2】第1の実施形態における立体表示方法の概要を
示す図である。
【図3】V字特性を有する強誘電性液晶における印加電
圧と光透過率との関係を示す図である(その1)。
【図4】V字特性を有する強誘電性液晶における印加電
圧と光透過率との関係を示す図である(その2)。
【図5】反強誘電性液晶における印加電圧と光透過率と
の関係を示す図である。
【図6】液晶光学スイッチ手段における印加電圧と偏光
状態との関係を示す図である。
【図7】第2の実施形態における立体表示方法の概要を
示す図である。
【図8】第3の実施形態における等価回路を示す図であ
る。
【図9】走査型映像出力手段の発光状態と、液晶光学ス
イッチ手段の発光状態の応答状態との関係を説明するた
めに供する図である(その1)。
【図10】走査型映像出力手段の発光状態と、液晶光学
スイッチ手段の発光状態の応答状態との関係を説明する
ために供する図である(その2)。
【図11】強誘電性液晶シャッターの測定ポイントと、
DC/Rとの関係を説明するために供する図である。
【図12】第3の実施形態の変形例における等価回路を
示す図である。
【図13】分割駆動方法を説明するために供する図であ
る(その1)。
【図14】分割駆動方法を説明するために供する図であ
る(その2)。
【図15】分割駆動方法を説明するために供する図であ
る(その3)。
【図16】非視認期間と、コントラストとの関係を示す
図である。
【図17】従来の画像表示方法を説明するために供する
図である(その1)。
【図18】従来の画像表示方法を説明するために供する
図である(その2)。
【符号の説明】
10、30 走査型映像出力手段 12、32 偏光板 14、34 液晶光学スイッチ手段 16 位相差板 24、26、36、38 偏光眼鏡 1、40 立体表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA33 EA47 GA04 GA11 JA06 JA17 JA20 MA02 5C061 AA02 AA14 AB14 5C080 AA05 AA06 AA07 AA10 AA18 BB05 CC04 DD01 DD06 EE19 EE29 FF09 GG02 GG07 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 5C094 AA06 AA60 BA43 BA49 CA21 CA23 ED14 FB01 HA07 HA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左眼画像および右眼画像を時分割してフ
    レーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段の
    前面に、偏光板と、左眼画像および右眼画像の切り替え
    と同期させて偏光状態を切り替えるための液晶光学スイ
    ッチ手段とを設け、当該液晶光学スイッチ手段を透過し
    た左眼画像用透過光を左眼で、右眼画像用透過光を右眼
    で選択的に視認させてなる立体表示方法において、 前記液晶光学スイッチ手段にV字特性を有する強誘電性
    液晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチックA液
    晶、および反強誘電性液晶からなる群から選択される少
    なくとも一つの液晶を使用するとともに、 前記液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により
    少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏
    光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画
    像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い
    光透過率を有する中間偏光状態を設けることを特徴とす
    る立体表示方法。
  2. 【請求項2】 左眼画像および右眼画像を時分割してフ
    レーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段の
    前面に、左眼画像および右眼画像の切り替えと同期させ
    て偏光状態を切り替えるための液晶光学スイッチ手段を
    設け、当該液晶光学スイッチ手段を透過した左眼画像用
    透過光を左眼で、右眼画像用透過光を右眼で選択的に視
    認させてなる立体表示方法において、 前記液晶光学スイッチ手段にゲスト・ホスト型液晶を使
    用するとともに、 前記液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により
    少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏
    光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画
    像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い
    光透過率を有する中間偏光状態を設けることを特徴とす
    る立体表示方法。
  3. 【請求項3】 前記中間偏光状態の光透過率を、前記左
    眼画像用透過光の光透過率、または前記右眼画像用透過
    光の光透過率の1/10以下の値とすることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の立体表示方法。
  4. 【請求項4】 前記中間偏光状態の期間を、前記フレー
    ム期間の1〜80%の時間とすることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の立体表示方法。
  5. 【請求項5】 前記液晶光学スイッチ手段に電圧を印加
    しない場合に、前記中間偏光状態とすることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載の立体表示方法。
  6. 【請求項6】 前記フレーム期間の開始時および終了
    時、あるいはいずれか一方の時期に、前記中間偏光状態
    とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に
    記載の立体表示方法。
  7. 【請求項7】 前記走査型映像出力手段の面内走査に対
    応させて、前記液晶光学スイッチ手段に設けた時定数調
    整手段により、液晶光学スイッチ手段の時定数を調整す
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載
    の立体表示方法。
  8. 【請求項8】 左眼画像および右眼画像を時分割してフ
    レーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段
    と、 走査型映像出力手段から出射された左眼画像および右眼
    画像を偏光化するための偏光板と、 左眼画像および右眼画像の切り替えと同期させて偏光状
    態を切り替えるために、V字特性を有する強誘電性液
    晶、電界誘起チルトを示すカイラルスメクチックA液
    晶、および反強誘電性液晶からなる群から選択される少
    なくとも一つの液晶を使用した液晶光学スイッチ手段
    と、 液晶光学スイッチ手段を透過した左眼画像用透過光を左
    眼で、右眼画像用透過光を右眼で選択的に視認可能な眼
    鏡手段と、を含む立体表示装置において、 前記液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により
    少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏
    光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画
    像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い
    光透過率を有する中間偏光状態を設けるための印加電圧
    調整手段を設けることを特徴とする立体表示装置。
  9. 【請求項9】 左眼画像および右眼画像を時分割してフ
    レーム期間ごとに交互に表示する走査型映像出力手段
    と、 左眼画像および右眼画像の切り替えと同期させて偏光状
    態を切り替えるために、ゲスト・ホスト型液晶を使用し
    た液晶光学スイッチ手段と、 液晶光学スイッチ手段を透過した左眼画像用透過光を左
    眼で、右眼画像用透過光を右眼で選択的に視認可能な眼
    鏡手段と、を含む立体表示装置において、 前記液晶光学スイッチ手段の偏光状態を印加電圧により
    少なくとも3段階に切り替えて、左眼画像用透過光の偏
    光状態と右眼画像用透過光の偏光状態との間に、左眼画
    像用透過光および右眼画像透過光の光透過率よりも低い
    光透過率を有する中間偏光状態を設けるための印加電圧
    調整手段を設けることを特徴とする立体表示装置。
  10. 【請求項10】 前記液晶光学スイッチ手段に対し、時
    定数を調整するための時定数調整手段を設けることを特
    徴とする請求項8または9に記載の立体表示装置。
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