JP2000003778A - 誘導コイル及び加熱装置 - Google Patents

誘導コイル及び加熱装置

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JP2000003778A
JP2000003778A JP16788498A JP16788498A JP2000003778A JP 2000003778 A JP2000003778 A JP 2000003778A JP 16788498 A JP16788498 A JP 16788498A JP 16788498 A JP16788498 A JP 16788498A JP 2000003778 A JP2000003778 A JP 2000003778A
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coil
induction
heated
explosion
heating
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JP16788498A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Yoshida
博隆 吉田
Tsukasa Maenozono
司 前之園
Ei Tsuzuki
鋭 都築
Masaru Higuchi
優 樋口
Shiro Motomura
士郎 本村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々なサイズの四角形状の防爆ベルト2を、
良好に誘導加熱することの可能な装置を提供する。 【解決手段】 防爆ベルト2の4つの平坦面に対向して
配置した4個のコイルエレメント17とこれらを直列に
接続する可撓性の導体27で誘導コイル13を構成し、
各コイルエレメントをそれぞれシリンダ装置12に保持
させて移動可能とし、所定位置にセットする任意サイズ
の防爆ベルト2に対して、各コイルエレメント17を誘
導加熱に好適な位置に位置決め可能とし、更に誘導コイ
ル13への通電によって防爆ベルト2に周回する方向の
誘導電流を生じさせ、防爆ベルト2をコーナー部も含め
て加熱することのできる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の平坦面が多
角形状に連なった外周面を有する被加熱物を誘導加熱す
るための誘導コイル及びその誘導コイルを用いた加熱装
置に関し、特に、種々なサイズの被加熱物を誘導加熱す
ることを可能とする誘導コイル及びその誘導コイルを用
いた加熱装置に関する。なお、本明細書で「平坦面」と
は、厳密な意味での平坦面に限らず、ほぼ平坦な面、例
えば曲率半径の大きい湾曲面をも含むものであり、ま
た、「多角形状」とは、角部が、交差する直線で形成さ
れたものに限らず、円弧状等の曲線で形成されたものを
も含むものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数の平坦面が多角形状に連
なった外周面を有する被加熱物を誘導加熱する用途があ
る。例えば、使用済ブラウン管を分解して再生させる工
程において、図8(a)、(b)に示すように、ブラウ
ン管1の四角形状の外周面に巻かれているスチール製の
防爆バンド2を150〜200°C程度に加熱、膨張さ
せて抜き取ることが行われており、その加熱のために、
誘導加熱が利用されている。この防爆バンド2の誘導加
熱には、防爆バンド2の外周面を取り囲む形状の且つ該
形状を維持する剛性を持った誘導コイルが使用されてい
た。誘導コイルとしては、通常、角形断面或いは丸形断
面の銅パイプが使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ブラウン管
には種々なサイズがあるため、各サイズごとに誘導コイ
ルが必要となり、多数の高価な誘導コイルを用意しなけ
ればならず、設備費がかかるという問題があった。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、ブラウン管に取り付けている防爆バンドのよう
に、複数の平坦面が多角形状に連なった外周面を有する
被加熱物であって、しかも複数のサイズの被加熱物を誘
導加熱することの可能な誘導コイル、及びその誘導コイ
ルを用いた加熱装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、被加熱物外周
の複数の平坦面にそれぞれ対応させて複数のコイルエレ
メントを配置し、その複数のコイルエレメントに通電手
段を接続し、前記被加熱物に、その外周面に沿って周回
する誘導電流を生じさせるように、前記複数のコイルエ
レメントに通電する構成とし、更に、その通電手段に、
前記複数のコイルエレメントの位置を被加熱物のサイズ
に応じて変化させることを許容するよう、可撓性の導体
を設けるという構成としたものである。
【0006】本発明のこの構成により、誘導加熱の際に
は、被加熱物をその全周に亘って取り囲むように誘導コ
イルを配置しなくても、被加熱物の外周面に沿って周回
するよう誘導電流が流れ、良好に被加熱物の全周を加熱
することができ、しかも、複数のコイルエレメントの配
置を、被加熱物のサイズに応じて、その被加熱物外周の
対応する平坦面を誘導加熱するのに適した位置となるよ
うに調整して誘導加熱を行うことができるため、種々な
サイズの被加熱物の外周面を、効率良く加熱することが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の誘導コイルは、複数の平
坦面が多角形状に連なった外周面を有する被加熱物を誘
導加熱するためのものであって、前記外周面の複数の平
坦面に対応して設けられ、それぞれが対応する平坦面に
対向させるための直線状部分を備えた複数のコイルエレ
メントと、前記被加熱物に、その外周面に沿って周回す
る誘導電流を生じさせるように、前記複数のコイルエレ
メントに通電させるための通電手段とを備え、該通電手
段が、前記複数のコイルエレメントの位置を被加熱物の
サイズに応じて変化させることを許容するよう、可撓性
の導体を備えていることを特徴とする。そして、この構
成により、被加熱物のサイズに応じて複数のコイルエレ
メントを、その被加熱物の外周面を誘導加熱するのに好
適な位置に位置させることができ、この状態で複数のコ
イルエレメントに通電することで、被加熱物の外周面に
沿って周回するよう誘導電流を発生させ、良好に被加熱
物の全周を加熱することができる。
【0008】ここで、前記通電手段による複数のコイル
エレメントに対する通電方式は、前記被加熱物に、その
外周面に沿って周回する誘導電流を生じさせるように、
前記複数のコイルエレメントに通電させることができれ
ば、直列方式でも並列方式でもよいが、直列方式の方
が、複数のコイルエレメントの電流を均等化できる点及
び高インピーダンスとなって電源とマッチングさせやす
い点から望ましい。そして、複数のコイルエレメントを
直列接続する場合には、隣接したコイルエレメントの端
部同志を可撓性の導体によって接続する構成とすること
が好ましい。この構成とすると、通電手段の構成を簡略
化することができる。
【0009】また、誘導コイルを構成する複数のコイル
エレメントに、通電方向に貫通した中空部を設け、且つ
通電手段に用いる導体として、水冷ケーブルを用いるこ
とが好ましい。この構成とすると、導体を介してコイル
エレメントに水等の冷却媒体を流すことができ、コイル
エレメントと導体の冷却を同時に行うことができる。
【0010】本発明の加熱装置は、上記構成の誘導コイ
ルと、該誘導コイルの複数のコイルエレメントをそれぞ
れ保持した複数のコイルエレメント位置決め手段とを有
し、該コイルエレメント位置決め手段を、保持したコイ
ルエレメントを、所定位置にセットされる複数サイズの
被加熱物のいずれに対しても、該被加熱物の対応する平
坦面を誘導加熱するのに適した位置に移動させ、その位
置に保持することの可能な構成としたものである。本発
明はこの構成により、複数のコイルエレメントを、位置
決め手段によって、加熱すべき被加熱物のサイズに応じ
た位置に位置決めすることができ、複数サイズの被加熱
物を良好に誘導加熱することができる。
【0011】上記加熱装置に設ける誘導コイルの各コイ
ルエレメントには、被加熱物に対向する面に絶縁材を取
り付けておくことが好ましい。この構成とすると、コイ
ルエレメントを被加熱物に近接させた状態で通電して加
熱する際、例え、コイルエレメントが被加熱物に接触し
たとしても両者間の絶縁が保たれ、トラブルを回避でき
る。
【0012】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例による誘導コイル及び
それを用いた加熱装置を、最小サイズの被加熱物をセッ
トした状態で示す概略正面図、図2はその誘導コイル及
び加熱装置を、最大サイズの被加熱物をセットした状態
で示す概略正面図である。この実施例の誘導コイル及び
加熱装置は、被加熱物としてブラウン管1、1Aの外周
に取り付けられている防爆バンド2、2Aを加熱するた
めのものであり、この防爆バンド2、2Aはそれぞれ、
4つの平坦面2a又は2Aaが湾曲した4つのコーナー
部2b又は2Abを介して四角形状につならった外周面
を備えている。
【0013】全体を参照符号10で示す加熱装置は、ブ
ラウン管1を、その中心が所定の基準点O上となる所定
位置(図示位置)に保持するためのブラウン管保持機構
(図示せず)と、所定位置に保持されたブラウン管1を
取り囲むような形状のフレーム11と、そのフレーム1
1の四辺の内面に取り付けられた4個の油圧又は空圧の
シリンダ装置12と、そのシリンダ装置12に保持され
た誘導コイル13と、電源装置15等を備えている。誘
導コイル13は、防爆バンド2の4個の平坦面2aにそ
れぞれ対応して設けられ、対応する平坦面に対向させる
ための直線状部分を備えた4個のコイルエレメント17
と、その4個のコイルエレメント17に通電させるため
の通電手段19を備えている。
【0014】4個のコイルエレメント17は長さが異な
る以外は同様な構成のものであるので、一つのコイルエ
レメント17についてその構成を説明する。図4に示す
ように、コイルエレメント17は、通電方向に貫通した
中空部17aを備えた角パイプで形成されており、通常
は銅製である。コイルエレメント17の両端は適当な板
で閉じられると共にその両端近傍に中空部17aに連通
した接続口17b(図1参照)がそれぞれ設けられてい
る。このコイルエレメント17の幅は加熱すべき防爆バ
ンド2と同程度もしくはそれより小さく選定されてい
る。また、その長さは、図1に示すようにこの加熱装置
10での処理対象となる最小寸法のブラウン管1に取り
付けた防爆ベルト2の対応する平坦面2aを含む辺の長
さ(両端の湾曲部も含む長さ)よりわずかに小さく設定
されている。図4において、コイルエレメント17の防
爆バンド2に対向する面には、ガラス繊維強化エポキシ
テープ、マイカ等の薄い絶縁板22が貼り付けられ、万
一、コイルエレメント17が防爆バンド2に接触しても
通電しないようになっている。また、コイルエレメント
17の防爆バンド2とは反対側の面には、ベークライト
等の絶縁板24が取り付けられ、その絶縁板24を介し
てシリンダ装置12に連結されている。
【0015】図1、図2において、4個のシリンダ装置
12はそれぞれ、コイルエレメント17を、所定位置に
セットされたブラウン管の防爆バンド2、2Aの対向す
る平坦面2a、2Aaに平行となるように保持すると共
に、各コイルエレメントをその直線状部分と直交する方
向に移動させるように配置されている。更に、各シリン
ダ装置12にはそれぞれ、保持したコイルエレメント1
7を、加熱対象とする複数サイズの防爆バンド、例えば
防爆バンド2、2Aの対向する平坦面2a、2Aa等に
対して誘導加熱に適した間隔となる位置に移動させ且つ
その位置に保持するように操作するための装置が連結さ
れている。かくして、このシリンダ装置及びそれを操作
する装置は、コイルエレメントを、被加熱物のサイズに
応じて所望の位置に位置決めするコイルエレメント位置
決め手段を構成する。
【0016】4個のコイルエレメント17に通電するた
めの通電手段19は、電源装置15の一対の接続口15
aをそれぞれ、1組の隣接したコイルエレメント17の
隣接した端部の接続口17bに接続する可撓性の導体2
6と、その他の隣接したコイルエレメント17の隣接し
た端部の接続口17b同志をそれぞれ接続する可撓性の
導体27等を備えている。かくして、四角形状に配置さ
れた4個のコイルエレメント17は直列に接続された状
態で電源装置15に接続され、従って、周方向には同一
方向に電流が流れることとなり、防爆バンド2に周方向
に周回する方向の誘導電流を生じさせることができる。
導体26、27は、電流を通すことができると共に冷却
水等の冷却媒体を通すことの可能な、且つ適当な可撓性
を有する構成のものであり、本実施例では、ゴム、プラ
スチック等の絶縁性の且つ可撓性のチューブ内に銅線の
撚り線を通した構成の水冷ケーブルが用いられている。
この構成により、各コイルエレメント17の移動に導体
26、27が干渉することがなく、また、各コイルエレ
メント17に冷却媒体を通すことができる。
【0017】次に、上記構成の加熱装置による加熱動作
を説明する。図1に示すように、小サイズのブラウン管
1の防爆バンド2を加熱する場合には、4個のシリンダ
装置12により、4個のコイルエレメント17を防爆バ
ンド2の誘導加熱に好ましい位置に位置決めし、その位
置に保持する。この状態で、ブラウン管保持機構(図示
せず)によって、処理すべきブラウン管1を4個のコイ
ルエレメント17で囲まれた空間内に挿入し、その中心
が所定の基準点O上となる所定位置にセットする。次い
で、電源装置15で誘導コイル13に通電及び冷却媒体
の供給を開始し、防爆バンド2を誘導加熱する。この誘
導加熱の際、四角形状に配置された4個のコイルエレメ
ント17には、四角形状の各辺をループ状に周回する方
向の電流が流れるため、防爆バンド2にはその逆方向の
誘導電流が生じ、従って、矢印で示すように、防爆バン
ド2を周回するような誘導電流が流れることとなる。こ
れにより、防爆バンド2を、そのコーナー部を含めて良
好に誘導加熱することができる。防爆バンド2を所望温
度(例えば、200°C程度)まで加熱した後は、誘導
コイル13への通電を停止し、加熱を終了して膨張した
防爆バンド2からブラウン管1を抜き取り、次の工程に
送る。以上で1回の加熱サイクルが終了する。
【0018】次に、図2に示すように、大サイズのブラ
ウン管1Aの防爆バンド2Aを加熱する場合には、4個
のシリンダ装置12により、4個のコイルエレメント1
7を防爆バンド2Aの誘導加熱に好ましい位置に位置決
めしてその位置に保持し、その状態で、処理すべきブラ
ウン管1Aを所定位置にセットし、防爆バンド2Aを誘
導加熱する。この誘導加熱の際、防爆バンド2Aはサイ
ズが大きいため、各コイルエレメント17は、対向する
平坦面2Aaよりもかなり短く、それぞれの中央部分に
対向しており、防爆バンド2Aのコーナー部にはコイル
エレメント17が位置しておらず、このため、コーナー
部にコイルエレメント17で直接誘導電流を生じさせる
ことはできない。しかしながら、前記したように、4個
のコイルエレメント17には、四角形状のループ方向に
電流が流れるため、防爆バンド2Aにはその逆方向の誘
導電流が生じ、従って、矢印で示すように防爆バンド2
Aを周回するような誘導電流が流れることとなる。この
ため、コーナー部にも、各コイルエレメント17に対向
する部分の誘導電流よりは幾分小さくなることがあると
しても、同一オーダーの誘導電流が流れることとなり、
短いコイルエレメント17を使用しながら、防爆バンド
2Aを全周に渡って加熱することができる。
【0019】小サイズ及び大サイズのブラウン管1、1
Aの中間サイズのブラウン管に対しても同様の操作で誘
導加熱する。かくして、上記実施例の加熱装置10で
は、1つの誘導コイル13を用いて、各種サイズのブラ
ウン管1、1A等に取り付けられている防爆バンド2、
2A等を誘導加熱することができる。
【0020】なお、上記実施例では、各コイルエレメン
ト17の防爆バンド2、2A等に対する位置決めを、シ
リンダ装置を備えた位置決め手段を用いて行う構成とし
たが、位置決め手段にはシリンダ装置以外の機構を用い
てもよく、更には、位置決め手段を省略し、各コイルエ
レメントを取付位置調整可能な保持手段に取り付けてお
き、手動操作で取付位置調整する構成としてもよい。た
だし、位置決め手段を設けておくと、当然各コイルエレ
メントの位置決めを自動的に行うことができ、作業者の
作業負担を大幅に削減できるという効果が得られる。
【0021】更に、上記実施例では、各コイルエレメン
ト17を、ブラウン管をセットする前に、そのブラウン
管のサイズに応じた位置に位置決めしておくものとして
説明したが、この代わりにブラウン管をセットした後、
各コイルエレメント17の位置決めを行なう方法で加熱
操作を行なってもよい。すなわち、図3に示すように、
4個のコイルエレメント17を大きく開いた状態として
おき、この状態で、ブラウン管保持機構(図示せず)に
よって、処理すべきブラウン管1を、その中心が所定の
基準点O上となる所定位置にセットし、次いで、4個の
シリンダ装置12を作動させてそれぞれが保持している
コイルエレメント17を、対向する防爆バンド2の平坦
面に向かって移動させ、図1に示すように、平坦面に対
して誘導加熱に適した間隔となる位置で停止させ、その
位置に保持して誘導加熱を行なう。更には、上記位置で
の停止を、距離センサーによる位置情報に基づき、ある
いは、前記絶縁板の表面に突起を設けておき、該突起が
対象面に接した際の応力情報に基づいて自動的に行なわ
せるようにしてもよい。加熱終了後は、再び各コイルエ
レメント17を大きく開き、ブラウン管1を取り出し、
次の工程に送る。このようにブラウン管の出し入れの際
に、4個のコイルエレメント17を開閉させる構成とす
ると、ブラウン管の出し入れの際の位置に多少の誤差が
あっても、ブラウン管がコイルエレメントにぶつかって
トラブルを起こすということがない。
【0022】また、上記実施例では、4個のコイルエレ
メント17に通電するための通電手段19が、4個のコ
イルエレメント17の端部同志を3個所において導体2
7で接続することで、4個のコイルエレメント17を直
列に接続した構成のものであるが、通電手段は必ずし
も、4個のコイルエレメント17を直列に接続する構成
のものに限らず、並列或いは直列と並列を併用した構成
としてもよい。例えば、図5(a)に示す通電手段19
Aは、一組の隣接したコイルエレメント17の隣接した
端部の接続口17b同志を可撓性の導体27で直列に接
続し、また、他の組の隣接したコイルエレメント17の
隣接した端部の接続口17b同志も可撓性の導体27で
直列に接続し、更に、コイルエレメント17を直列に接
続した直列コイルユニット2組を導体28によって並列
に、且つ電流が各コイルエレメント17を、そのコイル
エレメントが形成する四角形状の各辺をループ状に周回
する方向に流れるように接続したものである。図5
(b)に示す通電手段19Bは、4個のコイルエレメン
ト17を導体29によって並列に、且つ電流が各コイル
エレメント17を、そのコイルエレメントが形成する四
角形状の各辺をループ状に周回する方向に流れるように
接続したものである。これらの通電手段19A、19B
においても、導体28或いは29の全部或いは各コイル
エレメントに接続された部分を可撓性としている。この
構成により、各コイルエレメント17を加熱対象の防爆
ベルトのサイズに応じて所望位置に位置させることがで
き、且つ誘導加熱時には、防爆ベルトを周回するような
誘導電流を生じさせ、良好に加熱することができる。
【0023】図6は本発明の他の実施例による誘導コイ
ル33を示すものである。この実施例の誘導コイル33
も、防爆バンド2の4個の平坦面2aにそれぞれ対応し
て4個のコイルエレメント37を設けているが、そのコ
イルエメレント37が、対応する平坦面2aに対向させ
るための直線状部分37aを有するのみならず、その一
端から直角に折れ曲がった部分37bを有する構成とな
っており、小サイズのブラウン管1に対して使用する際
には、各コイルエレメントの折れ曲がった部分37bが
隣接したコイルエレメントの直線状部分37aと干渉し
ないよう、例えば平行に並ぶように配置し、隣接した端
部同志を可撓性の導体27で連結している。その他の構
成は図1〜図4に示す実施例と同様である。図6に示す
実施例では、小サイズのブラウン管1の防爆バンド2を
加熱する際には、各コイルエレメント37を図6に示す
状態に位置決めするが、図7に示すように、大サイズの
ブラウン管1Aの防爆バンド2Aを加熱する際には、各
コイルエレメント37を図7に示す状態に位置決めして
使用する。これにより、図1に示す実施例と同様に、異
なるサイズの防爆バンド2、2Aの加熱を行うことがで
きる。
【0024】図6、図7に示す実施例では、図1に示す
実施例に比べて、被加熱物(防爆バンド)の平坦面に対
向させるための直線状部分の長さの長いコイルエレメン
ト37の使用が可能となり、大サイズの被加熱物の加熱
を一層良好に実施できる利点が得られる。なお、図6、
図7の実施例では、各コイルエレメント37を、異なる
サイズの防爆バンド2、2Aに対して所定位置に位置き
めする際、それぞれのコイルエレメントを、その直線状
部分に直角方向に移動させるのみならず、平行にも移動
させる必要がある。このため、各コイルエレメント37
を所定位置に位置決めするための位置決め手段は、各コ
イルエレメントを、その直線状部分を平行に保った状態
で、図6に矢印B−Bで示すように傾斜した方向に移動
させる機能を備えたものとすればよい。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の誘導コ
イルは、被加熱物の外周面の複数の平坦面に対応して、
該平坦面に対向させるための直線状部分を備えた複数の
コイルエレメントを設けると共に、その複数のコイルエ
レメントに、前記被加熱物の外周面に、該外周面に沿っ
て周回する誘導電流を生じさせるように、通電手段を接
続し、更にその通電手段に、前記複数のコイルエレメン
トの位置を被加熱物のサイズに応じて変化させることを
許容するよう可撓性の導体を備えた構成としたものであ
るので、異なるサイズの被加熱物に対しても、複数のコ
イルエレメントを、誘導加熱に好適な位置に位置決めし
て誘導加熱することができ、しかも、誘導加熱の際に
は、被加熱物に、その外周面に沿って周回する誘導電流
が流れるため、被加熱物の全周に誘導コイルを配置しな
くても、良好に被加熱物の加熱を行うことができ、種々
なサイズの被加熱物を、効率良く加熱することができ、
従って、被加熱物のサイズに応じて多数の誘導コイルを
用意するという必要がなく、設備費を削減できるという
効果を有している。
【0026】また、本発明の加熱装置は、上記構成の誘
導コイルを有すると共に、複数のコイルエレメントをそ
れぞれコイルエレメント位置決め手段によって所望の位
置に位置決めする構成としたものであるので、各コイル
エレメントをそれぞれの位置決め手段によって被加熱物
のサイズに応じた所望の位置に位置決めして、被加熱物
を効率良く誘導加熱することができ、種々なサイズの被
加熱物の外周面を効率良く加熱することができると共に
作業者に対する作業負担を少なくでき、また、被加熱物
のサイズに応じて多数の誘導コイルを用意するという必
要がなく、設備費を削減できる等の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による誘導コイル及び加熱装
置を、小サイズのブラウン管をセットした状態で示す概
略正面図
【図2】図1に示す実施例を、大サイズのブラウン管を
セットした状態で示す概略正面図
【図3】図1に示す実施例を、コイルエレメントを開い
た状態で示す概略正面図
【図4】図1のA−A矢視概略断面図
【図5】(a)、(b)はそれぞれ、図1に示す実施例
とは異なる通電手段を備えた誘導コイルの概略正面図
【図6】本発明の他の実施例による誘導コイルを、小サ
イズのブラウン管をセットした状態で示す概略正面図
【図7】図6に示す誘導コイルを、大サイズのブラウン
管をセットした状態で示す概略正面図
【図8】(a)、(b)はそれぞれ、ブラウン管の概略
斜視図及び概略断面図
【符号の説明】
1、1A ブラウン管 2、2A 防爆バンド 2a、2Aa 平坦面 10 加熱装置 11 フレーム 12 シリンダ装置 13 誘導コイル 15 電源装置 17 コイルエレメント 17a 中空部 17b 接続口 19 通電手段 22 絶縁板 24 絶縁板 26、27、28、29 導体
フロントページの続き (72)発明者 前之園 司 神奈川県川崎市川崎区殿町2丁目17番8号 第一高周波工業株式会社技術部内 (72)発明者 都築 鋭 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 樋口 優 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 本村 士郎 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 3K059 AA08 AA10 AB04 AC37 AD03 AD23 AD34 AD37 AD40 CD44 CD48 CD55 CD73 CD76

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の平坦面が多角形状に連なった外周
    面を有する被加熱物を誘導加熱するための誘導コイルで
    あって、前記外周面の複数の平坦面に対応して設けら
    れ、それぞれが対応する平坦面に対向させるための直線
    状部分を備えた複数のコイルエレメントと、前記被加熱
    物に、その外周面に沿って周回する誘導電流を生じさせ
    るように、前記複数のコイルエレメントに通電させるた
    めの通電手段とを備え、該通電手段が、前記複数のコイ
    ルエレメントの位置を被加熱物のサイズに応じて変化さ
    せることを許容するよう、可撓性の導体を備えているこ
    とを特徴とする誘導コイル。
  2. 【請求項2】 前記通電手段が、隣接したコイルエレメ
    ントの端部同志を直列接続する可撓性の導体を備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の誘導コイル。
  3. 【請求項3】 前記コイルエレメントに通電方向に貫通
    した中空部を設けると共に、前記導体として水冷ケーブ
    ルを用いることにより、冷却媒体を流通させて冷却でき
    るようにした、請求項1又は2記載の誘導コイル。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    誘導コイルと、該誘導コイルの複数のコイルエレメント
    をそれぞれ保持した複数のコイルエレメント位置決め手
    段とを有し、該コイルエレメント位置決め手段が、保持
    したコイルエレメントを、所定位置にセットされる複数
    サイズの被加熱物のいずれに対しても、該被加熱物の対
    応する平坦面を誘導加熱するのに適した位置に移動さ
    せ、その位置に保持することの可能な構成であることを
    特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記コイルエレメントの、被加熱物に対
    向する面に絶縁材を取り付けていることを特徴とする請
    求項4記載の加熱装置。
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